JP2003088445A - 椅子用枕構造と座椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも後倒可能な枕部を備えた椅子及び
座椅子の提供。 【解決手段】 背部の上端に枕部を有する椅子及び座椅
子において、背部の内部骨格と枕部の内部骨格とを屈曲
自在に連結し、前記枕部を少なくとも背部の延長線より
後方に屈曲自在に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子用枕構造とそ
の構造を備えた椅子及び座椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の椅子や座椅子、特に家庭用の椅子
や座椅子においては、例えば実公昭５９−２０１１８号
に開示されているようなラチェット機構を用いて座部と
背部とが使用者の任意の角度に調整可能で、安楽な姿勢
が取れるよう屈曲自在に連結された座椅子のように、頭
部を支承する枕部が無いか、有っても背部の上端に不動
に固定されていた。尚、上記のようなラチェット機構を
用いて座部と背部と角度が任意に調整可能な一般的な機
構を、以下、連結角度調整手段という。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】枕部が無いか、有って
も枕部が背部に固定された構成では、座った人が、その
体全体、殊に頭部が顎を引いた形となって、十分に安楽
な姿勢で憩うことができない。本発明は、頭部を含めて
十分に安楽な姿勢で座って憩うことができる椅子及び座
椅子の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】第１の発明は、背部の上
端に枕部を有する椅子において、背部の内部骨格と枕部
の内部骨格とを屈曲自在に連結し、前記枕部を少なくと
も背部の延長線より後方に屈曲自在に構成したことを特
徴とする。

【０００５】第２の発明は、座部と前記座部に対して屈
曲自在に連結された背部とを有する座椅子において、前
記背部の上端に枕部を設け、前記枕部の内部骨格と背部
の内部骨格とを屈曲自在に連結し、前記枕部を少なくと
も背部の延長線より後方に屈曲自在に構成したことを特
徴とする。

【０００６】第３の発明は、座部と前記座部に対して屈
曲自在に連結された背部とを有する座椅子において、前
記背部の上端に枕部を設けると共に、前記座部の脚伸ば
し方向に向けて順に大腿受部と脛受部とを設け、前記枕
部の内部骨格と背部の内部骨格とを屈曲自在に連結し、
前記枕部を少なくとも背部の延長線より後方に屈曲自在
とし、前記座部の内部骨格と大腿受部の内部骨格、及
び、前記大腿受部の内部骨格と脛受部の内部骨格とをそ
れぞれ屈曲自在に構成したことを特徴とする。

【０００７】第４の発明は、座部と前記座部に対して屈
曲自在に連結された背部とを有する座椅子において、前
記背部の上端に枕部を一体的に設けると共に、前記座部
の脚伸ばし方向に向けて順に大腿受部と脛受部とを設
け、前記座部の内部骨格と大腿受部の内部骨格、及び、
前記大腿受部の内部骨格と脛受部の内部骨格とをそれぞ
れ屈曲自在に構成したことを特徴とする。

【０００８】第５の発明は、第２乃至第４の発明におい
て、隣り合う内部骨格と内部骨格とはラチェット機構を
用いた連結角度調整手段を用いて任意の角度に調整可能
に構成されたことを特徴とする。

【０００９】第６の発明は、第２乃至第４の発明におい
て、座部は接地面との間に台部を有することを特徴とす
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】実施の形態１．実施の形態１は、
背部の上端に枕部を有する座椅子において、その背部の
内部骨格と枕部の内部骨格とを、適宜な連結角度調整手
段を用いて屈曲自在に連結し、前記枕部を少なくとも背
部の延長線より後方に屈曲自在に構成したものである。
これを図１及び図２に基づいて説明する。図１は座椅子
の側面図、図２は座椅子の断面図である。

【００１１】図１及び図２において、図中の符号１は座
部、２は背部であり、一般的な座椅子は、この座部１の
内部骨格１０と背部２の内部骨格２０とが連結角度調整
手段６１を介して屈曲自在に連結された構成となってい
る。この形態１の座椅子では、上記と同様の構成に加え
て、前記背部１の上端に枕部３を設け、当該枕部３の内
部骨格３０と前記背部１の内部骨格１０とが、適宜の連
結角度調整手段６２を介して屈曲自在に連結されてい
る。この枕部３と背部２との屈曲角度は、枕部３が背部
の延長線Ｌ１の前後方向に屈曲可能としてもよいが、少
なくとも後方に所要の角度屈曲可能としている。図示の
例では、傾倒線Ｌ２として示している。

【００１２】上記のように、背部２に枕部３を設け、更
に当該枕部３を背部２の延長線Ｌ１に対して少なくと後
方（例、傾倒線Ｌ２）に屈曲自在に構成することによ
り、使用者は首を後方に曲げて頭部を傾倒させた安楽な
姿勢で座り、憩うことができる。

【００１３】この形態１では、背部２の上端に枕部３を
設けるだけでなく、座部１の脚伸ばし方向に向けて、順
に大腿受部４と脛受部５とが設けられており、座部１の
内部骨格１０と大腿受部４の内部骨格４０と脛受部５の
内部骨格５０とがそれぞれ連結角度調整手段６３，６４
を介して屈曲自在に連結されている。

【００１４】従って、この形態１の座椅子によれば、使
用者の臀部と腰部とが連結角度調整手段６１により任意
の角度折り曲げられるだけでなく、首部分が連結角度調
整手段６２に、大腿受部と臀部とが連結角度調整手段６
３に、膝部が連結角度調整手段６４によって、それぞれ
任意の角度自在に折り曲げて用いることができるので、
使用者が足先から頭部までその全身を望む姿勢にて座椅
子に支承させることができる。

【００１５】例えば、床に接地された座部１に対して背
部２及び枕部３を直線的に進展させる一方、座部１に対
して大腿受部４及び脛受部５を同様に直線的に進展させ
ると、各部が接地されて水平状態となり、ベットとして
用いることができる。又、座部１だけを床に接地して、
その他の全てを接地しないように、適宜折り曲げて使用
することもできる。

【００１６】殊に、この座椅子によれば、連結角度調整
手段６３と連結角度調整手段６４とを適宜折り曲げるこ
とにより、下半身の姿勢を、上半身の姿勢の如何にかか
わらず、接地された座部１（臀部）に対して足先を所望
の高さに維持させることができるので、脚部の疲労回復
が促進される。更に、この下半身の姿勢と共に、上半身
を起こした状態で、枕部３を後に折り曲げて頭部を後倒
させると、全身的に安楽な姿勢にすることができる。

【００１７】又、この座椅子は、不使用時には、連結角
度調節手段６１と連結角度調節手段６２とを屈曲点とし
て座椅子全体をコ字形にコンパクト化することができ
る。即ち、背部２と枕部３とを直線的に伸展させると共
に大腿受部４と脛受部５とを直線的に伸展させ、背部２
及び枕部３と大腿受部４及び脛受部５とを平行に相対さ
せて折り曲げることにより、接地面積が座部１の面積だ
けで済むよう折り畳むことができる。従って、不使用時
の収納や出荷や搬送等において場所を取らず、便利且つ
経済的である。

【００１８】この形態１において、上記の内部骨格１
０，２０，３０，４０，５０は、例えば金属製パイプを
枠状に折り曲げて形成されたものであり、座部１をはじ
め背部３、枕部３、大腿受部４、脛受部５の各部には、
クッション部材（非図示）が適宜充填されて相応の形態
に整えられている。図中の符号７は、これらの座部１、
背部３、枕部３、大腿受部４、及び脛受部５を一体的に
被う表皮部材である。又、図示の例で用いた連結角度調
整部材６１〜６４は何れも、上記従来例で説明したラチ
ェット機構を用いて任意の角度に調整可能に構成された
ものである。

【００１９】実施の形態２．実施の形態２は、上記実施
の形態１の座椅子において、その座部１の底面側の接地
面との間に台部１１を設けて椅子型に構成したものであ
る。これを図３に基づいて説明する。図３は側面図であ
る。尚、図中上記実施の形態１の図１及び図２と同じ符
号は同一の内容であるから、その説明は省略する。

【００２０】図３において、図示の台部１１は、外観が
断面台形状の箱型に形成されているが、必ずしもこれに
限らず、例えば、円錐型の頭部が水平に切削された形で
ある載頭円錐形状に形成してもよいし、単なる円筒或い
は直方体形状等、その形状は問わない。更には、例え
ば、丸パイプ或いは角パイプ等にて枠型形状に構成され
たものでもよい。台部とはこのような意味で用いてい
る。何れにしても、この台部１１は上記実施の形態１の
座椅子を椅子として使用できるよう座部１を接地面から
相応の高さ位置とするものであればよい。

【００２１】又、上記の台部１１は、水平に置かれる座
部１に対して、背部２、枕部３、大腿受部４、及び脛受
部５が自在に折り曲げられて使用される際、安定を得る
ために適度な重さを備えたものが好ましい。又、台部１
１は座部１の底面側に、適宜な手段例えばボルト等を用
いて、着脱自在に構成してもよい。又、図示の形態に限
らず、大腿受部４及び脛受部５を備えず、台部１１と座
部１と背部２及び枕部３とで、完全な椅子として構成す
ることもできる。

【００２２】

【発明の効果】第１乃至第６の発明によれば、何れも、
背部の上端に設けられた枕部が少なくとも後方に傾倒自
在に構成されているので、首を後方に曲げ、頭部を後方
に傾倒させた安楽な姿勢で座って憩うことができる。

【００２３】第３及び第４の発明によれば、足先や脛部
及び大腿部を臀部（座部）より高い位置で支承すること
ができるので、頭部（枕部）の後倒と相俟って、体全体
を安楽な姿勢にして座って憩うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施の形態１の座椅子の側面図である。

【図２】 実施の形態１の座椅子の断面図である。

【図３】 実施の形態２の座椅子の断面図である。

【符号の説明】 １ 座部、２ 背部、３ 枕部、４ 大腿受部、５ 脛
受部、７ 表皮部材、１１ 台部、１０ 内部骨格（座
部）、２０ 内部骨格（背部）、３０ 内部骨格（枕
部）、４０ 内部骨格（大腿受部）、５０ 内部骨格
（脛受部）、６１〜６４ 連結角度調整手段。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】背部の上端に枕部を有する椅子において、
   背部の内部骨格と枕部の内部骨格とを屈曲自在に連結
   し、前記枕部を少なくとも背部の延長線より後方に屈曲
   自在に構成したことを特徴とする椅子用枕構造。
2. 【請求項２】座部と前記座部に対して屈曲自在に連結さ
   れた背部とを有する座椅子において、前記背部の上端に
   枕部を設け、前記枕部の内部骨格と背部の内部骨格とを
   屈曲自在に連結し、前記枕部を少なくとも背部の延長線
   より後方に屈曲自在に構成したことを特徴とする座椅
   子。
3. 【請求項３】座部と前記座部に対して屈曲自在に連結さ
   れた背部とを有する座椅子において、前記背部の上端に
   枕部を設けると共に、前記座部の脚伸ばし方向に向けて
   順に大腿受部と脛受部とを設け、 前記枕部の内部骨格と背部の内部骨格とを屈曲自在に連
   結し、前記枕部を少なくとも背部の延長線より後方に屈
   曲自在とし、前記座部の内部骨格と大腿受部の内部骨
   格、及び、前記大腿受部の内部骨格と脛受部の内部骨格
   とをそれぞれ屈曲自在に構成したことを特徴とする座椅
   子。
4. 【請求項４】座部と前記座部に対して屈曲自在に連結さ
   れた背部とを有する座椅子において、前記背部の上端に
   枕部を一体的に設けると共に、前記座部の脚伸ばし方向
   に向けて順に大腿受部と脛受部とを設け、 前記座部の内部骨格と大腿受部の内部骨格、及び、前記
   大腿受部の内部骨格と脛受部の内部骨格とをそれぞれ屈
   曲自在に構成したことを特徴とする座椅子。
5. 【請求項５】隣り合う内部骨格と内部骨格とはラチェッ
   ト機構を用いた連結角度調整手段を用いて任意の角度に
   調整可能に構成されたことを特徴とする請求項２乃至請
   求項４の何れかに記載の座椅子。
6. 【請求項６】座部は接地面との間に台部を有することを
   特徴とする請求項２乃至請求項５の何れかに記載の座椅
   子。