JP4205845B2 - 粉体化粧料 - Google Patents

粉体化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP4205845B2
JP4205845B2 JP2000290600A JP2000290600A JP4205845B2 JP 4205845 B2 JP4205845 B2 JP 4205845B2 JP 2000290600 A JP2000290600 A JP 2000290600A JP 2000290600 A JP2000290600 A JP 2000290600A JP 4205845 B2 JP4205845 B2 JP 4205845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
reflected light
amount
titanium dioxide
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000290600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002104931A (ja
Inventor
啓輔 中尾
啓一 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2000290600A priority Critical patent/JP4205845B2/ja
Publication of JP2002104931A publication Critical patent/JP2002104931A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4205845B2 publication Critical patent/JP4205845B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、十分なカバー力がありながらも透明感があり、自然な仕上がりで毛穴やシミ、ソバカスが目立たず、かつ付着性と延展性が共に優れる粉体化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイカ、タルク、セリサイト等の鱗片状粉体はパウダーファンデーション等のメイクアップ用化粧料に配合されている。これらの粉体は、肌に対する延展性、付着性、滑らかさ等の使用感を向上させ、カバー力やしっとり感等の仕上がり感を高める特性を有するが、これらの粉体は屈折率が1.7以下であるため皮脂や汗に濡れると色変化(色くすみ)が大きいという欠点がある。そのため、例えばマイカに屈折率の高い酸化チタンを被覆させたパール顔料(特公昭43−25644号参照)が用いられているが、この場合マイカ表面の二酸化チタン薄膜による光干渉により銀白色、金色等の真珠光沢が生じる。そのため粉体の表面反射光が大きくなり、化粧料に配合した場合ぎらついた仕上がりになるため好ましくない。
【0003】
特開昭58−149959号公報では、雲母上に金属酸化物層として、二酸化チタンに加えて二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの均質混合層が形成された粉体を用いているが、これらの粉体は青色等の干渉色が生じる。更に、粉体の表面反射光も大きくなり、配合すると不自然な仕上がりとなるため好ましくない。
特開昭63−254169号公報では、鱗片状無機粉体の粒子表面に二酸化チタンを被覆し、更にその上に酸化アルミニウムを被覆した粉体を用いているが、二酸化チタンと酸化アルミニウムの重量比率が30:70〜70:30と、二酸化チタンの比率が多いため反射光が高くなり、配合すると白っぽく不自然な仕上がりとなるため好ましくない。
【0004】
また、特開平6−56628号公報及び特開平8−188723号公報では、シミ、ソバカス等をカバーしながらも透明な素肌感の化粧仕上がりを有する化粧料が提案されている。これらの基材として雲母等の薄片状体質顔料をまず二酸化チタン又は有色顔料二酸化チタンで被覆し、その上からシリカ層又は光を拡散反射する粉体で被覆したものを用いているが、シリカの層で被覆した場合は二酸化チタンとシリカの屈折率の差が大きく、この両層の境界面で強い光の反射があるため、十分な透明感が得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、使用感(のび、つき等)、仕上がり(自然な仕上がり、透明感のある仕上がり、毛穴やシミ、ソバカスが目立たない等)が共に優れる粉体化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定の光学特性を有する複合無機粉体(A)と特定の光学的性質を有する無機粉体(B)を併用すると、十分なカバー力がありながらも透明感があり、自然な仕上がりで、毛穴やシミ、ソバカスが目立たなくなると共に、優れた付着性を保ちつつ、延展性を著しく向上させ、またきしみ感、粉っぽさがなく、仕上がりの非常にきめ細かい粉体化粧料が得られることを見出した。
【0007】
本発明は、(A)複合無機粉体とタルク及びスクワランの混合物(重量比 47:47:6)10mgを黒色人工皮革表面の10cm×5cmの部分に均一に塗布した試料について、入射光側と受光側にそれぞれS偏光板又はP偏光板を装着した変角分光測色計を用いて、C光による2°視野の受光条件における表面反射光量及び粉体層反射光量を測定したとき、入射光角45°及び受光角45°の条件下と、入射光角45°及び受光角0°の条件下で測定されたそれぞれの表面反射光量の差が7〜15で、かつ入射光角45°及び受光角0°で測定された表面反射光量と粉体層反射光量の差が−3〜3である複合無機粉体、及び(B)1.6〜1.8の屈折率を有し、粉体濃度が20重量%で厚さ25μmの薄膜を形成したときの散乱透過度が70%以上で、かつ全透過度が85%以上である無機粉体を含有する粉体化粧料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においては、(A)成分の複合無機粉体の光学特性を評価するために、当該複合無機粉体とタルク及びスクワランの混合物を人工皮革上に塗布した試料について、以下に詳述するように反射光量を測定する。
【0009】
即ち、10cm×5cmのポリウレタン製人工皮革(黒色人工皮革;オカモト製OK−7,白色人工皮革;オカモト製OK−マット)を用い、各人工皮革に複合無機粉体とタルク及びスクワランの混合物(重量比 47:47:6)を10mg塗布し、村上色彩技術研究所製の2次元変角分光測色計GCMS−3を用い、C光による2°視野の受光条件下で測定する。ここで、タルクは平均粒子径(レーザー回折法で測定)が15〜20μmのもの、例えばFK−300S(平均粒子径17.8μm、(株)山口雲母工業所社製)、スクワランは化粧品グレードのもの、例えばニッコールスクワラン(日光ケミカルズ(株)社製)を使用する。かかる塗膜からの反射光には、図1に示すように、表面反射光、粉体層反射光及び基底層反射光が含まれるが、入射光及び受光における偏光モードに応じて、反射光成分がそれぞれ異なる。測定にあたっては、入射光側と受光側にそれぞれS偏光板又はP偏光板を組合せて装着し、黒色人工皮革で得た測定値と白色人工皮革で得た測定値とから、表面反射光量、粉体層反射光量、基底層反射光量をそれぞれ算出することができる。
【0010】
黒色人工皮革を用いて、入射光側にS偏光板及び受光側にS偏光板を置いて測定した値をBss、入射光側にS偏光板及び受光側にP偏光板を置いて測定した値をBsp、入射光側にP偏光板及び受光側にS偏光板を置いて測定した値をBps、入射光側にP偏光板及び受光側にP偏光板を置いて測定した値をBppとする。同様に白色人工皮革を用いた場合は、それぞれWss、Wsp、Wps、Wppとする。各測定値には、XYZ表色系における三刺激値X,Y,Zが含まれ、それぞれ個別の数値として測定することができる。
各測定値から、表面反射光SBは、
【0011】
【数1】
Figure 0004205845
【0012】
で表される。また、粉体層反射光Dfは、
【0013】
【数2】
Figure 0004205845
【0014】
で表される。また、基底層反射光Dbは、
【0015】
【数3】
Figure 0004205845
【0016】
で表される。これらより、表面反射光量Y(SB)は、
【0017】
【数4】
Figure 0004205845
【0018】
粉体層反射光量Y(Df)は、
【0019】
【数5】
Figure 0004205845
【0020】
基底層反射光量Y(Db)は、
【0021】
【数6】
Figure 0004205845
【0022】
で表される。ここで、Y(Bsp)、Y(Bps)等は、それぞれBsp、BpsのY値を示す。
【0023】
使用する光源としては、昼光光源であるC光を用い、受光視野は2°とする。
測定は、入射角を45°で一定にして、受光角を0°〜90°まで5°刻みで行い、反射光量差が一番大きい入射角45°/受光角45°の条件下と、入射角45°/受光角0°の条件下での測定値に着目する。
【0024】
本発明の(A)成分は、これらの条件下でのそれぞれの表面反射光量の差が7〜15であることが第1の要件である。「表面反射光量の差」が15より大きくなると、つやが出過ぎて顔がてかって見え、一方、7より小さくなると、つやが少なく顔が暗くくすんだように見えてしまう。
【0025】
更に、表面反射光量と粉体層反射光量の差がわかりやすい、入射角45°/受光角0°の条件下での測定値から、表面反射光量と粉体層反射光量の差が−3〜3であることが第2の要件である。「表面反射光量と粉体層反射光量の差」が3より大きくなると、つやが出過ぎて顔がてかって見え、−3より小さくなると、白っぽい顔になってしまう。
【0026】
本発明で用いる(A)成分の複合無機粉体は、鱗片状基材上に他の金属酸化物を複合させてなり、上記の光学特性を有するように設計される。その鱗片状基材は、平均粒子径が2〜20μmで、厚みが0.05〜1μmであることが好ましい。このような鱗片状基材としては雲母、セリサイト、タルク、カオリン、スメクタイト属粘土鉱物、合成マイカ、合成セリサイト、板状二酸化チタン、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、窒化硼素、硫酸バリウム、板状チタニア・シリカ複合酸化物等が挙げられるが、特にタルクが使用感の点で好ましい。
【0027】
これら鱗片状基材に複合化される金属酸化物としては二酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化亜鉛(ZnO)、シリカ(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)が挙げられるが、特に二酸化チタン、酸化アルミウニム、シリカが屈折率の点で好ましい。
【0028】
(A)成分は、前記鱗片状基材に、前記金属酸化物から選択される1種、2種又は3種類の屈折率の異なる金属酸化物を、屈折率の高い方から順に被覆することにより調製される。当該金属酸化物は、(A)成分に要求されるカバー力によって選択すればよい。カバー力の高い粉体を得るためには、第1層に屈折率の高い金属酸化物、例えば二酸化チタン等を被覆することが好ましい。他方、カバー力の低い粉体を得るためには、第1層に中程度の屈折率を持つ金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム等を被覆することが好ましい。
次いで、必要により第2層以上の層を形成していくが、光の反射を抑制し透明感を出すために、第2層以上は第1層よりも屈折率の小さい金属酸化物であることが望ましい。
【0029】
金属酸化物の被覆方法は、前記のように選択される金属酸化物の前駆物質である金属塩を所定量加水分解し、あるいは、同様に所定量の有機金属化合物をアルコール溶媒中で加水分解し、加水分解物を被覆すべき鱗片状基材あるいは被覆層を形成した複合粉体上に析出させる方法等、従来の公知の方法が採用できる。
例えば、鱗片状基材を水中に分散させ、これに所定量の硫酸チタニル等の金属塩を添加し、アルカリ雰囲気で加水分解し、鱗片状基材の表面に金属塩加水分解物を析出させることにより、所定厚の二酸化チタン被覆層を得ることができる。
また、最外層としてシリカを被覆する場合には、シリカより高い屈折率の被覆層を形成した鱗片状基材の分散液に、所定量のアルカリ金属珪酸塩水溶液あるいは有機珪素化合物等を添加し、必要に応じて酸またはアルカリを加えて、上記被覆層を形成した鱗片状基材の表面に珪酸の重合物(加水分解縮重合物)を付着させる等の方法により、所定の厚みのシリカ被覆層を形成することができる。なお、シリカの被覆層を形成するには、他の従来法を採用することもできる。
【0030】
本発明において、金属酸化物の被覆膜厚は、鱗片状基材あるいは金属酸化物を被覆した鱗片状基材の幾何学的表面積、あるいは窒素吸着法等で測定される比表面積と、被覆する金属酸化物の密度より求めることができる。また、所定の膜厚となる金属酸化物の量から、添加する所定量の金属塩、有機金属化合物を計算することができる。
【0031】
本発明において、より透明感を出すためには、各被覆層の金属酸化物の膜厚は、計算値で50nm以下であることが好ましい。
【0032】
鱗片状基材上に二酸化チタン、酸化アルミニウムの順に被覆する場合は、二酸化チタンと酸化アルミニウムの被覆量がTiO2/Al23の重量比で0.42以下であることが、ぎらつき感を低減する点で好ましい。また、これら金属酸化物の合計の被覆量が(A)成分の1〜50重量%(以下単に%と記載する)、特には、5〜40%であるのが好ましい。合計の被覆量が1〜50%だと、透明性を維持しつつ、使用感が良好で、毛穴等を目立たなくする効果を付与することができる。
一方、二酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカの順に被覆する場合は、二酸化チタンと酸化アルミニウムの被覆量がTiO2/Al23の重量比で0.62以下、特には、0.42以下であり、合計の被覆量が1〜50%、特には、5〜40%であるのが好ましい。また、使用感(きしみ感を低減する)の点から該粉体に対するSiO2の被覆量が0.1〜30%、特には、0.2〜20%であるのが好ましい。
【0033】
更に、(A)成分は、撥水撥油性を持たせるために表面をシリコーン、フッ素化合物、レシチン、アミノ酸、ポリエチレン、金属石けん等の撥水撥油処理剤で処理することが好ましい。また、(A)成分の粉体に特開平11−49634号公報記載のスフィンゴシン類縁体、ステロール類及び脂肪酸による表面処理を施し処方中に配合すると、透明性が向上する上に、滑らかでのびがよくしっとり感を有し、しかも皮膚刺激性の少ない粉体化粧料を得ることができる。
(A)成分に対する撥水撥油処理剤の処理量は、(A)成分100重量部に対して0.05〜20重量部、特に1〜10重量部が、十分な撥水撥油性、良好な使用感・耐光性が得られ好ましい。
【0034】
(A)成分は、本発明の皮膚化粧料中に1〜90%、特に10〜80%、更には20〜70%含有するのが使用感(のび、付着性等)、仕上がり(透明感、毛穴隠蔽性等)の点から好ましい。
【0035】
本発明で用いる(B)成分の無機粉体の屈折率(25℃)は、散乱透過度、全透過度の点から1.6〜1.8であるが、特に1.62〜1.72であるのが好ましい。
なお、屈折率が上記範囲外の無機粉体であっても、ポリマー等で被覆した結果1.6〜1.8の範囲になるものであれば、本発明において使用することができる。
【0036】
(B)成分の無機粉体は、上記範囲の屈折率を有するほか、更に粉体濃度が20重量%で厚さ25μmの薄膜を形成したときの散乱透過度が70%以上で、かつ全透過度が85%以上のものである。
ここで、散乱透過度とは、粉体に光をあてたとき、全透過度から視野角7°の範囲の直進する光の透過度を除いたものをいい、色むらを見えにくくする効果に関係する。
また、全透過度とは、粉体に光をあてたとき、全透過光量を入射光量で割ったものをいい、肌の透明感に関係する。
【0037】
(B)成分として好ましい無機粉体は、例えば板状構造を有する酸化アルミニウム、硫酸バリウム、窒化ホウ素等が挙げられ、特に板状硫酸バリウムが好ましく、中でも特開平4−5215号公報記載の、アスペクト比が5〜100であり、かつその板状面の周囲長の2乗と板状面の正射影面の面積との比が20:1〜150:1である板状硫酸バリウムが、使用感の点で最も好ましい。
ここで板状構造には薄片状、薄板状、葉片状、花弁状、雲母状、箔状等が含まれる。前記板状硫酸バリウムの形状は板状面に垂直な1枚又は2枚の鏡像面を有し、かつ縁部に凹部を有するバタフライ形状であるものが特に好ましい。
【0038】
(B)成分も、(A)成分と同様に疎水化処理剤を用いて疎水化処理するのが好ましい。疎水化処理剤及び疎水化方法としては、(A)成分と同様のものが挙げられる。
【0039】
(B)成分は、2種以上を組合わせて用いることもでき、粉体化粧料中に0.01〜99%、特に0.1〜99%含有するのが好ましい。
【0040】
本発明の粉体化粧料には、上記の必須成分である(A)成分及び(B)成分以外に、化粧料用粉体、例えばケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン等の無機粉体、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機粉体や有機タール系色素等を併用してもよい。
【0041】
本発明の粉体化粧料は、例えばヘンシェルミキサーやレトロミキサー、ホバートミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー等を用いて常法に従って製造することができ、例えばパウダーファンデーション、粉おしろい、固形おしろい、フェイスパウダー、アイシャドー、頬紅、アイブロウ等の各種粉体化粧料とすることができる。
【0042】
【実施例】
(A)成分の製造例:
製造例1
タルク340gを純水3160gに添加して十分に分散し、これに二酸化チタンとして濃度20%の硫酸チタニル水溶液200gを加え、攪拌しながら加熱し5時間沸騰させた。これを室温まで冷却し、濾過水洗後、110℃で乾燥させて、二酸化チタンの水和物が被覆されたタルクを得た。このうち320gを2680gの純水中でよく分散させ、これに酸化アルミニウムとして濃度10%の塩化アルミニウム水溶液800g及び尿素500gを水1800gに溶かした溶液を加えてよく混合し、90℃で10時間加熱した後室温まで冷却した。これを濾過水洗し、110℃で乾燥後、600℃で5時間焼成し、二酸化チタン、酸化アルミニウムで順次被覆されたタルクを得た。更にこれを100g計量しエタノールと水の混合溶剤(7:3の比率)1Lに加えて、よく分散させた。これをシリカとして濃度4%の正ケイ酸エチルエタノール溶液278gを加え、攪拌しながら50℃に加熱し約10時間保持した。次にこれを冷却後濾過し、エタノール及び純水で十分洗浄し110℃で乾燥し、二酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカで順次被覆されたタルクを得た。
【0043】
製造例2
セリサイト309gを純水3691gに添加して十分に分散し、これに酸化アルミニウムとして濃度10%の塩化アルミニウム水溶液912g及び尿素588gを水2000gに溶かした溶液を加えてよく混合し、90℃で10時間加熱した後室温まで冷却した。これを濾過水洗し、110℃で乾燥後、600℃で5時間焼成し、酸化アルミニウムで被覆されたセリサイトを得た。
【0044】
製造例3
タルク368gを純水3132gに添加して十分に分散し、これに二酸化チタンとして濃度20%の硫酸チタニル水溶液158gを加え攪拌しながら加熱し5時間沸騰させた。これを室温まで冷却し、濾過水洗後、110℃で乾燥させて、二酸化チタンの水和物が被覆されたタルクを得た。このうち314gを2686gの純水中でよく分散させ、これに酸化アルミニウムとして濃度10%の塩化アルミニウム水溶液860g及び尿素640gを水2000gに溶かした溶液を加えてよく混合し、90℃で10時間加熱した後室温まで冷却した。これを濾過水洗し、110℃で乾燥後、600℃で5時間焼成し、二酸化チタン、酸化アルミニウムで順次被覆されたタルクを得た。
【0045】
比較製造例1
タルク368gを純水3132gに添加して十分に分散し、これに二酸化チタンとして濃度20%の硫酸チタニル水溶液158gを加え、攪拌しながら加熱し5時間沸騰させた。これを室温まで冷却し、濾過水洗後、110℃で乾燥させて、二酸化チタンの水和物が被覆されたタルクを得た。このうち374gを3126gの純水中でよく分散させ、これに酸化アルミニウムとして濃度10%の塩化アルミニウム水溶液264g及び尿素236gを水800gに溶かした溶液を加えてよく混合し、90℃で10時間加熱した後室温まで冷却した。これを濾過水洗し、110℃で乾燥後、600℃で5時間焼成し、二酸化チタン、酸化アルミニウムで順次被覆されたタルクを得た。
【0046】
実施例1(パウダーファンデーション)
表1及び表2に示す組成のパウダーファンデーションを、下記製法に従って製造した。また、これらのファンデーションの使用評価を下記方法に従って実施した結果も表1及び表2に示す。
(製法)成分(1)〜(17)を混合し粉砕機にて粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、成分(18)〜(22)を80℃に混合溶解したものを加えて均一混合した。更にこの混合物に成分(23)を加え混合した後、再び粉砕してふるいを通した。これを金皿に圧縮成型した。
【0047】
(評価方法)
パネラー10名により、顔に試料を塗布したときの使用感(肌へののび、きしみ感のなさ、粉っぽさのなさ、肌上での付着性)と仕上がり(自然な仕上がり、透明感のある仕上がり、毛穴が目立たない、シミ、ソバカスが目立たない、肌が明るく見える、きめ細かい仕上がり)について官能表し、以下の基準で判定した。
判定基準
◎:8名以上が良好と回答
○:5〜7名が良好と回答
△:2〜4名が良好と回答
×:1名以下が良好と回答
【0048】
【表1】
Figure 0004205845
【0049】
【表2】
Figure 0004205845
【0050】
本発明品は、いずれも使用感、仕上がりが優れていた。
【0051】
実施例2(固形白粉)
(組成)
製造例1の無機複合粉体をフッ素処理したもの 50.0%
(TiO2/A1203(重量比)0.42、被覆量合計28.4%
SiO2処理量10%、表面反射光量の差13.7
表面反射光量と粉体層反射光量の差-1.2)
硫酸バリウム(特開平4−5215号公報の製造例3記載の方法により製造したもの;屈折率:1.63、散乱透過度、71%、全透過度、86%)10.0
ステアリン酸亜鉛 2.0
フッ素処理微粒子二酸化チタン 4.0
フッ素処理マイカ 5.0
フッ素処理タルク 残量
フッ素処理二酸化チタン 0.5
フッ素処理赤酸化鉄 0.1
フッ素処理黄酸化鉄 0.1
フッ素処理黒酸化鉄 0.01
流動パラフィン 6.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 2.7
ミツロウ 2.0
防腐剤 適量
香料 微量
【0052】
実施例3(ルースタイプフェイスパウダー)
(組成)
製造例1の無機複合粉体をレシチン素処理したもの 55.0%
(TiO2/A1203(重量比)0.42、被覆量合計28.4%
SiO2処理量10%、表面反射光量の差13.5
表面反射光量と粉体層反射光量の差-2.7)
硫酸バリウム(特開平4−5215号公報の製造例4記載の方法により製造したもの;屈折率:1.64、散乱透過度、72%、全透過度、88%)10.0
シリコーン処理二酸化チタン 0.5
シリコーン処理赤酸化鉄 0.1
シリコーン処理黄酸化鉄 0.1
シリコーン処理タルク 残量
メチルポリシロキサン(6cs) 1.0
防腐剤 適量
香料 微量
【0053】
実施例4(アイシャドー)
(組成)
製造例2の無機複合粉体をフッ素処理したもの 45.0%
(アルミナ処理22.8%、表面反射光量の差10.9
表面反射光量と粉体層反射光量の差-0.4)
硫酸バリウム(特開平4−5215号公報の製造例3記載の方法により製造したもの;屈折率:1.63、散乱透過度、71%、全透過度、86%)10.0
ステアリン酸亜鉛 2.0
フッ素処理微粒子二酸化チタン 4.0
シリコーン処理マイカ 残量
シリコーン処理タルク 10.0
シリコーン処理二酸化チタン 1.5
シリコーン処理赤酸化鉄 0.2
シリコーン処理黄酸化鉄 0.8
シリコーン処理黒酸化鉄 0.1
スクワラン 5.0
メチルポリシロキサン(6cs) 3.0
マイクロクリスタリンワックス 0.5
防腐剤 適量
香料 微量
【0054】
実施例5(頬紅)
(組成)
製造例3の無機複合粉体をフッ素処理したもの 35.0%
(TiO2/A1203(重量比)0.29、被覆量合計27.7%
表面反射光量の差9.8
表面反射光量と粉体層反射光量の差0.5)
硫酸バリウム(特開平4−5215号公報の製造例1記載の方法により製造したもの;屈折率:1.65、散乱透過度、73%、全透過度、88%)15.0
ステアリン酸マグネシウム 2.0
フッ素処理微粒子二酸化チタン 4.0
フッ素処理マイカ 残量
フッ素処理タルク 10.0
フッ素処理二酸化チタン 2.2
赤色226号 0.5
フッ素処理黄酸化鉄 0.3
フッ素処理黒酸化鉄 0.1
流動パラフィン 3.0
メチルポリシロキサン(6cs) 3.0
マイクロクリスタリンワックス 0.9
防腐剤 適量
香料 微量
【0055】
実施例2〜5で得られた粉体化粧料は、いずれも肌上でののび、付着性が良好で、きしみ感やざらつき感及び粉っぽさがなく、透明感があり、毛穴やシミ、ソバカスが目立たず、肌が明るく滑らかに見え、きめ細かい仕上がりになった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の粉体化粧料は、十分なカバー力がありながらも透明感があり、自然な仕上がりで、毛穴やシミ、ソバカスが目立たないことに優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面反射光、粉体層反射光及び基底層反射光を含む、塗膜からの反射光の説明図である。

Claims (3)

  1. 次の(A)成分及び(B)成分:
    (A)(a1)鱗片状基材上に二酸化チタン、酸化アルミニウムの順に被覆してなり、それらの重量比(TiO2/Al23)が0.42以下の複合無機粉体、又は
    (a2)鱗片状基材上に二酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカの順に被覆してなり、二酸化チタンと酸化アルミニウムの重量比(TiO2/Al23)が0.62以下であり、かつSiO2の被覆量が0.1〜30重量%の複合無機粉体であって、
    複合無機粉体とタルク及びスクワランの混合物(重量比 47:47:6)10mgを黒色人工皮革表面の10cm×5cmの部分に均一に塗布した試料について、入射光側と受光側にそれぞれS偏光板又はP偏光板を装着した変角分光測色計を用いて、C光による2°視野の受光条件における表面反射光量及び粉体層反射光量を測定したとき、入射光角45°及び受光角45°の条件下と、入射光角45°及び受光角0°の条件下で測定されたそれぞれの表面反射光量の差が7〜15で、かつ入射光角45°及び受光角0°で測定された表面反射光量と粉体層反射光量の差が−3〜3であり、
    金属酸化物の合計の被覆量が(A)成分の1〜50重量%である複合無機粉体、
    (B)板状構造を有する酸化アルミニウム、硫酸バリウム及び窒化ホウ素から選ばれる無機粉体であって、1.6〜1.8の屈折率を有し、粉体濃度が20重量%で厚さ25μmの薄膜を形成したときの散乱透過度が70%以上で、かつ全透過度が85%以上である無機粉体
    を含有する粉体化粧料。
  2. (A)成分の鱗片状基材がタルクである請求項1記載の粉体化粧料。
  3. (B)成分が、アスペクト比が5〜100であり、かつその板状面の周囲長の2乗と板状面の正射影面の面積との比が20:1〜150:1である板状硫酸バリウムである請求項1又は2記載の粉体化粧料。
JP2000290600A 2000-09-25 2000-09-25 粉体化粧料 Expired - Fee Related JP4205845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000290600A JP4205845B2 (ja) 2000-09-25 2000-09-25 粉体化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000290600A JP4205845B2 (ja) 2000-09-25 2000-09-25 粉体化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002104931A JP2002104931A (ja) 2002-04-10
JP4205845B2 true JP4205845B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=18773807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000290600A Expired - Fee Related JP4205845B2 (ja) 2000-09-25 2000-09-25 粉体化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4205845B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002104931A (ja) 2002-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI290472B (en) Cosmetic composition
JP5081422B2 (ja) 白色複合粉体及びそれを配合した化粧料
EP1329485A1 (en) Novel complex powder and cosmetics containing the same
US6416573B2 (en) Composite pigment and cosmetics containing the same
US20050061205A1 (en) Titanium oxide composition having high brilliant color, composition comprising coating and cosmetic composition, and method for their preparation
JP2010280607A (ja) 油性化粧料
WO1999049834A1 (fr) Poudre composite inorganique et produit cosmetique renfermant cette poudre
JP6116602B2 (ja) 酸化鉄被覆層状ケイ酸塩顔料の製造方法
JP2001288038A (ja) 化粧料
JP2004339185A (ja) 干渉色薄片状タルク及びそれを配合した化粧料
JP2003002634A (ja) 着色雲母チタン
JP4391674B2 (ja) 複合無機粉体
JP2010235530A (ja) 油性化粧料
JP2009280542A (ja) 複合粉末及びその製造方法並びに該複合粉末を含有する化粧料
JPH04108716A (ja) 化粧料
JP4205845B2 (ja) 粉体化粧料
JPH0920609A (ja) 無機金属水酸化物−粘土鉱物の被覆粉体及び該被覆粉体を配合した化粧料
JP4627960B2 (ja) 化粧料
JP3492966B2 (ja) 化粧料
JP2002104923A (ja) 化粧料
JP4205844B2 (ja) 皮膚化粧料
KR101508192B1 (ko) 수열합성법으로 제조된 수산화마그네슘을 이용한 판상 안료 표면처리 방법 및 이를 이용한 소프트 포커스 화장료 조성물
JP2004123681A (ja) メイクアップ化粧料
JP2000229809A (ja) 化粧料
JP2002104932A (ja) 粉体化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060816

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060816

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080324

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080722

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081014

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081017

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees