JP2003081157A - 自動二輪車 - Google Patents

自動二輪車

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JP2003081157A
JP2003081157A JP2001275475A JP2001275475A JP2003081157A JP 2003081157 A JP2003081157 A JP 2003081157A JP 2001275475 A JP2001275475 A JP 2001275475A JP 2001275475 A JP2001275475 A JP 2001275475A JP 2003081157 A JP2003081157 A JP 2003081157A
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K19/00Cycle frames
    • B62K19/46Luggage carriers forming part of frame
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62JCYCLE SADDLES OR SEATS; AUXILIARY DEVICES OR ACCESSORIES SPECIALLY ADAPTED TO CYCLES AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. ARTICLE CARRIERS OR CYCLE PROTECTORS
    • B62J9/00Containers specially adapted for cycles, e.g. panniers or saddle bags
    • B62J9/30Containers specially adapted for cycles, e.g. panniers or saddle bags characterised by locking arrangements, e.g. top case locks integrated in a vehicle central locking system

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望のトランク容量を確保するとともに、ト
ランク周りの外観性の向上を図ることができる自動二輪
車を提供する。 【解決手段】 自動二輪車1は、車体に対して着脱自在
に取り付けられるトランク14と、このトランク14の
取付状態をロックするロック部51とを有する。ロック
部51は、少なくとも一部65が、トランク14が支持
される箇所の近傍に配置される部材70と兼用されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体に対して着脱
自在に取り付けられるトランクと、該トランクの取付状
態をロックするロック部とを有する自動二輪車に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車体に対して着脱自在に取り
付けられるトランクと、該トランクの取付状態をロック
するロック部とを有する自動二輪車がある。特許137
4034号公報や、特許1454196号公報には、こ
うした自動二輪車用のロック装置(ロック部)に関する
技術が開示されている。これらの公報に記載されている
自動二輪車では、ロック部が、車体の外側に突出しかつ
露出した状態にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の自動二輪車では、ロック部が車体の外側に露出
した状態にあることから、ロック部がトランク周りの外
観性を低下させる場合が多い。そのため、外観性の向上
を図ることを目的として、従来より、ロック部を隠すよ
うにトランクを形成したり、トランク側にロック部を配
置したりする試みがなされているが、これらはトランク
容量の減少を招きやすい。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、所望のトランク容量を確保するとともに、トラ
ンク周りの外観性の向上を図ることができる自動二輪車
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、車体に対して着脱自在に取り付けられる
トランクと、該トランクの取付状態をロックするロック
部とを有する自動二輪車において、前記ロック部は、少
なくとも一部が、前記トランクが支持される箇所の近傍
に配置される部材と兼用されていることを特徴とする。
【0006】本発明によれば、トランク用のロック部の
少なくとも一部が、トランクが支持される箇所の近傍に
配置される部材と兼用されることから、トランクが支持
される箇所近傍のスペースの有効利用が図られる。その
ため、ロック部を隠すようにトランクを形成したり、ト
ランク側にロック部を配置したりといった措置が不要と
なり、それらに伴うトランク容量の減少を回避できる。
【0007】この場合において、前記ロック部の操作用
のトランクロックレバーが、乗員の把持部であるグラブ
レールと兼用されていてもよい。この場合、上記トラン
クロックレバーとグラブレールとが兼用されることによ
り、外観性の向上がより図られる。
【0008】また、この場合において、前記トランクロ
ックレバーの内側には、シートの取付状態をロックする
シートロックレバーが配置され、該シートロックレバー
は、前記トランクロックレバーがロック解除状態のとき
に露出されかつ操作可能となってもよい。これにより、
トランクロックレバーがロック状態のときには、トラン
クロックレバーの内側にシートロックレバー部が隠さ
れ、外観性の向上が図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自動二輪車につい
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明の自動二
輪車の一実施形態を示す概略全体側面図、図2は図1の
前照灯近傍の拡大図、図3は前照灯近傍を車体前方から
見た図である。ここで、以下の説明において、前後およ
び左右といった方向の記載は、車体に対しての方向であ
る。
【0010】図1において、自動二輪車1は、車体フレ
ーム2と、車体フレーム2の前端部に回動可能に支持さ
れた左右一対のフロントフォーク3と、これらフロント
フォーク3の上端部に取り付けられた操舵用のハンドル
4と、フロントフォーク3に回転自在に支持された前輪
5と、車体フレーム2に揺動可能に支持されたリヤフォ
ーク(スイングアーム)6と、このリヤフォーク6の後
端部に回転自在に支持された後輪7と、車体フレーム2
に支持されたエンジン8と、車体フレーム2の上部に配
設された燃料タンク9と、この燃料タンク9の後方に設
けられ運転者が着座する運転者用シート10と、運転者
用シート10の後方に設けられ乗員が着座する乗員用シ
ート11と、運転者用ステップ12と、乗員用ステップ
13と、車体後部の左右に取り付けられているサイドト
ランク14と、車体のほぼ全体を覆うカウリング15と
を備えている。ここで、図1にはスタンド200によっ
て支持された状態の自動二輪車1が図示されている。
【0011】エンジン8の気筒部には排気管8Aが接続
している。排気管8Aのそれぞれは下方に延びてからエ
ンジン8下方にて屈曲し、その後方に配置されているマ
フラ8Bに接続する。
【0012】カウリング15は、車体前部を覆いその上
端面が車体フレーム2のメインフレーム16に沿ってい
るフロントカウル17と、シート10,11の下の部分
である車体後部を覆うリヤカウル18とからなってい
る。さらにフロントカウル17は、車体前端に設けられ
たアッパーカウル19と、エンジン8の側部を覆うミド
ルカウル20と、エンジン8の下部(排気管8Aの下
部)を覆うアンダーカウル21とから構成されている。
【0013】フロントカウル17のうち、高さ方向中央
部には第1開口部22が形成されており、下部には第2
開口部23が形成されている。第1開口部22及び第2
開口部23のそれぞれを介してカウリング内部と外部と
の間で空気(走行風)が出入りする。第1開口部22か
らはエンジン8のヘッドカバーが露出している。また、
フロントカウル17のうちミドルカウル20の前方には
カウリング内に走行風を取り入れるための走行風取入口
20Aが設けられており、ミドルカウル20の下部左右
には車体外側に膨出する膨出パネル20Bが設けられて
いる。
【0014】アッパーカウル19の内側には、速度計や
エンジン回転計等が取り付けられたメータユニット(不
図示)が配置されている。また、図1、図2、図3に示
すように、アッパーカウル19の前面には前照灯24が
設けられており、アッパーカウル19の両側面にはバッ
クミラーカバー25が膨出するように設けられている。
バックミラーカバー25の内部にはバックミラーが設け
られている。バックミラーカバー25は、フロントカウ
ル17の側面に設けられた凹状の係止部とバックミラー
カバー25に設けられた凸部とを係合することにより、
フロントカウル17に取り付けられる。また、バックミ
ラーカバー25のそれぞれの前面には方向指示器26が
設けられている。アッパーカウル19の上部には、前方
視野用のための透明合成樹脂製のウインドスクリーン2
7が設けられている。
【0015】図3に示すように、アッパーカウル19に
は空気を流通可能な開口部33A〜33Fが形成されて
いる。このうち、開口部33A,33Fはアッパーカウ
ル19と左右のバックミラーカバー25のそれぞれとの
間に形成されており、開口部33B,33Eはアッパー
カウル19の上部左右両側に形成されており、開口部3
3C,33Dはアッパーカウル19の上部中央に形成さ
れている。開口部33A〜33Fのそれぞれは走行風を
カウル後方に導入する導風口となっており、カウル後方
に走行風を送ることによってアッパーカウル19及びウ
インドスクリーン27と運転者との間の空間が負圧にな
ることを抑える。
【0016】リヤカウル18は、シート10,11の下
方から後方に亘って形成され、その後部にはシート11
の後方部分を覆うテール部18aを一体に有している。
このリヤカウル18の後端には、後輪7の上方後部を覆
うリヤフェンダ7Aが取り付けられている。
【0017】前輪5は、軸心に車軸28aが設けられた
ホイール28の外周にタイヤ29が装着されてなるもの
で、車軸28aの左右両側が各フロントフォーク3下端
部に支持されている。なお、この左右のフロントフォー
ク3には、前輪5の上方を覆うフロントフェンダ5Aが
取り付けられている。前輪5のホイール28の左右両側
には、フロントディスクブレーキ装置30を構成するロ
ータ30Aがホイール28と同軸的かつ一体に固定され
ている。フロントディスクブレーキ装置30は、このロ
ータ30Aと、作動状態においてロータ30Aを挟んで
その回転を摩擦力により制動するブレーキキャリパ30
Bとを有している。
【0018】後輪7は前輪5と同様に、軸心に車軸31
aが設けられたホイール31と、ホイール31の外周に
装着されたタイヤ32とを有している。そして、車軸3
1aがリヤフォーク6の後端に片持ち式に支持されるこ
とにより、リヤフォーク6と一体に揺動するようになっ
ている。後輪7にも、前輪5のフロントディスクブレー
キ装置30と同様の、ロータ、ブレーキキャリパからな
るリヤディスクブレーキ装置が装備されているがここで
はその説明を省略する。
【0019】図4、図5、図6は車体フレーム2を示す
図であって、図4は車体フレーム2を側方から見た図、
図5は車体フレーム2を正面から見た図、図6は車体フ
レーム2を上方から見た図である。図4に示すように、
車体フレーム2は、前端に設けられたヘッドパイプ34
と、このヘッドパイプ34より後方斜め下方に延びるメ
インフレーム16と、メインフレーム16の上部より車
体後方へ延びるシートフレーム(第1フレーム)35
と、メインフレーム16の下部より車体後方へ延びるス
テッププレート(第2フレーム)36と、車体後部側に
おいてシートフレーム35とステッププレート36とを
連結するリアフレーム(第3フレーム)37とを有して
いる。
【0020】ヘッドパイプ34は前輪5を支持している
フロントフォーク3を操舵可能に支持するものである。
また、ヘッドパイプ34には前方に延びるステーが取り
付けられており、速度計やエンジン回転計等のメータユ
ニットを支持する。更に、ヘッドパイプ34に取り付け
られたステーにはブラケット(不図示)が連結されてお
り、フロントカウル17を支持する。
【0021】図4、図5、図6に示すように、メインフ
レーム16はヘッドパイプ34から左右に分かれて後方
かつ斜め下方に左右一対で延びるように形成されてい
る。メインフレーム16はアルミニウムなどの金属から
なる中空角断面部材によって構成されており、左右一対
のメインフレーム16どうしの間には連結フレーム16
Aが連結されている。そして、メインフレーム16はそ
の上部で燃料タンク9を支持する。また、車体フレーム
2のうち、ヘッドパイプ34とメインフレーム16との
間からはエンジンハンガ38が下方へ延びるように形成
されており、メインフレーム16はエンジンハンガ38
を介してエンジン8を支持する。
【0022】シートフレーム35は左右一対のメインフ
レーム16のそれぞれの上部から後方に延びるように左
右一対に設けられている。これら左右一対のシートフレ
ーム35は運転者用シート10及び乗員用シート11を
支持するものであって、テール部18a近傍まで延びて
おり、後端側で接続する。シートフレーム35もメイン
フレーム16同様、アルミニウムなどの金属からなる中
空角断面部材によって構成されている。
【0023】ステッププレート36は左右一対のメイン
フレーム16のそれぞれの下部から後方に延びるように
左右一対に設けられている。図6に示すように、ステッ
ププレート36はシートフレーム35より外側に張り出
すように設けられている。そして、ステッププレート3
6の外側前方には運転者用ステップ12が設けられ、リ
アフレーム37の下方には乗員用ステップ13が設けら
れている。すなわち、剛性部材としてのステッププレー
ト36及びリアフレーム37はステップホルダとしての
機能を有している。ステッププレート36もメインフレ
ーム16同様、アルミニウムなどの金属からなる中空角
断面部材によって構成されている。
【0024】ステッププレート36の前部には、後輪7
を揺動自在に支持するリヤフォーク6が接続されてい
る。リヤフォーク6は、その前端の基部39から左右一
対のフォーク部6aが後方に延びてなるもので、基部3
9がステッププレート36の前部に回動可能に支持され
ることにより、基部39を軸にフォーク部6aが上下に
揺動可能となっている。
【0025】リヤフレーム37は左右一対設けられてお
り、その上端をシートフレーム35の車体前後方向の略
中央部に連結し、下端をステッププレート36の後部に
連結している。リヤフレーム37も、アルミニウムなど
の金属からなる中空角断面部材によって構成されてい
る。
【0026】そして、車体フレーム2は、メインフレー
ム16とシートフレーム35とステッププレート36と
リヤフレーム37とで形成される空間の側面視形状が、
図4に示すように、四角形状になるように設定されてい
る。具体的には、前記空間の側面視形状は、下辺側(ス
テッププレート36側)が上辺側(シートフレーム35
側)より短い等脚台形状となっている。そして、互いに
連結されたメインフレーム16、シートフレーム35、
ステッププレート36、リヤフレーム37のそれぞれ
は、車体全体の強度を維持する強度部材としての機能を
有している。
【0027】このように、車体フレーム2を、メインフ
レーム16と、このメインフレーム16の上部及び下部
のそれぞれから後方へ延びるシートフレーム35及びス
テッププレート36と、シートフレーム35及びステッ
ププレート36を連結するリヤフレーム37とで構成
し、これら各フレームによって形成される空間の側面視
が略四角形状になるように設定したので、他の補強部材
を必要とすることなく高い剛性が得られる。そして、他
の補強部材を不要とし、全体の部材数が低減されたの
で、低コスト化が実現されるとともに、フレーム内側の
空間の有効利用ができる。
【0028】図7は、フロントカウル17のうちアッパ
ーカウル(上部カウル)19とミドルカウル(下部カウ
ル)20との結合部分近傍の拡大側面図である。ここ
で、カウリング15は車体フレーム2に取り付けられた
ものであり、フロントカウル17の上部は、車体フレー
ム2に連結したブラケット(不図示)に支持される。ブ
ラケットは、車体フレーム2のうち、メインフレーム1
6あるいはヘッドパイプ34から前方に延びるステーに
連結されたものである。
【0029】上述したように、車体の前部を覆うフロン
トカウル17は、車体前端に設けられたアッパーカウル
(上部カウル)19と、アッパーカウル19の下方に配
置され、アッパーカウル19と結合するミドルカウル
(下部カウル)20と、ミドルカウル20の下方に配置
され、ミドルカウル20と結合するアンダーカウル21
とを有しており、これら複数のカウル部材(アッパーカ
ウル19、ミドルカウル20、アンダーカウル21)の
それぞれを結合することによって構成されている。そし
て、フロントカウル17の上部側面には、バックミラー
カバー(被覆部材)25が膨出するように取り付けられ
ている。バックミラーカバー25の内部にはバックミラ
ーが収容されている。
【0030】ミドルカウル20の上部は、アッパーカウ
ル19の前面に設けられた前照灯24近傍まで延びるよ
うに形成されている。ミドルカウル20の外形は、その
上部前端が前照灯24の側端24Aに沿う形状を有して
いる。そして、前照灯24の上端近傍(点A参照)から
僅かに後方に向かった後に下方に延びて凸状部20Aが
形成されており、そこから略水平に後方側に延びる上端
部20Bが形成されている。ここで、上端部20Bが形
成される高さ方向の位置はフロントカウル17全体のう
ち車体前後方向の距離を最も短くできる部分に設定され
ている。
【0031】アッパーカウル19は、その一部をミドル
カウル20に重ね合わせるようにして配置されている。
ここで、アッパーカウル19の重ね合わせ部分はミドル
カウル20より下側(カウリング内方)となっている。
図7に示すように、アッパーカウル19の外形は、その
前端が前照灯24の上端24B及び下端24Cに沿う形
状を有している。アッパーカウル19の下端部19Aは
後方に向かって延びており、その後端でネジなどの結合
部材80でミドルカウル20と結合される。そして、ア
ッパーカウル19においては、結合部材80でミドルカ
ウル20と結合される部分から上方へ延びる後端部19
Bが形成され、後方側へ屈曲してミドルカウル20の上
端部20Bと略平行な水平端部19Cが形成された後、
上方へ延びる第2後端部19Dが形成され、上部位置で
ウインドスクリーン27と接合される接合部19Eが形
成される。また、後端部19Bの前方側には前端部19
Fが形成されており、後端部19Bと前端部19Fとの
間の部分を含む図7中、破線で示した斜線部分がミドル
カウル20と重なり合う。
【0032】このように、アッパーカウル19とミドル
カウル20とはその一部を重ね合わせるようにして結合
されている。そして、アッパーカウル19とミドルカウ
ル20とを結合した際、それぞれ所定量重ね合うように
結合しているので、バックミラーカバー25を取り付け
る状態以前においてアッパーカウル19とミドルカウル
20との結合部が外部に露出している部分は、ミドルカ
ウル20の凸状部20A及び上端部20Bのそれぞれの
端面である。
【0033】アッパーカウル19とミドルカウル20と
の結合部の外方には、バックミラーカバー(被覆部材)
25が取り付けられている。ここで、バックミラーカバ
ー25は、アッパーカウル19とミドルカウル20との
結合部のうち、外部に露出した部分であるミドルカウル
20の凸状部20A及び上端部20Bのそれぞれの端面
を覆うように取り付けられている。このため、バックミ
ラーカバー25が取り付けられる状態以前において外部
に露出しているアッパーカウル19とミドルカウル20
との結合部(凸状部20A及び上端部20Bのそれぞれ
の端面)は、バックミラーカバー25が取り付けられる
ことによってバックミラーカバー25内部に収容され、
被覆される。このとき、凸状部20Aや上端部20B
は、前述したように、フロントカウル17全体のうち車
体前後方向の距離を最も短くできる部分に設けられてい
るので、バックミラーカバー25によって凸状部20A
及び上端部20Bのそれぞれの端面を十分に覆うことが
できる。
【0034】次に、アッパーカウル19とミドルカウル
20とを結合する手順について説明する。アッパーカウ
ル19及びミドルカウル20は車体フレーム2に取り付
けられる。まず、アッパーカウル19を車体フレーム2
のうちヘッドパイプ34やメインフレームに連結してい
るステーやブラケットに取り付ける。次いで、車体フレ
ーム2に取り付けられたアッパーカウル19にその一部
を重ね合わせるようにしてミドルカウル20を取り付
け、結合部材80を用いてアッパーカウル19とミドル
カウル20とを結合する。
【0035】アッパーカウル19とミドルカウル20と
を結合したら、アッパーカウル19とミドルカウル20
との結合部のうち、外部に露出しているミドルカウル2
0の凸状部20A及び上端部20Bのそれぞれの端面を
覆うように、バックミラーカバー25をフロントカウル
17に取り付ける。バックミラーカバー25はその凸部
(不図示)を、アッパーカウル19やミドルカウル20
の外面に設けられた係凹部(係止部)に係合することに
よりフロントカウル17に接続される。こうして、バッ
クミラーカバー25を取り付けることによって、アッパ
ーカウル19とミドルカウル20との結合部のうち、外
部に露出しているミドルカウル20の凸状部20A及び
上端部20Bのそれぞれの端面が覆われる。
【0036】このように、アッパーカウル19とミドル
カウル20との結合部の外方に、この結合部を覆う被覆
部材としてバックミラーカバー25を取り付けたことに
より、結合部の外部への露出部分を覆い隠すことができ
るので、カウリングの外観性は向上する。そして、バッ
クミラーカバー25が取り付けられる位置を結合部とし
たことにより、結合部の長さを抑えることができるの
で、結合部材の数量や結合箇所を少なくできる。したが
って、結合作業性が向上するとともに低コスト化も実現
できる。
【0037】ところで、本実施形態におけるウインドス
クリーン27は後方に傾斜しており、ほぼ傾斜方向に沿
って移動可能に設けられている。このことについて、図
8〜図13を参照しながら説明する。図8はウインドス
クリーン近傍の拡大側面図、図9はウインドスクリーン
の移動装置を正面から見た図、図10は図9の側面図、
図11はウインドスクリーンと移動装置との連結部を示
す図、図12は連結部のうち第1部材を示す図、図13
は連結部のうち第2部材を示す図である。
【0038】図8に示すように、車体の前上部を覆うア
ッパーカウル19の上方には、車体後方側に向かって傾
斜するウインドスクリーン27が設けられている。そし
て、ウインドスクリーン27は、移動装置90によっ
て、ウインドスクリーン27の傾斜方向(矢印y参照)
にほぼ沿うように移動可能となっている。
【0039】ウインドスクリーン27をほぼ矢印y方向
に沿って移動させる移動装置90は、アッパーカウル1
9(フロントカウル17)に取り付けられ、y方向に延
びるガイド部91と、ガイド部91に移動自在に支持さ
れた可動部92と、可動部92をガイド部91に沿って
移動させる駆動装置としての電動モータ93と、ウイン
ドスクリーン27と可動部92とを連結する連結部94
とを備えている。
【0040】図9に示すように、ガイド部91は左右一
対あり、板状部材である支持部材95の両端のそれぞれ
で支持されている。支持部材95は、図9及び図10に
示す複数の取付部95Aを介してネジなどの取付部材に
よりアッパーカウル19の内側に取り付けられる。ガイ
ド部91は支持部材95を介してアッパーカウル19の
内側に固定される。
【0041】可動部92はガイド部91に摺動可能に支
持されている。駆動装置である電動モータ93は支持部
材95の中央部に固定されている。電動モータ93とガ
イド部91のそれぞれに摺動可能に支持されている可動
部92とは、プッシュケーブル(駆動装置)96によっ
て接続されている。可動部92は電動モータ93の駆動
に基づきプッシュケーブル96を介してガイド部91に
案内されつつ上下方向に移動するようになっている。こ
こで、可動部92を上方向へ移動する際には、電動モー
タ93に接続したターミナル及びコネクタに例えばプラ
ス及びマイナスの電圧を印加し、電動モータ93を所定
の方向に回転させることによって、プッシュケーブル9
6を介して可動部92が上方向へ移動する(図9中、符
号92’参照)。一方、可動部92を下方向へ移動する
際には、電動モータ93に接続したターミナル及びコネ
クタに前記とは逆にマイナス及びプラスの電圧を印加
し、電動モータ93を逆方向に回転させることによっ
て、プッシュケーブル96を介して可動部92が下方向
へ移動する(図9中、符号92参照)。
【0042】ウインドスクリーン27と可動部92とを
連結する連結部94は、図8及び図11に示すように、
可動部92に固定され、ほぼ矢印y方向(傾斜方向)に
延びる第1部材97と、ウインドスクリーン27に固定
される第2部材98とを有している。
【0043】図8、図11、図12に示すように、第1
部材97はほぼ長板状に形成されており、下端側(車体
前方側)に形成され、可動部92に対してネジなどの取
付部材によって固定される孔部99及び切欠部100
と、第1部材97の長手方向において所定の間隔で設け
られた第1凸部(固定部)101及び第2凸部(固定
部)102とを備えている。このうち、第1凸部101
は第1部材97の長手方向ほぼ中央部に形成され、第2
凸部102は第1部材97の上端側(車体後方側)に形
成されている。第1部材97は、孔部99及び切欠部1
00を介して可動部92に固定されることにより、可動
部92の移動に伴って移動する。
【0044】図8、図11、図13に示すように、第2
部材98は断面視L字状の板状部材であり、第1部材9
7と接続する第1面103と、ウインドスクリーン27
と接続する第2面104とを有している。
【0045】第2部材98のうち第1面103には、長
手方向中央部から下端側に亘って設けられた長穴部10
5と、第1面103の端辺中央部に切り欠かれた第1凹
部106と、第1面103の端辺上端側(車体後方側)
に切り欠かれた第2凹部107とが形成されている。ま
た、第1凹部106及び第2凹部107のそれぞれは上
端側に向かってえぐられた係止部106A及び係止部1
07Aを有している。そして、これら係止部106A,
107Aを有する第1、第2凹部106,107のそれ
ぞれは、第1部材97の第1,第2凸部101,102
のそれぞれと係合可能となっている。更に、第2部材9
8の長穴部105は、第1部材97の第1,第2凸部1
01,102のそれぞれと係合可能となっている。
【0046】一方、第2部材98のうち第2面104に
は、長手方向ほぼ中央部に形成された長穴部108と、
長穴部108の両側に形成された複数(全部で3つ)の
穴部109とが形成されている。そして、図8に示すよ
うに、第2部材98の第2面104とウインドスクリー
ン27とを当接し、第2部材98の第2面104に形成
された長穴部108及び穴部109を介してネジなどの
取付部材110を用いて第2部材98とウインドスクリ
ーン27とを連結することにより、これら第2部材98
とウインドスクリーン27とが固定される。
【0047】ここで、図11に示すように、第2部材9
8は第1部材97に対してその長手方向(矢印y方向、
傾斜方向)の異なる2つの位置で固定可能となってい
る。第2部材98を第1部材97に対して第1の位置で
ある下方位置(図11(a)参照)で固定する際には、
第1部材97の第1凸部101が第2部材98の長穴部
105上端側と係合し、第1部材97の第2凸部102
が第2部材98の第2凹部107の係止部107Aと係
合する。このとき、第2部材98の第1凹部106は何
れとも係合していない。一方、第2部材98を第1部材
に対して第2の位置である上方位置(図11(b)参
照)で固定する際には、第1部材97の第1凸部101
が第2部材98の長穴部105のの下端側と係合し、第
1部材97の第2凸部102が第2部材98の第1凹部
106の係止部106Aと係合する。このとき、第2部
材98の第2凹部107は何れとも係合していない。
【0048】このように、第1部材97は、この第1部
材97に対して第2部材98をほぼ傾斜方向の異なる2
つの位置で固定可能な第1凸部(固定部)101及び第
2凸部(固定部)102を有している。
【0049】次に、ウインドスクリーン27を移動する
手順について説明する。ウインドスクリーン27を上方
に移動する際には、例えば操舵ハンドル4近傍に設けら
れている不図示の操作スイッチを操作し、駆動装置であ
る電動モータ93を駆動して所定の方向に回転させる。
すると、プッシュケーブル96が左右の可動部92をガ
イド部91に沿って上方に移動する。可動部92がガイ
ド部91に沿って上方に移動することにより、連結部9
4を介して可動部92に連結されているウインドスクリ
ーン27がほぼ傾斜方向に移動し、上方位置に配置され
る(図8中、符号27’参照)。ここで、図8や図10
に示すように、本実施形態においては、ガイド部91は
車体後方側へ僅かに膨らむ弓状に設定されているため、
上方に移動したウインドスクリーン27は完全に傾斜方
向と一致するようには移動せず、その上端を僅かに前方
に向けるように(すなわち起立状態となるように)移動
する。
【0050】一方、ウインドスクリーン27を下方に移
動する際には、操作スイッチを操作して、電動モータ9
3を逆方向に回転させる。すると、プッシュケーブル9
6が左右の可動部92をガイド部91に沿って下方に移
動する。可動部92がガイド部91に沿って下方に移動
することにより、ウインドスクリーン27が下方位置に
配置される。
【0051】以上のように、電動モータ93を用いて可
動部92をガイド部91に沿って移動させることによ
り、ウインドスクリーン27は電力で移動される。さら
に、本実施形態では、連結部94のうち第1部材97に
対する第2部材98の位置を手動で変更することによっ
ても、ウインドスクリーン27の位置を変更できる。
【0052】以下、第1部材97に対する第2部材98
の位置を変更する手順について説明する。第2部材98
の位置を下方位置(図11(a)の状態)から上方位置
(図11(b)の状態)に変更する場合には、まず、第
2部材98を僅かに上方に移動して第2凹部107の係
止部107Aと第1部材97の第2凸部102との係合
を解く。そして、第1部材97の第1凸部101に対し
て第2部材98の長穴部105をスライドさせつつ第2
部材98を上方に移動する。そして、第2部材98の第
1凹部106を第1部材97の第2凸部102に引っ掛
けることにより、第2部材98は上方位置に固定され
る。一方、第2部材98の位置を上方位置(図11
(b)の状態)から下方位置(図11(a)の状態)に
変更する場合には、まず、第2部材98を僅かに上方に
移動して第1凹部106の係止部106Aと第1部材9
7の第2凸部102との係合を解く。そして、第1部材
97の第1凸部101に対して第2部材98の長穴部1
05をスライドさせつつ第2部材98を下方に移動す
る。そして、第2部材98の第2凹部107を第1部材
97の第2凸部102に引っ掛けることにより、第2部
材98は下方位置に固定される。このように、第1部材
97及び第2部材98からなる連結部94を用いたウイ
ンドスクリーン27の位置変更動作は、手動によってワ
ンタッチで行うことができる。
【0053】このとき、第2部材98にはウインドスク
リーン27が固定されているため、第2部材98の移動
に伴ってウインドスクリーン27も移動する。そして、
第1部材97の凸部(固定部)101,102は傾斜方
向にほぼ沿うように所定間隔で設けられているので、傾
斜方向に沿って並ぶ凸部101及び凸部102に基づい
てウインドスクリーン27を移動することにより、ウイ
ンドスクリーン27は傾斜方向にほぼ沿うようにして移
動される。
【0054】このように、移動装置90によってウイン
ドスクリーン27の位置が変更可能とされたので、走行
速度の変化など状況に応じてウインドスクリーン27の
位置を変化させることができ、運転者に走行風が当たる
のを抑えることができる。そして、ウインドスクリーン
27は移動装置90によってウインドスクリーン27の
傾斜方向にほぼ沿う方向に移動されるので、ウインドス
クリーン27が移動した際にもウインドスクリーン27
と運転者との間の距離が大きくなることがない。したが
って、運転者へのバックプレッシャーの作用を抑えるこ
とができる。このように、ウインドスクリーン27を傾
斜方向にほぼ沿う方向に移動可能とすることにより、運
転者は快適な運転ができる。
【0055】次に、図14及び図15を参照しながらミ
ドルカウル20に設けられた第1開口部22について説
明する。図14は第1開口部22近傍の拡大側面図であ
り、図15は第1開口部22近傍を車体後方から見た図
である。エンジン8の周囲を覆うフロントカウル17
は、エンジン8の下方あるいはエンジン8に接続する排
気管8Aの下方を覆うアンダーカウル21と、このアン
ダーカウル21の上方に配置され、アンダーカウル21
と接合されるミドルカウル20とを有している。ミドル
カウル20はエンジン8の側方を覆うように配置され
る。
【0056】図14に示すように、フロントカウル17
のうち、ミドルカウル20の側部には、前述したような
カウリング内部と外部とで空気(走行風)を流通可能な
第1開口部22が形成されている。そして、この第1開
口部22からはエンジン8のエンジンヘッドカバー70
が露出している。更に、エンジンヘッドカバー70の露
出部分には、このエンジンヘッドカバー70を保護する
保護部材71が取り付けられている。したがって、第1
開口部22からは保護部材71が取り付けられたエンジ
ンヘッドカバー70が露出している。ここで、保護部材
71はエンジンヘッドカバー70に対して着脱自在とな
っており、保護部材71のエンジンヘッドカバー70に
対する着脱作業は第1開口部22を介して行われる。
【0057】図15に示すように、エンジンヘッドカバ
ー70の外面には、車体前後方向に延在する凹部72が
形成されている。そして、このエンジンヘッドカバー7
0の外面に取り付けられた板状の保護部材71とエンジ
ンヘッドカバー70との間で、空気を流通可能な通路7
3が車体前後方向に延びるように形成されている。
【0058】第1開口部22の車体前方側の位置にはル
ーバー(整流装置)74が設けられている。このルーバ
ー74は、車体前後方向を長手方向として、車体上下方
向に互いに平行な複数のスリット状の流路を有してい
る。ルーバー74はカウリング外部から供給された走行
風を整流して、エンジンヘッドカバー70に向けて供給
するように、流路の形状・向きを設定されている。ルー
バー74の全体形状は、第1開口部22の前方側の形状
に沿っており、下部から上方に向かうにつれて前方側に
膨らみ、高さ方向中央部やや下方位置(点A参照)から
上方に向かうにつれて車体後方側に傾斜する形状を有し
ている。また、ルーバー74の高さ方向のサイズは、エ
ンジンヘッドカバー70の高さ方向のサイズより大きく
設定されている。
【0059】ルーバー74は、第1開口部22の前方側
の一部分を覆うように、第1開口部22から露出してい
るエンジンヘッドカバー70及び保護部材71より少な
くとも車体前方側に設置されている。すなわち、エンジ
ンヘッドカバー70はルーバー74より車体後方側に配
置されている。
【0060】次に、自動二輪車1が走行した際の、第1
開口部22近傍の走行風の流れについて説明する。自動
二輪車1が走行すると、ミドルカウル20前方の走行風
取入口20Aや第1開口部22及び第2開口部23から
カウリング内部に走行風が取り入れられるが、第1開口
部22からカウリング内部に取り入れられる走行風は、
ルーバー74に整流された後、カウリング内部に取り入
れられる。ここで、前述したように、ルーバー74にお
けるスリット状の流路の形状・向きは、走行風をエンジ
ンヘッドカバー70に供給可能なように予め設定されて
いる。したがって、ルーバー74を介した走行風は、エ
ンジンヘッドカバー70に供給される。
【0061】このとき、更に具体的には、ルーバー74
は走行風を、エンジンヘッドカバー70と保護部材71
との間に形成された通路73向けて供給するように予め
設定されている。したがって、ルーバー74を介した走
行風は、図15の矢印Wで示すように、通路73を通過
し、通路73の車体後方側から外部に流れる。ここで、
通路73を通過する走行風はエンジンヘッドカバー70
を直接冷却する。
【0062】このように、エンジン8の周囲を覆うフロ
ントカウル17の側部に開口部22を設け、この開口部
22の一部にエンジンヘッドカバー70に向けて走行風
を整流してから供給するルーバー74を設けたので、走
行風はエンジンヘッドカバー70に確実に供給される。
したがって、エンジンヘッドカバー70はルーバー74
を介した走行風によって効果的に冷却される。また、エ
ンジンヘッドカバー70は開口部22から露出している
ので更に高い冷却効果が得られる。そして、ルーバー7
4は複数のスリット状の流路を有したものであり、開口
部22の車体前方側の一部のみに設けられた構成である
ため、エンジンヘッドカバー70に走行風を供給する導
風装置の構成を簡略化できる。また、エンジンヘッドカ
バー70はルーバー74より車体後方側に配置されてい
るので、ルーバー74を介した走行風はエンジンヘッド
カバー70に対して満遍なく効率的に供給される。した
がって、効果的な冷却効果を得ることができる。そし
て、ルーバー74によって、エンジンヘッドカバー70
と保護部材71との間に形成された通路73に直接走行
風を供給する構成であるので、走行風によるエンジンヘ
ッドカバー70の冷却効果を効果的に得ることができ
る。
【0063】次に、図16及び図17を参照しながらフ
ロントカウル17下部に設けられた第2開口部23につ
いて説明する。図16は第2開口部23近傍の拡大側面
図、図17は図5のA−A矢視断面図である。エンジン
8の周囲を覆うフロントカウル17は、エンジン8の下
方あるいはエンジン8に接続する排気管8Aの下方を覆
うアンダーカウル(下部カウリング)21と、このアン
ダーカウル21の上方に配置され、アンダーカウル21
と接合されるミドルカウル(上部カウリング)20とを
有している。
【0064】図16に示すように、アンダーカウル21
のミドルカウル20に対する接合面は、車体下部から車
体後方側に向かうにつれて上側に向けて傾斜している。
そして、アンダーカウル21のうち、ミドルカウル20
に対する接合面の一部に、ミドルカウル20に対して凹
む凹部40が形成されている。凹部40はアンダーカウ
ル21のミドルカウル20に対する接合面のうちほぼ中
央部に形成されている。そして、ミドルカウル20と、
凹部40を有するアンダーカウル21とを接合すること
により、ミドルカウル20とアンダーカウル21との間
には、凹部40に基づく長孔状の開口部23が形成され
る。
【0065】図16及び図17に示すように、アンダー
カウル21は、凹部40と連続しこの凹部40から車体
後方側に向かうにつれてカウリング外側(車体外側)に
向かって除々に膨出形成されており、この膨出部分によ
って車体前方側に湾曲部41を形成している。そして、
図6に示すように、湾曲部41はその中央部を外側に膨
らむように形成されている。
【0066】さらに、アンダーカウル21のうち、湾曲
部41より車体後方側には、この湾曲部41と連続する
ように頂上部42を介してカウリング内側(車体内側)
に向かって傾斜する傾斜部43が形成されている。図1
7に示すように、傾斜部43はほぼ平坦に形成されてお
り、この傾斜部43の車体後方側端部がアンダーカウル
21の後端部となっている。
【0067】湾曲部41と傾斜部43との間の頂上部4
2、すなわち、湾曲部41と傾斜部43との間の稜線
は、図16に示すように、側面視で車体前方側に膨らむ
弓状(三日月状)に形成されている。そして、湾曲部4
1は、湾曲部41における頂上部(稜線)42の先端部
42a近傍の点T1(図16参照)を基準として、車体
下方に向かうにつれてカウリング内側(車体内側)に向
けて傾斜している。すなわち、アンダーカウル21は、
アンダーカウル21のうち凹部40の前側端部より僅か
に下方の点T2と基準点T1とを結ぶ線L1を稜線とし
て、車体内側に窄むように傾斜している。さらに、アン
ダーカウル21のうち頂上部42の下端部の点T3と基
準点T1とを結ぶ線L2を稜線として、車体内側に窄む
ように傾斜している。ここで、線L2は頂上部42の弓
形状に沿う曲線である。このように、アンダーカウル2
1のうち、側面視弓状の頂上部42の先端部42aより
車体前方側の点T1を基準とした稜線L1及び稜線L2
から下側部分は、車体内側に窄む傾斜面となっている。
【0068】次に、自動二輪車1が走行した際の、第2
開口部23近傍の走行風の流れについて説明する。自動
二輪車1が走行すると、ミドルカウル20前方の走行風
取入口20Aや第1開口部22及び第2開口部23から
カウリング内部に走行風が取り入れられるが、第2開口
部23においては、図16や図17に示したように、開
口部23から湾曲部41が外方に膨出しているので、ア
ンダーカウル21の外側を流れる走行風は湾曲部41に
当たる。そして、湾曲部41に当たった走行風の一部は
カウリング内部に取り入れられる(矢印y1参照)。一
方、湾曲部41に当たった走行風のその他は、湾曲部4
1の車体後方側に形成されている頂上部42や、稜線L
1、L2に基づく傾斜面に沿って車体下部に流れる(矢
印y2参照)。したがって、ミドルカウル20の後方に
位置する運転者の脚に直接当たる走行風の量が抑えられ
る。
【0069】また、ミドルカウル20の空気取入口20
A等からカウリング内部に取り入れられた走行風はエン
ジン8や排気管8Aを冷却した後、第2開口部23を介
してカウリング外部に排出される。このとき、カウリン
グ内部から第2開口部23を介して外部に排出される熱
気を帯びた空気は、湾曲部41の形状に沿ってカウリン
グ外側に流され、湾曲部41の車体後方側に形成されて
いる頂上部42や、稜線L1、L2に基づく傾斜面に沿
って車体下部に流れる(矢印y3参照)。したがって、
ミドルカウル20の後方に位置する運転者の脚に直接当
たる熱気を帯びた空気の量が抑えられる。
【0070】このように、ミドルカウル20とアンダー
カウル21との接合面のうち、アンダーカウル21の接
合面に、ミドルカウル20に対して凹む凹部40を設け
たことにより、ミドルカウル20とアンダーカウル21
とを接合するだけで、凹部40に基づく開口部23を容
易に形成できる。なお、このとき、凹部40をミドルカ
ウル20側に設けることもできるが、ミドルカウル20
とアンダーカウル21との接合面は、車体下部から車体
後方側に向かうにつれて上側に向かう傾斜面であるの
で、アンダーカウル21側に凹部40を設けることによ
り、車体前方から流れてくる走行風の出入りは円滑であ
る。また、凹部40と連続し、この凹部40から車体後
方側に向かうにつれてカウリング外側に向かって除々に
膨出する湾曲部41を形成したことにより、カウリング
外部と内部との間の空気の出入りは湾曲部41に沿って
行われ、良好な外観性も維持できる。そして、湾曲部4
1の後方に側面視弓状の頂上部(稜線)42を形成する
とともに、稜線L1,L2から下方を車体内側に窄む傾
斜面としたことにより、走行風や熱気を帯びた空気は湾
曲部41の形状や前記傾斜面に沿って車体下部側に流れ
るので、運転者の脚に直接当たる走行風や熱気を帯びた
空気の量を抑えることができる。したがって、運転者に
不快感を与えることがない。
【0071】ところで、本実施形態における運転者用シ
ート10はシート高さを調整可能に設けられている。こ
のことについて、図18〜図21を参照しながら説明す
る。図18は本発明に係るシート構造の要部を示す拡大
側面図、図19はシート構造の部品図、図20はシート
構造のうち第1支持部及び第2支持部を示す図であって
図20(a)は上方から見た図、図20(b)は側方か
ら見た図、図21はシートを高さ調整した際の第1,第
2,第3支持部のそれぞれの状態を示す図である。
【0072】自動二輪車1は、運転者用シート10と乗
員用シート11とを有しており、双方のシート10,1
1とも車体に対して着脱可能となっている。このうち、
運転者用シート10は高さ調整可能であり、乗員用シー
ト11は高さ調整不能である。そして、自動二輪車1の
シート構造は、車体に設けられ、高さ方向に並んだ複数
の溝部50を有する第1支持部51と、溝部50のそれ
ぞれと係合可能であり、溝部50と係合状態で運転者用
シート10の前部の所定位置を支持する第2支持部52
と、シート10の後部の所定位置に設けられ、複数の段
部54を有する階段部55と、車体のうち第1支持部5
1より後方位置に設けられ、シート10の段部54を支
持可能な第3支持部53とを備えている。
【0073】第1支持部51は、車体フレーム2のシー
トフレーム35に固定されており、燃料タンク9の後方
に配置されている。図18及び図19に示すように、第
1支持部51は、シートフレーム35に固定されるフロ
ントクロスプレート56と、フロントクロスプレート5
6に固定され、前記溝部50を有するアジャスタブラケ
ット57とを備えている。シートフレーム35とフロン
トクロスプレーと56とアジャスタブラケット57とは
ネジなどの固定部材56aによって固定される。
【0074】図19及び図20に示すように、第1支持
部51のうち、アジャスタブラケット57は車体の幅方
向に所定の間隔をあけて2つ配置される。2つのアジャ
スタブラケット57のそれぞれは互いに対向する支持板
部57aを有している。支持板部57aのそれぞれはそ
の板面を車体高さ方向と平行になるように且つ車体前後
方向と平行になるように設けられている。
【0075】溝部50はアジャスタブラケット57の支
持板部57aに車体前後方向を長手方向として高さ方向
に3つ設けられている。そして、高さ方向に3つ並んだ
溝部50のそれぞれは互いに略平行になるように形成さ
れており、車体後端側において縦溝によって連続してい
る。一方、溝部50の車体前端側は塞がれて係止部50
Aを形成しており、高さ方向に3つ並んだ溝部50によ
って、図20(b)に示すように、逆向きE字状の溝部
が形成されている。ここで、溝部50は支持板部57a
のそれぞれに対等な形状で形成されている。
【0076】第1支持部51のアジャスタブラケット5
7のうち、溝部50より車体後方部分には第2の溝部で
あるガイド溝58が形成されている。ガイド溝58のそ
れぞれは車体前後方向を長手方向として、支持板部57
aのそれぞれに対等な形状で形成されている。
【0077】第2支持部52は、1つのアジャスタブラ
ケット57のうちの互いに対向する支持板部57aの間
に配置されるアジャスタガイド(連結部材)59と、こ
のアジャスタガイド59の穴部59aに取り付けられる
ピン部60と、車体の幅方向にそれぞれ配置されたアジ
ャスタガイド59にその両端を接続したアジャスタバー
(棒状部材)61とを有している。アジャスタバー61
のアジャスタガイド59に対する接続位置は、ピン部6
0のアジャスタガイド59に対する取付位置より上部で
ある。ピン部60はアジャスタガイド59の穴部59a
に配置された際、その両端を外方に突出し、アジャスタ
ブラケット57の溝部50に係合させている。このと
き、溝部50に係合状態のピン部60の両端は鍔部(ワ
ッシャ)60aによって溝部50から外れないようにな
っている。そして、ピン部60は高さ方向に3つ並び後
端側で連続している溝部50に沿って移動可能であり、
ピン部60の移動に伴って、このピン部60に固定され
たアジャスタガイド59及びアジャスタガイド59に固
定されたアジャスタバー61も溝部50の形状に基づい
て移動可能となっている。すなわち、第2支持部52は
連続している溝部50に沿って移動可能となっている。
【0078】アジャスタガイド59のうち、穴部59a
より車体後方側には第2穴部59bが形成されており、
この第2穴部59bには第2ピン部62が取り付けられ
ている。この第2ピン部62も、アジャスタガイド59
の第2穴部59bに配置された際、その両端を外方に突
出し、アジャスタブラケット57のガイド溝58に係合
させている。このとき、ガイド溝58に係合状態の第2
ピン部62の両端は鍔部(ワッシャ)62aによってガ
イド溝58から外れないようになっている。そして、第
2ピン部62はガイド溝58に沿って摺動可能となって
いる。このとき、第2ピン部62がガイド溝58に支持
されることによって、アジャスタガイド59は回動せ
ず、その姿勢を保持される。
【0079】図18、図19に示すように、アジャスタ
バー61にはスプリング(付勢部材)63が接続され
る。スプリング63はその一端をアジャスタバー61に
接続し、他端をフロントクロスプレート56に接続して
いる。このとき、スプリング63はアジャスタバー61
を車体前方側に引っ張る力を有するように設定されてい
る。すなわち、第2支持部52のアジャスタバー61
は、スプリング63によって溝部50の前端側に付勢さ
れており、溝部50の前端側の係止部50Aがアジャス
タバー61にアジャスタガイド59を介して接続してい
るピン部60を係止する。このとき、ピン部60は溝部
50の前端側の係止部50Aをスプリング63の付勢力
に基づく所定の力で常時押圧している。
【0080】シート10の後部に設けられている階段部
55は3つの段部54を有している。図18に示すよう
に、段部54のそれぞれは側断面視下向き凹状に形成さ
れており、車体後方側に向かうにしたがって高い位置に
設けられている。一方、車体のシートフレーム35のう
ち、第1支持部51より後方位置には、シート10の段
部54と係合することによりシート10の後部を支持す
る第3支持部53が設けられている。この第3支持部5
3は凹状の段部54に嵌合可能な凸部を有している。こ
こで、本実施形態における第3支持部53は、車体の幅
方向に延在されたバー部材である。なお、図18及び図
19に示すように、第3支持部53とシートフレーム3
5との間にはラバーパッドなどの緩衝材66が介在して
おり、シート10に着座した運転者に対して作用する走
行中の衝撃を低減する。また、図18に示すように、乗
員用シート11と車体との間にも支持部材64及び緩衝
材65が設けられる。
【0081】図19に示すように、運転者用シート10
の前部には、車体に設けられた第2支持部52のアジャ
スタバー61と係合する突起部10Aが形成されてい
る。突起部10Aは車体前方側に向かって突出してい
る。一方、運転者用シート10の後部には、乗員用シー
ト11と係合する棒部材10Bが設けられている。この
棒部材10Bは運転者用シート10後部の支持部10c
に支持されてシート10に対して離間しつつ車体幅方向
に延在している。また、乗員用シート11の前部には、
運転者用シート10の棒部材10Bと係合する突起部1
1Aが形成されている。突起部11Aは車体前方側に向
かって突出している。
【0082】次に、運転者用シート10の位置調整(高
さ調整)をする際の手順について説明する。運転者用シ
ート10の高さ調整をするに際し、まず、運転者用シー
ト10及び乗員用シート11のそれぞれを車体から外し
ておく。
【0083】次に、第2支持部52のアジャスタバー6
1が所望の高さ位置に配置されるように、アジャスタバ
ー61に連結しているアジャスタガイド59の位置を設
定すする。この場合、まず、運転者などがアジャスタバ
ー61を把持し、スプリング63の付勢力に抗しながら
アジャスタバー61に連結しているアジャスタガイド5
9を車体後方側に移動させる。そして、アジャスタガイ
ド59に連結しているピン部60を溝部50に沿って移
動させ、溝部50の後端の連続部分に配置した後、高さ
方向に3つ並ぶ溝部50のうち、選択した所望の溝部5
0に係合させる。そして、アジャスタバー61の把持を
解くことにより、アジャスタバー61はスプリング63
の付勢力によって車体前方側に付勢され、アジャスタガ
イド59のピン部60が係止部50Aに係止される。こ
うして、アジャスタガイド59及びアジャスタバー61
の位置が決定・保持される。具体的には、シート10を
低い位置に調整したい場合には、図21(a)に示すよ
うに、高さ方向に3つ並ぶ溝部50のうち、ピン部60
を下段の溝部50に係合させ、シート10を高い位置に
調整したい場合には、図21(c)に示すように、高さ
方向に3つ並ぶ溝部50のうち、ピン部60を上段の溝
部50に係合させ、シート10を中間位置に調整したい
場合には、図21(b)に示すように、高さ方向に3つ
並ぶ溝部50のうち、ピン部60を中段の溝部50に係
合させる。
【0084】ここで、ピン部60が溝部50のいずれか
と係合した際、アジャスタガイド59はピン部60を中
心に回動しようとするが、第2ピン部62が長穴状のガ
イド溝58に支持されているため、アジャスタガイド5
9は回動しない。したがって、アジャスタガイド59及
びアジャスタバー61の姿勢は保持される。また、第2
ピン部62はガイド溝58に摺動可能に支持されている
ため、ピン部60を選択した溝部50に移動する際の移
動動作は妨げられない。
【0085】こうして、第2支持部52のアジャスタバ
ー61の高さ位置が決定したら、アジャスタバー61の
下方にシート10の突起部10Aを挿入した後、この突
起部10Aをアジャスタバー61に支持させながら、シ
ート10の後方を下方に倒すように回動する。そして、
シート10の後方に形成されている段部54を車体に設
けられている第3支持部53に支持させる。このとき、
シート10の段部54の形成位置は、アジャスタブラケ
ット57の複数の溝部50のうち選択された溝部50と
アジャスタガイド59のピン部60とが係合した際、選
択された溝部50に対応する段部54が第3支持部53
に支持されるように設定されている。すなわち、図21
(a)に示すように、高さ方向に3つ並んだ溝部50の
うち下段の溝部50が選択された際には、シート10に
形成された3つの段部54のうち後方の段部54が第3
支持部53に支持されるようになっており、図21
(b)に示すように、高さ方向に3つ並んだ溝部50の
うち中段の溝部50が選択された際には、シート10に
形成された3つの段部54のうち中央の段部54が第3
支持部53に支持されるようになっており、図21
(c)に示すように、高さ方向に3つ並んだ溝部50の
うち上段の溝部50が選択された際には、シート10に
形成された3つの段部54のうち前方の段部54が第3
支持部53に支持されるようになっている。こうして、
複数の溝部50のうち、任意の溝部50を選択すること
によってアジャスタバー61の高さ位置が変化し、この
アジャスタバー61の高さ位置に基づいて、シート10
の位置(高さ位置)が設定される。そして、下段の溝部
50を選択した際にはシート10の位置は低く設定さ
れ、上段の溝部50を選択した際にはシート10の位置
は高く設定され、中段の溝部50を選択した際にはシー
ト10の位置は中間位置に設定される。
【0086】こうして、運転者用シート10を車体に取
り付けたら、乗員用シート11を車体に取り付ける。こ
のとき、乗員用シート11の突起部11Aで運転者用シ
ート10の棒部材10Bを押さえつけるようにして、乗
員用シート11を車体に取り付ける。以上のようにし
て、運転者用シート10及び乗員用シート11の車体に
対する取付作業が終了する。
【0087】このように、シートの位置調整のための階
段部をシート側に設けたことにより、シート位置調整の
ための機構をコンパクト化してシート下方のスペースを
十分に確保できる。また、高さ方向に複数並んだ溝部に
基づいてシート位置調整を行う構成であるため、シート
を位置調整する際の作業性は向上され、位置調整後のシ
ート位置は維持される。
【0088】次に、図22〜図25を参照しながら本発
明の特徴的な部分について説明する。図22はサイドト
ランク14の支持構造を示す斜視図、図23は上記支持
構造を拡大して示す拡大斜視図、図24は上記支持構造
を後方から見た図、図25は上記支持構造の機構の一部
を示す図である。
【0089】サイドトランク14は、車体後部の左右に
着脱自在に取り付けられている。サイドトランク14の
支持構造は、サイドトランク14を車体に係合する係合
部150と、係合部150に係合されたサイドトランク
14の取付状態をロックするロック部151とを備えて
いる。
【0090】図23及び図24に示すように、係合部1
50は、ベースプレート160と、ベースプレート16
0に設けられた突起161とを有する。サイドトランク
14の上部側面には、ベースプレート160に支持され
るプレート162が横方向に突出して設けられており、
このプレート162の下面には、上記ベースプレート1
60の突起161と係合する溝が設けられている。サイ
ドトランク114のプレート162がベースプレート1
60上に設置されるとともに、プレート162の溝とベ
ースプレート160の突起161とが係合することによ
り、サイドトランク14が車体に支持されるようになっ
ている。
【0091】ロック部151は、ロック操作用のトラン
クロックレバー165と、上述したサイドトランク14
のプレート162を押圧する押圧プレート166と、ト
ランクロックレバー165の動きを押圧プレート166
に伝達するリンク機構167とを有する。本例では、ト
ランクロックレバー165は、乗員の把持部であるグラ
ブレール170と兼用されており、上記リンク機構16
7はそのグラブレール170の内側に配置されている。
なお、グラブレール170は、先の図1に示した乗員用
シート11の両側に設けられ、シートフレーム35に接
続されている。
【0092】図25に示すように、押圧プレート166
は、係合部150に設けられた支点171を中心に回転
自在に支持されており、トランクロックレバー165の
開閉動作がリンク機構167を介して伝達されることに
より、サイドトランク14のプレート162を押圧した
り、押圧を解除したりするようになっている。なお、本
例では、トランクロックレバー165が下方位置にある
ときにロック状態(閉状態)となり、上方位置にあると
きにロック解除状態(閉状態)となる。また、リンク機
構167には、スプリング等からなる付勢部材が配置さ
れており、付勢部材による付勢力により、トランクロッ
クレバー165のロック解除状態(開状態)が保持され
る。
【0093】図22及び図23に戻り、トランクロック
レバー165には、施錠部175が設けられており、こ
の施錠部175にキーを差し込んで施錠することによ
り、トランクロックレバー165のロック状態(閉状
態)が保持される。さらに、この施錠部175にキーを
差し込んで施錠を解除することにより、上述した付勢部
材の付勢力によってトランクロックレバー165が上方
に押し上げられ、トランクロックレバー165のロック
状態が解除される。また、ロック状態(閉状態)におい
て、トランクロックレバー165は、グラブレール17
0と一体化され、グラブレール170とほぼ連続する面
を形成する。すなわち、トランクロックレバー165
は、グラブレール170の上部の表面形状とほぼ同一の
表面形状を有し、ロック状態(閉状態)において、グラ
ブレール170の表面位置から突出しないように設けら
れている。
【0094】また、図23及び図24に示すように、本
例では、トランクロックレバー165の内側、すなわち
グラブレール170の内側に、シートの取付状態をロッ
クするためのシートロックレバー180が配置されてい
る。シートロックレバー180は、上述したロック部1
51のリンク機構167に取り付けられており、ワイヤ
181を介して、シートをロックするための機構に接続
されている。また、このシートロックレバー180は、
トランクロックレバー165がロック解除状態(開状
態)のときに外部に露出される。つまり、トランクロッ
クレバー165の施錠を解除して、トランクロックレバ
ー165をロック解除状態(開状態)とすることによ
り、グラブレール170の内側に配置されたシートロッ
クレバー180が操作可能となる。逆に、トランクロッ
クレバー165を押し下げて、トランクロックレバー1
65をロック解除状態(開状態)とすると、トランクロ
ックレバー165の内側にシートロックレバー180が
隠され、シートロックレバー180の操作が不能とな
る。
【0095】以上説明したように、この二輪自動車で
は、サイドトランク14用のトランクロックレバー16
5をグラブレール170と兼用とするとともに、ロック
部151の他の機構をグラブレール170の内側に配置
したことにより、車体から突出する部分が少なくなり、
サイドトランク114が支持される箇所近傍のスペース
の有効利用が図られる。また、トランクロックレバー1
65はグラブレール170と一体化され、ロック状態
(閉状態)において、グラブレール170とほぼ連続す
る面を形成することから、外観性の向上が図られる。こ
れにより、従来行っていた、ロック部を隠すようにサイ
ドトランクを形成したり、サイドトランク側にロック部
を配置したりといった措置が不要となり、それらに伴う
トランク容量の減少を回避できる。
【0096】また、トランクロックレバー165の内側
に、シートの取付状態をロックするシートロックレバー
180が配置されることから、外観性の向上をより図れ
る。しかも、シートロックレバー180は、トランクロ
ックレバー165がロック解除状態(開状態)のときに
露出されかつ操作可能となるので、トランクロックレバ
ー165がロック状態(閉状態)のときには、トランク
ロックレバー165の内側にシートロックレバー180
が隠される。そのため、トランクロックレバー165の
施錠をシートロックレバー180の施錠にも兼用させ、
シートロックの施錠を不要にできる。これにより、サイ
ドトランク14が支持される箇所近傍の機構の簡素化が
より図られ、スペースの有効利用がより図られる。
【0097】以上、添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施形態例について説明したが、本発明は係る
例に限定されないことは言うまでもない。上述した例に
おいて示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例
であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設
計要求等に基づき種々変更可能である。
【0098】例えば、上記実施例では、トランクロック
レバーがグラブレールと兼用されているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、トランク用のロック部の
少なくとも一部が、トランクが支持される箇所近傍に配
置される車体側の部材と兼用されればよい。兼用される
車体側の部材としては、上述したグラブレールの他に、
サイドカバー、荷台等が挙げられる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トランク用のロック部の少なくとも一部を、トランクが
支持される箇所の近傍に配置される部材と兼用したこと
により、所望のトランク容量を容易に確保しつつ、トラ
ンク周りの外観性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動二輪車の一実施形態を示す全体概
略側面図である。
【図2】図1の要部拡大図であって、前照灯近傍を示す
図である。
【図3】前照灯近傍を前方から見た図である。
【図4】本発明に係る自動二輪車の車体フレームを側方
から見た図である。
【図5】車体フレームを正面から見た図である。
【図6】車体フレームを上方から見た図である。
【図7】アッパーカウルとミドルカウルとの結合部近傍
を拡大した側面図である。
【図8】ウインドスクリーン近傍の拡大側面図である。
【図9】移動装置を正面から見た図である。
【図10】図9を側方から見た図である。
【図11】連結部を示す図である。
【図12】連結部のうち第1部材を示す図である。
【図13】連結部のうち第2部材を示す図である。
【図14】カウルの第1開口部近傍を拡大した側面図で
ある。
【図15】図14を車体後方から見た図である。
【図16】カウルの第2開口部近傍を拡大した側面図で
ある。
【図17】図16のA−A矢視断面図である。
【図18】シート構造を側方から見た図である。
【図19】シート構造の部品構成図である。
【図20】シート構造のうち第1支持部及び第2支持部
を示す図であって、(a)は上方から見た図、(b)は
側方から見た図である。
【図21】位置調整されたシート構造を説明する図であ
る。
【図22】サイドトランクの支持構造を示す斜視図であ
る。
【図23】サイドトランクの支持構造を拡大して示す拡
大斜視図である。
【図24】サイドトランクの支持構造を後方から見た図
である。
【図25】サイドトランクの支持構造の機構の一部を示
す図である。
【符号の説明】
1…自動二輪車、5…前輪、7…後輪、8…エンジン、
8A…排気管、10…運転者用シート、11…乗員用シ
ート、14…サイドトランク、151…ロック部、16
5…トランクロックレバー、170…グラブレール、1
75…施錠部、180…シートロックレバー。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に対して着脱自在に取り付けられる
    トランクと、該トランクの取付状態をロックするロック
    部とを有する自動二輪車において、 前記ロック部は、少なくとも一部が、前記トランクが支
    持される箇所の近傍に配置される部材と兼用されている
    ことを特徴とする自動二輪車。
  2. 【請求項2】 前記ロック部の操作用のトランクロック
    レバーが、乗員の把持部であるグラブレールと兼用され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
  3. 【請求項3】 前記トランクロックレバーの内側には、
    シートの取付状態をロックするためのシートロックレバ
    ーが配置され、該シートロックレバーは、前記トランク
    ロックレバーがロック解除状態のときに露出されかつ操
    作可能となることを特徴とする請求項2に記載の自動二
    輪車。
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