JP2003083338A - 半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮動式車軸支持装置 - Google Patents
半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮動式車軸支持装置Info
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- JP2003083338A JP2003083338A JP2001272134A JP2001272134A JP2003083338A JP 2003083338 A JP2003083338 A JP 2003083338A JP 2001272134 A JP2001272134 A JP 2001272134A JP 2001272134 A JP2001272134 A JP 2001272134A JP 2003083338 A JP2003083338 A JP 2003083338A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 重量が嵩む自動車に使用する場合でも、十分
な耐久性を確保できる構造を実現する。 【解決手段】 車体の下面に支持した車軸管1の内側
に、車軸4を挿通する。この車軸管1の開口端部に結合
した軸受ハウジング2の内周面と、上記車軸4の端部外
周面との間に、円すいころ軸受17を設ける。この円す
いころ軸受17を構成する外輪、内輪各軌道18、20
の母線形状を、単一の凹円弧とする。又、これら各軌道
18、20の間に設ける各円すいころ22の転動面の母
線を、それぞれが凸円弧である、中央の第一の円弧部
と、この第一の円弧部の曲率半径よりも少しだけ小さい
曲率半径を有する、両側の第二の円弧部とから構成す
る。この構成により、負荷容量の確保と同時に、モーメ
ント荷重付加時にエッジロードが加わる事を防止して、
上記課題を解決する。
な耐久性を確保できる構造を実現する。 【解決手段】 車体の下面に支持した車軸管1の内側
に、車軸4を挿通する。この車軸管1の開口端部に結合
した軸受ハウジング2の内周面と、上記車軸4の端部外
周面との間に、円すいころ軸受17を設ける。この円す
いころ軸受17を構成する外輪、内輪各軌道18、20
の母線形状を、単一の凹円弧とする。又、これら各軌道
18、20の間に設ける各円すいころ22の転動面の母
線を、それぞれが凸円弧である、中央の第一の円弧部
と、この第一の円弧部の曲率半径よりも少しだけ小さい
曲率半径を有する、両側の第二の円弧部とから構成す
る。この構成により、負荷容量の確保と同時に、モーメ
ント荷重付加時にエッジロードが加わる事を防止して、
上記課題を解決する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る半浮動式車軸
用軸受装置と半浮動式車軸支持装置は、各種自動車の車
軸を回転自在に支持する場合に利用する。
用軸受装置と半浮動式車軸支持装置は、各種自動車の車
軸を回転自在に支持する場合に利用する。
【0002】
【従来の技術】通常のFR車(前置エンジン・後輪駆動
車)で駆動輪が非独立懸架の場合に於ける後車軸、FF
車(前置エンジン・前輪駆動車)で非駆動輪が非独立懸
架の場合に於ける後車軸、或いはフォークリフトやショ
ベルローダ等の特殊車両の場合に於ける前車軸は、車体
の床下面にばねを介して支持された車軸管の内側に、玉
軸受、円すいころ軸受等の転がり軸受により回転自在に
支持している。
車)で駆動輪が非独立懸架の場合に於ける後車軸、FF
車(前置エンジン・前輪駆動車)で非駆動輪が非独立懸
架の場合に於ける後車軸、或いはフォークリフトやショ
ベルローダ等の特殊車両の場合に於ける前車軸は、車体
の床下面にばねを介して支持された車軸管の内側に、玉
軸受、円すいころ軸受等の転がり軸受により回転自在に
支持している。
【0003】例えば、図8は、FR車に於ける後車軸
を、車軸管に対して回転自在に支持する半浮動式車軸支
持装置の従来構造の1例を示している。この図8に示す
構造の場合、リーフスプリング等を介して自動車の床下
面に支持された車軸管1の一端を、図示しない差動装置
(デファレンシャルギヤ)のケーシングに結合すると共
に、この車軸管1の他端(図8の左端)開口部に玉軸受
3を設けている。即ち、上記車軸管1の開口端部に固定
した円筒状の軸受ハウジング2に、上記玉軸受3を構成
する外輪6を内嵌している。この玉軸受3は、内周面に
外輪軌道5を有する上記外輪6と、外周面に内輪軌道7
を有する内輪8と、この内輪軌道7と上記外輪軌道5と
の間に転動自在に設けた複数個の玉9、9とから成る。
を、車軸管に対して回転自在に支持する半浮動式車軸支
持装置の従来構造の1例を示している。この図8に示す
構造の場合、リーフスプリング等を介して自動車の床下
面に支持された車軸管1の一端を、図示しない差動装置
(デファレンシャルギヤ)のケーシングに結合すると共
に、この車軸管1の他端(図8の左端)開口部に玉軸受
3を設けている。即ち、上記車軸管1の開口端部に固定
した円筒状の軸受ハウジング2に、上記玉軸受3を構成
する外輪6を内嵌している。この玉軸受3は、内周面に
外輪軌道5を有する上記外輪6と、外周面に内輪軌道7
を有する内輪8と、この内輪軌道7と上記外輪軌道5と
の間に転動自在に設けた複数個の玉9、9とから成る。
【0004】そして、上記軸受ハウジング2の内周面に
形成した段差面10に上記外輪6の一端面(図8の右端
面)を突き当てると共に、この外輪6の他端面(図8の
左端面)に、バッキングプレート(ドラムブレーキの基
板となる部材)11等を介して抑え蓋12を突き当てて
いる。そして、この抑え蓋12と上記軸受ハウジング2
とを、ボルト13及びナット14により結合し、上記軸
受ハウジング2からの上記外輪6の脱落防止を図ってい
る。一方、上記車軸管1の内側を挿通した車軸4の端部
外周面に上記内輪8を外嵌すると共に、この車軸4の外
周面に形成した段差面15に上記内輪8の一端面(図8
の左端面)を突き当てている。そして、上記車軸4の外
周面に外嵌した固定用リング16の端面を、上記内輪8
の他端面(図16の右端面)に突き当てて、この内輪8
の位置決めを図っている。
形成した段差面10に上記外輪6の一端面(図8の右端
面)を突き当てると共に、この外輪6の他端面(図8の
左端面)に、バッキングプレート(ドラムブレーキの基
板となる部材)11等を介して抑え蓋12を突き当てて
いる。そして、この抑え蓋12と上記軸受ハウジング2
とを、ボルト13及びナット14により結合し、上記軸
受ハウジング2からの上記外輪6の脱落防止を図ってい
る。一方、上記車軸管1の内側を挿通した車軸4の端部
外周面に上記内輪8を外嵌すると共に、この車軸4の外
周面に形成した段差面15に上記内輪8の一端面(図8
の左端面)を突き当てている。そして、上記車軸4の外
周面に外嵌した固定用リング16の端面を、上記内輪8
の他端面(図16の右端面)に突き当てて、この内輪8
の位置決めを図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の図8に示した従
来構造の場合、車軸管1の内側に車軸4を回転自在に支
持する為に、玉軸受3を使用している。但し、この様な
玉軸受3では、各玉9、9の転動面と外輪軌道5及び内
輪軌道7との接触が点接触状態となり、接触点の面圧が
高くなる為、車体の重量が比較的大きい自動車に使用す
る場合に、耐久性を十分に確保する事が難しくなる。こ
の為、車体重量が比較的大きい自動車の車軸4の支持装
置に使用する転がり軸受として、複数の円すいころ等を
組み込んだ円すいころ軸受を使用する事が、従来から一
般的に行なわれている。
来構造の場合、車軸管1の内側に車軸4を回転自在に支
持する為に、玉軸受3を使用している。但し、この様な
玉軸受3では、各玉9、9の転動面と外輪軌道5及び内
輪軌道7との接触が点接触状態となり、接触点の面圧が
高くなる為、車体の重量が比較的大きい自動車に使用す
る場合に、耐久性を十分に確保する事が難しくなる。こ
の為、車体重量が比較的大きい自動車の車軸4の支持装
置に使用する転がり軸受として、複数の円すいころ等を
組み込んだ円すいころ軸受を使用する事が、従来から一
般的に行なわれている。
【0006】一方、自動車の旋回時に作用する遠心力に
基づいて各車輪には、地面との当接部を中心として傾斜
する方向のモーメントが作用する。特に、旋回方向外周
側の車輪に加わるモーメントは、旋回に伴う荷重移動に
よって、相当に大きくなる。そして、端部に上記車輪を
固定した上記車軸4は、このモーメントに基づいてこの
車輪から加わる大きな曲げ荷重により、僅かとは言え弾
性変形する。従って、自動車の旋回時には、上記車軸4
の中心軸と車軸管1の中心軸とが、僅かとは言え不一致
になる(軸ずれが生じる)。上述の図19に示した従来
構造の様に玉軸受3を使用している場合には、この様に
軸ずれが生じた場合でも、玉軸受3を構成する内輪軌道
7及び外輪軌道5と複数個の玉9、9の転動面との間
に、エッヂロードに基づく過大な面圧が加わる事はな
い。但し、車体重量が比較的大きい自動車の半浮動式車
軸支持装置に組み込む転がり軸受として円すいころ軸受
を使用した場合には、この円すいころ軸受を構成する内
輪軌道及び外輪軌道のうち、複数の円すいころの転動面
の軸方向両端縁と接触する部分に、エッヂロードに基づ
く過大面圧が加わる可能性がある。この場合には、早期
にフレーキング等の軸受損傷を生じる可能性がある。
基づいて各車輪には、地面との当接部を中心として傾斜
する方向のモーメントが作用する。特に、旋回方向外周
側の車輪に加わるモーメントは、旋回に伴う荷重移動に
よって、相当に大きくなる。そして、端部に上記車輪を
固定した上記車軸4は、このモーメントに基づいてこの
車輪から加わる大きな曲げ荷重により、僅かとは言え弾
性変形する。従って、自動車の旋回時には、上記車軸4
の中心軸と車軸管1の中心軸とが、僅かとは言え不一致
になる(軸ずれが生じる)。上述の図19に示した従来
構造の様に玉軸受3を使用している場合には、この様に
軸ずれが生じた場合でも、玉軸受3を構成する内輪軌道
7及び外輪軌道5と複数個の玉9、9の転動面との間
に、エッヂロードに基づく過大な面圧が加わる事はな
い。但し、車体重量が比較的大きい自動車の半浮動式車
軸支持装置に組み込む転がり軸受として円すいころ軸受
を使用した場合には、この円すいころ軸受を構成する内
輪軌道及び外輪軌道のうち、複数の円すいころの転動面
の軸方向両端縁と接触する部分に、エッヂロードに基づ
く過大面圧が加わる可能性がある。この場合には、早期
にフレーキング等の軸受損傷を生じる可能性がある。
【0007】これに対して、例えば、複数の円すいころ
の転動面の母線の形状(断面形状)を単一の凸円弧と
し、外輪軌道及び内輪軌道の母線の形状(断面形状)を
単一の凹円弧とすると共に、上記各円すいころの母線の
形状の曲率半径を、上記外輪軌道及び内輪軌道の母線の
形状の曲率半径よりも十分に小さくした場合には、自動
車の旋回時等に軸ずれが生じた場合でも、上記外輪軌道
及び内輪軌道と上記各円すいころの転動面との間にエッ
ヂロードに基づく過大面圧が付与されにくくなる。但
し、この場合には、車軸の中心軸と車軸管の中心軸とが
一致するか、又は一致しなくてもずれ量が極く小さい場
合に、上記外輪軌道及び内輪軌道のうち、上記各円すい
ころの転動面と転がり接触する部分に加わる面圧が大き
くなる為、やはり早期に軸受損傷を生じる可能性があ
る。
の転動面の母線の形状(断面形状)を単一の凸円弧と
し、外輪軌道及び内輪軌道の母線の形状(断面形状)を
単一の凹円弧とすると共に、上記各円すいころの母線の
形状の曲率半径を、上記外輪軌道及び内輪軌道の母線の
形状の曲率半径よりも十分に小さくした場合には、自動
車の旋回時等に軸ずれが生じた場合でも、上記外輪軌道
及び内輪軌道と上記各円すいころの転動面との間にエッ
ヂロードに基づく過大面圧が付与されにくくなる。但
し、この場合には、車軸の中心軸と車軸管の中心軸とが
一致するか、又は一致しなくてもずれ量が極く小さい場
合に、上記外輪軌道及び内輪軌道のうち、上記各円すい
ころの転動面と転がり接触する部分に加わる面圧が大き
くなる為、やはり早期に軸受損傷を生じる可能性があ
る。
【0008】一方、特開2000−74075号公報に
は、内輪と外輪との中心軸同士が大きくずれる場合で
も、内輪軌道及び外輪軌道と複数の円すいころの転動面
との間に、エッヂロードに基づく過大面圧が加わるのを
抑えると共に、上記両中心軸同士が一致するか、又は一
致しなくても中心軸同士のずれ量が極く小さい場合に、
内輪軌道及び外輪軌道と複数の円すいころの転動面との
間に加わる面圧を小さく抑える事を考慮した円すいころ
軸受が記載されている。但し、上記公報に記載された円
すいころ軸受の場合、この円すいころ軸受を使用するの
に適した具体的な構造に就いて、特に提示してはいな
い。本発明の半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮動式車
軸支持装置は、上述の様な事情に鑑みて、車体の重量が
比較的大きい自動車に使用する場合でも、耐久性を十分
に確保できる構造を実現すべく発明したものである。
は、内輪と外輪との中心軸同士が大きくずれる場合で
も、内輪軌道及び外輪軌道と複数の円すいころの転動面
との間に、エッヂロードに基づく過大面圧が加わるのを
抑えると共に、上記両中心軸同士が一致するか、又は一
致しなくても中心軸同士のずれ量が極く小さい場合に、
内輪軌道及び外輪軌道と複数の円すいころの転動面との
間に加わる面圧を小さく抑える事を考慮した円すいころ
軸受が記載されている。但し、上記公報に記載された円
すいころ軸受の場合、この円すいころ軸受を使用するの
に適した具体的な構造に就いて、特に提示してはいな
い。本発明の半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮動式車
軸支持装置は、上述の様な事情に鑑みて、車体の重量が
比較的大きい自動車に使用する場合でも、耐久性を十分
に確保できる構造を実現すべく発明したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半浮動式車軸用
転がり軸受は、前述した従来構造と同様に、車体の下面
に支持された車軸管の内側に車軸を、回転自在に支持す
る為のものである。そして、上記車軸の外周面に固定さ
れた、外周面に円すい凸面状の内輪軌道を有する内輪
と、上記車軸管の開口端部に固定された、内周面に円す
い凹面状の外輪軌道を有する外輪と、上記内輪軌道と外
輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の円すいこ
ろとを備える。そして、上記外輪軌道又は内輪軌道を構
成する母線と、これら各円すいころの転動面を構成する
母線とのうちの少なくとも一方の母線を、第一の円弧部
と、この第一の円弧部の両側に設けた、この第一の円弧
部の曲率半径と異なる曲率半径を有する1対の第二の円
弧部とから構成している。そして、上記外輪軌道又は内
輪軌道と上記各円すいころの転動面との間の隙間がこれ
ら各円すいころの軸方向両端に向かう程大きくなる様に
すると共に、この大きくなる程度を、上記第一の円弧部
を設けた部分よりも上記各第二の円弧部を設けた部分で
著しくしている。
転がり軸受は、前述した従来構造と同様に、車体の下面
に支持された車軸管の内側に車軸を、回転自在に支持す
る為のものである。そして、上記車軸の外周面に固定さ
れた、外周面に円すい凸面状の内輪軌道を有する内輪
と、上記車軸管の開口端部に固定された、内周面に円す
い凹面状の外輪軌道を有する外輪と、上記内輪軌道と外
輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の円すいこ
ろとを備える。そして、上記外輪軌道又は内輪軌道を構
成する母線と、これら各円すいころの転動面を構成する
母線とのうちの少なくとも一方の母線を、第一の円弧部
と、この第一の円弧部の両側に設けた、この第一の円弧
部の曲率半径と異なる曲率半径を有する1対の第二の円
弧部とから構成している。そして、上記外輪軌道又は内
輪軌道と上記各円すいころの転動面との間の隙間がこれ
ら各円すいころの軸方向両端に向かう程大きくなる様に
すると共に、この大きくなる程度を、上記第一の円弧部
を設けた部分よりも上記各第二の円弧部を設けた部分で
著しくしている。
【0010】又、本発明の半浮動式車軸支持装置は、上
記車体の下面に支持された車軸管と、この車軸管に少な
くともその一部を挿通する状態で設けられた車軸と、上
記車軸管の開口端部又はこの開口端部に固定した別の部
材の内周面と上記車軸の外周面との間に設けられた、上
記半浮動式車軸用転がり軸受とを備える。
記車体の下面に支持された車軸管と、この車軸管に少な
くともその一部を挿通する状態で設けられた車軸と、上
記車軸管の開口端部又はこの開口端部に固定した別の部
材の内周面と上記車軸の外周面との間に設けられた、上
記半浮動式車軸用転がり軸受とを備える。
【0011】
【作用】上述の様に構成する本発明の半浮動式車軸用転
がり軸受及び半浮動式車軸支持装置によれば、外輪軌道
と内輪軌道との間に複数の円すいころを設けている為、
転動体に玉を使用する場合に比べて負荷容量を大きくで
きる。更に、自動車の旋回時等に、車軸の端部に結合し
た車輪に大きなモーメントが加わり、この車軸と上記車
軸管との中心軸同士が多少ずれた場合にも、上記外輪軌
道及び内輪軌道のうち、上記各円すいころの転動面の両
端縁と接触する部分に、エッヂロードに基づく過大面圧
が加わるのを抑える事ができる。しかも、上記車軸と車
軸管との中心軸同士がずれないか、又はずれてもずれ量
が極く小さい場合に、上記外輪軌道及び内輪軌道と上記
各円すいころの転動面との当接部に加わる面圧を、十分
に小さく抑える事ができる。この結果、重量が嵩む自動
車に使用する場合でも、半浮動式車軸用転がり軸受及び
半浮動式車軸支持装置の耐久性を十分に確保できる。
がり軸受及び半浮動式車軸支持装置によれば、外輪軌道
と内輪軌道との間に複数の円すいころを設けている為、
転動体に玉を使用する場合に比べて負荷容量を大きくで
きる。更に、自動車の旋回時等に、車軸の端部に結合し
た車輪に大きなモーメントが加わり、この車軸と上記車
軸管との中心軸同士が多少ずれた場合にも、上記外輪軌
道及び内輪軌道のうち、上記各円すいころの転動面の両
端縁と接触する部分に、エッヂロードに基づく過大面圧
が加わるのを抑える事ができる。しかも、上記車軸と車
軸管との中心軸同士がずれないか、又はずれてもずれ量
が極く小さい場合に、上記外輪軌道及び内輪軌道と上記
各円すいころの転動面との当接部に加わる面圧を、十分
に小さく抑える事ができる。この結果、重量が嵩む自動
車に使用する場合でも、半浮動式車軸用転がり軸受及び
半浮動式車軸支持装置の耐久性を十分に確保できる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本発明の半浮動式車軸用転がり
軸受は、前述の図8に示した従来構造と同様に、自動車
の車体の床下面にばねを介して支持した車軸管1の内側
に、半浮動式の車軸4を、回転自在に支持している。即
ち、本発明の半浮動式車軸用転がり軸受を組み込んだ本
発明の半浮動式車軸支持装置の場合も、上記車軸管1の
一端を、図示しない差動装置のケーシングに結合すると
共に、この車軸管1の他端(図1の左端)開口部に、軸
受ハウジング2の端部を結合している。そして、この軸
受ハウジング2の内周面と上記車軸4の外周面との間に
本発明の半浮動式車軸用転がり軸受である、円すいころ
軸受17を設けている。この円すいころ軸受17は、内
周面に円すい凹面状の外輪軌道18を有する外輪19
と、外周面に円すい凸面状の内輪軌道20を有する内輪
21と、この内輪軌道20と上記外輪軌道18との間に
転動自在に設けた複数個の円すいころ22とから成る。
そして、上記軸受ハウジング2の内周面に上記外輪19
を内嵌すると共に、この外輪19の一端面(図1、2の
右端面)を、上記軸受ハウジング2の内周面に形成した
段差面10に突き当てている。更に、上記外輪19の他
端面(図1、2の左端面)に抑え蓋23を突き当てた状
態で、この抑え蓋23と上記軸受ハウジング2とを、複
数ずつのボルト13及びナット14により結合してい
る。
の第1例を示している。本発明の半浮動式車軸用転がり
軸受は、前述の図8に示した従来構造と同様に、自動車
の車体の床下面にばねを介して支持した車軸管1の内側
に、半浮動式の車軸4を、回転自在に支持している。即
ち、本発明の半浮動式車軸用転がり軸受を組み込んだ本
発明の半浮動式車軸支持装置の場合も、上記車軸管1の
一端を、図示しない差動装置のケーシングに結合すると
共に、この車軸管1の他端(図1の左端)開口部に、軸
受ハウジング2の端部を結合している。そして、この軸
受ハウジング2の内周面と上記車軸4の外周面との間に
本発明の半浮動式車軸用転がり軸受である、円すいころ
軸受17を設けている。この円すいころ軸受17は、内
周面に円すい凹面状の外輪軌道18を有する外輪19
と、外周面に円すい凸面状の内輪軌道20を有する内輪
21と、この内輪軌道20と上記外輪軌道18との間に
転動自在に設けた複数個の円すいころ22とから成る。
そして、上記軸受ハウジング2の内周面に上記外輪19
を内嵌すると共に、この外輪19の一端面(図1、2の
右端面)を、上記軸受ハウジング2の内周面に形成した
段差面10に突き当てている。更に、上記外輪19の他
端面(図1、2の左端面)に抑え蓋23を突き当てた状
態で、この抑え蓋23と上記軸受ハウジング2とを、複
数ずつのボルト13及びナット14により結合してい
る。
【0013】又、上記車軸4の端部外周面に上記内輪2
1を外嵌すると共に、この車軸4に外嵌固定した1対の
固定用リング16、16により上記内輪21を、この内
輪21の軸方向両側から挟持している。そして、上記1
対の固定用リング16、16のうち、一方(図1の左
方)の固定用リング16の一端面(図1の左端面)を、
上記車軸4の外周面に形成した段差面15に突き当てて
いる。又、上記軸受ハウジング2及び抑え蓋23の内周
面と上記各固定用リング16、16の外周面との間に、
1対のシールリング24、24を設けて、上記各円すい
ころ22を設置した内部空間を外部から遮断している。
1を外嵌すると共に、この車軸4に外嵌固定した1対の
固定用リング16、16により上記内輪21を、この内
輪21の軸方向両側から挟持している。そして、上記1
対の固定用リング16、16のうち、一方(図1の左
方)の固定用リング16の一端面(図1の左端面)を、
上記車軸4の外周面に形成した段差面15に突き当てて
いる。又、上記軸受ハウジング2及び抑え蓋23の内周
面と上記各固定用リング16、16の外周面との間に、
1対のシールリング24、24を設けて、上記各円すい
ころ22を設置した内部空間を外部から遮断している。
【0014】そして、本発明の場合には、上記円すいこ
ろ軸受17を構成する外輪19の内周面に形成した外輪
軌道18の母線と、同じく内輪21の外周面に形成した
内輪軌道20の母線とを、それぞれ上記各円すいころ2
2側が凹んだ凹円弧としている。即ち、上記外輪軌道1
8及び内輪軌道20をそれぞれ構成する母線の形状(断
面形状)を、それぞれ一定の曲率半径R18、R20(図
2、4)を有する、単一の凹円弧としている。本例の場
合には、これら両曲率半径R18、R20を互いに等しくし
ている(R18=R20)。但し、これら両曲率半径R18、
R20を互いに異ならせる事もできる。これに対して、上
記各円すいころ22の転動面の母線形状(断面形状)
は、上記各軌道18、20側が膨らんだ凸円弧としてい
る。即ち、これら各円すいころ22の転動面を構成する
母線の形状を、第一の曲率半径R1 (図3、4)を有す
る第一の円弧部25と、この第一の円弧部25の両側に
設けた1対の第二の円弧部26、26とから構成して、
上記各円すいころ22の転動面を複合曲面としている。
又、上記第一の円弧部25の曲率半径R1 を、上記外輪
軌道18及び内輪軌道20を構成する母線の形状の曲率
半径R18、R20よりも僅かに小さくする(R1 <R18、
R20)と共に、上記各第二の円弧部26、26の曲率半
径R2 (図3、4)を、上記第一の円弧部25の曲率半
径R1 よりも更に少しだけ小さくしている(R2 <R
1 )。従って、上記各円すいころ22の転動面と上記外
輪軌道18及び内輪軌道20との間の隙間が上記各円す
いころ22の軸方向両端に向かう程大きくなっており、
この大きくなる程度が、上記第一の円弧部25部分より
も上記各第二の円弧部26、26部分で著しくなってい
る。又、本例の場合、上記第一の円弧部25と各第二の
円弧部26、26とを滑らかに(連続部29、29で互
いの接線を共有する状態で)連続させている。
ろ軸受17を構成する外輪19の内周面に形成した外輪
軌道18の母線と、同じく内輪21の外周面に形成した
内輪軌道20の母線とを、それぞれ上記各円すいころ2
2側が凹んだ凹円弧としている。即ち、上記外輪軌道1
8及び内輪軌道20をそれぞれ構成する母線の形状(断
面形状)を、それぞれ一定の曲率半径R18、R20(図
2、4)を有する、単一の凹円弧としている。本例の場
合には、これら両曲率半径R18、R20を互いに等しくし
ている(R18=R20)。但し、これら両曲率半径R18、
R20を互いに異ならせる事もできる。これに対して、上
記各円すいころ22の転動面の母線形状(断面形状)
は、上記各軌道18、20側が膨らんだ凸円弧としてい
る。即ち、これら各円すいころ22の転動面を構成する
母線の形状を、第一の曲率半径R1 (図3、4)を有す
る第一の円弧部25と、この第一の円弧部25の両側に
設けた1対の第二の円弧部26、26とから構成して、
上記各円すいころ22の転動面を複合曲面としている。
又、上記第一の円弧部25の曲率半径R1 を、上記外輪
軌道18及び内輪軌道20を構成する母線の形状の曲率
半径R18、R20よりも僅かに小さくする(R1 <R18、
R20)と共に、上記各第二の円弧部26、26の曲率半
径R2 (図3、4)を、上記第一の円弧部25の曲率半
径R1 よりも更に少しだけ小さくしている(R2 <R
1 )。従って、上記各円すいころ22の転動面と上記外
輪軌道18及び内輪軌道20との間の隙間が上記各円す
いころ22の軸方向両端に向かう程大きくなっており、
この大きくなる程度が、上記第一の円弧部25部分より
も上記各第二の円弧部26、26部分で著しくなってい
る。又、本例の場合、上記第一の円弧部25と各第二の
円弧部26、26とを滑らかに(連続部29、29で互
いの接線を共有する状態で)連続させている。
【0015】そして、上記各円すいころ22を、前記外
輪19の内周面に形成した外輪軌道18と前記内輪21
の外周面に形成した内輪軌道20との間に配置してい
る。この状態で、上記各円すいころ22の軸方向両端面
に、上記内輪21の両端部外周面に全周に亙り形成した
1対のつば部27a、27bの内側面を、それぞれ対向
させている。
輪19の内周面に形成した外輪軌道18と前記内輪21
の外周面に形成した内輪軌道20との間に配置してい
る。この状態で、上記各円すいころ22の軸方向両端面
に、上記内輪21の両端部外周面に全周に亙り形成した
1対のつば部27a、27bの内側面を、それぞれ対向
させている。
【0016】上述の様に構成する本発明の半浮動式車軸
用転がり軸受及び半浮動式車軸支持装置の場合、外輪軌
道18及び内輪軌道20の間に複数の円すいころ22を
設けている為、上記外輪軌道18及び内輪軌道20と上
記各円すいころ22の転動面との接触が、線接触に近い
状態になる。この為、上記外輪軌道18及び内輪軌道2
0のうち、複数の円すいころ22の転動面と接触する部
分に加わる面圧を小さく抑える事ができ、転がり軸受に
玉軸受を使用した、前述の図19に示した従来構造の場
合よりも負荷容量を大きくできる。
用転がり軸受及び半浮動式車軸支持装置の場合、外輪軌
道18及び内輪軌道20の間に複数の円すいころ22を
設けている為、上記外輪軌道18及び内輪軌道20と上
記各円すいころ22の転動面との接触が、線接触に近い
状態になる。この為、上記外輪軌道18及び内輪軌道2
0のうち、複数の円すいころ22の転動面と接触する部
分に加わる面圧を小さく抑える事ができ、転がり軸受に
玉軸受を使用した、前述の図19に示した従来構造の場
合よりも負荷容量を大きくできる。
【0017】更に、本発明によれば、自動車の旋回時等
に、車軸4の端部に結合した車輪に大きなモーメントが
加わり、この車軸4と上記車軸管1との中心軸同士が多
少ずれた場合でも、上記外輪軌道18及び内輪軌道20
のうち、上記各円すいころ22の転動面の両端縁と接触
する部分に、エッヂロードに基づく過大面圧が加わるの
を防止できる。即ち、本発明の場合、これら各円すいこ
ろ22の転動面の母線の中間部の形状を、上記外輪軌道
18及び内輪軌道20を構成する母線の曲率半径R18、
R20よりも僅かに小さい曲率半径R1 を有する第一の円
弧部25としている。又、上記各円すいころ22の転動
面の母線の両端部の形状を、上記第一の円弧部25の曲
率半径R1 よりも少しだけ小さい曲率半径R2 を有する
第二の円弧部26、26としている。そして、上記各円
すいころ22の転動面と上記外輪軌道18及び内輪軌道
20との間の隙間が上記各円すいころ22の軸方向両端
に向かう程大きくなる様にすると共に、この大きくなる
程度を、上記第一の円弧部25部分よりも上記各第二の
円弧部26、26部分で著しくしている。従って、自動
車の旋回時等に外輪19の中心軸と内輪21の中心軸と
が多少ずれた場合でも、上記各軌道18、20のうち、
上記各円すいころ22の転動面の両端縁と接触する部分
に、エッヂロードに基づく過大面圧が加わるのを防止で
きる。しかも、上記車軸4と車軸管1との中心軸同士が
ずれないか、又はずれてもずれ量が極く小さい状態で
の、上記外輪軌道18及び内輪軌道20と上記各円すい
ころ22の転動面との当接部に加わる面圧を、十分に小
さく抑える事ができる。この結果、重量が嵩む自動車に
使用する場合でも、半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮
動式車軸支持装置の耐久性を十分に確保できる。
に、車軸4の端部に結合した車輪に大きなモーメントが
加わり、この車軸4と上記車軸管1との中心軸同士が多
少ずれた場合でも、上記外輪軌道18及び内輪軌道20
のうち、上記各円すいころ22の転動面の両端縁と接触
する部分に、エッヂロードに基づく過大面圧が加わるの
を防止できる。即ち、本発明の場合、これら各円すいこ
ろ22の転動面の母線の中間部の形状を、上記外輪軌道
18及び内輪軌道20を構成する母線の曲率半径R18、
R20よりも僅かに小さい曲率半径R1 を有する第一の円
弧部25としている。又、上記各円すいころ22の転動
面の母線の両端部の形状を、上記第一の円弧部25の曲
率半径R1 よりも少しだけ小さい曲率半径R2 を有する
第二の円弧部26、26としている。そして、上記各円
すいころ22の転動面と上記外輪軌道18及び内輪軌道
20との間の隙間が上記各円すいころ22の軸方向両端
に向かう程大きくなる様にすると共に、この大きくなる
程度を、上記第一の円弧部25部分よりも上記各第二の
円弧部26、26部分で著しくしている。従って、自動
車の旋回時等に外輪19の中心軸と内輪21の中心軸と
が多少ずれた場合でも、上記各軌道18、20のうち、
上記各円すいころ22の転動面の両端縁と接触する部分
に、エッヂロードに基づく過大面圧が加わるのを防止で
きる。しかも、上記車軸4と車軸管1との中心軸同士が
ずれないか、又はずれてもずれ量が極く小さい状態で
の、上記外輪軌道18及び内輪軌道20と上記各円すい
ころ22の転動面との当接部に加わる面圧を、十分に小
さく抑える事ができる。この結果、重量が嵩む自動車に
使用する場合でも、半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮
動式車軸支持装置の耐久性を十分に確保できる。
【0018】尚、図5に示す様に、上記円すいころ22
の転動面の母線を構成する第一の円弧部25と第二の円
弧部26との間部分に、これら両円弧部25、26の曲
率半径R1 、R2 の中間の曲率半径R3 を有する第三の
円弧部28を設ける(R1 <R3 <R2 )と共に、上記
第一、第二の各円弧部25、26と上記第三の円弧部2
8とを滑らかに(連続部29、29で互いの接線を共有
する状態で)連続させる事もできる。この様にした場合
には、上記第一、第二の各円弧部25、26と第三の円
弧部28との連続部29、29部分と、外輪軌道18及
び内輪軌道20との当接部に加わる面圧を、図1〜3に
示した構造で、第一の円弧部25と各第二の円弧部26
との連続部29、29部分と、外輪軌道18及び内輪軌
道20との当接部に加わる面圧よりも、更に小さく抑え
る事ができる。
の転動面の母線を構成する第一の円弧部25と第二の円
弧部26との間部分に、これら両円弧部25、26の曲
率半径R1 、R2 の中間の曲率半径R3 を有する第三の
円弧部28を設ける(R1 <R3 <R2 )と共に、上記
第一、第二の各円弧部25、26と上記第三の円弧部2
8とを滑らかに(連続部29、29で互いの接線を共有
する状態で)連続させる事もできる。この様にした場合
には、上記第一、第二の各円弧部25、26と第三の円
弧部28との連続部29、29部分と、外輪軌道18及
び内輪軌道20との当接部に加わる面圧を、図1〜3に
示した構造で、第一の円弧部25と各第二の円弧部26
との連続部29、29部分と、外輪軌道18及び内輪軌
道20との当接部に加わる面圧よりも、更に小さく抑え
る事ができる。
【0019】次に、図6は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、上述した第1例の場
合と異なり、内輪21の両端部外周面につば部を形成せ
ず、その代わりに、外輪19の両端部内周面に1対の鍔
部30a、30bを、全周に亙り形成している。そし
て、これら各鍔部30a、30bの内側面を、各円すい
ころ22の両端面に対向させている。
例を示している。本例の場合には、上述した第1例の場
合と異なり、内輪21の両端部外周面につば部を形成せ
ず、その代わりに、外輪19の両端部内周面に1対の鍔
部30a、30bを、全周に亙り形成している。そし
て、これら各鍔部30a、30bの内側面を、各円すい
ころ22の両端面に対向させている。
【0020】又、本例の場合には、上記外輪19の内周
面に形成した外輪軌道18aの母線と、上記内輪21の
外周面に形成した内輪軌道20aの母線とを、それぞれ
凸円弧としている。即ち、これら各軌道18a、20a
を構成する母線の形状を、それぞれ一定の曲率半径R
18a 、R20a を有する単一の円弧としている。そして、
これら外輪、内輪各軌道18a、20aに対向する、上
記各円すいころ22の転動面の母線を、凹円弧としてい
る。本例の場合、これら各円すいころ22の転動面の母
線の中間部の形状を、上記各軌道18a、20aを構成
する母線の曲率半径R18a 、R20a よりも僅かに大きい
曲率半径R1 ´(>R18a 、R20a )を有する第一の円
弧部25aとしている。そして、上記各円すいころ22
の転動面を構成する母線のうち、上記第一の円弧部25
aの両側部分を、それぞれがこの第一の円弧部25aの
曲率半径R1 ´よりも少し大きい曲率半径R2 ´(>R
1 ´)を有する、1対の第二の円弧部26a、26aと
している。そして、これら各第二の円弧部26a、26
aと上記第一の円弧部25aとを滑らかに(連続部2
9、29で互いの接線を共有する状態で)連続させてい
る。従って、本例の場合にも、上述した第1例の場合と
同様に、上記外輪軌道18a及び内輪軌道20aと上記
各円すいころ22の転動面との間の隙間がこれら各円す
いころ22の軸方向両端に向かう程大きくなる程度が、
上記第一の円弧部25aを設けた部分よりも上記各第二
の円弧部26a、26aを設けた部分で著しくなってい
る。その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例
の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
面に形成した外輪軌道18aの母線と、上記内輪21の
外周面に形成した内輪軌道20aの母線とを、それぞれ
凸円弧としている。即ち、これら各軌道18a、20a
を構成する母線の形状を、それぞれ一定の曲率半径R
18a 、R20a を有する単一の円弧としている。そして、
これら外輪、内輪各軌道18a、20aに対向する、上
記各円すいころ22の転動面の母線を、凹円弧としてい
る。本例の場合、これら各円すいころ22の転動面の母
線の中間部の形状を、上記各軌道18a、20aを構成
する母線の曲率半径R18a 、R20a よりも僅かに大きい
曲率半径R1 ´(>R18a 、R20a )を有する第一の円
弧部25aとしている。そして、上記各円すいころ22
の転動面を構成する母線のうち、上記第一の円弧部25
aの両側部分を、それぞれがこの第一の円弧部25aの
曲率半径R1 ´よりも少し大きい曲率半径R2 ´(>R
1 ´)を有する、1対の第二の円弧部26a、26aと
している。そして、これら各第二の円弧部26a、26
aと上記第一の円弧部25aとを滑らかに(連続部2
9、29で互いの接線を共有する状態で)連続させてい
る。従って、本例の場合にも、上述した第1例の場合と
同様に、上記外輪軌道18a及び内輪軌道20aと上記
各円すいころ22の転動面との間の隙間がこれら各円す
いころ22の軸方向両端に向かう程大きくなる程度が、
上記第一の円弧部25aを設けた部分よりも上記各第二
の円弧部26a、26aを設けた部分で著しくなってい
る。その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例
の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0021】次に、図7は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、前述の図1〜4に示
した第1例の場合と異なり、内輪21の両端部外周面に
鍔部27a、27b(図1〜2参照)を形成していな
い。その他の構成及び作用に就いては、前述した第1例
の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
例を示している。本例の場合には、前述の図1〜4に示
した第1例の場合と異なり、内輪21の両端部外周面に
鍔部27a、27b(図1〜2参照)を形成していな
い。その他の構成及び作用に就いては、前述した第1例
の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0022】
【発明の効果】本発明の半浮動式車軸用転がり軸受及び
半浮動式車軸支持装置は、以上に述べた通り構成され作
用するので、重量が嵩む自動車に使用する場合でも、耐
久性を十分に確保できる。
半浮動式車軸支持装置は、以上に述べた通り構成され作
用するので、重量が嵩む自動車に使用する場合でも、耐
久性を十分に確保できる。
【図1】本発明の実施の形態の第1例の転がり軸受を、
半浮動式車軸支持装置に組み付けた状態で示す部分断面
図。
半浮動式車軸支持装置に組み付けた状態で示す部分断面
図。
【図2】図1から転がり軸受のみを取り出して示す拡大
断面図。
断面図。
【図3】円すいころのみを取出して示す、図2のA部拡
大図。
大図。
【図4】円すいころと外輪軌道との間の隙間を誇張して
示す、図2のA部拡大図。
示す、図2のA部拡大図。
【図5】円すいころの転動面の母線の形状の別例を示
す、図3と同様の図。
す、図3と同様の図。
【図6】本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面
図。
図。
【図7】同第3例を示す部分断面図。
【図8】従来の半浮動式車軸支持装置の1例を示す断面
図。
図。
1 車軸管
2 軸受ハウジング
3 玉軸受
4 車軸
5 外輪軌道
6 外輪
7 内輪軌道
8 内輪
9 玉
10 段差面
11 バッキングプレート
12 抑え蓋
13 ボルト
14 ナット
15 段差面
16 固定用リング
17 円すいころ軸受
18、18a 外輪軌道
19 外輪
20、20a 内輪軌道
21 内輪
22 円すいころ
23 抑え蓋
24 シールリング
25、25a 第一の円弧部
26、26a 第二の円弧部
27a、27b つば部
28 第三の円弧部
29 連続部
30a、30b つば部
Claims (2)
- 【請求項1】 車体の下面に支持された車軸管の内側に
車軸を、回転自在に支持する為の半浮動式車軸用転がり
軸受であって、上記車軸の外周面に固定された、外周面
に円すい凸面状の内輪軌道を有する内輪と、上記車軸管
の開口端部に固定された、内周面に円すい凹面状の外輪
軌道を有する外輪と、上記内輪軌道と外輪軌道との間に
転動自在に設けられた複数個の円すいころとを備え、上
記外輪軌道又は内輪軌道を構成する母線と、これら各円
すいころの転動面を構成する母線とのうちの少なくとも
一方の母線を、第一の円弧部と、この第一の円弧部の両
側に設けた、この第一の円弧部の曲率半径と異なる曲率
半径を有する1対の第二の円弧部とから構成しており、
上記外輪軌道又は内輪軌道と上記各円すいころの転動面
との間の隙間がこれら各円すいころの軸方向両端に向か
う程大きくなる様にすると共に、この大きくなる程度
を、上記第一の円弧部を設けた部分よりも上記各第二の
円弧部を設けた部分で著しくした半浮動式車軸用転がり
軸受。 - 【請求項2】 車体の下面に支持された車軸管と、この
車軸管に少なくともその一部を挿通する状態で設けられ
た車軸と、上記車軸管の開口端部又はこの開口端部に固
定した別の部材の内周面と上記車軸の外周面との間に設
けられた、請求項1に記載した半浮動式車軸用転がり軸
受とを備えた半浮動式車軸支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001272134A JP2003083338A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮動式車軸支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001272134A JP2003083338A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮動式車軸支持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003083338A true JP2003083338A (ja) | 2003-03-19 |
Family
ID=19097546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001272134A Pending JP2003083338A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 半浮動式車軸用転がり軸受及び半浮動式車軸支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003083338A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2461056A3 (de) * | 2010-12-01 | 2012-10-31 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Rollenkörper für ein Pendelrollenlager sowie Wälzlager mit diesem |
-
2001
- 2001-09-07 JP JP2001272134A patent/JP2003083338A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2461056A3 (de) * | 2010-12-01 | 2012-10-31 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Rollenkörper für ein Pendelrollenlager sowie Wälzlager mit diesem |
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