JP2003081767A - 粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有する化粧料 - Google Patents

粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有する化粧料

Info

Publication number
JP2003081767A
JP2003081767A JP2001277494A JP2001277494A JP2003081767A JP 2003081767 A JP2003081767 A JP 2003081767A JP 2001277494 A JP2001277494 A JP 2001277494A JP 2001277494 A JP2001277494 A JP 2001277494A JP 2003081767 A JP2003081767 A JP 2003081767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
skin
particle size
adhesion
mica powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001277494A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Suzuki
高広 鈴木
Akitsugu Ando
彰嗣 安藤
Tomohito Ishikawa
智仁 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topy Industries Ltd
Original Assignee
Topy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topy Industries Ltd filed Critical Topy Industries Ltd
Priority to JP2001277494A priority Critical patent/JP2003081767A/ja
Publication of JP2003081767A publication Critical patent/JP2003081767A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】肌のきめ細やかさを演出するために、皮膚への
付着性に優れ、肌面での透明感や光沢感に優れ、しかも
平滑感等の使用感触にも優れた雲母粉体を提供する。 【解決手段】アスペクト比(A)が40以上で、且つ、
アスペクト比と厚み(h)の比率(A/h)を120
[μm-1]以上に調製した雲母粉体を、微粉末の含有率を
1重量%未満に減少させて粒度を揃えることによって、
付着係数が高く、比白色度が低い透明感のある粉体を調
製することを可能とし、肌のりと肌上での伸びが良く、
透明感のある光沢を与え、使用感触が良好な化粧用粉体
としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肌への付着性と肌上で
の伸びが良く、しかも透明感のある光沢を付与し、使用
感触も良好な粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有す
る化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体を含有する化粧料としては、ファン
デーション、白粉、ほほ紅、アイシャドー、アイブロー
等のメイクアップ化粧品、ボディーパウダー、ベビーパ
ウダー等のボディ化粧品などが市販されている。
【0003】従来、メイクアップ化粧料においては、肌
の質感を変化させるために光拡散反射の強い粉体を配合
してマット感のある仕上りを目指したり、薄片状の雲母
や板状パール顔料を配合して艶のある仕上りを目指して
いる。また、血行不良や加齢による肌のくすみ(肌色の
明度や彩度が低下し、色相が赤色から黄色の方向に変化
する肌色の状態を「くすみ」という。)をカバーするた
めに、酸化チタン、酸化鉄等の隠蔽力の高い顔料を配合
したり、高彩度の有機顔料やレーキ顔料を配合して赤味
を加えて肌色の色相を変化させることが行なわれてき
た。
【0004】ここで、隠蔽力の高い顔料を用いた場合に
は、肌に厚ぼったく付着し肌の皺、たるみ等の形態トラ
ブルを目立たせると共に透明感が無く、不自然な仕上り
になる問題があった。
【0005】すなわち、従来のファンデーションでは、
シミ、ソバカス等の肌の色むらに対応するために、カバ
ー力、即ち屈折率の高い顔料(酸化チタン、赤色酸化
鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄等。)を配合することによ
り隠蔽力を高め、肌の色むらを隠し、その修正を行って
きた。しかしながら、これ等の高隠蔽性の顔料は色むら
を隠すためには有用であるが、肌に厚く付着し易く、そ
の結果厚化粧になり、逆に皺や毛穴を目立たせるという
欠点を有している。そればかりか、赤色酸化鉄や他の酸
化鉄等の無機顔料は、本来明度や彩度が低く、水分や皮
脂に濡れたとき明度や彩度が更に低下し、化粧膜のくす
み現象が進行し、化粧効果を損なう欠点がある。
【0006】一方、肌に艶を付与するため、化粧料中に
雲母やパール顔料の必要量を配合して、肌の凹凸部分や
毛穴の部分に光沢性粉体(雲母)やパール顔料を塗布し
た場合、肌上の凹凸部分や毛穴の陰影部分と前記光沢性
粉体やパール顔料との間に陰影部分が生じるため、かえ
って毛穴や皺が目立ち本来のメイクアップ効果を損なう
結果になる問題があった。
【0007】毛穴や小皺等の肌の凹凸むらの防止につい
ては、素材及び化粧品メーカーから、粉体表面に微粒子
を付着させたり、粉体表面をポリマーや酸化物等で被覆
処理した様々な種類の粉体が提案されている。これらの
多くは、粉体に対して粉体表面での光の乱反射性を増や
すことで凹凸むらを見え難くする方法が採られてきてい
る。このような方法によれば、肌上に不透明で人工的な
化粧膜を形成するために、色むらや凹凸むらを見え難く
し、質感の変化としてのマット感は得られるものの、白
浮きし、肌との一体感に欠け、肌本来の持つ透明感、素
肌感が失われてしまいがちになる問題があった。
【0008】一方、肌の見た目の美しさには肌のきめ細
やかさが大きく影響する。肌のきめが細やかな場合に
は、肌面で光は均一に反射し、肌に透明感が増す。そし
て肌表面がなめらかでふっくらとやわらかな印象を与え
ることで、皺やくすみの印象を和らげる効果があること
がわかってきた。このような、肌のきめ細やかさを演出
する化粧料としては、光の散乱効果による隠蔽作用を利
用する従来の化粧料とは対照的に、肌面への付着性に優
れた透明感のある薄片状の粉体が適している。すなわ
ち、肌面に密着し、粉体表面の乱反射を抑えることで、
肌本来の持つ透明感、素肌感を損なうことなく、肌を明
るく表現することにより全体としてなめらかでふっくら
とやわらかな印象を与える作用をもつからである。
【0009】これらの化粧用の粉体を含有する化粧料に
おいては、肌上での伸びの良さ、平滑感等の使用感触の
良さ、肌面への付着性、肌面の明るさを感じさせる透明
感のある光沢などの化粧性能が要求されている。
【0010】このような課題に対し、近年、肌に透明感
のある明るさを与えるために高アスペクト比をもち、透
明感に優れ、艶があり、伸展性がある化粧用粉体が提案
されている(特願2000−109457)。
【0011】しかし、これらの化粧用粉体は、肌面への
付着性や、使用時の平滑感に対する課題が十分に解決さ
れていないため、肌上での伸びの良さ、化粧のりの良さ
といった使用感触の良さが損なわれるという欠点を有し
ている。そのために、肌に付着させた後に経時的に剥れ
や緩みが進行して色沈みやテカリを生じ、化粧崩れを起
こすなどの欠点があった。
【0012】これは、従来、化粧用粉体の肌面への付着
性や、使用時の平滑感に対する粉体の物性の影響が不明
確であったため、付着性と平滑感を共に高めるための粉
体の製造方法が確立されていなかったことが原因であ
る。
【0013】さらに、従来は、肌のきめ細やかさに対す
る化粧用粉体による透明感や、光沢感の作用が不明確で
あった。したがって、従来の化粧用粉体を用いた場合に
は、肌のきめ細やかさを演出することが困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであり、肌のきめ細や
かさを演出するために、皮膚への付着性に優れ、肌面で
の透明感や光沢感に優れ、しかも平滑感等の使用感触に
も優れた化粧用雲母粉体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明者らは、
肌のきめ細やかさを演出する化粧用粉体を開発するため
に、皮膚への付着性、肌面での透明感や光沢感、および
平滑感等の使用感触に対する粉体の物理的特性を解明す
るため鋭意研究の結果、各物性条件を満たす従来にない
粉体を調製することにより、上記の課題を解決する粉体
が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0016】より具体的には、アスペクト比(A)が4
0以上で、且つ、アスペクト比と厚み(h)の比率(A
/h)を120[μm-1]以上に調製した雲母粉体を、微
粉末の含有率を1重量%未満に減少させて粒度を揃える
ことによって、付着係数が高く、比白色度が低い透明感
のある粉体を調製することが可能であることを見いだ
し、肌のりと肌上での伸びが良く、透明感のある光沢を
与え、使用感触が良好な化粧用粉体を提供するに至った
ものである。
【0017】即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明
は、アスペクト比(A)が40以上で、アスペクト比
(A)と厚み(h)との比率(A/h)が120[μ
m-1]以上の薄片状合成マイカ粉体であって、平均粒径
(lm)の4分の1未満の粒径(粒径<0.25×lm)の
微粉末含有率を、粉体全重量の1重量%未満(ゼロであ
っても差し支えない)と粒度を揃えたことを特徴とす
る。さらには、該粉体は厚みについては、0.05μm〜2μ
mの範囲内が望ましく、アスペクト比は400を超えな
い範囲であり、A/h値は、1000μm-1を超えない
範囲であることが望ましい。
【0018】また、粒形係数(A/h)と粉体の付着度
とは、直線関係を示すことを解明し、粒形係数が120
以上で付着係数kの値を1.0以上とすることによっ
て、従来にない付着度の雲母粉体が得られることを見出
し、請求項2に記載の本発明を完成した。
【0019】即ち、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の構成要件に加えて、下記式(1)で与えられる
付着係数kの値が、1.0以上であることを特徴とす
る。
【0020】 k = D / (0.002 × A/h) (1) D:粉体の付着度 (mg/cm2 )、A:アスペクト比
(粒径/h)、h:厚み(μm)。 上記請求項1及び2に記載の発明によれば、下記式
(2)で与えられる比白色度(ΔL/D)が、30以下
の透明感のある薄片状雲母粉体が得られる(請求項
3)。
【0021】 比白色度= 白色度差(ΔL)÷ 粉体の付着度(D) (2) 本発明の雲母粉体としては、合成マイカ粉体が望まし
い。(請求項4) 請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれか
に記載の雲母粉体を含有する化粧料である。
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。
【0022】本発明において使用される雲母は、下記一
般式(3)で表される。 (Na,k)1/3〜1.0(Mg,Li)2〜3[(Al,Si,Ge)4O10](F,OH)2 (3) [式中( )内の「,」は「および/または」を表す。] 本発明で用いる雲母は、上記一般式(3)で示される非
膨潤または限定膨潤型の雲母で、水中で全く膨潤しない
かまたは膨潤するが微細粒子となって分散するまではい
かないものである。
【0023】具体例をあげれば、本発明品の雲母粉体の
うち、合成マイカとして kMg3(AlSi3O10)F2 (フッ素金雲母) kMg3(AlSi3O10)(OH)2 (合成金雲母) kMg5/2(Si4O10) F2 (カリ四ケイ素雲母) kMg2Li(Si4O10) F2 (テニオライト) NaMg2Li(Si4O10) F2 (Naテニオライト) K2/3Mg7/3Li2/3(Si4O10) F2 (フッ素バームキュライ
ト) K1/3Mg8/3Li1/3(Si4O10) F2 (フッ素ヘクトライ
ト) 等があり、天然雲母としては kAl2(AlSi3O10) (OH)2 (白雲母) kMg3(AlSi3O10)(OH)2 (金雲母) kAl2(AlSi3O10) (OH)2 (セリサイト) 等がある。
【0024】本発明で用いる雲母粉体は、アスペクト比
(A)が40以上で、アスペクト比と厚み(h)との比
率(A/h)を120[μm-1]以上に調製した薄片状雲
母粉体である。なお、該粉体の厚みは、0.05μm〜2μm
の範囲内が望ましい。アスペクト比が40未満またはA
/h 値が120[μm-1]未満では、上記した本発明の
効果が十分得られない。また、アスペクト比が400を
超え、A/h値が、1000μm-1を超える雲母粉体
は、充分な効果が得られにくいので望ましくない。
【0025】本発明で用いる雲母粉体は、粒度を均一に
揃えることが不可欠であり、とくに粒径が平均粒径(lm)
の4分の1(0.25×lm)未満の微粉末が、全粉体重
量の1重量%以上混在する場合には、粉体の付着度およ
び透明感、光沢感が著しく損なわれ、下記式(1)で与
えられる付着係数kの値が1を下回る。
【0026】 k = D / (0.002 × A/h) (1) D:粉体の付着度 (mg/cm2)、A:アスペクト比
(粒径/h)、h:厚み (μm) 尚、現在、化粧料用として通常一般的に生産されている
雲母粉体のk値は、0〜4.0の範囲内にある。
【0027】さらに、付着係数kの値が1を下回る場合
には、付着度が十分得られないばかりでなく、透明感や
光沢感、平滑感も損なわれ、下記式(2)で与えられる
比白色度(ΔL/D)が、30超の値となって、透明感
のある薄片状雲母粉体が得られない。
【0028】 比白色度= 白色度差(ΔL)÷ 粉体の付着度(D) (2) 尚、現在、化粧料用として通常一般的に生産されている
合成マイカ粉体の比白色度は、0〜300の範囲内にあ
る。天然雲母は、一般に混在する酸化鉄などにより白色
度差が大きいため、合成マイカ粉体と比べ、上記k値が
同じであっても、比白色度は大きくなる。
【0029】したがって、付着度、透明感、光沢感、平
滑感の良い合成マイカ粉体を得るためには、混在する微
粉末の重量を全粉体重量の1重量%以下となるように、
微粉末を除去しなければならない。天然雲母では、更
に、酸化鉄などの混在の少ない白色度差の小さな良質も
のを選択する必要がある。
【0030】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0031】粒径、厚み、アスペクト比の測定は、次の
測定方法を用いて測定した。粒径はレーザー回折式粒度
分布計(LMS−30、(株)セイシン企業製)の50
%メジアン径を求め、平均粒径(lm)とした。厚みおよび
アスペクト比は、走査型電子顕微鏡を用いて粉体の厚み
を測定し、平均粒径と厚みからアスペクト比(=平均粒
径÷厚み)を求めた。
【0032】微粉末の含有率の測定は、粒径が平均粒径
の4分の1未満(粒径<0.25×lm)のものを微粉末
と規定し、上記粒度分布計を用いて測定した粒度分布よ
り、微粉末の含有率を求めた。
【0033】光沢の測定は、アート紙に両面テープを貼
り付け、これに製品を塗布し、日本電色工業社製簡易光
沢計VG−2Pにて測定した。
【0034】付着度の測定は、試験用粉体10gを蓋付
サンプル瓶へ分取し、次に、20mm角のポリエチレン
フィルム(PEF)を秤量後、上記サンプル瓶へ投入し、
30秒間振動攪拌した。攪拌終了後PEFを回収し、過
剰に付着した粉を払い落とした後、PEFの両面に付着
残存した粉体を秤量し、PEFの片面分の単位面積あた
りの付着重量を求め、これを粉体の付着度(Dmg/c
2 )とした。
【0035】付着粉の透明度の測定は、上記試験用粉体
が両面に付着したPEFの白色度(L)を色彩色度計
(CR−200、ミノルタカメラ(株)製)黒地紙上で
測定し、黒地紙との白色度差の片面分(ΔL)を測定
し、これを付着度(D)で除することにより付着粉の比白
色度(ΔL/D)を求め、透明度の指標とした。すなわ
ち、比白色度が高い付着粉体は透明度が低く、逆に比白
色度が小さいほど、透明度が高いことを示す。
【0036】実施例1 粉砕薄片化したフッ素金雲母粉体を、静置分級および洗
浄を繰り返し、微粉末を十分除去し、平均粒径が39.
1μmの薄片化粉体を得た。この粉体の厚み、アスペク
ト比、および粒径が9.8μm未満の微粉末の含有率を
測定し、結果を表1に記した。微粉末の含有率は1重量
%未満であった。
【0037】実施例2 粉砕薄片化したフッ素金雲母粉体を、静置分級および洗
浄を繰り返し、微粉末を十分除去し、平均粒径が20.
2μmの薄片化粉体を得た。この粉体の厚み、アスペク
ト比、および粒径が5.0μm未満の微粉末の含有率を
測定し、結果を表1に記した。微粉末の含有率は1重量
%未満であった。
【0038】実施例3 粉砕薄片化したフッ素金雲母粉体を、静置分級および洗
浄を繰り返し、微粉末を十分除去し、平均粒径が10.
1μmの薄片化粉体を得た。この粉体の厚み、アスペク
ト比、および粒径が2.5μm未満の微粉末の含有率を
測定し、結果を表1に記した。微粉末の含有率は1重量
%未満であった。
【0039】実施例4 粉砕薄片化したフッ素金雲母粉体を、静置分級および洗
浄を繰り返し、微粉末を十分除去し、平均粒径が6.7
μmの薄片化粉体を得た。この粉体の厚み、アスペクト
比、および粒径が1.7μm未満の微粉末の含有率を測
定し、結果を表1に記した。微粉末の含有率は1重量%
未満であった。
【0040】実施例5 粉砕薄片化したテニオライト粉体を、静置分級および洗
浄を繰り返し、微粉末を十分除去し、平均粒径が10.
5μmの薄片化粉体を得た。この粉体の厚み、アスペク
ト比、および粒径が2.6μm未満の微粉末の含有率を
測定し、結果を表1に記した。微粉末の含有率は1重量
%未満であった。
【0041】比較例1〜4は、従来の市販の高アスペク
ト比をもつ化粧用合成マイカ粉体のうち、平均粒径が3
1.7μm 、19.6μm、10μm、6.6μmの各種
粉体を用いて、粉体の厚み、アスペクト比、および粒径
が0.25×lm未満の微粉末の含有率を測定し、結果を
表1に記した。微粉末の含有率はいずれも1重量%以上
であった。
【0042】比較例5〜8は、市販のファンデーション
用合成マイカ粉体を用いて、アスペクト比の異なる4種
類の粉体の平均粒径、厚み、および粒径が0.25×lm
未満の微粉末の含有率を測定し、結果を表1に記した。
微粉末の含有率はいずれも1重量%以上であった。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1〜5で用いた各合成マイカ粉体の
光沢、付着度、透明度を測定し、結果を表2に記した。
表2の結果から明らかなように、実施例1〜5は、いず
れも光沢が5.0以上であり、また、粒形係数はいずれ
も120を超えた。また、粉体の付着係数kの値は、実
施例1〜5のいずれの場合も1.0以上であり、良好な
付着性を与えることが分かった。さらに、比白色度は2
8以下と低い値であり、付着粉が良好な透明感や平滑感
を与えることが分かった。
【0045】比較例1〜4で用いた各合成マイカ粉体の
光沢、付着度、透明度を測定し、結果を表2に記した。
表2の結果から明らかなように、比較例1〜4は、微粉
末の除去が不十分であるため、実施例1〜5における場
合と同等の平均粒径の粉体よりも、光沢がやや低く、ま
た、付着係数は1.0未満となり、付着性が低いことが
分かった。さらに、比白色度はいずれも29以上であ
り、透明感や平滑感が損なわれていることが分かった。
【0046】比較例5〜8で用いた各合成マイカ粉体の
光沢、付着度、透明度を測定し、結果を表2に記した。
表2の結果から明らかなように、比較例5〜8は、アス
ペクト比が低く、微粉末の除去が不十分であるため、実
施例1〜5の粉体よりも、光沢および付着度が著しく低
いことが分かった。さらに、比白色度はいずれも44以
上であり、透明感や平滑感が著しく損なわれていること
が分かった。
【0047】
【表2】
【0048】図1は、実施例1〜5および比較例1〜8
で用いた合成マイカ粉体の粒形係数(A/h)と付着度
(D)との関係を示すグラフである。図中の破線で示す
ように、比較例1〜8で用いた従来の化粧用合成マイカ
粉体の付着度は、下記式(2)によって近似できること
が分かる。
【0049】 k=D/(0.002 × A/h) (2) D:粉体の付着度 (mg/cm2) A:アスペクト比(粒径
/h) h:厚み (μm)すなわち、微粉含有率が1%未
満である本発明の合成マイカ粉体は、k値が1.0を超
えており、従来の化粧料用粉体と同等の粒径、厚みであ
りながらも、付着性は高くなることを示している。即
ち、比較例で用いた従来の化粧料用粉体は、微粉含有率
が1%以上であるため、アスペクト比が高く、粒形係数
が300を超える場合でも、k値が1.0未満となり付
着度が損なわれることが分かる。これとは対照的に、実
施例1〜5の粉体は、粒形係数が大きくなった場合に
は、従来の化粧用粉体よりも著しく良好な付着度を示す
ことが分かる。
【0050】実施例1〜5および比較例1〜8で用いた
合成マイカ粉体を肌へ塗布し、肌への付着性、肌の明る
さ、感触、伸展性および総合的な評価としてのきめ細か
さを官能検査で判定した。結果を表3に示す。尚、表3
でそれぞれの特性の評価は、以下の5点法により行っ
た。
【0051】5=非常に良い、4=やや良い、3=普
通、2=やや悪い、1=非常に悪い
【0052】
【表3】
【0053】表3に示す結果から、本発明による合成マ
イカ粉体は、従来のものに比べ、肌への付着性に優れ、
使用感触が良く、透明感のある光沢により肌を明るく見
せ、結果的にきめ細やかさを演出する効果が高いことが
分かる。
【0054】以上のことから本発明による化粧用粉体
は、下記〜の粉体特性の各条件を満たす、従来にな
い優れた化粧用粉体である。アスペクト比(A)が40
以上の薄片状で、アスペクト比と厚み(h)との比率
(A/h)が120[μm-1]以上であり、平均粒径(lm)の
4分の1未満の粒径(粒径<0.25×lm)の微粉末の
含有率が、粉体全重量の1重量%未満であることからな
る、微粉末が十分除去された合成マイカ粉体。上記の
条件に加えて、付着係数kの値が1.0以上であること
からなる薄片状合成マイカ粉体。又はの条件に加え
て、比白色度(ΔL/D)が30以下であることからな
る、透明感の高い薄片状合成マイカ粉体。
【0055】このような粉体特性を満たす本発明品は、
透明感のある光沢を持ち、平滑性が良好であり、肌への
付着性に優れ、且つ使用感触に優れたものである。ま
た、本発明の化粧用粉体を含有する化粧料は、肌上での
伸びが良く、使用感触、特に平滑性が優れ、肌面に密着
し透明感のある良好な光沢を与えるものである。たとえ
ばファンデーションに用いた場合、特に肌のきめ細やか
さを強調するのに役立つ。
【0056】
【発明の効果】本発明の化粧用粉体は、高アスペクト比
(A)をもつと同時に、厚み(h)を薄片化し、A/h
値を120[μm-1]以上に調製し、微粉末を除去するこ
とで粉体の粒度を揃えることによって、付着係数が高く
なり、肌への付着性に優れ、且つ使用感触、特に平滑性
に優れるほか、薄片面の透明感、および光沢感が共に良
好となり、ファンデーションに用いた場合、特に肌のき
め細やかさを強調する等、この種従来の化粧用粉体には
全く見られない絶大な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例のマイカ粉体の粒形係数
(A/h)と付着度(D)との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 智仁 東京都千代田区四番町5番地9 トピー工 業株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AB431 AB432 CC01 DD01 EE07 4G073 BD21 BD30 CM22 GA11 UB31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アスペクト比(A)が40以上で、アスペ
    クト比(A)と厚み(h)との比率(A/h)が120
    [μm-1]以上の薄片状雲母粉体であって、平均粒径
    (lm)の4分の1未満の粒径(粒径<0.25×lm)の
    微粉末含有率を、粉体全重量の1重量%未満としたこと
    を特徴とする粒度を揃えた雲母粉体。
  2. 【請求項2】下記式(1)で与えられる付着係数kの値
    が、1.0以上である請求項1記載の雲母粉体。 k = D / (0.002 × A/h) (1) D:粉体の付着度 (mg/cm2 )、A:アスペクト比
    (粒径/h)、h:厚み(μm)
  3. 【請求項3】下記式(2)で与えられる比白色度(ΔL
    /D)が、30以下の透明感のある薄片状雲母粉体であ
    る請求項1又は2記載の雲母粉体。 比白色度 = 白色度差(ΔL)÷ 粉体の付着度(D) (2)
  4. 【請求項4】 雲母粉体が合成マイカ粉体である請求項
    1〜3のいずれかに記載の合成マイカ粉体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の雲母粉
    体を含有することを特徴とする化粧料。
JP2001277494A 2001-09-13 2001-09-13 粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有する化粧料 Pending JP2003081767A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001277494A JP2003081767A (ja) 2001-09-13 2001-09-13 粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有する化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001277494A JP2003081767A (ja) 2001-09-13 2001-09-13 粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有する化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003081767A true JP2003081767A (ja) 2003-03-19

Family

ID=19102011

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001277494A Pending JP2003081767A (ja) 2001-09-13 2001-09-13 粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有する化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003081767A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007197372A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Pola Chem Ind Inc 化粧料用の粉体及び該粉体を含有してなる化粧料
JP2007308361A (ja) * 2006-04-16 2007-11-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 粒成長させた粘土鉱物粒子及び粘土鉱物粒子製造方法
JP2008037780A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Nippon Menaade Keshohin Kk 複合粉末、および当該複合粉末を含有する化粧料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007197372A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Pola Chem Ind Inc 化粧料用の粉体及び該粉体を含有してなる化粧料
JP2007308361A (ja) * 2006-04-16 2007-11-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 粒成長させた粘土鉱物粒子及び粘土鉱物粒子製造方法
JP2008037780A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Nippon Menaade Keshohin Kk 複合粉末、および当該複合粉末を含有する化粧料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI419943B (zh) 含有珠光顏料之彩妝化妝料、及珠光顏料之製造方法
US7531184B2 (en) Composite powders and cosmetics containing the same
TWI419944B (zh) 含有珠光顏料之彩妝化妝料及珠光顏料之製造方法
US6416573B2 (en) Composite pigment and cosmetics containing the same
WO2001052794A1 (fr) Cosmetiques brillants
KR101469278B1 (ko) 충전제, 이의 제조방법 및 이를 함유하는 화장품
EP2008641A1 (en) Cosmetic preparation containing flaky glass
EP0191292B1 (en) Cosmetics comprising a titanium oxide pigment
JP2001010929A (ja) 複合粉末
JP3925951B2 (ja) 粉体化粧料
JP2003095639A (ja) 撥水性層状ケイ酸塩粉体、その製法及び該粉体を含有する化粧料
JP2003081767A (ja) 粒度を揃えた雲母粉体及び該粉体を含有する化粧料
JP2009280542A (ja) 複合粉末及びその製造方法並びに該複合粉末を含有する化粧料
JP4095920B2 (ja) 複合粉末、それを配合した化粧料、及び複合粉末の製造方法
JP5582525B2 (ja) 固形粉末化粧料
CN1789342B (zh) 珠光颜料
JP4391674B2 (ja) 複合無機粉体
JP4791817B2 (ja) メークアップ化粧料
JP3671045B2 (ja) 複合粉末、それを配合した化粧料、及び複合粉末の製造方法
JP4791816B2 (ja) メークアップ化粧料
WO2022244767A1 (ja) 光輝性顔料を含む化粧料
JPS61293906A (ja) 仕上げ化粧料
JP2008127273A (ja) 還元型薄片状高虹彩色酸化チタン組成物とその製法
JP2023098186A (ja) 粉末化粧料
JP4205845B2 (ja) 粉体化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050628