JP2003086124A - 画像形成装置とその製造方法 - Google Patents

画像形成装置とその製造方法

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JP2003086124A
JP2003086124A JP2001279606A JP2001279606A JP2003086124A JP 2003086124 A JP2003086124 A JP 2003086124A JP 2001279606 A JP2001279606 A JP 2001279606A JP 2001279606 A JP2001279606 A JP 2001279606A JP 2003086124 A JP2003086124 A JP 2003086124A
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image forming
forming apparatus
phosphor
electron
getter film
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JP2001279606A
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Masaki Tokioka
正樹 時岡
Ihachirou Gofuku
伊八郎 五福
Kazuya Shigeoka
和也 重岡
Yoshitaka Arai
由高 荒井
Mitsutoshi Hasegawa
光利 長谷川
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Canon Inc
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度の経時変化(経時的低下)の少ない画像形
成装置を提供する。 【解決手段】 複数の電子放出素子が配置された電子源
基板と、前記電子源基板に対向して設けられ、黒色材に
てパターニングされた蛍光体及び該蛍光体を被覆するメ
タルバックが配置された基板とを備える画像形成装置で
あって、前記メタルバックはTiゲッタ膜にて被覆され
ており、且つ、前記Tiゲッタ膜は、前記蛍光体上より
も前記黒色材上のほうがより厚く設けられていることを
特徴とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲッタを備える画
像形成装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子源より放出された電子ビームを画像
表示部材である蛍光体に照射し、蛍光体を発光させて画
像を表示する画像形成装置においては、電子源と画像形
成部材を内包する真空容器の内部を高真空に保持しなけ
ればならない。それは、真空容器内部にガスが発生し、
圧力が上昇すると、その影響の程度はガスの種類により
異なるが、電子源に悪影響を及ぼして電子放出量を低下
させ、明るい画像の表示ができなくなるためである。ま
た、発生したガスが、電子ビームにより電離されてイオ
ンとなり、これが電子を加速するための電界により加速
されて電子源に衝突することで、電子源の損傷を与える
こともある。さらに、場合によっては、内部で放電を生
じさせる場合もあり、この場合は装置を破壊することも
ある。
【0003】通常、上記の画像形成装置の真空容器はガ
ラス部材を組み合わせて、接合部をフリットガラスなど
により接着して形成されており、一旦接合が完了した後
の圧力の維持は、真空容器内に設置されたゲッタによっ
て行われる。通常のCRTでは、Baを主成分とする合金
を、真空容器内で通電あるいは高周波により加熱し、容
器内壁に蒸着膜を形成し、これにより内部で発生したガ
スを吸着して高真空を維持している。
【0004】近年は、多数の電子放出素子を平面基板上
に配置した電子源を用いた平面状ディスプレイの開発が
進み、真空度の確保に関しても、画像表示部材から発生
したガスが、ゲッタのところまで拡散する前に電子源に
到達し、局所的な圧力上昇とそれに伴うに電子源劣化を
引き起こすことが特徴的な問題となっている。
【0005】この問題を解決するため、特定の構造を有
する平板状画像表示装置では、画像表示領域内にゲッタ
材を配置して、発生したガスを即座に吸着するようにし
た構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先にも述べたように、
画像表示装置において、ガスの発生源として最も寄与の
大きいものは高エネルギーの電子によって衝撃を受ける
蛍光膜などの画像表示部材と電子源自身である。もちろ
ん、高温で時間をかけてベーキングするなど、十分に脱
ガス処理が実行できれば、ガスの発生は避けられるが、
実際の装置では、電子放出素子その他の部材が熱的なダ
メージを受けるため、十分に脱ガス処理が行えない場合
があり、この様な場合には、ガスが発生する可能性が高
い。
【0007】また、局所的・瞬間的にガスの圧力が高く
なった場合には、電界により加速されたイオンが、別の
ガス分子に衝突して、次々にイオンを生成し、放電を生
じせしめるおそれがある。この場合には電子源が部分的
に破壊され、電子放出特性の劣化を引き起こすおそれが
ある。画像表示部材からのガスの発生は、画像表示装置
形成後に、電子を放出させ、これにより蛍光体に含まれ
る水等のガスが急激に放出される。これにより駆動開始
初期に画像の輝度が目立って低下するなどの現象を引き
起こす場合がある。更にこの後、駆動を継続することに
より、電子源周辺などからもガスが放出され、徐々に特
性が劣化する。
【0008】従来の如く、表示領域の外側にのみゲッタ
領域を設けた場合には、画像表示領域の中央付近で発生
したガスは、外側のゲッタ領域に到達するまでに時間が
かかるだけでなく、ゲッタに吸着される前に電子源に再
吸着して、電子放出特性を劣化させるのを防止するの
に、十分な効果を発揮できず、特に画像表示領域の中央
で、画像の輝度低下が目立つ場合がある。
【0009】さらに、画像表示領域内にゲッタ部材を配
置した場合は、表示領域の外側で発生したガスにより、
画像表示領域の外側で、画像の輝度低下が目立つ場合が
ある。
【0010】本発明は、特に、輝度の経時変化(経時的
低下)の少ない画像形成装置の提供を目的とする。
【0011】また、本発明は、画像表示領域内での経時
的な輝度ばらつきの発生の少ない画像形成装置の提供を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の電子放
出素子が配置された電子源基板と、前記電子源基板に対
向して設けられ、黒色材にてパターニングされた蛍光体
及び該蛍光体を被覆するメタルバックが配置された基板
とを備える画像形成装置であって、前記メタルバックは
Tiゲッタ膜にて被覆されており、且つ、前記Tiゲッ
タ膜は、前記蛍光体上よりも前記黒色材上のほうがより
厚く設けられていることを特徴とする画像形成装置であ
る。
【0013】また、上記本発明の画像形成装置は、前記
蛍光体上のTiゲッタ膜の膜厚が、300Å〜1000
Åの範囲内にあること、あるいは前記黒色材上のTiゲ
ッタ膜の膜厚が、5000Å〜50000Åの範囲内に
あること、あるいは、前記電子放出素子は、前記電子源
基板の基板面に沿って並設された一対の電極を備え、該
一対の電極間に電圧が印加されることにより電子を放出
する電子放出素子であること、を好ましい形態として含
むものである。
【0014】また、本発明は、複数の電子放出素子が配
置された電子源基板と、前記電子源基板に対向して設け
られ、黒色材にてパターニングされた蛍光体、該蛍光体
を被覆するメタルバック、及び、該メタルバックを被覆
するTiゲッタ膜が配置された基板とを備える画像形成
装置の製造方法であって、前記Tiゲッタ膜は、前記黒
色材上及び前記蛍光体上を被覆する第1の被覆工程と、
前記黒色材上のみを被覆する第2の被覆工程により形成
されることを特徴とする画像形成装置の製造方法であ
る。
【0015】また、上記本発明の製造方法は、前記Ti
ゲッタ膜の第1及び第2の被覆工程の後、前記電子放出
素子、前記蛍光体、前記メタルバック、及び、前記Ti
ゲッタ膜を内包する容器を形成し、前記Tiゲッタ膜の
活性化処理を行うこと、あるいは、前記活性化処理は、
前記Tiゲッタ膜を250℃〜450℃の範囲の温度に
て加熱する工程を含むこと、を好ましい形態として含む
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を述
べる。
【0017】図1の(a)〜(c)は、本実施の形態の
画像形成装置の構成を模式的に示すものである。
【0018】1は電子源基板で、複数の電子放出素子
が、複数の上配線(X方向配線)102及び複数の下配
線(Y方向配線)103によってマトリクス配線されて
いる。また、図1の(b)に示す通り電子放出素子は、
電子源基板1に沿って、間隔をおいて並設された一対の
素子電極105、106を備えており、かかる一対の素
子電極間に電圧を印加することで電子放出する素子であ
る。また、かかる電子放出素子はその素子電極105、
106間に電子放出部を有する導電性膜109を備えて
おり、表面伝導型電子放出素子と呼ばれるものである。
【0019】また、2はリアプレート、3は支持枠、4
はフェースプレート、9はTiゲッタ膜、であり、リア
プレート2、支持枠3、及び、フェースプレート4はそ
の接合部において、フリットガラスなどを用いて互いに
接着され外囲器5を形成している。
【0020】ここでフェースプレート4は、ガラス基体
6の上に蛍光膜7、メタルバック8、Tiゲッタ膜9が
この順で積層されてなり、この積層された領域が画像表
示領域となる。蛍光膜7は白黒画像の場合には、蛍光体
のみからなるが、カラー画像を表示する場合には、赤、
緑、青の3原色の蛍光体によりピクセルが形成され、そ
の間を黒色材で分離した構造とする。黒色材はその形状
により、ブラックストライプ、ブラックマトリクスなど
と呼ばれるが詳細は後述する。
【0021】メタルバック8はAlなどの導電性薄膜に
より構成され、蛍光体から発生した光のうち、電子源基
板1の方に進む光をガラス基体6の方向に反射して輝度
を向上させるとともに、外囲器5内に残留したガスが、
電子線により電離され生成したイオンの衝撃によって、
蛍光体が損傷を受けるのを防止する働きもある。またフ
ェースプレート4の画像表示領域に導電性を与えて、電
荷が蓄積されるのを防ぎ、電子源基板1に対してアノー
ド電極の役割を果たすものである。
【0022】続いて蛍光膜7について説明する。
【0023】図4の(a)は、蛍光体13がストライプ状に
並べられた場合で、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光
体13が順に形成され、その間が黒色導電材(黒色材)
12によって分離されている。この場合、黒色導電材1
2の部分はブラックストライプと呼ばれる。また、図4
の(b)は蛍光体13のドットが格子状に並び、その間を
黒色導電材12によって分離したものであり、この場合
には、黒色導電材12はブラックマトリクスと呼ばれ
る。蛍光体13の各色の配置方法は数種あり、これに応
じてドットの並び型は、図示した三角格子のほか、正方
格子などを採用する場合もある。
【0024】ガラス基体6上への黒色導電材12と蛍光
体13のパターニング法としては、スラリー法や印刷法
などが使用でき、蛍光膜7を形成した後、さらにAlな
どの金属を形成してメタルバック8とする。
【0025】上記のようにして形成されたフェースプレ
ートに対し、Tiゲッタ膜9をフェースプレート側のメ
タルバック上全面に形成する。但し、前記黒色材12上
には、比較的厚いTiゲッタ膜を形成し、前記蛍光体1
3上には薄いTiゲッタ膜を形成する。ここで、前記蛍
光体13上のTiゲッタ膜の膜厚は、300Å〜100
0Åの範囲内にあること、前記黒色材12上のTiゲッ
タ膜の膜厚は、5000Å〜50000Åの範囲内にあ
ることが好ましい。比較的厚いTiゲッタ膜は、薄いT
iゲッタ膜に対して吸着するガス総量が大きいため、T
iゲッタ膜全体の吸着ガス総量をあげる効果がある。ま
た、前記蛍光体13上に形成したTiゲッタ膜を薄くす
ることで、蛍光体に入射する電子の透過率を損なわない
ものの、Tiゲッタ膜全体の面積を大きくすることがで
きる。
【0026】上記のTiゲッタ膜は、画像表示領域に対
応した大きな窓のマスクを用い、一旦、全面に被覆する
第1の被覆工程と、その後、さらに、ストライプ状の開
口を持つ適当なマスクをのせて前記のブラックストライ
プ(黒色材)上にのみ被覆する第2の被覆工程とにより
形成されるが、いずれの被覆工程も、容易に真空蒸着法
またはスパッタリング法によって製造可能である。
【0027】電子源基板1とリアプレート2、及び、支
持枠3と、フェースプレート4と、リアプレート2を接
合する。接合は、接合部にフリットガラスをつけ、40
0〜450℃に加熱して行う。実際の操作としては、フ
リットガラス中にバインダーとして含まれる成分を除去
するために、まず酸素を含む雰囲気中で、低温での加熱
焼成(この工程を「仮焼成」と呼ぶ)を行う。この時の酸素
濃度と温度は可能な範囲で下げることが望ましい。具体
的な条件はフリットの種類によって異なるが、温度につ
いては250℃以下が望まれる。 この後、Arなどの
不活性ガス(inert gas)中で、400〜450℃の加熱
処理を行い、接合部を溶着する(封着工程)。
【0028】この後、外囲器5の内部を一度排気して
(真空形成工程)、電子源基板1の活性化処理など必要
な処理(電子源活性化工程)を行う。続いて排気と加熱
脱ガス(ベーキング工程)により、外囲器5の内部に十分
な真空を確保し、さらに真空度排気管(不図示)をバーナ
ーで加熱して封じ切る。さらに、ゲッタの活性化処理を
行うが、Tiゲッタ膜9を250℃以上450℃以下の
熱処理により活性化する。
【0029】上記のTi膜ゲッタ9の活性化処理は封着
工程後に少なくとも一度熱処理をすれば良く、上記ベー
キング工程で兼ねても良い。
【0030】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
【0031】
【実施例】以下、好ましい実施例を挙げて、本発明を更
に詳述するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0032】(実施例1)本実施例の画像形成装置は、
図1の(a)〜(c)に模式的に示された画像形成装置
と同様の構成を有し、Tiゲッタ膜9は、フェースプレ
ート4側のメタルバック8上全面に形成されている。更
にこのTiゲッタ膜9は膜厚分布を有しており、図1の
(c)に示されるように、黒色材であるブラックマトリ
クス12上において、蛍光体13上よりもより厚く形成
されている。
【0033】また、本実施例の画像形成装置は、電子源
基板1上に、複数(100行×300列)の表面伝導型電
子放出素子が、複数の上配線(X方向配線)102と複
数の下配線(Y方向配線)103とにより単純マトリク
ス配線された電子源を備えている。また、表面伝導型電
子放出素子は、図1の(b)に示されている通り電子源
基板1の基板面に沿って一対の素子電極106、105
を備えており、かかる一対の素子電極間に電圧が印加さ
れることにより電子を放出する素子である。また、その
電子放出は、一対の素子電極106、105間に配置さ
れた、電子放出部を有する導電性膜109よりなされ
る。
【0034】以下に、本実施例の画像形成装置の製造方
法について、図2を参照しつつ説明する。
【0035】工程-a ガラス基板を洗剤、純水および有機溶剤を用いて十分に
洗浄した。この上に厚さ0.5μmのシリコン酸化膜を
スパッタ法で形成し、電子源基板101とした。この上
にホトレジスト(AZ1370ヘキスト社製)をスピンナーによ
り回転塗布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像
して、下配線103のレジストパターンを形成した。さ
らに、真空蒸着により、厚さ5nmのCr、厚さ600nm
のAuを順次積層した後、Au/Cr堆積膜をリフトオ
フにより不要の部分を除去して、所望の形状の下配線1
03を形成した(図2の(a))。
【0036】工程-b 次に、厚さ1.0μmのシリコン酸化膜からなる層間絶
縁膜104をRFスパッタ法により堆積する(図2の
(b))。
【0037】工程-c 前記工程bで堆積したシリコン酸化膜にコンタクトホー
ル107を形成するためのホトレジストパターンを作
り、これをマスクとして層間絶縁層104をエッチング
してコンタクトホール107を形成する。エッチングは
CFとHガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)
法によった(図2の(c))。
【0038】工程-d コンタクトホール107部分以外にレジストを塗布する
ようなパターンを形成し、真空蒸着により厚さ5nmのT
i、厚さ500nmのAuを順次堆積した後、リフトオフ
により不要の部分を除去することにより、コンタクトホ
ール107を埋め込んだ(図2の(d))。
【0039】工程-e その後、素子電極105、106と素子電極間ギャップ
Gとなるべきパターンをホトレジスト(RD-2000N-41日立
化成社製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ5nmのT
i、厚さ100nmのNiを順次堆積した。ホトレジスト
パターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフ
トオフし、素子電極間隔Gは3μm、素子電極の幅は3
00μmとし、素子電極105、106を形成した (図
2の(e))。
【0040】工程-f 素子電極105、106の上に上配線102のホトレジ
ストパターンを形成した後、厚さ5nmのTi、厚さ50
0nmのAuを順次、真空蒸着により堆積し、リフトオフ
により不要の部分を除去して、所望の形状の上配線10
2を形成した(図2の(f))。
【0041】工程-g 膜厚100nmのCr膜を真空蒸着により堆積・パターニ
ングし、その上にPdアミン錯体の溶液(ccp4230奥野製
薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で
10分間の加熱焼成処理をした。また、こうして形成さ
れた、主元素としてPdよりなる微粒子からなる電子放
出部形成用の導電性膜108の膜厚は8.5nm、シート
抵抗値は3.9×104Ω/□であった(図2の(g))。
【0042】工程-h Cr膜及び焼成後の電子放出部形成用の導電性膜108
を酸エッチャントによりエッチングして所望のパターン
を形成した(図2の(h))。
【0043】以上の工程により電子源基板101上に複
数(100行×300列)の電子放出部形成用の導電性膜
108が、上配線102と下配線103により単純マト
リクス配線されたものとした。
【0044】工程-i 次に、図1の(a)、(c)に示すフェースプレート4
を、以下のように作成した。
【0045】ガラス基体6を洗剤、純水および有機溶剤
を用いて十分に洗浄し、この上に、印刷法により蛍光膜
7を塗布し、表面の平滑化処理(通常、「フィルミン
グ」と呼ばれる。)して、蛍光体部を形成した。なお、
蛍光膜7はストライプ状の蛍光体(R,G,B)13と、黒色
材である黒色導電材(ブラックストライプ)12とが交互
に配列された図4の(a)に示される蛍光膜とした。
【0046】更に、蛍光膜7の上に、Al薄膜よりなる
メタルバック8をスパッタリング法により300Åの厚
さに形成した。
【0047】工程-x 次に、厚さ500ÅのTiゲッタ膜9をRFスパッタ法に
より堆積する。
【0048】画像表示領域内のみ形成されるように、大
きな開口を中心に持つメタルマスクを用いる。金属Ti
はAlと比べて原子量が大きいので、電子線の透過率が
劣る。そのために蛍光膜7の上に形成されるメタルバッ
ク8、Tiゲッタ膜9の厚みはAl薄膜のみのメタルバ
ック8の場合より薄く形成する必要があるため、300
Å〜1000Åの膜厚が望ましい。
【0049】ここで、一旦フェースプレート4を大気圧
程度の雰囲気下におくことでTiゲッタ膜9にガスを充
分に吸着させた上で、ブラックストライプ12上の箇所
にのみ、RFスパッタ法によりTiゲッタ膜9をさらに
2.5μm堆積する。
【0050】パターニングには、ブラックストライプ1
2の箇所に合わせた小さな開口のメタルマスクを用い
る。メタルマスクにはNi金属の薄板を用いて、裏面か
ら磁石により固定させると、まわり込みが少ないパター
ニングが実現する。このようにして形成したフェースプ
レート4の断面の模式図を図4に示す。
【0051】工程-j 次に、図1の(a)に示す外囲器5を、以下のように作
成した。
【0052】前述の工程により作成された電子源基板1
をリアプレート2に固定した後、支持枠3、上記フェー
スプレート4を組み合わせ、電子源基板1の下配線10
3及び上配線102を行選択用端子10及び信号入力端
子11と各々接続し、電子源基板1とフェースプレート
4の位置を厳密に調整し、封着して外囲器5を形成し
た。
【0053】封着の方法は、接合部にフリットガラスを
塗布し、Arガス中、450℃、30分の熱処理を行い
接合した。なお、電子源1とリアプレート2の固定も同
様の処理により行った。
【0054】次の工程を説明する前に、以後の工程にて
用いられた真空装置について、図5を用いて述べる。
【0055】画像形成装置121は、排気管122を介
して真空容器123に接続され、該真空容器123に
は、排気装置125が接続されており、その間にゲート
バルブ124が設けられている。真空容器123には、
圧力計126、四重極質量分析器(Q-mass)127が取り
付けられており、内部の圧力及び、残留ガスの各分圧を
モニタできるようになっている。外囲器5内の圧力や分
圧を直接測定することは困難なので、真空容器123の
圧力と分圧を測定し、この値を外囲器5内のものとみな
す。排気装置125はソープションポンプとイオンポン
プからなる超高真空用排気装置である。真空容器123
には、複数のガス導入装置が接続されており、物質源1
29に蓄えられた物質を導入することができる。導入物
質はその種類に応じて、ボンベまたはアンプルに充填さ
れており、ガス導入量制御手段128によって導入量が
制御できる。ガス導入量制御手段128は、導入物質の
種類、流量、必要な制御精度などに応じて、ニードルバ
ルブ、マスフローコントローラーなどが用いられる。本
実施例では、ガラスアンプルに入れたベンゾニトリルを
物質源129として用い、ガス導入量制御手段128と
して、スローリークバルブを使用した。
【0056】以上の真空処理装置を用いて以後の工程を
行った。
【0057】工程-k 外囲器5の内部を排気し、圧力を1×10-3Pa以下に
し、電子源基板1上に配列された前述の複数の電子放出
部形成用の導電性膜108(図2の(h))に、電子放出部
を形成するための以下の処理(フォーミングと呼ぶ)を行
った。
【0058】図6に示すように、Y方向配線103を共
通結線してグランドに接続する。131は制御装置で、
パルス発生器132とライン選択装置134を制御す
る。133は電流計である。ライン選択装置134によ
り、X方向配線102から1ラインを選択し、これにパ
ルス電圧を印加する。フォーミング処理はX方向の素子
行に対し、1行(300素子)毎に行った。印加したパル
スの波形は図7の(a)に示すような三角波パルスで、波
高値を徐々に上昇させた。パルス幅T1=1msec、パル
ス間隔T2=10msecとした。また、三角波パルスの間
に、波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入し、電流を測
ることにより各行の抵抗値を測定した。抵抗値が3.3
kΩ(1素子当たり1MΩ)を越えたところで、その行の
フォーミングを終了し、次の行の処理に移った。これを
すべての行について行い、すべての前記導電性膜108
(図2の(h))のフォーミングを完了し、各々に電子放
出部を有する導電性膜109(図2の(k))形成し
て、複数の表面伝導型電子放出素子が、単純マトリクス
に配線された電子源基板1を作成した。
【0059】工程-l 図5の真空容器123内に、ベンゾニトリルを導入し、
圧力が1.3×10-3Paとなるように調整し、素子電流
Ifを測定しながら上記電子源1にパルスを印加して、各
電子放出素子の活性化処理を行った。パルス発生器13
2により生成したパルス波形は、図14の(b)に示した
矩形波で、波高値は14V、パルス幅T1=100μse
c、パルス間隔T2=167μsecである。ライン選択装
置134により、167μsec毎に選択ラインをDx1から
Dx100まで順次切り替え、この結果、各素子行にはT1=
100μsec、T2=16.7msecの矩形波が行毎に位相
を少しずつシフトされて印加されることになる。電流計
133は、矩形波パルスのオン状態(電圧が14Vにな
っている時)での電流値の平均を検知するモードで使用
し、この値が600mA(1素子当たり2mA)となったとこ
ろで、活性化処理を終了し、外囲器5内を排気した。
【0060】工程-m 排気を続けながら、不図示の加熱装置により、画像形成
装置121及び真空容器123の全体を300℃に、1
0時間保持した。この処理により、外囲器5及び真空容
器123の内壁などに吸着されていたと思われるベンゾ
ニトリル及びその分解物が除去された。これはQ-mass1
27による観察で確認された。この工程においては、画
像形成装置の加熱/排気保持により、内部からのガスの
除去が行われるだけでなく、Tiゲッタ膜9の活性化処
理も兼ねて行われる。
【0061】工程-n 圧力が1.3×10-5Pa以下となったことを確認してか
ら、排気管をバーナーで加熱して封じ切る。
【0062】以上により本実施例の画像形成装置を作成
した。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、画像形成装
置内の真空度が良好に維持されるので、電子放出素子か
らの電子放出量が安定し、特性の劣化を抑制でき、結果
的に、長時間動作させた場合の輝度の低下、とりわけ、
画像表示領域の外側付近での輝度の低下、および輝度む
らを抑制することができる。
【0064】また、ゲッタの活性化工程が、熱工程でで
きるので歩留まり良く画像形成装置を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の1例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の画像形成装置の製造方法の一部を説明
するための断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置に用いられる、蛍光体及
び黒色材の配置パターンを示す図である。
【図4】本発明の画像形成装置のフェースプレートの断
面の模式図である。
【図5】本発明の画像形成装置の、フォーミング、活性
化工程を行うための真空排気装置の模式図である。
【図6】本発明の画像形成装置の、フォーミング、活性
化工程のための結線方法を示す模式図である。
【図7】本発明の画像形成装置の、フォーミングの際に
用いられる電圧波形を示す模式図である。
【符号の説明】
1 電子源基板 2 リアプレート 3 支持枠 4 フェースプレート 5 外囲器 6 ガラス基体 7 蛍光膜 8 メタルバック 9 Tiゲッタ膜 10 行選択用端子 11 信号入力端子 12 黒色導電材 13 蛍光体 101 ガラス基体 102 上配線、 103 下配線 104 層間絶縁層 105、106 素子電極 107 コンタクトホール 108 導電性膜 109 放出部を有する導電性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重岡 和也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 荒井 由高 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 長谷川 光利 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5C028 CC06 CC07 5C032 AA01 JJ08 JJ10 JJ11 5C036 CC10 CC14 CC18 EE01 EE19 EF01 EF06 EF09 EG36 EH08 EH11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子が配置された電子源
    基板と、前記電子源基板に対向して設けられ、黒色材に
    てパターニングされた蛍光体及び該蛍光体を被覆するメ
    タルバックが配置された基板とを備える画像形成装置で
    あって、前記メタルバックはTiゲッタ膜にて被覆され
    ており、且つ、前記Tiゲッタ膜は、前記蛍光体上より
    も前記黒色材上のほうがより厚く設けられていることを
    特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体上のTiゲッタ膜の膜厚は、
    300Å〜1000Åの範囲内にあることを特徴とする
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記黒色材上のTiゲッタ膜の膜厚は、
    5000Å〜50000Åの範囲内にあることを特徴と
    する請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子は、前記電子源基板の
    基板面に沿って並設された一対の電極を備え、該一対の
    電極間に電圧が印加されることにより電子を放出する電
    子放出素子であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 複数の電子放出素子が配置された電子源
    基板と、前記電子源基板に対向して設けられ、黒色材に
    てパターニングされた蛍光体、該蛍光体を被覆するメタ
    ルバック、及び、該メタルバックを被覆するTiゲッタ
    膜が配置された基板とを備える画像形成装置の製造方法
    であって、 前記Tiゲッタ膜は、前記黒色材上及び前記蛍光体上を
    被覆する第1の被覆工程と、前記黒色材上のみを被覆す
    る第2の被覆工程により形成されることを特徴とする画
    像形成装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記Tiゲッタ膜の第1及び第2の被覆
    工程の後、前記電子放出素子、前記蛍光体、前記メタル
    バック、及び、前記Tiゲッタ膜を内包する容器を形成
    し、前記Tiゲッタ膜の活性化処理を行うことを特徴と
    する請求項5に記載の画像形成装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記活性化処理は、前記Tiゲッタ膜を
    250℃〜450℃の範囲の温度にて加熱する工程を含
    むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置の製
    造方法。
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