JP2003086406A - 酸化亜鉛系焼結体とその製造方法および酸化亜鉛バリスタ - Google Patents

酸化亜鉛系焼結体とその製造方法および酸化亜鉛バリスタ

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】従来より酸化ビスマスを主添加物とする酸化亜
鉛バリスタには重要課題があった.すなわち酸化アンチ
モンの除去という課題を有していた. 【解決手段】酸化亜鉛:100重量部に対し、酸化ビス
マス:0.3〜7.5重量部、酸化すず:0.1〜3.
0重量部、酸化コバルトおよび酸化マンガンおよび酸化
ニッケルより選択された1〜3種の鉄族酸化物:0.1
〜7.0重量部、酸化クロム:0.05〜1.0重量
部、酸化ホウ素:0.02〜1.0重量部、酸化アルミ
ニウム:0.00001〜0.05重量部が含有されて
なる酸化亜鉛系焼結体に電極および側面絶縁コートを形
成して酸化亜鉛バリスタを構成すると.酸化アンチモン
を含有しない電気特性の優れた酸化亜鉛バリスタが得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は電気回路中のサー
ジ吸収などに用いられる酸化亜鉛バリスタ用酸化亜鉛系
焼結体とその製造方法および酸化亜鉛バリスタに関す
る.
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛バリスタは、酸化亜鉛と基本添
加物である酸化ビスマス、酸化コバルトおよび酸化マン
ガンと、さらに性能向上のために添加される各種の酸化
物とを含む酸化亜鉛原料粉末を成形し焼成することによ
って得られる酸化亜鉛系焼結体を用いて製造される.酸
化亜鉛バリスタの立ち上がり電圧は、電極間に存在する
酸化亜鉛焼結体内の粒界の数にほぼ比例して上昇するこ
とが知られている.すなわち、立ち上がり電圧は焼結体
内の一つの粒界あたり3から4ボルト上昇するので、厚
さ1mmあたり200〜400Vくらいの高電圧用の酸
化亜鉛バリスタを製造するためには、平均粒径4〜20
μm程度の粒径の小さい酸化亜鉛粒子を有する酸化亜鉛
焼結体を製造することが必要である.そこで従来は、高
電圧用の酸化亜鉛バリスタを製造するためには酸化アン
チモンなどの酸化亜鉛粒子の粒成長抑制剤を添加するこ
とによって、酸化亜鉛粒子の成長を抑制する方法が用い
られてきた.酸化アンチモンは、酸化亜鉛バリスタの非
直線抵抗特性を安定化させるという重要な働きも行う.
【0003】 なお、立ち上がり電圧とは、バリスタに
1mAの直流電流を流した時の両端子間の電圧をいい、
V1mAで表わされる.そして厚みが1mmの試料に1
mAの電流を流した時の両端子間の電圧をこの材料の定
数の一つとし、V1mA/mmで表わしている.これは
試料1mmの厚み当たりの立ち上がり電圧ということに
なる.
【0004】 酸化亜鉛バリスタにおいて電気特性が優
れているとは、印加されたパルス電流をよく吸収して回
路の電圧上昇を抑制して、回路の各素子を保護する能力
を持つなどで、たとえば、漏れ電流が少なく、後述する
非直線抵抗指数0.1mA α 1mAが高い値を持つ
など特性をもつことである.また、信頼性が優れている
とは、長時間電圧を印加した場合、あるいは高温下で長
時間電力負荷を加えた場合、さらにはパルス電流を印加
した場合等においても、電気特性の低下などがなく、も
との電気特性が維持されるなどの事項が挙げられる.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法で高性能の
酸化亜鉛バリスタを得るには、1150℃〜1300℃
の高い焼結温度を必要とした.これらの高い温度で焼成
すると大気中においても酸化ビスマスなどの蒸発は活発
である.また、酸化ビスマスは多くの種類の物質と反応
しやすく、炉材や容器等のセラミックス材など多くの物
質を容易に腐食する.すなわち、高い焼結温度は電力消
費が大きいのみならず、酸化ビスマスなどの激しい飛散
とそれに伴う炉材や容器の消耗をもたらすので、焼成温
度の低温度化が試みられていた.又、焼成温度が高いと
きには、炉内の焼成物の置かれた場所により、温度、昇
温速度、酸化ビスマスや酸化アンチモンの蒸気圧などに
差が生じ、これらを均一に保つことが困難で、特性のバ
ラツキを生じやすいなどの問題をもっていたので、焼成
温度の低温度化が試みられていた.
【0006】 近年添加物の量や添加方法の研究が進
み、900〜950℃で焼結して従来以上の高い性能を
もつ酸化亜鉛バリスタが開発されてきた.すなわち、適
度の酸化クロムとこれに見合った酸化ホウ素を添加する
ことによって焼成温度の低温度化が大幅に進展した.す
なわち、酸化亜鉛粉体に酸化ビスマス、酸化アンチモン
などと共に酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケル
の鉄族系酸化物を添加した混合粉体に、さらに適度の酸
化クロムとこれに見合った酸化ホウ素を添加することに
よって900℃〜950℃の焼成で、高いレベルの電気
特性を持った焼結体が得られることがあきらかとなっ
た.従来の組成では低い温度でパイロクロアの固相が発
生し、代わりに液相の発生を妨げ、液相焼結が起きにく
くなっていた.従来の組成では低い温度で発生したパイ
ロクロアの固相が高い温度になって酸化亜鉛と反応して
酸化ビスマスを主成分とする液相を発生してようやく液
相焼結が起きていた.ところが適度の酸化クロムとこれ
に見合った酸化ホウ素が添加されると、パイロクロアの
固相と酸化亜鉛が反応して酸化ビスマスを主成分とする
液相が低い温度で発生し、低い温度で液相焼結が起きる
ことが明かとなった.かくして低温で高性能の酸化亜鉛
バリスタが得られるようになった.
【0007】 しかし、かねてより酸化ビスマスを主添
加物とする酸化亜鉛バリスタには重要課題があった.す
なわち添加物としての酸化アンチモンを除くということ
である.酸化アンチモンが毒性をもつので、しばしば、
酸化アンチモンを電子部品から除去するよう求められて
きたが、特性の低下を考えると酸化アンチモンを除去す
ることはできなかった.酸化ビスマス含有系酸化亜鉛バ
リスタは優れたサージ吸収特性をもつためには酸化アン
チモンの添加が必要不可欠であった.
【0008】 本発明は、上記の問題を解決して、酸化
アンチモンを添加することなく、低温度焼結で粒成長を
促進し、非直線抵抗特性などの電気特性および信頼性に
優れた低電圧の酸化亜鉛バリスタを高歩留りで製造する
ための酸化亜鉛系焼結体を提供することを目的とする.
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の酸化亜鉛系焼結体は、酸化亜鉛:100重
量部に対し、酸化ビスマス:0.3〜7.5重量部、酸
化すず:0.1〜3.0重量部、酸化コバルトおよび酸
化マンガンおよび酸化ニッケルより選択された1〜3種
の鉄族酸化物:0.1〜7.0重量部、酸化クロム:
0.05〜1.0重量部、酸化ホウ素:0.02〜1.
0重量部、酸化アルミニウム:0.00001〜0.0
5重量部が含有されてなるという構成を備えたものであ
る.
【0010】 また前記目的を高いレベルで達成するた
め、本発明の酸化亜鉛系焼結体の製造方法は、酸化亜
鉛:100重量部に対し、酸化ビスマス:0.3〜7.
5重量部、酸化すず:0.1〜3.0重量部、酸化コバ
ルトおよび酸化マンガンおよび酸化ニッケルより選択さ
れた1〜3種の鉄族酸化物:0.1〜7.0重量部、酸
化クロム:0.05〜1.0重量部、ホウ素化合物(酸
化ホウ素に換算して):0.05〜1.0重量部、およ
びアルミニウム化合物(酸化アルミニウムに換算し
て):0.00001〜0.05重量部を添加・混合し
て酸化亜鉛系混合粉体を作る工程と、前記酸化亜鉛系混
合粉体に加圧成形を施して成形体を作る工程と、前記成
形体を加熱する工程を含有するという構成を備えたもの
である.
【0011】 また前記目的を達成するため、本発明の
酸化亜鉛系焼結体の製造方法は、上記酸化亜鉛系焼結体
の製造方法において、酸化亜鉛系混合粉体を作成する工
程が、少なくとも酸化ホウ素およびほう酸より選択され
たホウ素化合物と酸化クロムとを含有する混合粉体に熱
処理を施して予め酸化ホウ素・酸化クロム含有合成物を
作成する工程と、前記酸化ホウ素・酸化クロム含有合成
物を他の添加物とともに酸化亜鉛に添加して酸化亜鉛系
混合粉体を作成する工程よりなるという構成を備えたも
のである.
【0012】また前記目的を達成するため、本発明の酸
化亜鉛系焼結体の製造方法は、上記酸化亜鉛系焼結体の
製造方法において、酸化ホウ素・酸化クロム含有合成物
をつくる工程が、酸化ホウ素と酸化クロムの他に酸化ビ
スマスと希土類酸化物より選択された一種またはニ種以
上の酸化物を含有する混合粉体に熱処理を施して酸化ホ
ウ素・酸化クロム含有合成物を作成する工程であるとい
う構成を備えたものである.
【0013】また前記目的を達成するため、本発明の酸
化亜鉛バリスタは、酸化亜鉛:100重量部に対し、酸
化ビスマス:0.3〜7.5重量部、酸化すず:0.1
〜3.0重量部、酸化コバルトおよび酸化マンガンおよ
び酸化ニッケルより選択された1〜3種の鉄族酸化物:
0.1〜7.0重量部、酸化クロム:0.05〜1.0
重量部、酸化ホウ素:0.02〜1.0重量部、酸化ア
ルミニウム:0.00001〜0.05重量部が含有さ
れてなる酸化亜鉛系焼結体に電極および側面に絶縁コー
トが形成されてなるという構成を備えたものである.
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の酸化亜鉛系焼結体は、毒
性の強い酸化アンチモンの代わりに酸化すずを添加し、
混合し、酸化亜鉛系混合粉体を成形し、成形体を焼成し
て得る.本発明はかくして得る酸化亜鉛系焼結体よりな
る.
【0015】本発明の酸化亜鉛系焼結体の製造方法は、
本発明の酸化亜鉛系焼結体を高いレベルで得るため、主
成分の酸化亜鉛の粉体に添加される添加物のうちその一
部に予め熱処理を施しておいてしかる後にほかの添加物
とともに酸化亜鉛に添加するというものである.
【0016】本発明の酸化亜鉛バリスタは、本発明の酸
化亜鉛系焼結体に電極および側面高抵抗幕を形成したも
のである.
【0017】 なお、この酸化亜鉛系焼結体には950
℃以下の温度で焼結して優れた電気特性を有するものが
含まれているので、これら酸化亜鉛系焼結体をシート状
に成形し、電極材料と交互に積層し、焼結し、電極を所
定の接続方法でつなぐと、積層型のバリスタがえられ
る.950℃以下の温度で焼結可能な酸化亜鉛系焼結体
をもちいる場合、電極材料として比較的低価格の銀を用
いることが可能となる.かくして、本発明の利点の一つ
は、バリスタの内部電極として、銀を一体化焼成できる
ことにある.
【0018】
【実施例】 以下実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する.なお、下記の実施例において「重量」は、
「wt」と表示することがある.
【0019】(実施例1)Bの粉末と、Cr
の粉末(各粉末の粒径はそれぞれ、平均粒径が2〜3
μm)をモル比で1:2になるように混合し、大気雰囲
気下、370℃で5時間の熱処理を施した後、安定化ジ
ルコニアを玉石とするモノマロンポットのボールミルで
微粉砕することによってBとCrの合成粉
末(平均粒径約0.5〜1.5μm)を得た.以下、B
と、Crによって調整される合成粉末をB
/Cr合成粉末と呼ぶ.次に,ZnO、前
記B/Cr合成粉末、Bi、Co
、MnO、NiO,SnO、Al(NO
・9HOを、重量比で81.38:0.6:4.2:
0.954:0.414:0.383:x:0.002
4となるように配合し、湿式法で混合粉砕した.ただ
し、SnOの量としてx=0.05,0.1,0.
2,0.5,0.7、1.0,2.0,3.0,5.0
を選択した.得られた配合粉末を乾燥し、ディスク状に
加圧成形した.次に、得られた成形体を大気中、昇温速
度50℃/時間で昇温し、950℃で10時間保持した
後、降温速度50℃/時間で降温して焼結体を得た.得
られた焼結体の試料サイズは厚さ1.2mm,直径は1
4mmであった.また、得られた焼結体に700℃で保
持時間が1時間の熱処理を施した.
【0020】 次に、図1を参照しながら酸化亜鉛バリ
スタの作成方法を説明する.図1は本発明の酸化亜鉛系
焼結体を用いて作成したディスクタイプの酸化亜鉛バリ
スタ10の概略斜視図である.前記のようにして得た焼
結体11の両面にアルミニウムを溶射することによっ
て、アルミニウム層(図示せず)を形成し、次に、この
両面に形成されたアルミニウム層の上に銅を溶射するこ
とによって電極12を形成した.電極12にハンダでリ
ード線13を付けた後、リード線以外の磁器および電極
部分を樹脂塗装することによって酸化亜鉛バリスタを得
た.
【0021】 このようにして得られた酸化亜鉛バリス
タの電気特性を評価した.初期の電気特性として、立ち
上がり電圧V1mA/mm(1mAの電流を流した時の
両端子間の1mm厚みに対する電圧)および非直線抵抗
指数0.1mA α 1mA(V1mAとV0.1mA
とを用いて求めた値)を測定した(なお、以下の記載に
おいては、非直線抵抗指数0.1mA α 1mAを単
にα値と略称することがある).非直線抵抗指数が大き
いほど、サージ吸収能力が大きくなる.又、直流負荷に
対する信頼性を評価した.80℃の高温雰囲気中で0.
5ワットの直流負荷を500時間印加し、冷却してバリ
スタ立ち上がり電圧V1mAの変化率△V1mA/V1
mA(直流負荷変化率)を測定した.バリスタ立ち上が
り電圧V1mAの変化率△V1mA/V1mAが小さい
ほど、酸化亜鉛バリスタの電気特性が安定しており、信
頼性が高いことを示している.
【0022】さらに、サージに対する信頼性を評価し
た.8×20μsec,1.5kAのパルスの10回印
加によるバリスタ立ち上がり電圧V1mAの変化率△V
1mA/V1mA(サージ変化率)を測定した.表1に
試料の組成を、表2に電気特性の評価結果を示す.サー
ン変化率の値が小さいほど、酸化亜鉛バリスタの電気特
性が安定しており、信頼性が高いことを示している.い
ずれも変化率の絶対値が5%以下の場合に信頼性が高い
ことを示している.なお、電気特性の評価結果を示す数
値は、ロット内の最小値と最大値を示した.
【0023】
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】 表1および表2より、本実施例の酸化亜
鉛系焼結体を用いた酸化亜鉛バリスタは、950℃とい
う低い温度でも焼結することができ、x=0.1以上の
試料で(試料番号#001を除いて)初期の非直線抵抗
指数が高く、各種負荷に対して安定性が高いことが明か
となった。しかしx=5.0の試料(試料番号#00
9)までSnOの添加量が増してくると非直線抵抗特
性が不安定になってきて、長時間の直流負荷に対しても
またサージに対しても、立ち上がり電圧V1mAの変化
率(△V1mA/V1mA)の絶対値が5%以上となっ
てきて、信頼性が低下してきた.また、表2に示されて
いるように、ロット内の電気特性のバラツキも小さかっ
た.表2には示されていないが、本実施例の酸化亜鉛磁
器を用いて酸化亜鉛バリスタを作成すると、ロット間の
電気特性のバラツキも、ロット内の電気特性のバラツキ
と同様に小さかった.
【0026】
【発明の効果】 以上実施例をあげて説明したように、
本発明の酸化亜鉛系焼結体は、低温焼結において酸化ア
ンチモンを添加しないにもかかわらず、酸化すずを少量
添加することによって、優れた電気特性をもち、より安
全性の高い材料を提供する。また、700℃の熱処理に
対しても安定性が高く、銀電極の焼き付けも容易で、こ
れら熱処理特性はバリスタにおいて特性劣化の最大の原
因といわれる格子間亜鉛原子(インタスティシャル亜鉛
原子)の存在が極めて少ないことを示唆している。実施
例では、添加物のひとつとしてBとCr
合成粉末を用いたが、これらのニ者を未合成のまま添加
するのに比べると、合成粉末を加えた場合にはバラツキ
が小さく歩留まりがよい。また後者の場合には信頼性が
高くなる傾向が観察された。一方、これらの合成粉末を
加えた場合には10%くらいの立ち上がり電圧の上昇が
みられた。BとCrにさらにYを加
えた合成粉末が添加されると立ち上がり電圧の降下がみ
られた。
【0027】一方、本発明の酸化亜鉛系焼結体は、低温
度で焼結できるので、焼結の際の電力消費を少なくする
ことが可能となり、同時に焼結に用いる電気炉の炉材や
容器の消耗を少なくすることができ、省エネルギーや省
資源に大きく寄与することができる.さらにまた、本発
明の酸化亜鉛系焼結体には、銀の融解温度よりも低い温
度でも焼結するものがあり、これらの焼結体内部に焼成
の際に同時に銀電極を形成することが可能となった.そ
の結果、銀の内部電極をもった、高性能の積層型の酸化
亜鉛バリスタを製造できるようになった.なお、実施例
では、950℃の焼成のデータを示したが、さらに高温
で焼結しても良特性を持った物が得られ,また添加物の
種類や量を調整することにより、750℃まで焼成温度
を下げても、良特性のバリスタが得られることがあきら
かとなった.
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の酸化亜鉛系焼結体を用いて
作成したディスクタイプの酸化亜鉛バリスタの概略斜視
図.
【符号の説明】
10 ディスクタイプの酸化亜鉛バリスタ 11 酸化亜鉛系焼結体 12 電極 13 リード線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛:100重量部に、酸化ビスマ
    ス:0.3〜7.5重量部、酸化すず:0.1〜3.0
    重量部、酸化コバルト,酸化マンガン,酸化ニッケルよ
    り選択された1〜3種の鉄族酸化物:0.1〜7.0重
    量部、酸化クロム:0.05〜1.5重量部、酸化ホウ
    素:0.02〜1.0重量部、アルミニウム成分(酸化
    アルミニウムに換算して):0.00001〜0.05
    重量部が含有されてなる酸化亜鉛系焼結体.
  2. 【請求項2】酸化亜鉛:100重量部に対し、酸化ビス
    マス:0.3〜7.5重量部、酸化すず:0.1〜3.
    0重量部、酸化コバルトおよび酸化マンガンおよび酸化
    ニッケルより選択された1〜3種の鉄族酸化物:0.1
    〜7.0重量部、酸化クロム:0.05〜1.0重量
    部、ホウ素化合物(酸化ホウ素に換算して):0.05
    〜1.0重量部、およびアルミニウム化合物(酸化アル
    ミニウムに換算して):0.00001〜0.05重量
    部を添加・混合して酸化亜鉛系混合粉体を作る工程と、
    前記酸化亜鉛系混合粉体に加圧成形を施して成形体を作
    る工程と、前記成形体を加熱する工程を含有する酸化亜
    鉛系焼結体の製造方法.
  3. 【請求項3】酸化亜鉛系混合粉体を作成する工程が、少
    なくとも酸化ホウ素およびほう酸より選択されたホウ素
    化合物と酸化クロムとを含有する混合粉体に熱処理を施
    して予め酸化ホウ素・酸化クロム含有合成物を作成する
    工程と、前記酸化ホウ素・酸化クロム含有合成物を他の
    添加物とともに酸化亜鉛に添加して酸化亜鉛系混合粉体
    を作成する工程よりなることを特徴とする請求項2記載
    の酸化亜鉛系焼結体の製造方法.
  4. 【請求項4】酸化ホウ素・酸化クロム含有合成物をつく
    る工程が、酸化ホウ素と酸化クロムの他に酸化ビスマス
    と希土類酸化物より選択された一種またはニ種以上の酸
    化物を含有する混合粉体に熱処理を施して酸化ホウ素・
    酸化クロム含有合成物を作成する工程であることを特徴
    とする請求項3記載の酸化亜鉛系焼結体の製造方法.
  5. 【請求項5】酸化亜鉛:100重量部に対し、酸化ビス
    マス:0.3〜7.5重量部、酸化すず:0.1〜3.
    0重量部、酸化コバルトおよび酸化マンガンおよび酸化
    ニッケルより選択された1〜3種の鉄族酸化物:0.1
    〜7.0重量部、酸化クロム:0.05〜1.0重量
    部、酸化ホウ素:0.02〜1.0重量部、酸化アルミ
    ニウム:0.00001〜0.05重量部が含有されて
    なる酸化亜鉛系焼結体に電極および側面絶縁コートが形
    成されてなる酸化亜鉛バリスタ.
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