JP2002266156A - 制振遮音繊維及びこれを用いて成る制振遮音不織布 - Google Patents

制振遮音繊維及びこれを用いて成る制振遮音不織布

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JP2002266156A
JP2002266156A JP2001070124A JP2001070124A JP2002266156A JP 2002266156 A JP2002266156 A JP 2002266156A JP 2001070124 A JP2001070124 A JP 2001070124A JP 2001070124 A JP2001070124 A JP 2001070124A JP 2002266156 A JP2002266156 A JP 2002266156A
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vibration
fiber
damping
insulating
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Hiroaki Miura
宏明 三浦
Kyoichi Watanabe
恭一 渡辺
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量・省スペースであり、特定周波数帯域、
特に500Hz以下での高い吸音性能を有し、自動車等
の内装材などとして好適に用いられる制振遮音繊維、制
振遮音不織布及びこれを用いた吸音材を安価にして提供
すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂繊維が内包する連続セル空
間に粉粒体を充填して成り、外部から振動エネルギーを
吸収し、粉粒体の振動で振動エネルギーを熱エネルギー
や運動エネルギーに変換し消費する制振遮音繊維であ
る。セル空間のみかけ体積が粉粒体の体積に対し102
〜110vol%の大きさである。制振遮音繊維を用い
て制振遮音不織布とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振遮音繊維、制
振遮音不織布及びこれを用いた吸音材に係り、更に詳細
には、自動車、建築物、鉄道車両、船舶及び産業用機器
などの制振及び遮音に用いられる制振遮音繊維、制振遮
音不織布及びこれを用いた吸音材に関するものである。
本発明の制振遮音繊維は、任意の周波数帯域に吸音性能
ピークを設定でき、特に、吸音材として自動車用内装材
に用いられるときは、エンジンの騒音や振動が車内又は
車外へ伝播するのを防止又は低減し、走行中でも静粛な
自動車、快適な車内環境を維持できるので好適である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
建築材等における吸音材には、発泡体や積層構造による
吸音構造材が用いられてきた。これらの吸音構造材は自
動車用としては、多大なスペースを必要としたり、また
形状自由度が低いため、現実的に用いることは難しかっ
た。更に、得られる吸音構造体は低周波数帯域での性能
が要求に対して不十分であった。例えば、低周波数帯域
に効果があるものとして、特開平11−217891号
公報では、制振板等が提案されているが、自動車用途と
して用いるには大きい。また、特開平10−12159
8号公報では、多孔質発泡体中に吸音性微小体を封入し
た吸音材が開示されているが、吸音性微小体の密度が非
常に小さく、また発泡工程等が必要となり、繊維として
用いるには適さない。
【0003】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、軽量・省スペースであり、特定周波数帯域、特に5
00Hz以下での高い吸音性能を有し、自動車等の内装
材などとして好適に用いられる制振遮音繊維、制振遮音
不織布及びこれを用いた吸音材を安価にして提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、繊維内部に粉粒体
を自由振動可能に充填したことにより、上記課題が解決
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明の制振遮音繊維は、熱可塑性
樹脂繊維が複数の連続セル空間を内包し、該連続セル空
間が複数の独立した粉粒体を充填して成る制振遮音繊維
であって、上記熱可塑性樹脂繊維及び/又は粉粒体が外
部から振動エネルギーを吸収し、上記粉粒体が振動する
ことで該振動エネルギーを熱エネルギー及び/又は運動
エネルギーに変換して消費することを特徴とする。
【0006】また、本発明の制振遮音繊維の好適形態
は、上記連続セル空間を構成するセル空間のみかけ体積
が、上記粉粒体の体積に対し102〜110vol%の
大きさであることを特徴とする。
【0007】更に、本発明の制振遮音繊維の他の好適形
態は、上記粉粒体の比重と上記熱可塑性樹脂繊維の比重
とが、1:1〜20:1の範囲内にあることを特徴とす
る。
【0008】更にまた、本発明の制振遮音繊維の更に他
の好適形態は、上記粉粒体の総体積が、上記熱可塑性樹
脂繊維の体積に対して25〜80vol%の割合である
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の制振遮音繊維の他の好適形
態は、上記粉粒体の粒径が0.3〜10μmであること
を特徴とする。
【0010】更に、本発明の制振遮音繊維の更に他の好
適形態は、上記粉粒体の比重が1.8〜20.0g/c
であることを特徴とする。
【0011】更にまた、本発明の制振遮音繊維の他の好
適形態は、上記熱可塑性樹脂繊維が芯鞘型の構成をと
り、芯部に上記連続空間セルを内包させることを特徴と
する。
【0012】また、本発明の制振遮音不織布は、上記制
振遮音繊維を用いて成ることを特徴とする。
【0013】更に、本発明の吸音材は、上記制振遮音不
織布を用いて成ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の制振遮音繊維につ
いて、詳細に説明する。なお、本明細書において「%」
は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0015】上述の如く、本発明の制振遮音繊維は、熱
可塑性樹脂繊維が複数の連続セル空間を内包し、該連続
セル空間が複数の独立した粉粒体を充填して成る。これ
より、外部からの振動エネルギーは上記熱可塑性樹脂繊
維及び/又は粉粒体に吸収され、該振動エネルギーは上
記粉粒体が振動することで、運動エネルギーや熱エネル
ギーに変換され消費される。言い換えれば、本発明の制
振遮音繊維は、固体中を伝播してきた振動エネルギー又
は空気中を伝播してきた振動エネルギーを吸収し、上記
粉粒体が、吸収したエネルギーの一部を、上記粉粒体と
上記連続セル空間とが構成するマスばね系の運動エネル
ギーや摩擦抵抗などによる熱エネルギーとして消滅させ
ることにより、振動に伴い発生する音を低減又は防止す
る。具体的には、制振遮音繊維は、連続セル空間内で粉
粒体が自由可動体として作用し、連続セル空間の内壁と
の摩擦、粉粒体間の衝突や摩擦、及び粉粒体の移動など
で上記振動エネルギーが吸収・低減され、制振遮音効果
を発現する。
【0016】ここで、本発明の制振遮音繊維は、制振遮
音材を繊維状にすることで、音波が繊維表面を通過する
ときの抵抗に起因する摩擦により吸音性能が付加され、
高周波数帯域での吸音性能を保持しつつ500Hz以下
の低周波数帯域の振動・騒音を低減することができ、全
体として幅広い周波数帯域で使用し得る。また、各種製
品への形状自由度が大きくなり、自動車用途として用い
る場合にも好適である。
【0017】本発明の制振遮音繊維の一例として、制振
遮音繊維2bのA−A’〜A−A’断面概略図
を図3に示す。この制振遮音繊維2bは、熱可塑性樹脂
3、粉粒体4、連続セル空間5a及び独立セル空間5b
より構成されている。また、本発明の制振遮音繊維の他
の例として、芯鞘型制振繊維2cのB−B ’〜B
−B’断面概略図を図5に示す。この芯鞘型制振遮音
繊維2cは、熱可塑性樹脂3、粉粒体4、連続セル空間
5a及び独立セル空間を含む芯部、及び粉粒体4を含ま
ない熱可塑性樹脂3から構成された鞘部より構成され、
芯鞘型の断面を有している。なお、連続セル空間5a
は、該制振遮音繊維の紡糸中の延伸処理時に粉粒体4が
樹脂から独立することで発生したセル空間が連通したも
のである。このとき連続的につながっていない独立セル
空間5bも存在することがある。即ち、セル空間の全て
が連通している必要はなく、独立したセル空間や粉粒体
の充填されていないセル空間や複数の粉粒体が充填され
ているセル空間が存在しても構わない。
【0018】また、これらのセル空間(5a、5b)は
粉粒体4が独立に振動できる大きさであること(隣接す
るセル空間5に移動できない大きさの通気路で連通して
いること)が必要である。即ち、粉粒体4は、セル空間
(連続、独立)内で個々に振動可能な状態で存在してい
る。これに対し、連続セル空間5a又は独立セル空間5
bを有しない場合は、粉粒体4が熱可塑性樹脂3に固定
されることになり、上述の制振性や遮音性(吸音性)を
示さない。これより、上記連続セル空間を構成するセル
空間のみかけ体積は、上記粉粒体の体積に対し102〜
110vol%の大きさであることが好ましい。セル空
間をこのような大きさとすることで、上記粉粒体が効率
良く振動し、また粉粒体の周りに形成される連続セル空
間中の空気が形成する空気ばね系と粉粒体の質量が形成
するマスばね系により音等の振動を熱エネルギー及び/
又は運動エネルギーへ変換・吸収し、減衰し得る。ま
た、低周波数帯域での吸音性能向上の効果が得られる。
なお、上記「みかけ体積」とは、セル空間内に粉粒体が
入っていない場合の体積を意味する。また、上記連続セ
ル空間の形成方法としては、予め樹脂中に発泡材を混入
しておき、紡糸時に発泡させる方法や二種以上の樹脂を
混練しておき、紡糸後に溶出させる方法などが例示でき
る。
【0019】更に、上記制振遮音繊維を構成する樹脂繊
維としては、上記セル空間の加工性が高く、市場での入
手や使用後の再利用が容易な熱可塑性樹脂繊維を用い
る。このとき、材料となる熱可塑性樹脂としては、例え
ばナイロン66などの脂肪族ポリアミド、ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステル、ポリフェニレンサ
ルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン等
が挙げられる。但し、熱可塑性樹脂であれば特に限定さ
れず、製法的な差異も少ない。
【0020】更にまた、上記粉粒体としては、無機材
料、有機材料又は金属材料、及びこれらの任意の混合物
を用いた粉粒体を使用できる。例えば、無機材料として
酸化アルミニウム等の酸化物、チタン酸ジルコン酸鉛、
チタン酸バリウム等の圧電性酸化物など、有機材料とし
て繊維の主体成分より融点が比較的大きい材料、ナイロ
ン66やポリエチレンテレフタレートに対するポリエー
テルエーテルケトンなど、金属材料として鉄粉、アルミ
ニウム粉などを使用できる。なお、上記粉粒体の形状
は、上記セル空間内で移動や回転が容易な形状であるこ
とが望ましく、球状、円錐状又は円柱状などを例示で
き、特に球状であることが好ましい。
【0021】また、制振遮音繊維を用いて不織布や吸音
材等を形成するには、ある程度の細さやしなやかさが必
要となる。このため、上記粉粒体の粒径は0.3〜10
μmであることが好適である。このような粉粒体であれ
ば、上記熱可塑性樹脂繊維に内包された連続セル空間に
充填しても、形成した不織布等が繊維体としての形状・
機能を有し、所望の制振性能を発現させることができ
る。特に、上記粉粒体の粒径は0.5〜7μmであるこ
とがより好適であり、繊維体に所望の紡糸性を付与でき
る。なお、上記「粒径」とは、用いた粉粒体の粒度分布
測定で得られたメジアン値のことをいい、粉粒体が概ね
球状の場合は各粉粒体の直径方向の長さの平均値から算
出したメジアン値であり、球状以外の棒状、針状又は複
雑な形状の場合には長手方向の最大長さを粒径として扱
う。
【0022】更に、上記粉粒体の比重は、1.8〜2
0.0g/cmであることが好適であり、これより5
00Hz以下の低周波数帯域での吸音性能向上効果が得
られる。特に、上記粉粒体の比重は4.8〜8.0g/
cmであることがより好適であり、上記効果がより大
きくなり、重量あたりの吸音効率が向上し易い。
【0023】更にまた、上記粉粒体の比重と上記熱可塑
性樹脂繊維の比重とは、1:1〜20:1の範囲内にあ
ることが好適である。この範囲内で上記粉粒体と上記熱
可塑性樹脂繊維とを組合せることにより、得られる制振
遮音繊維は500Hz以下の低周波数帯域で優れた制振
・吸音効果を有し得る。特に、上記比重の比は2:1〜
7:1の範囲内にあることがより好適であり、上記効果
がより大きくなり、重量あたりの吸音効率が向上し易
い。
【0024】また、上記粉粒体の総体積は、上記熱可塑
性樹脂繊維の体積に対して25〜80vol%の割合で
あることが好適である。言い換えれば、上記連続セル空
間及び粉粒体以外の体積を上記範囲により決定すること
で、制振遮音繊維に所望の細さ及びしなやかさが付与さ
れ、不織布の形成が容易になる。特に、上記粉粒体の総
体積は30〜60vol%の割合であることがより好適
であり、繊維体に所望の紡糸性を付与できる。
【0025】更に、上記熱可塑性樹脂繊維は、例えば、
図5に示すように、芯鞘型の構成をとり、芯部に上記連
続空間セルを内包させることが好ましい。この場合は、
芯部及び鞘部の材料や体積比率などを適宜調整して、繊
維の耐久期間などを制御できる。また、熱可塑性樹脂を
繊維化する際は繊維を延伸することで細径化するが、こ
のとき鞘部が有ると繊維化する際の操業性が大幅に向上
し得る。なお、上記芯部及び鞘部は別個の材料又は同一
の材料で構成することができ、材料樹脂を適宜選択する
ことで振動エネルギーを吸収・低減できる周波数帯域を
制御できる。また、芯部又は鞘部の断面形状は、図5に
示すような円形に限定されず、種々の異型断面から成る
ものであっても良い。
【0026】更にまた、上述した制振遮音繊維は、代表
的には熱可塑性樹脂と粉粒体とを予めミキサー等で混練
し、溶融紡糸を行うことにより製造できる。また、紡糸
工程で連続的に混練、紡糸を行ってもかまわない。
【0027】次に、本発明の制振遮音不織布について、
詳細に説明する。かかる制振遮音不織布は、上述の制振
遮音繊維を用いて成る。具体例として、図2に、熱可塑
性樹脂繊維3が内包する連続セル空間5a及び独立セル
空間5bに粉粒体4を充填して成る制振遮音繊維2b、
及びこれを用いて成る不織布1を示す。また、図4に、
鞘部が熱可塑性樹脂繊維3のみであり、芯部が熱可塑性
樹脂3の内部の連続セル空間5a及び独立セル空間5b
に粉粒体4を充填して成る芯鞘型制振遮音繊維2c、及
びこれを用いて成る不織布1を示す。このような不織布
とすることで、制振遮音繊維を単体で用いる場合より制
振効率が良くなり、従来は振動エネルギーの低減が困難
であった低周波数帯域においても大幅な制振効果が得ら
れる。なお、図1に、従来の熱可塑性樹脂繊維3のみの
単成分で作製された繊維2a、及びこれを用いて成る不
織布1を示す。なお、制振遮音不織布の製造方法として
は、接着法、ニードルパンチ法及びスパンボンド法など
が例示できる。また、製造の際には、ポリプロピレン繊
維やポリエステル繊維などの接着繊維を用いることが望
ましい。更にまた、本制振遮音繊維の鞘部を接着成分と
したものを接着繊維として用いることも好適である。
【0028】次に、本発明の吸音材について、詳細に説
明する。かかる吸音材は上述の制振遮音不織布を用いて
成る。これより、成形性や形状自由度の大きい吸音材と
して用いることができる。また、熱可塑性樹脂を材料と
したことからリサイクル性も大幅に向上し得る。更に、
再度開繊し不織布を形成するなどして、別形状の吸音材
に再加工することも容易である。また、上記吸音材は自
動車用内装材に好適に用いることができ、この場合は自
動車の静粛性を向上できるので有効である。かかる自動
車用内装材としては、図8に示すように、エアクリーナ
ー内部のスペース、ダッシュインシュレータ11、フロ
アカーペット12のインシュレータ部分、フロアパネル
のトンネル部13、リアパーセル部14、インストルメ
ントパネル内部15、各ピラー内部16、ルーフパネル
部17及びダッシュロア部等の全面又は一部が挙げられ
る。上記吸音材をこれらの部品に用いることで、車室内
に侵入する騒音、振動を効率よく低減することができ
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0030】(実施例1)密度が6.0g/cm、粒
径が0.6μmである粉粒体を用い、熱可塑性樹脂とし
てナイロン6を用い、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重比を
5:1とし、粉粒体と熱可塑性樹脂の体積比を50vo
l%となるようにして、溶融紡糸温度260℃、樹脂吐
出量2.4cm/min、巻取り速度1000m/m
inで溶融紡糸を行ない、繊維構成として粉粒体を混練
した熱可塑性樹脂繊維から成る制振遮音繊維を得た。こ
の制振遮音繊維のSEM写真観察から自由可動体積が1
05%であることを確認した。制振遮音繊維80%と繊
維径15μmの芯鞘型バインダー繊維(鞘部軟化点11
0℃)20%を混入しカード式不織布製造装置にて面密
度1.5kg/mのウェブを作製、160℃オーブン
中で10分間加熱、厚さ35mmにプレスし、制振遮音
不織布を得た。この不織布をφ100mmに切り出し、
吸音材を得た。この吸音材を性能評価に用いた。なお、
粉粒体と熱可塑性樹脂の比重比、粉粒体の構成、樹脂部
の比重、自由可動体積、繊維構成、紡糸性及び評価結果
(吸音率)を表1に示す。
【0031】(実施例2)粉粒体の密度を1.8g/c
とした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返し、
吸音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重
比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体積、繊維
構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に示す。
【0032】(実施例3)粉粒体の密度を7.8g/c
とした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返し、
吸音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重
比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体積、繊維
構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に示す。
【0033】(実施例4)粉粒体の密度を20.0g/
cmとした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返
し、吸音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹脂の
比重比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体積、
繊維構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に示
す。
【0034】(実施例5)粉粒体の粒径を0.3μmと
した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返し、吸音材
を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重比、粉
粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体積、繊維構成、
紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に示す。
【0035】(実施例6)粉粒体の自由可動体積を11
0vol%とした以外は、実施例5と同様な操作を繰り
返し、吸音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹脂
の比重比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体
積、繊維構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に
示す。
【0036】(実施例7)粉粒体の粒径を10.0μm
とし、自由可動体積を102vol%とした以外は、実
施例1と同様な操作を繰り返し、吸音材を製造した。な
お、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重比、粉粒体の構成、樹
脂部の比重、自由可動体積、繊維構成、紡糸性及び評価
結果(吸音率)を表1に示す。
【0037】(実施例8)粉粒体の総体積を25vol
%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返し、吸
音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重
比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体積、繊維
構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に示す。
【0038】(実施例9)粉粒体の総体積を80vol
%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返し、吸
音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重
比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体積、繊維
構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に示す。
【0039】(実施例10)粉粒体の自由可動体積を1
02vol%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰
り返し、吸音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹
脂の比重比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体
積、繊維構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に
示す。
【0040】(実施例11)粉粒体の自由可動体積を1
10vol%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰
り返し、吸音材を製造した。なお、粉粒体と熱可塑性樹
脂の比重比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自由可動体
積、繊維構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)を表1に
示す。
【0041】(実施例12)樹脂部比重(熱可塑性樹脂
の比重)を1.35g/cmとした以外は、実施例1
と同様な操作を繰り返し、吸音材を製造した。なお、粉
粒体と熱可塑性樹脂の比重比、粉粒体の構成、樹脂部の
比重、自由可動体積、繊維構成、紡糸性及び評価結果
(吸音率)を表1に示す。
【0042】(実施例13)樹脂部比重を1.35g/
cmとし、溶融紡糸を行なう際に、繊維構成として粉
粒体を混錬した熱可塑性樹脂を芯成分として用い、粉粒
体を混錬していない熱可塑性樹脂を鞘成分として用いた
2成分から成る芯鞘型制振遮音繊維とした以外は、実施
例1と同様な操作を繰り返し、吸音材を製造した。な
お、粉粒体と熱可塑性樹脂の比重比、粉粒体の構成、樹
脂部の比重、自由可動体積、繊維構成、紡糸性及び評価
結果(吸音率)を表1に示す。
【0043】(比較例)ナイロン6繊維(繊維径55μ
m)80%と繊維径15μmの芯鞘型バインダー繊維
(鞘部軟化点110℃)20%を混入し不織布を作製し
た。この不織布をφ100mmに切り出し、吸音材を得
た。この吸音材を性能評価に用いた。なお、粉粒体と熱
可塑性樹脂の比重比、粉粒体の構成、樹脂部の比重、自
由可動体積、繊維構成、紡糸性及び評価結果(吸音率)
を表1に示す。
【0044】(3)性能評価 [垂直入射吸音率測定]垂直入射吸音率測定はJIS
A1405の管内法による建築材料の垂直入射吸音率測
定法に基づいて、図6に示すように、垂直入射吸音率測
定管6にマイク7、サンプル8(吸音材)及び音源9
(スピーカー)を設置した装置を用いて測定を行なっ
た。吸音材サンプル8は上記各例で得た不織布を厚さ1
0mm、φ100mmに切り出して得た。測定領域は1
00〜1600Hzとした。表1に測定結果の代表周波
数の値を示す。また、図7に代表実施例及び比較例の吸
音率を比較したグラフを示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1において、判断欄に吸音性能比較の結
果を○、△で示す。ここで、○は狙いとする500Hz
以下の特定周波数帯域での吸音ピークを有する吸音材で
あることを示し、△は比較例と同等レベルの吸音ピーク
を有する吸音材であることを示す。また、紡糸性欄に紡
糸時の糸切れ頻度の多少を○、◎で示す。ここで、○は
通常の紡糸に差し支えない程度の糸切れ回数であること
を示すものであり、◎は更に頻度が少なくなり紡糸性が
向上したことを示す。
【0047】実験例1〜13で得られた吸音材は、比較
例で得られた吸音材に比べ特定周波数帯域、特に500
Hz以下の低周波数域で優れた吸音特性を有することが
確認できた。なお、実験例10は、表1に示す周波数帯
域では吸音ピークが見られなかったが、10kHz付近
に吸音ピークがあることを確認できた。このことから、
高周波の吸音を狙う部位等には好適な実施例であるとい
える。
【0048】以上、本発明を好適実施例及び比較例によ
り詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の
変形が可能である。例えば、上述した連続セル空間に、
各種の添加剤等を充填して更なる制振遮音効果を発現さ
せることもでき、高分子ゲル、水及び粒径の異なる粉粒
体などを任意の組合せで充填することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、繊維内部に粉粒体を自由振動可能に充填したことと
したため、軽量・省スペースであり、特定周波数帯域、
特に500Hz以下での高い吸音性能を有し、自動車等
の内装材などとして好適に用いられる制振遮音繊維、制
振遮音不織布及びこれを用いた吸音材を安価にして提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の不織布及びこれを構成する繊維の断面図
である。
【図2】制振遮音不織布及びこれを構成する制振遮音繊
維の概略図である。
【図3】制振遮音繊維の断面概略図である。
【図4】制振遮音不織布及びこれを構成する芯鞘型制振
遮音繊維の概略図である。
【図5】芯鞘型制振遮音繊維の断面概略図である。
【図6】垂直入射吸音率測定装置を示す概略図である。
【図7】垂直入射吸音率測定結果を示すグラフである。
【図8】自動車用内装材の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 不織布 2a 従来繊維 2b 制振遮音繊維 2c 芯鞘型制振遮音繊維 3 熱可塑性樹脂繊維 4 粉粒体 5a 連続セル空間 5b 独立セル空間 6 垂直入射吸音率測定管 7 マイク 8 サンプル(吸音材) 9 音源(スピーカー) 11 ダッシュインシュレータ 12 フロアカーペット 13 フロアパネルのトンネル部 14 リアパーセル部 15 インストルメントパネル内部 16 ピラー内部 17 ルーフパネル部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/82 E04B 1/82 F 4L045 1/98 1/98 C 4L047 F16F 15/02 F16F 15/02 Q 5D061 G10K 11/162 D01F 6/90 301 11/16 8/12 Z // D01F 6/90 301 G10K 11/16 A 8/12 J Fターム(参考) 2E001 DF04 DF07 EA01 FA11 GA03 HF14 HF15 JD02 3D023 BA03 BB21 BC01 BD01 BD04 BD05 BD08 BD11 BD12 BD14 BE04 BE20 3J048 AA06 AC02 BD01 BD04 BD07 EA36 4L035 BB40 DD03 FF01 FF05 KK01 KK10 LC02 4L041 AA07 BA02 BA05 BA24 BA41 BC20 BD10 BD20 CA21 CB25 DD01 DD21 4L045 AA05 BA06 BA18 BA25 BA26 BA50 CA05 CA29 DA41 DC02 4L047 AA21 AA23 AA28 AA29 AB09 AB10 BA03 BA09 BA12 BB02 BB06 BB09 CB03 CC09 CC10 5D061 AA07 AA22 AA29 BB31 GG01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂繊維が複数の連続セル空間
    を内包し、該連続セル空間が複数の独立した粉粒体を充
    填して成る制振遮音繊維であって、上記熱可塑性樹脂繊
    維及び/又は粉粒体が外部から振動エネルギーを吸収
    し、上記粉粒体が振動することで該振動エネルギーを熱
    エネルギー及び/又は運動エネルギーに変換して消費す
    ることを特徴とする制振遮音繊維。
  2. 【請求項2】 上記連続セル空間を構成するセル空間の
    みかけ体積が、上記粉粒体の体積に対し102〜110
    vol%の大きさであることを特徴とする請求項1記載
    の制振遮音繊維。
  3. 【請求項3】 上記粉粒体の比重と上記熱可塑性樹脂繊
    維の比重とが、1:1〜20:1の範囲内にあることを
    特徴とする請求項1又は2記載の制振遮音繊維。
  4. 【請求項4】 上記粉粒体の比重と上記熱可塑性樹脂繊
    維の比重とが、2:1〜7:1の範囲内にあることを特
    徴とする請求項3記載の制振遮音繊維。
  5. 【請求項5】 上記粉粒体の総体積が、上記熱可塑性樹
    脂繊維の体積に対して25〜80vol%の割合である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記
    載の制振遮音繊維。
  6. 【請求項6】 上記粉粒体の総体積が、上記熱可塑性樹
    脂繊維の体積に対して30〜60vol%の割合である
    ことを特徴とする請求項5記載の制振遮音繊維。
  7. 【請求項7】 上記粉粒体の粒径が0.3〜10μmで
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項
    に記載の制振遮音繊維。
  8. 【請求項8】 上記粉粒体の粒径が0.5〜7μmであ
    ることを特徴とする請求項7記載の制振遮音繊維。
  9. 【請求項9】 上記粉粒体の比重が1.8〜20.0g
    /cmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か1つの項に記載の制振遮音繊維。
  10. 【請求項10】 上記粉粒体の比重が4.8〜8.0g
    /cmであることを特徴とする請求項9記載の制振遮
    音繊維。
  11. 【請求項11】 上記熱可塑性樹脂繊維が芯鞘型の構成
    をとり、芯部に上記連続空間セルを内包させることを特
    徴とする請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の制
    振遮音繊維。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1つの項に
    記載の制振遮音繊維を用いて成ることを特徴とする制振
    遮音不織布。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の制振遮音不織布を用
    いたことを特徴とする吸音材。
  14. 【請求項14】 自動車用内装材に用いたことを特徴と
    する請求項13記載の吸音材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011152843A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Kasai Kogyo Co Ltd 車両用内装材およびその成形方法

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