JP2003086588A - Mis型半導体装置の製造方法 - Google Patents
Mis型半導体装置の製造方法Info
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Abstract
形成することなく、酸化ジルコニウムからなるゲート絶
縁膜と、ゲート電極とを形成し、特性の良いMIS型半
導体装置を製造する。 【解決手段】 洗浄乾燥した基板101を、Zrターゲ
ットが装着されたECRスパッタ装置に装填し、メタル
モードで、ZrO2からなるゲート絶縁膜102を膜厚
3〜10nm程度に形成し、この上に、窒化チタンから
なるゲート電極103を形成し、この後、加熱処理を施
す。
Description
らなるゲート絶縁膜から構成されたMIS型半導体装置
の製造方法に関する。
規模集積回路(LSI)は、素子を微細化することで集
積度を上げるようにしてきた。素子の微細化の際、MO
Sトランジスタのゲート長を短縮すると、動作速度が向
上する。微細化による集積度と動作速度の向上は、様々
な機能をLSIチップ内で実現することを可能とするた
め魅力である。また、見込まれるマーケットの大きさに
も大きな魅力がある。このため、素子の微細化と高集積
化は、研究・開発の競争が激化している。
膜と半導体とから構成されるMOSトランジスタのゲー
ト酸化膜は、最近では、例えば3nm以下と、直接トン
ネル電流が流れるほど薄くなってきた。特に、低消費電
力が要求される携帯端末などに用いられる素子では、ト
ンネル電流を抑えて電力消費を押さえることが重要であ
る。このため、最近では、従来ゲート酸化膜に用いてき
たに酸化シリコンからなる絶縁膜に代えて、二酸化シリ
コンよりも被誘電率の大きい絶縁材料をゲート絶縁膜に
用い、膜厚を厚くすることによりトンネル電流を抑える
方法が盛んに研究されだした。
を厚くしても、薄い二酸化シリコン膜と同程度の容量値
が得られる。二酸化シリコンの被誘電率をkoxとし、高
誘電率材料からなる絶縁膜の膜厚と被誘電率を各々
dh,khとすれば、この絶縁膜の二酸化シリコン換算膜
厚dox-eqは、dox-eq=(kox/kh)×dhで表され
る。なお、koxは、3.8〜3.9である。
ては、シリコン窒化物(SiOxNy),アルミナ(Al
2O3),二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化
ランタン(LaO2)あるいは、二元軽合金の酸化物、
さらには、これらの酸化物に窒素を添加した化合物など
が有力な候補としてあげられている。中でも、二酸化ジ
ルコニウム膜は、制御しやすい20〜25程度の被誘電
率であり、バンドギャップも比較的広い(報告値:5.
16〜7.8eV)ため、有望な材料である。
いるために、種々の膜形成方法が試みられている。中で
も、スパッタ法は、容易に取り扱えないガスなどが必要
なく、形成する膜の表面モフォロジーが比較的良いなど
の特徴がある。スパッタ法において、高誘電率膜を堆積
するとき使用するターゲットとして、金属を用いる場合
と、形成する膜となる化合物を用いる場合とがあるが、
一般には金属の方がターゲットとして製造しやすい。化
合物ターゲットは焼結等の工程を必要とし、整形や組成
の調整に難しさがある。
善する方法として、電子サイクロトロン共鳴(ECR)
と発散磁場を利用して作られたプラズマ流を基板に照射
し、プラズマ流中の途中に配置したリング状のターゲッ
トと接地間に高周波かまたは直流高電圧を加え、プラズ
マ流中のイオンをターゲットに衝突させてスパッタリン
グし、膜を基板に堆積させる方法(以下、これをECR
スパッタ法という)がある。
台以上でないと安定なプラズマは得られないのに対し、
上記ECRスパッタ法では、安定なECRプラズマが1
0-2Paから10-3Pa台の圧力で得られる。また、E
CRスパッタは、ターゲットに高周波かまたは直流の電
圧を印加し、ECRプラズマ中のイオンをターゲットに
当ててスパッタリングを行うため、低い圧力でスパッタ
リングができる。
速されたECRプラズマ流とスパッタされた粒子とが、
基板に照射される。ECRプラズマ流のイオンは、10
eV〜数10eVのエネルギーを持っており、スパッタ
されて基板に飛来した原料粒子のエネルギーを与えると
ともに、原料粒子と酸素などの他の元素との結合反応を
促進することとなり、膜質を改善する効果も有してい
る。
度でこの上に高品質の膜が成膜できることが特徴であ
り、極めて薄い膜を制御性よく形成するのに適してい
る。また、ECRスパッタ法で堆積した膜の表面モフォ
ロジーは、原子スケールのオーダーで平坦である。従っ
てECRスパッタ法は、高誘電率ゲート絶縁膜を形成す
るのに有望な方法であるといえる。
高誘電率ゲート絶縁膜を、ECRスパッタ法で酸素流量
の比較的多い条件で形成すると、基板のシリコン表面が
酸化するため、高誘電率ゲート絶縁膜とシリコン基板と
の間に、シリコン酸化物層が形成されることが判明して
いる。このような状態となっていると、ゲート電極とシ
リコン基板との間の容量が、高誘電率ゲート絶縁膜のみ
の場合に比較して小さくなってしまうため、ゲート絶縁
膜の誘電率が実質的に小さくなったように振る舞う。従
って、中間に形成されるシリコンの酸化物層が厚くなっ
てしまうと、高誘電率ゲート絶縁膜を用いる意義が失わ
れる。
絶縁膜として、例えばアルミナ膜を酸素流量の比較的少
ない条件で形成すると、ゲート絶縁膜に発生した大きな
密度の電荷とラップにより、作成したMIS(金属/絶
縁膜/半導体)ダイオードの特性が劣るという問題があ
った。
ためになされたものであり、半導体からなる基板表面に
半導体の酸化物を形成することなく、酸化ジルコニウム
からなるゲート絶縁膜と、ゲート電極とを形成し、特性
の良いMIS型半導体装置を製造することを目的とす
る。
MIS型半導体装置の製造方法は、内部にジルコニウム
からなるターゲットが固定された密閉可能な容器内に、
主表面に少なくとも例えばシリコンなどの半導体からな
る層を備えた基板を載置する第1の工程と、容器内を真
空排気する第2の工程と、容器内に不活性ガスと特定の
供給流量とした酸素ガスとを導入して不活性ガスと酸素
ガスとのプラズマを生成し、このプラズマにより発生し
た粒子をターゲットに衝突させてスパッタ現象を起こ
し、ターゲットを構成するジルコニウムの酸化物からな
るゲート絶縁膜を基板の主表面に形成する第3の工程
と、このゲート絶縁膜の欠陥を除去する熱処理からなる
第4の工程と、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する
第5の工程とを備え、特定の供給流量は、ゲート絶縁膜
の屈折率が二酸化ジルコニウムの屈折率と実質的に同じ
値になる供給流量以上であり、かつ、ターゲットの表面
が酸化することにより生じるスパッタ率の低下率が最大
となる供給流量以下としたものであるこの製造方法によ
れば、ゲート絶縁膜と基板との界面に半導体の酸化膜が
形成されるのが抑制された状態で、ゲート絶縁膜が形成
される。
て図を参照して説明する。はじめに、本願発明の実施の
形態における概略を説明する。本実施の形態における膜
の形成条件は、酸素流量を抑制した条件であり、ターゲ
ット表面の酸化があまり進行していないため、酸化によ
るスパッタ率の低下が顕著ではない条件である。このた
め、大きい堆積速度で膜の形成が行われ、酸素ガスを含
むプラズマに基板表面があまり曝されることなく、基板
表面がスパッタされて飛行してきた粒子で覆われ、基板
表面が参加されるのが抑制される。また、元々酸素流量
を抑制した条件であるので、基板に吸着する酸素ガスや
酸素イオンが少なく、この点からも基板の酸化が抑制さ
れた状態となっている。以下このような状態をメタルモ
ードと称する。
おいて、上述した条件よりも供給する酸素ガスの流量を
多くすると、ターゲット表面の酸化が進行するようにな
り、スパッタ速度が低下する。以下、このような状態を
オキサイドモードと称する。これらメタルモードとオキ
サイドモードは、ECRスパッタに限らず、マグネトロ
ンスパッタ法などにおいても同様の生ずる。ただし、マ
グネトロンスパッタ法などでメタルモードで形成した膜
は、形成した膜自身の酸化が不十分であり、金属に近い
状態の膜が形成されてしまう。また、マグネトロンスパ
ッタ法のメタルモードで形成した膜の屈折率を測定する
と、酸化物バルクの屈折率と同等となる酸素供給流量範
囲は極めて狭く、この範囲を利用して実用的にするには
大きな困難を伴う。
磁場によって導かれる不活性ガスと酸素とのプラズマ
が、基板表面にまで照射されるため、スパッタされた粒
子の酸化が基板表面で促進され、メタルモードで形成し
た膜の屈折率が、化学量論的組成をもつ酸化物バルクの
屈折率と遜色のない良質な酸化物膜が形成できる。
較すると、メタルモードで形成した酸化物膜の絶縁耐性
は、オキサイドモードで形成した絶縁膜の絶縁耐性より
劣る場合があった。また、Al2O3を形成する場合、メ
タルモードで形成した膜をMIS型半導体装置のゲート
絶縁膜として用いると、MISダイオードの容量−電圧
(C−V)曲線に大きなヒステリシスが生じるとがあ
る。これは、形成した膜中または基板との界面に、高密
度の電荷とラップがあることを意味し、特性変動をもた
らすため、半導体装置として使用に耐えないことを意味
する。
膜の形成であっても、Zrターゲットを用いて形成した
ZrO2膜は、MIS型半導体装置のゲート絶縁膜とし
て好適な特性が得られることを見いだした。Zrターゲ
ットを用いたZrO2膜は、メタルモードのみの膜形成
であっても、Zrの酸化が十分に行われるものと推測さ
れる。
O2膜をシリコン基板上に形成し、熱処理を行う炉内の
雰囲気中に水分や酸素が残留した状態でこれを熱処理す
ると、ZrO2膜とシリコン基板との界面にSiOx層ま
たはZrSixOy層が成長してしまうことが知られてい
る。水分や酸素の残留ガス分圧が、10-2〜10-3Pa
台であっても、上述した界面の酸化は起こってしまう。
SiOxやZrSixO yは、誘電率がZrO2よりも小さ
いため、二酸化シリコン換算膜厚dox-eqを小さくして
しまうことになる。従って、上述した熱処理は、残留ガ
スが好ましくは10-5Pa台以下に低減された熱処理炉
内で行う必要がある。このような炉は、ロードロック機
構とターボポンプなどの高性能排気ポンプを用いて容易
に実現できる。
ート電極の一部が形成されている場合には、熱処理炉の
雰囲気中に水分や酸素が残留している状態で熱処理を行
っても、ゲート電極下のZrO2膜とシリコン基板との
界面の酸化を抑制することができる。この熱処理は、E
CRスパッタで堆積したZrO2膜やこの上下界面の欠
陥を除去し、優れたMIS特性を得るために行われるも
のである。
体装置の製造方法の一例について、より詳細に説明す
る。まず、図1(a)に示すように、p形,面方位(1
00),1〜2Ωcmのシリコンからなる基板101を
用意し、これを、硫酸/過酸化水素混合溶液に浸漬し、
これを純水で水洗した後、引き続いて希弗酸溶液に浸漬
し、これを純水で水洗するというサイクルを2回繰り返
して洗浄し、この後乾燥させる。
ターゲットが装着されたECRスパッタ装置に装填し、
図1(b)に示すように、メタルモードで、ZrO2か
らなるゲート絶縁膜102を膜厚3〜10nm程度に形
成する。このとき、Arガス流量25sccm(1cm3/
1分,0℃,1.01325×105Pa),酸素ガス
流量1〜3sccm,マイクロ波電力500W、高周波(1
3.56MHz)電力500Wの条件で、ゲート絶縁膜
102を形成する。
絶縁膜102の屈折率が二酸化ジルコニウムの屈折率と
実質的に同じ値になる供給流量以上であり、かつ、Zr
ターゲットの表面が酸化することにより生じるスパッタ
率、すなわち、堆積速度の低下率が最大となる供給流量
以下である。なお、スパッタ中には、基板101の加熱
は行わない。
絶縁膜102上に、窒化チタンからなるゲート電極10
3を形成する。ゲート電極103は、チタンターゲット
を用いたマグネトロンスパッタ装置により、Arガスと
窒素ガスとによる反応性スパッタで、ゲート電極形成用
の穴が形成された薄い金属板からなるステンシルマスク
を介し、ゲート絶縁膜102上に形成する。
板101を、残留ガス圧力が4×10-2Pa以下の真空
中で、2分間660〜680℃に加熱する。この加熱に
より、前述したように、この熱処理により、ゲート絶縁
膜102やこの上下界面の欠陥を除去し、優れたMIS
特性を得ることができる。次いで、ゲート絶縁膜102
およびゲート電極103が形成された基板101の裏面
を希弗酸でエッチングし、水洗,乾燥した後、真空蒸着
法によってGeを2%含むAuを堆積し、図1(d)に
示すように裏面電極104を形成し、MISダイオード
を完成する。
パッタ法(反応性スパッタ法)によるZrO2膜の形成
特性について説明する。図2は、上述のようにして形成
したZrO2膜の堆積速度と、エリプソメータで測定し
た屈折率の酸素流量依存性を示す特性図である。ZrO
2の堆積条件は、Arガス流量25sccm、酸素ガス流量
0〜8sccm,マイクロ波電力500W,高周波電力50
0Wである。なお、基板加熱は行わない。
い、堆積速度が増加した後、急激に減少し、一定に落ち
着く。図2に中に、酸素ガス流量が4sccmより少ない箇
所を境に、メタルモードの領域とオキサイドモードの領
域を示す。この実施の形態では、メタルモードの範囲の
うち、屈折率がほぼ一定(酸化物バルクの屈折率と同
等)の範囲を用いる。酸素の流量が少ない側で、屈折率
が急激に増加するのは、堆積した膜中の酸素が足りずに
化学量論的組成が得られていないためと考えられる。
る範囲は、Arガス流量,酸素ガス流量,マイクロ波電
力,および高周波電力の大小によって変化する。しか
し、ターゲットの酸化によるスパッタ速度の急激な低下
と、これ以上の酸素流量範囲での堆積速度の緩慢な変化
特性を求めることによって、メタルモードとオキサイド
モードの範囲を明確に区別することができる。
ードの特性について説明する。まず、高周波C−V測定
を行った結果について説明する。高周波C−V測定は、
直流バイアスに微小振幅の高周波を重畳したものをMI
Sダイオードのゲート電極103に印加し、バイアス電
圧(V)を掃引して高周波の容量(C)を測定するもの
である。測定周波数は、全測定について1MHzであ
り、直流バイアス電圧は、プラスからマイナスに掃引
し、引き返す。
てZrO2の堆積を行ったときの、膜厚を因子とする高
周波C−V特性の測定結果を示す特性図である。横軸は
ゲートバイアス電圧であり、縦軸はゲート電極の単位面
積あたりの高周波容量を示している。ヒステリシスは、
電荷を保持するゲート絶縁膜102中のトラップ(欠陥
が原因)で、電荷のトラップと放出とが発生するための
生ずる場合(注入型)と、ゲート絶縁膜102中のイオ
ンがバイアス電流による電界で移動するための生じる場
合(ドリフト型)などがある。
の掃引幅が大きいほど大きくなる。図3のC−V曲線
は、ZrO2(ゲート電極103)の膜厚にかかわら
ず、波線で示す復路の容量が、実線で示す往路の容量よ
りも小さくなっている。これは、注入型のヒステリシス
であることを示している。ヒステリシス幅は、ZrO2
膜(ゲート絶縁膜102)が薄くなるほど小さくなり、
膜厚が3nmでは25mVと小さくなった。高誘電率ゲ
ート絶縁膜の実用的な膜厚範囲は、5nm以下と思われ
るので、薄くなるほど理想的な特性に近く、本実施の形
態によるゲート絶縁膜102は、実用的であるといえ
る。
ゲートバイアス電圧が、ゲート絶縁膜102の膜厚に対
してあまり変化しないことを示している。これは、フラ
ットバンド電位(VFB)があまり変化しないこと、すな
わち、ゲート絶縁膜102中に固定電荷がほとんど存在
しないことを意味している。なお、フラットバンド電位
とは、Si中の導電体と価電子帯バンドのポテンシャル
エネルギーの界面から内部に向かう分布(バンド)が、
ゲート電極に印加した電圧が半導体(基板101)の界
面近傍にかかることで曲げられ、ちょうど平坦になると
きのゲートバイアス電圧のことである。
ードの、室温におけるI−V測定の結果について説明す
る。図4は、ゲート絶縁膜102の膜厚をパラメータと
したMISダイオードのI−V測定結果を示す特性図で
ある。横軸はゲート電極103に印加したバイアス電圧
を示し、縦軸は電流密度(J)の絶対値を対数表示して
いる。なお、横軸のバイアス電圧は、VFBの補正を行っ
ていないが、VFBは0(V)に近いので、補正を行って
も大きな違いはない。
リーク電流が多くなることが判る。しかしながら、将
来、LSIで用いられるであろう−1Vの電源電圧に対
するリーク電流値を見ると、1×10-4A/cm2以下
であり、これはITRS(International Technology R
oadmap for Semiconductors;URL:http://public.itrs.n
et/)の70nm世代の低消費電力型LSIに要求され
ているゲートリーク電流値(4mA/cm2,ただし1
00℃cでの値)よりも低い予想値である。なお、10
0℃でのリーク電流値は、温度を変化させた他の測定か
ら20°の約6倍の電流が流れるものと予想される。
あたって、メタルモードの範囲で酸素ガス流量を変化さ
せたときの、MISダイオードの好手はC−V特性とI
−V特性とについて説明する。なお、ゲート絶縁膜10
2(ZrO2膜)の膜厚は3nmとする。まず、図5
に、酸素ガス流量を2sccmとしたときの、本実施の形態
によるMISダイオードの高周波C−V特性を示す。波
線で示す復路の容量の方が、実線で示す往路の容量より
も小さくなっており、注入型のヒステリシスを示してい
るが、往路と復路の幅は18mVと極めて小さい。
シス幅との関係を示す。図6中のプロット点(白丸)
は、5個のMISダイオードサンプル測定値の平均値で
ある。図6に示されているように、酸素ガス流量が2sc
cmのときに、ヒステリシス幅が最小となり、17mVで
ある。
を示す相関図である。この図7においても、プロット点
(白丸)は、5個のMISダイオードサンプル測定値の
平均値である。dox-eqは、酸素ガス流量が2sccmのと
き最小となり、平均で0.9nmである。この値は、I
TRSの70nm世代の要求値(0.8〜1.2nm)
を満足している。
測定の結果を示す特性図である。酸素ガス流量の変化に
対してリーク電流は大きく変化せず、−1Vのバイアス
電圧に対し、1×10-4A/cm2以下であった。
示すMOSダイオードは、ヒステリシス幅とdox-eqと
に対し、酸素ガス流量が2sccmのとき、最も優れた特性
が得られることが判る。リーク電流値は、他の条件より
もわずかに大きいが、ヒステリシス幅とdox-eqとが小
さいと言うことは、欠陥の少ない化学量論的なZrO2
の膜が形成され、かつZrO2とSiとの界面でのSi
Ox層の生成が少ないことを示唆している。
値)との関係を示した(点線)特性図である。シリコン
の熱酸化膜(SiO2)について報告されてる関係(W.
J.Qi,R.Nieh,B.H.Lee,L.Kang,Y.Jeon,K.Onishi,T.Ngai,
S.Banerjee,and J.C.Lee,Technical Digest,IEEE Inter
national Electron Device Meeting(IEDM)99-145(199
9).)も、図9中に実線で示した。図9から判るよう
に、本実施の形態におけるゲート絶縁膜102のリーク
電流値とdox-eqは、シリコンの熱酸化膜より遙かに優
れていることが判る。
たり、発明者らは、従来メタルモード単独では、品質の
良い膜が得られないものとしていた。しかしながら、Z
rO 2膜の場合にはこの限りではなく、メタルモード単
独でもゲート絶縁膜に適用可能な高品質な膜が得られる
ことが判明した。
たって施す熱処理の必要温度と手順について説明する。
熱処理は、100℃/minの昇温と、設定温度に2分
間保持するようにして行った。ZrO2からなるゲート
絶縁膜を用いたMISダイオードの場合、高周波C−V
測定で理想のC−V曲線に近く、かつ、ヒステリシスが
小さくなる熱処理温度は、600℃以上であった。この
ような高温の熱処理では、高真空や超高真空など、熱処
理雰囲気の残留ガスを極めて少なくしない限りは、Zr
O2/Si界面での酸化が生じてしまう。
残留ガス圧力を好ましくは10-5Pa代以下に低減させ
た炉を用いる必要がある。ただし、このような高性能な
炉が用意でき賣場合は、ゲート絶縁膜を形成した直後に
熱処理を行うのではなく、ゲート絶縁膜上にゲート電極
を形成した後、蒸気熱処理を行うようにする。ここで、
図1に示した実施の形態では、ゲート電極の構造を、ゲ
ート材料の堆積と同時に形成するようにしたが、ゲート
材料の膜を形成した後、公知のリソグラフィー技術とエ
ッチング技術とにより、ゲート電極を形成するようにし
ても良い。この場合、ゲート材料の膜を形成した後、上
記加熱処理を行うようにすればよい。
調整のためや、絶縁膜中や半導体基板中に拡散しやすい
銅などのより導電性のよい材料をゲート電極に用いるた
め、ゲート電極を2層以上の多層構造とする場合、最初
の1層目の膜を形成した後、または、最初の構造を形成
した後、上記加熱処理を行うようにすればよい。
してSiを用いる場合について説明したが、これに限る
ものではない。Si以外の半導体材料を用いるMIS型
半導体装置のゲート絶縁膜にZrO2を用いる場合で
も、同様の効果が得られる。例えば、Ge,SiGe,
ダイヤモンド,SiCなどの4族半導体材料上にMIS
型半導体装置を形成する場合であっても、同様の効果が
得られる。また、酸素は、2−6族半導体に悪影響を与
えやすいと考えられているため、これらを用いたMIS
型半導体装置にも、上述した実施の形態による製造方法
は、有益なもとの考えられる。
酸化物の生成が抑制された状態で、シリコンなどの基板
上に酸化ジルコニウムからなるゲート絶縁膜が形成でき
るようになるので、特性の良いMIS型半導体装置を製
造できるようになるという優れた効果が得られる。
装置の製造方法を説明する工程図である。
測定した屈折率の酸素流量依存性を示す特性図である。
の堆積を行ったときの、膜厚を因子とする高周波C−V
特性の測定結果を示す特性図である。
たMISダイオードのI−V測定結果を示す特性図であ
る。
の形態によるMISダイオードの高周波C−V特性を示
す特性図である。
す特性図である。
図である。
を示す特性図である。
を示した(点線)特性図である。
電極、104…裏面電極。
Claims (3)
- 【請求項1】 内部にジルコニウムからなるターゲット
が固定された密閉可能な容器内に、主表面に少なくとも
半導体からなる層を備えた基板を載置する第1の工程
と、 前記容器内を真空排気する第2の工程と、 前記容器内に不活性ガスと特定の供給流量とした酸素ガ
スとを導入して前記不活性ガスと酸素ガスとのプラズマ
を生成し、このプラズマにより発生した粒子を前記ター
ゲットに衝突させてスパッタ現象を起こし、前記ターゲ
ットを構成するジルコニウムの酸化物からなるゲート絶
縁膜を前記基板の主表面に形成する第3の工程と、 前記ゲート絶縁膜の欠陥を除去する熱処理からなる第4
の工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する第5の工程
とを備え、 前記特定の供給流量は、前記ゲート絶縁膜の屈折率が二
酸化ジルコニウムの屈折率と実質的に同じ値になる供給
流量以上であり、かつ、前記ターゲットの表面が酸化す
ることにより生じるスパッタ率の低下率が最大となる供
給流量以下であることを特徴とするMIS型半導体装置
の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のMIS型半導体装置の製
造方法において、 前記半導体はシリコンであることを特徴とするMIS型
半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のMIS型半導体装置の製
造方法において、前記第4の工程は、前記第5の工程の
後に行うことを特徴とするMIS型半導体装置の製造方
法。
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