JP2003082523A - エネルギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内装材 - Google Patents

エネルギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内装材

Info

Publication number
JP2003082523A
JP2003082523A JP2001269726A JP2001269726A JP2003082523A JP 2003082523 A JP2003082523 A JP 2003082523A JP 2001269726 A JP2001269726 A JP 2001269726A JP 2001269726 A JP2001269726 A JP 2001269726A JP 2003082523 A JP2003082523 A JP 2003082523A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energy conversion
sound
fiber
absorbing
conversion fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001269726A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Miura
宏明 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001269726A priority Critical patent/JP2003082523A/ja
Publication of JP2003082523A publication Critical patent/JP2003082523A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車等の内装材に軽量・省スペースにし
て、特定周波数帯域、特に1000Hz以下や、会話音
の周波数付近での高い吸遮音性能を有するエネルギー変
換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両
用内装材を安価にして提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂に無機粉粒体を含んで成
り、無機粉粒体の長さtと長さwとの差が、0.05≦
t−w≦0.99で表されるエネルギー変換繊維であ
る。エネルギー変換繊維を10〜100%の割合で使用
した繊維集合体を吸遮音材とする。吸音・遮音が要求さ
れる部位又はその近傍に上記吸遮音材を貼設して成る吸
遮音構造体である。吸遮音材を車両の内装材として用い
た車両用内装材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー変換繊
維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内
装材に係り、更に詳細には、吸遮音率を向上し、任意の
周波数帯域に吸遮音性能ピークを設定できるエネルギー
変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車
両用内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築材や車両における吸音材に
は、発泡体、繊維体、及び積層構造による吸音構造材な
どが用いられてきた。例えば、図1に示すように、熱可
塑性樹脂3を用いた不織布1を挙げることができる。こ
れら吸音材は、低周波や特定周波数に対する性能が要求
するより不十分であった。その中でも、低周波域に効果
があるものとしては、制振板(特開平11−21789
1号公報)等が挙げられるが、これは自動車用途として
用いるには大きい。また、特開平10−121598号
公報では、多孔質発泡体中に吸音性微小体を封入した吸
音材が開示されているが、吸音性微小体の密度が非常に
小さく、また発泡工程等が必要となり、繊維体として用
いるには適さない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題に鑑みて成されたものであり、その目的とする
ところは、自動車等の内装材に軽量・省スペースにし
て、特定周波数帯域、特に1000Hz以下や、会話音
の周波数付近に高い吸遮音性能を有するエネルギー変換
繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用
内装材を安価に提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、繊維の中に延在方向
の最大長さと断面方向の最大長さとに所定の差がある圧
電体(無機粉粒体)を分散させることにより、上記課題
が解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】即ち、本発明のエネルギー変換繊維は、熱
可塑性樹脂をマトリックス成分とし、その全体又は一部
に無機粉粒体を圧電体として含んで成るエネルギー変換
繊維であって、上記無機粉粒体の延在方向の最大長さt
と、これにほぼ垂直な断面方向の最大長さwとの差が、
以下の式1 0.05≦t−w≦0.99 …(1) で表されることを特徴とする。
【0006】また、本発明のエネルギー変換繊維の好適
形態は、上記長さtと上記長さwの比t:wが、10
0:95〜100:1であることを特徴とする。
【0007】更に、本発明のエネルギー変換繊維の他の
好適形態は、上記長さtが、0.1〜5μmであること
を特徴とする。
【0008】更にまた、本発明のエネルギー変換繊維の
更に他の好適形態は、上記無機粉粒体の総体積が、上記
熱可塑性樹脂の総体積に対し20〜500vol%であ
ることを特徴とする。
【0009】また、本発明のエネルギー変換繊維の他の
好適形態は、炭素繊維及び/又は炭素粉末を更に含むこ
とを特徴とする。
【0010】更に、本発明のエネルギー変換繊維の更に
他の好適形態は、共振周波数fが、以下の式2 f=1/(2π√(LC)) …(2) (式中のCは無機粉粒体の静電容量、Lはその他の成分
の擬似インダクタンスを示す)で表されることを特徴と
する。
【0011】更にまた、本発明のエネルギー変換繊維の
他の好適形態は、圧電共振周波数f が、以下の式3 f=1/(2π√(RC)) …(3) (式中のCは無機粉粒体の静電容量、Rはその他の成分
の擬似電気抵抗を示す)で表されることを特徴とする。
【0012】また、本発明のエネルギー変換繊維の更に
他の好適形態は、100Hz〜1kHzの周波数に対し
てtanδがベースラインから5%以上の値をとること
を特徴とする。
【0013】更に、本発明の吸遮音材は、上記エネルギ
ー変換繊維を10〜100%の割合で使用した繊維集合
体であることを特徴とする。
【0014】更にまた、本発明の吸遮音構造体は、上記
吸遮音材を用いて成る吸遮音構造体であって、吸音・遮
音が要求される部位又はその近傍に上記吸遮音材を貼設
して成ることを特徴とする。
【0015】また、本発明の車両内装材は、上記吸遮音
材を車両の内装材として、エアクリーナシステム系の内
部、エンジンカバーの内側、ダッシュインシュレータ、
フロアカーペット、フロアパネルのトンネル部、リアパ
ーセル部、インスト内部、各種ピラー内部、ルーフパネ
ル部及びダッシュロア部から成る群より選ばれた少なく
とも1種の部位の全部又は一部に設置して成ることを特
徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエネルギー変換繊
維について詳細に説明する。なお、本明細書において、
「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
【0017】かかるエネルギー変換繊維は、熱可塑性樹
脂をマトリックス成分とし、その全体又は一部に、無機
粉粒体を圧電体として含んで成る。このように、エネル
ギー変換材を繊維形状とすることで、製品の形状自由度
を高め、繊維表面の通気抵抗に起因する摩擦による吸遮
音性能の付加、言い換えれば高周波域での性能を保持し
つつ1000Hz以下の低周波域の振動、騒音及び会話
音などを低減する。例えば、図3に示すように、熱可塑
性樹脂3−圧電体4から成るエネルギー変換繊維2bを
挙げることができる。
【0018】また、上記無機粉粒体の延在方向の最大長
さtと、これにほぼ垂直な断面方向の最大長さwとの差
は、以下の式1 0.05≦t−w≦0.99 …(1) で表される。このような形状の無機粉粒体、言い換えれ
ば圧電体を含むことで、1000Hz以下での吸収周波
数帯設定が容易になり、また、大きな吸遮音性能が得ら
れる。一方、上記「t−w」が0.05未満ではtとw
の差がないため吸収周波数帯の設定が行いにくくなり、
0.99を超えると樹脂への混練、紡糸が困難となる。
なお、図14に示すように、上記「延在方向の最大長さ
t」とは、紛粒体1個につき最も長く延びている方向の
最大長さを示す。また、上記「断面方向の最大長さw」
とは、長さtの方向に対してほぼ垂直な断面上の最大長
さを示す。
【0019】マトリックス成分として用いる樹脂は、エ
ネルギー変換繊維の加工性、市場での入手の容易性、使
用後の再利用の容易性等の理由から、熱可塑性樹脂を用
いる。かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン
66などの脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、及びポリエーテルエーテルケトン等を単独
又は混合して用いることができる。但し、熱可塑性樹脂
のいずれを用いても製法的な問題は特に無く、特に限定
されるものではない。また、製法としては、例えば、図
8に示すように、溶融された熱可塑樹脂3と圧電体4の
混錬物が口金20から吐出されロール23に巻き取られ
る、通常の溶融紡糸方法により製造できる。
【0020】また、上記熱可塑性樹脂に圧電体(無機紛
粒体)を含むことで、エネルギー変換繊維中でマトリッ
クス樹脂を抵抗体とした複数の擬似回路が形成される。
即ち、該繊維が外部からの入力を受けた際には、上記圧
電体が変形して外部からの入力が電気エネルギーに変換
され消費されるので、低周波域の音を吸収する吸遮音性
能を有する。また、繊維状であることから高周波域の吸
遮音性能を保持し、全体として幅広い帯域において高性
能の吸遮音性能が得られる。更に、繊維形状であること
から、成形後の形状自由度が大きく、車両用途として用
いる場合には特に好適である。
【0021】更に、上記圧電体の長さtと上記長さwの
比t:wは、100:95〜100:1であることが好
適である。このように、圧電体(無機紛粒体)のアスペ
クト比がこの範囲内にあることで、狙いとする周波数帯
への設定が容易になり、エネルギー変換効率が向上し、
更には紡糸の操業性が改善される等の点から有効であ
る。なお、上記範囲外では樹脂への混練、紡糸が困難と
なることがある。更にまた、圧電体のアスペクト比を1
00:30〜100:5とすることがより好ましく、こ
の場合は紛粒体自体が崩れにくくなる。
【0022】また、上記圧電体の長さtは、0.1〜5
μmであることが好適である。この範囲に設定すること
で、狙いとする周波数帯への設定が容易になり、エネル
ギー変換効率が向上し、紡糸の操業性が改善される等の
点から有効である。なお、長さtが0.1μm未満では
樹脂中での分散性が不十分となることがあり、5μmを
超えると紡糸時に糸切れ等の不具合が発生しやすくなる
ことがある。更に、上記長さtは、0.5〜2μmであ
ることがより好ましく、圧電体自体の崩れにくさや紡糸
の操業性などが改善され得る。
【0023】更にまた、上記圧電体(無機紛粒体)の総
体積は、上記熱可塑性樹脂の総体積に対し20〜500
vol%であることが好適である。この範囲で圧電体を
含むことにより、吸収周波数帯域が概ね50Hz〜5k
Hz付近の音を吸収することが可能となる。なお、20
vol%未満では十分な音の吸収効果が得にくくなるこ
とがあり、500vol%を超えると紡糸がしにくくな
ることばかりか、圧電体の凝集が起こりやすくなり、吸
収周波数帯の設定も困難になることがある。また、上記
圧電体(無機紛粒体)は、50〜200vol%の割合
で含まれることがより好ましく、この場合は、紡糸性を
低下させずに繊維を作成でき、また、車両に用いた際に
より耳障りな吸収周波数帯域、即ち概ね100Hz〜1
kHz付近の音を吸収することが可能となる。
【0024】上記圧電体(無機紛粒体)としては、特
に、チタン酸バリウム(BaTiO)及び/又はチタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いることが好適であ
る。これらの材料は、圧電体として安価且つ高性能であ
り、また市場での入手も容易であるため、安価に高性能
の繊維を得ることできるからである。なお、上記圧電体
以外に、水晶、ロッシェル塩、リン酸カリ(KDP)、
リン酸アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム、チ
タン酸バリウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、チタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、チタン酸ビ
スマス、及びタンタル酸ビスマスストロンチウム等の代
表的な圧電体を用いることができる。また、この他にも
各種の複合酸化物を圧電体として用いることができ、主
としてIVa族の遷移元素、IVb族の元素から選ばれ
る元素とアルカリ土類金属から適宜選択して使用でき
る。また、これら元素は複合酸化物とすることにより、
それ以外の元素の場合と比較し、高い圧電性能が得られ
易い。ここで、IVa族の遷移元素とは、Ti(チタ
ン)、Zr(ジルコニア)及びHf(ハフニウム)であ
り、IVb族の元素とは、C(炭素)、Si(シリコ
ン)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(錫)及びPb
(鉛)である。これらの元素中、IVa族では、Tiと
Zrが特に圧電効果に対する寄与が大きく、IVb族で
は、Sn、Pbが特に圧電効果に対する寄与が大きい。
これら元素の複合酸化物の中では、TiとBa、Tiと
Sr、TiとCa又はTiとMg、及びこれらの組合せ
から成る複合酸化物が、圧電効果がより大きいので特に
有効である。更に、この他の元素の組合せでも、チタン
酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸ジルコ
ン酸リチウム鉛、及びチタン酸ジルコン酸ランタンリチ
ウム鉛(PLLZT)等は圧電体としての効果が大きい
ので有効に使用できる。
【0025】また、炭素繊維及び/又は炭素粉末を更に
含有することが好適である。このように、第3成分とし
て炭素繊維や炭素粉末を混入することで、無機粉粒体の
周りの擬似回路の抵抗値を変化させることが可能とな
る。即ち、抵抗値を変更することにより、所望の周波数
帯域で音を吸収する繊維を得ることができる。例えば、
図7に示すように、熱可塑性樹脂3−圧電体4−炭素繊
維5から成る芯部と圧電体を含まない熱可塑性樹脂3か
ら成る鞘部との芯鞘型の断面を有する芯鞘型のエネルギ
ー変換繊維2eを挙げることができる。更に、紡糸性を
低下させずに繊維を作成する面からは、上記炭素繊維及
び/又は炭素粉末の総体積が、圧電体(無機紛粒体)の
総体積に対して50〜200vol%であることがより
好ましい。
【0026】更に、本発明のエネルギー変換繊維は、繊
維構造をサイドバイサイド型又は芯鞘型にすることがで
きる。具体的には、熱可塑性樹脂、圧電体(無機粉粒
体)及び炭素繊維や炭素粉末を適宜組合せて、図6に示
すようなサイドバイサイド型又は図5に示すような芯鞘
型の構成とすることができる。このような構成とするこ
とで、繊維自体の耐久性を高めることができる。また、
繊維化する際には、繊維を延伸して細径化するが、この
時に熱可塑性樹脂からなる部分を有することで、繊維化
する際の操業性を大幅に向上できる。
【0027】本発明のエネルギー変換繊維は、共振周波
数fが、以下の式2 f=1/(2π√(LC)) …(2) (式中のCは無機粉粒体の静電容量、Lはその他の成分
の擬似インダクタンスを示す)で表されることが好適で
ある。このときは、特定周波数帯域で優れた吸遮音性能
を発揮できるので有効である。なお、通常は、熱可塑性
樹脂に分散された無機粉粒体の静電容量Cと、熱可塑性
樹脂や第3成分(炭素繊維、炭素粉末など)等との間に
形成される擬似インダクタンスは明確に測定しにくく、
上記式2からの共振周波数の正確な設定が困難となるこ
とがある。また、共振周波数fは、上記第3成分の配
合量により調整することが有効である。
【0028】また、インダクタンスの測定が困難なとき
は、比較的測定容易な擬似電気抵抗Rを用いて、圧電共
振周波数fを決定することができる。即ち、振動、音
圧又はこれらの複合として入力される圧電共振周波数f
が、以下の式3 f=1/(2π√(RC)) …(3) (式中のCは無機粉粒体の静電容量、Rはその他の成分
の擬似電気抵抗を示す)で表されることが好適である。
これより、エネルギー変換繊維の共鳴によるエネルギー
吸収特性を向上できる。言い換えれば、上記周波数f
は、周波数fと同様に近似式であるが、島成分を形成
する無機粉粒体の静電容量Cとその他の擬似電気抵抗成
分Rとによって、振動、音圧又はこれらの複合として入
力される周波数帯域で、高い吸遮音性能を発揮すること
が可能となる。なお、上記式2と同様に第3成分の配合
量により周波数帯域を操作可能である。なお、式3にお
ける圧電材の静電容量Cの大きさは、以下の式4 C=(ε×S)/(α×t) …(4) (式中のεは圧電体の誘電率[F/m]、Sは、圧電体
の断面積[m]、tは、圧電体の長さ方向の最大値
[m]、αは定数を示す)で表され、圧電材の形状から
設定される。
【0029】更に、本発明のエネルギー変換繊維は、1
00Hz〜1kHzの周波数に対して、tanδ(誘電
緩和試験の評価結果等で少なくとも1つの入力に対する
応答の遅れを示す指標)がベースラインから5%以上の
値をとることが好適である。これより、該エネルギー変
換繊維に大きな性能向上がみられる。即ち、周波数設定
を行う際に得られた圧電体を混錬した樹脂の動的粘弾
性、又は誘電緩和測定でのtanδが大きいことがより
好ましく、狙いとする周波数帯域でこの値が大きく設定
されると、吸遮音性能が著しく向上し易い。これは、t
anδが大きいものほど減衰効果が大きいことによるも
のであり、長手方向(延在方向)の大きさを大きくす
る、断面積を小さくすることで、よりtanδが大きく
なり易い。なお、上記「ベースライン」とは、大きな性
能向上が見られない場合の値をいう。tanδの値がこ
のベースラインの値より何%大きくなっているかを判断
基準としている。
【0030】次に、本発明の吸遮音材、吸遮音構造体及
び車両用内装材について詳細に説明する。まず、本発明
の吸遮音材は、エネルギー変換繊維を10〜100%の
割合で使用した繊維集合体である。この配合量で吸遮音
材を作成することで、特定周波数帯域での高い吸遮音性
能を有する。このとき、上記エネルギー変換繊維は、少
なくとも繊維表面にバインダー成分を有することが好適
であり、繊維集合体は、このような繊維同士を熱融着し
てなることが好適である。バインダー繊維の配合によ
り、車両の内装材などの様々なインシュレータ材を容易
に加熱成形できる。また、熱成形により所望形状に腑形
可能となるため、任意のスペースに設置することが可能
となる。例えば、図2に示すように、熱可塑性樹脂中に
圧電体を分散させたエネルギー変換繊維2b、及び吸遮
音材の一例である不織布1を挙げることができる。ま
た、図4は、鞘部が熱可塑性樹脂3、熱可塑性樹脂3中
の芯部に圧電体4を分散させた芯鞘型エネルギー変換繊
維2c、及び吸遮音材の一例である不織布1を挙げるこ
とができる。
【0031】なお、上記バインダー成分としては、例え
ば、繊維の主成分としてPETを用いる場合には、PE
T/ポリエチレンイソフタレート共重合体、及びポリブ
チレンテレフタレート/ポリεカプロラクトン共重合体
などを使用できる。また、繊維集合体を構成するエネル
ギー変換繊維は、上記バインダー繊維を含んでいれば特
に限定はされず、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(PET)を主成分とする繊維にバインダ繊維を配合し
た繊維集合体などを使用できる。このように、市場で一
般に入手可能な繊維を混合し熱成形できるので、経済性
の面からも良好である。
【0032】また、本発明の吸遮音構造体は、吸音・遮
音が要求される部位又はその近傍に上記吸遮音材を貼設
して成る。この場合、従来から使用してきた遮音構造体
を効率的なものに代替することが可能となる。言い換え
れば、従来の板状遮音材は、板厚、重さ及び材質などに
起因した遮音周波数を有するが、本給遮音構造体は、更
に別の周波数帯域における吸遮音性能を付与することが
可能となる。
【0033】また、本発明の車両用内装材は、吸遮音材
を車両の内装材として用いたことを特徴とする。車両は
スペース、重量及びコスト的制限が特に厳しく、特に低
周波側の騒音を低減することが困難であるが、上記吸遮
音材を用いることで、車両内部のそれぞれの位置で特定
周波数帯域の音源を対象に吸遮音性能を効率的に発揮さ
せることが可能となる。
【0034】上記吸遮音材は、エアクリーナシステム系
の内部、エンジンカバーの内側、ダッシュインシュレー
タ、フロアカーペット、フロアパネルのトンネル部、リ
アパーセル部、インスト内部、各種ピラー内部、ルーフ
パネル部又はダッシュロア部、及びこれらから任意に選
択した部位の全部又は一部に設置することができる。
【0035】具体的には、エアクリーナーに用いるとき
は、以下の点で特に有効である。即ち、エンジンの吸気
ダクトにおいて吸気により発生する騒音は、車輌騒音の
音源の一つであるが、この騒音を効率良く吸音・遮音で
きる。なお、従来はこの騒音の特に低周波領域の騒音を
低減するために、目的周波数に容量を合わせたレゾネー
ターや共鳴ダクトを用いており、かかる吸音材では50
0Hz以下の低周波の吸音を行なうのは困難である。例
えば、図9に示すような車両用内装材を挙げることがで
きる。
【0036】また、エアクリーナー内部のエアフィルタ
ーエレメントで仕切られた内燃機側のスペース内、空気
吸入側スペース、又はその両側に用いるときは、以下の
点で有効である。即ち、低周波領域の騒音を効率良く低
減でき、この目的のためにエアクリーナーに取付てある
レゾネーターや共鳴ダクトの一部、又は全てを取り除く
ことが可能となる。これより、エンジン内スペースの確
保と、附属部品撤去のコスト効果が達成され非常に有効
である。
【0037】更に、車両用のダッシュインシュレータに
用いると以下の点で有効である。即ち、エンジンからの
低周波の特定周波数を吸音・遮音させ車室内への浸入を
防ぐことが可能である。このとき吸遮音材は、ダッシュ
インシュレータのインシュレータ部分全面、又は一部分
に設定することができる。特定周波数の音がダッシュ部
に特定部位から発生する場合は、該吸遮音材を発生部位
のみに設定することが経済的であり、効率的な吸音・遮
音効果が得られる。例えば、図10に示すような車両用
内装材を挙げることができる。
【0038】更にまた、車両用のフロアカーペットに用
いると、以下の点で有効である。即ち、エンジンからの
低周波の特定周波数を吸音・遮音させ車室内への浸入を
防ぐことが可能である。このとき吸遮音材はフロアカー
ペットの全面、又は一部分に設定することができる。特
定周波数の音がフロアパネル部に特定部位から発生する
場合は、該吸遮音材を発生部位のみに設定することが経
済的であり、効率的な吸音・遮音効果が得られる。例え
ば、図11に示すような車両用内装材を挙げることがで
きる。また、フロアパネルのトンネル横にのみ設定する
のも有効である。この部位でトンネル内部のディバイス
からの音が特異的に発生するからである。
【0039】また、例えば、図12に示すように、車両
のフロアパネルのトンネル部13、リアパーセル部1
4、インスト内部15、各種ピラー内部16、ルーフパ
ネル部17又はダッシュロア部11、及びこれらから任
意に選択した部位の全部又は一部に用いることができ
る。このときは、車両内部のそれぞれの位置で特定周波
数の吸遮音を行うことにより、効率的な吸遮音性能を車
室内で無駄なく発揮させることが可能となる。
【0040】
【実験例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0041】(実験例1)無機粉粒体として最大長さ3
μm、長手方向の最大長さ−断面積方向の最大長さの比
が100:10であるBaTiOを用い、熱可塑性樹
脂としてナイロン6を用い、無機粉粒体の体積比が熱可
塑性樹脂に対して100vol%となるように、溶融紡
糸温度260℃、樹脂吐出量2.4cm/min及び
巻取り速度1000m/minで、溶融紡糸を行ない、
110℃オイルバス中で1kV/mmの電界をかけ、エ
ネルギー変換繊維を得た。得られたエネルギー変換繊維
80%と繊維径15μmの芯鞘型バインダー繊維(鞘部
軟化点110℃)20%を混入し、カード式不織布製造
装置にて面密度1.5kg/mのウェブを作製、厚さ
35mmにプレスし不織布とした。得られた不織布を吸
遮音材としてφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0042】(実験例2)無機粉粒体の長手方向の最大
長さ−断面積方向の最大長さの比を100:90とした
以外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、エネルギ
ー変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸遮音材と
してφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0043】(実験例3)無機粉粒体の長手方向の最大
長さ−断面積方向の最大長さの比を100:5とした以
外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、エネルギー
変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸遮音材とし
てφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0044】(実験例4)無機粉粒体の長手方向の最大
長さを0.1μmとした以外は、実験例1と同様の操作
を繰り返して、エネルギー変換繊維を得た後、不織布と
した。これを吸遮音材としてφ100mmに切り出し、
評価に用いた。
【0045】(実験例5)無機粉粒体の長手方向の最大
長さ最大長さを5μmとした以外は、実験例1と同様の
操作を繰り返して、エネルギー変換繊維を得た後、不織
布とした。これを吸遮音材としてφ100mmに切り出
し、評価に用いた。
【0046】(実験例6)無機粉粒体の体積比を熱可塑
性樹脂に対して20vol%とした以外は、実験例1と
同様の操作を繰り返して、エネルギー変換繊維を得た
後、不織布とした。これを吸遮音材としてφ100mm
に切り出し、評価に用いた。
【0047】(実験例7)無機粉粒体の体積比を熱可塑
性樹脂に対して500vol%とした以外は、実験例1
と同様の操作を繰り返して、エネルギー変換繊維を得た
後、不織布とした。これを吸遮音材としてφ100mm
に切り出し、評価に用いた。
【0048】(実験例8)無機粉粒体としてPZTを用
いた以外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、エネ
ルギー変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸遮音
材としてφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0049】(実施例9)熱可塑性樹脂と無機粉粒体に
更に炭素粉末を熱可塑性樹脂に対して100vol%混
錬した以外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、エ
ネルギー変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸遮
音材としてφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0050】(実施例10)熱可塑性樹脂と無機粉粒体
に更に炭素繊維を熱可塑性樹脂に対して100vol%
混錬した以外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、
エネルギー変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸
遮音材としてφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0051】(実施例11)熱可塑性樹脂と無機粉粒体
に更に炭素粉末を熱可塑性樹脂に対して50vol%混
錬した以外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、エ
ネルギー変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸遮
音材としてφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0052】(実施例12)熱可塑性樹脂と無機粉粒体
に更に炭素粉末を熱可塑性樹脂に対して200vol%
混錬した以外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、
エネルギー変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸
遮音材としてφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0053】(実験例13)熱可塑性樹脂を鞘部として
用いた芯鞘型の繊維構造とした以外は、実験例1と同様
の操作を繰り返して、エネルギー変換繊維を得た後、不
織布とした。これを吸遮音材としてφ100mmに切り
出し、評価に用いた。
【0054】(実験例14)熱可塑性樹脂をサイドバイ
サイド型の繊維構造とした以外は、実験例1と同様の操
作を繰り返して、エネルギー変換繊維を得た後、不織布
とした。これを吸遮音材としてφ100mmに切り出
し、評価に用いた。
【0055】(実験例15)無機粉粒体としてBaTi
を熱可塑性樹脂に対し50vol%、PZTを50
vol%用いた以外は、実験例1と同様の操作を繰り返
して、エネルギー変換繊維を得た後、不織布とした。こ
れを吸遮音材としてφ100mmに切り出し、評価に用
いた。
【0056】(比較例1)ナイロン6繊維(繊維径55
μm)80%と繊維径15μmの芯鞘型バインダー繊維
(鞘部軟化点110℃)20%を混入し、不織布を作製
した。得られた不織布を吸遮音材としてφ100mmに
切り出し評価に用いた。
【0057】(比較例2)無機粉粒体としてZrO
用いた以外は、実験例1と同様の操作を繰り返して、エ
ネルギー変換繊維を得た後、不織布とした。これを吸遮
音材としてφ100mmに切り出し、評価に用いた。
【0058】<評価方法> [垂直入射吸音率測定]垂直入射吸音率測定には、JI
S A1405の管内法による建築材料の垂直入射吸音
率測定法に基づいて、図13に示すように、マイク5
7、サンプル58及びスピーカー59を備えた装置56
により測定を行なった。サンプルサイズは、厚さ10m
m、φ100mmに各例の吸遮音材を切り出し用いた。
測定領域は100〜1600Hzとした。
【0059】[誘電緩和試験]エネルギー変換繊維に用
いる混練樹脂について、JIS K6911に準拠する
誘電緩和試験を行なった。サンプルサイズは50×50
×1mmとした。
【0060】表1に測定結果について、代表周波数の値
を示す。判断欄に○、×で吸音性能比較の結果を示す。
狙いとする500Hz以下の特定周波数域に吸音ピーク
を有し吸音率が0.5以上のものを○、比較例と同等レ
ベルであったものを×とした。また、図15及び図16
に代表実施例及び比較例の測定結果より比較したグラフ
を示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1より、実験例で作成された各種吸遮音
材は、比較例に比べ特定周波数帯域、特に500Hz以
下の低周波数帯域で優れた吸音特性を有し優れた吸遮音
材であることが確認された。一方、比較例1は粉粒体自
体を含まないため、比較例2は圧電体ではない粉粒体を
混錬したため、ピークを持たない又はピークで0.5以
上の吸音率が得られないことがわかる。また、誘電緩和
試験では、分極を行なった実験例では特定周波数でのピ
ークが見られたが、比較例では見られなかった。
【0063】以上、本発明を好適実施例により詳細に説
明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能であ
る。例えば、エネルギー変換繊維に含有させる無機粉粒
体は1種に限定されず、複数の無機粉粒体を含有させる
ことができる。また、繊維構造をサイドバイサイド型と
するときは、2種類の熱可塑性繊維により形成すること
ができ、また、双方に無機粉粒体を含有させることもで
きる。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、繊維の中に延在方向の最大長さと断面方向の最大長
さとに所定の差がある圧電体(無機粉粒体)を分散させ
ることとしたため、自動車等の内装材に軽量・省スペー
スにして、特定周波数帯域、特に1000Hz以下や、
会話音の周波数付近での高い吸遮音性能を有するエネル
ギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及
び車両用内装材を安価にして提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の不織布及びそれを構成する繊維を示す断
面図である。
【図2】不織布及びそれを構成するエネルギー変換繊維
を示す概略図である。
【図3】エネルギー変換繊維の一例を示す概略図であ
る。
【図4】不織布及びそれを構成する芯鞘型エネルギー変
換繊維を示す概略図である。
【図5】芯鞘型エネルギー変換繊維の一例を示す概略図
である。
【図6】サイドバイサイド型エネルギー変換繊維の一例
を示す概略図である。
【図7】炭素繊維入りエネルギー変換繊維の一例を示す
概略図である。
【図8】従来の溶融紡糸方法の一例を示す模式図であ
る。
【図9】ダクトに設置した吸遮音材の一例を示す模式図
である。
【図10】ダッシュインシュレータの一例を示す模式図
である。
【図11】フロアカーペットの一例を示す模式図であ
る。
【図12】吸遮音材を用いた車両用内装材の一例を示す
模式図である。
【図13】吸音率測定装置を示す模式図である。
【図14】圧電体の形状を示す概略図である。
【図15】吸音率の測定結果を示すグラフである。
【図16】誘電緩和測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 不織布 2a 従来繊維 2b エネルギー変換繊維 2c 芯鞘型エネルギー変換繊維 2d サイドバイサイド型エネルギー変換繊維 2e エネルギー変換繊維 3 熱可塑性樹脂 4 無機粉粒体(圧電体) 5 炭素繊維 11 ダッシュインシュレータ 12 フロアカーペット 13 フロアパネルのトンネル部 14 リアパーセル部 15 インストルメントパネル内部 16 ピラー内部 17 ルーフパネル部 20 口金 21 オイルバス 22 電極 23 ロール 36、37、42、45 吸遮音材 40 ダッシュインシュレータのゴム表皮 41 ダッシュインシュレータのインシュレータ 43 フロアカーペットの表皮 44 フロアカーペットのインシュレータ 56 垂直入射吸音率測定管 57 マイク 58 サンプル(吸音材) 59 音源(スピーカー)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/82 E04B 1/82 H 5D061 G10K 11/16 G10K 11/16 A 11/162 C Fターム(参考) 2E001 DF02 DF04 DF06 FA10 FA41 GA28 HD11 HF14 HF15 JD04 KA01 LA04 MA01 3D023 BA02 BA03 BB16 BB21 BB22 BD00 BE04 BE31 4L035 BB31 EE20 FF05 JJ01 4L041 BA02 BA05 BA09 BA21 BC20 BD11 CA06 CA25 CB02 CB04 CB25 CB27 DD01 DD21 4L047 AA03 AA23 AA29 BA08 BA23 CB03 CC09 5D061 AA07 AA11 AA22

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂をマトリックス成分とし、
    その全体又は一部に無機粉粒体を圧電体として含んで成
    るエネルギー変換繊維であって、 上記無機粉粒体の延在方向の最大長さtと、これにほぼ
    垂直な断面方向の最大長さwとの差が、以下の式1 0.05≦t−w≦0.99 …(1) で表されることを特徴とするエネルギー変換繊維。
  2. 【請求項2】 上記長さtと上記長さwの比t:wが、
    100:95〜100:1であることを特徴とする請求
    項1項記載のエネルギー変換繊維。
  3. 【請求項3】 上記長さtと上記長さwの比t:wが、
    100:30〜100:5であることを特徴とする請求
    項2に記載のエネルギー変換繊維。
  4. 【請求項4】 上記長さtが、0.1〜5μmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載
    のエネルギー変換繊維。
  5. 【請求項5】 上記長さtが、0.5〜2μmであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のエネルギー変換繊維。
  6. 【請求項6】 上記無機粉粒体の総体積が、上記熱可塑
    性樹脂の総体積に対し20〜500vol%であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の
    エネルギー変換繊維。
  7. 【請求項7】 上記無機粉粒体の総体積が、上記熱可塑
    性樹脂の総体積に対し50〜200vol%であること
    を特徴とする請求項6に項記載のエネルギー変換繊維。
  8. 【請求項8】 上記無機粉粒体が、チタン酸バリウム及
    び/又はチタン酸ジルコン酸鉛であることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1つの項に記載のエネルギー変
    換繊維。
  9. 【請求項9】 炭素繊維及び/又は炭素粉末を更に含む
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記
    載のエネルギー変換繊維。
  10. 【請求項10】 上記炭素繊維及び/又は炭素粉末の総
    体積が、上記無機粉粒体の総体積に対し50〜200v
    ol%であることを特徴とする請求項9に記載のエネル
    ギー変換繊維。
  11. 【請求項11】 繊維構造がサイドバイサイド型又は芯
    鞘型であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    1つの項に記載のエネルギー変換繊維。
  12. 【請求項12】 共振周波数fが、以下の式2 f=1/(2π√(LC)) …(2) (式中のCは無機粉粒体の静電容量、Lはその他の成分
    の擬似インダクタンスを示す)で表されることを特徴と
    する請求項1〜11のいずれか1つの項に記載のエネル
    ギー変換繊維。
  13. 【請求項13】 圧電共振周波数fが、以下の式3 f=1/(2π√(RC)) …(3) (式中のCは無機粉粒体の静電容量、Rはその他の成分
    の擬似電気抵抗を示す)で表されることを特徴とする請
    求項1〜11のいずれか1つの項に記載のエネルギー変
    換繊維。
  14. 【請求項14】 100Hz〜1kHzの周波数に対し
    てtanδがベースラインから5%以上の値をとること
    を特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載
    のエネルギー変換繊維。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1つの項に
    記載のエネルギー変換繊維を10〜100%の割合で使
    用した繊維集合体であることを特徴とする吸遮音材。
  16. 【請求項16】 上記エネルギー変換繊維が少なくとも
    繊維表面にバインダー成分を有し、各繊維同士を熱融着
    した繊維集合体であることを特徴とする請求項15に記
    載の吸遮音材。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16に記載の吸遮音材
    を用いて成る吸遮音構造体であって、 吸音・遮音が要求される部位又はその近傍に上記吸遮音
    材を貼設して成ることを特徴とする吸遮音構造体。
  18. 【請求項18】 請求項15又は16に記載の吸遮音材
    を車両の内装材として用いたことを特徴とする車両用内
    装材。
  19. 【請求項19】 上記吸遮音材を、エアクリーナシステ
    ム系の内部、エンジンカバーの内側、ダッシュインシュ
    レータ、フロアカーペット、フロアパネルのトンネル
    部、リアパーセル部、インスト内部、各種ピラー内部、
    ルーフパネル部及びダッシュロア部から成る群より選ば
    れた少なくとも1種の部位の全部又は一部に設置して成
    ることを特徴とする請求項18に記載の車両用内装材。
JP2001269726A 2001-09-06 2001-09-06 エネルギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内装材 Pending JP2003082523A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001269726A JP2003082523A (ja) 2001-09-06 2001-09-06 エネルギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内装材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001269726A JP2003082523A (ja) 2001-09-06 2001-09-06 エネルギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内装材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003082523A true JP2003082523A (ja) 2003-03-19

Family

ID=19095496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001269726A Pending JP2003082523A (ja) 2001-09-06 2001-09-06 エネルギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内装材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003082523A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101282848B1 (ko) 2010-11-25 2013-07-05 서강대학교산학협력단 모직형 에너지 포집소자 및 그 제조방법
CN108495961A (zh) * 2016-11-01 2018-09-04 株式会社村田制作所 抗菌性非织造部件、抗菌性无纺布、和抗菌性缓冲材料
WO2021059782A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 Jnc株式会社 樹脂組成物、および高分子複合圧電体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101282848B1 (ko) 2010-11-25 2013-07-05 서강대학교산학협력단 모직형 에너지 포집소자 및 그 제조방법
CN108495961A (zh) * 2016-11-01 2018-09-04 株式会社村田制作所 抗菌性非织造部件、抗菌性无纺布、和抗菌性缓冲材料
WO2021059782A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 Jnc株式会社 樹脂組成物、および高分子複合圧電体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3656732B2 (ja) エネルギー変換繊維体および吸音材
EP0833973B1 (en) Method of attenuating sound, and acoustical insulation therefor
JP5319091B2 (ja) 通気抵抗膜とその製造方法、および通気抵抗膜を用いた吸音性積層部材
EP2902266A1 (en) Sound-absorbing material having excellent sound absorption properties and method for manufacturing same
WO2016103646A1 (ja) 吸音材
JPH11152670A (ja) カーペット材及びその製造方法
JP2003082523A (ja) エネルギー変換繊維、これを用いた吸遮音材、吸遮音構造体及び車両用内装材
EP3531415B1 (en) Soundproof structure and method for manufacturing soundproof structure
JP3342817B2 (ja) 遮音構造体
JP3247629B2 (ja) 自動車用内装材
KR20090106211A (ko) 초경량 흡음재 및 그 제조방법
JP2002351471A (ja) エネルギー変換繊維体、吸音材、車両用内装材およびエネルギー変換繊維体の製造方法
JP2003122372A (ja) エネルギー変換繊維、吸音材、遮音構造体および車両用内装材
JP3811956B2 (ja) エネルギー変換繊維体および吸音材
KR20180036627A (ko) 압축성형체용 숏컷 섬유, 이를 이용한 압축성형체 및 이의 제조방법
JP2002266156A (ja) 制振遮音繊維及びこれを用いて成る制振遮音不織布
KR102365247B1 (ko) Pra의 구조적 분리를 통해 전기 자동차의 소음을 저감시키는 장치
KR101875927B1 (ko) 흡음성이 우수한 부직포
JP3378489B2 (ja) カーペット基材
JP2002061026A (ja) バインダ繊維および繊維集合体
JPH073599A (ja) 高剛性吸音材
JP3266965B2 (ja) 新規な遮音材
JPH10228285A (ja) 吸音材
KR101958482B1 (ko) 흡음성능이 우수한 섬유집합체 및 그 제조방법
JP3421884B2 (ja) 吸音構造体