JP2003088836A - 有機性固形物処理装置及びその処理方法 - Google Patents

有機性固形物処理装置及びその処理方法

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JP2003088836A
JP2003088836A JP2001286065A JP2001286065A JP2003088836A JP 2003088836 A JP2003088836 A JP 2003088836A JP 2001286065 A JP2001286065 A JP 2001286065A JP 2001286065 A JP2001286065 A JP 2001286065A JP 2003088836 A JP2003088836 A JP 2003088836A
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drum
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Soetsu Kitamura
総謁 北村
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Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機性固形物処理装置の反応槽内を好気性に保
ち、有機性固形物の分解処理を常に良好な条件下で行っ
て、嫌気性発酵の問題を防止する。 【解決手段】有機性固形物を分解処理する微生物を収納
する処理装置1の反応槽3を、回転駆動されるドラム型
に構成し、これの周壁に通水可能な開口3bを形成し、
回転軸4,5を水平又は傾斜するように設定する。有機
性固形物を投入したのちドラム型反応槽3を高速回転し
て通水開口3bから水分を排出することにより、収納物
の水分量を調節し、嫌気性になるのを防止する。ドラム
型反応槽の回転軸4,5を水平又は傾斜するように設定
したので、反応槽3を低速回転することにより収納物を
撹拌でき、微生物による分解処理を促進することが可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厨芥等の有機性固
形物を、微生物の働きにより分解処理する技術に関し、
詳しくは、分解処理を良好に進行させることを目的とす
る。
【0002】
【従来の技術】台所や炊事場から出される生ゴミ・厨芥
の粉砕物や、台所等から排出される排水中に含まれる固
形分などの有機性固形物を、微生物の働きを利用してそ
のまま下水等へ排出可能な程度まで分解処理する処理装
置が従来提案されている。この種の有機性固形物処理装
置は、例えば図14に示す如く、台所の流しに設けられ
生ゴミ等を粉砕するディスポーザ、水分を濾過すると共
に残存する有機性固形物を微生物で分解処理する固形物
処理槽、処理槽から排出される排液を貯留し処理する排
液処理槽から成る。そして、ディスポーザに投入して粉
砕したゴミを台所排水と共に固形物処理槽へ移送し、処
理槽内の収納物で水分を濾過して捕捉した残存固形物
を、微生物の働きで分解処理した後、生じた排液を排液
処理槽で適当に処理し、外部の下水管等へ排出するよう
になされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記処理装置の固形物
処理槽における微生物処理は、通常、高温好気性反応に
よる。しかるに、ディスポーザで粉砕したゴミは台所排
水と共に固形物処理槽へ移送されるから、固形物処理槽
内の収納物の水分量が増大する。それ故、従来の有機性
固形物処理装置にあっては、発酵に必要な酸素が収納物
へ十分に行き渡らず、固形物処理槽内が嫌気性になりや
すいという問題があった。嫌気性条件下では、ゴミの分
解処理が進行しにくくなるのみならず、場合によって
は、微生物の分解生成物が有害物となるおそれがある。
そこで従来、固形物処理槽内に回転する撹拌翼を設け、
収納物を掻き回すことで必要な酸素を微生物へ供給する
ようにすることが提案されているが、それでもなお水分
量が多いときには、好気的条件を保つのが難しい場合が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、前記従
来の問題を解決できる有機性固形物処理装置及びこれを
用いた処理方法を提供することにある。かかる目的のた
め本発明が採用する有機性固形物処理装置の特徴とする
ところは、内部空間に、有機性固形物が投入されると共
に、この有機性固形物を分解処理する微生物を収納する
反応槽を、回転駆動されるドラム型に構成し、当該ドラ
ム型反応槽を、周壁に通水可能な開口が形成され、回転
軸が水平又は傾斜するように設定されたものとしたこと
にある。
【0005】他方、本発明が前記従来の問題を解決する
ために採用した有機性固形物処理方法の特徴とするとこ
ろは、回転可能に構成したドラム型反応槽内に有機性固
形物を投入したのち、当該ドラム型反応槽を回転駆動し
て周壁に形成した通水開口から水分を排出することによ
り、収納物の水分量を調節することにある。
【0006】本発明は前記構成に基づき、微生物を収納
するドラム型反応槽に有機性固形物を投入した後、これ
を回転させて収納物の水分を周壁の通水開口から遠心脱
水することで、収納物の水分含量を調節することが可能
であるから、収納物が嫌気性になるのを防止できる。
【0007】ところで、本発明に係る有機性固形物処理
装置において、前記ドラム型反応槽の回転軸を、水平又
は傾斜するように設定してもよい。ドラム型反応槽の回
転軸を水平か又は傾斜するように設定した場合、当該反
応槽を回転駆動することにより、収納物の撹拌を効率的
に出来るから、微生物による分解処理を促進することが
可能である。またドラム型反応槽の回転軸を傾斜するよ
うに設定した場合は、当該反応槽で分解処理可能な有機
質ゴミの収納量を増加できるという利点が得られる。
【0008】前記ドラム型反応槽は、回転速度を変更可
能に構成することも可能である。具体的には、高速回転
と低速回転とを間歇的又は連続的に反復するよう設定す
ることが考えられる。かかる構成により、反応槽内の収
納物を遠心脱水するときは高速回転を行い、微生物によ
る分解処理を行うときは低速回転させて収納物を撹拌す
るというように、回転速度を切り替えることが可能とな
る。
【0009】さらに、前記ドラム型反応槽の回転方向を
変更可能に構成することも可能である。当該反応槽の回
転方向を正逆に適宜変更することで、収納物をより効率
的に撹拌することができる。
【0010】また、前記ドラム型反応槽の一部に非回転
部を設け、当該非回転部に有機性固形物の投入口を形成
する構造も考えられる。かかる構成により、反応槽にお
ける有機性固形物の投入口が非回転となるから、ディス
ポーザ等と反応槽の投入口との配管接続が容易になる。
【0011】なお、本発明に係る有機性固形物処理装置
にあっては、前記ドラム型反応槽の通水開口に挿入し
て、目詰まりを防止するピン、ローラ、ブラシ等を設け
てもよい。
【0012】さらに、前記ドラム型反応槽における通水
開口の位置に、反応槽の周壁内面から突出させて撹拌翼
を設け、当該撹拌翼に通水開口と連通する通水路を形成
する構成も採用可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1及び図2
は、本発明に係る有機性固形物処理装置1の一実施形態
を示すものであって、図1は概略構成を示す正面断面
図、図2は図1の(X)−(X)線で断面視した概略構
成を示す側面断面図である。同処理装置1は、ハウジン
グ2内の上方領域にドラム型反応槽3が回転可能に設置
され、該ドラム型反応槽3の下方領域が排液処理槽10
になされている。
【0014】ドラム型反応槽3は、本体部3aが実質的
に円筒状に形成され、本体部3aの周壁に適宜間隔を置
いてスリット状の通水開口3bが開設されると共に、周
壁内面から円筒の中心へ向かって径方向に突出する撹拌
翼3cが設けられている。但し、この撹拌翼3cは必須
というわけではなく、反応槽3の回転によって収納物の
撹拌を十分に行えるような場合等には、省略することも
妨げない。
【0015】本体部3a内には、ディスポーザなどから
送給される生ゴミの粉砕物や台所排水中の固形分等の有
機性固形物を分解処理する微生物が収納される。この微
生物は、例えば木質細片,セラミック細片,プラスチッ
ク細片等の適当な担持体に保持される。
【0016】本体部3aの両端面には回転軸4,5が設
けられ、各回転軸4、5はそれぞれハウジング2に取り
付けた軸受け6,6によって回転可能に支持されてい
る。本例では、回転軸4,5が実質的に水平となるよう
に設定されている。そして、一方の回転軸4は中空筒状
になされ、その開口端部4aがディスポーザと連絡する
ように配管される。従って、ディスポーザで粉砕処理し
たゴミは、上記回転軸4内を通じて、ドラム型反応槽3
内へ投入される。なお、回転軸4を利用せずに、本体部
3aのいずれかの端面に粉砕ゴミの投入口を設けること
も妨げない。
【0017】もう一方の回転軸5には、当該ドラム型反
応槽3を回転駆動するための回転駆動装置が接続され
る。本例では、ハウジング2の天井部にモータ7を設置
し、該モータ7の回転軸7aに取着したプーリ8aと、
反応槽3の回転軸5に取着したプーリ8bとをベルト9
で連結することにより、モータ7でドラム型反応槽3を
回転駆動するよう構成してある。なお、駆動力の伝達手
段には歯車、チェーンとチェーンスプロケットとの組み
合わせ等を用いてもよく、場合によっては、モータ7の
回転軸7aを、ドラム型反応槽3の回転軸5に直接連結
する構成も可能である。
【0018】前記処理装置1において、モータ7の回転
速度を調節するか又は変速機を用いるなどして、ドラム
型反応槽3の回転速度を変更可能とすることが望まし
い。この場合、少なくとも、収納物の遠心脱水ができる
程度の高速回転と、微生物による有機質ゴミの分解処理
を促進するため、収納物を撹拌できる程度の低速回転と
に切り替えられるようにする。
【0019】ハウジング2の天井部近くに配設した支持
フレーム20には、ドラム型反応槽3に設けた通水開口
3bの目詰まりを防ぐための目詰まり防止装置21が装
着される。目詰まり防止装置21は、例えば図3(A)
(B)に示す如く、支持フレーム20の下面に一対のホ
ルダー22,22を設け、該ホルダー22,22に、ド
ラム型反応槽3の周壁3a表面と接触して回転するタッ
チローラ23,23を取り付ける。そして上記ホルダー
22,22間に、通水開口3bに挿入されるピン24を
配置し、このピン24をバネ25で弾性的に進退するよ
う構成する。当該目詰まり防止装置21は、ドラム型反
応槽3を回転駆動すると、ピン24が通水開口3bに挿
入されると共に弾性的に進退することにより、通水開口
3bの目詰まりを防止する。
【0020】通水開口3bの目詰まり防止装置21は、
図4(A)(B)のような構造も可能である。この例
は、ローラ26の回転軸を支持するホルダー22,22
を、バネ25で、支持フレーム20に取着したブラケッ
ト28内を上下動可能に構成することにより、ローラ2
6が通水開口3b内へ進退自在に挿入されるようにした
ものである。さらに図5(A)(B)に示す如く、支持
フレーム20に取り付けたブラシ27を、通水開口3b
内へ挿入させる構造も可能である。
【0021】前記目詰まり防止装置21は、ドラム型反
応槽3を高速回転させる際に、反応槽3の本体部3aか
ら引き離すように構成してもよい。そのためには、支持
フレーム20を昇降可能にすることが考えられる。
【0022】ドラム型反応槽3の下方の排液処理槽10
は、ドラム型反応槽3から遠心脱水により排出される水
分や、微生物が有機質ゴミを分解処理する結果生成され
る水を貯留し、曝気処理することで浄化するためのもの
であり、放流部11と、送風機12に接続された散気装
置13とが設けられる。排液処理槽10に貯留した排液
は、散気装置13から多数の泡を放出することによって
浄化され、水位が一定値を越えると放流部11から外部
へ放出されるようなされている。
【0023】なおハウジング2の天井部には、必要に応
じ、脱臭装置30が設置される。
【0024】以上の如く構成された本発明に係る有機性
固形物処理装置1は、ディスポーザで粉砕した生ゴミを
台所排水と共にドラム型反応槽3へ投入した後、当該ド
ラム型反応槽3を高速回転させて収納物Mの遠心脱水を
行い、余分な水分を通水開口3bから外部へ排除する。
収納物の含水率を適度に調節したならば、ドラム型反応
槽3の回転速度を低速にする。図6に示す如く、ドラム
型反応槽3における本体部3aの周壁内面には、複数の
撹拌翼3cを突設してあるから、当該ドラム型反応槽3
を比較的低速で回転させることにより、収納物Mが持ち
上げられたのち落下するという運動を繰り返す。これに
より収納物Mが適度に撹拌されるから、反応槽3内に収
納した微生物により、有機性固形物の分解処理が促進さ
れる。また、一定時間ごとに、あるいは所定のプログラ
ムに基づいて、ドラム型反応槽3の回転方向が正逆反対
に変更されるよう設定すれば、収納物の撹拌効率をより
高めることができる。
【0025】有機性固形物が微生物の働きにより分解さ
れると、水とガスとを生じさせる。水分は、ドラム型反
応槽3の通水開口3bを通過して、下方の排液処理槽1
0に集められ、曝気処理されたのち適宜放流される。生
成ガスは、散気装置13から放出される空気と共に脱臭
装置30を経由して、外部へ排出される。
【0026】ところでドラム型反応槽3の高速回転は、
収納物の遠心脱水が必要なときに実行すればよい。そこ
で、新たなゴミの投入を検知したときにドラム型反応槽
3を高速回転させる態様や、ゴミの投入時期が予め決め
られているときは、そのタイムスケジュールに合わせ
て、ドラム型反応槽3を高速回転の時期を設定する態様
などが考えられる。さらには、水分センサを設け、検知
した収納物の含水量に応じ、低速回転と高速回転とを自
動的に切り替える構成も可能である。
【0027】[第2の実施形態]図7及び図8に示す有
機性固形物処理装置1は、ドラム型反応槽3において、
その本体部3aの周壁に形成した通水開口3bの位置
に、網体等から成る撹拌翼3cを設けたものである。本
例では、遠心脱水したときに収納物に含まれていた水分
を、網体構造である撹拌翼3cを通じて、通水開口3b
から外部へ排出することができる。撹拌翼3cの目詰ま
りは、ドラム型反応槽3を回転させた際、収納物、特に
微生物を保持する硬質の担持体が撹拌翼3cの表面を擦
過することで防止される。なお撹拌翼3cは、通水開口
3bに連通する通水路を有するものであればよく、網体
構造のほか、多孔質構造とすることも考えられる。
【0028】本例の有機性固形物処理装置1は、モータ
7を、ドラム型反応槽3の回転軸5に直接連結する構造
を採用してある。また、ドラム型反応槽3の下部の排液
処理槽を省略し、ハウジング底部2aを傾斜面として排
水勾配を付与すると共に、最下部に排水口15を形成し
た。すなわち、ドラム型反応槽3から排出される排液
は、別途設けた処理槽へ移送して処理するか、あるい
は、公共下水道へ直接放流することとされる。さらに本
例の如く排液処理槽を省略したものにあっては、送風機
12も省略することが可能である。
【0029】[第3の実施形態]本発明に係る有機性固
形物処理装置1は、図9に示すように、ドラム型反応槽
3の回転軸4,5を傾斜するように設定することも可能
である。かかる構成により、ドラム型反応槽3内で確実
に撹拌ができる範囲で収納可能な有機質ゴミの量を増加
させることができる。
【0030】[第4の実施形態]本発明に係る有機性固
形物処理装置1のドラム型反応槽3は、例えば次のよう
にして製作することが可能である。図10(A)に示す
ように、ドラム型反応槽3の本体部3aを、長さの短い
円筒形の複数のパーツPを、軸部材Qで一体化して構成
する。上記パーツPは、同図(B)に示す如く、円筒状
の周壁部d、径方向に配設したリブe、及び、前記軸部
材Qを挿通させる中心部fから成っている。周壁部dの
端面には適宜間隔を置いて段部gが形成され、図(A)
の如く複数のパーツPを並べたときに、当該段部g,g
により、隣接するパーツP,P間に通水開口3bが形成
される。リブeは、周壁部dと中心部fとを連結するも
のであって、収納物がなるべく均一に撹拌されるように
するため、図(C)に示すような窓部kを開設しておく
ことが望ましい。中心部fは、軸部材Qを挿通させる開
孔hを有し、該開孔hの内周面に、軸部材Qの側周面に
形成した凸条Rと嵌合する凹溝jが形成されている。上
記凸条Rと凹溝jとの嵌合構造により、パーツPの位置
合わせ及び廻り止めがなされる。軸部材Qの凸条Rに中
心部fの凹溝jを合致させるようにして、複数のパーツ
Pを軸部材Qに装着し、各パーツPを密接させて一体化
することにより、ドラム型反応槽3を構成することがで
きる。
【0031】[第5の実施形態]図11に示す有機性固
形物処理装置1は、回転軸5を水平に設定したドラム型
反応槽3を、モータ7により回転駆動される本体部3a
と、ハウジング2の内面に固定される非回転部3dとに
分割構成すると共に、この非回転部3d側に有機性固形
物の投入口14を形成したものである。前掲の各実施形
態では、回転軸4が投入口を兼ねるものとしていたのに
対し、本例では、回転軸5とは別に投入口14を非回転
部分に形成してあるので、有機性固形物を反応槽3へ移
送するための配管の接続構造を簡単に出来るという利点
が得られる。
【0032】[第6の実施形態]図12は、ドラム型反
応槽3の回転軸5が傾斜するように設定されている場合
において、前記第5の実施形態と同様に、当該ドラム型
反応槽3を、モータ7により回転駆動される本体部3a
と、ハウジング2の内面に固定される非回転部3dとに
分割構成すると共に、この非回転部3d側に有機性固形
物の投入口14を形成したものである。本例は、ドラム
型反応槽3の下方に排液処理槽10を有する構造の有機
性固形物処理装置1に適用したものである。また本例に
あっては、ハウジング2の外面に、ドラム型反応槽3の
非回転部3d内と連通する予備収納室40が設けられて
いる。この予備収納室40は、ディスポーザ等からの有
機性固形物の移送量が過剰となったときに、収納物の余
剰分を貯留するためのものである。予備収納室40に貯
留された余剰収納物は、カセット方式やトレー方式等の
適宜構造により、外部へ搬出可能となされる。
【0033】[第7の実施形態]図13に示す如く、有
機性固形物処理装置1におけるドラム型反応槽3の回転
軸5を、縦(垂直)方向に設定することも妨げない。と
ころで、本例(以下、縦型と言う)と、ドラム型反応槽
3の回転軸を水平又は傾斜するように設定した前記実施
形態(以下、横型と言う)とを比較すると、次のような
若干の差異が認められる。
【0034】横型は、投入口14から粉砕ゴミを台所排
水と共に投入したときに、ドラム型反応槽3内に予め貯
留されている収納物のうち、上記台所排水によって浸水
する割合が小さいから、収納物が水分過多になりにくい
という利点を持つ。但し、収納物における浸水部分と非
浸水部分との入れ替えは、ドラム型反応槽3の回転だけ
では十分になされないおそれがあるので、撹拌翼等を設
けることが望ましい。
【0035】これに対し縦型は、ドラム型反応槽3内の
収納物のうち、投入口14から粉砕ゴミと台所排水とを
投入したときに浸水する部分と非浸水部分との入れ替え
を、ドラム型反応槽3の回転によって容易に行える。そ
れ故、微生物による有機性固形物の好気的分解処理の促
進効果と、ドラム型反応槽3の通水開口の目詰まり防止
効果に優れている。
【0036】[その他の実施形態]ドラム型反応槽の周
壁に通水可能な開口を形成する構造としては、前述のス
リットの外、周壁自体を網体構造(メッシュ等)や多孔
質構造(パンチングメタル等)とすることも可能であ
る。その他、本発明は、実施の状況に応じ、適宜の変更
又は応用を加えることを妨げない。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る有機性固形物処理装置及び
処理方法によれば、微生物により有機性固形物を分解処
理する反応槽を回転駆動されるドラム型としたので、遠
心脱水することにより収納物の水分調整を施すことがで
きる。よって、ゴミ粉砕物などを反応槽内に投入する際
に同時に大量の排水が導入されたとしても、収納物から
余剰の水分を排除して、反応槽内を好気性に保つことが
容易である。その結果、生ゴミや厨芥等の有機性固形物
の分解処理を常に良好な条件下で行えるので、嫌気性発
酵すなわち腐敗の問題を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るものであっ
て、有機性固形物処理装置の概略構成を示す正面断面図
である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係るものであっ
て、有機性固形物処理装置の概略構成を示す図1の
(X)−(X)線における側面断面図である。
【図3】 本発明に係る有機性固形物処理装置に利用す
る目詰まり防止装置の一例を示すものであり、図(A)
は正面断面図、図(B)は側面断面図である。
【図4】 本発明に係る有機性固形物処理装置に利用す
る目詰まり防止装置の異なる例を示すものであり、図
(A)は正面断面図、図(B)は側面断面図である。
【図5】 本発明に係る有機性固形物処理装置に利用す
る目詰まり防止装置のさらに異なる例を示すものであっ
て、図(A)は正面断面図、図(B)は側面断面図であ
る。
【図6】 本発明の第1の実施形態に係るものであっ
て、有機性固形物処理装置におけるドラム型反応槽が低
速回転している状況を示す側面断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態に係るものであっ
て、有機性固形物処理装置の概略構成を示す正面断面図
である。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係るものであっ
て、有機性固形物処理装置の概略構成を示す図7の
(Y)−(Y)線における側面断面図である。
【図9】 本発明の第3の実施形態に係る有機性固形物
処理装置の概略構成を示す正面断面図である。
【図10】 本発明の第4の実施形態に係るものであっ
て、図(A)は有機性固形物処理装置に用いるドラム型
反応槽を示す正面図、図(B)はドラム型反応槽の本体
部を構成する1パーツを示す側面図、図(C)は同パー
ツの正面断面図である。
【図11】 本発明の第5の実施形態に係る有機性固形
物処理装置の概略構成を示す正面断面図である。
【図12】 本発明の第6の実施形態に係る有機性固形
物処理装置の概略構成を示す正面断面図である。
【図13】 本発明の第7の実施形態に係る有機性固形
物処理装置の概略構成を示す正面断面図である。
【図14】 従来の有機性固形物処理装置の設置例を示
す概略正面図である。
【符号の説明】
1…有機性固形物処理装置 2…ハウジング 3…ドラ
ム型反応槽 3a…本体部 3b…通水開口 3c…撹
拌翼 3d…非回転部 4,5…回転軸 6…軸受け
7…モータ 10…排液処理槽 11…放流部 12…
送風機 13…散気装置 21…目詰まり防止装置 3
0…脱臭装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部空間に有機性固形物が投入されると
    共に、この有機性固形物を分解処理する微生物を収納す
    る反応槽が、回転駆動されるドラム型に構成され、周壁
    に通水可能な開口が形成されていることを特徴とする有
    機性固形物処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ドラム型反応槽は、回転軸が水平又
    は傾斜するように設定されている請求項1に記載の有機
    性固形物処理装置。
  3. 【請求項3】 前記ドラム型反応槽は、回転速度を変更
    可能に構成されている請求項1又は2に記載の有機性固
    形物処理装置。
  4. 【請求項4】 前記ドラム型反応槽は、高速回転と低速
    回転とを間歇的又は連続的に反復するよう設定されてい
    る請求項3に記載の有機性固形物処理装置。
  5. 【請求項5】 前記ドラム型反応槽は、回転方向を変更
    可能に構成されている請求項1乃至4のいずれかに記載
    の有機性固形物処理装置。
  6. 【請求項6】 前記ドラム型反応槽の一部に非回転部を
    設け、当該非回転部に有機性固形物の投入口を形成した
    請求項1乃至5のいずれかに記載の有機性固形物処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ドラム型反応槽の通水開口に挿入し
    て、目詰まりを防止するピン、ローラ、ブラシ等より成
    る目詰まり防止手段を設けた請求項1乃至6のいずれか
    に記載の有機性固形物処理装置。
  8. 【請求項8】 前記ドラム型反応槽における通水開口の
    位置に、反応槽の周壁内面から突出する撹拌翼を設け、
    当該撹拌翼に通水開口と連通する通水路を形成した請求
    項1乃至7のいずれかに記載の有機性固形物処理装置。
  9. 【請求項9】 微生物を収納した反応槽で有機性固形物
    を分解処理する処理方法において、回転可能に構成した
    ドラム型反応槽内に有機性固形物を投入したのち、当該
    ドラム型反応槽を回転駆動して周壁に形成した通水開口
    から水分を排出することにより、収納物の水分量を調節
    することを特徴とする有機性固形物処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100700528B1 (ko) * 2005-10-06 2007-03-28 엘지전자 주식회사 자외선 차폐층을 구비한 전계방출소자
JP2012239996A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Sumitomo Rubber Ind Ltd 反応装置および反応方法

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KR100700528B1 (ko) * 2005-10-06 2007-03-28 엘지전자 주식회사 자외선 차폐층을 구비한 전계방출소자
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