JP2003088969A - 厚板重ね溶接方法及び装置 - Google Patents

厚板重ね溶接方法及び装置

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JP2003088969A JP2001283856A JP2001283856A JP2003088969A JP 2003088969 A JP2003088969 A JP 2003088969A JP 2001283856 A JP2001283856 A JP 2001283856A JP 2001283856 A JP2001283856 A JP 2001283856A JP 2003088969 A JP2003088969 A JP 2003088969A
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Naoaki Fukuda
直晃 福田
Shoichi Kitagawa
彰一 北側
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Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ溶接において、厚板の重ね界面のビー
ド幅を大きくすること。 【解決手段】 レーザによる厚板の溶接において、溶接
位置に吹付けるガスの圧力によって溶け込み形状を変化
させ、重ね界面に最大のビード幅を形成する。 【効果】 厚板の重ね溶接において、重ね界面ビード幅
を大きくでき、ワンパス当たりの接合量が2倍以上に増
大できるので、ワンパス当たりの接合強度が倍増し、設
計上必要な接合強度を得るための全溶接長が半分以下に
低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁、船舶、容
器、車両などの各種鋼構造物を製造する際の厚板重ね溶
接方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、厚板の重ね溶接は、プラグ溶接や
スロット溶接といった一方の板に穴を開け、その穴を溶
接で埋めるという効率の悪い方法を採用している。しか
しながら、これらの方法は連続溶接ではないので、接合
強度も小さいことから、厚板構造物では、特殊な場合を
除いてできるだけ重ね継手構造を使用しないような設計
がなされていた。
【0003】ところで、重ね継手にレーザ溶接を適用す
ると、その特徴である深溶け込みにより低入熱で重ね部
分の2枚の板を一度に接合することが可能である。この
ような優れた点に鑑み、自動車分野等で利用されるよう
な薄板構造物においては、従来、スポット溶接を適用し
てきた部位にレーザ重ね溶接を適用するようになってき
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
重ね溶接は、被溶接板材10の表面のビード幅が最も大
きい図14に示すようなワインカップ状の溶け込み形状
となるため、自動車分野で利用されるような薄板ではな
く、重工業分野で利用されるような板厚が6mm以上の
厚板では、重ね界面におけるビード幅wが板厚に対して
小さくなる。
【0005】このようなことから、厚板のレーザ重ね溶
接では、設計強度を得るために溶接回数を増加する必要
があり、作業効率が悪くなる。例えば設計上で板厚程度
のビード幅が必要な場合のレーザ重ね溶接では、板厚t
を重ね界面におけるビード幅wで除した回数の溶接を、
図15に示したように任意の間隔を存して、また、図1
6に示すように隣接して行う必要がある。そして、この
場合、板厚に対して10%以上のギャップが発生する
と、良好な溶接が実施できない。
【0006】本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、
従来、レーザ溶接では厚板の重ね界面ビード幅が板厚に
対して小さいために溶接回数が多く必要となる欠点を解
決し、厚板の重ね界面のビード幅を大きくすることによ
り、効率良く厚板の重ね溶接を行うことができる厚板重
ね溶接方法及び装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る厚板重ね溶接方法は、レーザによ
る厚板の溶接において、溶接位置に吹付けるガスの圧力
によって溶け込み形状を変化させ、重ね界面に最大のビ
ード幅を形成することとしている。そして、このように
することで、重ね溶接におけるワンパス当りの接合量が
増大し、全溶接長を減少させることができるようにな
る。
【0008】また、本発明に係る厚板重ね溶接装置は、
レーザ溶接装置と、このレーザ溶接装置による溶接位置
にガスを吹付けるガスノズルと、このガスノズルに供給
するガスの吹付け条件を制御するガス吹付け条件制御装
置と、溶接中、前記ガスの吹付けによってガウジング領
域を形成された溶融池近傍を撮像する撮像装置を備えた
こととしている。そして、このような構成の装置を用い
ることで、上記した本発明に係る厚板重ね溶接方法が実
施できるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】第1の本発明に係る厚板重ね溶接
方法は、レーザによる厚板の溶接において、溶接位置に
吹付けるガスの圧力によって溶け込み形状を変化させ、
重ね界面に最大のビード幅を形成するものである。
【0010】第1の本発明に係る厚板重ね溶接方法は、
図12に示したように、溶接位置すなわちレーザ溶接時
に形成される溶融池11やキーホール12及びその近傍
にガスの圧力を与えることでガウジング領域13を形成
させ、ガウジング領域13の底部に発生した高温のプラ
ズマ14による加熱と、溶融金属の対流による二次的溶
融によって溶け込み形状を変化させることができること
を利用している。なお、図12中の1はレーザビーム、
2はガスノズルを示す。
【0011】このことにより、ガス流量を制御すること
で、所望の溶け込み形状を得ることができるようにな
り、これを重ね溶接に適用することで、通常のレーザ溶
接を使用した場合には、図13(a)に示したように、
被溶接板材10の表面に形成されていた最大ビード幅
w’部が、本発明では、図13(b)に示したように、
重ね界面に最大ビード幅w’部を形成することが可能に
なり、ワンパス当りの接合量が増大し、設計強度を得る
ために必要な全溶接長を減少させることができる。例え
ばワンパス当りの接合量が2倍になれば、設計強度を満
足するための全溶接長が1/2になり、溶接効率が2倍
に向上する。
【0012】上記した第1の本発明に係る厚板重ね溶接
方法は、レーザ溶接装置と、このレーザ溶接装置による
溶接位置にガスを吹付けるガスノズルと、このガスノズ
ルに供給するガスの吹付け条件を制御するガス吹付け条
件制御装置と、溶接中、前記ガスの吹付けによってガウ
ジング領域を形成された溶融池近傍を撮像する撮像装置
を備えた第1の本発明に係る厚板重ね溶接装置によって
実施可能である。
【0013】第2の本発明に係る厚板重ね溶接方法は、
レーザとアークとの複合による厚板の溶接において、溶
接位置に吹付けるガスの圧力によって溶け込み形状を変
化させ、重ね界面に最大のビード幅を形成するものであ
る。
【0014】第2の本発明に係る厚板重ね溶接方法で
は、レーザとアークとの複合により厚板の溶接を行うの
で、重ね溶接におけるワンパス当りの接合量が更に増大
でき、本発明者の実験によれば板厚に対して30%程度
のギャップが発生しても良好な溶接が実現できるように
なる。また、レーザ溶接だけでは被溶接板材の種類によ
っては表面ビード形状が突形状となる場合があるが、レ
ーザとアークとの複合によりこれを防止できるようにな
る。
【0015】上記した第2の本発明に係る厚板重ね溶接
方法は、レーザ溶接装置と、このレーザ溶接装置による
溶接位置にアーク放電を発生させるアークトーチと、同
じく溶接位置にガスを吹付けるガスノズルと、前記アー
ク放電を発生させるアーク条件を制御するアーク条件制
御装置と、前記ガスノズルに供給するガスの吹付け条件
を制御するガス吹付け条件制御装置と、溶接中、前記ガ
スの吹付けによってガウジング領域を形成された溶融池
近傍を撮像する撮像装置を備えた第2の本発明に係る厚
板重ね溶接装置によって実施可能である。
【0016】また、第1の本発明に係る厚板重ね溶接方
法において、溶け込み形状を変化させて重ね界面に最大
のビード幅を形成するには、溶接中、ガウジング領域を
形成された溶融池近傍の撮像を行い、画像処理した溶融
池の形状が、予め適正な条件で溶接した場合の溶融池の
形状と一致するようにガス流量を制御することにより、
また、第2の本発明に係る厚板重ね溶接方法において、
溶け込み形状を変化させて重ね界面に最大のビード幅を
形成するには、溶接中、ガウジング領域を形成された溶
融池近傍の撮像を行い、画像処理した溶融池の形状が、
予め適正な条件で溶接した場合の溶融池の形状と一致す
るようにガス流量とアーク電流を制御することにより可
能となる。これが第3の本発明に係る厚板重ね溶接方法
である。
【0017】この第3の本発明に係る厚板重ね溶接方法
は、第1又は第2の本発明に係る厚板重ね溶接装置にお
いて、撮像装置によって撮像した溶融池の状態を判定
し、ガス吹付け条件制御装置、若しくは、アーク条件制
御装置とガス吹付け条件制御装置に制御指令を指示する
溶融池状態判定処理装置を備えた第3の本発明に係る厚
板重ね溶接装置によって実施可能である。
【0018】前記第1〜第3の何れかの本発明に係る厚
板重ね溶接装置では、ガスノズルのストレート部長さは
特に限定するものではないが、ノズル内径の10〜20
倍となした場合には、ガスが整流され、容易な構成でガ
スを集中させて加工点でのガス圧力を高くできるように
なることが本発明者の実験により判明している。
【0019】すなわち、本発明に適用するガスノズルの
内径は2mm〜6mmであり、上記内径のガスノズルを
用いた本発明者の実験によれば、ガスノズルのストレー
ト部長さがノズル内径の10倍未満であれば、吹付ける
ガスを集中させることが困難で、加工点でのガス圧力を
高くできず、また、ガスノズルのストレート部長さがノ
ズル内径の20倍を超えると加工点でのガス圧力向上が
飽和し、製作コストのみ高くなるからである。
【0020】また、前記第1〜第3の何れかの本発明に
係る厚板重ね溶接方法においては、溶接位置に吹付けた
ガスで溶接部をシールドした状態で溶接する場合には、
溶融金属の酸化を効果的に防止することができる。そし
て、このガスによる溶接部のシールドは、前記第1〜第
3の何れかの本発明に係る厚板重ね溶接装置の、溶接位
置の周囲をシールドボックスで覆うことで実施が可能に
なる。
【0021】本発明に係る厚板重ね溶接方法に用いるレ
ーザは、気体レーザであるCO2 レーザに限らず、固体
レーザであるNd−YAGレーザを使用しても良い。ま
た、本発明に使用するレーザの出力は、重ね溶接の上板
の板厚以上の溶け込みが得られる出力とすることは言う
までもない。
【0022】また、本発明において、溶接位置に吹付け
るガスは、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガ
ス、及び、これらの混合ガスが採用され、CO2 レーザ
を用いた場合は、ヘリウムガスを用いることが好まし
い。
【0023】なお、本発明においてはガスノズルの設置
角度α(図2,8,12参照)は特に限定するものでは
ないが、本発明者の各種の実験によれば、被溶接板材の
平面から30°〜60°若しくは30°〜90°の角度
が好ましいことが判明している。
【0024】また、溶接速度も特に限定するものではな
いが、CO2 レーザの場合は0.25〜0.75m/m
in、Nd−YAGレーザの場合は0.1〜0.75m
/minが好ましい。
【0025】また、レーザとアークの複合溶接を実施す
る場合のアーク溶接ワイヤの狙い位置は、レーザ照射位
置から溶接方向後方へ0〜2mmの位置が、また、アー
クトーチの設置角度β(図8参照)は、被溶接板材の平
面から30°〜60°若しくは30°〜90°の角度
で、かつ、前記ガスノズルより大きい設置角度であるこ
とが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を図1〜図11に示す実施例に
基づいて説明する。図1〜図7は本発明の第1実施例の
説明図、図8〜図11は本発明の第2実施例の説明図で
ある。
【0027】図1及び図2において、1はレーザ溶接装
置(図視省略)から照射されたレーザビームであり、レ
ーザ溶接装置による溶接位置であるレーザビーム1の集
光位置に、溶接上流方向からガスが吹付けられるように
ガスノズル2が配置されている。
【0028】ところで、レーザ溶接は被溶接板材の表面
状態の違いにより、溶込み形状が変化する場合があるの
で、本発明では、溶接中、撮像装置例えばCCDカメラ
3によって溶融池近傍の撮像を行い、このCCDカメラ
3によって撮像した画像は溶融池状態判定処理装置4に
送り、ここで、画像処理した溶融池の寸法(例えば幅)
を抽出し、予め適正な条件でレーザ溶接した場合の溶融
池の寸法(例えば幅)と比較するようにしている。
【0029】そして、溶融池状態判定処理装置4で、撮
像し画像処理した溶融池の例えば幅を予め適正な条件で
レーザ溶接した場合の溶融池の幅と比較し、適切である
と判断すれば、そのままの吹付け条件で溶接を継続す
る。
【0030】一方、適切でないと判断すれば、前記ガス
ノズル2に供給するガスの吹付け条件を制御するガス吹
付け条件制御装置5に信号が出力され、ガス吹付け条件
制御装置5は、被溶接板材10の表面の状態変化に関わ
らず重ね界面を最大ビード幅に維持することが可能な、
適正な条件でレーザ溶接した場合の溶融池の幅と一致す
るようにガス流量を変化させる。
【0031】以上の制御を加工終了まで継続する。この
流れを表わしたのが、図3である。なお、図1中6は溶
融金属の酸化を防止するために溶接位置の周囲を覆うシ
ールドボックス、7はこのシールドボックス6内の溶融
池近傍を撮像するために、シールドボックス6に設けら
れた窓である。
【0032】内径が4mm、ストレート部の長さが40
mm(内径の10倍)のガスノズルを厚板に対して40
°傾けて配置し、レーザ出力が15kW、溶接速度が
0.5m/minの溶接条件で、CO2 レーザを用いて
レーザ溶接した場合における溶融池近傍をCCDカメラ
で撮像した画像を処理した結果を、図4(a)に、ま
た、前記画像を処理した結果と対応する溶込み断面形状
を図4(b)に、また、それらから求めた溶融池幅と最
大ビード幅の形成位置の関係を図4(c)に示す。
【0033】図4に示したように、上記の溶接条件では
ガス流量が増大すると溶融池の幅が減少し、最大ビード
幅の形成位置が深くなることが判る。本発明では、この
ようにレーザ溶接条件と、溶融池幅と最大ビード幅の形
成位置の関係を予め求めておき、これらの関係に基づ
き、厚板の重ね溶接時、重ね界面が最大のビード幅とな
るようにガス流量を制御するのである。
【0034】板厚が9mmの重ね継手に本発明を適用し
た場合の結果の一例を図5に、本発明を適用しない場合
の結果の一例を図6に示す。これら図5及び図6より、
重ね界面ビード幅は本発明を適用しない場合は2.7m
mであるのに対し、本発明を適用することで6.1mm
となり、2倍以上にビード幅を増大できていることが判
る。
【0035】このように、本発明を適用することにより
溶込み形状が変化し、ワンパス当たりの接合量を増大す
ることができるようになる。また、上記のレーザ条件に
おける重ね継手のギャップと重ね界面ビード幅の関係を
図7に示したが、図7より明らかなように、重ね板の板
厚に対して30%のギャップ(ギャップ2.7mm)に
対してもワンパス当たりの接合量(5.4mm)はギャ
ップがない場合と同様で、本発明を適用しない場合の2
倍の接合量が維持できることが判る。
【0036】次に本発明の第2実施例を図8〜図11を
用いて説明する。本発明の第2実施例は、上記した第1
実施例のシステムに、図8に示した模式図のように、ア
ーク溶接を加えたものである。なお、図8中の8はアー
クトーチ、9はアーク条件制御装置を示す。
【0037】本発明の第2実施例のようにレーザ溶接と
アーク溶接を複合すると、レーザ照射により発生したプ
ラズマでアークが誘導できる特徴がある。この特徴よ
り、本発明の第2実施例では、図9に示すようにガスの
圧力により形成された溶融池11の溝底部のプラズマ1
4にアーク放電15が誘導されて溝底部近傍の入熱が増
大でき、さらに溶融金属の対流による二次的溶融で溶込
み形状が変化でき、重ね溶接においてレーザ溶接単独の
場合以上にワンパス当たりの接合量が増大できるように
なる。
【0038】加えて、レーザ溶接だけの場合は、被溶接
板材の種類によっては表面ビード形状が突形状となる場
合があるが、この第2の実施例により表面ビード形状が
突形状となることを防止でき、溶け込み形状が制御でき
るだけでなく、良好なビード外観を得ることが可能にな
る。さらに、第2の実施例によれば、図10(b)に示
すように、レーザ溶接だけでは重ね界面のギャップが大
きい場合に発生する図10(a)に示すようなアンダー
フィルを防止することもできる。
【0039】本発明の第2実施例における制御フローを
図11に示すが、この第2実施例の場合、先に説明した
第1実施例において、予め適正な条件でレーザとアーク
の複合溶接した場合と比較した溶融池幅の制御の後に次
の制御を追加する。
【0040】溶融池状態判定処理装置4で、撮像し画像
処理した溶融池の深さを予め適正な条件でレーザとアー
クの複合溶接した場合の溶融池の深さと比較し、適切で
あると判断すれば、そのままのアーク電流でアーク溶接
を継続する。
【0041】一方、適切でないと判断すれば、前記アー
クトーチ8に供給するアーク電流を制御するアーク条件
制御装置9に信号が出力され、アーク条件制御装置9
は、適正な条件でレーザとアークの複合溶接した場合の
溶融池の深さと一致するようにアーク電流を変化させ
る。
【0042】本実施例は請求項9及び請求項10に対応
するものを示したが、請求項1〜8に対応するものも、
発明の実施の態様で説明した作用効果を有する本発明で
あることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厚板の重ね溶接において、重ね界面ビード幅を大きくす
ることができる結果、以下に列挙する効果を奏する。 1)本発明によりワンパス当たりの接合量が2倍以上に
増大できるので、ワンパス当たりの接合強度が倍増す
る。 2)本発明により設計上必要な接合強度を得るための全
溶接長が半分以下に低減できる。 3)本発明により試験材料の表面状態および継手状態の
適用裕度が拡大し、常にビード外観が良好な溶接が可能
となる。 4)本発明により重ね板の板厚に対して30%のギャッ
プがあってもワンパス当たりの接合量が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る厚板重ね溶接装置の第1実施例を
示した概略構成図で、レーザ溶接のみを使用したもので
ある。
【図2】図1の模式図である。
【図3】本発明に係る厚板重ね溶接方法の第1実施例の
フローチャートである。
【図4】(a)は溶融池を平面から見た図、(b)は
(a)の溶融池に対応する最大ビード幅形成位置の断面
図、(c)は溶融池幅と最大ビード幅形成位置とガス流
量の関係を示した図である。
【図5】本発明に係る厚板重ね溶接方法の第1実施例を
適用した場合の溶接結果を示した実施例図である。
【図6】本発明に係る厚板重ね溶接方法を適用しない場
合の溶接結果を示した実施例図である。
【図7】本発明に係る厚板重ね溶接方法を適用した場合
の厚板重ね部のギャップと界面ビード幅の関係を示した
図である。
【図8】本発明に係る厚板重ね溶接装置の第2実施例の
模式図である。
【図9】本発明に係る厚板重ね溶接装置の第2実施例を
使用した場合の溶融池溝底部に発生したプラズマに誘導
されるアーク放電の模式図である。
【図10】ギャップが大きい場合の本発明の溶込み形状
の比較であり、(a)は第1実施例の場合、(b)は第
2実施例の場合である。
【図11】本発明に係る厚板重ね溶接方法の第2実施例
のフローチャートである。
【図12】溶融池の溝形成を示した模式図である。
【図13】最大ビード幅部の形成位置の説明図で、
(a)は通常のレーザ溶接の場合、(b)は本発明の場
合である。
【図14】溶込み形状の制御を実施しないでレーザ重ね
溶接を行った場合の溶込み形状の断面例を示した図であ
る。
【図15】板厚と同程度の界面ビード幅が得られる溶接
状態の第1の断面例を示した図である。
【図16】板厚と同程度の界面ビード幅が得られる溶接
状態の第2の断面例を示した図である。
【符号の説明】
1 レーザビーム 2 ガスノズル 3 CCDカメラ 4 溶融池状態判定処理装置 5 ガス吹付け条件制御装置 6 シールドボックス 8 アークトーチ 9 アーク条件制御装置 10 被溶接板材 11 溶融池 13 ガウジング領域 14 プラズマ 15 アーク放電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E068 BA01 BC01 BF00 CC02 CH06 CH08 DA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザによる厚板の溶接において、溶接
    位置に吹付けるガスの圧力によって溶け込み形状を変化
    させ、重ね界面に最大のビード幅を形成することを特徴
    とする厚板重ね溶接方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶接方法を実施する装置
    であって、レーザ溶接装置と、このレーザ溶接装置によ
    る溶接位置にガスを吹付けるガスノズルと、このガスノ
    ズルに供給するガスの吹付け条件を制御するガス吹付け
    条件制御装置と、溶接中、前記ガスの吹付けによってガ
    ウジング領域を形成された溶融池近傍を撮像する撮像装
    置を備えたことを特徴とする厚板重ね溶接装置。
  3. 【請求項3】 レーザとアークとの複合による厚板の溶
    接において、溶接位置に吹付けるガスの圧力によって溶
    け込み形状を変化させ、重ね界面に最大のビード幅を形
    成することを特徴とする厚板重ね溶接方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の溶接方法を実施する装置
    であって、レーザ溶接装置と、このレーザ溶接装置によ
    る溶接位置にアーク放電を発生させるアークトーチと、
    同じく溶接位置にガスを吹付けるガスノズルと、前記ア
    ーク放電を発生させるアーク条件を制御するアーク条件
    制御装置と、前記ガスノズルに供給するガスの吹付け条
    件を制御するガス吹付け条件制御装置と、溶接中、前記
    ガスの吹付けによってガウジング領域を形成された溶融
    池近傍を撮像する撮像装置を備えたことを特徴とする厚
    板重ね溶接装置。
  5. 【請求項5】 溶接中、ガウジング領域を形成された溶
    融池近傍の撮像を行い、画像処理した溶融池の形状が、
    予め適正な条件で溶接した場合の溶融池の形状と一致す
    るようにガス流量を制御することを特徴とする請求項1
    記載の厚板重ね溶接方法。
  6. 【請求項6】 溶接中、ガウジング領域を形成された溶
    融池近傍の撮像を行い、画像処理した溶融池の形状が、
    予め適正な条件で溶接した場合の溶融池の形状と一致す
    るようにガス流量とアーク電流を制御することを特徴と
    する請求項3記載の厚板重ね溶接方法。
  7. 【請求項7】 請求項2又は4記載の厚板重ね溶接装置
    において、撮像装置によって撮像した溶融池の状態を判
    定し、ガス吹付け条件制御装置、若しくは、アーク条件
    制御装置とガス吹付け条件制御装置に制御指令を指示す
    る溶融池状態判定処理装置を備えたことを特徴とする厚
    板重ね溶接装置。
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