JP2003081984A - 有機リン酸エステル、その製造法及びその用途 - Google Patents

有機リン酸エステル、その製造法及びその用途

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JP2003081984A
JP2003081984A JP2001321201A JP2001321201A JP2003081984A JP 2003081984 A JP2003081984 A JP 2003081984A JP 2001321201 A JP2001321201 A JP 2001321201A JP 2001321201 A JP2001321201 A JP 2001321201A JP 2003081984 A JP2003081984 A JP 2003081984A
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organic phosphate
chlorine
lower alkyl
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Noriyuki Nakamura
典之 中村
Sukeyuki Yoshida
祐之 吉田
Shinichi Yago
真一 八児
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Kyodo Chemical Co Ltd
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Kyodo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内分泌攪乱物質であるビスフェノ−ルAを使
用することなしでも塩素含有樹脂に対して優れた耐候性
を付与し得、しかもプレートアウト性が抑制された有機
リン酸エステルを提供する。 【解決手段】 2,5−ジ−tert−ブチルハイドロ
キノンを用いる、式(1)(式中nは1〜10の正数を
表し、Rは、低級アルキル基が置換されていることもあ
るフェニル基を表す。)で示される特定の有機リン酸エ
ステル。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機リン酸エステ
ル、その製造方法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル等の塩素含有樹脂は、ハウス
(温室)やトンネル栽培などに用いる農業用等のフィル
ムとして、鋼板や合板の被覆用フィルムとして、帆布、
養生ネット、繊維、各種成形体としてなど、多方面の分
野で使用されている。一般に塩素含有樹脂は、屋外で長
期間使用すると、太陽光線中の紫外線により劣化するこ
とが知られている。このような劣化は、特にフィルム製
品である場合に顕著である。
【0003】従来より、このような塩素含有樹脂の劣化
を防止する為に、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシ
レニルなどの有機リン酸エステルを塩素含有樹脂に含有
させて成形することが行われている。しかし、特に、農
業用塩化ビニル樹脂フィルムにおける耐久性の性能要求
は近年益々高くなっており、より優れた安定性を付与し
得る塩素含有樹脂用安定剤の開発が望まれている。一
方、より優れた安定性を示す塩素含有樹脂用安定剤とし
て、2,2−ビス{4−(ビスジメチルフェノキシホス
ホリルオキシ)フェニル}プロパン等が提案されている
(特公昭62−52772号公報)が、この安定剤は、
プレートアウト性の点で必ずしも十分満足し得るもので
はなかった。
【0004】また、この安定剤は、その原料のうちのビ
スフェノールAが、動物の体内に取り込まれた場合に、
その生体内の正常なホルモン作用に悪影響を与え、外因
性の内分泌攪乱化学物質となりうることが指摘されてお
り(1998年5月環境庁:「外因性内分泌攪乱化学物
質問題への環境庁の対応方針について−環境ホルモン戦
略計画SPEED′98−」)、環境問題が懸念されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、内分
泌攪乱物質であるビスフェノールAを使用することなし
でも塩素含有樹脂に対して優れた耐候性を付与し得、し
かもプレートアウト性が抑制された有機リン酸エステル
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ビスフェノールA
の代わりに、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキ
ノンを用いるという特定の有機リン酸エステルが、上記
課題を解決し得ることを見出し、さらに種種の検討を加
え本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、式(1)(式中nは1
〜10の正数を表し、Rは、低級アルキル基が置換され
ていることもあるフェニル基を表す。)で示される実用
的に優れた有機リン酸エステルを提供するものである。
【0008】
【化5】
【0009】
【発明実施の形態】以下本発明について更に詳細に説明
する。本発明の有機リン酸エステル(1)におけるR
は、低級アルキル基が置換されていることもあるフェニ
ル基を表す。Rの例としては、例えば、下式(2)で示
される基が挙げられる。(式中、R、R、Rは、
互いに独立に水素原子又は低級アルキル基を表す。) ここで、低級アルキル基としては、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、i−ブチル、sec−ブチル、t
−ブチルまたはペンチル等が挙げられる。
【0010】
【化6】
【0011】Rの好ましい例としては、例えば、フェニ
ル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフ
ェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、トリエチ
ルフェニル、これら2種以上の混合物等が挙げられる。
なかでもメチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフ
ェニル、これら2種以上の混合物等が好ましく使用され
る。またnは、1〜10の正数を表すが、1〜10の正
の数であれば良く、もちろん1〜10の整数であっても
良い。
【0012】本発明の有機リン酸エステル(1)は、例
えば、エステル交換触媒の存在下に、2,5−ジ−te
rt−ブチルハイドロキノンと式(3)(式中、Rは、
前記と同じ意味を有する。)で示されるリン酸エステル
とをエステル交換反応をせしめることにより製造し得
る。
【0013】
【化7】
【0014】ここで、Rの好ましい例としては、前記と
同じものが挙げられる。またリン酸エステル(3)の代
表例としては、例えば、リン酸トリフェニル、リン酸ト
リクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸トリ(トリ
メチルフェニル)、リン酸トリ(エチルフェニル)、リ
ン酸トリ(ジエチルフェニル)、これら2種以上の混合
物、更にはフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニ
ル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフ
ェニル、トリエチルフェニルから選ばれ、少なくとも2
種の異なる基を有するリン酸トリアリール等が挙げられ
る。なかでも、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレ
ニル、リン酸トリ(エチルフェニル)、これら2種以上
の混合物、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチル
フェニル、から選ばれ、少なくとも2種の異なる基を有
するリン酸トリアリールが好ましく使用される。
【0015】リン酸エステル(3)は、2,5−ジ−t
ert−ブチルハイドロキノンに対し、通常1.9〜
2.1モル倍使用される。またエステル交換触媒として
は、例えば炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート等が挙
げられる。その使用量は、2,5−ジ−tert−ブチ
ルハイドロキノン1モルに対し、通常0.0001モル
〜0.02モルである。エステル交換反応は、通常1
00〜300℃程度の温度で実施され、副生する低級ア
ルキルフェノール(ROH)を減圧度1〜20mmHg
にて系外に除く方法で実施される。反応の進行は、ガス
クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の
分析手段により追跡することもできる。
【0016】かくして、本発明の有機リン酸エステル
(1)が製造されるが、このものは、塩素含有樹脂に優
れた耐候性を付与し得る。ここで、塩素含有樹脂として
は、例えば、ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;塩
化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体等の各
種共重合体などが挙げられる。かかる塩素含有樹脂は、
懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等の常法により製
造することができる。塩素含有樹脂の平均重合度は、通
常、約600〜3000、好ましくは700〜2500
の範囲である。
【0017】上記のような塩素含有樹脂は、これらと他
の相溶性樹脂とのブレンド物として使用することもでき
る。相溶性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられ
る。本発明の有機リン酸エステル(1)の使用量は、塩
素含有樹脂100重量部に対し、通常0.05〜7重量
部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0018】また、塩素含有樹脂には、必要に応じて、
本発明の有機リン酸エステル(1)以外の添加剤等を更
に含有させることもできる。このような添加剤として
は、可塑剤、滑剤、エポキシ樹脂、有機リン酸エステル
以外の安定化剤、界面活性剤、防曇剤、防霧剤、紫外線
吸収剤、ヒンダ−ドアミン系光安定化剤及びこれらの混
合物等からなる群より選択される1種又は2種以上の添
加剤等が挙げられる。
【0019】ここで、可塑剤としては、例えば、ジ−n
−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト等のフタル酸誘導体;ジイソオクチルイソフタレート
等のイソフタル酸誘導体;ジオクチルアジペート等のア
ジピン酸誘導体;その他リン酸トリクレジル;リン酸ト
リキシレニルが挙げられ、中でも農業用にはジオクチル
フタレート、ジ2−エチルヘキシルフタレート、リン酸
エステルの使用が好ましい。可塑剤を含有させる場合
は、前記塩素含有樹脂100重量部に対して、通常5〜
70重量部であり、フィルム等その用途により適宜決定
することができる。
【0020】また滑剤としては、例えばポリエチレンワ
ックス;脂肪酸アミド;ペンタエリスリト−ル、トリメ
チロ−ルプロパン等のポリオ−ル化合物などが挙げられ
る。またエポキシ樹脂としてはビスフェノールA又はビ
スフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応生成物;
フェノールとホルムアルデヒドとの樹脂反応生成物とエ
ピクロルヒドリンの反応により生成されるエポキシ化ノ
ボラック樹脂;エピクロルヒドリン及び脂肪族多価アル
コールから生成される樹脂状反応生成物;エポキシ化大
豆油等が挙げられる。有機リン酸エステル以外の安定化
剤(熱安定化剤)としては、例えばステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシ
ノ−ル酸バリウム等の有機酸金属塩;亜鉛またはカルシ
ウムのアルキルリン酸金属塩(商品名LBT−1830
堺化学社製等)、アリールリン酸金属塩;トリフェニ
ルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフ
ェニルトリデシルホスファイト、フェニルトリデシルホ
スファイト等の有機亜リン酸エステル;ペンタエリスリ
ト−ル、トリメチロ−ルプロパン等のポリオ−ル化合物
などが挙げられる。滑剤、エポキシ樹脂、有機リン酸エ
ステル以外の安定化剤(熱安定化剤)等を含有させる場
合は、それぞれ、前記塩素含有樹脂100重量部に対し
て、通常0.5〜7.0重量部、好ましくは1.0〜
5.0重量部の範囲である。
【0021】また防曇剤、界面活性剤としては、通常使
用されうる任意のものであることができ、例えば、多価
アルコールと高級脂肪酸類とからなる多価アルコール部
分エステル系化合物が好適である。具体例としては、ソ
ルビタンモノステアレ−ト、ソルビタンモノパルミテ−
ト、ソルビタンモノベヘネ−ト、ソルビタンとグリセリ
ンの縮合物と高級脂肪酸とのエステル、ソルビタンとア
ルキレングリコ−ルの縮合物と高級脂肪酸とのエステル
等のソルビタン系界面活性剤;グリセリンモノラウレ−
ト、グリセリンモノステアレ−ト、ジグリセリンモノス
テアレ−ト、ジグリセリンモノラウレ−ト、ジグリセリ
ンモノパルミテ−ト、トリグリセリンモノステアレ−
ト、トリジグリセリンモノステアレ−ト等のグリセリン
系界面活性剤;ポリエチレングリコ−ルモノステアレ−
ト、ポリエチレングリコ−ルモノパルミテ−ト、ポリエ
チレングリコ−ルアルキルフェニルエ−テル等のポリエ
チレングリコ−ル系界面活性剤;トリメチロ−ルプロパ
ンモノステアレ−ト等のトリメチロ−ルプロパン系界面
活性剤;ペンタエリスリト−ルモノパルミテ−ト、ペン
タエリスリト−ルモノステアレ−ト、ジペンタエリスリ
ト−ルモノステアレ−ト等のペンタエリスリト−ル系界
面活性剤;又はこれらの異性体等が挙げられる。防曇
剤、界面活性剤を含有させる場合は、それぞれ前記塩素
含有樹脂100重量部に対して、通常5.0重量部以
下、好ましくは1.0〜4.0重量部の範囲である。
【0022】また防霧剤としては、例えば、パ−フロロ
アルキル基又はパ−フロロアルケニル基を含有する高分
子、あるいは低分子のフッ素系界面活性剤等が挙げら
れ、一般に少なくとも0.001重量%、好ましくは少
なくとも0.01重量%の水中溶解度を有し、25℃に
おいて水の表面張力を35dyn/cm以下、好ましく
は30dyn/cm以下に低下させる能力を有するもの
が好ましい。また、パーフロロアルキル基は、その炭素
鎖中に酸素原子が介在してもよい。防霧剤として用いら
れる市販の物としては、例えばユニダインDS−40
1,ユニダインDS−403、ユニダインDS−451
(以上、ダイキン工業社製、商品名)、メガファックF
−142D、メガファックF−177(以上、大日本イ
ンキ化学工業社製、商品名)、フロラ−ドFC−17
0、フロラ−ドFC−176、フロラ−ドFC−430
(以上、住友スリ−エム社製、商品名)、サ−フロンS
−141、サ−フロンS−145、サ−フロンS−38
1、サ−フロンS−382、サ−フロンS−393(以
上、旭硝子社製、商品名)等が挙げられる。防霧剤を含
有させる場合は、前記塩素含有樹脂100重量部に対し
て、通常1.0重量部以下、好ましくは0.01〜0.
7重量部の範囲である。
【0023】また紫外線吸収剤としては、例えば、ベン
ゾトリアゾ−ル系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系等
の化合物が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は単独又
は2種以上を組み合わせて使用できるが、特にベンゾフ
ェノン系化合物及び/又はベンゾトリアゾ−ル系化合物
の使用が好ましい。前記ベンゾトリアゾ−ル系化合物と
しては、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t
ert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチ
ル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ア
ミル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブ
チル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル
−5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリア
ゾール等が挙げられる。
【0024】前記ベンゾフェノン系化合物としては、
2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベ
ンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等が挙げら
れる。前記サリチル酸系化合物としては、フェニルサリ
チレ−ト、パラオクチルフェニルサリチレ−ト等が挙げ
られる。紫外線吸収剤を含有させる場合は、前記塩素含
有樹脂100重量部に対して通常3.0重量部以下、好
ましくは0.05〜1.0重量部の範囲である。
【0025】またヒンダ−ドアミン系光安定剤として
は、例えばビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケ−ト、ビス−(1,2,2,6,
6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、コ
ハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロシエチル)−4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮
合物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
イル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}、テトラキス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ−ト、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−トリ
デシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ−
ト、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ノ−ル、および3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1
−ジメチルエチル)−2,4,8,10テトラスピロ
[5,5]ウンデカンとブタンテトラカルボン酸とのエ
ステル等が挙げられる。ヒンダ−ドアミン系光安定化剤
を含有させる場合は、前記塩素含有樹脂100重量部に
対して、通常0.01〜2.0重量部、好ましくは0.
03〜1.0重量部の範囲である。
【0026】塩素含有樹脂には、更に、酸化防止剤、帯
電防止剤、ふきだし抑制剤、加工時の着色防止剤、着色
剤及びこれらの混合物等からなる群より選択される1種
又は2種以上の他の添加剤を必要に応じて含有させるこ
とができる。
【0027】前記塩素含有樹脂に、本発明の有機リン酸
エステル(1)、必要に応じて使用する各種添加剤等を
含有させるに当っては、これらをそれぞれ必要量秤量
し、リボンブレンダ−、バンバリ−ミキサ−、ス−パ−
ミキサ−その他公知の配合機、混合機等を使用でき、こ
れらを仕込み混練することにより、本発明の塩素含有樹
脂組成物を製造し得る。得られた本発明の塩素含有樹脂
組成物は、例えばハウスやトンネル栽培等の農業用樹脂
フィルム、鋼板や合板の被覆用フィルム、帆布、養生ネ
ット、繊維、各種成形体等の製造に用いることができ
る。
【0028】本発明の組成物を用いて塩素含有樹脂フィ
ルム、帆布、繊維、各種成形体等を製造するに当って
は、公知の方法で行うことができ、例えば、フィルムに
する場合にはカレンダ−法、押出成形法等により成形す
ることができる。フィルムとする場合の厚さは、特に限
定されないが、薄すぎると機械的強度が不十分となり、
逆に厚すぎるとフィルム化作業が煩雑化するので、通常
0.03〜5.0mm、好ましくは0.05〜3.0m
mの範囲が適当である。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】実施例1 2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン44.5
g(0.2モル)とリン酸トリキシレニル(大八化学株
式会社製 TXP)164g(0.4モル)と炭酸カリ
ウム0.1gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌、昇温し
た。10mmHg下、160℃からキシレノールが留出
し、260℃で反応終了し、液状の反応生成物157.
6gを得た。
【0031】収率:98.6% リン含有量:7.6%
【0032】実施例1〜3、比較例1〜5 表1に示す配合からなる塩化ビニル系樹脂組成物をスー
パーミキサーで10分混合した後、175℃のテストロ
ールで混練後、0.1mmの農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムに成形し、下記方法にて促進耐候性、伸び残率、
プレートアウトについて評価した。結果を表1に示す。
【0033】[試験方法] (1)促進耐候性 得られたフィルムを促進耐候性試験機(ダイプラウイン
テス社製、商品名「ダイプラ・メタルウエザ−」)に供
し100時間後のフィルム外観の劣化変化を目視にて評
価した。 ◎ … 褐変が認められない ○ … 褐変がわずかに認められる △ … 褐変が認められる × … 褐変が多く認められる ××… 全面に褐変が認められる
【0034】(2)伸び残率 得られたフィルムを屋外に暴露し、1年経過したのちの
フィルムを島津製作所製引っ張り試験機、商品名「オー
トグラフ」でフィルムの伸び率を測定し、未暴露のフィ
ルムの伸び率から伸び残率を算出した。
【0035】(3)プレートアウト 得られたフィルム80gを185℃のテストロールで混
練し、プレートアウトの発生量をみた。 ◎ … 認められない ○ … わずかに認められる △ … 認められる × … 多く認められる ××… 著しく多く認められる
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の有機燐酸エステル類は、内分泌
攪乱物質であるビスフェノールAを使用することなしで
も塩素含有樹脂に対して優れた耐候性を付与し得、しか
も著しく抑制されたプレートアウト性を示すので、塩素
含有樹脂の安定剤として極めて有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H039 CA90 CD10 CD40 4H050 AA01 AA02 AA03 AB48 BA02 BA29 BA32 WA13 WA23 4J002 BD001 BD021 BD031 BD061 BD081 BD101 EW046 FD027 FD178 FD319

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中nは1〜10の正数を表し、Rは、低級アルキル
    基が置換されていることもあるフェニル基を表す。)で
    示される有機リン酸エステル。
  2. 【請求項2】Rが、式(2) 【化2】 (式中、R、R、Rは、互いに独立に水素原子又
    は低級アルキル基を表す。)で示されることを特徴とす
    る請求項1記載の有機リン酸エステル。
  3. 【請求項3】低級アルキル基が、メチル、エチル、n−
    プロピル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルま
    たはペンチルであることを特徴とする請求項1または2
    記載の有機リン酸エステル。
  4. 【請求項4】エステル交換触媒の存在下に、2,5−ジ
    −tert−ブチルハイドロキノンと式(3) 【化3】 (式中、Rは、低級アルキル基が置換されていることも
    あるフェニル基を表す。)で示されるリン酸エステルと
    を反応させることを特徴とする請求項1記載の有機リン
    酸エステルの製造法。
  5. 【請求項5】Rが、式(2) 【化4】 (式中、R、R、Rは、互いに独立に水素原子又
    は低級アルキル基を表す。)で示されることを特徴とす
    る請求項4記載の有機リン酸エステルの製造法。
  6. 【請求項6】低級アルキル基が、メチル、エチル、n−
    プロピル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルま
    たはペンチルであることを特徴とする請求項4または5
    記載の有機リン酸エステルの製造法。
  7. 【請求項7】請求項1〜3いずれかに記載の有機リン酸
    エステルを有効成分とすることを特徴とする塩素含有樹
    脂用安定剤。
  8. 【請求項8】請求項1〜3いずれかに記載の有機リン酸
    エステルを含有してなることを特徴とする塩素含有樹脂
    組成物。
  9. 【請求項9】さらに、可塑剤、滑剤、有機リン酸エステ
    ル(1)以外の安定化剤、界面活性剤、防曇剤、防霧
    剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定化剤、充
    填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、ふきだし抑制剤、加工
    時の着色防止剤、着色剤からなる群より選ばれる少なく
    とも1種の添加剤を含有することを特徴とする請求項8
    記載の塩素含有樹脂組成物。
JP2001321201A 2001-09-12 2001-09-12 有機リン酸エステル、その製造法及びその用途 Pending JP2003081984A (ja)

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