JP2001294537A - 併用医薬 - Google Patents

併用医薬

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JP2001294537A
JP2001294537A JP2001033804A JP2001033804A JP2001294537A JP 2001294537 A JP2001294537 A JP 2001294537A JP 2001033804 A JP2001033804 A JP 2001033804A JP 2001033804 A JP2001033804 A JP 2001033804A JP 2001294537 A JP2001294537 A JP 2001294537A
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JP2001033804A
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Yasuo Sugiyama
泰雄 杉山
Hiroyuki Odaka
裕之 小高
Kenichi Naruo
憲一 成尾
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA還元
酵素阻害薬とを組み合わせてなり、TNF−αが関与す
る疾患、例えば炎症性疾患などの予防・治療剤として有
用なTNF−α抑制剤を提供する。 【解決手段】インスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA
還元酵素阻害薬とを組み合わせてなるTNF−α抑制
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インスリン抵抗性
改善薬とHMG−CoA還元酵素阻害薬とを組み合わせ
てなり、TNF−αが関与する疾患、例えば炎症性疾患
などの予防・治療剤として有用なTNF−α抑制剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】TNF(腫瘍壊死因子)−αは、各種疾
患において重要な役を果たしていると考えられている。
例えば炎症性疾患である慢性関節リウマチにおいては、
TNF−αの産生が亢進し、これが関節組織の破壊をも
たらすと考えられている。インスリン抵抗性改善薬とH
MG−CoA還元酵素阻害薬との組み合わせについて
は、以下のような報告がなされている。 1)特開平9−71540(EP−A−753298)
には、動脈硬化および/または黄色腫の予防および/ま
たは治療のための、HMG−CoA還元酵素阻害性物質
の1種または2種以上と、インスリン抵抗性改善物質の
1種または2種以上との使用が記載されている。 2)特開平9−67271(EP−A−749751)
には、インスリン感受性増強剤と、α―グルコシダーゼ
阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤、ビグアナイド剤、
スタチン系化合物、スクアレン合成阻害剤、フィブラー
ト系化合物、LDL異化促進剤およびアンジオテンシン
変換酵素阻害剤の少なくとも一種とを組み合わせてなる
医薬が記載されている。 しかしながら、上記のいずれの文献も、TNF−α抑制
効果について記載ないし示唆するものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】TNF−αが関与する
疾患、例えば炎症性疾患などの予防・治療効果が優れて
おり、かつ副作用が見られないなど、医薬として十分に
優れた性質を有するTNF−α抑制剤の開発が切望され
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)インスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA還元酵
素阻害薬とを組み合わせてなるTNF−α抑制剤; (2)インスリン抵抗性改善薬が式[I]
【化2】 〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素基
または複素環基;Yは−CO−、−CH(OH)−また
は−NR3−(ただしR3は置換されていてもよいアルキ
ル基を示す。)で示される基;mは0または1;nは
0、1または2;XはCHまたはN;Aは結合手または
炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素基;Qは酸素原子
または硫黄原子;R1は水素原子またはアルキル基をそ
れぞれ示す。環Eはさらに1〜4個の置換基を有してい
てもよく、該置換基はR1と結合して環を形成していて
もよい。LおよびMはそれぞれ水素原子を示すかあるい
は互いに結合して結合手を形成していてもよい。〕で表
される化合物またはその塩である前記(1)記載の剤; (3)式[I]で表される化合物がピオグリタゾンであ
る前記(2)記載の剤; (4)式[I]で表される化合物がロシグリタゾンであ
る前記(2)記載の剤; (5)HMG−CoA還元酵素阻害薬がスタチン系化合
物である前記(1)記載の剤; (6)HMG−CoA還元酵素阻害薬が、セリバスタチ
ン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、
アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、
ZD−4522またはその塩である前記(1)記載の
剤; (7)HMG−CoA還元酵素阻害薬が、アトルバスタ
チンまたはその塩である前記(1)記載の剤; (8)ピオグリタゾンまたはその塩とセリバスタチンま
たはその塩とを組み合わせてなる前記(1)記載の剤; (9)ピオグリタゾンまたはその塩とプラバスタチンま
たはその塩とを組み合わせてなる前記(1)記載の剤; (10)ピオグリタゾンまたはその塩とアトルバスタチ
ンまたはその塩とを組み合わせてなる前記(1)記載の
剤; (11)ロシグリタゾンまたはその塩とセリバスタチン
またはその塩とを組み合わせてなる前記(1)記載の
剤; (12)ロシグリタゾンまたはその塩とプラバスタチン
またはその塩とを組み合わせてなる前記(1)記載の
剤; (13)ロシグリタゾンまたはその塩とアトルバスタチ
ンまたはその塩とを組み合わせてなる前記(1)記載の
剤; (14)炎症性疾患の予防・治療剤である前記(1)記
載の剤; (15)炎症性疾患が慢性関節リウマチである前記(1
4)記載の剤; (16)炎症性疾患が炎症性腸疾患である前記(14)
記載の剤; (17)哺乳動物に有効量のインスリン抵抗性改善薬と
HMG−CoA還元酵素阻害薬とを投与することを特徴
とする炎症性疾患の治療方法; (18)HMG−CoA還元酵素阻害薬と組み合わせて
用いられる炎症性疾患治療剤製造のためのインスリン抵
抗性改善薬の使用;などに関する。
【0005】本発明に用いられるインスリン抵抗性改善
薬は、障害を受けているインスリン受容体機能を元に戻
し、インスリンの抵抗性を改善する薬剤であって、その
具体例としては、例えばチアゾリジンジオンまたはオキ
サゾリジンジオン骨格を有する化合物、好ましくは前記
した式[I]で表される化合物またはその塩が挙げられ
る。
【0006】式[I]中、Rで示される置換されていて
もよい炭化水素基における炭化水素基としては、脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基、脂環族−脂肪族炭化水
素基、芳香脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げ
られる。これらの炭化水素基における炭素数は、好まし
くは1〜14である。脂肪族炭化水素基としては、炭素
数1〜8の脂肪族炭化水素基が好ましい。該脂肪族炭化
水素基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−
ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−
ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチ
ルなど炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素基(例、アル
キル基等);例えばビニル、1−プロペニル、2−プロ
ペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、
2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペ
ンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチ
ル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、
2,4−ヘキサジエニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテ
ニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニル、2
−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチ
ニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニ
ル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニ
ル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニル、1−ヘ
プチニル、1−オクチニルなど炭素数2〜8の不飽和脂
肪族炭化水素基(例、アルケニル基、アルカジエニル
基、アルキニル基、アルカジイニル基等)が挙げられ
る。脂環族炭化水素基としては、炭素数3〜7の脂環族
炭化水素基が好ましい。該脂環族炭化水素基としては、
例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数3〜7
の飽和脂環族炭化水素基(例、シクロアルキル基等)お
よび1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3
−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シク
ロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプ
テニル、2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプテニ
ル、2,4−シクロヘプタジエニルなど炭素数5〜7の
不飽和脂環族炭化水素基(例、シクロアルケニル基、シ
クロアルカジエニル基等)が挙げられる。
【0007】脂環族−脂肪族炭化水素基としては、上記
脂環族炭化水素基と脂肪族炭化水素基とが結合したもの
(例、シクロアルキル−アルキル基、シクロアルケニル
−アルキル基等)が挙げられ、なかでも炭素数4〜9の
脂環族−脂肪族炭化水素基が好ましい。該脂環族−脂肪
族炭化水素基としては、例えばシクロプロピルメチル、
シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペ
ンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シク
ロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シク
ロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニルメチル、シ
クロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロ
ヘプチルメチル、シクロヘプチルエチルなどが挙げられ
る。芳香脂肪族炭化水素基としては、炭素数7〜13の
芳香脂肪族炭化水素基(例、アラルキル基等)が好まし
い。該芳香脂肪族炭化水素基としては、例えばベンジ
ル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプ
ロピル、2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピル
など炭素数7〜9のフェニルアルキル、α−ナフチルメ
チル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、β−
ナフチルエチルなど炭素数11〜13のナフチルアルキ
ルなどが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、炭素
数6〜14の芳香族炭化水素基(例、アリール基等)が
好ましい。該芳香族炭化水素基としては、例えばフェニ
ル、ナフチル(α−ナフチル,β−ナフチル)などが挙
げられる。
【0008】式[I]中、Rで示される置換されていて
もよい複素環基における複素環基としては、環構成原子
として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原
子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5〜
7員の複素環基または縮合環基が挙げられる。縮合環と
しては、例えばこのような5〜7員の複素環と、1ない
し2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個
の硫黄原子を含む5員環との縮合環が挙げられる。複素
環基の具体例としては、例えば2−ピリジル、3−ピリ
ジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジ
ニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、3−ピリ
ダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、2−ピ
ロリル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、4−イミダ
ゾリル、5−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラ
ゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、2−チア
ゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサ
ゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1,2,
4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾ
−ル−3−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル、
テトラゾ−ル−5−イル、ベンズイミダゾ−ル−2−イ
ル、インド−ル−3−イル、1H−インダゾ−ル−3−
イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−2−イ
ル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−6−イル、
1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−2−イル、1
H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−2−イル、1H
−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−2−イル、ベンゾ
ピラニル、ジヒドロベンゾピラニル等が挙げられる。該
複素環基は、好ましくはピリジル、オキサゾリルまたは
チアゾリル基である。
【0009】式[I]中、Rで示される炭化水素基およ
び複素環基は、それぞれ置換可能な任意の位置に1〜5
個、好ましくは1〜3個の置換基を有していてもよい。
該置換基としては、例えば脂肪族炭化水素基、脂環式炭
化水素基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素
環基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよい
アミノ基、置換されていてもよいアシル基、置換されて
いてもよいヒドロキシル基、置換されていてもよいチオ
ール基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、
アミジノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スル
ホ基、シアノ基、アジド基、ニトロソ基が挙げられる。
【0010】脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜1
5の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、例えばア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ
る。アルキル基の好適な例としては、炭素数1〜10の
アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペン
チル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、
1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,
3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘキシル、ペ
ンチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
アルケニル基の好適な例としては、炭素数2〜10のア
ルケニル基、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、
1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブ
テニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1
−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニ
ル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニ
ル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2
−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−
ヘキセニルなどが挙げられる。アルキニル基の好適な例
としては、炭素数2〜10のアルキニル基、例えばエチ
ニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニ
ル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2
−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−
ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘ
キシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。
【0011】脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜1
2の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシク
ロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエ
ニル基などが挙げられる。シクロアルキル基の好適な例
としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基、例えば
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチ
ル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.
2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ
〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシルなど
が挙げられる。シクロアルケニル基の好適な例として
は、炭素数3〜10のシクロアルケニル基、例えば2−
シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−
イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキ
セン−1−イルなどが挙げられる。シクロアルカジエニ
ル基の好適な例としては、炭素数4〜10のシクロアル
カジエニル基、例えば2,4−シクロペンタジエン−1
−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5
−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。ア
リール基の好適な例としては、炭素数6〜14のアリー
ル基、例えばフェニル、ナフチル(1−ナフチル、2−
ナフチル)、アントリル、フェナントリル、アセナフチ
レニルなどが挙げられる。
【0012】芳香族複素環基の好適な例としては、例え
ばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,
4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、
フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4-チ
アジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−
トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニ
ル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えば
ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チ
エニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾ
リル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,
2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,
2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリ
ル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリ
ニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニ
ル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カル
ボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アク
リジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェ
ナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェ
ナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピ
ロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−
a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミ
ダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピ
リダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,
2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−
トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮
合複素環基などが挙げられる。
【0013】非芳香族複素環基の好適な例としては、例
えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエ
タニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニ
ル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニ
ル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピ
ペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノなどが挙げられ
る。ハロゲン原子の例としてはフッ素、塩素、臭素およ
びヨウ素が挙げられる。置換されていてもよいアミノ基
において、置換されたアミノ基としては、N−モノ置換
アミノ基およびN,N−ジ置換アミノ基が挙げられる。
該置換アミノ基としては、例えばC1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、芳香族基、複
素環基またはC1-10アシル基を、1個または2個置換基
として有するアミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルア
ミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミ
ノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニル
アミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、アセチルア
ミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチ
ノイルアミノ等)が挙げられる。
【0014】置換されていてもよいアシル基におけるア
シル基としては、例えば炭素数1〜13のアシル基、例
えば炭素数1〜10のアルカノイル基、炭素数3〜10
のアルケノイル基、炭素数4〜10のシクロアルカノイ
ル基、炭素数4〜10のシクロアルケノイル基、炭素数
6〜12の芳香族カルボニル基等が挙げられる。炭素数
1〜10のアルカノイル基の好適な例としては、例えば
ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブ
チリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサ
ノイル、ヘプタノイル、オクタノイルなどが挙げられ
る。炭素数3〜10のアルケノイル基の好適な例として
は、例えばアクリロイル、メタクリロイル、クロトノイ
ル、イソクロトノイル等が挙げられる。炭素数4〜10
のシクロアルカノイル基の好適な例としては、例えばシ
クロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シ
クロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル等
が挙げられる。炭素数4〜10のシクロアルケノイル基
の好適な例としては、例えば2−シクロヘキセンカルボ
ニル等が挙げられる。炭素数6〜12の芳香族カルボニ
ル基の好適な例としては、例えばベンゾイル、ナフトイ
ル、ニコチノイル等が挙げられる。置換されたアシル基
における置換基としては、例えば炭素数1〜3のアルキ
ル基、例えば炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン原
子(例、塩素,フッ素,臭素など)、ニトロ基、ヒドロ
キシル基、アミノ基等が挙げられる。
【0015】置換されていてもよいヒドロキシル基にお
いて、置換されたヒドロキシル基としては、例えばアル
コキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルケニルオキシ
基、シクロアルケニルオキシ基、アラルキルオキシ基、
アシルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。ア
ルコキシ基の好適な例としては、炭素数1〜10のアル
コキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキ
シ、t.−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキ
シ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、ノニルオキシ等が挙げられる。シクロアルキルオ
キシ基の好適な例としては、炭素数3〜10のシクロア
ルキルオキシ基、例えばシクロブトキシ、シクロペンチ
ルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。アル
ケニルオキシ基の好適な例としては、炭素数2〜10の
アルケニルオキシ基、例えばアリル(allyl)オキシ、
クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニ
ルオキシ等が挙げられる。シクロアルケニルオキシ基の
好適な例としては、炭素数3〜10のシクロアルケニル
オキシ基、例えば2−シクロペンテニルオキシ、2−シ
クロヘキセニルオキシ等が挙げられる。アラルキルオキ
シ基の好適な例としては、炭素数7〜10のアラルキル
オキシ基、例えばフェニル−C1-4アルキルオキシ
(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなど)等が挙
げられる。アシルオキシ基の好適な例としては、炭素数
2〜13のアシルオキシ基、さらに好ましくは炭素数2
〜4のアルカノイルオキシ基(例、アセチルオキシ、プ
ロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シなど)等が挙げられる。アリールオキシ基の好適な例
としては、炭素数6〜14のアリールオキシ基、例えば
フェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。該アリー
ルオキシ基は、1ないし2個の置換基を有していてもよ
く、このような置換基としては、例えばハロゲン原子
(例、塩素,フッ素,臭素など)等が挙げられる。置換
されたアリールオキシ基としては、例えば4−クロロフ
ェノキシ等が挙げられる。
【0016】置換されていてもよいチオール基におい
て、置換されたチオール基としては、例えばアルキルチ
オ基、シクロアルキルチオ基、アルケニルチオ基、シク
ロアルケニルチオ基、アラルキルチオ基、アシルチオ
基、アリールチオ基などが挙げられる。アルキルチオ基
の好適な例としては、炭素数1〜10のアルキルチオ
基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イ
ソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec.−
ブチルチオ、t.−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペン
チルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチル
チオ、ノニルチオ等が挙げられる。シクロアルキルチオ
基の好適な例としては、炭素数3〜10のシクロアルキ
ルチオ基、例えばシクロブチルチオ、シクロペンチルチ
オ、シクロヘキシルチオ等が挙げられる。アルケニルチ
オ基の好適な例としては、炭素数2〜10のアルケニル
チオ基、例えばアリル(allyl)チオ、クロチルチオ、
2−ペンテニルチオ、3−ヘキセニルチオ等が挙げられ
る。シクロアルケニルチオ基の好適な例としては、炭素
数3〜10のシクロアルケニルチオ基、例えば2−シク
ロペンテニルチオ、2−シクロヘキセニルチオ等が挙げ
られる。アラルキルチオ基の好適な例としては、炭素数
7〜10のアラルキルチオ基、例えばフェニル−C1-4
アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチルチオな
ど)等が挙げられる。アシルチオ基の好適な例として
は、炭素数2〜13のアシルチオ基、さらに好ましくは
炭素数2〜4のアルカノイルチオ基(例、アセチルチ
オ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチ
オなど)等が挙げられる。アリールチオ基の好適な例と
しては、炭素数6〜14のアリールチオ基、例えばフェ
ニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。該アリールチ
オ基は、1ないし2個の置換基を有していてもよく、こ
のような置換基としては、例えばハロゲン原子(例、塩
素,フッ素,臭素など)等が挙げられる。置換されたア
リールチオ基としては、例えば4−クロロフェニルチオ
等が挙げられる。
【0017】エステル化されていてもよいカルボキシル
基としては、例えばアルコキシカルボニル基、アラルキ
ルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等
が挙げられる。アルコキシカルボニル基の好適な例とし
ては、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、例えば
メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシ
カルボニル,ブトキシカルボニル等が挙げられる。アラ
ルキルオキシカルボニル基の好適な例としては、炭素数
8〜10のアラルキルオキシカルボニル基、例えばベン
ジルオキシカルボニル等が挙げられる。アリールオキシ
カルボニル基の好適な例としては、炭素数7〜15のア
リールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニ
ル,p−トリルオキシカルボニル等が挙げられる。Rで
示される炭化水素基および複素環基における置換基は、
好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、芳香族複素環
基、炭素数6〜14のアリール基であり、さらに好まし
くはC1-3アルキル,フリル,チエニル,フェニル,ナ
フチルである。
【0018】式[I]中、Rで示される炭化水素基およ
び複素環基上の置換基は、それらが脂環式炭化水素基,
アリール基,芳香族複素環基または非芳香族複素環基で
あるときはさらにそれぞれ適当な置換基を1個以上、好
ましくは1〜3個有していてもよく、このような置換基
としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2
〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭
素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリ
ール基、芳香族複素環基(例、チエニル,フリル,ピリ
ジル,オキサゾリル,チアゾリルなど)、非芳香族複素
環基(例、テトラヒドロフリル,モルホリノ,チオモル
ホリノ,ピペリジノ,ピロリジノ,ピペラジノなど)、
炭素数7〜9のアラルキル基、アミノ基、N−モノ−C
1-4アルキルアミノ基、N,N−ジ−C1-4アルキルアミ
ノ基、炭素数2〜8のアシルアミノ基(例、アセチルア
ミノ,プロピオニルアミノ,ベンゾイルアミノなど)、
アミジノ基、炭素数2〜8のアシル基(例、炭素数2〜
8のアルカノイル基など)、カルバモイル基、N−モノ
−C1-4アルキルカルバモイル基、N,N−ジ−C1-4
ルキルカルバモイル基、スルファモイル基、N−モノ−
1-4アルキルスルファモイル基、N,N−ジ−C1-4
ルキルスルファモイル基、カルボキシル基、炭素数2〜
8のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、炭素数
1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニルオキ
シ基、炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、炭素数
7〜9のアラルキルオキシ基、炭素数6〜14のアリー
ルオキシ基、メルカプト基、炭素数1〜4のアルキルチ
オ基、炭素数7〜9のアラルキルチオ基、炭素数6〜1
4のアリールチオ基、スルホ基、シアノ基、アジド基、
ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子などが挙げられ
る。式[I]中、Rは、好ましくは置換されていてもよ
い複素環基である。Rは、さらに好ましくはC1-3アル
キル,フリル,チエニル,フェニルおよびナフチルから
選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいピリ
ジル,オキサゾリルまたはチアゾリル基である。
【0019】式[I]中、Yは、−CO−,−CH(O
H)−または−NR3−(ただしR3は置換されていても
よいアルキル基を示す。)を示すが、−CH(OH)−
または−NR3−が好ましい。ここにおいて、R3で示さ
れる置換されていてもよいアルキル基におけるアルキル
基としては、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec.−ブチル,t.−ブチルなどが挙げられる。ま
た、置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ
素,塩素,臭素,ヨウ素),炭素数1〜4のアルコキシ
基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,
イソブトキシ,sec.−ブトキシ,t.−ブトキシなど),
ヒドロキシル基,ニトロ基,炭素数1〜4のアシル基
(例、ホルミル,アセチル,プロピオニルなど)などが
挙げられる。mは、0または1を示すが、好ましくは0
である。nは、0,1または2を示すが、好ましくは0
または1である。Xは、CHまたはNを示すが、好まし
くはCHである。
【0020】式[I]中、Aは、結合手または炭素数1
〜7の2価の脂肪族炭化水素基を示す。該脂肪族炭化水
素基は、直鎖状または分枝状のいずれでもよく、また飽
和または不飽和のいずれでもよい。その具体例として
は、例えば−CH2−,−CH(CH3)−,−(C
22−,−CH(C25)−,−(CH23−,−
(CH24−,−(CH25−,−(CH26−,−
(CH27−などの飽和のもの、例えば−CH=CH
−,−C(CH3)=CH−,−CH=CH−CH2−,
−C(C25)=CH−,−CH2−CH=CH−CH2
−,−CH2−CH2−CH=CH−CH2−,−CH=
CH−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=C
H−CH=CH−CH2−などの不飽和のものが挙げら
れる。Aは、好ましくは結合手または炭素数1〜4の2
価の脂肪族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基は、
さらに飽和であることが好ましい。Aは、さらに好まし
くは結合手または−(CH22−である。R1で示され
るアルキル基としては、前記したR3におけるアルキル
基と同様のものが用いられる。R1は、好ましくは水素
原子である。
【0021】式[I]中、部分構造式
【化3】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕を示す。ま
た、環Eは、置換可能な任意の位置に、さらに1ないし
4個の置換基を有していてもよい。このような置換基と
しては、アルキル基、置換されていてもよいヒドロキシ
ル基,ハロゲン原子,置換されていてもよいアシル基,
ニトロ基および置換されていてもよいアミノ基が挙げら
れる。これらは、いずれも前述のRで示される炭化水素
基および複素環基の置換基として述べたものと同様のも
のが用いられる。
【0022】環E、すなわち部分構造式
【化4】 〔式中、R2は、水素原子,アルキル基,置換されてい
てもよいヒドロキシル基,ハロゲン原子,置換されてい
てもよいアシル基,ニトロ基または置換されていてもよ
いアミノ基を示す。〕を示す。R2で示されるアルキル
基,置換されていてもよいヒドロキシル基,ハロゲン原
子,置換されていてもよいアシル基,および置換されて
いてもよいアミノ基としては、いずれも前述のRで示さ
れる炭化水素基および複素環基の置換基として述べたも
のと同様のものが挙げられる。R2は、好ましくは水素
原子、置換されていてもよいヒドロキシル基またはハロ
ゲン原子である。R2は、さらに好ましくは水素原子ま
たは置換されていてもよいヒドロキシル基であり、特に
好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルコキシ基
である。
【0023】式[I]中、LおよびMは、水素原子ある
いは互いに結合して結合手を示すが、好ましくは水素原
子である。ここで、LとMが互いに結合して結合手を形
成する化合物には、アゾリジンジオン環の5位の二重結
合に関し、(E)体および(Z)体が存在する。また、
LおよびMがそれぞれ水素原子を示す化合物には、アゾ
リジンジオン環の5位の不斉炭素による(R)−体およ
び(S)−体の光学異性体が存在し、該化合物は、これ
ら(R)−体および(S)−体の光学活性体およびラセ
ミ体を含む。
【0024】式[I]で表される化合物の好ましい例と
しては、例えば、RがC1-3アルキル,フリル,チエニ
ル,フェニルおよびナフチルから選ばれる1ないし3個
の置換基を有していてもよいピリジル,オキサゾリルま
たはチアゾリル基;mが0;nが0または1;XがC
H;Aが結合手または−(CH22−;R1が水素原
子;環Eすなわち部分構造式
【化5】 かつR2が水素原子またはC1-4アルコキシ基;Lおよび
Mが水素原子である化合物が挙げられる。
【0025】式[I]で表される化合物の好適な例とし
ては、例えば5−〔4−〔2−(5−エチル−2−ピリ
ジル)エトキシ〕ベンジル〕−2,4−チアゾリジンジ
オン (一般名:ピオグリタゾン);5−〔〔4−
〔(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メ
トキシ〕フェニル〕メチル〕−2,4−チアゾリジンジ
オン (一般名:トログリタゾン);5−〔〔4−〔2
−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ〕フェニ
ル〕メチル〕−2,4−チアゾリジンジオン (一般
名:ロシグリタゾン);5−〔3−〔4−(5−メチル
−2−フェニル−4−チアゾリルメトキシ)フェニル〕
プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンなどが挙げ
られる。
【0026】式[I]で表される化合物の塩としては、
薬理学的に許容し得る塩、例えば無機塩基との塩、有機
塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性また
は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との
塩の好適な例としては、例えばナトリウム,カリウムな
どのアルカリ金属、カルシウム,マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属、ならびにアルミニウム、アンモニウム
などとの塩が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例と
しては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、
ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が
挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば
塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙
げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、
酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、
オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩
の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミ
ン酸などとの塩が挙げられる。
【0027】式[I]で表される化合物またはその塩
は、好ましくはピオグリタゾン、ロシグリタゾンまたは
それらの塩であり、さらに好ましくは、ピオグリタゾン
またはその塩酸塩、ロシグリタゾンまたはそのマレイン
酸塩であり、特に好ましくは塩酸ピオグリタゾンであ
る。
【0028】式[I]で表される化合物またはその塩
は、例えば特開昭55−22636(EP−A 820
3)、特開昭60−208980(EP−A 1558
45)、特開昭61−286376(EP−A 208
420)、特開昭61−85372(EP−A 177
353)、特開昭61−267580(EP−A 19
3256)、特開平5−86057(WO 92/18
501)、特開平7−82269(EP−A 6052
28)、特開平7−101945(EP−A 6127
43)、EP−A−643050、EP−A−7106
59等に記載の方法あるいはそれに準ずる方法により製
造することができる。
【0029】本発明に用いられるインスリン抵抗性改善
薬としては、上記した以外に、さらに例えば(±)−4
−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾー
ル−4−イル)エトキシ]ベンジル]イソオキサゾリジ
ン−3,5−ジオン (JTT−501)またはその
塩;5−〔〔3,4−ジヒドロ−2−(フェニルメチ
ル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル〕メチル〕−
2,4−チアゾリジンジオン (一般名:エングリタゾ
ン)またはその塩(好ましくはナトリウム塩);5−
〔〔4−〔3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキ
サゾリル)−1−オキソプロピル〕フェニル〕メチル〕
−2,4−チアゾリジンジオン (一般名:ダルグリタ
ゾン/CP−86325)またはその塩(好ましくはナ
トリウム塩);5−〔2−(5−メチル−2−フェニル
−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イルメ
チル〕−2,4−オキサゾリジンジオン (CP−92
768)またはその塩;5−(2−ナフタレニルスルフ
ォニル)−2,4−チアゾリジンジオン (AY−31
637)またはその塩;4−〔(2−ナフタレニル)メ
チル〕−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾール−
2−オキシド (AY−30711)またはその塩;5
−〔〔6−(2−フルオロベンジルオキシ)−2−ナフ
チル〕メチル〕−2,4−チアゾリジンジオン (MC
C−555)またはその塩;(±)−[5−[(2,4
−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]−2−メ
トキシ−N−[[4−(トリフルオロメチル)フェニ
ル]メチル]ベンズアミド (AHG−255)または
その塩;4−[1−(3,5,5,8,8−ペンタメチ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イ
ル)エテニル]安息香酸 (LGD1069)またはそ
の塩;6−[1−(3,5,5,8,8−ペンタメチル
−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イ
ル)シクロプロピル]ニコチン酸 (LG10026
8)またはその塩;1,4−ビス[4−[(3,5−ジ
オキソ−1,2,4−オキサジアゾリジン−2−イル)
メチル]フェノキシ]−2−ブテン (YM−440)
またはその塩;CS−011;デキクスリポタム(dexl
ipotam);GI−262570;INS−1;AR−H
−0329242;CLX−0901;FK−614;
KRP−297;CRE−16336;NN−234
4;BM−13−1258;S−15261;KB−R
−7785;DN−108;DRF−2725;GW−
2570;GW−2433;MXC−3255;L−7
46449;L−767827;L−783281など
も挙げられる。これらの化合物の塩としては、前記した
式[I]で表される化合物の塩と同様のものが用いられ
る。
【0030】インスリン抵抗性改善薬は、好ましくはピ
オグリタゾンまたはその塩酸塩、ロシグリタゾンまたは
そのマレイン酸塩、または(±)−4−[4−[2−
(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イル)
エトキシ]ベンジル]イソオキサゾリジン−3,5−ジ
オンであり、特に好ましくは塩酸ピオグリタゾンであ
る。本発明において用いられるインスリン抵抗性改善薬
は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0031】本発明に用いられるHMG−CoA還元酵
素阻害薬は、コレステロール生合成律速段階の酵素であ
る3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイ
ムA還元酵素(HMG−CoA還元酵素)を阻害する薬
剤であって、例えばスタチン系化合物などが挙げられ
る。その具体例としては、例えばセリバスタチン、プラ
バスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバ
スタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4
522またはそれらの塩などが挙げられる。ここで、塩
としては、前記した式[I]で表される化合物の塩と同
様のものが用いられる。HMG−CoA還元酵素阻害薬
は、好ましくはセリバスタチン、プラバスタチン、アト
ルバスタチンまたはそれらの塩などである。本発明にお
いて用いられるHMG−CoA還元酵素阻害薬は、2種
以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0032】本発明の剤において、好ましい組み合わせ
の例としては、例えば 1)ピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは塩酸塩)
とセリバスタチンまたはその塩(好ましくはナトリウム
塩)との組み合わせ; 2)ピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは塩酸塩)
とプラバスタチンまたはその塩(好ましくはナトリウム
塩)との組み合わせ; 3)ピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは塩酸塩)
とアトルバスタチンまたはその塩との組み合わせ; 4)ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン
酸塩)とセリバスタチンまたはその塩(好ましくはナト
リウム塩)との組み合わせ; 5)ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン
酸塩)とプラバスタチンまたはその塩(好ましくはナト
リウム塩)との組み合わせ; 6)ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン
酸塩)とアトルバスタチンまたはその塩との組み合わせ
などが挙げられる。
【0033】本発明において、TNF−α抑制剤とは、
生体組織(例、骨格筋、単球、マクロファージ、好中
球、繊維芽細胞、上皮細胞、アストロサイト等)におい
て、TNF−α産生量またはTNF−α活性を低下させ
る薬剤を意味する。
【0034】本発明のTNF−α抑制剤は、 哺乳動物
(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウ
シ、ウマ、ブタ、サル等)に対し、TNF−αが関与す
る疾患( TNF−αにより誘発される疾患)の予防お
よび治療剤として用いられる。ここで、TNF−αが関
与する疾患とは、TNF−αの存在により発症し、TN
F−αの抑制効果を介して治療される疾患である。この
ような疾患としては、例えば炎症性疾患〔例、網膜症、
腎症、神経障害、大血管障害等の糖尿病性合併症;慢性
関節リウマチ、変形性関節炎、リウマチ様脊髄炎、通風
性関節炎、骨膜炎等の関節炎;腰痛;通風;手術・外傷
後の炎症;腫脹の緩解;神経痛;咽頭炎;膀胱炎;肺
炎;アトピー性皮膚炎;クローン病、潰瘍性大腸炎等の
炎症性腸疾患;髄膜炎;炎症性眼疾患;肺炎、珪肺、肺
サルコイドーシス、肺結核等の炎症性肺疾患等〕、循環
器系疾患(例、狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、汎
発生血管内凝固症候群等)、喘息、アレルギー疾患、慢
性閉塞性肺疾患、全身性エリテマトーデス、クローン
病、自己免疫性溶血性貧血、乾癬、神経変性疾患(例、
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化
症、エイズ脳症等)、中枢神経障害(例、脳出血および
脳梗塞等の脳血管障害、頭部外傷、脊椎損傷、脳浮腫、
多発性硬化症等)、毒血症(例、敗血症、敗血症性ショ
ック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、トキシン
ショック症候群等)、アジソン病、クロイツフェルト−
ヤコブ病、ウイルス感染症(例、サイトメガルウイル
ス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス等のウ
イルス感染症)、移植時の拒絶反応、透析低血圧、骨粗
鬆症などが挙げられる。
【0035】本発明の剤は、活性成分であるインスリン
抵抗性改善薬と、HMG−CoA還元酵素阻害薬とを組
み合わせることにより得られる。これらの活性成分は、
別々にあるいは同時に、薬理学的に許容される担体と自
体公知の手段[製剤技術分野において慣用の手段、例え
ば日本薬局方(例えば第13改正)に記載の手段等]に
したがって混合することによって製剤化されていてもよ
い。本発明の剤またはその各活性成分の剤形としては、
例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカ
プセルを含む)、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の経口
剤;および注射剤(例、皮下注射剤,静脈内注射剤,筋
肉内注射剤,腹腔内注射剤等)、外用剤(例、経鼻投与
製剤,経皮製剤,軟膏剤等)、坐剤(例、直腸坐剤,膣
坐剤等)、ペレット、点滴剤、徐放性製剤(例、徐放性
マイクロカプセル等)等の非経口剤が挙げられる。
【0036】以下に、経口剤および非経口剤の製造法に
ついて具体的に説明する。経口剤は、活性成分に、例え
ば賦形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトー
ル,キシリトール,ソルビトール,エリスリトール,結
晶セルロース,軽質無水ケイ酸など)、崩壊剤(例、炭
酸カルシウム,デンプン,カルボキシメチルセルロー
ス,カルボキシメチルセルロースカルシウム,低置換度
ヒドロキシプロピルセルロース,クロスカルメロースナ
トリウム,カルボキシメチルスターチナトリウム,軽質
無水ケイ酸など)、結合剤(例、α化デンプン,アラビ
アゴム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロ
ピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス,ポリビニルピロリドン,結晶セルロース,メチルセ
ルロース,白糖,D−マンニトール,トレハロース,デ
キストリンなど)または滑沢剤(例、タルク,ステアリ
ン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,コロイド
シリカ,ポリエチレングリコール6000など)などを
添加して圧縮成形することにより製造される。また、経
口剤には、活性成分の溶解促進を目的として、塩酸,リ
ン酸,マロン酸,コハク酸,DL−リンゴ酸,酒石酸,
マレイン酸,フマル酸,クエン酸等の酸類または炭酸ナ
トリウム,炭酸水素ナトリウム,クエン酸ナトリウム,
酒石酸ナトリウム等の塩基を添加してもよい。
【0037】さらに、味のマスキング,腸溶化あるいは
徐放化を目的として、自体公知の方法により、経口剤に
コーティングを行ってもよい。コーティング剤として
は、例えば腸溶性ポリマー(例、酢酸フタル酸セルロー
ス、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポ
リマーLD、メタアクリル酸コポリマーS、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボ
キシメチルエチルセルロース等)、胃溶性ポリマー
(例、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテー
ト、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE
等)、水溶性ポリマー(例、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、水不
溶性ポリマー(例、エチルセルロース、アミノアルキル
メタアクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・
メタアクリル酸メチル共重合体等)、ワックスなどが用
いられる。コーティングを行う場合、上記コーティング
剤とともに、ポリエチレングリコール等の可塑剤、酸化
チタン,三二酸化鉄等の遮光剤を用いてもよい。
【0038】注射剤は、活性成分を分散剤(例、ツイー
ン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国),HC
O 60(日光ケミカルズ製),ポリエチレングリコー
ル,カルボキシメチルセルロース,アルギン酸ナトリウ
ムなど)、保存剤(例、メチルパラベン,プロピルパラ
ベン,ベンジルアルコール,クロロブタノール,フェノ
ール等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,グリセリ
ン,D−ソルビトール,D−マンニトール,キシリトー
ル,ブドウ糖,果糖等)などと共に、水性溶剤(例、蒸
留水,生理的食塩水,リンゲル液等)あるいは油性溶剤
(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,コーン油などの植
物油;プロピレングリコール,マクロゴール,トリカプ
リリン等)などに溶解、懸濁あるいは乳化することによ
り製造される。この際、所望により、溶解補助剤(例、
サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,ポリエチレン
グリコール,プロピレングリコール,D−マンニトー
ル,トレハロース,安息香酸ベンジル,エタノール,ト
リスアミノメタン,コレステロール,トリエタノールア
ミン,炭酸ナトリウム,クエン酸ナトリウム等)、懸濁
化剤(例、ステアリルトリエタノールアミン,ラウリル
硫酸ナトリウム,ラウリルアミノプロピオン酸,レシチ
ン,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,モノ
ステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;ポリビニル
アルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシメチル
セルロースナトリウム,メチルセルロース,ヒドロキシ
メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒド
ロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子等)、緩
衝化剤(例、リン酸塩,酢酸塩,炭酸塩,クエン酸塩な
どの緩衝液等)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン
等)、無痛化剤(例、プロピレングリコール,塩酸リド
カイン,ベンジルアルコール等)、防腐剤(例、パラオ
キシ安息香酸エステル類,クロロブタノール,塩化ベン
ザルコニウム,ベンジルアルコール,フェネチルアルコ
ール,デヒドロ酢酸,ソルビン酸等)等の添加物を用い
てもよい。
【0039】外用剤は、活性成分を固状、半固状または
液状の組成物とすることにより製造される。例えば、上
記固状の組成物は、活性成分をそのまま、あるいは賦形
剤(例、乳糖,D−マンニトール,デンプン,結晶セル
ロース,白糖など)、増粘剤(例、天然ガム類,セルロ
ース誘導体,アクリル酸重合体など)などを添加、混合
して粉状とすることにより製造される。上記液状の組成
物は、注射剤の場合とほとんど同様にして製造される。
半固状の組成物は、水性または油性のゲル剤、あるいは
軟膏状のものがよい。また、これらの組成物は、いずれ
もpH調節剤(例、リン酸,クエン酸,塩酸,水酸化ナ
トリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エス
テル類,クロロブタノール,塩化ベンザルコニウム,ベ
ンジルアルコール,フェネチルアルコール,デヒドロ酢
酸,ソルビン酸など)などを含んでいてもよい。
【0040】坐剤は、活性成分を油性または水性の固
状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造
される。該組成物の製造の際に用いられる油性基剤とし
ては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂,
ウイテプゾル類(ヒュルス アクチエンゲゼルシャフト
社製、ドイツ)など〕、中級脂肪酸トリグリセライド
〔例、ミグリオール類(ヒュルス アクチエンゲゼルシ
ャフト社製、ドイツ)など〕、植物油(例、ゴマ油,大
豆油,綿実油など)などが挙げられる。水性基剤として
は、例えばポリエチレングリコール類,プロピレングリ
コールなどが挙げられる。また、水性ゲル基剤として
は、例えば天然ガム類,セルロース誘導体,ビニール重
合体,アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0041】本発明の剤の投与形態は、特に限定され
ず、投与時にインスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA
還元酵素阻害薬とが組み合わされていればよい。このよ
うな投与形態としては、例えば、1)インスリン抵抗性
改善薬とHMG−CoA還元酵素阻害薬とを同時に製剤
化して得られる単一の製剤の投与、2)インスリン抵抗
性改善薬とHMG−CoA還元酵素阻害薬とを別々に製
剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投
与、3)インスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA還元
酵素阻害薬とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の
同一投与経路での時間差をおいての投与、4)インスリ
ン抵抗性改善薬とHMG−CoA還元酵素阻害薬とを別
々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路で
の同時投与、5)インスリン抵抗性改善薬とHMG−C
oA還元酵素阻害薬とを別々に製剤化して得られる2種
の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例
えば、インスリン抵抗性改善薬、HMG−CoA還元酵
素阻害薬の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)
などが挙げられる。なかでも、上記2)または3)が好
ましい。さらに具体的には、インスリン抵抗性改善薬お
よびHMG−CoA還元酵素阻害薬を別々に錠剤などの
経口剤とし、該経口剤を同時に、または時間差をおいて
投与することが好ましい。
【0042】本発明の剤は、毒性も低く、哺乳動物
(例、ヒト,マウス,ラット,ウサギ,イヌ,ネコ,ウ
シ,ウマ,ブタ,サル等)に対し、経口的または非経口
的に安全に用いられる。本発明の剤の投与量は、個々の
薬剤の投与量に準ずればよく、投与対象,投与対象の年
齢および体重,症状,投与時間,剤形,投与方法,薬剤
の組み合わせ等により、適宜選択することができる。イ
ンスリン抵抗性改善薬およびHMG−CoA還元酵素阻
害薬の投与量は、臨床上用いられる用量を基準として適
宜選択することができる。例えばインスリン抵抗性改善
薬を成人患者(体重50kg)(例えば炎症性疾患に罹
患している患者)に投与する場合、1日あたりの投与量
は、通常0.01〜1000mg、好ましくは0.1〜50
0mgであり、この量を1日1ないし数回に分けて投与す
ることができる。とりわけインスリン抵抗性改善薬とし
て塩酸ピオグリタゾンを用いる場合、塩酸ピオグリタゾ
ンの1日あたりの投与量は、通常7.5〜60mg、好
ましくは15〜45mgである。また、インスリン抵抗
性改善薬としてトログリタゾンを用いる場合、トログリ
タゾンの1日あたりの投与量は、通常100〜1000
mg、好ましくは200〜600mgである。インスリ
ン抵抗性改善薬としてロシグリタゾン(またはそのマレ
イン酸塩)を用いる場合、ロシグリタゾンの1日あたり
の投与量は、通常1〜12mg、好ましくは2〜8mg
である。HMG−CoA還元酵素阻害薬を、成人患者
(体重50kg)(例えば炎症性疾患に罹患している患
者)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常0.
01〜100mg、好ましくは0.5〜50mgであリ、こ
の量を1日1ないし数回に分けて投与することができ
る。とりわけHMG−CoA還元酵素阻害薬としてセリ
バスタチンナトリウムを用いる場合、セリバスタチンナ
トリウムの1日あたりの投与量は、通常0.01〜1m
g、好ましくは0.05〜0.5mgである。また、H
MG−CoA還元酵素阻害薬としてプラバスタチンナト
リウムを用いる場合、プラバスタチンナトリウムの1日
あたりの投与量は、通常1〜100mg、好ましくは5
〜50mgである。HMG−CoA還元酵素阻害薬とし
てシンバスタチンを用いる場合、シンバスタチンの1日
あたりの投与量は、通常0.5〜50mg、好ましくは
1〜20mgである。HMG−CoA還元酵素阻害薬と
してフルバスタチンナトリウムを用いる場合、フルバス
タチンナトリウムの1日あたりの投与量は、通常5〜2
00mg、好ましくは10〜100mgである。
【0043】本発明の剤において、インスリン抵抗性改
善薬とHMG−CoA還元酵素阻害薬との配合比は、投
与対象,投与対象の年齢および体重,症状,投与時間,
剤形,投与方法,薬剤の組み合わせ等により、適宜選択
することができる。例えばインスリン抵抗性改善薬1重
量部に対し、HMG−CoA還元酵素阻害薬を通常0.
005〜200重量部程度、好ましくは0.01〜0.
2重量部程度用いればよい。
【0044】本発明の剤は、インスリン抵抗性改善薬ま
たはHMG−CoA還元酵素阻害薬の単独投与に比べ
て、増強されたTNF−α抑制作用を有する。さらに、
インスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA還元酵素阻害
薬とを組み合わせて用いることにより、各薬剤の単独使
用時と比べて、薬剤の使用量を低減することができ、こ
れら薬剤が好ましくない作用を有する場合、このような
作用を低減することができる。
【0045】本発明の剤において、インスリン抵抗性改
善薬またはHMG−CoA還元酵素阻害薬に悪影響を及
ぼさない併用用薬剤を用いることができる。このような
併用用薬剤としては、例えば、「糖尿病治療薬(インス
リン抵抗性改善薬を除く)」、「糖尿病合併症治療
薬」、「抗肥満薬」、「高血圧治療薬」、「高脂血症治
療薬(HMG−CoA還元酵素阻害薬を除く)」、「利
尿剤」などが挙げられる。
【0046】前記「糖尿病治療薬(インスリン抵抗性改
善薬を除く)」としては、例えばインスリン、インスリ
ン分泌促進薬、ビグアナイド剤、α―グルコシダーゼ阻
害薬などが挙げられる。インスリンとしては、インスリ
ン作用を有する物質であればよく、その具体例として
は、例えばウシ,ブタの膵臓から抽出された動物インス
リン;ブタの膵臓から抽出されたインスリンから酵素的
に合成された半合成ヒトインスリン;大腸菌,イースト
を用い遺伝子工学的に合成したヒトインスリンなどが挙
げられる。また、インスリンとしては、0.45から
0.9(w/w)%の亜鉛を含むインスリン亜鉛;塩化
亜鉛,硫酸プロタミンおよびインスリンから製造される
プロタミンインスリン亜鉛なども用いられる。さらに、
インスリンは、そのフラグメントあるいは誘導体(例、
INS-1など)であってもよい。なお、インスリンには、
超速効型、速効型、二相型、中間型、持続型など種々の
ものが含まれるが、これらは患者の病態により適宜選択
できる。
【0047】本発明の剤と、インスリンとを組み合わせ
て用いる場合、相乗効果を有し、あるいはインスリンの
使用量がインスリン単独投与時の使用量よりも低減され
るため、インスリン多量投与の弊害である血管合併症お
よび低血糖誘発の危険性が低い。
【0048】インスリン分泌促進薬としては、例えばス
ルフォニル尿素剤が挙げられる。該スルフォニル尿素剤
の具体例としては、例えばトルブタミド、クロルプロパ
ミド、トラザミド、アセトヘキサミド、 グリクロピラ
ミドおよびそのアンモニウム塩、グリベンクラミド、グ
リクラジド、1−ブチル−3−メタニリルウレア、カル
ブタミド、グリボルヌリド、グリピジド、グリキドン、
グリソキセピド、グリブチアゾール、グリブゾール、グ
リヘキサミド、グリミジン、グリピナミド、フェンブタ
ミド、トルシクラミド、グリメピリドなどが挙げられ
る。上記以外にも、インスリン分泌促進薬としては、例
えばナテグリニド(nateglinide,AY-4166)、ミチグリ
ニド[(mitiglinide)、(2S)−2−ベンジル−3
−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボ
ニル)プロピオン酸カルシウム 2水和物(KAD-122
9)]、レパグリニド(repaglinide)などが挙げられ
る。
【0049】ビグアナイド剤としては、例えばフェンホ
ルミン、メトホルミン、ブホルミンなどが挙げられる。
α―グルコシダーゼ阻害薬としては、例えばアカルボー
ス、ボグリボース、ミグリトール、エミグリテート(Em
iglitate)などが挙げられる。上記以外にも、「糖尿病
治療薬(インスリン抵抗性改善薬を除く)」としては、
例えばエルゴセット(ergoset)、プラムリンタイド(p
ramlintide)、レプチン、BAY-27-9955、T-1095などが
挙げられる。
【0050】例えば「糖尿病治療薬(インスリン抵抗性
改善薬を除く)」を、成人患者(体重50kg)に投与
する場合、1日あたりの投与量は、通常0.1〜250
0mg、好ましくは0.5〜1000mgであリ、この量を
1日1ないし数回に分けて投与することができる。イン
スリンを、成人患者(体重50kg)に投与(通常は注
射剤として投与)する場合、1日あたりの投与量は、通
常10から100U(単位)、好ましくは10から80
U(単位)であリ、この量を1日1ないし数回に分けて
投与することができる。インスリン分泌促進薬を、成人
患者(体重50kg)に投与する場合、1日あたりの投
与量は、通常0.1〜1000mg、好ましくは1〜10
0mgであリ、この量を1日1ないし数回に分けて投与す
ることができる。ビグアナイド剤を、成人患者(体重5
0kg)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常
10〜2500mg、好ましくは100〜1000mgであ
リ、この量を1日1ないし数回に分けて投与することが
できる。α―グルコシダーゼ阻害薬を、成人患者(体重
50kg)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通
常0.1〜400mg、好ましくは0.6〜300mgであ
リ、この量を1日1ないし数回に分けて投与することが
できる。
【0051】前記「糖尿病合併症治療薬」としては、例
えばアルドース還元酵素阻害薬、グリケーション阻害
薬、プロテインキナーゼC阻害薬などが挙げられる。ア
ルドース還元酵素阻害剤としては、例えばトルレスタッ
ト;エパルレスタット;3,4−ジヒドロ−2,8−ジイ
ソプロピル−3−チオキソ−2H−1,4−ベンゾオキ
サジン−4−酢酸; イミレスタット; ゼナレスタッ
ト;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−2’,5’−ジオ
キソ−スピロ〔4H−1−ベンゾピラン−4,4’−イ
ミダゾリジン〕−2−カルボキサミド (SNK-860);
ゾポルレスタット;ソルビニル;および1−〔(3−ブ
ロモ−2−ベンゾフラニル)スルフォニル〕−2,4−
イミダゾリジンジオン (M-16209);CT-112;NZ-31
4;ARI-509などが挙げられる。グリケーション阻害薬と
しては、例えばピマゲジン(pimagedine)などが挙げら
れる。プロテインキナーゼC阻害薬としては、例えばNG
F、LY-333531などが挙げられる。上記以外にも、「糖尿
病合併症治療薬」としては、例えばアルプロスタジル、
塩酸チアプリド、シロスタゾール、塩酸メキシレチン、
イコサペント酸エチル、メマンチン(memantine)、ピ
マゲドリン(pimagedline;ALT-711)などが挙げられ
る。
【0052】例えば「糖尿病合併症治療薬」を、成人患
者(体重50kg)に投与する場合、1日あたりの投与
量は、通常0.1〜2000mgであリ、この量を1日1
ないし数回に分けて投与することができる。アルドース
還元酵素阻害薬を、成人患者(体重50kg)に投与す
る場合、1日あたりの投与量は、通常1〜1000mgで
あリ、この量を1日1ないし数回に分けて投与すること
ができる。グリケーション阻害薬を、成人患者(体重5
0kg)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常
1〜2000mgであリ、この量を1日1ないし数回に分
けて投与することができる。プロテインキナーゼC阻害
薬を、成人患者(体重50kg)に投与する場合、1日
あたりの投与量は、通常0.1〜100mgであリ、この
量を1日1ないし数回に分けて投与することができる。
【0053】前記「抗肥満薬」としては、例えばリパー
ゼ阻害薬、食欲抑制薬などが挙げられる。リパーゼ阻害
薬としては、例えばオルリスタットなどが挙げられる。
食欲抑制薬としては、例えばデクスフェンフラミン、フ
ルオキセチン、シブトラミン、バイアミンなどが挙げら
れる。
【0054】例えば「抗肥満薬」を、成人患者(体重5
0kg)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常
0.01〜1000mg、好ましくは0.1〜1000mg
であリ、この量を1日1ないし数回に分けて投与するこ
とができる。リパーゼ阻害薬を、成人患者(体重50k
g)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常0.
1〜1000mgであリ、この量を1日1ないし数回に分
けて投与することができる。食欲抑制薬を、成人患者
(体重50kg)に投与する場合、1日あたりの投与量
は、通常0.01〜1000mg、好ましくは0.1〜50
0mgであリ、この量を1日1ないし数回に分けて投与す
ることができる。
【0055】前記「高血圧治療薬」としては、例えばア
ンジオテンシン変換酵素阻害薬、カルシウム拮抗薬、カ
リウムチャンネル開口薬などが挙げられる。アンジオテ
ンシン変換酵素阻害薬としては、例えばカプトプリル、
エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、ラミプリ
ル、リジノプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、セロ
ナプリル、シラザプリル、エナラプリラート、フォシノ
プリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリ
ル、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、
マニジピンなどが挙げられる。カルシウム拮抗薬として
は、例えばニフェジピン、アムロジピン、エホニジピ
ン、ニカルジピンなどが挙げられる。カリウムチャンネ
ル開口薬としては、例えばレブクロマカリム、L-2715
2、AL0671、NIP-121などが挙げられる。
【0056】例えば「高血圧治療薬」を、成人患者(体
重50kg)に投与する場合、1日あたりの投与量は、
通常0.01〜1000mgであリ、この量を1日1ない
し数回に分けて投与することができる。アンジオテンシ
ン変換酵素阻害薬を、成人患者(体重50kg)に投与
する場合、1日あたりの投与量は、通常0.01〜50
0mg、好ましくは0.1〜100mgであリ、この量を1
日1ないし数回に分けて投与することができる。カルシ
ウム拮抗薬を、成人患者(体重50kg)に投与する場
合、1日あたりの投与量は、通常0.1〜500mg、好
ましくは1〜200mgであリ、この量を1日1ないし数
回に分けて投与することができる。カリウムチャンネル
開口薬を、成人患者(体重50kg)に投与する場合、
1日あたりの投与量は、通常0.01〜1000mgであ
リ、この量を1日1ないし数回に分けて投与することが
できる。
【0057】前記「高脂血症治療薬(HMG−CoA還
元酵素阻害薬を除く)」としては、例えばフィブラート
系化合物などが挙げられる。フィブラート系化合物とし
ては、例えばベザフィブラート、ベクロブラート、ビニ
フィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラー
ト、クロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィブ
ラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコ
フィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、
シムフィブラート、テオフィブラートなどが挙げられ
る。
【0058】例えば「高脂血症治療薬(HMG−CoA
還元酵素阻害薬を除く)」を、成人患者(体重50k
g)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常0.
01〜3000mg、好ましくは1〜2000mgであリ、
この量を1日1ないし数回に分けて投与することができ
る。フィブラート系化合物を、成人患者(体重50k
g)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常1〜
2000mg、好ましくは10〜1500mgであリ、この
量を1日1ないし数回に分けて投与することができる。
【0059】前記「利尿剤」としては、例えばキサンチ
ン誘導体製剤、チアジド系製剤、抗アルドステロン製
剤、炭酸脱水酵素阻害剤、クロルベンゼンスルホンアミ
ド系製剤などが挙げられる。キサンチン誘導体製剤とし
ては、例えばサリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリ
チル酸カルシウムテオブロミンなどが挙げられる。チア
ジド系製剤としては、例えばエチアジド、シクロペンチ
アジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジ
ド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチア
ジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジ
ドなどが挙げられる。抗アルドステロン製剤としては、
例えばスピロノラクトン、トリアムテレンなどが挙げら
れる。炭酸脱水酵素阻害剤としては、例えばアセタゾラ
ミドなどが挙げられる。クロルベンゼンスルホンアミド
系製剤としては、例えばクロルタリドン、メフルシド、
インダパミドなどが挙げられる。上記以外にも、「利尿
剤」としては、例えばアゾセミド、イソソルビド、エタ
クリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミドなどが
挙げられる。
【0060】例えば「利尿剤」を、成人患者(体重50
kg)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常
0.01mg〜100g、好ましくは0.05mg〜10g
であリ、この量を1日1ないし数回に分けて投与するこ
とができる。キサンチン誘導体製剤を、成人患者(体重
50kg)に投与する場合、1日あたりの投与量は、通
常0.1〜100g、好ましくは0.5〜10gであリ、
この量を1日1ないし数回に分けて投与することができ
る。チアジド系製剤を、成人患者(体重50kg)に投
与する場合、1日あたりの投与量は、通常0.01〜2
000mg、好ましくは0.05〜500mgであリ、この
量を1日1ないし数回に分けて投与することができる。
抗アルドステロン製剤を、成人患者(体重50kg)に
投与する場合、1日あたりの投与量は、通常1〜200
0mg、好ましくは10〜1000mgであリ、この量を1
日1ないし数回に分けて投与することができる。炭酸脱
水酵素阻害剤を、成人患者(体重50kg)に投与する
場合、1日あたりの投与量は、通常10〜5000mg、
好ましくは50〜2000mgであリ、この量を1日1な
いし数回に分けて投与することができる。クロルベンゼ
ンスルホンアミド系製剤を、成人患者(体重50kg)
に投与する場合、1日あたりの投与量は、通常1〜20
00mg、好ましくは10〜1000mgであリ、この量を
1日1ないし数回に分けて投与することができる。
【0061】前記した併用用薬剤は、任意の2種以上を
組み合わせて用いてもよい。2種の併用用薬剤を組み合
わせて用いる場合の具体的な組み合わせとしては、例え
ば「インスリン分泌促進薬とビグアナイド剤との組み合
わせ」、「インスリン分泌促進薬とα―グルコシダーゼ
阻害薬との組み合わせ」、「インスリンとビグアナイド
剤との組み合わせ」、「インスリンとα―グルコシダー
ゼ阻害薬との組み合わせなどが挙げられる。
【0062】本発明の剤および併用用薬剤の投与形態
は、特に限定されず、投与時にこれらが組み合わされて
いればよい。本発明の剤と併用用薬剤との配合比は、投
与対象、投与対象の年齢および体重、症状、投与時間、
剤形、投与方法等により適宜選択することができる。例
えば、本発明の剤1重量部に対し、併用用薬剤を0.0
001〜10000重量部用いればよい。
【0063】本発明の剤のTNF−α抑制効果は、例え
ば遺伝性肥満・糖尿病モデルであるKKAyマウスを用い
て、血漿中のTNF−α量を測定することによって評価
される。すなわち、遺伝性肥満・糖尿病モデルであるKK
Ayマウスに、インスリン抵抗性改善薬およびHMG−
CoA還元酵素阻害薬を投与後、マウスを屠殺して、血
液を採取する。採取した血液を遠心分離し、血漿中のT
NF−αを、ビオチン−ストレプトアビジン法に基づく
酵素免疫測定法によって定量する。
【0064】
【発明の実施の形態】以下に、参考例および実施例を掲
げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発
明を限定するものではない。
【実施例】参考例1 塩酸ピオグリタゾン 2479.5g(ピオグリタゾンとして 2
250g)、乳糖 13930.5gおよびカルボキシメチルセルロ
ースカルシウム(カルメロースカルシウム)540gを流動
造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒ
ドロキシプロピルセルロース 450gを溶解した水溶液 75
00gをスプレーして、造粒末を得た。得られる造粒末 16
820gをカッターミル(昭和化学機械工作所製)を通し、
整粒末とした。得られる整粒末 16530gとカルメロース
カルシウム 513gおよびステアリン酸マグネシウム 57g
をタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用いて
混合末とし、この混合末 16800gを打錠機(菊水製作所
製)により打錠し、1錠あたりピオグリタゾンを 15mg
含有する下記組成の錠剤 140,000錠を得た。
【0065】参考例2 参考例1と同様にして、1錠あたりピオグリタゾンを 3
0mg含有する下記組成の錠剤 140,000錠を得た。
【0066】参考例3 参考例2と同様にして、1錠あたりピオグリタゾンを 4
5mg含有する下記組成の錠剤 140,000錠を得た。
【0067】実施例1 炎症性疾患の罹患者に、塩酸ピオグリタゾン15mg錠
とプラバスタチンナトリウム5mg錠とを同時に投与し
た後に、該患者の血漿中のTNF−α量を測定すると、
投与前と比較してTNF−α量が減少する。
【0068】
【発明の効果】本発明のTNF−α抑制剤は、優れたT
NF−α抑制作用を有し、TNF−αが関与する疾患、
例えば炎症性疾患などの予防・治療剤として有用であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/427 A61K 31/427 4C206 31/4418 31/4418 45/00 45/00 A61P 29/00 A61P 29/00 101 101 43/00 111 43/00 111 // C07D 207/34 C07D 207/34 213/55 213/55 417/12 417/12 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA03 BA05 BA06 CA03 CA06 CA16 CA33 CB01 CB02 DA08 DA13 DB14 4C063 AA01 BB08 CC62 DD12 4C069 AC05 AC06 BA08 BB02 BB12 BD02 BD06 4C084 AA19 AA20 ZC021 ZC202 ZC352 4C086 AA01 AA02 BA17 BC05 BC13 BC17 BC82 GA08 GA10 ZC02 4C206 AA01 AA02 DB03 DB56

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA
    還元酵素阻害薬とを組み合わせてなるTNF−α抑制
    剤。
  2. 【請求項2】インスリン抵抗性改善薬が式[I] 【化1】 〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素基
    または複素環基;Yは−CO−、−CH(OH)−また
    は−NR3−(ただしR3は置換されていてもよいアルキ
    ル基を示す。)で示される基;mは0または1;nは
    0、1または2;XはCHまたはN;Aは結合手または
    炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素基;Qは酸素原子
    または硫黄原子;R1は水素原子またはアルキル基をそ
    れぞれ示す。環Eはさらに1〜4個の置換基を有してい
    てもよく、該置換基はR1と結合して環を形成していて
    もよい。LおよびMはそれぞれ水素原子を示すかあるい
    は互いに結合して結合手を形成していてもよい。〕で表
    される化合物またはその塩である請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】式[I]で表される化合物がピオグリタゾ
    ンである請求項2記載の剤。
  4. 【請求項4】式[I]で表される化合物がロシグリタゾ
    ンである請求項2記載の剤。
  5. 【請求項5】HMG−CoA還元酵素阻害薬がスタチン
    系化合物である請求項1記載の剤。
  6. 【請求項6】HMG−CoA還元酵素阻害薬が、セリバ
    スタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタ
    チン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタ
    チン、ZD−4522またはその塩である請求項1記載
    の剤。
  7. 【請求項7】HMG−CoA還元酵素阻害薬が、アトル
    バスタチンまたはその塩である請求項1記載の剤。
  8. 【請求項8】ピオグリタゾンまたはその塩とセリバスタ
    チンまたはその塩とを組み合わせてなる請求項1記載の
    剤。
  9. 【請求項9】ピオグリタゾンまたはその塩とプラバスタ
    チンまたはその塩とを組み合わせてなる請求項1記載の
    剤。
  10. 【請求項10】ピオグリタゾンまたはその塩とアトルバ
    スタチンまたはその塩とを組み合わせてなる請求項1記
    載の剤。
  11. 【請求項11】ロシグリタゾンまたはその塩とセリバス
    タチンまたはその塩とを組み合わせてなる請求項1記載
    の剤。
  12. 【請求項12】ロシグリタゾンまたはその塩とプラバス
    タチンまたはその塩とを組み合わせてなる請求項1記載
    の剤。
  13. 【請求項13】ロシグリタゾンまたはその塩とアトルバ
    スタチンまたはその塩とを組み合わせてなる請求項1記
    載の剤。
  14. 【請求項14】炎症性疾患の予防・治療剤である請求項
    1記載の剤。
  15. 【請求項15】炎症性疾患が慢性関節リウマチである請
    求項14記載の剤。
  16. 【請求項16】炎症性疾患が炎症性腸疾患である請求項
    14記載の剤。
  17. 【請求項17】哺乳動物に有効量のインスリン抵抗性改
    善薬とHMG−CoA還元酵素阻害薬とを投与すること
    を特徴とする炎症性疾患の治療方法。
  18. 【請求項18】HMG−CoA還元酵素阻害薬と組み合
    わせて用いられる炎症性疾患治療剤製造のためのインス
    リン抵抗性改善薬の使用。
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