JP2003087003A - 移相器 - Google Patents

移相器

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JP2003087003A JP2001271085A JP2001271085A JP2003087003A JP 2003087003 A JP2003087003 A JP 2003087003A JP 2001271085 A JP2001271085 A JP 2001271085A JP 2001271085 A JP2001271085 A JP 2001271085A JP 2003087003 A JP2003087003 A JP 2003087003A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で高周波回路における移相量を所
望の値に設定することができる移相器を提供すること 【解決手段】 回路基板10上に所定のギャップをおい
て形成された一対のストリップライン11a,11bの
先端部(幅広のパッチ部12a,12b)の上方に、誘
電体基板からなる寄生素子15を配置して構成する。寄
生素子の上面の一部には、帯状の導体膜16を設ける。
その導体膜の両端は、それぞれ一対のパッチ部と重なる
とともに、その導体膜の幅は、パッチ部の幅よりも狭く
した。しかも、長さの異なる複数の導体膜を生成する。
係る構成を採ると、パッチ部に重なる導体膜の本数を変
えることにより、移相量を可変できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波やミリ
波帯の回路における移相器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波/ミリ波を用いた装置では、
通常、マイクロストリップラインを用いて回路を構成さ
れることが多い。良く知られているように、マイクロス
トリップラインは、波長との半径でその寸法形状を適宜
に設定することにより、各種の回路素子を構成すること
ができる。ところで、このマイクロストリップライン上
で意図的に移相をコントロールする場合、線路長を長く
構成するためにメアンダラインを用いる必要が出てく
る。
【0003】ここで言う線路長は、物理的な長さと同時
に電気長も意味し、線路長を長くする手段には、図1に
示すように基板1の上に形成する線路を蛇行させて、メ
アンダライン2を構成し長さをかせぐ方法がある。さら
には、このメアンダライン2の上に高誘電率の基板を設
け、物理的な長さをさらに短縮する方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の移相器では、以下に示す問題を有している。す
なわち、メアンダライン2は、図示するように直線パー
タン要素2aと曲線パータン要素2bが交互に連続した
構成となり、直線パータン要素2aは、複数本が平行に
配置される。そして、係るパータン要素は、フォトリソ
グラフィ技術により形成される。従って、曲線パータン
要素2bの部分での曲率や幅などが設計通りに形成でき
なかったりすると、伝播特性が劣化する。
【0005】また、メアンダライン2は、蛇行している
ため、隣接する直線パータン要素2aを流れる信号の方
向は逆向きとなる。その結果、隣接する直線パータン要
素2aの長さや間隔によって信号が相殺されてしまうこ
とがあり、その点でも伝播特性が悪化してしまう。
【0006】また、係る構成からなる移相器を、アレー
アンテナの後段に設けたとすると、移相器とアレーアン
テナはDC的に接続されているので、サージ等の異常電
流がかかった場合に、その異常電流が回路内に流れ込
み、回路を破損させてしまうおそれもある。
【0007】更に、移相器における移相量は、パータン
の寸法形状により一義的に決まってしまい、容易に変更
することはできない。また、移相量を変えるためには、
メアンダライン2、つまり移相器全体の寸法形状も変わ
ってしまい、ひいては、その移相器を組み込む回路全体
の大きさも変動を余儀なくされる。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、マイクロ波/ミリ波等の高周波用の回路において、
移相量が変わっても全体の寸法形状に影響を与えること
がなく、DC成分をカットすることができ、製造も容易
に行うことのできる移相器を提供することにある。さに
らは、移相量を変更させることが可能な移相器を提供す
ることを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る移相器は、マイクロ波或いはミリ波
帯の回路に用いられる移相器である。そして、回路基板
上に所定のギャップをおいて形成された一対の主線路
(実施の形態では、「ストリップライン11a,11
b」に対応)の先端部の上方に、誘電体基板からなる寄
生素子を配置して構成され、前記寄生素子の上面の一部
に導体部(実施の形態では、「導体膜16」に対応)を
設け、前記導体部の両端は、それぞれ前記一対の主線路
の先端部と重なるとともに、その導体部の幅は、前記主
線路の先端部の幅よりも狭くするように構成した。
【0010】主線路と寄生素子(導体部)が電磁的に結
合することにより、高周波信号が伝播される。本発明で
は、寄生素子を用いることにより、結合が強くなり、通
過帯域も広帯域になるので、多少の隙間間隔の変動があ
っても安定した伝送状態を確保できる。
【0011】更に、実施の形態における実験結果からも
明らかなように、大きな移相量を取ることが可能とな
る。そして、導体部が1本の線路から構成した場合、そ
の線路の長さを適宜に設定することにより、所望の移相
量を得ることができる。
【0012】また、導体部の形状は任意であるが、実施
の形態でも示すように帯状の線路としてもよいので、曲
線部を設ける必要がない(設けるのは妨げないが)の
で、製造が容易となる。
【0013】好ましくは、前記寄生素子は、交換可能と
することである。このようにすると、寄生素子に形成す
る導体部の長さが異なるものを複数容易し、適宜交換す
ることにより、移相量の調整を行うことができる。もち
ろん、係る交換可能は、本発明の必須の条件ではない。
【0014】一方、前記寄生素子には、前記導体部は、
長さの異なる複数の線路を備え、前記各線路の両端が、
それぞれ前記一対の主線路の先端部と重なるようにして
もよい。係る構成を採ると、主線路に重なる線路の本数
に応じて移相量が変わる。
【0015】好ましくは、前記寄生素子は、スライド可
能となり、前記一対の主線路に重なる前記導体部の数を
変更可能とすることである。係る構成にすると、スライ
ドさせることにより、主線路の上に位置する線路の本数
が変わるので、移相量を調整することができる。
【0016】また、前記寄生素子の幅は、前記主線路の
先端部の幅と同等か、それ以上とすると好ましい。更
に、前記主線路の先端部は、幅広のパッチ部とするとよ
い。そして、係るパッチ部の寸法形状を波長との関係で
適宜に設定することにより、前記パッチ部に共振器が構
成されるようにすることができる。また、前記寄生素子
は、前記回路基板上に支持部材を介して支持され、前記
支持部材は、低誘電率材料で構成されるとよい。
【0017】特に、支持部材を設けることにより、寄生
素子と主線路との間に所望の間隔が形成され、両者間で
キャパシタが構成されることになる。よって、回路上に
静電気,サージ等の異常電位が伝搬されて来ても、本発
明の接続構造の部分で遮断され、それよりも後段へ伝播
することはない。
【0018】更に、支持部材の誘電率は高いものでも良
いが、低誘電率材料で構成するとよい。ここで低誘電率
材料は、まず、誘電体基板の誘電率よりも低いことを意
味する。さらに、一般的に低誘電率材料と称されるもの
も含み、誘電率が1より大きく3以下程度のものが良
い。低誘電率材料にすることにより、その支持部材にお
ける損失を減少することができる。
【0019】また、低誘電率材料としては、ガラスその
他各種の材料があるが、例えば発泡材(実施の形態では
「発泡ウレタン」)とすると好ましい。発泡材は、弾力
性があるので、緩衝材としての機能も発揮する。つま
り、寄生素子と高周波回路要素の熱膨張係数が異なって
いたとしても、温度変化にともなう熱膨張,収縮の相違
が支持部材で吸収され、相手側に伝達されない。その結
果、温度変化に基づく接続部分での応力も発生せず、伝
送線路が剥離することを可及的に抑制できる。
【0020】前記寄生素子としては、樹脂その他の各種
の材料を用いることができるが、セラミック基板から構
成すると好ましい。すなわち、セラミックとすると、寸
法形状のばらつきがほとんど無く、伝送状態が安定し、
各製品間での伝送状態のばらつきも抑制できる。さら
に、誘電体基板は、通常アルミナ系で構成されることが
多いので、セラミック基板(例えば、アルミナ)とする
ことにより、寄生素子と回路基板の熱膨張係数をほぼ等
しくすることができるという効果も期待できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明に係る移相器
の第1の実施の形態を示している。同図に示すように、
アルミナ等の誘電体材料で構成された回路基板10の表
面に、導体膜で構成される伝送線路、つまり、所定の回
路パータンからなるストリップライン11a,11bが
形成される。図では、接続部分のみを示している。この
2本のストリップライン11a,11bは、その先端に
接続部となるパッチ部12a,12bが形成されてい
る。このパッチ部12a,12bは、矩形状からなり、
その幅Wは、使用周波数(λg)の4/9とし、長さL
rは、使用周波数(λg)の約1/2に設定することに
より、共振器を構成している。なお、λgは、回路基板
10を構成する誘電体材料の誘電率を考慮した実効波長
である。
【0022】さらに、パッチ部12a,12bの先端
は、所定の距離(ギャップ)をおいて離れており、DC
的に遮断されている。そして、両パッチ部12a,12
bは同一直線上に配置される。また、回路基板10の裏
面側は、全面に導体膜13が成膜されている。
【0023】ここで本発明では、上記した2つのパッチ
部12a,12bを跨ぐようにして、その上方に寄生素
子15を配置している。この寄生素子15は、誘電体基
板から構成され、その上面には矩形状の導体膜16が形
成されている。これにより、パッチ部12a,12b
(共振器)と寄生素子15が、電磁的結合した構造がと
られる。
【0024】寄生素子15の幅とパッチ部の幅Wは、ほ
ぼ一定にしている。また、導体膜16の幅W1は、寄生
素子15の幅よりも小さくしている。さらに、導体膜1
6の長さLは、少なくとも両パッチ部12a,12bの
間隔よりも長くしている。これにより、図2に示すよう
に、導体膜16の両端は、それぞれパッチ部12a,1
2bの上方に位置する。
【0025】また、図3では、寄生素子15は、パッチ
部12a,12bの上に直接接触するように配置してい
る。この場合でも、導電体であるパッチ部12a,12
bは絶縁体である誘電体基板からなる寄生素子15が接
触するだけであるので、電気的に絶縁され、少なくとも
DC成分は両パッチ部12a,12b間で遮断される。
【0026】また、例えば寄生素子15を支持部材18
によって支持することにより、パッチ部12a,12b
との間に空間を形成し、絶縁を図るようにすることもで
きる(図5参照)。図示の例では、一方のパッチ部12
aの上面の一部に接触するように配置されるとともに、
寄生素子15の一端側に下面に接触し、片持ち支持する
ようにしている。なお、パッチ部12aの全面に接触す
るように形成しても良い。さらに、全面に接触する場合
に、支持部材18をパッチ部12aと同一形状としても
良いし、パッチ部12aよりも大きい寸法形状にしても
良い。
【0027】支持部材18と寄生素子15の材料につい
て説明する。支持部材18は、発泡ウレタン等の発泡材
(εr=1.04から1.1)から構成する。発泡材は
低誘電率材料でもあり、そこでの損失も少なく、パッチ
部12a,12bと寄生素子15間での電磁的な結合が
強くなる。
【0028】また、寄生素子15は、セラミック基板、
より具体的にはアルミナで形成している。これにより、
回路基板10を構成する誘電体基板もアルミナで形成し
ているので、同一部材となり、当然のことながら両者の
誘電率も等しくなる。また、アルミナに替えて、テフロ
ン(登録商標)その他の材質を用いても良い。
【0029】上記のように構成すると、パッチ部(共振
器)12a,12bと寄生素子13が電磁的に結合する
ことにより、高周波信号が伝播され、非接触型の電磁結
合型コネクタが形成される。換言すると、例えば一方の
ストリップライン11a側から信号が伝播された場合
は、パッチ部12aがアンテナとして機能して高周波信
号(マイクロ波/ミリ波)が放射される。この放射され
た高周波が寄生素子15に伝播され、さらにパッチ部1
2bが受信アンテナとして機能するため受信することに
より信号の伝送が行われるとも言える。
【0030】本発明によれば、この伝播の際に移相が変
わる。すなわち、図6は、本実施の形態の移相器の周波
数に対する移相(図中実線で示す)と、移相器を設けな
い場合の周波数に対する位相(図中破線で示す)を示し
ている。同図から明らかなように、同一周波数における
位相が異なっており、5GHz帯では、20度以上も相
違する。従って、本実施の形態の構造によると、移相器
として十分機能することが確認できた。
【0031】次に、寄生素子15に設けた導体膜16の
長さに対する移相量の関係を調べた。まず、図4に示す
ように、パッチ部12a,12bは、長さLrを16m
mで幅Wrを16mmにし、パッチ部12a,12b間
のギャップは5.6mmとした。また、寄生素子15の
長さLpを16mmにした。さらに、寄生素子15と回
路基板10の板厚hは、共に0.8mmとし、寄生素子
15に設ける導体膜16の長さLを変えたものを複数用
意し、それぞれの移相量を求めた。その結果、図8に示
すような結果が得られた。なお、測定周波数は5GHz
とした。
【0032】同図から明らかなように、導体の長さが変
わると移相量も変化することが確認できた。従って、予
め複数の長さの異なる寄生素子15を用意しておき、使
用に併せて適宜のものを選択し、実装することにより、
目的の移相量を得ることができる。また、交換すること
により、移相量を変更・調整することができる。
【0033】更に、図9はパッチ部12a,12bと寄
生素子15の間に所定の隙間(空気)が存在している場
合電気的特性を示す。同様に、図10は、パッチ部12
a,12bと寄生素子15の間に低誘電率からなる部材
(上記した支持部材18等)が介在している場合の電気
特性を示している。いずれの場合も、S11,S21特性が
良好な曲線を描いており、信号の伝搬が正しく行われる
ことが確認できる。
【0034】つまり、通過損失S21が0dBとなる伝
送可能な周波数帯域が広帯域となる。また、通過損失S
21が0dBのときのリターンロスもほとんどの領域で
−20dB以上となる。よって、中心周波数が変動して
も回路の伝送状態の変動は小さくなる。
【0035】本実施の形態によれば、従来のミアンダラ
インを用いる構成に比べて、線路(ストリップライン)
上にコーナがないことから作りやすく、電気的特性も安
定する。さらに、これらをフェーズドアレーアンテナに
用いた場合、2つのパッチ部12a,12b間にギャッ
プが形成されているので、DC成分を遮断することがで
き、サージ等の異常電位がアンテナ後段に設けている送
受信回路に入り込むのを抑えることができる。
【0036】また、この移相器は、2つのパッチ部12
a,12bと1つの寄生素子15から構成されるので、
緩やかなフィルタ特性も有する。その結果、アンテナの
後段に設けられる送受信用フィルタの帯域外減衰特性を
良好にすることも可能となるという副次的効果も奏す
る。
【0037】図10,図11は、本発明に係る移相器の
第2の実施の形態を示している。図示するように基本的
な構成は第1の実施の形態と同様であるが、本実施の形
態では、寄生素子15に形成する導体膜16のパータン
を変えている。すなわち、長さの異なる13種類の導体
膜16を縞状(平行)に配置し、寄生素子15をスライ
ド可能にした。可変方法は、寄生素子15を±y方向、
つまり、主線路であるストリップライン11a,11b
による信号の伝送方向(x方向)と直交する方向にスラ
イドさせるようにしている。
【0038】さらに、各導体膜16の寸法形状は、一方
から他方に行くに従って徐々に長くなり、両サイドに位
置する導体膜16の幅は、中間に位置する残りの導体膜
16の幅よりも広くし、係る残りの導体膜16の幅は、
全て等しくしている。もちろん、全ての導体膜16の幅
を等しくしても良いし、適宜異ならせても良いが、本実
施の形態のように構成すると、電気特性が良好になるこ
とが確認できた。
【0039】また、いずれの導体膜16も、その両端が
それぞれパッチ部12a,12bの上方に位置すること
を可能にしているため、導体膜16の長さLpは、少な
くともパッチ部12a,12b間のギャップよりも長く
する必要がある。
【0040】そして、移相量を変更する場合には、上記
したごとく寄生素子15をスライドさせることである
が、具体的には、図10に示す状態から寄生素子15を
図中下側(−y方向)に移動させ、一番短い導体膜
(1)のみがピッチ部12a,12bの上方に位置する
状態から、寄生素子15を図10中上側(+y方向)に
徐々にずらして行き、一番長い導体膜(13)が、ピッ
チ部12a,12bの上方に位置するまで移動できる。
つまり、図10は、1つ手前の状態を示している。
【0041】次に、本実施の形態の効果(寄生素子15
のスライドに伴い移相量が変化すること)を実証すべ
く、実際に寄生素子15をずらしながら、移相量を測定
した。すると、図12に示すような実験結果(測定周波
数5GHz)が得られた。
【0042】ここで、実験に用いた移相器の寸法形状で
あるが、ピッチ部12a,12bの寸法は第1の実施の
形態の実験に使用したものと同様である。そして、寄生
素子15に形成する導体膜16(縞状導体)であるが、
中間に位置する2番目から12番目までの導体膜の幅は
0.8mmとし、隣接する導体膜の間隔は、0.78m
mとした。また、各導体膜の長さは、0.8mmずつ増
加させ、最も長い導体膜(13)の長さは16mmとし
た。
【0043】また、図12中のスライド回数「1」とい
うのは、導体膜(1)のみがパッチ部の端部に配置され
ている状態を示し、スライド回数「13」というのは、
図10の状態を示している。図から明らかなように、ピ
ッチ部12a,12bの上に存在する導体膜16の数が
増えるほど、移相量も大きくなることが確認できた。ま
た、移相量も、20度から90度以上という広い範囲で
制御できる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上
記した第1の実施の形態と同様であるので、その詳細な
説明を省略する。
【0044】図13は、第2の実施の形態の別の構成を
示している。この例では、寄生素子15に形成する導体
膜16(縞状導体)の数を18本に増やしている。そし
て、具体的な寸法形状であるが、ピッチ部の幅Wr(y
方向)は17.1mm,長さLr(x方向)は16mm
とし、ギャップは5.6mmとした。また、導体膜
(1)の長さは6.4mmで、各導体膜は順に0.8m
mずつ増加させ、最も長い導体膜(18)の長さを20
mmとした。また、導体膜の間隔は0.78mmとし、
中間の導体膜の幅は0.8mmとした。そして、両サイ
ドの導体膜(1),(18)の幅は、(1)が3.5m
mで(18)が2.3mmとした。さらに、寄生素子1
5の寸法形状は、パッチ部12a,12bよりも十分に
大きくしている。
【0045】そして、導体膜(1)のみがピッチ部12
a,12bの上に位置する状態から寄生素子15を+y
方向に順次移動させていき、そのときの移相量を測定し
たところ、図15に示すような実験結果(測定周波数5
GHz)が得られた。この結果からも、移相量を可変で
きることが確認できる。
【0046】さらに、図14に示す構造の移相器を用
い、パッチ部12a,12bと寄生素子15の間に所定
の隙間(空気)が存在している場合の電気的特性を求め
たところ、図16に示すような結果が得られた。また、
同様に、パッチ部12a,12bと寄生素子15の間に
低誘電率からなる部材(上記した支持部材18等)を介
在させた状態で電気特性を求めたところ、図17に示す
ような結果が得られた。いずれの場合も、S11,S21特
性が良好な曲線を描いており、信号の伝搬が正しく行わ
れることが確認できる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る移相器で
は、寄生素子に設けた導体部の寸法形状を異ならせるだ
けで移相量を変えることができるので、回路基板全体の
寸法形状を変えなくて済む。また、DC成分をカットす
ることができ、製造も容易に行うことができる。さにら
は、寄生素子に設ける導体部の長さや、主線路に重なる
導体部の本数を変えるだけで、簡単に移相量を変更させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を示す図である。
【図2】本発明に係る移相器の第1の実施の形態を示す
図である。
【図3】本発明に係る移相器の第1の実施の形態を示す
図である。
【図4】本発明に係る移相器の第1の実施の形態を示す
図である。
【図5】本発明に係る移相器の第1の実施の形態の変形
例を示す図である。
【図6】周波数に対する位相(移相量)の関係を示す図
である。
【図7】寄生素子の長さの伝送特性への影響を示す図で
ある。
【図8】周波数に対する電気特性を示す図である。
【図9】周波数に対する電気特性を示す図である。
【図10】本発明に係る移相器の第2の実施の形態を示
す図である。
【図11】本発明に係る移相器の第2の実施の形態を示
す図である。
【図12】寄生素子のスライド量に対する移相量などの
影響を示す図である。
【図13】本発明に係る移相器の第2の実施の形態の変
形例を示す図である。
【図14】本発明に係る移相器の第2の実施の形態の変
形例を示す図である。
【図15】寄生素子のスライド量に対する移相量などの
影響を示す図である。
【図16】周波数に対する電気特性を示す図である。
【図17】周波数に対する電気特性を示す図である。
【符号の説明】
10 回路基板 11a,11b ストリップライン(主線路) 12a,12b パッチ部 13 導体膜 15 寄生素子 16 導体膜 18 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 敏和 東京都港区新橋5丁目36番11号 エフ・デ ィー・ケイ株式会社内 (72)発明者 新井 宏之 神奈川県横浜市旭区今宿東町615−11 (72)発明者 泉 源 千葉県木更津市東太田1−9−33東陽ハイ ツA−201 Fターム(参考) 5J012 GA11 GA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波或いはミリ波帯の回路に用い
    られる移相器であって、回路基板上に所定のギャップを
    おいて形成された一対の主線路の先端部の上方に、誘電
    体基板からなる寄生素子を配置して構成され、前記寄生
    素子の上面の一部に導体部を設け、前記導体部の両端
    は、それぞれ前記一対の主線路の先端部と重なるととも
    に、その導体部の幅は、前記主線路の先端部の幅よりも
    狭くしたことを特徴とする移相器。
  2. 【請求項2】 前記寄生素子は、交換可能としたことを
    特徴とする請求項1に記載の移相器。
  3. 【請求項3】 前記寄生素子には、前記導体部は、長さ
    の異なる複数の線路を備え、前記各線路の両端が、それ
    ぞれ前記一対の主線路の先端部と重なるようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の移相器。
  4. 【請求項4】 前記寄生素子は、スライド可能となり、
    前記一対の主線路に重なる前記導体部の数を変更可能と
    したことを特徴とする請求項3に記載の移相器。
  5. 【請求項5】 前記寄生素子の幅は、前記主線路の先端
    部の幅と同等か、それ以上としたことを特徴とする請求
    項1から4のいずれか1項に記載の移相器。
  6. 【請求項6】 前記主線路の先端部は、幅広のパッチ部
    としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項
    に記載の移相器。
  7. 【請求項7】 前記パッチ部に共振器が構成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の移相器。
  8. 【請求項8】 前記寄生素子は、前記回路基板上に支持
    部材を介して支持され、前記支持部材は、低誘電率材料
    で構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれ
    か1項に記載の移相器。
  9. 【請求項9】 前記低誘電率材料は、発泡材であること
    を特徴とする請求項8に記載の移相器。
  10. 【請求項10】 前記寄生素子は、セラミック基板から
    構成されたことを特徴とする請求項1から9のいずれか
    1項に記載の移相器。
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