JP2003083764A - ポジションセンサ - Google Patents

ポジションセンサ

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JP2003083764A JP2002131900A JP2002131900A JP2003083764A JP 2003083764 A JP2003083764 A JP 2003083764A JP 2002131900 A JP2002131900 A JP 2002131900A JP 2002131900 A JP2002131900 A JP 2002131900A JP 2003083764 A JP2003083764 A JP 2003083764A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精密な部品、組み立て、及び温度補償が不要
で、変位に対する出力の十分なリニアリティを得ること
ができるポジションセンサを提供する。 【解決手段】 ポジションセンサは、中空の巻枠10に
巻回された検出コイル2と、検出コイル2の巻軸方向X
に変位して巻枠10の中空部分に貫入する金属体1と、
所定の周波数及び振幅の定電流を検出コイル2に出力す
る定電流回路3と、定電流回路3が出力する定電流及び
検出コイル2のインピーダンスにより決まる検出コイル
2の両端電圧を金属体1と検出コイル2との位置情報を
示すポジション信号に変換する信号処理回路4とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の変位を検
出するポジションセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の非接触式のポジションセンサは、
永久磁石と感磁性素子を用いるものが多い。この方法で
は、感磁性素子にリニアな磁界を作用させる磁気回路の
構成が最重要ポイントとなる。
【0003】図35は特公平6−82041号公報で開
示された一例であって、断面コの字状のヨーク100の
内上面に設けた永久磁石101にテーパーを形成し、永
久磁石101とヨーク100の内下面との間に感磁性素
子102を配置して、感磁性素子102のZ方向の変位
に対して磁束103のリニアな磁界変化を実現してい
る。
【0004】また、最大のメリットは、感磁性素子10
2とセンサ回路(感磁性素子102への電源供給、信号
処理回路)をモノリシックICとして作り込み、1つの
パッケージに納めることにより小型化、部品点数の削減
を図ることができることである。
【0005】さらに、別の従来例として特開2000−
186903号公報で開示された高周波磁気式があり、
その構成を図36に示す。被検出体に連動回転する回転
シャフト201と、回転シャフト201と連結片202
cで連結されて回転シャフト201を中心とする円周上
を回転シャフト201の回転に連動して移動する円弧状
の可動金属体202と、円周上に固定配置され、移動す
る可動金属体202の腕体202a,202bが夫々の
中心透孔に出入りして磁路に対する占有量が可変自在と
なるように中心軸を円弧状に湾曲させた2つのセンサコ
イル203a,203bを駆動励起して高周波数の変調
磁界を発生させ、腕体202a,202bのセンサコイ
ル203a,203bに対する出入りに応じて生じる磁
気的変化を検出するセンサ回路204と、センサコイル
203a,203bに流れるコイル電流を検出するため
の抵抗器205a,205bとから構成される。
【0006】このセンサ回路204は図37に示すよう
に、2つのセンサコイル203a,203bに高周波の
発振電流を流して励起駆動する発振回路206と、セン
サコイル203a,203bに直列に接続された抵抗器
205a,205bに流れるコイル電流に応じて発生す
る電圧信号を取り込み、検波増幅する検波増幅回路20
7a,207bと、これら検波増幅回路207a,20
7bの一方の出力を基準として他方との差分を出力する
誤差増幅回路208と誤差増幅回路208の出力に含ま
れるリップル成分を除去するフィルタ回路209と、ド
リフト補正と傾き補正と温度補正等を行うデジタルトリ
ミング回路からなる補正回路210と、補正回路210
から出力される信号を出力インピーダンスを低くして出
力端子OUTから自動車用演算制御回路(ECU)へ検
出信号として出力する出力バッファ回路211とを備え
ており、電源端子Vinから各回路への電源供給のため
の電源電圧を入力する。
【0007】この従来例においては動金属体202の腕
体202a,202bを2つのセンサコイル203a,
203bに相補的に貫入させるものであり、センサコイ
ル203a,203bの各インピーダンスが変化するこ
とをセンサ回路204で検出するので、特公平6−82
041号公報に開示されたポジションセンサほどの精密
な位置決めが不要であるというメリットがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平6−8
2041号公報のような磁気式のポジションセンサにお
いては、変位に対する磁界103のリニアリティを得る
ためには、研削加工等による正確な永久磁石101の寸
法出しと、永久磁石101と感磁性素子102との精密
な位置決めが必要となる。
【0009】この感磁性素子102はInSb薄膜等を
用い、特殊な半導体プロセスを必要とするため高価であ
り、その感度特性は周囲温度による特性変化が大きいた
め、温度補償回路が不可欠となり回路が複雑となる。
【0010】また、感磁性素子102とセンサ回路とを
モノリシックICとして車載用に用いる場合には、フェ
ールセーフシステムの思想に基づいてセンサの検出部は
2重にしなければならず、2個のモノリシックICが本
質的に必要となる。
【0011】次に、特開2000−186903号公報
のような高周波磁気式のポジションセンサにおいては、
定電圧Voでセンサコイル203a,203bを駆動
し、コイルインピーダンスをZとすると、コイル電流
(Vo/Z)を測定している。すなわち、コイルインピ
ーダンスZが分母にあり、角度変化に対してコイルイン
ピーダンスZがリニアに変化したとしても、センサ出力
であるコイル電流はリニアには変化せず、角度に対して
双曲線的に変化することになる。
【0012】また、センサコイル203a,203bに
可動金属体202の腕体202a,202bが貫入して
いない角度状態では、センサコイル203a,203b
のコイルインピーダンスはコイル巻線のインピーダンス
だけであってその温特(温度係数)の要素もコイル巻線
のみとなる。しかし、センサコイル203a,203b
に腕体202a,202bが貫入している角度状態で
は、センサコイル203a,203bのコイルインピー
ダンスは、コイル巻線のインピーダンスと、腕体202
a,202bの貫入によるコイルインピーダンスの増加
分(インダクタンスの増大分、渦電流損、ヒステリシス
損など)がある。したがってその温度係数はインピーダ
ンス増加分の各要因別に異なった温度係数の総合となる
ので、必然的にセンサコイル203a,203bに腕体
202a,202bが貫入していない角度状態時の温度
係数とは異なる。すなわち角度によって温度係数が変わ
るのである。したがって、センサ回路204の補正回路
210でデジタルトリミングで温度補正を行うにして
も、角度によってその増幅率を変えるという厄介な補正
をしない限り正確な出力をECUに出力できない。
【0013】さらに、センサコイル203a,203b
が弧状になっているために均等な巻線を形成することが
困難であり、少なくとも弧の外側に密着整列巻線を形成
することは不可能である。
【0014】本発明は、上記事由に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、精密な部品、組み立て、及び温度
補償が不要で、変位に対する出力の十分なリニアリティ
を得ることができるポジションセンサを提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、所定
の周波数及び振幅の定電流を出力する定電流回路と、前
記定電流を供給される検出コイルと、前記検出コイルに
対して前記検出コイルの巻軸方向に相対変位する金属体
と、前記定電流及び前記検出コイルのインピーダンスに
より決まる電圧信号を前記金属体と前記検出コイルとの
位置情報を示すポジション信号に変換する信号処理回路
とを備えることを特徴とする。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記相対変位する金属体は、前記検出コイルの巻線
内に貫入自在であることを特徴とする。
【0017】請求項3の発明は、コンデンサ及び検出コ
イルからなるLC共振回路と、前記検出コイルに対して
前記検出コイルの巻軸方向に相対変位する金属体と、前
記LC共振回路に帰還電流を供給して前記LC共振回路
を励振する発振回路と、前記発振回路の発振振幅を所定
の値とするために前記発振回路の負性コンダクタンスを
制御することによって前記帰還電流を制御する負性コン
ダクタンス制御回路と、前記帰還電流に比例した電流出
力を前記金属体と前記検出コイルとの位置情報を示すポ
ジション信号に変換する信号処理回路とを備えることを
特徴とする。
【0018】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記相対変位する金属体は、前記検出コイルの巻線
内に貫入自在であることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明は、請求項3または4の発
明において、前記負性コンダクタンス制御回路は、前記
発振回路の発振振幅に比例した直流信号と所定の直流電
圧とを入力とする差動増幅器を具備し、前記差動増幅器
の出力結果が前記直流信号は前記所定の直流電圧よりも
小さい場合には、前記発振回路の負性コンダクタンスを
増大させるように制御し、前記差動増幅器の出力結果が
前記直流信号は前記所定の直流電圧よりも大きい場合に
は、前記発振回路の負性コンダクタンスを減少させるよ
うに制御することを特徴とする。
【0020】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記発振回路は前記負性コンダクタンスを形成して
前記帰還電流の値を決定する抵抗を具備し、前記抵抗は
少なくとも一部をMOSFETのドレイン−ソース間抵
抗で構成され、前記負性コンダクタンス制御回路は前記
MOSFETのゲート電圧を制御し、前記ドレイン−ソ
ース間抵抗を可変とすることによって前記帰還電流を制
御することを特徴とする。
【0021】請求項7の発明は、請求項3または4の発
明において、前記発振回路は、前記LC共振回路の一端
に直列接続されるエミッタを有したNPN型の第1のト
ランジスタと、ベースが前記第1のトランジスタのベー
スに接続されたNPN型の第2のトランジスタと、一端
が接地されるとともに他端が前記第2のトランジスタの
エミッタに接続された前記帰還電流の値を決定する抵抗
と、前記第2のトランジスタのコレクタ電流を帰還電流
として前記LC共振回路に帰還するカレントミラー回路
とを備え、前記負性コンダクタンス制御回路は、所定の
定電圧を発生する定電圧回路と、前記定電圧よりも前記
発振回路の発振振幅の方が大きい場合に前記帰還電流を
少なくする制御回路とを備えることを特徴とする。
【0022】請求項8の発明は、請求項3または4の発
明において、前記負性コンダクタンス制御回路は、前記
発振回路の負性コンダクタンスを可変として前記帰還電
流を制御することによって、前記発振回路の発振振幅を
トランジスタのベース−エミッタ間電圧の2倍以下とす
ることを特徴とする。
【0023】請求項9の発明は、請求項3または4の発
明において、前記負性コンダクタンス制御回路は、前記
発振回路の負性コンダクタンスを可変として前記帰還電
流を制御することによって、前記発振回路の発振振幅を
0.1〜0.7Vとすることを特徴とする。
【0024】請求項10の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルの巻線のターン
数、巻線の巻ピッチ、及び前記検出コイルに入力される
信号の周波数は、前記検出コイルの巻線が有するインピ
ーダンス成分の温度係数と、前記金属体が前記検出コイ
ルに相対変位することに起因する前記検出コイルのイン
ピーダンス成分の温度係数とが等しくなる各値であるこ
とを特徴とする。
【0025】請求項11の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体は、前記検出コイルの
巻線が有するインピーダンス成分の温度係数と、前記金
属体が前記検出コイルに相対変位することに起因する前
記検出コイルのインピーダンス成分の温度係数とが等し
くなる材料で形成されることを特徴とする。
【0026】請求項12の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体に施された表面処理
は、前記検出コイルの巻線が有するインピーダンス成分
の温度係数と、前記金属体が前記検出コイルに相対変位
することに起因する前記検出コイルのインピーダンス成
分の温度係数とが等しくなる表面処理であることを特徴
とする。
【0027】請求項13の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体は、少なくとも表面を
体積抵抗率の温度係数が小さな材料で形成されることを
特徴とする。
【0028】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、前記金属体は、少なくとも表面をニッケル−ク
ロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金、鉄−クロム−ア
ルミ合金、銅−ニッケル合金、マンガニンのうちいずれ
かで形成されることを特徴とする。
【0029】請求項15の発明は、請求項13の発明に
おいて、前記金属体は、所望の長さに切断した電熱線
を、曲げ加工して形成したことを特徴とする。
【0030】請求項16の発明は、請求項15の発明に
おいて、前記電熱線は、ニッケル−クロム合金、ニッケ
ル−クロム−鉄合金、鉄−クロム−アルミ合金、銅−ニ
ッケル合金、マンガニンのうちいずれかで形成されるこ
とを特徴とする。
【0031】請求項17の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルの巻線は、ニクロ
ム、マンガニン、銅−ニッケル合金のうちいずれかで形
成されることを特徴とする。
【0032】請求項18の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルは、巻線と、所定
の間隔毎に巻線位置決め用ガイドが形成された巻枠とで
構成され、前記巻線は前記巻線位置決め用ガイドに沿っ
て前記巻枠に巻回されることを特徴とする。
【0033】請求項19の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルの巻線はスプリン
グコイルであることを特徴とする。
【0034】請求項20の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体はパイプ状であること
を特徴とする。
【0035】請求項21の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体は非金属の表面に金属
板が取り付けられてなることを特徴とする。
【0036】請求項22の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、位置検出に必要な分解能を満たすビット数の
デジタル信号であることを特徴とする。
【0037】請求項23の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号が出力し
てから前記位置情報に応じた時間を経て出力されるパル
ス信号とから構成されることを特徴とする。
【0038】請求項24の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて
出力される前記位置情報に応じたデューティ比のパルス
信号とから構成されることを特徴とする。
【0039】請求項25の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて
出力される前記位置情報に応じたパルス幅のパルス信号
とから構成されることを特徴とする。
【0040】請求項26の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて
出力される前記位置情報に応じた数のパルス信号とから
構成されることを特徴とする。
【0041】請求項27の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルを2つ具備し、前
記2つの検出コイルは構造部材に取り付けられた同一の
前記金属体を共用することを特徴とする。
【0042】請求項28の発明は、請求項1または2の
発明において、前記検出コイルを2つ具備し、同一の前
記定電流回路が所定の周波数及び振幅の定電流を前記2
つの検出コイルに出力することを特徴とする。
【0043】請求項29の発明は、請求項27または2
8の発明において、前記各回路の能動回路はモノリシッ
クICで構成したことを特徴とする。
【0044】請求項30の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体の端部から所定の長さ
の部分を、他の部分より磁束が通りやすくしたことを特
徴とする。
【0045】請求項31の発明は、請求項30の発明に
おいて、前記金属体の端部から所定の長さの部分は、他
の部分より太いことを特徴とする。
【0046】請求項32の発明は、請求項30の発明に
おいて、前記金属体の端部から所定の長さの部分は、他
の部分より透磁率が高い材料で形成されることを特徴と
する請求項30記載のポジションセンサ。
【0047】請求項33の発明は、請求項30の発明に
おいて、前記金属体の端部から所定の長さの部分は、他
の部分より透磁率が高い材料で表面処理されたことを特
徴とする。
【0048】請求項34の発明は、請求項33の発明に
おいて、前記金属体は端部から所定の長さの部分の表面
にパーマロイめっきを施した電磁ステンレスからなるこ
とを特徴とする。
【0049】請求項35の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体の端部は、面取り処理
を行ってエッジを除去したことを特徴とする。
【0050】請求項36の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルは所定の曲率で湾
曲した形状を有しており、前記検出コイルを固定し、前
記検出コイルの曲率変化を矯正する手段を有するハウジ
ングを備えることを特徴とする。
【0051】請求項37の発明は、請求項36の発明に
おいて、前記ハウジングは前記検出コイルの内側半径部
分の少なくとも一部に当接することによって、前記検出
コイルの曲率変化を矯正することを特徴とする。
【0052】請求項38の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルを巻回した巻枠を
備え、組み立て前に前記コイルと巻枠とを樹脂モールド
したことを特徴とする。
【0053】請求項39の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、2つの前記検出コイルを各々巻回
した2つの巻枠を備え、組み立て前に2つの前記コイル
と2つの前記巻枠とを一体に樹脂モールドしたことを特
徴とする。
【0054】請求項40の発明は、請求項2または4の
発明において、2つの前記検出コイルを備え、前記検出
コイルに貫入する2つの前記金属体を一体に樹脂モール
ドしたことを特徴とする。
【0055】請求項41の発明は、請求項2または4の
発明において、同一の曲率で湾曲した2つの前記検出コ
イルと、回転軸を中心に回転することで前記2つの検出
コイルに各々貫入し、同一の曲率で湾曲した2つの前記
金属体とを備え、2つの前記検出コイルは、前記金属体
の回転軸方向に重ねて配置されることを特徴とする。
【0056】請求項42の発明は、請求項2または4の
発明において、互いに異なる曲率で湾曲した2つの前記
検出コイルと、回転軸を中心に回転することで前記2つ
の検出コイルに各々貫入し、互いに異なる曲率で湾曲し
た2つの前記金属体とを備え、2つの前記検出コイル
は、前記金属体の回転軸に対して同一回転角度上、且つ
同一平面上に配置されることを特徴とする。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0058】(実施形態1)本実施形態のポジションセ
ンサの検出コイルの断面構造、回路構成を、図1,2に
各々示す。
【0059】ポジションセンサは、中空の巻枠10に巻
回された検出コイル2と、検出コイル2の巻軸方向Xに
変位して巻枠10の中空部分に貫入する金属体1と、所
定の周波数及び振幅の定電流Idを検出コイル2に出力
する定電流回路3と、定電流回路3が出力する定電流I
d及び検出コイル2のインピーダンスZにより決まる検
出コイル2の両端電圧を金属体1と検出コイル2との位
置情報を示すポジション信号に変換する信号処理回路4
とを備える。
【0060】定電流回路3は、定電圧をエミッタに接続
し、コレクタを交流電源J1に接続して、コレクタ−ゲ
ート間を短絡したPNP型のトランジスタQ1と、定電
圧をエミッタに接続し、コレクタを検出コイル2に接続
して、ゲートをトランジスタQ1のゲートと接続したP
NP型のトランジスタQ2とを備えて、検出コイル2に
定電流Idを出力する。本実施形態ではこのように定電
流回路3を構成しているが、他の構成の定電流回路であ
ってもよい。
【0061】本実施形態では、検出コイル2の両端電圧
は、定電流Id×検出コイル2のインピーダンスZで表
され、検出コイル2のインピーダンスZが、検出コイル
2に対する金属体1の変位量(金属体1が回転運動する
場合には金属体1の角度)に対してリニアに変化するな
らば、検出コイル2の両端電圧も検出コイル2に対する
金属体1の変位量に対してリニアに変化する。したがっ
て、検出コイル2のインピーダンスZが、検出コイル2
に対する金属体1の変位量に対してリニアに変化するな
らば、ポジション信号も検出コイル2に対する金属体1
の変位量に対してリニアに変化し、変位に対する出力の
十分なリニアリティを得ることができる。また、図35
のような永久磁石と感磁性素子とを用いる方式と比較す
ると、精密な部品、組み立て、及び温度補償が不要とな
る。
【0062】なお、金属体1は検出コイル2の巻枠10
の中空部分に貫入する構成でなくてもよく、金属体1は
検出コイル2の巻軸方向Xに変位して検出コイル2に近
接する構成であってもよい。
【0063】また、金属体1と検出コイル2との間の相
対変位であるので、金属体1と検出コイル2とのどちら
が巻軸方向Xに変位してもよい。
【0064】(実施形態2)本実施形態のポジションセ
ンサの検出コイルの断面構造、回路ブロック、回路構成
を、図3,4,6に各々示す。
【0065】検出コイル2の構造は、実施形態1と同様
に、中空の巻枠10に巻回された検出コイル2と、検出
コイル2の巻軸方向Xに変位して巻枠10の中空部分に
貫入する金属体1とから構成される。
【0066】ここで、図5は近接スイッチの回路ブロッ
クを示しており、本実施形態のポジションセンサは近接
スイッチと同じ考え方を利用している。近接スイッチに
おいては、検出コイル2’とコンデンサC1’とを並列
に接続したLC共振回路が制御回路8に接続されてお
り、このLC共振回路は、制御回路8から出力される帰
還電流If’によって発振を持続される。
【0067】ここで、検出コイル2’はコンダクタンス
Gc’を有し、制御回路8は負性コンダクタンスGos
c’を有しており、負性コンダクタンスGosc’は、
制御回路8の発振振幅Vt’、帰還電流If’より−I
f/Vtで表される。
【0068】そして、検出コイル2’のコンダクタンス
Gcが制御回路8の負性コンダクタンスGosc’の絶
対値より大きいと発振条件は成立しなくなり、発振は停
止する。逆にコンダクタンスGc’が負性コンダクタン
スGosc’の絶対値より小さいと発振条件は成立し、
発振する。近接スイッチにおいては、負性コンダクタン
スGosc’は所定の設定値であって、コンダクタンス
Gc’が金属体の移動と共に変化することによって、発
振したり、発振停止したりする。
【0069】次に図4にその回路ブロックを示すポジシ
ョンセンサは、検出コイル2とコンデンサC1とを並列
に接続したLC共振回路と、LC共振回路に帰還電流I
fを供給してLC共振回路を励振する発振回路5と、帰
還電流Ifを検波する検波回路6と、発振回路5の負性
コンダクタンスGoscを制御することによって帰還電
流Ifを制御する負性コンダクタンス制御回路7と、帰
還電流Ifに比例した電流出力を金属体1と検出コイル
2との位置情報を示すポジション信号に変換する信号処
理回路4とを備えており、検出コイル2はコンダクタン
スGcを有する。
【0070】以下、本実施形態のポジションセンサの動
作について説明する。
【0071】まず、検出コイル2のコンダクタンスGc
の変化に合わせて発振回路5の負性コンダクタンスGo
scを制御し、常に発振条件が成立するか否かの限界状
態にする。その手段としては発振振幅Vtをモニタし、
発振振幅Vtを所定の値(かなり小さい値)に合わせる
ように負性コンダクタンスGoscを制御するのであ
る。ここで、所定の振幅で負性コンダクタンスGosc
が変化するということは、帰還電流Ifが変化するとい
うことである。そこで帰還電流Ifを検波すれば、負性
コンダクタンスGoscを検波していることになり、さ
らに常に発振条件が成立するか否かの限界状態にあるこ
とから負性コンダクタンスGosc≒−コンダクタンス
Gcであるので、コンダクタンスGcを検波しているこ
とになる。
【0072】検出コイル2のインピーダンスZは、図1
0に示すように直流抵抗成分Rsと交流抵抗成分Lsと
の直列回路、及びインダクタンス成分Lpとコンダクタ
ンス成分Gとの並列回路のようにも表され、インピーダ
ンスZはこれら複数の各要素を合計したものである。本
実施形態においては、コンダクタンス成分Gのみに注目
しているので、コンダクタンスGの温度係数のみ制御で
きればよいというメリットがある。
【0073】図6は本実施形態の具体的な回路構成を示
しており、発振回路5は、コレクタ−ベース間を短絡し
たNPN型のトランジスタQ5と、トランジスタQ5の
コレクタに接続したバイアス回路B1と、制御電圧を各
エミッタと接続してカレントミラー回路を構成するPN
P型のトランジスタQ3,Q4と、ベースをトランジス
タQ5のベースと接続し、コレクタをトランジスタQ4
のコレクタと接続し、エミッタを帰還電流Ifを調節す
る抵抗R1及び可変抵抗VR1の並列回路に接続してエ
ミッタフォロワを構成するNPN型のトランジスタQ6
とから構成されて、トランジスタQ5のエミッタは、一
端を接地した検出コイル2及びコンデンサC1を並列に
接続したLC共振回路に接続し、検出コイル2はコンダ
クタンスGcを有する。
【0074】検波回路6はNPN型のトランジスタQ7
で構成され、トランジスタQ7のベースはバイアス回路
B1に接続され、コレクタは制御電圧に接続される。負
性コンダクタンス制御回路7は、反転入力端子にトラン
ジスタQ7のエミッタ、抵抗R2、コンデンサC2を接
続され、非反転入力端子に直流電源E1を接続されたコ
ンパレータCP1で構成され、コンパレータCP1の出
力に応じた抵抗値に可変抵抗VR1の抵抗値は変化す
る。
【0075】信号処理回路4は、エミッタを制御電圧に
接続し、ゲートをトランジスタQ3,Q4のゲートに接
続したPNP型のトランジスタQ8と、トランジスタQ
8のコレクタに接続したコンデンサC8,抵抗R3の並
列回路とから構成され、抵抗R3の両端電圧がポジショ
ン信号Voutとして出力される。
【0076】次にこの回路の動作について説明する。
【0077】LC共振回路の両端には、検出コイル2の
インダクタンス値とコンデンサC1の静電容量値とから
決まる周波数の発振電圧が生じ、トランジスタQ3から
帰還電流Ifを正帰還することによって発振を持続させ
ている。その発振振幅Vtを、コレクタとベースを短絡
してダイオード接続したトランジスタQ5のベース−エ
ミッタを介してトランジスタQ6のベースに入力する
と、トランジスタQ6のベースに入力した電流に応じ
て、トランジスタQ6のコレクタ電流は流れ、そのコレ
クタ電流に応じてトランジスタQ3,Q4からなるカレ
ントミラー回路の作用によって帰還電流IfがLC共振
回路に正帰還される。このとき、トランジスタQ6はエ
ミッタフォロワに構成されており、トランジスタQ6の
エミッタ電位(抵抗R1と可変抵抗VR1の並列回路の
電位)に応じて、帰還電流Ifの電流値は制御される。
【0078】そして、負性コンダクタンス制御回路7の
差動増幅器であるコンパレータCP1は、検波回路6を
介して反転入力端子に入力された発振振幅Vtに比例し
た直流信号と、しきい値である直流電源E1の電圧値と
を比較して、その比較結果を可変抵抗VR1の制御端に
出力する。
【0079】可変抵抗VR1は、比較結果が発振振幅V
tはしきい値よりも小さい場合には、発振回路5の負性
コンダクタンスGoscを増大させるように制御され
て、即ち抵抗値は小さくなる。比較結果が発振振幅Vt
はしきい値よりも大きい場合には、発振回路5の負性コ
ンダクタンスGoscを減少させるように制御されて、
即ち抵抗値は大きくなる。そして、可変抵抗VR1の抵
抗値を小さくすると、帰還電流Ifは増大して発振振幅
Vtは大きくなり、可変抵抗VR1の抵抗値を大きくす
ると、帰還電流Ifは低減して発振振幅Vtは小さくな
る。
【0080】このように発振振幅Vtを所定の値に合わ
せるために、可変抵抗VR1の抵抗値を変化させて負性
コンダクタンスGoscを制御している。
【0081】また、信号処理回路4は、トランジスタQ
8を介して帰還電流Ifに比例した電流Ioutを抵抗
R3に流し込み、抵抗R3の両端電圧をポジション信号
Voutとして出力する。
【0082】このように、ポジション信号Voutは、
帰還電流Ifに比例している。また、発振回路5の負性
コンダクタンスGoscが、検出コイル2に対する金属
体1の変位量(金属体1が回転運動する場合には金属体
1の角度)に対してリニアに変化するならば、帰還電流
Ifも検出コイル2に対する金属体1の変位量に対して
リニアに変化する。したがって、ポジション信号Vou
tは発振回路5の負性コンダクタンスGoscに比例
し、負性コンダクタンスGoscが検出コイル2に対す
る金属体1の変位量に対してリニアに変化するならば、
ポジション信号Voutも検出コイル2に対する金属体
1の変位量に対してリニアに変化し、変位に対する出力
の十分なリニアリティを得ることができて、精密な部
品、組み立て、及び温度補償が不要となる。
【0083】次に、図7に示す回路構成は、図6に示し
た回路構成と略同様であるが、可変抵抗VR1をMOS
FETT1に置き換えた点が異なり、ゲートに印加され
るコンパレータCP1の出力によってドレイン−ソース
間抵抗を変化させて負性コンダクタンスGoscを制御
している。なおMOSFETT1と抵抗R1とは並列接
続しても、直列接続してもよい。
【0084】図8(a)は、MOSFETT1のドレイ
ン−ソース間電圧Vdsとドレイン電流Idとの関係を
示し、ゲート−ソース間電圧Vgsが1V,2V,3V
の時に曲線Y1,Y2,Y3が各々対応する。線形領域
S1でのドレイン電流Idを求める式は、Id=k×
{(Vgs−Vth)×Vds−Vds/2}で表さ
れる(Vds:ドレイン−ソース間電圧、Vgs:ゲー
ト−ソース間電圧、Vth:しきい値電圧、k:酸化膜
容量,ゲート長,ゲート幅,電子移動度で決まる定
数)。したがって、MOSFETの製造でしきい値電圧
Vthの設定を適切に行えば、ドレイン−ソース間電圧
Vdsが小さい領域(例えば0.5V以下)において、
ドレイン−ソース間電圧Vdsとドレイン電流Idとを
略比例関係で変化させることができ、しかもその傾き
(オン抵抗の逆数になる)をゲート−ソース間電圧Vg
sで制御することが可能となる。
【0085】さらに、発振回路5では、発振振幅Vtが
大きくなると帰還電流Ifも比例的に大きくなる。した
がって図6に示す回路構成では、発振時の安定状態にお
いて発振振幅Vtは大振幅となるが、図7に示すMOS
FETT1を用いた回路構成では、発振振幅Vtがある
程度以上の大振幅になると(すなわちドレイン−ソース
間電圧Vdsが大きくなると)、ドレイン電流Idは飽
和するのでそれ以上振幅が大きくなることはない。
【0086】図8(b)は、バイポーラトランジスタの
コレクタ−エミッタ間電圧Vceとコレクタ電流Icと
の関係を示し、ベース電流Ibが20μA,50μA,
100μAの時に曲線Y4,Y5,Y6が各々対応し、
線形領域はS2に対応する。ベース電流Ibを適当に変
化させたとしても、コレクタ電流Icがコレクタ−エミ
ッタ間電圧Vceに対して略直線的に変化するのは、せ
いぜいコレクタ−エミッタ間電圧Vceが0.2V程度
以下の領域に限られてしまう。したがって、コレクタ−
エミッタ間電圧Vceが0.2V程度以下の振幅しか用
いないのであればベース電流Ibを制御してバイポーラ
トランジスタを可変抵抗としてMOSFETT1と同様
に用いることができるが、コレクタ−エミッタ間電圧V
ceの振幅が小さすぎると信号処理が難しくなる。ま
た、コレクタ−エミッタ間電圧Vceが0.2V以上の
振幅となると可変抵抗として動作ができなくなるので、
負性コンダクタンスGoscを制御することが難しくな
る。
【0087】図9は、発振振幅Vtを所定の値に合わせ
るための別の回路構成である。
【0088】まず構成について説明する。発振回路5
は、コレクタ−ベース間を短絡したNPN型のトランジ
スタQ5と、トランジスタQ5のコレクタに接続したバ
イアス回路B1と、制御電圧を各エミッタと接続してカ
レントミラー回路を構成するPNP型のトランジスタQ
3,Q4と、ベースをトランジスタQ5のベースと接続
し、コレクタをトランジスタQ4のコレクタと接続し、
エミッタを帰還電流Ifを調節する抵抗R1に接続して
エミッタフォロワを構成するNPN型のトランジスタQ
6、コレクタをトランジスタQ6のエミッタに接続し、
エミッタを制御電圧に接続したPNP型トランジスタQ
9とから構成されて、トランジスタQ5のエミッタは、
一端を接地した検出コイル2及びコンデンサC1を並列
に接続したLC共振回路に接続している。
【0089】負性コンダクタンス制御回路7は、コレク
タをトランジスタQ9のベースに接続し、ベースをトラ
ンジスタQ5,Q6のベースに接続したNPN型のトラ
ンジスタQ10と、一端をトランジスタQ10のエミッ
タに接続し他端を設置した抵抗R4と定電圧源E2との
直列回路とから構成される。
【0090】信号処理回路4は、エミッタを制御電圧に
接続し、ゲートをトランジスタQ3,Q4のゲートに接
続したPNP型のトランジスタQ8と、トランジスタQ
8のコレクタに接続したコンデンサC3,抵抗R3の並
列回路とから構成され、抵抗R3の両端電圧がポジショ
ン信号Voutとして出力される。
【0091】次にこの回路の動作について説明する。
【0092】検出コイル2の両端には、検出コイル2の
インダクタンス値とコンデンサC1の静電容量値とから
決まる周波数の発振電圧が生じ、トランジスタQ3から
帰還電流Ifを正帰還することによって発振を持続させ
ている。その発振振幅Vtを、コレクタとベースを短絡
してダイオード接続したトランジスタQ5のベース−エ
ミッタを介してトランジスタQ6のベースに入力する
と、トランジスタQ6のベースに入力した電流に応じ
て、トランジスタQ6のコレクタ電流は流れ、そのコレ
クタ電流に応じてトランジスタQ3,Q4からなるカレ
ントミラー回路の作用によって帰還電流IfがLC共振
回路に正帰還される。このとき、トランジスタQ6はエ
ミッタフォロワに構成されており、トランジスタQ6の
エミッタ電位(抵抗R1の電位)に応じて、帰還電流I
fの電流値は制御される。
【0093】そして、発振振幅Vtが定電圧源E2の定
電圧を超えた場合、発振振幅Vtの電位を有したトラン
ジスタQ10のエミッタ電位も定電圧を超えることにな
る。このとき、トランジスタQ10は抵抗R4にコレク
タ電流を流すように動作し、それによってトランジスタ
Q9にベース電流が流れるように制御され、コレクタ電
流を抵抗R1に流すようになる。
【0094】こうして、抵抗R1にトランジスタQ9の
コレクタ電流が流れることにより、抵抗R1の両端電位
差が大きくなり、トランジスタQ6のエミッタ電位が上
昇する。すると、トランジスタQ6のベース−エミッタ
間電位差が小さくなって、トランジスタQ6のコレクタ
電流が小さくなる。したがって、トランジスタQ6のコ
レクタ電流がトランジスタQ3,Q4を備えるカレント
ミラー回路により折り返されてなるLC共振回路への帰
還電流Ifも小さくなり、発振振幅Vtが減少する。
【0095】このように図9に示す回路においても、結
局は総合的に見たコンダクタンスGoscを制御するこ
とによって、発振振幅Vtを所定の値に制御している。
【0096】また、信号処理回路4は、トランジスタQ
8を介して帰還電流Ifに比例した電流Ioutを抵抗
R3に流し込み、抵抗R3の両端電圧をポジション信号
Voutとして出力する。
【0097】ここで、図6,7,9に示す回路をIC回
路化した場合には、NPN型のトランジスタQ5のコレ
クタ電位が−Vbe(Vbeはベースエミッタ間電位
差)を下回って負電位としてはならない。すなわち、ト
ランジスタQ5のコレクタの電位は、接地電位を基準と
して正弦波状に変動する発振振幅VtよりもVbeだけ
高くシフトした電位をとるのであるから、発振振幅Vt
が2Veを超えてはならないという制約と同じである。
この制約の理由は、IC回路化した場合には、NPNト
ランジスタは、ICチップ上では、N型エピタキシャル
層として形成される。このN型エピタキシャル層は、接
地電位に接続されたP型サブストレートと接しているた
めに、NPN型であるトランジスタQ5のコレクタ電位
が−Vbeよりも小さくなると、トランジスタQ5のP
N接合が順方向にバイアスされることになり、寄生ダイ
オードが導通してしまう。実際には、P型サブストレー
トから寄生的に電流が流れ出すことにより、寄生ダイオ
ードの導通のみならず、ICチップ上の他の回路部分に
も悪影響を及ぼす恐れがあるためである。
【0098】また、発振振幅Vtが大きいと発振条件成
立限界から遠くなり、振幅が小さすぎると扱いにくい
が、負性コンダクタンス制御回路7が発振振幅Vtを
0.1〜0.7Vとなるように制御すれば、発振条件が
成立限界に近く、且つ検波、信号処理に適している。
【0099】なお、金属体1は検出コイル2の巻枠10
の中空部分に貫入する構成でなくてもよく、金属体1は
検出コイル2の巻軸方向Xに変位して検出コイル2に近
接する構成であってもよい。
【0100】さらに、金属体1と検出コイル2との間の
相対変位であるので、金属体1と検出コイル2とのどち
らが巻軸方向Xに変位してもよい。
【0101】(実施形態3)本実施形態のポジションセ
ンサの構成は実施形態1または実施形態2と同様であ
り、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略す
る。
【0102】本実施形態では、検出コイル2のインピー
ダンスZの温度変化が、金属体1と検出コイル2との相
対変位によって変わらないようにするための温度補償の
方法について説明する。
【0103】まず、温度補償の第1の方法として、金属
体1が検出コイル2に貫入していない場合のインピーダ
ンスZの温度係数を金属体1が検出コイル2に貫入した
場合の温度係数に合わせる方法について説明する。
【0104】検出コイル2のインピーダンスZは図10
(a)に示すように抵抗成分Rsとインダクタンス成分
Lsとの直列回路と等価であり、図10(b)に示すよ
うにインダクタンス成分Lpとコンダクタンス成分Gと
の並列回路と等価である。
【0105】インダクタンス成分Lsには表皮効果によ
る成分があり、表皮厚さが十分薄く、周波数一定の場合
の表皮効果は体積抵抗率ρの1/2乗に比例するので、
温度係数も体積抵抗率ρの1/2乗の影響を受ける。図
11は、表皮効果による銅線の抵抗値変動を示すグラフ
で、周波数と銅線の抵抗値との関係を示す。線径が0.
32mm,0.16mm,0.10mm,0.07mm
の時に曲線Y7,Y8,Y9,Y10が各々対応してお
り、表皮効果の影響で、コイルの線径と周波数とにより
抵抗の変化の具合が変わる。
【0106】また、抵抗成分Rsの温度係数は、巻線材
の体積抵抗率ρの温度係数に大きく依存し、抵抗成分R
sは近接効果の影響も受けている。
【0107】図12は、近接効果による銅線の抵抗値変
動を示すグラフで、周波数と銅線の抵抗値との関係を示
す。線径及び巻数が0.16mm 40T,0.07m
m60Tの時に曲線Y11,Y12が各々対応してい
る。近接効果は、コイルの巻線の巻きピッチが狭い場合
に、電流が巻線内を一様に流れなくなる現象であり、巻
線ピッチが狭いほど影響が強いが、線径によっても影響
は異なる。近接効果による成分は、体積抵抗率ρの−1
乗の依存性があるので、その温度係数も体積抵抗率ρの
−1乗の影響を受ける。
【0108】すなわち、線径が太いか、あるいは周波数
が高い場合、表皮効果、近接効果により、金属体1が貫
入していない時のインピーダンスZまたはコンダクタン
スGの温度係数が小さくなる。
【0109】したがって、巻線材の体積抵抗率ρ、線
径、巻数、巻きピッチ及び周波数を適切に設定すること
により、金属体1が貫入していない変位状態での直流抵
抗成分、表皮効果成分、近接効果成分のバランスを制御
して、検出コイル2のインピーダンスZまたはコンダク
タンスGの温度係数を小さくすることができるので、変
位量によって温度係数が変わるという従来の問題点を解
消することができる。
【0110】銅は体積抵抗率ρの温度係数が非常に大き
いため、巻線材としては銅よりも体積抵抗率ρの温度係
数が小さいものを選択することが望ましい。具体的に
は、ニクロム、マンガニン、銅−ニッケル合金のうちい
ずれかで検出コイル2の巻線を形成すればよい。特に銅
−ニッケル合金は、その成分比を変えることで体積抵抗
率ρの値を制御できるので好適である。
【0111】次に、金属体1が検出コイル2に貫入して
いる場合のインピーダンスZの温度係数を金属体1が検
出コイル2に貫入していない場合の温度係数に合わせる
温度補償の第2の方法について説明する。
【0112】金属体1が検出コイル2に貫入することに
よる検出コイル2のインピーダンスZやコンダクタンス
Gの増加は、その金属体1の体積抵抗率ρ、透磁率μに
起因する。したがって、その温度係数も金属体1の体積
抵抗率ρ、透磁率μの温度係数に関係するのであるか
ら、金属体1が検出コイル2に貫入している場合の温度
係数を、金属体1が検出コイル2に貫入していない場合
の温度係数に合わせるように適した体積抵抗率ρ、透磁
率μを有する金属体1を選択する、または金属体1の表
面が適した体積抵抗率ρ、透磁率μとなるような表面処
理を施せばよい。
【0113】ここで、一般にポジションセンサを使用す
る雰囲気温度はせいぜい120〜130℃であり、その
雰囲気温度よりも金属体1のキュリー温度は十分に高
い。透磁率μは、キュリー温度付近で急激に小さくなる
特性を有しており、逆にポジションセンサを使用する温
度領域では透磁率μはほとんど変化しない。
【0114】したがって、検出コイル2のインピーダン
スZやコンダクタンスGの増加に起因するもう1つの要
素である体積抵抗率ρの変化が小さな材料で少なくとも
その表面が形成された金属体1を用いることによって、
インピーダンスZやコンダクタンスGの温度係数を小さ
くして、検出コイル2のインピーダンスZやコンダクタ
ンスGの温度による変動を小さくすることができる。
【0115】例えば、実施形態1の検出コイル2のイン
ピーダンス変化によって位置検出を行うポジションセン
サでは、このインピーダンスの内訳の大部分はインダク
タンスであり、検出コイル2に定電流が流れて発生する
磁界は検出コイル2の軸方向となる。すると、この軸方
向の磁界を消そうとする環状の電流(いわゆる渦電流)
が金属体1の内部に流れる。この環状電流は検出コイル
2のインダクタンスを低下させる作用があり、大きさは
印加される磁界の大きさや周波数(定電流、固定周波数
であれば変動しない)以外に、金属体1の体積抵抗率が
関係する。すなわち金属体1の体積抵抗率が大きいほど
環状電流は小さくなり、インダクタンスを低下させる作
用は小さくなる。それゆえ、金属体の体積抵抗率に温度
特性があればインダクタンスにも温度特性ができ、イン
ダクタンスの温度特性はインピーダンスの温度特性に大
きく影響する。
【0116】実際に検出コイル2をインピーダンス要素
として用いる場合には検出コイル2に供給する電流は数
十KHz〜数百KHzで駆動することが多いので、その
周波数では検出コイル2が発生する磁界は金属体1の内
部には届かず、表面付近に集まることになる。
【0117】そこで、体積抵抗率ρの小さな材料である
ニッケル−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金、鉄
−クロム−アルミ合金、銅−ニッケル合金、マンガニン
のうちいずれかで金属体1の少なくとも表面を形成すれ
ばよい。これらの材料は電熱用材料と呼ばれており、抵
抗の温度係数が小さく、また、鉄やニッケルは磁性材料
なので合金としても磁性を有するものがあり、したがっ
て検出コイル2のインピーダンス変化が大きく取れる。
【0118】なお、実施形態2においても同様に金属体
1の表面付近での体積抵抗率で環状電流の大きさが決ま
るため、金属体1の表面付近の体積抵抗率の温度特性が
重要になる。
【0119】しかしながら、表面だけでなく、バルク状
に形成した体積抵抗率の小さい金属体1であれば、より
優れた温度特性を有することができる。この場合、ニッ
ケル−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金、鉄−ク
ロム−アルミ合金、銅−ニッケル合金、マンガニン等の
電熱用材料を用いることになるが、これらは、平板から
打ち抜きで金属体1の形状を得るには材料ロスが多くな
って高価になる。そこで、これらの材料は電熱線として
市場に出回っていることから、ニッケル−クロム合金、
ニッケル−クロム−鉄合金、鉄−クロム−アルミ合金、
銅−ニッケル合金、マンガニン等からなる電熱線を必要
な長さに切断した後、必要な曲げ加工(または伸ばし加
工)を施して用いると経済的であり、無用な産業廃棄物
の発生を防ぐことができる。
【0120】また、上記温度補償の第1の方法と第2の
方法との両者を組み合わせることにより、効果的に温度
補償を行うことができる。
【0121】なお、本発明の記述において、金属体1が
検出コイル2に貫入した場合と貫入していない場合との
各温度係数について、「温度係数を合わせる」、「温度
係数が等しい」という記述があるが、これは、温度係数
の値の完全一致を意味するものではなく、設計的に意図
されたものであり、且つ両者の温度係数の値が実用上十
分近接しているという意味である。
【0122】(実施形態4)本実施形態のポジションセ
ンサの構成は実施形態1または実施形態2と同様であ
り、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略す
る。
【0123】本実施形態では、検出コイル2、及び金属
体1の各構造について説明する。
【0124】図13(a)は、検出コイル2を巻回する
巻枠10の外観図を示し、円弧状に形成された中空のボ
ビン11とボビン11の両端に設けて検出コイル2の移
動を制限する円環12とから構成され、ボビン11には
所定の間隔毎に巻線位置決め用ガイド10aが形成され
ており、検出コイル2は巻線位置決め用ガイド10aに
沿って巻枠10に巻回すればよく、したがって、弧状に
形成した検出コイル2に均等な巻線を容易に形成でき
る。
【0125】さらに、密着整列巻線を形成しない場合、
例えば所望のインダクタンス値とストロークとの関係を
満足させるため、または巻線仕上がり径のばらつき影響
による検出コイル2の特性ばらつきを減少させるため、
または巻線ピッチを適当に選択して近接効果成分を制御
するために密着整列巻線を形成しない場合でも、出力直
線性を最良とするための所望の巻線形状にすることがで
きる。また、巻線位置決め用ガイドは、図13(b)の
ように所定の間隔毎に円環12ガイド10aを形成した
鍔状または突起状であってもよい。
【0126】図14はボビン11、検出コイル2の外観
図を示し、検出コイル2はスプリングコイルで形成され
ており、そのスプリングコイルは引張り型または圧縮型
のいずれでもよい。そして、ボビン11の両端に設けた
係止部11aに検出コイル2の先端を固定して位置決め
する。スプリングコイルはまっすぐな軸を用いて形成し
た後、湾曲軸に移して形成すればよく、検出コイル2の
製造にかかる時間を短縮することができる。
【0127】図15は、金属体1を中空のパイプ状に形
成した例を示し、バルク状に形成するのに比べて低コス
ト化、軽量化が可能になる。特に高周波で用いる場合に
は、検出コイル2のインピーダンスに関与するのはほと
んど金属体1の表面であるので中空であっても特性に大
きな影響を与えない。
【0128】図16は、金属体1を、非金属の心材1b
と心材1bの表面に取り付けた金属板(または金属箔)
1cとで構成した例を示し、バルク状に形成するのに比
べて低コスト化、軽量化が可能になる。特に高周波で用
いる場合には、検出コイル2のインピーダンスに関与す
るのはほとんど金属体1の表面であるので金属板(又は
金属箔)1が薄板、または箔体であってもよい。
【0129】(実施形態5)本実施形態のポジションセ
ンサの構成は実施形態1または実施形態2と同様であ
り、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略す
る。
【0130】本実施形態では、信号処理回路4が出力す
るポジション信号Voutの構成について説明する。
【0131】ポジションセンサの信号を受けて処理する
システムであるECUがデジタル回路である場合、ポジ
ション信号Voutがアナログ信号であると余計なA/
D変換やD/A変換を繰り返すことにより誤差が生じ、
且つ応答遅れを伴うが、ポジション信号Voutがデジ
タル信号であればアナログ信号のような前記問題はな
く、さらに信号伝達の際の外部ノイズの影響を受けにく
い。そこで、信号処理回路4が出力するポジション信号
Voutをデジタル信号で構成した例を示す。信号処理
回路4は、金属体1と検出コイル2との位置情報を含ん
だ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、前
記デジタル信号をデジタルトリミングする補正回路とを
備える信号補正回路(図示なし)を具備している。
【0132】図17は、信号処理回路4が出力するポジ
ション信号Voutの第1の例を示し、ポジション信号
Voutは、基準パルスVrのパルス幅3個分の幅T1
を有する出力開始信号と、出力開始信号が出力してから
位置情報に応じた時間T2を経て出力されるパルス信号
とから構成される。ECU側では出力開始信号のパルス
幅T1と、パルス信号が表れるまでの時間T2とをタイ
マで測定することによって、金属体1と検出コイル2と
の相対位置を判断することができる。
【0133】図18は、信号処理回路4が出力するポジ
ション信号Voutの第2の例を示し、ポジション信号
Voutは、基準パルスVrのパルス幅3個分の幅を有
する出力開始信号と、出力開始信号に続いて出力される
位置情報に応じた数のパルス信号とから構成される。
【0134】ECU側では出力開始信号に続くパルス信
号の数をカウンタで計数することによって、金属体1と
検出コイル2との相対位置を判断することができる。
【0135】図19は、信号処理回路4が出力するポジ
ション信号Voutの第3の例を示し、ポジション信号
Voutは、位置情報に応じたデューティ比のパルス信
号とから構成され、そのデューティ比のオン,オフ時間
は基準パルスVrのパルス数によって各々決められる。
【0136】ECU側では周期とパルス幅とをタイマで
計測することによって、金属体1と検出コイル2との相
対位置を判断することができる。
【0137】なお、必要ビット数のデジタル出力を確保
するとポジションセンサ−ECU間の配線数が増えてし
まうが、図17〜19に示す例によれば信号線は1本で
済む。また、ポジション信号Voutは、位置情報に応
じたパルス幅のパルス信号とから構成されてもよい。さ
らに、信号線の数が問題にならなければ、ポジション信
号Voutを位置検出に必要な分解能を満たすビット数
のデジタル信号で構成してもよい。
【0138】(実施形態6)本実施形態のポジションセ
ンサの検出コイルの断面構造、回路構成を、図20,2
1に各々示す。
【0139】本実施形態のポジションセンサは、自動車
用(例えばアクセルペダルポジションの検出等)に使用
することを考慮して、フェールセーフシステムの思想に
基づいてセンサの検出部を2重にしたものである。
【0140】ポジションセンサは、中空の巻枠10a,
10bに各々巻回されて巻軸方向に対向して配置された
検出コイル2a,2bと、検出コイル2a,2bの巻軸
方向Xに変位して巻枠10a,10bの中空部分に貫入
する金属体1と、所定の周波数及び振幅の定電流Id
a,Idbを検出コイル2a,2bに各々出力する定電
流回路3と、定電流回路3が出力する定電流Ida及び
検出コイル2aのインピーダンスZaにより決まる検出
コイル2aの両端電圧を金属体1と検出コイル2aとの
位置情報を示すポジション信号に変換する信号処理回路
4aと、定電流回路3が出力する定電流Idb及び検出
コイル2bのインピーダンスZbにより決まる検出コイ
ル2bの両端電圧を金属体1と検出コイル2bとの位置
情報を示すポジション信号に変換する信号処理回路4b
とを備える。
【0141】動作については実施形態1で説明した図
1,2に示すポジションセンサと同様なので省略する。
【0142】本実施形態においては、2つの検出コイル
2a,2bは構造部材(図示なし)に取り付けられた同
一の金属体1を共用すること、同一の定電流回路3が所
定の周波数及び振幅の定電流Ida,Idbを2つの検
出コイル2a,2bに各々出力することによって、検出
部の2重化に伴うコストアップを低減することができ
る。
【0143】また、定電流回路3、信号処理回路4a,
4bの能動回路部をモノリシックICで構成すれば、I
C部は最もコストの高い部品であるので、検出部の2重
化に伴うコストアップをさらに低減することができる。
【0144】(実施形態7)本実施形態では、出力の直
線性の改善について説明する。本実施形態のポジション
センサの回路構成は実施形態1と同様であり、同様の構
成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0145】本実施形態のポジションセンサの上面図を
図22に、図22のA−A’断面図を図23に各々示
し、検出コイル2の断面図を図24に示す。ポジション
センサは、断面コの字型で、コの字の内側にコーティン
グ17を施し、一定の曲率で湾曲した湾曲巻枠18に巻
回された検出コイル2と、湾曲した検出コイル2の中心
を回転軸とする円柱体の外側に突部13aを形成した可
動ブロック13と、突部13aに一端を接続し、検出コ
イル2の中空部分に貫入する一定の曲率で湾曲した磁性
材料からなる金属体1と、検出コイル2の曲率変化を矯
正するための曲率矯正用部材15と、固定面上に各部品
を配置して固定するハウジング14とを備える。なお、
本実施形態において、湾曲巻枠18の断面形状は、射出
成形等によって形成が容易なコの字型にしたが、他の形
状であってもよい。
【0146】そして、可動ブロック13が回転し、回転
角θが0°から90°になるにしたがって、検出コイル
2に貫入している金属体1の部分が少なくなる構成とな
っている。
【0147】まず、直線性改善の第1の方法としては、
金属体1の材料に適正なものを選択し、且つ交流電流の
周波数も適正に設定することである。発明者は図22〜
24で例をあげた検出コイル2において、金属体の材質
を変えて交流インピーダンスZacの直線性に関する実
験を行なった。図25は用いた金属材料:電磁軟鉄,パ
ーマロイ,電磁ステンレス,SUS430,鉄クロム
と、それらの推定特性値:抵抗率である。図25の中で
「電磁ステンレス」と記されたものは、Cr11%の
他、Si、Mn、P、Ni、Tiなどを添加した金属で
電磁弁やリレーのヨーク等に使用されるものである。ま
た、各金属はいずれも各々の磁気特性を引き出すため
に、各金属固有の条件で熱処理が施されており、形状は
同一である。
【0148】図26(a)〜(e)に交流電流Iacの
周波数fを10KHz、30KHz、50KHz、70
KHz、90KHzに対する、各金属の交流インピーダ
ンスZacの直線性の実験結果を示す。電磁軟鉄や純鉄
に比べ、磁性ステンレス(電磁ステンレス)は良好な直
線性を有することが分かる。特に、SUS430(18
Cr系フェライト系ステンレス)は、角度スパンに対し
ても周波数に対しても良好な直線性を有する上、耐食性
も備え、且つ安価であるのでポジションセンサの金属体
材料として好適であるといえる。これらの直線性は抵抗
率、透磁率のバランスと周波数特性で決定されるものと
考えられる。鉄クロムも50kHz以上では良好な直線
性を有するので、耐食性についての対策さえ施せば、前
述の抵抗率温度係数の利点と合わせて良好な金属体材料
となり得ることがわかる。
【0149】第2の改善方法としては、図27(a)、
(b)に示すように、金属体1の形状を工夫することで
金属体先端部1aまたは1bの、検出コイル2の交流イ
ンピーダンスZacに対する寄与率を高める方法であ
る。図27(a)においては、先端部1aに略直角の段
差を設けて太くしたもので、図27(b)においては、
先端部1bを楔状に太くしたものであり、両方共、先端
部1aまたは1bが他の部分より太くなっているため、
巻線間の鎖交磁束量を多くすることができ、よりインダ
クタンスの増加に寄与することができる。また、このと
き、エッチングや金属射出成形で金属体1を形成する場
合には、特にコストアップ要因にはならない。
【0150】図27(c)は、金属体1の先端部1cを
金属体本体より透磁率の高い材料で構成することによ
り、金属体先端部1cでの鎖交磁束量を多くすることが
でき、よりインダクタンスの増加に寄与することができ
るものである。図27(a)、(b)が先端部以外の部
分を細くしなければならず、若干の感度低下を伴なうの
に対し、図27(c)の実施例では感度低下が起こらな
い。また、太さが均一であるので力学的に安定(少しく
らい当たっても、変形しにくい)である。
【0151】図27(d)は、高透磁率の材料で金属体
先端部1dに表面処理(めっき等)を施した例である。
図27(c)が製造上、手間がかかり、位置決めも難し
いことを改善することができる。また、めっきだけでな
く、たとえば高透磁率の箔体を貼り付ける等の構成でも
よい。
【0152】図28に示すポジションセンサは、中空の
巻枠10に巻回された検出コイル2と、検出コイル2の
巻軸方向Xに変位して巻枠10の中空部分に貫入する金
属体1とを備え、定電流回路と信号処理回路とは(図示
なし)、実施形態1と同様に設けられている。この例
は、金属体1は従来のままの形状であり、巻線が検出コ
イル2の端部で太く(すなわち、巻層数が多く)巻かれ
ている例である。したがって、金属体1の先端部のみの
貫入に対しても、多くの巻線の磁束が鎖交するため、よ
りインダクタンスが増加するものである。
【0153】さらに、金属体1と検出コイル2のボビン
内壁との引っ掛かりをなくするために、図29(a)〜
(e)の例では、金属体1の先端部に面取り、R付けな
どのエッジ除去構造を取り入れることにより、引っ掛か
りをなくしている。図29(b)〜(e)は図27
(a)〜(e)に示した金属体1の先端に面取り、Rづ
けを施したものである。
【0154】また、金属体1及び検出コイル2の断面図
を示す図24においては、金属体1が貫入する湾曲巻枠
18の内面に銅などの非磁性金属を蒸着したコーティン
グ17を施して、金属体1の引っ掛かりをなくしてい
る。コーティング17に金属等、導電性を有する物質を
用いる場合には、物質が断面内で閉ループを形成しない
ようにする必要がある。なお、金属蒸着等の代りに、貫
通穴側面の一部を板金部品で形成してもよいし、フッ素
コーティングなど摺動性と耐摩耗性を有する物質であれ
ば同じ効果を発揮することができる。このようにするこ
とで、金属体1として箔体や線状体(特にアモルファス
など)を用い、湾曲巻枠18の貫通穴の側面に沿わせて
変位させることもできるので、薄型化や小径化が図れる
とともに直線性の向上にも効果がある。
【0155】さらに、スプリングコイルを用いて検出コ
イル2の巻線を形成し、スプリングコイルを湾曲巻枠1
8に挿入すれば、角度方向に均一なピッチの巻線が容易
に形成できる。
【0156】次に、図22,23においては、検出コイ
ル2の巻線テンションで変形し、曲率が減少した湾曲巻
枠18を元の形に戻すための曲率矯正用部材15を備え
ており、曲率矯正用部材15は検出コイル2と略同様の
曲率に形成された溝を形成しており、その溝に検出コイ
ル2を入れ込むことによって、検出コイル2の内側半径
部分と底面側とが曲率矯正用部材15に当接して、湾曲
巻枠18の曲率の減少を矯正している。図22ではハウ
ジング14が曲率矯正用部材15を備えているが、ハウ
ジング14そのものに同様の溝を形成してもよい。
【0157】このような曲率矯正用部材15を用いる構
造には、別の意味でもメリットがある。このような構造
をとらない検出コイル2では、図30に示すように保持
固定のための保持・固定用部材16を検出コイル2の両
端部の鍔付近外側に設ける必要がある。この保持・固定
用部材16があると、金属体1のストローク(機械的変
位量)が制限されてしまう。しかし、保持固定の構造が
鍔の外側にない図22,23の場合は、金属体1のスト
ロークを長くとることができ、あるいは、ストロークを
長くとる代りに、湾曲巻枠18の巻線部の角度を広くと
ることができ、これらも、直線性の改善に繋がるもので
ある。
【0158】なお、本実施形態のポジションセンサの回
路構成は、実施形態1と同様としているが、実施形態2
と同様であってもよく、前記同様の効果を得ることがで
きる。
【0159】(実施形態8)図31〜34に示す本実施
形態のポジションセンサは、自動車用(例えばアクセル
ペダルポジションの検出等)に使用することを考慮し、
フェールセーフシステムの思想に基づいて、図22,図
23に示すポジションセンサの検出部を2重にしたもの
であり、図31,図32では、同一の曲率で湾曲した2
つの検出コイル2a,2bと、可動ブロック13の回転
軸を中心に回転することで2つの検出コイル2a,2b
に各々貫入する同一の曲率で湾曲した2つの金属体1
a,1bとを備え、2つの検出コイル2a,2bは、金
属体1a,1bの回転軸方向に重ねて配置されている。
特開2000−186903号公報に記載の同一平面上
に2つの検出コイルを配置する構成に比べて、検出コイ
ル2a,2bの巻き線部の見込角度も、可動ブロック1
3の機械的回転角度も増える。したがって、検出コイル
2a,2bの各インピーダンスZの直線性が良好な回転
角度θの範囲が広がる。また、検出コイル2a,2bの
仕様が同一であるので、2つの検出コイル2a,2bの
特性を略同一にすることができ、巻線加工、コスト面で
有利である。
【0160】さらに、図33,図34に示すポジション
センサは、小さい曲率で湾曲した検出コイル2aと、大
きい曲率で湾曲した検出コイル2bと、可動ブロック1
3の回転軸を中心に回転することで2つの検出コイル2
a,2bに各々貫入する小さい曲率で湾曲した金属体1
aと、大きい曲率で湾曲した金属体1bとを備え、検出
コイル2a,2bは、金属体1a,1bの回転軸に対し
て同一回転角度θ上、且つ同一平面上に配置されてい
る。したがって、図31,図32に示すポジションセン
サと同様に、検出コイル2a,2bの巻き線部の見込角
度も、可動ブロック13の機械的回転角度も増えて、検
出コイル2a,2bの各インピーダンスの直線性が良好
な回転角度θの範囲が広がり、さらに薄型化も可能とな
る。
【0161】ここで、本実施形態の検出コイル2a,2
bを湾曲巻枠18a,18bに巻回した後、組み立て前
に、検出コイル2a,2bと湾曲巻枠18a,18bと
を一体的に樹脂19でモールドすれば、組み立て時、振
動・衝撃時の断線防止になり、2つのコイル2a,2b
間の位置関係がずれることがないので、組み立て時の位
置ずれによる2系統間の出力変動が発生しない。さら
に、一体的に成形して2つの検出部で1つの部品になる
ので、可動ブロック13との位置決めが容易になり、組
み立て時間も短時間となる。
【0162】また、湾曲巻枠18a,18bの変形を矯
正した状態で樹脂モールドすることにより、ハウジング
14側に湾曲巻枠18a,18bの変形を矯正する特別
な部材を設ける必要がなくなる。
【0163】さらに、2つの金属体1a,1bも一体的
に樹脂モールドすれば、互いの位置がずれないので、組
み立て時の位置ずれによる2系統間の特性変動が発生し
ない。
【0164】
【発明の効果】請求項1の発明は、所定の周波数及び振
幅の定電流を出力する定電流回路と、前記定電流を供給
される検出コイルと、前記検出コイルに対して前記検出
コイルの巻軸方向に相対変位する金属体と、前記定電流
及び前記検出コイルのインピーダンスにより決まる電圧
信号を前記金属体と前記検出コイルとの位置情報を示す
ポジション信号に変換する信号処理回路とを備えるの
で、永久磁石と感磁性素子とを用いる方式に比べて、精
密な部品、組み立てが不要で、検出コイルのインピーダ
ンスが検出コイルに対する金属体の変位量(金属体が回
転運動する場合には金属体の角度)に対してリニアに変
化するならば、ポジション信号も検出コイルに対する金
属体の変位量に対してリニアに変化し、変位に対する出
力の十分なリニアリティを得ることができるという効果
がある。
【0165】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記相対変位する金属体は、前記検出コイルの巻線
内に貫入自在であるので、検出コイルのインピーダンス
の変化を大きくできるという効果がある。
【0166】請求項3の発明は、コンデンサ及び検出コ
イルからなるLC共振回路と、前記検出コイルに対して
前記検出コイルの巻軸方向に相対変位する金属体と、前
記LC共振回路に帰還電流を供給して前記LC共振回路
を励振する発振回路と、前記発振回路の発振振幅を所定
の値とするために前記発振回路の負性コンダクタンスを
制御することによって前記帰還電流を制御する負性コン
ダクタンス制御回路と、前記帰還電流に比例した電流出
力を前記金属体と前記検出コイルとの位置情報を示すポ
ジション信号に変換する信号処理回路とを備えるので、
永久磁石と感磁性素子とを用いる方式に比べて、精密な
部品、組み立て、及び温度補償が不要で、発信回路のコ
ンダクタンスが検出コイルに対する金属体の変位量(金
属体が回転運動する場合には金属体の角度)に対してリ
ニアに変化するならば、ポジション信号も検出コイルに
対する金属体の変位量に対してリニアに変化し、変位に
対する出力の十分なリニアリティを得ることができ、ま
た請求項1に比べて定電流回路がないので消費電流が少
ないという効果がある。
【0167】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記相対変位する金属体は、前記検出コイルの巻線
内に貫入自在であるので、検出コイルのインピーダンス
の変化を大きくできるという効果がある。
【0168】請求項5の発明は、請求項3または4の発
明において、前記負性コンダクタンス制御回路は、前記
発振回路の発振振幅に比例した直流信号と所定の直流電
圧とを入力とする差動増幅器を具備し、前記差動増幅器
の出力結果が前記直流信号は前記所定の直流電圧よりも
小さい場合には、前記発振回路の負性コンダクタンスを
増大させるように制御し、前記差動増幅器の出力結果が
前記直流信号は前記所定の直流電圧よりも大きい場合に
は、前記発振回路の負性コンダクタンスを減少させるよ
うに制御するので、発信回路のコンダクタンス変化を忠
実に取り出せる簡単な回路を実現できるという効果があ
る。
【0169】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記発振回路は前記負性コンダクタンスを形成して
前記帰還電流の値を決定する抵抗を具備し、前記抵抗は
少なくとも一部をMOSFETのドレイン−ソース間抵
抗で構成され、前記負性コンダクタンス制御回路は前記
MOSFETのゲート電圧を制御し、前記ドレイン−ソ
ース間抵抗を可変とすることによって前記帰還電流を制
御するので、MOSFETは線形領域に相当するドレイ
ン−ソース間電圧の範囲が広いので制御が容易であり、
またゲート電圧に対するドレイン電流の依存性が2乗特
性であって振幅抑制できるという効果がある。
【0170】請求項7の発明は、請求項3または4の発
明において、前記発振回路は、前記LC共振回路の一端
に直列接続されるエミッタを有したNPN型の第1のト
ランジスタと、ベースが前記第1のトランジスタのベー
スに接続されたNPN型の第2のトランジスタと、一端
が接地されるとともに他端が前記第2のトランジスタの
エミッタに接続された前記帰還電流の値を決定する抵抗
と、前記第2のトランジスタのコレクタ電流を帰還電流
として前記LC共振回路に帰還するカレントミラー回路
とを備え、前記負性コンダクタンス制御回路は、所定の
定電圧を発生する定電圧回路と、前記定電圧よりも前記
発振回路の発振振幅の方が大きい場合に前記帰還電流を
少なくする制御回路とを備えるので、請求項3の回路を
簡単な回路構成で実現できるという効果がある。
【0171】請求項8の発明は、請求項3または4の発
明において、前記負性コンダクタンス制御回路は、前記
発振回路の負性コンダクタンスを可変として前記帰還電
流を制御することによって、前記発振回路の発振振幅を
トランジスタのベース−エミッタ間電圧の2倍以下とす
るので、回路をICで構成する場合に、寄生ダイオード
が導通、及び寄生電流の発生を防ぐことができるという
効果がある。
【0172】請求項9の発明は、請求項3または4の発
明において、前記負性コンダクタンス制御回路は、前記
発振回路の負性コンダクタンスを可変として前記帰還電
流を制御することによって、前記発振回路の発振振幅を
0.1〜0.7Vとするので、発振条件が成立限界に近
く、且つ検波、信号処理に適しているという効果があ
る。
【0173】請求項10の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルの巻線のターン
数、巻線の巻ピッチ、及び前記検出コイルに入力される
信号の周波数は、前記検出コイルの巻線が有するインピ
ーダンス成分の温度係数と、前記金属体が前記検出コイ
ルに相対変位することに起因する前記検出コイルのイン
ピーダンス成分の温度係数とが等しくなる各値であるの
で、金属体が貫入していない場合の検出コイルのインピ
ーダンスを制御して、インピーダンスの温度変化が、金
属体と検出コイルとの相対変位によって変わらないよう
にすることができるという効果がある。
【0174】請求項11の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体は、前記検出コイルの
巻線が有するインピーダンス成分の温度係数と、前記金
属体が前記検出コイルに相対変位することに起因する前
記検出コイルのインピーダンス成分の温度係数とが等し
くなる材料で形成されるので、金属体が貫入している場
合の検出コイルのインピーダンスを制御して、インピー
ダンスの温度変化が、金属体と検出コイルとの相対変位
によって変わらないようにすることができるという効果
がある。
【0175】請求項12の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体に施された表面処理
は、前記検出コイルの巻線が有するインピーダンス成分
の温度係数と、前記金属体が前記検出コイルに相対変位
することに起因する前記検出コイルのインピーダンス成
分の温度係数とが等しくなる表面処理であるので、金属
体が貫入している場合の検出コイルのインピーダンスを
制御して、インピーダンスの温度変化が、金属体と検出
コイルとの相対変位によって変わらないようにすること
ができるという効果がある。
【0176】請求項13の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体は、少なくとも表面を
体積抵抗率の温度係数が小さな材料で形成されるので、
金属体が貫入している場合の検出コイルのインピーダン
スの温度変動を小さくすることができるという効果があ
る。
【0177】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、前記金属体は、少なくとも表面をニッケル−ク
ロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金、鉄−クロム−ア
ルミ合金、銅−ニッケル合金、マンガニンのうちいずれ
かで形成されるので、請求項13を容易に実現できると
いう効果がある。
【0178】請求項15の発明は、請求項13の発明に
おいて、前記金属体は、所望の長さに切断した電熱線
を、曲げ加工して形成したので、金属体が貫入している
場合の検出コイルのインピーダンスの温度変動をより小
さくすることができ、且つ材料のロスを少なくすること
ができるるという効果がある。
【0179】請求項16の発明は、請求項15の発明に
おいて、前記電熱線は、ニッケル−クロム合金、ニッケ
ル−クロム−鉄合金、鉄−クロム−アルミ合金、銅−ニ
ッケル合金、マンガニンのうちいずれかで形成されるの
で、請求項15を容易に実現できるという効果がある。
【0180】請求項17の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルの巻線は、ニクロ
ム、マンガニン、銅−ニッケル合金のうちいずれかで形
成されるので、金属体が貫入していない場合の検出コイ
ルのインピーダンスの温度変動を小さくすることができ
るという効果がある。
【0181】請求項18の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルは、巻線と、所定
の間隔毎に巻線位置決め用ガイドが形成された巻枠とで
構成され、前記巻線は前記巻線位置決め用ガイドに沿っ
て前記巻枠に巻回されるので、所望のインダクタンス値
とストロークとの関係を満足させるため、または巻線仕
上がり径のばらつき影響による検出コイルの特性ばらつ
きを減少させるため、または巻線ピッチを適当に選択し
て近接効果成分を制御するために密着整列巻線を形成し
ない場合でも、巻線をストローク範囲に等間隔に巻回す
ることができるという効果がある。
【0182】請求項19の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルの巻線はスプリン
グコイルであるので、検出コイルが弧状になっていても
均等な巻線とすることが容易になるという効果がある。
【0183】請求項20の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体はパイプ状であるの
で、バルク状に形成するのに比べて低コスト化、軽量化
が可能になるという効果がある。特に高周波で用いる場
合には、検出コイルのインピーダンスに関与するのはほ
とんど金属体の表面であるので中空であっても特性に大
きな影響を与えない。
【0184】請求項21の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体は非金属の表面に金属
板が取り付けられてなるので、請求項20と同様の効果
がある。
【0185】請求項22の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、位置検出に必要な分解能を満たすビット数の
デジタル信号であるので、ポジションセンサの出力を入
力されて処理するシステム(ECU)がデジタル回路で
ある場合、ポジションセンサの出力がアナログ信号であ
ると余計なAD変換、DA変換を繰り返すことによって
誤差が生じ、且つ応答遅れを伴うが、ポジションセンサ
の出力はデジタル出力であるのでこのような問題は発生
しない。また、アナログ出力に比べて信号伝達の際に外
部ノイズの影響を受けにくい。さらに、必要な分解能を
満たすビット数のデジタル信号であるので、ECU側は
リアルタイムに読出しを行うことができ、且つ処理を迅
速に行うことができるという効果がある。
【0186】請求項23の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号が出力し
てから前記位置情報に応じた時間を経て出力されるパル
ス信号とから構成されるので、ポジションセンサの出力
を入力されて処理するシステム(ECU)がデジタル回
路である場合、ポジションセンサの出力がアナログ信号
であると余計なAD変換、DA変換を繰り返すことによ
って誤差が生じ、且つ応答遅れを伴うが、ポジションセ
ンサの出力はデジタル出力であるのでこのような問題は
発生しない。また、アナログ出力に比べて信号伝達の際
に外部ノイズの影響を受けにくい。さらに、信号線が1
本でよいという効果がある。
【0187】請求項24の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて
出力される前記位置情報に応じたデューティ比のパルス
信号とから構成されるので、請求項23と同様の効果を
得ることができる。
【0188】請求項25の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて
出力される前記位置情報に応じたパルス幅のパルス信号
とから構成されるので、請求項23と同様の効果を得る
ことができる。
【0189】請求項26の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記信号処理回路は、前記金属体
と前記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号を
デジタルトリミングする補正回路とを備える信号補正回
路を具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジショ
ン信号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて
出力される前記位置情報に応じた数のパルス信号とから
構成されるので、請求項23と同様の効果を得ることが
できる。
【0190】請求項27の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルを2つ具備し、前
記2つの検出コイルは構造部材に取り付けられた同一の
前記金属体を共用するので、検出部の2重化に伴うコス
トアップを低減できるという効果がある。
【0191】請求項28の発明は、請求項1または2の
発明において、前記検出コイルを2つ具備し、同一の前
記定電流回路が所定の周波数及び振幅の定電流を前記2
つの検出コイルに出力するので、検出部の2重化に伴う
コストアップを低減できるという効果がある。
【0192】請求項29の発明は、請求項27または2
8の発明において、前記各回路の能動回路はモノリシッ
クICで構成したので、検出部の2重化に伴うコストア
ップを低減できるという効果がある。特にIC部は最も
コストが高い部品であるので、共用化のメリットが大き
い。
【0193】請求項30の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体の端部から所定の長さ
の部分を、他の部分より磁束が通りやすくしたので、端
部効果が軽減され、出力の直線性が確保できる区間が広
がるという効果がある。
【0194】請求項31の発明は、請求項30の発明に
おいて、前記金属体の端部から所定の長さの部分は、他
の部分より太いので、金属射出成形で金属体を成形する
場合に有利であり、あるいは2部材の組み合わせでも容
易に形成できるという効果がある。
【0195】請求項32の発明は、請求項30の発明に
おいて、前記金属体の端部から所定の長さの部分は、他
の部分より透磁率が高い材料で形成されるので、金属体
の太さを一定にすることができ力学的に安定となり、ま
た、2部材の組み合わせでも容易に形成できるという効
果がある。
【0196】請求項33の発明は、請求項30の発明に
おいて、前記金属体の端部から所定の長さの部分は、他
の部分より透磁率が高い材料で表面処理されたので、金
属体の太さを一定にすることができ力学的に安定とな
り、湾曲した金属体でも容易に形成できるという効果が
ある。
【0197】請求項34の発明は、請求項33の発明に
おいて、前記金属体は端部から所定の長さの部分の表面
にパーマロイめっきを施した電磁ステンレスからなるの
で、金属体の端部と他の部分との透磁率のバランスがよ
く、また耐食性にも優れているという効果がある。
【0198】請求項35の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記金属体の端部は、面取り処理
を行ってエッジを除去したので、ボビンの内部で金属体
が引っ掛かることなく、引っ掛かりによる直線性の悪化
を防止することができるという効果がある。
【0199】請求項36の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルは所定の曲率で湾
曲した形状を有しており、前記検出コイルを固定し、前
記検出コイルの曲率変化を矯正する手段を有するハウジ
ングを備えるので、検出コイルの曲率変化を矯正、防止
することができるという効果がある。
【0200】請求項37の発明は、請求項36の発明に
おいて、前記ハウジングは前記検出コイルの内側半径部
分の少なくとも一部に当接することによって、前記検出
コイルの曲率変化を矯正するので、請求項27と同様の
効果を奏することができる。
【0201】請求項38の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、前記検出コイルを巻回した巻枠を
備え、組み立て前に前記コイルと巻枠とを樹脂モールド
したので、組立て時の断線防止、振動・衝撃に対する断
線防止を図ることができるという効果がある。さらに、
湾曲巻枠の場合、変形を矯正した状態で樹脂モールドす
ることで、ハウジング側に検出コイルの曲率変化を矯正
する手段がなくても、請求項27と同様の効果を奏す
る。
【0202】請求項39の発明は、請求項1乃至4いず
れかの発明において、2つの前記検出コイルを各々巻回
した2つの巻枠を備え、組み立て前に2つの前記コイル
と2つの前記巻枠とを一体に樹脂モールドしたので、請
求項29の効果に加えて、2つの検出コイルの位置関係
がずれることがなく、組立て時の位置ずれによる2系統
の検出部間の出力変動が生じないという効果がある。
【0203】請求項40の発明は、請求項2または4の
発明において、2つの前記検出コイルを備え、前記検出
コイルに貫入する2つの前記金属体を一体に樹脂モール
ドしたので、請求項30と同様の効果を奏する。
【0204】請求項41の発明は、請求項2または4の
発明において、同一の曲率で湾曲した2つの前記検出コ
イルと、回転軸を中心に回転することで前記2つの検出
コイルに各々貫入し、同一の曲率で湾曲した2つの前記
金属体とを備え、2つの前記検出コイルは、前記金属体
の回転軸方向に重ねて配置されるので、検出コイルの巻
線部の見込み角度、可動ブロックの機械的回転角度を大
きくとることができ、したがって検出コイルのインピー
ダンスの直線性が良好な回転角度の範囲が広がるという
効果がある。さらに、2つの検出コイルの仕様を同じに
できるので、2つの検出コイルの特性を同一にでき、巻
線加工、コスト面で有利になる。
【0205】請求項42の発明は、請求項2または4の
発明において、互いに異なる曲率で湾曲した2つの前記
検出コイルと、回転軸を中心に回転することで前記2つ
の検出コイルに各々貫入し、互いに異なる曲率で湾曲し
た2つの前記金属体とを備え、2つの前記検出コイル
は、前記金属体の回転軸に対して同一回転角度上、且つ
同一平面上に配置されるので、検出コイルの巻線部の見
込み角度、可動ブロックの機械的回転角度を大きくとる
ことができ、したがって検出コイルのインピーダンスの
直線性が良好な回転角度の範囲が広がるという効果があ
る。さらに、薄型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の断面構造を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施形態1の回路構成を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施形態2の断面構造を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施形態2の回路ブロックを示す図で
ある。
【図5】近接スイッチの回路ブロックを示す図である。
【図6】本発明の実施形態2の回路構成を示す第1の図
である。
【図7】本発明の実施形態2の回路構成を示す第2の図
である。
【図8】(a),(b)MOSFETとバイポーラトラ
ンジスタとの各特性を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2の回路構成を示す第3の図
である。
【図10】本発明の検出コイルの等価回路を示す図であ
る。
【図11】表皮効果による銅線の抵抗値変動を示す図で
ある。
【図12】近接効果による銅線の抵抗値変動を示す図で
ある。
【図13】(a),(b)巻枠の外形を示す図である。
【図14】ボビンと検出コイルとの外形を示す図であ
る。
【図15】本発明の実施形態4の断面構造を示す第1の
図である。
【図16】本発明の実施形態4の断面構造を示す第2の
図である。
【図17】(a),(b)本発明の実施形態5のポジシ
ョン信号を示す第1の図である。
【図18】(a),(b)本発明の実施形態5のポジシ
ョン信号を示す第2の図である。
【図19】(a),(b)本発明の実施形態5のポジシ
ョン信号を示す第3の図である。
【図20】本発明の実施形態6の断面構造を示す図であ
る。
【図21】本発明の実施形態6の回路構成を示す図であ
る。
【図22】本発明の実施形態7の上面を示す図である。
【図23】同上の側面断面を示す図である。
【図24】同上の検出コイルの断面図を示す図である。
【図25】同上の金属体に用いる磁性体の特性を示す図
である。
【図26】(a)〜(e)同上の角度スパンと検出コイ
ルの交流インピーダンスの直進性との関係を周波数毎に
示す図である。
【図27】同上の金属体の端部を示す図である。
【図28】同上の直線ストローク構成のポジションセン
サの側面断面を示す図である。
【図29】同上のエッジを除去した金属体の端部を示す
図である。
【図30】同上の両端部に保持・固定用部材を設けた検
出コイルを示す図である。
【図31】本発明の実施形態8の検出部を2つ備える第
1のポジションセンサの上面を示す図である。
【図32】同上の第1のポジションセンサの側面断面の
一部を示す図である。
【図33】同上の検出部を2つ備える第2のポジション
センサの上面を示す図である。
【図34】同上の第2のポジションセンサの側面断面の
一部を示す図である。
【図35】従来例の構成を示す第1の図である。
【図36】従来例の構成を示す第2の図である。
【図37】従来例の回路構成を示す図である。
【符号の説明】 1 金属体 2 検出コイル 3 定電流回路 4 信号処理回路 10 巻枠

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周波数及び振幅の定電流を出力す
    る定電流回路と、前記定電流を供給される検出コイル
    と、前記検出コイルに対して前記検出コイルの巻軸方向
    に相対変位する金属体と、前記定電流及び前記検出コイ
    ルのインピーダンスにより決まる電圧信号を前記金属体
    と前記検出コイルとの位置情報を示すポジション信号に
    変換する信号処理回路とを備えることを特徴とするポジ
    ションセンサ。
  2. 【請求項2】 前記相対変位する金属体は、前記検出コ
    イルの巻線内に貫入自在であることを特徴とする請求項
    1記載のポジションセンサ。
  3. 【請求項3】 コンデンサ及び検出コイルからなるLC
    共振回路と、前記検出コイルに対して前記検出コイルの
    巻軸方向に相対変位する金属体と、前記LC共振回路に
    帰還電流を供給して前記LC共振回路を励振する発振回
    路と、前記発振回路の発振振幅を所定の値とするために
    前記発振回路の負性コンダクタンスを制御することによ
    って前記帰還電流を制御する負性コンダクタンス制御回
    路と、前記帰還電流に比例した電流出力を前記金属体と
    前記検出コイルとの位置情報を示すポジション信号に変
    換する信号処理回路とを備えることを特徴とするポジシ
    ョンセンサ。
  4. 【請求項4】 前記相対変位する金属体は、前記検出コ
    イルの巻線内に貫入自在であることを特徴とする請求項
    3記載のポジションセンサ。
  5. 【請求項5】 前記負性コンダクタンス制御回路は、前
    記発振回路の発振振幅に比例した直流信号と所定の直流
    電圧とを入力とする差動増幅器を具備し、前記差動増幅
    器の出力結果が前記直流信号は前記所定の直流電圧より
    も小さい場合には、前記発振回路の負性コンダクタンス
    を増大させるように制御し、前記差動増幅器の出力結果
    が前記直流信号は前記所定の直流電圧よりも大きい場合
    には、前記発振回路の負性コンダクタンスを減少させる
    ように制御することを特徴とする請求項3または4記載
    のポジションセンサ。
  6. 【請求項6】 前記発振回路は前記負性コンダクタンス
    を形成して前記帰還電流の値を決定する抵抗を具備し、
    前記抵抗は少なくとも一部をMOSFETのドレイン−
    ソース間抵抗で構成され、前記負性コンダクタンス制御
    回路は前記MOSFETのゲート電圧を制御し、前記ド
    レイン−ソース間抵抗を可変とすることによって前記帰
    還電流を制御することを特徴とする請求項5記載のポジ
    ションセンサ。
  7. 【請求項7】 前記発振回路は、前記LC共振回路の一
    端に直列接続されるエミッタを有したNPN型の第1の
    トランジスタと、ベースが前記第1のトランジスタのベ
    ースに接続されたNPN型の第2のトランジスタと、一
    端が接地されるとともに他端が前記第2のトランジスタ
    のエミッタに接続された前記帰還電流の値を決定する抵
    抗と、前記第2のトランジスタのコレクタ電流を帰還電
    流として前記LC共振回路に帰還するカレントミラー回
    路とを備え、前記負性コンダクタンス制御回路は、所定
    の定電圧を発生する定電圧回路と、前記定電圧よりも前
    記発振回路の発振振幅の方が大きい場合に前記帰還電流
    を少なくする制御回路とを備えることを特徴とする請求
    項3または4記載のポジションセンサ。
  8. 【請求項8】 前記負性コンダクタンス制御回路は、前
    記発振回路の負性コンダクタンスを可変として前記帰還
    電流を制御することによって、前記発振回路の発振振幅
    をトランジスタのベース−エミッタ間電圧の2倍以下と
    することを特徴とする請求項3または4記載のポジショ
    ンセンサ。
  9. 【請求項9】 前記負性コンダクタンス制御回路は、前
    記発振回路の負性コンダクタンスを可変として前記帰還
    電流を制御することによって、前記発振回路の発振振幅
    を0.1〜0.7Vとすることを特徴とする請求項3ま
    たは4記載のポジションセンサ。
  10. 【請求項10】 前記検出コイルの巻線のターン数、巻
    線の巻ピッチ、及び前記検出コイルに入力される信号の
    周波数は、前記検出コイルの巻線が有するインピーダン
    ス成分の温度係数と、前記金属体が前記検出コイルに対
    して相対変位することに起因する前記検出コイルのイン
    ピーダンス成分の温度係数とが等しくなる各値であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のポジショ
    ンセンサ。
  11. 【請求項11】 前記金属体は、前記検出コイルの巻線
    が有するインピーダンス成分の温度係数と、前記金属体
    が前記検出コイルに相対変位することに起因する前記検
    出コイルのインピーダンス成分の温度係数とが等しくな
    る材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至4い
    ずれか記載のポジションセンサ。
  12. 【請求項12】 前記金属体に施された表面処理は、前
    記検出コイルの巻線が有するインピーダンス成分の温度
    係数と、前記金属体が前記検出コイルに相対変位するこ
    とに起因する前記検出コイルのインピーダンス成分の温
    度係数とが等しくなる表面処理であることを特徴とする
    請求項1乃至4いずれか記載のポジションセンサ。
  13. 【請求項13】 前記金属体は、少なくとも表面を体積
    抵抗率の温度係数が小さな材料で形成されることを特徴
    とする請求項1乃至4いずれか記載のポジションセン
    サ。
  14. 【請求項14】 前記金属体は、少なくとも表面をニッ
    ケル−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金、鉄−ク
    ロム−アルミ合金、銅−ニッケル合金、マンガニンのう
    ちいずれかで形成されることを特徴とする請求項13記
    載のポジションセンサ。
  15. 【請求項15】 前記金属体は、所望の長さに切断した
    電熱線を、曲げ加工して形成したことを特徴とする請求
    項13記載のポジションセンサ。
  16. 【請求項16】 前記電熱線は、ニッケル−クロム合
    金、ニッケル−クロム−鉄合金、鉄−クロム−アルミ合
    金、銅−ニッケル合金、マンガニンのうちいずれかで形
    成されることを特徴とする請求項15記載のポジション
    センサ。
  17. 【請求項17】 前記検出コイルの巻線は、ニクロム、
    マンガニン、銅−ニッケル合金のうちいずれかで形成さ
    れることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のポ
    ジションセンサ。
  18. 【請求項18】 前記検出コイルは、巻線と、所定の間
    隔毎に巻線位置決め用ガイドが形成された巻枠とで構成
    され、前記巻線は前記巻線位置決め用ガイドに沿って前
    記巻枠に巻回されることを特徴とする請求項1乃至4い
    ずれか記載のポジションセンサ。
  19. 【請求項19】 前記検出コイルの巻線はスプリングコ
    イルであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記
    載のポジションセンサ。
  20. 【請求項20】 前記金属体はパイプ状であることを特
    徴とする請求項1乃至4いずれか記載のポジションセン
    サ。
  21. 【請求項21】 前記金属体は非金属の表面に金属板が
    取り付けられてなることを特徴とする請求項1乃至4い
    ずれか記載のポジションセンサ。
  22. 【請求項22】 前記信号処理回路は、前記金属体と前
    記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル信号
    に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号をデジ
    タルトリミングする補正回路とを備える信号補正回路を
    具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジション信
    号は、位置検出に必要な分解能を満たすビット数のデジ
    タル信号であることを特徴とする請求項1乃至4いずれ
    か記載のポジションセンサ。
  23. 【請求項23】 前記信号処理回路は、前記金属体と前
    記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル信号
    に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号をデジ
    タルトリミングする補正回路とを備える信号補正回路を
    具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジション信
    号は、出力開始信号と、前記出力開始信号が出力してか
    ら前記位置情報に応じた時間を経て出力されるパルス信
    号とから構成されることを特徴とする請求項1乃至4い
    ずれか記載のポジションセンサ。
  24. 【請求項24】 前記信号処理回路は、前記金属体と前
    記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル信号
    に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号をデジ
    タルトリミングする補正回路とを備える信号補正回路を
    具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジション信
    号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて出力
    される前記位置情報に応じたデューティ比のパルス信号
    とから構成されることを特徴とする請求項1乃至4いず
    れか記載のポジションセンサ。
  25. 【請求項25】 前記信号処理回路は、前記金属体と前
    記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル信号
    に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号をデジ
    タルトリミングする補正回路とを備える信号補正回路を
    具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジション信
    号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて出力
    される前記位置情報に応じたパルス幅のパルス信号とか
    ら構成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか
    記載のポジションセンサ。
  26. 【請求項26】 前記信号処理回路は、前記金属体と前
    記検出コイルとの位置情報を含んだ信号をデジタル信号
    に変換するA/D変換回路と、前記デジタル信号をデジ
    タルトリミングする補正回路とを備える信号補正回路を
    具備し、前記信号処理回路が出力する前記ポジション信
    号は、出力開始信号と、前記出力開始信号に続いて出力
    される前記位置情報に応じた数のパルス信号とから構成
    されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の
    ポジションセンサ。
  27. 【請求項27】 前記検出コイルを2つ具備し、前記2
    つの検出コイルは構造部材に取り付けられた同一の前記
    金属体を共用することを特徴とする請求項1乃至4いず
    れか記載のポジションセンサ。
  28. 【請求項28】 前記検出コイルを2つ具備し、同一の
    前記定電流回路が所定の周波数及び振幅の定電流を前記
    2つの検出コイルに出力することを特徴とする請求項1
    または2記載のポジションセンサ。
  29. 【請求項29】 前記各回路の能動回路はモノリシック
    ICで構成したことを特徴とする請求項27または28
    記載のポジションセンサ。
  30. 【請求項30】 前記金属体の端部から所定の長さの部
    分を、他の部分より磁束が通りやすくしたことを特徴と
    する請求項1乃至4いずれか記載のポジションセンサ。
  31. 【請求項31】 前記金属体の端部から所定の長さの部
    分は、他の部分より太いことを特徴とする請求項30記
    載のポジションセンサ。
  32. 【請求項32】 前記金属体の端部から所定の長さの部
    分は、他の部分より透磁率が高い材料で形成されること
    を特徴とする請求項30記載のポジションセンサ。
  33. 【請求項33】 前記金属体の端部から所定の長さの部
    分は、他の部分より透磁率が高い材料で表面処理された
    ことを特徴とする請求項30記載のポジションセンサ。
  34. 【請求項34】 前記金属体は端部から所定の長さの部
    分の表面にパーマロイめっきを施した電磁ステンレスか
    らなることを特徴とする請求項33記載のポジションセ
    ンサ。
  35. 【請求項35】 前記金属体の端部は、面取り処理を行
    ってエッジを除去したことを特徴とする請求項1乃至4
    いずれか記載のポジションセンサ。
  36. 【請求項36】 前記検出コイルは所定の曲率で湾曲し
    た形状を有しており、前記検出コイルを固定し、前記検
    出コイルの曲率変化を矯正する手段を有するハウジング
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載
    のポジションセンサ。
  37. 【請求項37】 前記ハウジングは前記検出コイルの内
    側半径部分の少なくとも一部に当接することによって、
    前記検出コイルの曲率変化を矯正することを特徴とする
    請求項36記載のポジションセンサ。
  38. 【請求項38】 前記検出コイルを巻回した巻枠を備
    え、組み立て前に前記コイルと巻枠とを樹脂モールドし
    たことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のポジ
    ションセンサ。
  39. 【請求項39】 2つの前記検出コイルを各々巻回した
    2つの巻枠を備え、組み立て前に2つの前記コイルと2
    つの前記巻枠とを一体に樹脂モールドしたことを特徴と
    する請求項1乃至4いずれか記載のポジションセンサ。
  40. 【請求項40】 2つの前記検出コイルを備え、前記検
    出コイルに貫入する2つの前記金属体を一体に樹脂モー
    ルドしたことを特徴とする請求項2または4記載のポジ
    ションセンサ。
  41. 【請求項41】 同一の曲率で湾曲した2つの前記検出
    コイルと、回転軸を中心に回転することで前記2つの検
    出コイルに各々貫入し、同一の曲率で湾曲した2つの前
    記金属体とを備え、2つの前記検出コイルは、前記金属
    体の回転軸方向に重ねて配置されることを特徴とする請
    求項2または4記載のポジションセンサ。
  42. 【請求項42】 互いに異なる曲率で湾曲した2つの前
    記検出コイルと、回転軸を中心に回転することで前記2
    つの検出コイルに各々貫入し、互いに異なる曲率で湾曲
    した2つの前記金属体とを備え、2つの前記検出コイル
    は、前記金属体の回転軸に対して同一回転角度上、且つ
    同一平面上に配置されることを特徴とする請求項2また
    は4記載のポジションセンサ。
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