JP2003081831A - TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤 - Google Patents

TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤

Info

Publication number
JP2003081831A
JP2003081831A JP2002184603A JP2002184603A JP2003081831A JP 2003081831 A JP2003081831 A JP 2003081831A JP 2002184603 A JP2002184603 A JP 2002184603A JP 2002184603 A JP2002184603 A JP 2002184603A JP 2003081831 A JP2003081831 A JP 2003081831A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
optionally substituted
tgf
heterocyclic group
superfamily
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002184603A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4422949B2 (ja
Inventor
Yasuo Sugiyama
泰雄 杉山
Masaaki Hasama
正聡 波佐間
Asae Shintani
麻江 新谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2002184603A priority Critical patent/JP4422949B2/ja
Publication of JP2003081831A publication Critical patent/JP2003081831A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4422949B2 publication Critical patent/JP4422949B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】自律神経異常、膀胱機能障害、聴覚障害、骨疾
患などの予防・治療剤として有用なTGF−βスーパー
ファミリー産生・分泌促進剤を提供する。 【解決手段】式 【化1】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
基を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
のプロドラッグを含有してなるTGF−βスーパーファ
ミリー産生・分泌促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自律神経異常、膀
胱機能障害、聴覚障害、骨疾患などの予防・治療剤とし
て有用なTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進
剤に関する。また、本発明は、神経新生薬、神経機能回
復薬、自律神経異常の予防・治療剤および膀胱機能障害
の予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】TGF−βスーパーファミリーは、成熟
分子内システインの特徴的な配置が保存されているタン
パク質群であり、様々な細胞、組織に対して多彩な作用
を及ぼすことが知られている。特に、種々の反射を担う
自律神経、種々の知覚・運動神経、モノアミン作動神
経、コリン作動神経、ギャバ作動神経、グルタミン酸作
動神経および種々のペプチド作動神経に対してその機能
に重要な働きを担っている。TGF−βスーパーファミ
リーの中でも、GDNF(グリア細胞由来神経栄養因
子、Glial cell line-derived neurotrophic factor)
やGDF(成長/分化因子、Growth/differentiation f
actor)−15は、種々の反射を担う自律神経機能、種
々の知覚・運動神経機能およびモノアミン作動神経機能
に重要な働きをしていることが知られている[ニューロ
ン(Neuron)、15、p.1465−1473、1
995;ネイチャー(Nature)403、p.312
−316、2000;ネイチャー(Nature)40
7、p.1011−1015、2000;ジャーナル オ
ブ ニューロサイエンス(J.Neurosci.)2
0、p.8597−8603、2000;ニューロリポー
ト(Neuroreport)9、p.2183−21
87,1998]。一方、本発明の活性成分である式
(I)で表される化合物は、WO01/14372にお
いて、ニューロトロフィン産生・分泌促進剤として記載
されている。しかしながら、該化合物がTGF−βスー
パーファミリー産生・分泌促進剤として用いられるとい
う報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自律
神経異常、膀胱機能障害、聴覚障害、骨疾患などの予防
・治療剤として有用なTGF−βスーパーファミリー産
生・分泌促進剤を提供することにある。本発明の別の目
的は、神経新生薬、神経機能回復薬、自律神経異常の予
防・治療剤および膀胱機能障害の予防・治療剤を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、TGF−
βスーパーファミリー産生・分泌促進剤を求めて、研究
した結果、式
【化7】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
基を示す。]で表される化合物が、意外にも優れたTG
F−βスーパーファミリー産生・分泌促進作用を有する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、 1)式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそ
のプロドラッグを含有してなるTGF−βスーパーファ
ミリー産生・分泌促進剤; 2)Rが置換されていてもよい複素環基である前記
1)記載の剤; 3)Rが置換されていてもよい5員の含窒素芳香族複
素環基である前記1)記載の剤; 4)Rが置換されていてもよいイミダゾリル基である
前記1)記載の剤; 5)Aが置換されていてもよいヒドロキシ基である前記
1)記載の剤; 6)Aが置換されていてもよいアリールオキシ基である
前記1)記載の剤; 7)Aが置換されていてもよいアルキル基で置換された
フェノキシ基である前記1)記載の剤; 8)Bが置換されていてもよいフェニル基である前記
1)記載の剤; 9)Xが酸素原子である前記1)記載の剤; 10)Yが2価の脂肪族炭化水素基である前記1)記載
の剤; 11)化合物が4−(4−クロロフェニル)−2−(2
−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチ
ルフェノキシ)プロピル]オキサゾールである前記1)
記載の剤; 12)TGF−βスーパーファミリーがGDNFである
前記1)記載の剤; 13)TGF−βスーパーファミリーがGDF−15で
ある前記1)記載の剤; 14)自律神経異常の予防・治療剤である前記1)記載
の剤; 15)膀胱機能障害の予防・治療剤である前記1)記載
の剤; 16)式(I)で表される化合物もしくはその塩または
そのプロドラッグを含有してなる神経新生薬; 17)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬
を含有してなる神経機能回復薬; 18)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬
を含有してなる自律神経異常の予防・治療剤; 19)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬
を含有してなる膀胱機能障害の予防・治療剤; 20)式(I)で表される化合物もしくはその塩または
そのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とす
る、該哺乳動物におけるTGF−βスーパーファミリー
の産生および/または分泌促進方法; 21)式(I)で表される化合物もしくはその塩または
そのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とす
る、該哺乳動物における神経新生方法; 22)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬
を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物に
おける神経機能回復方法; 23)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬
を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物に
おける自律神経異常の予防および/または治療方法; 24)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬
を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物に
おける膀胱機能障害の予防および/または治療方法; 25)TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤
を製造するための、式(I)で表される化合物もしくは
その塩またはそのプロドラッグの使用; 26)神経新生薬を製造するための、式(I)で表され
る化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使
用; 27)神経機能回復薬を製造するための、TGF−βス
ーパーファミリー産生・分泌促進薬の使用; 28)自律神経異常の予防・治療剤を製造するための、
TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の使
用; 29)膀胱機能障害の予防・治療剤を製造するための、
TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の使
用;などに関する。
【0005】式(I)中、RまたはAで示される「置
換されていてもよい複素環基」における複素環基として
は、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、酸素原
子および硫黄原子から選ばれる1ないし4個の原子を含
む5または6員環またはその縮合環が挙げられる。縮合
環としては、例えばこのような5または6員環と、1ま
たは2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1
個の硫黄原子を含む5員環との縮合環が挙げられる。
【0006】複素環基の具体例としては、例えばピリジ
ル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル
等)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、5−ピリ
ミジニル、6−ピリミジニル等)、ピリダジニル(例、
3−ピリダジニル、4−ピリダジニル等)、ピラジニル
(例、2−ピラジニル等)、ピロリル(例、1−ピロリ
ル、2−ピロリル等)、イミダゾリル(例、1−イミダ
ゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イ
ミダゾリル等)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3
−ピラゾリル、4−ピラゾリル等)、イソオキサゾリ
ル、イソチアゾリル、チアゾリル(例、2−チアゾリ
ル、4−チアゾリル、5−チアゾリル等)、オキサゾリ
ル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オ
キサゾリル等)、1,2,4−オキサジアゾリル(例、
1,2,4−オキサジアゾール−5−イル等)、1,2,
4−トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−
イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル等)、1,
2,3−トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−
2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル等)、テ
トラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾー
ル−5−イル等)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイ
ミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル
等)、インドリル(例、インドール−1−イル、インド
ール−3−イル等)、1H−インダゾリル(例、1H−
インダゾール−1−イル等)、1H−ピロロ〔2,3−
b〕ピラジニル(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラ
ジン−1−イル等)、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリ
ジル(例、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−1−
イル等)、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジル
(例、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−1−イ
ル等)、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジル(例、
1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−1−イル
等)、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジニル(例、
1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−1−イル
等)、ベンズトリアゾリルなどの芳香族複素環基;およ
びピロリジニル(例、1−ピロリジニル等)、ピペリジ
ル(例、1−ピペリジル等)、モルホリニル(例、モル
ホリン−4−イル等)、チオモルホリニル(例、チオモ
ルホリン−4−イル等)、ピペラジニル(例、1−ピペ
ラジニル等)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメ
チレンイミン−1−イル等)、オキサゾリジニル(例、
オキサゾリジン−3−イル等)、チアゾリジニル(例、
チアゾリジン−3−イル、チアゾリジン−2−イル
等)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−3−イ
ル等)、イミダゾリニル(例、イミダゾリン−1−イ
ル、イミダゾリン−2−イル等)、オキサゾリニル
(例、オキサゾリン−2−イル等)、チアゾリニル
(例、チアゾリン−2−イル等)、オキサジニル(例、
オキサジン−2−イル等)等の非芳香族複素環基等が挙
げられる。なかでも、アゾリル基(例えば、ピロリル、
イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチ
アゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、1,2,4−オキ
サジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−ト
リアゾリル、テトラゾリル等)、アゾリニル基(例え
ば、イミダゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル
等)、アゾリジニル基(例えば、ピロリジニル、オキサ
ゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル等)な
どが好ましい。
【0007】RまたはAで示される複素環基は、置換
可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよ
い。このような置換基としては、例えばオキソ基、脂肪
族炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基、芳香族
複素環基、非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ
基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていても
よいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置
換されていてもよいチオール基、エステル化もしくはア
ミド化されていてもよいカルボキシ基などが挙げられ
る。
【0008】オキソ基で置換された複素環基としては、
例えば1または2個のオキソ基で置換されたアゾリジニ
ル基などが挙げられ、その具体例としては、例えば2−
オキソイミダゾリジニル(例えば、2−オキソイミダゾ
リジン−1−イル等)、2,4−ジオキソイミダゾリジ
ニル(例えば、2,4−ジオキソイミダゾリジン−3−
イル等)、2,4−ジオキソオキサゾリジニル(例え
ば、2,4−ジオキソオキサゾリジン−3−イル等)ま
たは2,4−ジオキソチアゾリジニル(例えば、2,4
−ジオキソチアゾリジン−3−イル等)などが挙げられ
る。
【0009】該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜
15の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、例えば
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ
る。アルキル基の好適な例としては、炭素数1〜10の
アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペン
チル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、
1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,
3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。アルケニル
基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルケニル
基、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロ
ペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、
2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニ
ル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−
ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メ
チル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニ
ル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル
などが挙げられる。アルキニル基の好適な例としては、
炭素数2〜10のアルキニル基、例えばエチニル、1−
プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチ
ニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニ
ル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニ
ル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニ
ル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。
【0010】該脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜
12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジ
エニル基などが挙げられる。シクロアルキル基の好適な
例としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基、例え
ばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシ
クロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オク
チル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.
2.2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシク
ロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシルな
どが挙げられる。シクロアルケニル基の好適な例として
は、炭素数3〜10のシクロアルケニル基、例えば2−
シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−
イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキ
セン−1−イルなどが挙げられる。シクロアルカジエニ
ル基の好適な例としては、炭素数4〜10のシクロアル
カジエニル基、例えば2,4−シクロペンタジエン−1
−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5
−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。ア
リール基とは、単環式または縮合多環式芳香族炭化水素
基を意味し、好適な例としては炭素数6〜14のアリー
ル基、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナ
ントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかでも
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好まし
い。
【0011】芳香族複素環基の好適な例としては、例え
ばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,
4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、
フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4-チ
アジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−
トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニ
ル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えば
ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チ
エニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾ
リル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,
2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,
2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリ
ル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリ
ニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニ
ル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カル
ボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アク
リジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェ
ナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェ
ナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピ
ロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−
a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミ
ダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピ
リダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,
2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−
トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮
合複素環基などが挙げられる。
【0012】非芳香族複素環基の好適な例としては、例
えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエ
タニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジ
ル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホ
リニル、ピペラジニル、ピロリジニルなどが挙げられ
る。ハロゲン原子の例としてはフッ素、塩素、臭素およ
びヨウ素があげられ、とりわけフッ素および塩素が好ま
しい。置換されていてもよいアミノ基としては、例えば
ヒドロキシで置換されていてもよい炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜
10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアシル基
(例、ホルミル、C1− アルキル−カルボニル等)、
炭素数6〜12の芳香族基(例、フェニルなどのC
6−12アリール等)、炭素数7〜10のアラルキル基
(例、ベンジル等)等から選ばれる置換基でモノまたは
ジ置換されていてもよいアミノ基(−NH基)が挙げ
られる。置換されたアミノ基としては、例えばメチルア
ミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシル
アミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾ
イルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニ
ルアミノ、N−メチル−N−ベンジルアミノ、N−メチ
ル−N−ヒドロキシエチルアミノ等が挙げられる。
【0013】置換されていてもよいアシル基におけるア
シル基としては、炭素数1〜13のアシル基、具体的に
はホルミルの他、例えば炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10の
アルケニル基、炭素数3ないし10のシクロアルケニル
基または炭素数6〜12の芳香族基(例、フェニルなど
のC6−12アリール基等)とカルボニル基とが結合し
た基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブ
チリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサ
ノイル、ヘプタノイル、オクタノイルなどのC1−10
アルキル−カルボニル基;シクロブタンカルボニル、シ
クロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、
シクロヘプタンカルボニルなどのC3−10シクロアル
キル−カルボニル基;クロトニルなどのC2−10アル
ケニル−カルボニル基;2−シクロヘキセンカルボニル
などのC3−10シクロアルケニル−カルボニル基;ベ
ンゾイル、ニコチノイルなどのC6−12アリールカル
ボニル基等);ホスホノ基などが挙げられる。置換され
たアシル基における置換基としては、例えば炭素数1〜
3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲ
ン原子(例、塩素,フッ素,臭素など)、ニトロ基、ヒ
ドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
【0014】置換されていてもよいヒドロキシ基におい
て、置換されたヒドロキシ基としては、例えばハロゲン
化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミ
ノ基(例、トリフルオロアセチルアミノ等)で置換され
ていてもよいアルコキシ基;アルケニルオキシ基;シク
ロアルキルオキシ基; シクロアルケニルオキシ基;ア
ラルキルオキシ基;アシルオキシ基;置換されていても
よいアリールオキシ基;アルキルスルホニルオキシ基;
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていて
もよいアリールスルホニルオキシ基;インダニルオキシ
基;1ないし4個のC1−6アルキル基(例、メチル
等)で置換されていてもよいテトラヒドロナフトキシ基
等が挙げられる。アルコキシ基の好適な例としては、炭
素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、sec.−ブトキシ、t.−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ等が挙げられ
る。アルケニルオキシ基の好適な例としては、炭素数2
〜10のアルケニルオキシ基、例えばアリル(allyl)
オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−
ヘキセニルオキシ等が挙げられる。シクロアルキルオキ
シ基の好適な例としては、炭素数3〜7のシクロアルキ
ルオキシ基、例えばシクロブトキシ、シクロペンチルオ
キシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。シクロア
ルケニルオキシ基の好適な例としては、炭素数5〜7の
シクロアルケニルオキシ基、例えば2−シクロペンテニ
ルオキシ、2−シクロヘキセニルオキシ等が挙げられ
る。アラルキルオキシ基の好適な例としては、炭素数7
〜10のアラルキルオキシ基、例えばフェニル−C
1−4アルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネ
チルオキシなど)等が挙げられる。アシルオキシ基の好
適な例としては、炭素数2〜13のアシルオキシ基、さ
らに好ましくは炭素数2〜4のアルカノイルオキシ基
(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリル
オキシ、イソブチリルオキシなど)等が挙げられる。
【0015】「置換されていてもよいアリールオキシ
基」におけるアリールオキシ基の好適な例としては、炭
素数6〜14のアリールオキシ基、例えばフェノキシ、
ナフチルオキシ等が挙げられる。該アリールオキシ基
(好ましくはフェノキシ基)は、1ないし3個(好まし
くは1ないし2個)の置換基を有していてもよく、この
ような置換基としては、例えばハロゲン原子(例、塩
素,フッ素,臭素など);ハロゲン化されていてもよい
炭素数1〜4のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキ
シ等);ヒドロキシ基、カルボキシル基、C1−6アル
コキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル等)ま
たはシアノ基で置換されていてもよい炭素数1〜4のア
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、t.−ブチル等);シアノ基;
カルボキシル基;ヒドロキシ基;C6−14アリールオ
キシ基(例、フェノキシ等);C1−6アルコキシ−カ
ルボニル基(例、メトキシカルボニル等);C1−6
ルキルスルファニル基(例、メチルスルファニル等);
−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチル
オキシ等)等が挙げられる。置換されたアリールオキシ
基としては、例えば2−,3−または4−クロロフェノ
キシ;2−,3−または4−メトキシフェノキシ;2
−,3−または4−メチルフェノキシ;2−,3−また
は4−シアノフェノキシ;2−,3−または4−ヒドロ
キシフェノキシ;等が挙げられる。アルキルスルホニル
オキシ基の好適な例としては、炭素数1〜10のアルキ
ルスルホニルオキシ基、例えばメチルスルホニルオキ
シ、エチルスルホニルオキシ等が挙げられる。C1−6
アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよいア
リールスルホニルオキシ基の好適な例としては、C
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていても
よい炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基、例
えばフェニルスルホニルオキシ、4−メチルフェニルス
ルホニルオキシ等が挙げられる。
【0016】置換されていてもよいチオール基(置換さ
れていてもよいメルカプト基)において、置換されたチ
オール基としては、例えばヒドロキシ基で置換されてい
てもよいアルキルスルファニル基;シクロアルキルスル
ファニル基;C1−6アルキル基(例、メチル等)で置
換されていてもよいアリールスルファニル基;ヘテロア
リールスルファニル基;アラルキルスルファニル基;ヘ
テロアリールアルキルスルファニル基;アシルスルファ
ニル基などが挙げられる。アルキルスルファニル基の好
適な例としては、炭素数1〜10のアルキルスルファニ
ル基(例、メチルスルファニル、エチルスルファニル、
プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ブ
チルスルファニル、イソブチルスルファニル、sec.−ブ
チルスルファニル、t.−ブチルスルファニル、ペンチル
スルファニル、イソペンチルスルファニル、ネオペンチ
ルスルファニル、ヘキシルスルファニル、ヘプチルスル
ファニル、ノニルスルファニルなど)等が挙げられる。
シクロアルキルスルファニル基の好適な例としては、炭
素数3〜7のシクロアルキルスルファニル基(例、シク
ロブチルスルファニル、シクロペンチルスルファニル、
シクロヘキシルスルファニルなど)等が挙げられる。C
1−6アルキル基で置換されていてもよいアリールスル
ファニル基の好適な例としては、C1−6アルキル基で
置換されていてもよい炭素数6〜14のアリールスルフ
ァニル基、例えばフェニルスルファニル、ナフチルスル
ファニル、4−メチルフェニルスルファニル等が挙げら
れる。ヘテロアリールスルファニル基としては、例えば
前記した芳香族複素環基により置換されたチオール基が
挙げられ、なかでも2−ピリジルスルファニル、3−ピ
リジルスルファニル、2−イミダゾリルスルファニル、
1,2,4−トリアゾール−5−イルスルファニル、2−
ピリミジニルスルファニル等が好ましい。アラルキルス
ルファニル基の好適な例としては、炭素数7〜10のア
ラルキルスルファニル基、例えばフェニル−C1−4
ルキルスルファニル基(例、ベンジルスルファニル、フ
ェネチルスルファニルなど)等が挙げられる。ヘテロア
リールアルキルスルファニル基としては、例えば前記し
た芳香族複素環基により置換されたアルキルスルファニ
ル基が挙げられる。ここにおいて、アルキルスルファニ
ル基は前記アルキルスルファニル基と同様のものが挙げ
られる。ヘテロアリールアルキルスルファニル基の好適
な例としては、ピリジル−C −4アルキルスルファニ
ル基(例、2−ピリジルメチルスルファニル、3−ピリ
ジルメチルスルファニル等)等が挙げられる。アシルス
ルファニル基の好適な例としては、炭素数2〜13のア
シルスルファニル基、さらに好ましくは炭素数2〜4の
アルカノイルスルファニル基(例、アセチルスルファニ
ル、プロピオニルスルファニル、ブチリルスルファニ
ル、イソブチリルスルファニルなど)等が挙げられる。
【0017】エステル化もしくはアミド化されていても
よいカルボキシ基において、エステル化されたカルボキ
シ基としては、例えばアルコキシカルボニル基、アラル
キルオキシカルボニル基、C1−6アルキル基で置換さ
れていてもよいアリールオキシカルボニル基、ヘテロア
リールアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。ア
ルコキシカルボニル基の好適な例としては、炭素数2〜
5のアルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニ
ル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,ブト
キシカルボニルなどのC1−4アルコキシ−カルボニル
基等が挙げられる。アラルキルオキシカルボニル基の好
適な例としては、炭素数8〜10のアラルキルオキシカ
ルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニルなどのC
7−9アラルキルオキシ−カルボニル基等が挙げられ
る。C1−6アルキル基で置換されていてもよいアリー
ルオキシカルボニル基の好適な例としては、C1−6
ルキル基で置換されていてもよい炭素数7〜15のアリ
ールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニ
ル,p−トリルオキシカルボニルなどのC6−14アリ
ールオキシ−カルボニル基等が挙げられる。ヘテロアリ
ールアルキルオキシカルボニル基としては、例えば前記
した芳香族複素環基により置換されたアルキルオキシカ
ルボニル基が挙げられる。ここにおいて、アルキルオキ
シカルボニル基は前記アルコキシカルボニル基と同様の
ものが挙げられる。ヘテロアリールアルキルオキシカル
ボニル基の好適な例としては、ピリジル−C1−4アル
コキシ−カルボニル基(例、2−ピリジルメトキシカル
ボニル、3−ピリジルメトキシカルボニル等)等が挙げ
られる。
【0018】エステル化もしくはアミド化されていても
よいカルボキシル基において、アミド化されたカルボキ
シル基としては、式:−CON(R)(R) 〔式中、RおよびRは同一または異なって、水素原
子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていて
もよいヒドロキシ基または置換されていてもよい複素環
基を示す〕で表される基などが挙げられる。ここにおい
て、RまたはRで示される置換されていてもよい炭
化水素基における炭化水素基としては、RまたはAで
示される複素環基の置換基として例示した脂肪族炭化水
素基、脂環式炭化水素基、アリール基等が挙げられる。
またはRで示される置換されていてもよいヒドロ
キシ基としては、前記と同様のものが挙げられる。ま
た、RまたはRで示される置換されていてもよい複
素環基における複素環基としては、RまたはAで示さ
れる複素環基の置換基として例示した芳香族複素環基な
どが挙げられる。RまたはRで示される「置換され
ていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよ
い複素環基」における置換基としては、ハロゲン原子
(例、塩素,フッ素,臭素.ヨウ素など)、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等から選
ばれる1〜3個の置換基が挙げられる。
【0019】式(I)中、RまたはAで示される複素
環基上の置換基は、それらが脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基,アリール基,芳香族複素環基,非芳香族複
素環基などを含む置換基であるときは、さらにそれぞれ
適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個有してい
てもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン
化されていてもよく、カルボキシル基、炭素数2〜8の
アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基およびハロゲン
化されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基から選
ばれた置換基で置換されていてもよい炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6
のアルキニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭
素数6〜14のアリール基(例、フェニル,ナフチルな
ど)、芳香族複素環基(例、チエニル,フリル,ピリジ
ル,オキサゾリル,チアゾリルなど)、非芳香族複素環
基(例、テトラヒドロフリル,モルホリニル,チオモル
ホリニル,ピペリジル,ピロリジニル,ピペラジニルな
ど)、炭素数7〜9のアラルキル基(例、ベンジルな
ど)、アミノ基、N−モノ(C1−4)アルキルアミノ
基、N,N−ジ(C1−4)アルキルアミノ基、炭素数
2〜8のアシルアミノ基(例、アセチルアミノ,プロピ
オニルアミノなどのC1−7アルキル−カルボニルアミ
ノ;ベンゾイルアミノなど)、アミジノ基、炭素数2〜
8のアシル基(例、アセチルなどのC1−7アルキル−
カルボニルなど)、カルバモイル基、N−モノ(C
1−4)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C
1−4)アルキルカルバモイル基、スルファモイル基、
N−モノ(C1−4)アルキルスルファモイル基、N,
N−ジ(C1−4)アルキルスルファモイル基、カルボ
キシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ヒ
ドロキシ基、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜4
のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、
炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、炭素数7〜9
のアラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシなど)、炭
素数6〜14のアリールオキシ基(例、フェニルオキ
シ,ナフチルオキシなど)、メルカプト基、ハロゲン化
されていてもよい炭素数1〜4のアルキルスルファニル
基、炭素数7〜9のアラルキルスルファニル基(例、ベ
ンジルスルファニルなど)、炭素数6〜14のアリール
スルファニル基(例、フェニルスルファニル,ナフチル
スルファニルなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、
ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子(例、フッ素,塩
素,臭素,ヨウ素)などが挙げられる。
【0020】式(I)中、Rで示されるハロゲン原
子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されてい
てもよいチオール基、置換されていてもよいアミノ基と
しては、RまたはAで示される複素環基における置換
基として例示したものなどが挙げられる。式(I)中、
は好ましくは置換されていてもよい複素環基であ
る。Rとしては、置換されていてもよい含窒素複素環
基が好ましく、また、置換されていてもよい芳香族複素
環基が好ましい。なかでも、Rとしては、置換されて
いてもよい5員の含窒素芳香族複素環基が好ましく、と
りわけ、置換されていてもよいイミダゾリル基が好まし
い。
【0021】式(I)中、Aで示される置換されていて
もよいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、
エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキ
シ基としては、RまたはAで示される複素環基におけ
る置換基として例示したものなどが挙げられる。式
(I)中、Aは好ましくは置換されていてもよいヒドロ
キシ基である。なかでも、Aとしては置換されていても
よいアリールオキシ基が好ましく、とりわけ、置換され
ていてもよいアルキル基で置換されていてもよいフェノ
キシ基(好ましくは、アルキル基で置換されていてもよ
いフェノキシ基)が好ましい。Aは、特に好ましくは炭
素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェノ
キシ基である。
【0022】式(I)中、Bで示される置換されていて
もよい芳香族基における芳香族基としては、例えば芳香
族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。芳香族
炭化水素基の好適な例としては、炭素数6〜14の芳香
族炭化水素基、例えばC6−14アリール基(例、フェ
ニル、ナフチル)等が挙げられる。芳香族複素環基の好
適な例としては、RまたはAで示される複素環基にお
ける置換基として例示したものが挙げられ、なかでも、
フリル、チエニル、ピリジル、キノリル等が好ましい。
Bで示される置換されていてもよい芳香族基における置
換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されてい
てもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアル
キル基等から選ばれる1〜3個の置換基が挙げられる。
ここにおいて、ハロゲン原子としては、例えばフッ素,
塩素,臭素,ヨウ素等が挙げられる。置換されていても
よいアルコキシ基におけるアルコキシ基としては、R
またはAで示される複素環基における置換基として例示
したものが挙げられ、なかでも、炭素数1〜6の直鎖も
しくは分枝状のアルコキシ基が好ましい。置換されてい
てもよいアルキル基におけるアルキル基としては、R
またはAで示される複素環基における置換基として例示
したものが挙げられ、なかでも、炭素数1〜6の直鎖も
しくは分枝状のアルキル基が好ましい。置換されていて
もよいシクロアルキル基におけるシクロアルキル基とし
ては、RまたはAで示される複素環基における置換基
として例示したものが挙げられ、なかでも、炭素数3〜
7のシクロアルキル基が好ましい。前記した置換されて
いてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキ
ル基および置換されていてもよいシクロアルキル基にお
ける置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ
素,塩素,臭素,ヨウ素)、ヒドロキシ基、炭素数1〜
6のアルコキシ基等から選ばれる1〜3個の置換基が挙
げられる。置換されたアルコキシ基としては、例えばト
リフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−
トリフルオロエトキシ、1,1−ジフルオロエトキシ等
が挙げられる。置換されたアルキル基としては、例えば
トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−ト
リフルオロエチル、トリクロロメチル、1−ヒドロキシ
メチル、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキ
シエチル、2,2−ジメトキシエチル等が挙げられる。
式(I)中、Bは、好ましくは置換されていてもよい芳
香族炭化水素基であり、さらに好ましくは置換されてい
てもよいフェニル基である。Bは、特に好ましくはハロ
ゲン原子(好ましくは塩素)で置換されていてもよいフ
ェニル基である。
【0023】式(I)中、Xは酸素原子、硫黄原子また
は置換されていてもよい窒素原子を示す。Xで示される
置換されていてもよい窒素原子としては、例えば、−N
−(式中、Rは水素原子、置換されていてもよい
炭化水素基、置換されていてもよいアシル基または置換
されていてもよい複素環基を示す)などが挙げられる。
ここで、Rで示される置換されていてもよい炭化水素
基としては、前記R5として例示したものが挙げられ
る。Rで示される置換されていてもよいアシル基とし
ては、RまたはAで示される複素環基の置換基として
例示したものが挙げられる。Rで示される置換されて
いてもよい複素環基としては、RまたはAで示される
置換されていてもよい複素環基と同様のものが挙げられ
る。Rは、好ましくは水素原子、置換されていてもよ
い炭化水素基など、さらに好ましくは水素原子、置換さ
れていてもよいアルキル基などであり、とりわけ、水素
原子、低級(C1−4)アルキル基などが好ましい。X
は、好ましくは酸素原子または硫黄原子であり、さらに
好ましくは酸素原子である。
【0024】式(I)中、Yで示される2価の炭化水素
基としては、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭
化水素基、2価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
Yで示される2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝
状のいずれでもよく、また飽和、不飽和のいずれでもよ
い。該脂肪族炭化水素基としては、RまたはAで示さ
れる複素環基における置換基として例示した脂肪族炭化
水素基から水素原子1個を除去して形成される2価の基
などが挙げられ、なかでも、炭素数1〜7のものが好ま
しく、その具体例としては、例えば−CH−,−CH
(CH)−,−(CH−,−CH(C
−,−(CH−,−(CH −,−(C
−,−(CH−,−(CH−等の
飽和のもの(例、アルキレン基)、例えば−CH=CH
−,−C(CH)=CH−,−CH=CH−CH
−,−C(C)=CH−,−CH−CH=C
H−CH−,−CH−CH−CH=CH−CH
−,−CH=CH−CH=CH−CH−,−CH=C
H−CH=CH−CH=CH−CH−等の不飽和のも
の(例、アルケニレン基、アルカジエニレン基、アルカ
トリエニレン基)が挙げられる。Yで示される2価の脂
肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜4の2価の脂
肪族炭化水素基であり、さらに飽和であることが好まし
い。Yで示される2価の脂環式炭化水素基としては、R
またはAで示される複素環基における置換基として例
示した脂環式炭化水素基から水素原子1個を除去して形
成される2価の基などが挙げられる。Yで示される2価
の芳香族炭化水素基としては、RまたはAで示される
複素環基における置換基として例示したアリール基から
水素原子1個を除去して形成される2価の基などが挙げ
られる。式(I)中、Yで示される2価の複素環基とし
ては、2価の芳香族複素環基、2価の非芳香族炭化水素
基などが挙げられる。Yで示される2価の芳香族複素環
基としては、RまたはAで示される複素環基における
置換基として例示した芳香族複素環基から水素原子1個
を除去して形成される2価の基などが挙げられる。Yで
示される2価の非芳香族炭化水素基としては、Rまた
はAで示される複素環基における置換基として例示した
非芳香族炭化水素基から水素原子1個を除去して形成さ
れる2価の基などが挙げられる。式(I)中、Yは好ま
しくは2価の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましく
はアルキレン基(好ましくはC1−4アルキレン基)で
ある。Yの好ましい具体例としては、−(CH
または−(CH−が挙げられる。
【0025】式(I)で表される化合物〔以下、化合物
(I)と略記することがある〕としては、以下のような
化合物が好ましい。 (1)式(I)において、Rが置換されていてもよい
複素環基で、例えばその複素環基が、(i)環構成原子
として炭素以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子か
ら選ばれる1ないし4個の原子を含む5または6員環、
または(ii)このような5または6員環と、1または2
個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の窒
素原子を含む5員環との縮合環(さらに好ましくは、ア
ゾリル基)である化合物。 (2)式(I)において、Aが置換されていてもよいヒ
ドロキシ基、さらに好ましくは(i)ヒドロキシ基、(i
i)C1−10アルコキシ基、(iii)C2−10アルケ
ニルオキシ基、(iv)C7−10アラルキルオキシ基、
(v)C2−13アシルオキシ基、(vi)1ないし3個
のハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−4
ルコキシ基で置換されていてもよいC6−14アリール
オキシ基または(vii)C1−10アルキルスルホニル
オキシ基である化合物。 (3)式(I)において、Yが炭素数1〜7の2価の脂
肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数2〜4
の2価の脂肪族炭化水素基である化合物。
【0026】(4)式(I)において、Rが(i)ハロ
ゲン原子、(ii)C1−10アルキル基、C6−14
リール基およびC1−10アルキルスルファニル基から
選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいイミ
ダゾリル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、
1,2,3−トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ピロ
リジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはヘキサメ
チレンイミニル基、(iii)C1−10アルコキシ基、
(iv)C6−14アリールオキシ基、(v)C1− 10
アルキルスルファニル基、(vi)C1−6アルキル基で
置換されていてもよいC6−14アリールスルファニル
基、(vii)C1−6アルキル基またはC −14アリ
ール基で置換されていてもよいイミダゾリル、1,2,
3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルまたはピ
リジルで置換されたチオール基、(viii)ピリジル−C
1−4アルキルスルファニル基、または(ix)1または
2個のC1−10アルキル基またはC3−10シクロア
ルキル基で置換されていてもよいアミノ基;Aが(i)
ホルミル基、(ii)C1−10アルキル基で置換されて
いてもよいイミダゾリル、ピラゾリル、1,2,4−ト
リアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、チアゾリジニ
ル、オキサゾリニル、チアゾリニル、2,4−ジオキソ
イミダゾリジニル、2,4−ジオキソオキサゾリジニル
または2,4−ジオキソチアゾリジニル基、(iii)ヒ
ドロキシ基、(iv)ハロゲン原子、C1−6アルキル基
またはC1−4アルコキシ基で置換されていてもよいC
6−14アリールオキシ基、(v)C1−10アルキル
スルホニルオキシ基、(vi)C1−4アルコキシ−カル
ボニル基、(vii)C7−9アラルキルオキシ−カルボ
ニル基、または(viii)式:−CON(R)(R)〔式
中、RおよびRはそれぞれ水素原子、またはC
1−10アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されて
いてもよいC −10アルキル基を示す〕で表される
基;Bがハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル
基;およびYが−(CH−、−(CH−、
−(CH−、−(CH−または−(C
−である化合物。
【0027】(5)式(I)において、Rが置換され
ていてもよい複素環基;Aが置換されていてもよいヒド
ロキシ基;およびYが炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化
水素基である化合物。 (6)前記(5)において、Rで表される複素環基がア
ゾリル基(例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、
オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,
2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリルまた
はテトラゾリル基)である化合物。 (7)前記(5)において、RがC1−10アルキル
基、C6−14アリール基およびC1−10アルキルス
ルファニル基から選ばれる1ないし3個の置換基を有し
ていてもよいアゾリル基(例えば、イミダゾリル、ピラ
ゾリル、1,2,4−トリアゾリルまたは1,2,3−
トリアゾリル基など)である化合物。 (8)前記(5)において、Aが(i)ヒドロキシ基、(i
i)C1−10アルコキシ基、(iii)C2−10アルケ
ニルオキシ基、(iv)C7−10アラルキルオキシ基、
(v)C2−13アシルオキシ基、(vi)1ないし3個
のハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−4
ルコキシ基で置換されていてもよいC −14アリール
オキシ基または(vii)C1−10アルキルスルホニル
オキシ基で、さらに好ましくは、1ないし3個のハロゲ
ン原子、C1−6アルキル基またはC1−4アルコキシ
基で置換されていてもよいC6−14アリールオキシ基
である化合物。 (9)前記(5)において、Bが置換されていてもよいフ
ェニル基で、さらに好ましくは、ハロゲン原子で置換さ
れていてもよいフェニル基である化合物。(10)前記
(5)において、Yが炭素数3〜5の2価の脂肪族炭化水
素基で、さらに好ましくは、−(CH−、−(C
−または−(CH−である化合物。
【0028】(11)式(I)において、Aがアルキル
で置換されたアリールオキシ基、好ましくは、炭素数1
〜4のアルキル基で置換された炭素数6〜14のアリー
ルオキシ基(好ましくはフェノキシ)、さらに好ましく
は式:
【化8】 [式中、C1−4 alkylはメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピルなどを、好ましくはメチルなどを示
す。]で示される基;Rが置換されていてもよい5員
の含窒素芳香族複素環基、好ましくは置換されていても
よいイミダゾリル基、さらに好ましくはC1−10アル
キル基で置換されていてもよいイミダゾリル基、特に好
ましくは式:
【化9】 [式中、C1−10 alkylはメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど
を;好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ルなどのC1−4アルキル基を;さらに好ましくはメチ
ルなどを示す。]で示される基;Bが置換されていても
よいフェニル基、好ましくはハロゲン原子で置換されて
いてもよいフェニル基、さらに好ましくは式:
【化10】 [式中、Halはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロ
ゲン原子を、好ましくは塩素を示す。]で示される基;
Yが2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4
の2価の脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは−CH
−,−(CH−,−(CH−,−(C
−などのC1−4アルキレン基、特に好ましく
は−(CH−である化合物。 (12)4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチ
ル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾールプロパノー
ルまたはその塩、4−(4−クロロフェニル)−2−
(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾール
ブタノールまたはその塩、4−(4−クロロフェニル)
−5−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]−2−
(2−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾールまたは
その塩、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチ
ル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾールペンタノー
ルまたはその塩、または4−(4−クロロフェニル)−
5−[4−(1−イミダゾリル)ブチル]−2−(2−
メチル−1−イミダゾリル)オキサゾールまたはその塩
である化合物。
【0029】式(I)で表される化合物の好ましい具体
例としては、例えば以下に示す化合物(1)〜(7)な
どが挙げられる。 (1)4−(4−クロロフェニル)−5−[3−(2−
メトキシフェノキシ)プロピル]−2−(2−メチル−
1−イミダゾリル)オキサゾール (2)3−[3−[4−(4−クロロフェニル)−2−
(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−オキサゾリ
ル]プロピル]−1−メチル−2,4−イミダゾリジン
ジオン (3)4−(4−クロロフェニル)−5−[3−(3−
メトキシフェノキシ)プロピル]−2−(2−メチル−
1−イミダゾリル)オキサゾール (4)4−(4−クロロフェニル)−5−[3−(4−
メトキシフェノキシ)プロピル]−2−(2−メチル−
1−イミダゾリル)オキサゾール (5)4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル
−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノ
キシ)プロピル]オキサゾール (6)4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル
−1−イミダゾリル)−5−[3−(3−メチルフェノ
キシ)プロピル]オキサゾール (7)5−[3−(4−クロロ−2−メチルフェノキ
シ)プロピル]4−(4−クロロフェニル)−2−(2
−メチル−1−イミダゾリル)オキサゾール これら化合物を、以下、単に化合物(1)、化合物
(2)などと略記することがある。
【0030】化合物(I)の塩としては、薬学的に許容
される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基
との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸
性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の
好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩な
どのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩な
どのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、ア
ンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適
な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどと
の塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、
例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの
塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例
えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュ
ウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リン
ゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トル
エンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ
酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジ
ン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸
との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グ
ルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0031】化合物(I)またはその塩は、自体公知の
方法により製造することができる。このような方法とし
ては、例えばWO 01/14372、特開昭58−1
83676(EP−A 92239)、特開昭59−1
90979、特開平9−323983(WO 97/3
6882)などに記載された方法あるいはこれに準ずる
方法などが挙げられる。
【0032】本発明の化合物(I)またはその塩は、水
和物であってもよい。本発明の化合物(I)は、プロド
ラッグとして用いてもよく、ここで、化合物(I)のプ
ロドラッグとは、生体内における生理条件下で酵素や胃
酸等による反応により化合物(I)またはその塩に変換
する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等
を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等によ
り加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合
物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合
物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化
された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイ
コサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル
化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラ
ニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル
化、tert−ブチル化された化合物など)、化合物
(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほ
う酸化された化合物(例えば、化合物(I)の水酸基が
アセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロ
イル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメ
チルアミノメチルカルボニル化された化合物など)、あ
るいは、化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、
アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボ
キシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カ
ルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエス
テル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシ
カルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステ
ル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレ
ン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキ
シカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された
化合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公
知の方法によって化合物(I)から製造することができ
る。また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1
990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁か
ら198頁に記載されているような、生理的条件で化合
物(I)に変化するものであってもよい。また、化合物
(I)は同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで
標識されていてもよい。
【0033】化合物(I)もしくはその塩またはそのプ
ロドラッグ(以下、単に本発明化合物と略記することが
ある)は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、
ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル
等)に対して、安全に投与することができる。本発明に
おいて、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進
剤におけるTGF−βスーパーファミリーとは、成熟分
子内のシステインの配置が特徴的な構造を有し、様々な
細胞や組織に対して多彩な作用を及ぼすことが知られて
いるタンパク質群を意味し、その具体例としては、TG
F−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP(骨形
成因子、Bone Morphogenetic Protein)−2、BMP−
3、BMP−4、BMP−5、BMP−6,BMP−
7、BMP−8A、BMP−8B、BMP−14(GD
F−5)、GDNF(グリア細胞由来神経栄養因子、Gl
ial cell line-derived neurotrophic factor)、neurt
urin, artemin, persephin, GDF−1,GDF−8、
GDF(成長/分化因子、Growth/differentiation fact
or)−15、inhibin α、inhibin β、DAF(dauer fo
rmation)7などが挙げられる。TGF−βスーパーファ
ミリーは、好ましくはGDNF、GDF−15などであ
る。また、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促
進剤とは、生体内におけるTGF−βスーパーファミリ
ーの産生および/または分泌能を活性化し、TGF−β
スーパーファミリーの産生および/または分泌を促進す
ることによって、生体内におけるTGF−βスーパーフ
ァミリーの量を増加させる薬剤を意味する。例えば、生
体内におけるTGF−βスーパーファミリーの産生およ
び/または分泌能に異常が生じているために、生体内に
TGF−βスーパーファミリーが存在しない場合におい
て、生体内のTGF−βスーパーファミリーを産生およ
び/または分泌させる薬剤も、本発明のTGF−βスー
パーファミリー産生・分泌促進剤に含まれる。
【0034】本発明のTGF−βスーパーファミリー産
生・分泌促進剤(以下、本発明の剤と略記することがあ
る)は、本発明化合物そのものであってもよいが、通
常、本発明化合物と薬理学的に許容し得る担体とを用い
て、自体公知の方法にしたがって製剤化することにより
得られる。薬理学的に許容される担体としては、製剤素
材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いら
れ、その具体例としては、固形製剤における賦形剤、滑
沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補
助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが挙
げられる。製剤化の際には、必要に応じて、防腐剤、抗
酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いてもよ
い。賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D
−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デ
ンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ
酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウム、キシリトール、ソルビトール、エリスリト
ールなどが挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、例
えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、タルク、コロイドシリカ、ポリエチレングリコール
6000などが挙げられる。結合剤の好適な例として
は、例えばα化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビア
ゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セル
ロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキ
ストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドンなどが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、
例えば乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロス
カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナ
トリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、軽
質無水ケイ酸、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0035】溶剤の好適な例としては、例えば注射用
水、生理食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモ
ロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。溶解
補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレ
ハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミ
ノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭
酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリ
ウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好
適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミ
ン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオ
ン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼト
ニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性
剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの
親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油などが挙げられる。等張化剤の好適な例と
しては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マン
ニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖、キシリトー
ル、果糖などが挙げられる。緩衝剤の好適な例として
は、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩など
の緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例として
は、例えばプロピレングリコール、塩酸リドカイン、ベ
ンジルアルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例
としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロ
ロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコ
ール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗
酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコル
ビン酸塩などが挙げられる。着色剤の好適な例として
は、例えば水溶性着色タール色素(例、食用赤色2号お
よび3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号およ
び2号などの食用色素)、不溶性レーキ色素(例、前記
水溶性食用タール色素のアルミウム塩など)、天然色素
(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラなど)な
どが挙げられる。甘味剤の好適な例としては、例えばサ
ッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ア
スパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
【0036】本発明の剤の剤形としては、例えば錠剤
(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフト
カプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、
トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;
および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内
注射剤、腹腔内注射剤など)、点滴剤、外用剤(例、経
鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸
坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤、点眼剤、点鼻
剤、経肺剤(吸入剤)等の非経口剤が挙げられる。これ
らの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤などの放出制
御製剤(例、徐放性マイクロカプセルなど)であっても
よい。これらの製剤は、製剤技術分野において慣用の方
法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造するこ
とができる。以下に、各種製剤の具体的な製造法につい
て詳述する。本発明の剤における本発明化合物の含量
は、例えば0.1〜100重量%である。
【0037】以下に、経口剤および非経口剤の製造法に
ついて具体的に説明する。経口剤は、活性成分に、例え
ば賦形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトー
ル,キシリトール,ソルビトール,エリスリトール,結
晶セルロース,軽質無水ケイ酸など)、崩壊剤(例、炭
酸カルシウム,デンプン,カルボキシメチルセルロー
ス,カルボキシメチルセルロースカルシウム,低置換度
ヒドロキシプロピルセルロース,クロスカルメロースナ
トリウム,カルボキシメチルスターチナトリウム,軽質
無水ケイ酸など)、結合剤(例、α化デンプン,アラビ
アゴム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロ
ピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス,ポリビニルピロリドン,結晶セルロース,メチルセ
ルロース,白糖,D−マンニトール,トレハロース,デ
キストリンなど)または滑沢剤(例、タルク,ステアリ
ン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,コロイド
シリカ,ポリエチレングリコール6000など)などを
添加して圧縮成形することにより製造される。
【0038】さらに、味のマスキング,腸溶化あるいは
徐放化を目的として、自体公知の方法により、経口剤に
コーティングを行ってもよい。コーティング剤として
は、例えば腸溶性ポリマー(例、酢酸フタル酸セルロー
ス、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポ
リマーLD、メタアクリル酸コポリマーS、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボ
キシメチルエチルセルロース等)、胃溶性ポリマー
(例、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテー
ト、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE
等)、水溶性ポリマー(例、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、水不
溶性ポリマー(例、エチルセルロース、アミノアルキル
メタアクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・
メタアクリル酸メチル共重合体等)、ワックスなどが用
いられる。コーティングを行う場合、上記コーティング
剤とともに、ポリエチレングリコール等の可塑剤、酸化
チタン,三二酸化鉄等の遮光剤を用いてもよい。
【0039】注射剤は、活性成分を分散剤(例、ツイー
ン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国),HC
O 60(日光ケミカルズ製),ポリエチレングリコー
ル,カルボキシメチルセルロース,アルギン酸ナトリウ
ムなど)、保存剤(例、メチルパラベン,プロピルパラ
ベン,ベンジルアルコール,クロロブタノール,フェノ
ール等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,グリセリ
ン,D−ソルビトール,D−マンニトール,キシリトー
ル,ブドウ糖,果糖等)などと共に、水性溶剤(例、蒸
留水,生理的食塩水,リンゲル液等)あるいは油性溶剤
(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,コーン油などの植
物油;プロピレングリコール,マクロゴール,トリカプ
リリン等)などに溶解、懸濁あるいは乳化することによ
り製造される。この際、所望により、溶解補助剤(例、
サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,ポリエチレン
グリコール,プロピレングリコール,D−マンニトー
ル,トレハロース,安息香酸ベンジル,エタノール,ト
リスアミノメタン,コレステロール,トリエタノールア
ミン,炭酸ナトリウム,クエン酸ナトリウム等)、懸濁
化剤(例、ステアリルトリエタノールアミン,ラウリル
硫酸ナトリウム,ラウリルアミノプロピオン酸,レシチ
ン,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,モノ
ステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;ポリビニル
アルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシメチル
セルロースナトリウム,メチルセルロース,ヒドロキシ
メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒド
ロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子等)、緩
衝化剤(例、リン酸塩,酢酸塩,炭酸塩,クエン酸塩な
どの緩衝液等)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン
等)、無痛化剤(例、プロピレングリコール,塩酸リド
カイン,ベンジルアルコール等)、防腐剤(例、パラオ
キシ安息香酸エステル類,クロロブタノール,塩化ベン
ザルコニウム,ベンジルアルコール,フェネチルアルコ
ール,デヒドロ酢酸,ソルビン酸等)等の添加物を用い
てもよい。
【0040】外用剤は、活性成分を固状、半固状または
液状の組成物とすることにより製造される。例えば、上
記固状の組成物は、活性成分をそのまま、あるいは賦形
剤(例、乳糖,D−マンニトール,デンプン,結晶セル
ロース,白糖など)、増粘剤(例、天然ガム類,セルロ
ース誘導体,アクリル酸重合体など)などを添加、混合
して粉状とすることにより製造される。上記液状の組成
物は、注射剤の場合とほとんど同様にして製造される。
半固状の組成物は、水性または油性のゲル剤、あるいは
軟膏状のものがよい。また、これらの組成物は、いずれ
もpH調節剤(例、リン酸,クエン酸,塩酸,水酸化ナ
トリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エス
テル類,クロロブタノール,塩化ベンザルコニウム,ベ
ンジルアルコール,フェネチルアルコール,デヒドロ酢
酸,ソルビン酸など)などを含んでいてもよい。
【0041】坐剤は、活性成分を油性または水性の固
状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造
される。該組成物の製造の際に用いられる油性基剤とし
ては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂,
ウイテプゾル類(ヒュルス アクチエンゲゼルシャフト
社製、ドイツ)など〕、中級脂肪酸トリグリセライド
〔例、ミグリオール類(ヒュルス アクチエンゲゼルシ
ャフト社製、ドイツ)など〕、植物油(例、ゴマ油,大
豆油,綿実油など)などが挙げられる。水性基剤として
は、例えばポリエチレングリコール類,プロピレングリ
コールなどが挙げられる。また、水性ゲル基剤として
は、例えば天然ガム類,セルロース誘導体,ビニール重
合体,アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0042】本発明の剤の投与量は、投与対象、投与ル
ート、症状などによっても異なるが、本発明の剤を成人
に経口投与する場合、活性成分である本発明化合物の1
回量として、通常約0.05〜500mg/kg体重、
好ましくは約0.5〜100mg/kg体重である。こ
の量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。本発明の
剤を自律神経異常(例、糖尿病性自律神経障害など)の
成人患者に経口投与する場合の投与量は、活性成分であ
る本発明化合物の1回量として、通常約0.05〜50
mg/kg体重、好ましくは約0.2〜4mg/kg体
重である。この量を1日1回〜3回投与するのが望まし
い。
【0043】本発明の剤は、TGF−βスーパーファミ
リー、とりわけGDNF、GDF−15の産生・分泌促
進作用を有する。本発明の剤は、副作用がなく、自律神
経異常(例、糖尿病性自律神経障害、無自覚性低血糖、
胃不全麻痺、神経因性下痢および便秘、勃起不全、起立
性低血圧、不整脈、心不全、無痛性心筋梗塞、発汗異
常、神経因性膀胱)、膀胱機能障害(例、膀胱反射障害
など)、聴覚障害、糖尿病足病変、骨疾患(例、骨粗し
ょう症など)、関節疾患(例、シャルコー関節、変形性
関節症、リューマチなど)、ヒルシュスプルング病(Hi
rschsprung病)、てんかんなどの予防・治療剤;糖尿病
などの代謝あるいは内分泌系疾患および外傷による皮膚
損傷の治癒促進薬;膵再生薬(膵機能回復薬);腎再生
薬(腎機能回復薬);疼痛抑制薬;下肢切断予防薬;突
然死予防薬などとして用いることができる。
【0044】また、本発明の剤は、精神分裂病、薬物依
存症、末梢神経障害(例、糖尿病性神経障害、ガン治療
による神経障害など)、糖尿病性心筋症、末梢神経損
傷、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬
化症、脳虚血性疾患、アルツハイマー型老年性痴呆症、
パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、うつ病、炎症性
腸疾患、慢性疼痛(例、癌性疼痛など)、痴呆症に伴う
問題行動(例、徘徊、攻撃的行為など)、不安症、創傷
によるしびれや疼痛などの予防・治療剤として、また末
梢神経障害改善剤あるいは脳代謝障害改善剤として用い
ることができる。また、本発明の剤は、糖尿病(例、1
型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病など)、耐糖能異
常、高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高コレステ
ロール血症、低HDL血症、食後高脂血症など)、高イ
ンスリン血症、肥満、過食症、高血圧、心血管疾患
(例、アテローム性動脈硬化症など)などの疾患、ある
いはこれらの疾患のうちのいくつかを併せ持つ症候群
(例、シンドロームX、内臓肥満症候群など)の予防・
治療薬としても用いられる。さらに、本発明の剤は、上
記した各種疾患あるいは異常の2次予防および進展抑制
にも用いられる。
【0045】本発明の剤は、糖尿病治療剤、糖尿病性合
併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿
剤、化学療法剤、免疫療法剤、悪液質改善剤、末梢およ
び中枢神経作用剤、潰瘍治療剤、抗炎症剤などの薬剤
(以下、併用薬剤と略記することがある)と組み合わせ
て用いることができる。この際、本発明の剤および併用
薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対
し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与して
もよい。該併用薬剤は、低分子化合物であってもよく、
また高分子の蛋白、ポリペプチド、抗体であるか、ある
いはワクチン等であってもよい。併用薬剤の投与量は、
臨床上用いられている用量を基準として適宜選択するこ
とができる。また、本発明の剤と併用薬剤の配合比は、
投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせな
どにより適宜選択することができる。例えば投与対象が
ヒトである場合、本発明の剤1重量部に対し、併用薬剤
を0.01〜100重量部用いればよい。糖尿病治療剤
としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から
抽出された動物インスリン製剤;大腸菌またはイースト
を用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;
インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリ
ンのフラグメントまたは誘導体(例、INS−1等)な
ど)、インスリン感受性増強剤(例、塩酸ピオグリタゾ
ン、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイ
ン酸塩、JTT−501、MCC−555、YM−44
0、GI−262570、KRP−297、FK−61
4、CS−011、WO99/58510に記載の化合
物(例えば(E)−4−[4−(5−メチル−2−フェ
ニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジルオキシイミ
ノ]−4−フェニル酪酸)、NN−622、AZ−24
2、BMS−298585、ONO−5816、LM−
4156、BM−13−1258、MBX−102、G
W−1536等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボ
グリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテ
ート等)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メト
ホルミン、ブホルミン等)、スルホニルウレア剤(例、
トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロ
ルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリク
ロピラミド、グリメピリド等)やその他のインスリン分
泌促進剤(例、レパグリニド、セナグリニド、ミチグリ
ニドまたはそのカルシウム塩水和物、GLP−1、ナテ
グリニド等)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤
(例、NVP−DPP−278、PT−100、P32
/98、NVP−DPP−728、LAF237等)、
β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58
611−A、UL−TG−307、AJ−9677、A
Z40140等)、アミリンアゴニスト(例、プラムリ
ンチド等)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤
(例、バナジン酸等)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲ
ンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファタ
ーゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤等)、SGLT(sodium
-glucose cotransporter)阻害剤(例、T−1095
等)等が挙げられる。
【0046】糖尿病性合併症治療剤としては、アルドー
ス還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタ
ット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、フィダレス
タット(SNK−860)、ミナルレスタット(ARI
−509)、CT−112等)、神経栄養因子(例、N
GF、NT−3等)、AGE阻害剤(例、ALT−94
5、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチア
ゾリウムブロミド(ALT−766)、EXO−226
等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡
張剤(例、チオプリド等)等が挙げられる。高脂血症治
療剤としては、コレステロール合成阻害剤であるスタチ
ン系化合物(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロ
バスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリ
バスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩等)
等)、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10
224に記載の化合物、例えばN−[[(3R,5S)-1-(3-
アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-
ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-
4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジ
ン-4-酢酸など)、フィブラート系化合物(例、ベザフ
ィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、ク
リノフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラー
ト、シプロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィ
ブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニ
コフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラー
ト、テオフィブラート等)、ACAT阻害剤(例、アバ
シマイブ(Avasimibe)、エフルシマイブ(Eflucimib
e)など)、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミンな
ど)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモー
ル(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol)など)、イ
コサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロ
ール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ−oryzanol)
など)等が挙げられる。降圧剤としては、アンジオテン
シン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリ
ル、デラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、
ロサルタン、カンデサルタン シレキセチル等)、カル
シウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロ
ジピン、エホニジピン、ニカルジピン等)、カリウムチ
ャンネル開口薬(例、レブクロマカリム、L-27152、AL
0671、NIP-121など)、クロニジン等が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、デキス
フェンフルアミン、フェンフルラミン、フェンテルミ
ン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタ
ミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、ク
ロベンゾレックス等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリ
スタット等)、β3アゴニスト(例、CL−31624
3、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ
−9677、AZ40140等)、ペプチド性食欲抑制
薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)
等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプ
ト、FPL−15849等)等が挙げられる。
【0047】利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体
(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸
カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エ
チアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジ
ド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベ
ンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチ
アジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤
(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱
水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼ
ンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフル
シド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、
エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等
が挙げられる。化学療法剤としては、例えばアルキル化
剤(例、サイクロフォスファミド、イフォスファミド
等)、代謝拮抗剤(例、メソトレキセート、5−フルオ
ロウラシルおよびその誘導体等)、抗癌性抗生物質
(例、マイトマイシン、アドリアマイシン等)、植物由
来抗癌剤(例、ビンクリスチン、ビンデシン、タキソー
ル等)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシドな
どが挙げられる。なかでも5−フルオロウラシル誘導体
であるフルツロンあるいはネオフルツロンなどが好まし
い。免疫療法剤としては、例えば微生物または細菌成分
(例、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール等)、
免疫増強活性のある多糖類(例、レンチナン、シゾフィ
ラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法で得られるサ
イトカイン(例、インターフェロン、インターロイキン
(IL)等)、コロニー刺激因子(例、顆粒球コロニー
刺激因子、エリスロポエチン等)などが挙げられ、なか
でもIL−1、IL−2、IL−12などのインターロ
イキンが好ましい。
【0048】悪液質改善剤としては、例えばシクロオキ
シゲナーゼ阻害剤(例、インドメタシン等)〔キャンサ
ー・リサーチ(Cancer Research)、第49巻、593
5〜5939頁、1989年〕、プロゲステロン誘導体
(例、メゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ
・クリニカル・オンコロジー(Journal of ClinicalOnc
ology)、第12巻、213〜225頁、1994
年〕、糖質ステロイド(例、デキサメサゾン等)、メト
クロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬
剤(文献はいずれも上記と同様)、脂肪代謝改善剤
(例、エイコサペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャ
ーナル・オブ・キャンサー(British Journal ofCance
r)、第68巻、314〜318頁、1993年〕、成
長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘導する因
子であるTNF−α、LIF、IL−6、オンコスタチ
ンMに対する抗体などが挙げられる。末梢および中枢神
経作用剤としては、例えばアセチルコリンエステラーゼ
阻害剤(例、タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、
ガランタミン等)、ドーパミン受容体作動薬(例、L-ド
ーパ、アポモルフィンなど)、モノアミン取り込み阻害
薬(例,トラマドル)、GABA受容体作動薬(例、ギャバペ
ンチン)、アセチルコリン受容体リガンド(例,ABT-59
4)などが挙げられる。潰瘍治療剤としては、例えばプロ
スタグランディン製剤(例、プロスタグランディンE
1)、成長因子製剤(例、PDGF)などの皮膚潰瘍治
療剤が挙げられる。抗炎症剤としては、例えば抗リュー
マチ薬(例、leflunomide)などが挙げられる。さら
に、糖化阻害剤(例,ALT-711等)、神経再生促進薬(例,
Y-128、VX853、prosaptide等)、抗うつ薬(例,デシプラ
ミン、アミトリプチリン、イミプラミン)、抗てんかん
薬(例,ラモトリジン)、抗不整脈薬(例,メキシレチ
ン)、エンドセリン受容体拮抗薬(例,ABT-627)、麻
薬性鎮痛薬(例,モルヒネ)、α2受容体作動薬(例,クロ
ニジン)、局所鎮痛薬(例,カプサイシン)、プロテイ
ンキナーゼC阻害剤(例,LY-333531)、抗不安薬(例,ベン
ゾチアゼピン)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例,シ
ルデナフィル)、骨粗鬆症治療剤(例、アルファカルシ
ドール、カルシトリオール、エルカトニン、サケカルシ
トニン、エストリオール、イプリフラボン、パミドロン
酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、イ
ンカドロン酸二ナトリウム等)、尿失禁・頻尿治療剤
(例、塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸
プロピベリン等)なども本発明の剤と併用することがで
きる。本発明の剤と前記併用薬剤とを併用することによ
り、例えば本発明の剤および/または併用薬剤の作用増
強効果;本発明の剤および/または併用薬剤の投与量の
低減効果;本発明の剤および/または併用薬剤の副作用
の低減効果などの優れた効果が得られる。
【0049】本発明は、さらに、化合物(I)もしくは
その塩またはそのプロドラッグを含有してなる神経新生
薬に関する。ここで、神経新生薬とは、神経前駆細胞
(例、幹細胞など)を神経細胞に分化させる薬剤を意味
する。また、神経新生薬は、神経前駆細胞の神経細胞へ
の分化を促進する薬剤であってもよい。本発明の神経新
生薬は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラ
ット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル
等)に対して、安全に投与することができる。該神経新
生薬は、例えば、各種疾患(例、糖尿病)への罹患、骨
折、交通事故などの後におこる運動機能障害;心血管事
故や脳血管事故後におこる心機能障害や脳機能低下の予
防・治療剤として有用であり、さらに、これらの運動機
能障害、心機能障害や脳機能低下などの治癒促進にも有
効である。本発明の神経新生薬は、前記したTGF−β
スーパーファミリー産生・分泌促進剤と同様にして製剤
化することができ、その剤形、投与量などもTGF−β
スーパーファミリー産生・分泌促進剤の場合と同様であ
る。また、該神経新生薬は、前記した各種併用薬剤と組
み合わせて用いることもできる。
【0050】本発明は、さらに、TGF−βスーパーフ
ァミリー産生・分泌促進薬を含有してなる神経機能回復
薬に関する。ここで、神経機能回復薬とは、ストレス負
荷など神経にさまざまな種類のダメージが加わることに
より異常となった神経機能(例えば神経伝達物質の分泌
など)を正常な方向に戻す作用を有する薬剤を意味す
る。本明細書中、TGF−βスーパーファミリー産生・
分泌促進薬としては、TGF−βスーパーファミリーの
産生・分泌促進作用を有する薬剤であれば特に限定され
ない。ここで、TGF−βスーパーファミリーとして
は、前記したものが挙げられる。TGF−βスーパーフ
ァミリー産生・分泌促進薬とは、生体内におけるTGF
−βスーパーファミリーの産生および/または分泌能を
活性化し、TGF−βスーパーファミリーの産生および
/または分泌を促進することによって、生体内における
TGF−βスーパーファミリーの量を増加させる薬剤を
意味する。例えば、生体内におけるTGF−βスーパー
ファミリーの産生および/または分泌能に異常が生じて
いるために、生体内にTGF−βスーパーファミリーが
存在しない場合において、生体内のTGF−βスーパー
ファミリーを産生および/または分泌させる薬剤も、T
GF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬に含まれ
る。TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の
具体例としては、前記した本発明化合物、db-cAMP (dib
utyl-cyclic adenosine monophosphate), PDD (phorbol
12,13-didecanoate), PGE2 (prostaglandin E2)などが
挙げられる。なかでも、本発明化合物が好ましい。本発
明の神経機能回復薬は、毒性が低く、哺乳動物(例、ヒ
ト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウ
マ、ブタ、サル等)に対して、安全に投与することがで
きる。該神経機能回復薬は、例えば、各種疾患(例、糖
尿病)への罹患、骨折、交通事故などの後におこる運動
機能障害;心血管事故や脳血管事故後におこる心機能障
害や脳機能低下の予防・治療剤として有用であり、さら
に、これらの運動機能障害、心機能障害や脳機能低下な
どの治癒促進にも有効である。本発明の神経機能回復薬
は、前記したTGF−βスーパーファミリー産生・分泌
促進剤と同様にして製剤化することができ、その剤形、
投与量などもTGF−βスーパーファミリー産生・分泌
促進剤の場合と同様である。また、該神経機能回復薬
は、前記した各種併用薬剤と組み合わせて用いることも
できる。
【0051】本発明は、さらに、TGF−βスーパーフ
ァミリー産生・分泌促進薬を含有してなる自律神経異常
の予防・治療剤に関する。本明細書中、自律神経異常と
は、呼吸、血圧、心拍、睡眠、排泄、摂食、内分泌な
ど、さまざまな生体の恒常性を保つ神経調節系がその機
能を正常に働かせることができない状態を意味し、その
具体例としては、糖尿病性自律神経障害、無自覚性低血
糖、胃不全麻痺、神経因性下痢および便秘、勃起不全、
起立性低血圧、不整脈、心不全、無痛性心筋梗塞、発汗
異常、神経因性膀胱などが挙げられる。本発明の自律神
経異常の予防・治療剤は、毒性が低く、哺乳動物(例、
ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウ
マ、ブタ、サル等)に対して、安全に投与することがで
きる。本発明の自律神経異常の予防・治療剤は、前記し
たTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤と同
様にして製剤化することができ、その剤形、投与量など
もTGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤の場
合と同様である。また、該予防・治療剤は、前記した各
種併用薬剤と組み合わせて用いることもできる。
【0052】本発明は、さらに、TGF−βスーパーフ
ァミリー産生・分泌促進薬を含有してなる膀胱機能障害
の予防・治療剤に関する。本明細書中、膀胱機能障害と
は、尿を貯蔵、排泄する上で必要な機能、すなわち排尿
反射や膀胱筋収縮が正常に働かなくなる状態を意味し、
その具体例としては、膀胱反射障害、神経因性膀胱、尿
貯留感の消失、異常残尿、無力性膀胱などが挙げられ
る。本発明の膀胱機能障害の予防・治療剤は、毒性が低
く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イ
ヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して、安全
に投与することができる。本発明の膀胱機能障害の予防
・治療剤は、前記したTGF−βスーパーファミリー産
生・分泌促進剤と同様にして製剤化することができ、そ
の剤形、投与量などもTGF−βスーパーファミリー産
生・分泌促進剤の場合と同様である。また、該予防・治
療剤は、前記した各種併用薬剤と組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に、実施例および実験例を挙
げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
により限定されるものではない。以下、%は特記しない
限り重量パーセントを示す。本明細書において、塩基や
アミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IU
B Commision on Biochemical
Nomenclatureによる略号あるいは当該分
野における慣用略号に基づくものである。本願明細書の
配列表の配列番号は、以下の配列を示す。 〔配列番号:1〕実験例2で用いられるプライマーの塩
基配列を示す。 〔配列番号:2〕実験例2で用いられるプライマーの塩
基配列を示す。 〔配列番号:3〕実験例2で用いられるプローブの塩基
配列を示す。
【0054】
【実施例】 実施例1(カプセルの製造) 1)化合物(1) 30mg 2)微粉末セルロース 10mg 3)乳糖 19mg 4)ステアリン酸マグネシウム 1mg 計60mg 1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプ
セルに充填する。 実施例2(錠剤の製造) 1)化合物(1) 30g 2)乳糖 50g 3)トウモロコシデンプン 15g 4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44g 5)ステアリン酸マグネシウム 1g 1000錠 140g 1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合
し、真空乾燥後、製粒を行う。この製粒末に14gの
4)および1gの5)を混合し、打錠機で打錠する。一
錠あたり化合物(1)30mgを含有する錠剤1000
錠を得る。
【0055】 実施例3(カプセルの製造) 1)化合物(5) 30mg 2)微粉末セルロース 10mg 3)乳糖 19mg 4)ステアリン酸マグネシウム 1mg 計60mg 1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプ
セルに充填する。 実施例4(錠剤の製造) 1)化合物(5) 30g 2)乳糖 50g 3)トウモロコシデンプン 15g 4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44g 5)ステアリン酸マグネシウム 1g 1000錠 140g 1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合
し、真空乾燥後、製粒を行う。この製粒末に14gの
4)および1gの5)を混合し、打錠機で打錠する。一
錠あたり化合物(1)30mgを含有する錠剤1000
錠を得る。
【0056】実施例5(フィルム錠の製造) [コーティング剤の製造]精製水2520gにヒドロキ
シプロピルメチルセルロース2910(TC−5)209.
6gおよびマクロゴール6000 (ポリエチレングリ
コール6000)42.0gを溶解した。得られる溶液
に酸化チタン28.0g、黄色三二酸化鉄0.4gを分散
させ、被覆剤を製造した。 [裸錠の製造]流動層造粒乾燥機(FD-5S,(株)パウレ
ック)中で、化合物(5) 62.5g、乳糖3738
gおよびコーンスターチ 750.0gを均一に混合
後、機内でヒドロキシプロピルセルロース(HPC−
L) 150g を溶解した水溶液を噴霧して造粒し、つ
いで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られる造粒物
を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)
を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整
粒末とした。得られる整粒末 4136gにクロスカルメ
ロースナトリウム 220g とステアリン酸マグネシウ
ム 44g を加え、タンブラー混合機(TM−15、昭
和化学機械工作所)で混合して打錠用顆粒とした。得ら
れる顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製
作所)で8.5mmφの杵を用いて重量200mgで打錠
(打錠圧7KN/杵)し、裸錠とした。 [フィルムコーティング錠の製造]得られる裸錠に、ド
リアコータ―コーティング機(DRC−500、パウレ
ック製)中で前記被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物
(5) 2.5mgを含有する下記処方のフィルムコー
ティング錠、19000錠を得た。 裸錠処方(1錠当たりの組成): 1)化合物(5) 2.5mg 2)乳糖 149.5mg 3)トウモロコシデンプン 30.0mg 4)クロスカルメロースナトリウム 10.0mg 5)ヒドロキシプロピルセルロース 6.0mg6)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 合計 200.0mg フィルム錠処方(1錠当たりの組成): 1)裸錠 200.0mg (フィルム成分) 2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 5.24mg 3)マクロゴール6000 1.05mg 4)酸化チタン 0.7mg5)黄色三二酸化鉄 0.01mg 合計 207.0mg
【0057】実施例6(フィルム錠の製造) 化合物(5)および乳糖の使用量をそれぞれ375.0
gおよび3425gとする以外は実施例5と同様にし
て、1錠当たり化合物(5) 15mgを含有する下記
処方のフィルムコーティング錠、19000錠を得た。 裸錠処方(1錠当たりの組成): 1)化合物(5) 15.0mg 2)乳糖 137.0mg 3)トウモロコシデンプン 30.0mg 4)クロスカルメロースナトリウム 10.0mg 5)ヒドロキシプロピルセルロース 6.0mg6)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 合計 200.0mg フィルム錠処方(1錠当たりの組成): 1)裸錠 200.0mg (フィルム成分) 2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 5.24mg 3)マクロゴール6000 1.05mg 4)酸化チタン 0.7mg5)黄色三二酸化鉄 0.01mg 合計 207.0mg
【0058】実施例7(フィルム錠の製造) 化合物(5)および乳糖の使用量をそれぞれ1500.
0gおよび2300gとする以外は実施例5と同様にし
て、1錠当たり化合物(5) 60mgを含有する下記
処方のフィルムコーティング錠、19000錠を得た。 裸錠処方(1錠当たりの組成): 1)化合物(5) 60.0mg 2)乳糖 92.0mg 3)トウモロコシデンプン 30.0mg 4)クロスカルメロースナトリウム 10.0mg 5)ヒドロキシプロピルセルロース 6.0mg6)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 合計 200.0mg フィルム錠処方(1錠当たりの組成): 1)裸錠 200.0mg (フィルム成分) 2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 5.24mg 3)マクロゴール6000 1.05mg 4)酸化チタン 0.7mg5)黄色三二酸化鉄 0.01mg 合計 207.0mg
【0059】実験例1 17週齢の雌性KKAyマウス(n=10−12)を、化合物(5)
を0.01%含む粉末飼料(CRF−1,オリエンタル酵母
製)で7週間飼育した。ついで、マウスの坐骨神経を採
取し、測定に用いるまで(約10ヶ月)、−80℃で保存し
た。保存された坐骨神経を20倍容量のホモゲナイズバッ
ファー(1M塩化ナトリウム、2%BSA、2mM EDTA、8
0トリプシンユニット/Lのアプロチニン、0.02%ア
ジ化ナトリウムを含む0.1Mトリス-塩酸緩衝液、pH
7.6)中で超音波破砕し、不溶物を遠心分離(15,0
00rpm、30分)した後の上清におけるGDNF含量を下
記のELISA法により測定した。すなわち、96穴丸底プ
レートに抗hGDNFヤギ抗体(ゲンザイム テクネ社)(1
00μg/ml)を10μlずつ分注し、室温で2時間
放置し、抗体を吸着させた。抗体を除去後、洗浄液で各
穴を3回洗浄した。各穴に前記上清あるいはhGDNF標準
(オンコジーン社)溶液10μlを分注し、室温で2.
5時間放置した。各穴を3回洗浄した後、ビオチン化抗
hGDNFヤギ抗体(ゲンザイム テクネ社)(35ng/m
l)を20μlずつ添加し、4℃で一晩放置した。ビオ
チン化抗hGDNFヤギ抗体を洗浄後、β-D-ガラクトシダー
ゼ標識ストレプトアビジン(ベーリンガーマンハイム社
製)20μlを添加し、室温で1時間放置した。洗浄
後、酵素基質に4-メチルウンベリフェリル-β-D-ガラク
トシド(シグマ社製)30μl(10μg/ml)を添
加し、室温で4時間反応後、0.1Mグリシン−水酸化
ナトリウム緩衝液(pH10.3)130μlを添加し
て反応を停止させ、生成した4-メチルウンベリフェロン
の蛍光強度(Ex:360nm、Em:450nm)を
測定した。標準曲線から、化合物(5)投与群における
hGDNF量を算出し、化合物(5)非投与群におけるhGDNF
量(対象群)に対する相対倍率を求めた。その結果、化
合物(5)投与群の坐骨神経におけるGDNF量は、対照群
に比べて87.9%増加していた。
【0060】実験例2 6週齢雄性SDラット(n=5−8)に70mg/kgのストレプ
トゾトシン(STZ)を投与して、糖尿病性神経障害モ
デルを作成した。STZ投与4ヶ月後から、ラットに化
合物(5)を10mg/kg体重/dayの用量で4ヶ月間経口投与
した。ついで、ラットの後根神経節を採取し、ISOGEN溶
液(日本ジーン社)で処理してトータルRNAを抽出した。
得られたトータルRNA、および、既報のGDF−15のmRNA
配列をもとにそれぞれ作製された、5’-ACTGCATGCCAACC
AGAGC-3’ (配列番号:1)で表されるプライマ
ー、および5’-TCGCACCTCTGGACTGAGTATC-3’ (配列
番号:2)で表されるプライマーと、GDF-15特異的な配
列、ACTCAGAACCAACCCCTGACCCAGC (配列番号:3)を
有する蛍光プローブを用い、acidic ribosomal phospho
protein POを内在性対照としてリアルタイム定量RT-PCR
(アプライドバイオシステム社)を行った。その結果、
化合物(5)投与群のGDF−15の発現レベルは、化合物
(5)非投与群(対照群)に比べて135%増加していた。 実験例3 6週齢の雄性SDラット(n=9−10)に70mg/kgのス
トレプトゾトシン(STZ)を静脈注射して、糖尿病性
神経障害モデルを作成した。STZ投与2週間後に、麻
酔下でラットの左坐骨神経を切断し、化合物(5)を10
mg/kg体重/dayの用量で5週間経口投与した。投与終了
後、ラットを麻酔し、電位誘導装置[ニューロパック2
(Neuropack 2)、日本光電製]を用いて、神経切断部
位から誘導電位が検出可能な部位までの距離(最大延長
距離)を測定した。その結果、化合物(5)投与群の最
大延長距離は、化合物(5)非投与群(対照群)に比べ
て2.4倍延長していた。すなわち、化合物(5)投与群
では、神経新生効果および神経機能回復効果が観察され
た。
【0061】
【発明の効果】本発明のTGF−βスーパーファミリー
産生・分泌促進剤は、副作用がなく、自律神経異常
(例、糖尿病性自律神経障害、無自覚性低血糖、胃不全
麻痺、神経因性下痢および便秘、勃起不全、起立性低血
圧、不整脈、心不全、無痛性心筋梗塞、発汗異常、神経
因性膀胱)、膀胱機能障害(例、膀胱反射障害など)、
聴覚障害、糖尿病足病変、骨疾患(例、骨粗しょう症な
ど)、関節疾患(例、シャルコー関節、変形性関節症、
リューマチなど)、ヒルシュスプルング病(Hirschspru
ng病)、てんかんなどの予防・治療剤;糖尿病などの代
謝あるいは内分泌系疾患および外傷による皮膚損傷の治
癒促進薬;膵再生薬(膵機能回復薬);腎再生薬(腎機
能回復薬);疼痛抑制薬;下肢切断予防薬;突然死予防
薬などとして用いることができる。
【0062】
【配列表】
SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> TGF-βSuper Family Production/Secretion Prom
oting Agent <130> B02197 <150> JP 2001-193728 <151> 2001-06-26 <160> 3 <210> 1 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 actgcatgcc aaccagagc 19 <210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 tcgcacctct ggactgagta tc 22 <210> 3 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 3 actcagaacc aacccctgac ccagc 25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 27/16 A61P 27/16 43/00 123 43/00 123 C07D 413/04 C07D 413/04 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB01 CC52 DD23 EE01 4C086 AA01 AA02 BC69 GA06 GA09 MA01 MA04 NA14 NA15 ZA01 ZA24 ZA34 ZA81 ZA96

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
    素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
    ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
    ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
    れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
    キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
    族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
    もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
    基を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグを含有してなるTGF−βスーパーファ
    ミリー産生・分泌促進剤。
  2. 【請求項2】Rが置換されていてもよい複素環基であ
    る請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】Rが置換されていてもよい5員の含窒素
    芳香族複素環基である請求項1記載の剤。
  4. 【請求項4】Rが置換されていてもよいイミダゾリル
    基である請求項1記載の剤。
  5. 【請求項5】Aが置換されていてもよいヒドロキシ基で
    ある請求項1記載の剤。
  6. 【請求項6】Aが置換されていてもよいアリールオキシ
    基である請求項1記載の剤。
  7. 【請求項7】Aが置換されていてもよいアルキル基で置
    換されたフェノキシ基である請求項1記載の剤。
  8. 【請求項8】Bが置換されていてもよいフェニル基であ
    る請求項1記載の剤。
  9. 【請求項9】Xが酸素原子である請求項1記載の剤。
  10. 【請求項10】Yが2価の脂肪族炭化水素基である請求
    項1記載の剤。
  11. 【請求項11】化合物が4−(4−クロロフェニル)−
    2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−
    (2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾールであ
    る請求項1記載の剤。
  12. 【請求項12】TGF−βスーパーファミリーがGDN
    Fである請求項1記載の剤。
  13. 【請求項13】TGF−βスーパーファミリーがGDF
    −15である請求項1記載の剤。
  14. 【請求項14】自律神経異常の予防・治療剤である請求
    項1記載の剤。
  15. 【請求項15】膀胱機能障害の予防・治療剤である請求
    項1記載の剤。
  16. 【請求項16】式 【化2】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
    素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
    ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
    ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
    れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
    キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
    族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
    もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
    基を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグを含有してなる神経新生薬。
  17. 【請求項17】TGF−βスーパーファミリー産生・分
    泌促進薬を含有してなる神経機能回復薬。
  18. 【請求項18】TGF−βスーパーファミリー産生・分
    泌促進薬を含有してなる自律神経異常の予防・治療剤。
  19. 【請求項19】TGF−βスーパーファミリー産生・分
    泌促進薬を含有してなる膀胱機能障害の予防・治療剤。
  20. 【請求項20】式 【化3】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
    素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
    ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
    ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
    れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
    キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
    族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
    もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
    基を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とす
    る、該哺乳動物におけるTGF−βスーパーファミリー
    の産生および/または分泌促進方法。
  21. 【請求項21】式 【化4】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
    素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
    ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
    ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
    れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
    キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
    族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
    もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
    基を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とす
    る、該哺乳動物における神経新生方法。
  22. 【請求項22】TGF−βスーパーファミリー産生・分
    泌促進薬を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺
    乳動物における神経機能回復方法。
  23. 【請求項23】TGF−βスーパーファミリー産生・分
    泌促進薬を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺
    乳動物における自律神経異常の予防および/または治療
    方法。
  24. 【請求項24】TGF−βスーパーファミリー産生・分
    泌促進薬を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺
    乳動物における膀胱機能障害の予防および/または治療
    方法。
  25. 【請求項25】TGF−βスーパーファミリー産生・分
    泌促進剤を製造するための、式 【化5】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
    素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
    ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
    ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
    れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
    キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
    族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
    もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
    基を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグの使用。
  26. 【請求項26】神経新生薬を製造するための、式 【化6】 [式中、Rはハロゲン原子、置換されていてもよい複
    素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換され
    ていてもよいチオール基または置換されていてもよいア
    ミノ基を、Aは置換されていてもよいアシル基、置換さ
    れていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロ
    キシ基またはエステル化もしくはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を、Bは置換されていてもよい芳香
    族基を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていて
    もよい窒素原子を、Yは2価の炭化水素基または複素環
    基を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグの使用。
  27. 【請求項27】神経機能回復薬を製造するための、TG
    F−βスーパーファミリー産生・分泌促進薬の使用。
  28. 【請求項28】自律神経異常の予防・治療剤を製造する
    ための、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進
    薬の使用。
  29. 【請求項29】膀胱機能障害の予防・治療剤を製造する
    ための、TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進
    薬の使用。
JP2002184603A 2001-06-26 2002-06-25 TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤 Expired - Fee Related JP4422949B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002184603A JP4422949B2 (ja) 2001-06-26 2002-06-25 TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001193728 2001-06-26
JP2001-193728 2001-06-26
JP2002184603A JP4422949B2 (ja) 2001-06-26 2002-06-25 TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003081831A true JP2003081831A (ja) 2003-03-19
JP4422949B2 JP4422949B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=26617604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002184603A Expired - Fee Related JP4422949B2 (ja) 2001-06-26 2002-06-25 TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4422949B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003057215A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Takeda Chemical Industries, Ltd. Accelerateur de production/secretion de facteur neurotrophique
JP2003335676A (ja) * 2002-03-14 2003-11-25 Rikogaku Shinkokai Vdac調節剤
JP2014511863A (ja) * 2011-04-08 2014-05-19 アムジエン・インコーポレーテツド 増殖分化因子15(gdf−15)を使用して代謝障害を治療または改善する方法
US10336798B2 (en) 2012-01-26 2019-07-02 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 (GDF-15) polypeptides
US10894814B2 (en) 2013-07-31 2021-01-19 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 (GDF-15) constructs
US11161889B2 (en) 2018-04-09 2021-11-02 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 fusion proteins

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003057215A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Takeda Chemical Industries, Ltd. Accelerateur de production/secretion de facteur neurotrophique
JP2003335676A (ja) * 2002-03-14 2003-11-25 Rikogaku Shinkokai Vdac調節剤
JP4484439B2 (ja) * 2002-03-14 2010-06-16 国立大学法人東京工業大学 Vdac調節剤
JP2014511863A (ja) * 2011-04-08 2014-05-19 アムジエン・インコーポレーテツド 増殖分化因子15(gdf−15)を使用して代謝障害を治療または改善する方法
US10752664B2 (en) 2011-04-08 2020-08-25 Amgen Inc. Method of treating or ameliorating metabolic disorders using growth differentiation factor 15 (GDF-15)
US10336798B2 (en) 2012-01-26 2019-07-02 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 (GDF-15) polypeptides
US11739131B2 (en) 2012-01-26 2023-08-29 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 (GDF-15) polypeptides
US10894814B2 (en) 2013-07-31 2021-01-19 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 (GDF-15) constructs
US11161889B2 (en) 2018-04-09 2021-11-02 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 fusion proteins

Also Published As

Publication number Publication date
JP4422949B2 (ja) 2010-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3558588B2 (ja) ニューロトロフィン産生・分泌促進剤
KR20180022661A (ko) 신경퇴행성 질환을 치료하는 방법
EP1537880A1 (en) Sustained release preparation
JP2007284350A (ja) 糖尿病治療剤
RU2357757C2 (ru) Твердый препарат
KR100952090B1 (ko) 인슐린 감작제, 인슐린 분비촉진제 및 폴리옥시에틸렌소르비탄 지방산 에스테르를 함유하는 고체 제제
JP2003327532A (ja) ペプチダーゼ阻害剤
EP1407770B1 (en) Tgf-beta superfamily production/secretion promoter
JP2004123738A (ja) 徐放性製剤
JP4422949B2 (ja) TGF−βスーパーファミリー産生・分泌促進剤
JP2003081832A (ja) レチノイド関連受容体機能調節剤
US7462635B2 (en) Thiazole and oxazole VDAC regulator
WO2001058491A1 (fr) Medicament comprenant une combinaison
CN100438911C (zh) 体重增加抑制剂
JP2003231636A (ja) インスリン抵抗性改善剤
JP4484439B2 (ja) Vdac調節剤
JP2004217648A (ja) 体重増加抑制剤
JP2003073377A (ja) 5員複素環誘導体
CN102166357A (zh) 包含双环氮杂烷类衍生物的药物组合物
JP2001294537A (ja) 併用医薬
JP2003212854A (ja) ピラゾール化合物の製造法
JP2003012551A (ja) Abc発現促進剤
JP2003212870A (ja) ピラゾール化合物の製造法
JP2001342135A (ja) 血管新生阻害剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090402

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091009

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131211

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees