JP2003090193A - シールド掘進機 - Google Patents

シールド掘進機

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JP2003090193A
JP2003090193A JP2001282899A JP2001282899A JP2003090193A JP 2003090193 A JP2003090193 A JP 2003090193A JP 2001282899 A JP2001282899 A JP 2001282899A JP 2001282899 A JP2001282899 A JP 2001282899A JP 2003090193 A JP2003090193 A JP 2003090193A
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shield
outer peripheral
cutter
inner peripheral
peripheral shield
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JP2001282899A
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Hiroyuki Ito
広幸 伊藤
Takashi Nakane
隆 中根
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IHI Corp
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先願のシールド掘進機の改良を図る。 【解決手段】 外周シールド2とその内周に進退自在に
設けられた内周シールド3とからなるシールド掘進機1
において、外周シールド2と内周シールド3との摺動部
を内周シールドのカッタ軸53の周囲に設ける。摺動部
の径Dが最小径となり、シール部材68及び軸受69も
最小径化でき、加工及びシールが容易となる。またロー
タリジョイント77も小径となり、実績のある高い信頼
性のものを使用できる。また、外周シールド2と内周シ
ールド3とのカッタチャンバ12,36同士を連通す
る。カッタチャンバが共通となるため、一つの送排泥ラ
イン13,14で済み、通常と同程度の構成とすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルを構築す
る際に用いるシールド掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は以前、外周シールドと内周シ
ールドとを有した所謂親子シールド掘進機についての出
願を行った(特願2001−18788)。これは、掘
削能力の高い外周シールドで先に高速で掘削を行い、次
いで掘削能力の低い内周シールドで比較的低速で掘削を
行いつつ、その間後方でセグメント組み立てを行うとい
うものである。内周シールドによる比較的低速での掘削
と、ある程度時間を要するセグメント組立とを同時期に
行うため、シールド全体としての掘進速度(前進速度)
が高速となり、工期を短縮できるなどの利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このシールド
掘進機にも以下のような欠点がある。図6にこのシール
ド掘進機を示すが、第一の欠点は、外周シールドaと内
周シールドbとの摺動部の径Dxが大きい点である。
【0004】即ち、摺動部の径Dxは内周シールドbの
外径にほぼ等しく、その内周シールドbの最外周位置で
シール部材(スライドブロック)c及び軸受dにより摺
動が行われ、且つシールド間のシールが行われる。しか
し、摺動部の径Dxが大きいと、シール部材c及び軸受
dも大径となり加工及びシールが困難である。また、外
周カッタに設けられたコピーカッタ等に油圧を供給する
ため、大口径のロータリジョイントを必要とするが、こ
のようなロータリジョイントに実績が無いため信頼性が
問題となる。
【0005】第二の欠点は、外周シールドaと内周シー
ルドbとで別個独立したカッタチャンバとなっている点
である。即ち、こうすると送排泥ラインも別々となるた
め、配管、バルブ等の数が通常より増えてしまう。また
機内スペースが狭くなり、バルブ等へのアクセスが困難
となり、点検やメンテナンスが困難となる。さらに外周
側と内周側との送排泥系統の合流・分岐方法やポンプの
配置方法等を特別に考慮しなくてはならない。なお図
中、外周シールドaの送泥管がe、排泥管がf、内周シ
ールドaの送泥管がg、排泥管がhである。
【0006】第三の欠点は、内周シールドbを最大限に
活用していなかった点である。即ち、先願では、外周シ
ールドaが掘進(前進)しているときに、地山に対して
内周シールドbを静止させており、内周シールドbは掘
進しないこととしていたため、内周シールドbの有効活
用が望まれていた。また、外周推進ジャッキiと同じス
トロークだけ内周推進ジャッキjがストロークしなけれ
ばならず、内周推進ジャッキjに全ストローク長の比較
的長いものを使用せざるを得なかった。さらに外周推進
ジャッキiと内周推進ジャッキjとの同調制御が必要と
なり、制御が比較的困難であった。
【0007】第四の欠点は、内周シールドbのカッタを
正逆両方向に回転可能としていた点である。即ちこうす
るとカッタビットやスリット開閉装置も両回転方向に対
応できるように2組設けなければならず、装備数量が多
くなる。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、先願のシールド掘進機の改良を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、外周シールド
とその内周に進退自在に設けられた内周シールドとから
なるシールド掘進機において、外周シールドと内周シー
ルドとの摺動部を内周シールドのカッタ軸の周囲に設け
たものである。
【0010】これによれば、摺動部の径が最小径となる
ため、摺動部をなすシール部材及び軸受も最小径化で
き、加工及びシールが容易となる。またロータリジョイ
ントも小口径で済むので、実績のある高い信頼性のもの
を使用できる。
【0011】ここで、上記摺動部が、内周シールドのカ
ッタ軸を収容支持するスリーブと、外周シールドの隔壁
に形成された中心穴に固設され、上記スリーブを摺動自
在に支持する軸受及びシール部材とから構成されてもよ
い。
【0012】また本発明は、外周シールドとその内周に
進退自在に設けられた内周シールドとからなるシールド
掘進機において、外周シールドと内周シールドとのカッ
タチャンバ同士を連通したものである。
【0013】これによれば、カッタチャンバが共通とな
るため、一つの送排泥ラインで済み、通常と同程度の構
成とすることができる。
【0014】ここで、上記連通部が内周シールドのカッ
タチャンバ後端部に設けられるのが好ましい。また、上
記外周シールドのカッタチャンバに送泥管と排泥管とが
接続されるのが好ましい。
【0015】また本発明は、外周シールドとその内周に
進退自在に設けられた内周シールドとを有し、外周シー
ルドを掘進させるときに、内周シールドを、外周シール
ドの前進速度より遅い前進速度で掘進させるようにした
ものである。
【0016】これによれば、外周シールドの掘進中、内
周シールドも地山に対して僅かに掘進させることがで
き、内周シールドを有効に活用できる。
【0017】ここで、上記内周シールドの推進ジャッキ
の全ストローク長が上記外周シールドの推進ジャッキの
全ストローク長より短くされるのが好ましい。
【0018】また本発明は、外周シールドとその内周に
進退自在に設けられた内周シールドとを有したシールド
掘進機を用いて掘進すると共にトンネルを構築するシー
ルド工法であって、既設セグメントから反力を取りなが
ら外周シールドを少なくともセグメントの1リング分掘
進させ、その間外周シールドの前進速度より遅い速度で
内周シールドを前進させつつ内周シールドによる掘進を
行い、その後、外周シールドを停止させ、内周シールド
を停止中の外周シールドの位置まで掘進させ、その間に
セグメントを組み立てるものである。
【0019】また本発明は、外周シールドとその内周に
進退自在に設けられた内周シールドとを有したシールド
掘進機において、内周シールドのカッタの回転方向を一
方向としたものである。
【0020】これによれば、内周シールドのカッタビッ
トやスリット開閉装置を一回転方向のみに対応して設け
ればよくなり、装備数量が低減される。
【0021】ここで、上記内周シールドが、カッタスポ
ークの回転方向前側にのみカッタビットとスリット開閉
装置とを有するのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態を添
付図面に基づいて詳述する。
【0023】図1乃至図3に示すように、シールド掘進
機1は、外周シールド2と、その外周シールド2の内周
に進退自在に設けられた内周シールド3とを備える。
【0024】外周シールド2は、外周カッタ5を有する
前胴部6と、前胴部6に屈曲自在に連結された後胴部7
とを有している。外周カッタ5は、図2に示されるよう
にリング状とされ、前胴部6の前端に回転自在に設けら
れ、駆動モータ8により正転(+)又は逆転(−)方向
に回転駆動される。なお外周カッタ5は揺動ジャッキに
より揺動されてもよい。また外周カッタ5は、放射状に
延びる多数のスポーク9を有し、これら各スポーク9に
カッタビット10が同一周上に多数配列されるように設
けられている。これにより、外周カッタ5は後述する内
周カッタ11より切削能力の高いものとなっている。外
周カッタ5の裏側には外周カッタチャンバ12が区画形
成され、外周カッタチャンバ12には送泥管13と排泥
管14とが接続される。
【0025】後胴部7は、前胴部後端のシール部材6a
の中に嵌め入れられる球面部17を有し、これにより前
胴部6と後胴部7とが互いに屈曲自在となる。前胴部6
と後胴部7の間に中折れジャッキ18が設けられ、中折
れジャッキ18を伸縮させることで前胴部6が後胴部7
に対して屈曲される。後胴部7には、既設セグメント1
9から反力を取って外周シールド2をセグメント20の
一リング分掘進させるための外周推進ジャッキ21と、
セグメント20を組み立てるためのエレクタ22とが設
けられている。
【0026】外周推進ジャッキ21は、少なくともセグ
メント20の一リング分の全ストローク長を有する油圧
シリンダからなり、ピストンロッド23(図5(b)参
照)を後方へ向けて後胴部7の前端部内周に多数、円周
方向に等間隔に設けられている。そして、ピストンロッ
ド23を後方の既設セグメント19へ向けて伸張させる
ことにより既設セグメント19を後方へ押し、反力を得
るようになっている。
【0027】エレクタ22は、外周推進ジャッキ21の
内周側に後胴部7と同軸に設けられたリング状のレール
25と、レール25に沿って後胴部7内を移動し、レー
ル25の後方でセグメント20を既設セグメント19の
前端に継ぎ足すようにして組み立てる組立装置26とか
らなり、内周シールド3の掘進中にセグメント20を組
み立てるようになっている。
【0028】前胴部6の長手方向中間位置に前胴部6内
を前後に仕切る隔壁50が設けられ、この隔壁50に外
周カッタ5が回転自在に支持される。即ち外周カッタ5
は後方に延出するリング部51を一体に有し、リング部
51の後端が隔壁50に回転自在且つ摺動自在に支持さ
れる。この支持部の内周側と外周側とにシール部材52
が設けられる。駆動モータ8は隔壁50に取り付けられ
る。
【0029】また隔壁50は、その中心部において内周
シールド3を支持している。内周シールド3は、前端に
位置する内周カッタ11と、内周カッタ11の回転駆動
軸をなす内周カッタ軸53と、内周カッタ軸53にギヤ
機構54を介して連結される駆動モータ35と、内周カ
ッタ軸53を同軸に密閉収容し、軸受55を介して回転
自在に支持する一定径且つ所定長さのスリーブ56と、
駆動モータ35及びスリーブ56を固定支持し、且つ隔
壁50に前後移動自在に係合される内周フレーム57と
から主に構成される。先願の胴体k(図6参照)のよう
なものは有しない。
【0030】内周フレーム57は、周方向等間隔で前方
に突出する多対の挟持片58を有し、これら挟持片58
で隔壁50の被挟持片59を挟むことにより、隔壁50
に前後移動自在に係合し、且つ隔壁50に対し回転しな
いようになっている。内周フレーム57と隔壁50とが
内周推進ジャッキ28により連結され、これにより内周
シールド3が外周シールド2に対し前進又は後退可能と
なる。内周推進ジャッキ28は油圧シリンダからなり、
外周推進ジャッキ21より小さな推力と、短い全ストロ
ーク長とを有する。
【0031】内周カッタ11は、外周カッタ5の内径と
ほぼ等しい外径を有し、4本のカッタスポーク60と、
そのうち直径方向に延出する2本のカッタスポーク60
に取り付けられた複数のカッタビット34と、面板61
と、カッタビット34が取り付けられたカッタスポーク
60の回転方向前方で面板61に開口された二つの排土
用スリット62と、これらスリット62を個別に開閉す
る二つのスリット開閉装置63とを有する。ここで、内
周カッタ11は正転(+)方向にしか回転されず、この
ような片回転専用の設計となっている。即ち、カッタビ
ット34、スリット62及びスリット開閉装置63がカ
ッタスポーク60の回転方向前方にしか設けられていな
い。なおスリット開閉装置63は面板61の裏側に設け
られ、スリット62を閉止可能な閉止板64、閉止板6
4を開閉駆動する油圧シリンダ90、及び閉止板64と
油圧シリンダ64とを連結する平行リンク機構65から
構成される。
【0032】内周カッタ11の裏側に内周カッタチャン
バ36が区画形成され、内周カッタチャンバ36と外周
カッタチャンバ12とは、内周カッタチャンバ36の後
端部に設けられた開口部66を介して連通されている。
内周カッタチャンバ専用の送泥管及び排泥管は設けられ
ておらず、外周カッタチャンバ12のための送泥管13
及び排泥管14を内周カッタチャンバ36のために共用
するようになっている。
【0033】隔壁50には中心穴67が設けられ、中心
穴67の内周部前方及び後方にそれぞれリング状のシー
ル部材68及び軸受69が固設される。これらシール部
材68及び軸受69の中心部に、スリーブ56が前後摺
動可能に支持される。スリーブ56は内周フレーム57
に一体的に固定され、隔壁50に対して回転せず前後移
動するだけである。このようにここではスリーブ56の
外径又はシール部材68及び軸受69の内径が摺動部の
径Dとなる。
【0034】外周カッタ5には、カーブ施工時に用いら
れ油圧シリンダ75によって出没される二つのコピーカ
ッタ70がそれぞれ対向位置に設けられる。また外周カ
ッタ5は正逆両方向に回転可能であり、これに対応して
各スポーク9の正転方向前後側(正逆転方向前側)にカ
ッタビット10と排土用スリット71とが設けられる。
面板72の裏側にスリット開閉装置73が設けられる
が、これは一体的なリング状の閉止板74(図3の黒塗
り部分)を対向側に設けられた二つの油圧シリンダ76
で周方向に所定角度θスライドさせ、全てのスリット7
1を同時に開閉するものである。
【0035】このような外周カッタ5の油圧シリンダ7
5,76に機内側から油圧を供給するため以下の構成が
採られる。まず、隔壁50の前面に隣接してロータリジ
ョイント77が設けられる。ロータリジョイント77
は、隔壁50の中心側に固定された固定リング部78
と、固定リング部78の外周面上を摺動回転可能な可動
リング部79と、油圧シリンダ75,76のある位相位
置で可動リング部79から径方向外側に一体的に延出
し、リング部51の後部に一体的に接続するスポーク状
のアーム部80とから主に構成される。これによって外
周カッタ5の回転と共に、可動リング部79とアーム部
80とが固定リング部78の回りを回転する。ロータリ
ジョイント77の摺動径D1をできるだけ小さくするた
め、固定リング部78はできるだけ小径化され、その内
径が中心穴67の内径にほぼ等しくされる。
【0036】図4に示すように、固定リング部78に油
圧通路81が形成され、可動リング部79にはこれに沿
って油圧通路81に常時連通される周溝82が形成さ
れ、アーム部80には周溝82に連通される油圧通路8
3が形成される。固定リング部78の油圧通路81に
は、隔壁50の油圧通路84を通じて機内側から油圧が
供給される。可動リング部79が固定リング部78の油
圧通路81の出口を塞ぎ、油圧通路81から周溝82に
導入された圧油がアーム部80の油圧通路83に供給さ
れる。固定リング部78と可動リング部79とには互い
に摺動する軸受84,85が埋設され、可動リング部7
9には周溝82の両隣にシール部材86が埋設される。
【0037】こうして、中心側から径方向外側に導かれ
る圧油(図1に矢示する)は、リング部51内の配管等
(図示せず)を通じてコピーカッタ70の油圧シリンダ
75に供給されると共に、外周カッタチャンバ12内に
固設された配管等(図示せず)を通じてスリット開閉装
置73の油圧シリンダ76に供給される。
【0038】さて、このシールド掘進機1によるシール
ド工法は以下の通りである。図5(a)に示すように、最
初は外周推進ジャッキ21と内周推進ジャッキ28とを
収縮状態とし、外周推進ジャッキ21を既設セグメント
19の前端面に軽く当てておくと共に、外周カッタ5と
内周カッタ11との掘削面を合わせた状態にしておく。
次に図5(b)に示すように、外周カッタ5を回転させ、
外周推進ジャッキ21を伸張させて既設セグメント19
を後方へ押すと共に、そのときの反力によって外周シー
ルド2を前進(掘進)させる。このときの外周推進ジャ
ッキ21の伸張速度と、外周シールド2の前進速度とは
等しくV1である。
【0039】一方、この掘進と同時に、内周カッタ11
を回転させると共に、内周推進ジャッキ28を伸長させ
内周シールド3を外周シールド2より遅い速度で前進さ
せる。このときの内周シールド3の掘進速度をV2(V
1>V2)とすると、内周推進ジャッキ28の伸長速度
は(V1−V2)として、内周シールド3を前進させ
る。絶対座標系としての地山に対して内周シールド3は
V2の前進速度で掘進を行える。
【0040】このとき、後方でセグメントの組立は行わ
ないため、全ての外周推進ジャッキ21を既設セグメン
ト19に押し当ててバランスよく外周シールド2を掘進
させることができる。従って高い方向精度、即ち直進時
には高い直進精度が、屈曲施工時には高い屈曲精度が得
られる。また、外周カッタ5は、周速が速く同一円周上
に多数のカッタビット10を有するため、掘削効率に優
れ高速掘進可能である。
【0041】こうして外周シールド2をセグメント20
の一リング分掘進させたら、図5(c)に示すように外周
シールド2の掘進を停止し、セグメントを組み立てよう
とする位置の外周推進ジャッキ21のみを収縮させ、空
いたスペースにセグメントを組み付ける。これを全周の
セグメント分に対し繰り返し行う。セグメントを組み立
てない位置では相変わらず外周推進ジャッキ21による
反力を得ており、外周シールド2の安定化が図られる。
【0042】またこの間、内周推進ジャッキ28を収縮
させ、内周シールド3のみによる掘進を行う。このとき
の地山に対する内周シールド3の掘進速度はV2とす
る。内周シールド3は、十分な長さを有するシール部材
68及び軸受69に支持、案内されて外周シールド2内
を軸方向に真っ直ぐ進むことができ、高い直進精度を有
している。
【0043】内周シールド3は、カッタビット数が少な
く周速も遅いため、それ程高い掘削能力を有しない。し
かしながら、内周シールド3が時間のかかるセグメント
組立作業と並行して掘進を行い、セグメント組立が終了
するまでに掘進を終えればよく、それ程高い掘削能力を
必要とせず、逆にいえば比較的簡単な構成でよいことに
なる。よってこのように時間のかかる内周側の掘進とセ
グメント組立作業とを並行して行うことで、全体として
効率が良くなり工期を短縮できると共に、装置も簡単化
できる。
【0044】こうして、内周シールド3が外周シールド
2の位置まで掘進を終えたら上記の工程を繰り返す。
【0045】次に、このシールド掘進機1の特徴を述べ
る。
【0046】第一の特徴は、外周シールド2と内周シー
ルド3との摺動部を内周シールド2の内周カッタ軸53
の周囲に設けた点である。即ち、摺動部はシール部材6
8及び軸受69と、スリーブ56とからなり、摺動部の
径はDである。これは考え得る最小の径であり、このよ
うな最小径とすることによりシール部材68及び軸受6
9を最小径化でき、これらの加工及びシールが容易にな
る。また、ロータリジョイント77も小径化でき、実績
あるものを使用できて高い信頼性が得られる。
【0047】第二の特徴は、外周シールド2と内周シー
ルド3とのカッタチャンバ12,36同士を連通した点
である。これによれば、カッタチャンバが共通となるた
め、一つの送排泥ライン(送泥管13及び排泥管14)
で済み、通常のシールド掘進機と同様の構成となる。ま
たこれにより配管、バルブ等の数が通常と同等となり、
機内スペースが保たれ、バルブ等へのアクセスが容易と
なり、点検やメンテナンスが容易となる。
【0048】ここで掘削土砂の流れを説明する。外周カ
ッタ5により掘削された土砂は、スリット71及び閉止
板74の開口91を通じて外周カッタチャンバ12内に
流入し、排泥管14を通じて排出される。一方、内周カ
ッタ11により掘削された土砂は、スリット62を通じ
て内周カッタチャンバ36内に流入し、この後開口部6
6を通じて外周カッタチャンバ12内に流入し、排泥管
14を通じて排出される。図5(b)に示すように、内周
カッタ11が最も後退したときの内周カッタ11の位置
より後方に開口部66が設けられる。これは内周カッタ
11がどの位置にあっても内周カッタチャンバ36から
外周カッタチャンバ12への土砂流入を可能とするため
である。なお、スリット開閉装置73,63は長期の工
事休止時等にスリット71,62を閉じて土砂の流入を
阻止するためのものである。
【0049】第三の特徴は、外周シールド2の前進速度
V1より遅い速度V2で内周シールド3を前進させる点
である。先願では、外周シールドの掘進中、内周シール
ドを地山に対して静止させていたが、本実施形態によれ
ば、外周シールド2の掘進中、内周シールド3も地山に
対してV2の速度で掘進させることができ、内周シール
ド3を有効に活用することができる。そしてこうする
と、外周推進ジャッキ21が全ストロークする間に、内
周推進ジャッキ28はそれより短いストロークをすれば
よいことになり、内周推進ジャッキ28の全ストローク
長を外周推進ジャッキ21の全ストローク長より短くで
き、例えばセグメント幅よりも短くすることができる。
よって内周推進ジャッキ28をより簡単なものにするこ
とができ、コスト上も有利となる。さらに、外周推進ジ
ャッキ21と内周推進ジャッキ28との同調制御が不要
になることから、制御が容易になる。
【0050】なお、本実施形態では外周推進ジャッキ2
1の伸長時に内周推進ジャッキ28も伸長させるように
したが、先願のように内周推進ジャッキを収縮させる構
成としても構わない。
【0051】第四の特徴は、内周シールド3の内周カッ
タ11の回転方向を一方向(正転側のみ)とした点であ
る。これによれば、内周シールド3のカッタビット34
やスリット開閉装置63を一回転方向のみに対応して設
ければよくなり、装備数量が低減される。カッタスポー
ク60の回転方向後側には必要ないのである。
【0052】ここで、通常のシールド掘進機において両
方向回転とするのはローリング修正の必要があるからで
ある。しかし、本実施形態のシールド掘進機では、内周
シールド3の掘進によりローリングが生じても、外周シ
ールド2が両方向回転可能なのでこれにより修正でき
る。このため内周シールド3は両方向回転である必要は
必ずしもなく、逆に一方向回転としてもローリング修正
の問題は生じない。
【0053】一方、一方向回転とすることで回転方向後
方にカッタビットが無くなることから、その回転方向後
方のカッタビットの引き摺りによる背面抵抗が皆無とな
り、負荷低減が図られる。これにより内周シールド3の
カッタトルク及びジャッキ推力が低減可能となり、駆動
モータ35及び内周推進ジャッキ28等を小型化でき
る。
【0054】このように、本実施形態によれば先願のシ
ールド掘進機を様々な点において改良することができ
る。
【0055】なお、本発明の実施形態は上記のものに限
定されない。上記実施形態では外周シールド2を1セグ
メント単位で掘進させたが、これに限るものではなく、
複数セグメント単位で掘進させてもよい。この場合、一
度に複数セグメントの組立スペースができ、内周シール
ド3の掘進中、その組立スペース内に複数列のセグメン
トを組み立てることとなる。なおこの場合エレクタ22
は前後移動可能なものとするのがよい。
【0056】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0057】(1)外周シールドと内周シールドとの摺
動部をなす軸受及びシール部材を最小径化でき、加工が
容易になり、信頼性が高まる。
【0058】(2)送排泥ラインが通常同様に一つで済
み、装置が単純化できる。
【0059】(3)内周シールドを有効に活用すること
ができる。
【0060】(4)内周シールドのカッタビット等を一
回転方向のみに対応して設ければよくなり、装備数量が
低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のシールド掘進機を示す縦断側面図
である。
【図2】同正面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】ロータリジョイントの縦断側面図である。
【図5】本実施形態のシールド工法を示す縦断側面図で
ある。
【図6】先願のシールド掘進機を示す縦断側面図であ
る。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 外周シールド 3 内周シールド 5 外周カッタ 12 外周カッタチャンバ 13 送泥管 14 排泥管 19 既設セグメント 20 セグメント 21 外周推進ジャッキ 28 内周推進ジャッキ 34 カッタビット 36 内周カッタチャンバ 50 隔壁 53 内周カッタ軸 56 スリーブ 60 カッタスポーク 63 スリット開閉装置 66 開口部 67 中心穴 68 シール部材 69 軸受 77 ロータリジョイント D 摺動部の径 V1 外周シールドの前進速度 V2 内周シールドの前進速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D054 AA05 AC02 AC05 AD02 AD07 AD13 BA03 BA05 BA10 BB02 DA12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周シールドとその内周に進退自在に設
    けられた内周シールドとからなるシールド掘進機におい
    て、外周シールドと内周シールドとの摺動部を内周シー
    ルドのカッタ軸の周囲に設けたことを特徴とするシール
    ド掘進機。
  2. 【請求項2】 上記摺動部が、内周シールドのカッタ軸
    を収容支持するスリーブと、外周シールドの隔壁に形成
    された中心穴に固設され、上記スリーブを摺動自在に支
    持する軸受及びシール部材とから構成される請求項1記
    載のシールド掘進機。
  3. 【請求項3】 外周シールドとその内周に進退自在に設
    けられた内周シールドとからなるシールド掘進機におい
    て、外周シールドと内周シールドとのカッタチャンバ同
    士を連通したことを特徴とするシールド掘進機。
  4. 【請求項4】 上記連通部が内周シールドのカッタチャ
    ンバ後端部に設けられる請求項3記載のシールド掘進
    機。
  5. 【請求項5】 上記外周シールドのカッタチャンバに送
    泥管と排泥管とが接続される請求項3又は4記載のシー
    ルド掘進機。
  6. 【請求項6】 外周シールドとその内周に進退自在に設
    けられた内周シールドとを有し、外周シールドを掘進さ
    せるときに、内周シールドを、外周シールドの前進速度
    より遅い前進速度で掘進させるようにしたことを特徴と
    するシールド掘進機。
  7. 【請求項7】 上記内周シールドの推進ジャッキの全ス
    トローク長が上記外周シールドの推進ジャッキの全スト
    ローク長より短くされる請求項6記載のシールド掘進
    機。
  8. 【請求項8】 外周シールドとその内周に進退自在に設
    けられた内周シールドとを有したシールド掘進機を用い
    て掘進すると共にトンネルを構築するシールド工法であ
    って、既設セグメントから反力を取りながら外周シール
    ドを少なくともセグメントの1リング分掘進させ、その
    間外周シールドの前進速度より遅い速度で内周シールド
    を前進させつつ内周シールドによる掘進を行い、その
    後、外周シールドを停止させ、内周シールドを停止中の
    外周シールドの位置まで掘進させ、その間にセグメント
    を組み立てることを特徴とするシールド工法。
  9. 【請求項9】 外周シールドとその内周に進退自在に設
    けられた内周シールドとを有したシールド掘進機におい
    て、内周シールドのカッタの回転方向を一方向としたこ
    とを特徴とするシールド掘進機。
  10. 【請求項10】 上記内周シールドが、カッタスポーク
    の回転方向前側にのみカッタビットとスリット開閉装置
    とを有する請求項9記載のシールド掘進機。
JP2001282899A 2001-09-18 2001-09-18 シールド掘進機 Withdrawn JP2003090193A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163612A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Akatsuki Shinnihon Kensetsu Kk シールド掘進機
CN108444740A (zh) * 2018-03-11 2018-08-24 北京工业大学 一种可实现衬砌支护功能的土压平衡模型盾构试验机

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