JP2003082001A - レブリン酸セルロースの製造方法 - Google Patents

レブリン酸セルロースの製造方法

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才英 塚谷
Hitomi Inomata
仁美 猪股
Hirokuni Ono
拡邦 小野
Akio Takemura
彰夫 竹村
Shigeto Hori
成人 堀
Akira Isogai
明 磯貝
Tatsuhiko Yamada
竜彦 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、色素、金属、浮遊物などの吸着性
能やキレート化により架橋やゲル化能を持つなどの新規
特性が期待できるセルロース誘導体として、セルロース
の分子表面近辺で運動性を持つカルボニル基が付与され
たセルロース誘導体(レブリン酸セルロース)の製造方
法およびそれにより得られるレブリン酸セルロースを提
供する。 【解決手段】 セルロースとレブリン酸とをトシルクロ
リド可溶性溶媒中で、トシルクロリド存在下で前述溶媒
の融点以上沸点以下で反応させてレブリン酸セルロース
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセルロース中の少な
くとも一つのアルコール性水酸基をレブリン酸でエステ
ル化することによりセルロース誘導体を製造する方法に
関する。
【0002】更に詳しくは、セルロースの分子表面近辺
で運動性(ここで運動性は、分子内水素結合に制約され
ず自由に動ける性質をいう)を持つカルボニル基を導入
することにより色素、金属、浮遊物などの吸着性能やキ
レート化により架橋やゲル化能を持つなどの新規特性が
期待できるレブリン酸セルロースの製造法に関するもの
である。
【0003】
【従来の技術】セルロースは地球上に最も多量に存在す
る有機化合物であり、その安全性、強度などの利点を生
かし、種々の分野で用いられている。また、化学改質に
よって新たな機能を付加した様々なセルロース誘導体も
利用されている。
【0004】これらの中でセルロース分子表面近辺にカ
ルボニル基を多く含む誘導体を製造する方法として、過
ヨウ素酸による酸化反応でセルロース分子中のC2位と
C3位の間を切断し、アルデヒド基を導入する方法(ハ
ワースの酸化)が良く知られている。しかし、この方法
では、分子量低下や副反応を十分抑制できないため、い
まだ実用的な方法ではない。
【0005】代表的な例として酢酸セルロースが挙げら
れるが、酢酸セルロースは、セルロース有機酸エステル
の一つであって、その用途が衣料用繊維、タバコフィル
ター、プラスチック、フィルム、塗料等、多岐にわたり
工業原料として利用されている。
【0006】しかし、酢酸残基の主鎖が短いためカルボ
ニル基の運動性が制限されると考えられることから、カ
ルボニル基の運動性がある誘導体として、比較的長鎖で
末端にカルボニル基を持つ酸とのセルロースエステル類
が好ましい。具体的にはレブリン酸によるセルロースの
エステル化が挙げられる。
【0007】一方レブリン酸セルロースの合成例として
はマガルハエスら(Magalhaes, Washington Luiz Estev
es; Ozaki,Salete Kiyoka; de Souza, Milton Ferreir
a)、ナチュラルポリマーコンポジット(第3回国際シ
ンポジウム;セルロース、天然高分子の製造とプロセス
に関するワークショップ[ Nat. Polym. Compos., (Pro
c. Third Int. Symp., Workshop Prog. Prod. Proces
s. Cellul. Fibres Nat. Polym.)(2000), 256-259.]に
より報告されている。これはカリビアンピッチパインの
オガクズとセルロースパルプを用いて、水中でパラ−ト
ルエンスルホン酸を触媒としてレブリン酸によりエステ
ルを得るという方法である。
【0008】しかし、セルロースのアルコール性水酸基
とカルボン酸のエステル化反応は一般のエステル化反応
と同様に可逆反応であり脱水反応を進めなければ反応の
進行は遅いと考えられることから前記方法では十分な純
度を有するレブリン酸セルロースを制御された条件で製
造することは困難であると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、色素、金
属、浮遊物などの吸着性能やキレート化により架橋やゲ
ル化能を持つなどの新規特性が期待できるセルロース誘
導体として、セルロースの分子表面近辺で運動性を持つ
カルボニル基が付与されたセルロース誘導体(特にレブ
リン酸セルロース)の製造方法、さらにはかかる製造方
法により得られるレブリン酸セルロースを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レブリン
酸セルロースの製造法について鋭意検討した結果、トシ
ルクロリドの存在下で、トシルクロリド可溶性溶媒中
で、セルロース類とレブリン酸とを反応させることによ
り効率的にレブリン酸セルロース類が得られることを見
出し、係る知見に基いて本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、トシルクロリド可溶
性溶媒中で、セルロースとレブリン酸とをトシルクロリ
ド存在下で前述溶媒の融点以上沸点以下で反応させて得
ることを特徴とするレブリン酸セルロース類の製造方法
である。
【0012】ここで得られるレブリン酸セルロース類
は、その赤外線吸収スペクトルにおいて、特徴的な17
40cm-1付近にエステル由来のピークと、1715cm-1
付近にカルボニル基由来のピークとを持つ。
【0013】また、本発明は更に、乾燥セルロースを原
料として用いる場合に特に、セルロースを水で再湿した
後、トシルクロリド可溶性溶媒で水を置換する活性化処
理工程を含むことを特徴とする製造方法である。
【0014】また、本発明は前記反応により得られる反
応液をさらにアルコール中に投入して低置換度のレブリ
ン酸セルロースを沈殿させて回収除去した後の溶液を、
更に水に希釈して高置換度のレブリン酸セルロースおよ
びトシルクロリドの混合沈殿物を得、さらに前記混合沈
殿物からトシルクロリドを溶媒抽出で除くことにより高
置換度レブリン酸セルロースを得る製造方法である。
【0015】本発明はさらに前記で一度使用された後溶
媒抽出で回収されたトシルクロリドを再利用する製造方
法をも含む。
【0016】以下、本発明を実施の形態に即して詳細に
説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】上で説明したように本発明にかか
る製造方法は、セルロース類とレブリン酸とを原料と
し、溶媒としてトシルクロリド可溶性溶媒中でトシルク
ロリドの存在下反応させることを特徴とする。 (セルロース類)本発明において使用可能な原料としての
セルロース類は、β−1,4−グルカン構造を有する多
糖類であればよい。具体的には高等植物由来のセルロー
ス、動物由来のセルロース(ホヤセルロースなど)、バ
クテリア由来のセルロース、再生セルロース(レーヨン
など)などのいずれであってもよい。高等植物由来のセ
ルロースとしては、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木
材パルプなど)、種子毛繊維(リンターなどの綿花、ボ
ンバックス綿、カポックなど)などが好ましく使用でき
る。特に、サルファイト法、クラフト法などの慣用の方
法で針葉樹、広葉樹などから得られる木材パルプや、コ
ットンリンターの使用が好ましい。
【0018】また、本発明においては、機械的力による
叩解処理を施して反応性を高めたセルロース類をも使用
することができる。
【0019】本発明においてはα−セルロース含有量の
高い高純度セルロースを用いることが好ましい。ここで
α−セルロース含有量の範囲は、70〜100%(好ま
しくは80〜100%)である。工業的には、α−セル
ロース含量85〜99%のセルロースが使用される。
【0020】さらには、本発明において、エステル化,
エーテル化などの化学修飾されたセルロース類をも制限
なく用いることが可能である。例えば、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロースなどのセ
ルロースエステル;カルボキシメチルセルロース(CM
C)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ベンジル化セルロ
ースなどのセルロースエーテルが挙げられる。
【0021】さらに、本発明において、セルロース類は
乾燥状態のものをそのまま使用することができるが、こ
の場合乾燥物を水で再湿した後、後述するトシルクロリ
ド可溶性溶媒で水を置換する活性化処理工程を施したも
のがより好ましく使用することができる。 (レブリン酸)本発明において使用可能なレブリン酸に
ついては、特に制限はなく、市販品又は通常公知の方法
で製造されるものが好ましく使用できる。また純度は9
0%以上あれば好ましい。 (トシルクロリド)本発明において使用可能なトシルク
ロリドについても特に制限はなく、市販品又は通常公知
の方法で製造されるものが好ましく使用できる。また純
度は90%以上あれば好ましい。 (トシルクロリド可溶性溶媒)本発明において使用可能
な溶媒は、トシルクロリドを十分溶解できるものであれ
ばよく、さらに製造されたレブリン酸セルロースを分離
回収する際に使用する水、アルコール類などに混和可能
であればよい。具体的には、ピリジン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ジグリム、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ジエチルエーテル、イソプロピルエ
ーテルなどが挙げられる。更に、これらの溶媒は単独で
使用しても良いし、混合して使用しても良い。 (反応条件)本発明においては、上記の溶媒中に、上で
説明した原料とトシルクロリドとを混合した反応溶液を
適当な時間、適当な温度でできれば攪拌しながら反応さ
せる。ここでそれぞれの量は、セルロースの全アルコー
ル性水酸基に対してトシルクロリドを少なくとも0.5
〜20倍モル(好ましくは1〜3倍モル)、レブリン酸
を少なくとも0.5〜20倍モル(好ましくは1〜3倍
モル)使用することが好ましい。また、トシルクロリド
可溶性溶媒はセルロース1部(以下「部」は「重量部」
を表す)に対して5〜100部(好ましくは20〜50
部)を使用することが好ましい。
【0022】反応温度は20〜200℃で行うことが好
ましい(特に好ましくは40〜100℃である)。また
反応時間は特に制限はないが、適当な手段(赤外吸収ス
ペクトル、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ、粘
度計)で反応の進行をモニタすることで必要な時間を決
定することは容易である。
【0023】さらに本発明においては、反応終了後に得
られた生成物を分離して精製することが好ましい。この
目的では種々の沈殿生成による分離や、溶媒抽出による
分離が使用可能である。具体的には、反応液をアルコー
ル中に投入して得られた沈殿(低置換度のレブリン酸セ
ルロース)を回収し、次いで、沈殿回収後の溶液を水に
希釈して得た沈殿(高置換度のレブリン酸セルロース)
を回収する、という方法が適用できる。かかる分離精製
により高い純度の生成物が得られる。また、種々の置換
度を有する生成物が分離して得られる。
【0024】以下に本発明を実施例に即して具体的に説
明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0025】
【実施例】(実施例1)(CF−1:乾燥セルロース、
活性化無し) 撹拌装置、温度計、塩化カルシュウム管をその上部に取
りつけた冷却管を付けた50ml容量のフラスコ中で予め
水酸化ナトリウムなどで脱水した30gのピリジンおよ
び7.06gのトシルクロリド、4.30gのレブリン酸
(トシルクロリドとレブリン酸の配合量は試料セルロー
スの全水酸基当たりそれぞれ2倍モル)を混合した。
【0026】この混合液に乾燥重量当たり1gのセルロ
ース粉末(米国ワットマン社製セルロースパウダーCF
−1:カタログNo.4020050):含水率2.45%)を添
加して50℃で24時間反応を行い懸濁液を得た。懸濁
した反応液を過剰の水に投入して沈殿を生成させ、その
沈殿を遠心分離により回収した。回収した沈殿を更に水
に投入し撹拌後、遠心分離操作を5回繰り返すことによ
りレブリン酸とピリジンが完全に除去された固形物(セ
ルロース誘導体とトシルクロリドの混合物)を得た。こ
の固形物をベンゼンでソックスレー抽出してトシルクロ
リドを抽出した結果ソックスレー用円筒ロ紙中にクリー
ム色の粉末を得た。これを乾燥して赤外吸収スペクトル
で解析した結果を図1(a)に示す。この粉末はレブリ
ン酸、ピリジンおよびトシルクロリドに由来する吸収を
示さず、3420cm-1付近のセルロース水酸基に由来す
る吸収、1740cm-1付近にエステルに由来する吸収、
そして1715cm-1付近にレブリン酸のカルボニル基に
由来する吸収を有していた。このことから得られたクリ
ーム色粉末はレブリン酸セルロースであると判断した。
これらのことは、ソックスレー抽出方法によりレブリン
酸セルロースを精製できること示している。なお、上記
の赤外吸収スペクトルの測定にはサーモニコレ・ジャパ
ン株式会社製、MAGNA-IR860 SPECTOROMETERを使用し
た。また、この方法により得られたレブリン酸セルロー
スの置換度は0.6であった。本明細書において置換度
は酢酸セルロースの一般的置換度測定法[D.クレム
ら;一般セルロース化学、第1巻、ウイレイ−VCH出
版社、ウインヘイム(ドイツ)、1998年出版、第235頁(D.
Kleemm; B. Philipp; T. Heinze; U. Heinze; W. Wage
nknecht, " Comprehensive Cellulose Chemistry, Vol.
1, Wiley-VHC, Weinheim (Germany), 1998, P235) ]
による。 (実施例2)(CF−1:活性化セルロース、実施例1
との比較) 乾燥重量当たり1gのセルロース粉末(米国ワットマン
社製セルロースパウダーCF−1)を水中に分散させた
後、ガラスフィルターで吸引ろ過し、ロート上の湿った
セルロースケーキからできるだけ水を絞り出した後、ケ
ーキを脱水ピリジン中に分散させ吸引ろ過する方法を5
回繰り返してセルロース中の水を除去して活性化させ
た。活性化させたセルロースを実施例1と同様の装置中
に定量的に移し実施例1と同様の方法で反応およびレブ
リン酸セルロースの精製を行った。図1(b)に示すよ
うに、得られたレブリン酸セルロースの赤外吸収スペク
トルには実施例1で検出された三個の吸収が存在し、そ
の置換度は0.86であった。
【0027】以上2つの実施例からレブリン酸セルロー
スは、幾分水を含む原料および活性化原料から調製出来
ることが明らかとなった。また、活性化セルロースから
調製したレブリン酸セルロースの方が高い置換度を持つ
ことが判明した。 (実施例3)(アルファーセルロース:一般的分離法) セルロース試料としてアルファーセルロース(米国シグ
マ社製C−8002:含水率6.19%)を用い実施例
2の方法と同様に活性化処理を行った後、実施例1と同
様の方法で7日間の反応を行い懸濁液を得た。反応終了
後、懸濁物である沈殿Aとピリジン、レブリン酸、トシ
ルクロリドおよびレブリン酸セルロースが溶解している
透明溶液に分離した。分離溶液を過剰のアルコール中に
注入して低置換度レブリン酸セルロースが主成分である
沈殿Bを得た。この沈殿を分別して得たアルコール性溶
液(ピリジン、レブリン酸、トシルクロリドおよびレブ
リン酸セルロースが溶解したアルコール溶液)をさらに
水中に投入してピリジン、レブリン酸およびアルコール
を水に溶解させ、水不溶性沈殿を得た。ソックスレー抽
出器中でアルコールを用いて沈殿Aと沈殿Bに残存する
ピリジンとレブリン酸を除去することにより各沈殿を精
製した。レブリン酸セルロースとトシルクロリドの混合
物である水不溶性沈殿は実施例1の水不溶性沈殿の精製
法と同様に処理され、沈殿Cを得た。沈殿Aの収量は
1.22g、沈殿Bは0.03g、沈殿Cは0.03gで
あった。得られた沈殿A、沈殿B、沈殿Cの乾燥試料を
用いて赤外吸収スペクトルを解析した結果、いずれも3
420cm-1付近、1740cm-1付近、1715cm-1付近
に特性吸収を持つセルロース誘導体が生成していること
を認めた。また、それらの置換度は、沈殿Aが0.8
8、沈殿Bが1.41、沈殿Cが1.50であった。
【0028】この様に溶解性の異なる溶媒でレブリン酸
セルロースを逐次沈殿させることにより置換度の異なる
レブリン酸エステル精製できることが判明した。 (実施例4)(DMF溶媒) 実施例2と同様の方法でアルファーセルロース(米国シ
グマ社製C−8002:含水率6.19%)を用い、溶
媒をピリジンからジメチルホルムアミドに変えて実施例
1と同様の装置および方法で反応を行った。実施例1の
精製法を施して得られた生成物の赤外吸収スペクトルを
図2に示す。ここでは、3420cm-1付近と、1715
cm-1付近に吸収が見られる。また、1740cm-1付近の
吸収は1715cm-1の吸収に隠れショルダーとなってい
るが、その存在は明らかであり、レブリン酸セルロース
の生成が伺われる。この場合の置換度は0.51であっ
た。
【0029】この結果は、ジメチルホルムアミドを溶媒
とした場合にも、レブリン酸セルロースが生成すること
を明らかにしている。
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、セルロース
類とレブリン酸とを原料とし、溶媒としてトシルクロリ
ド可溶性溶媒中でトシルクロリドの存在下反応させるこ
とにより高率的にかつ高純度で、種々の置換度のレブリ
ン酸セルロースを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは実施例1において得られたレブリン酸セル
ロースの赤外吸収スペクトルを示す図であり、bは実施
例2で得られたレブリン酸セルロースの赤外吸収スペク
トルを示す図である。ただし、2350cm-1付近の吸収
は空気中の炭酸ガスに由来する。
【図2】実施例4において得られた(ここでaはピリジ
ン中、bはジメチルホルムアミド中)レブリン酸セルロ
ースの赤外吸収スペクトルを示す図である。ただし、2
350cm-1付近の吸収は空気中の炭酸ガスに由来する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 彰夫 東京都世田谷区上祖師谷2−34−3 (72)発明者 堀 成人 埼玉県さいたま市白鍬636−5 (72)発明者 磯貝 明 東京都文京区本駒込1−26−10−1306 (72)発明者 山田 竜彦 茨城県牛久市中央 中央グリーンハイツ 203 Fターム(参考) 4C090 AA05 BA25 BA97 BB52 BB65 BB82 BB97 BD05 BD36 CA18 DA03 DA05 DA06 DA31 4G066 AB05D AB06D AB07A AB12D AB13D AC02A AC02B AD20B BA01 CA10 CA45 DA07 FA03 FA05 FA11 FA18 4H039 CA66 CD10 CD30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トシルクロリド可溶性溶媒中で、トシル
    クロリド存在下で、セルロースとレブリン酸とを、前記
    溶媒の融点以上沸点以下で反応させて得ることを特徴と
    するレブリン酸セルロース類の製造法。
  2. 【請求項2】 水で再湿した後、トシルクロリド可溶性
    溶媒で水を置換する活性化処理されたセルロースを用い
    ることを特徴とする、請求項1記載のレブリン酸セルロ
    ース類の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記セルロースとレブリン酸との反応に
    より得られる反応液を、さらにアルコール中に投入して
    低置換度のレブリン酸セルロースを沈殿させて回収して
    除去する工程と、その後得られた溶液を更に水に希釈し
    て高置換度のレブリン酸セルロースおよびトシルクロリ
    ドの混合沈殿物を得る工程と、前記混合沈殿物からトシ
    ルクロリドを溶媒抽出して除いて高置換度レブリン酸セ
    ルロースを得る工程を含む請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、溶媒
    抽出されたトシルクロリドを再利用することを特徴とす
    る製造方法。
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