JP2003080725A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2003080725A JP2001274927A JP2001274927A JP2003080725A JP 2003080725 A JP2003080725 A JP 2003080725A JP 2001274927 A JP2001274927 A JP 2001274927A JP 2001274927 A JP2001274927 A JP 2001274927A JP 2003080725 A JP2003080725 A JP 2003080725A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク流路を構成するチューブと流路構成部
材との連結を確実にすることができるインクジェット記
録装置を提供すること。 【解決手段】 第2連結具36は、先端に向け縮径した
テーパ状の頭部36aと、その頭部36aの最大径側に
連設された小径の頸部36bとをチューブ5の内側に挿
嵌されてインク流路を構成する。また、チューブ5と第
2連結具36の最大径部分との挿嵌部は、その挿嵌部の
外径より小さい第1内径部37aを有する固定部材37
によって、柔軟材で構成されたチューブ5の外周が締め
つけられて固定される。更に、固定部材37には、頸部
36bに向けて第2内径部37bを凸設されており、頸
部36bと第2内径部37bとによって挟まれたチュー
ブ5は、その第2内径部37bによって、頸部36bに
向けて縮径する方向に押圧される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特に、インク流路を構成するチューブと
流路構成部材との連結を確実にすることができるインク
ジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクタンクからチューブを
介して記録ヘッドにインクを供給するチューブ供給形式
のインクジェット記録装置が知られている。このチュー
ブ供給形式のインクジェット記録装置は、被記録媒体に
インクを吐出して記録を行うための記録ヘッドと、その
記録ヘッドを搭載するキャリッジと、そのキャリッジ外
に設けられ、記録ヘッドに供給するインクを貯えるイン
クタンクと、そのインクタンクから記録ヘッドにインク
を供給するチューブとを備えている。
【0003】ここで、図5を参照して記録ヘッド側にお
けるチューブとの連結について説明する。図5は発明者
が先に考えた記録ヘッド側のチューブ連結具25とチュ
ーブ26との連結状況を示した断面図である。図5に示
すように、記録ヘッド側には、チューブ26と連結する
ためのチューブ連結具25(以下「連結具」という)が
突設されている。この連結具25は、チューブ26の内
径D1よりも大きい最大径を有し先端に向け縮径したテ
ーパ状の頭部25aと、その最大径部分側に連続し最大
径部分よりも小径の頸部25bとで構成されている。ま
た、頭部25aの先端部の外径d1は、チューブ26の
内径D1より小さくなるように形成されている。そし
て、この連結具25をチューブ26の内側に挿入して両
部材は連結される。
【0004】従って、頭部25aの先端部の外径d1
は、チューブ26の内径D1より小さく形成されている
ので、頭部25aの先端部を容易にチューブ26の内側
に挿入できる。また、頭部25aはテーパ状に構成され
ているので、チューブ26の柔軟性によって、頭部25
aをチューブ26内に挿入するにつれて頭部25aとチ
ューブ26とを密着させて連結することができ、更に、
頭部25aの最大径部分より小径の頸部25bによって
チューブ26を縮径させて、両部材を抜けにくくするこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、連結具
25をチューブ26の内側に挿入して連結具25とチュ
ーブ26とを連結する場合に、チューブ26と連結具2
5とは、チューブ26の内周と頭部25aの外周との摩
擦力によって連結されているので、記録ヘッドの往復移
動に伴い、チューブ26が自由に振れることによって、
連結具25からチューブ26が抜けたり、あるいは弛ん
で空気が侵入しやすくなり、侵入した気泡がインク中で
気泡の塊となりインクの吐出不良を引き起こすという問
題点があった。
【0006】また、チューブ供給形式のインクジェット
記録装置では、チューブ26内のインクの水分の蒸発や
外気からのチューブ26内への空気の侵入を防止すべ
く、チューブ26を蒸気透過性およびガス透過性の低い
ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等によ
って構成する場合がある。一般にこれらの材質は硬質で
あり、これらの材料によってチューブ26を構成した場
合には、エチレンゴムやブタジエンゴム等の柔軟材でチ
ューブ26を構成した場合に比較して、連結具25との
密着性に劣り、チューブ26と連結具25との隙間から
空気が侵入し、その空気がインク中で気泡の塊となって
インク流路が塞がれる等のインクの吐出不良を引き起こ
すという問題点があった。
【0007】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、特に、インク流路を構成するチ
ューブと流路構成部材との連結を確実にすることができ
るインクジェット記録装置を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載のインクジェット記録装置は、被記録媒
体にインクを吐出する記録ヘッドユニットに、インク供
給源からインクを供給するインク流路を有し、そのイン
ク流路を構成し、少なくとも柔軟材で構成された層を有
するチューブと、そのチューブの内径よりも大きい外径
を有し、そのチューブの内側に挿嵌され、そのチューブ
と共に前記インク流路を構成する流路構成部材と、その
流路構成部材とチューブとの挿嵌部の外径より小さい第
1内径部を有し、その第1内径部でチューブの外周を締
めつけて、前記チューブおよび流路構成部材の挿嵌部を
固定する固定部材とを備えており、前記流路構成部材に
は、その開口端と反対側の外周に前記チューブが挿嵌す
る部分の最大径よりも小さい径の凹部を設け、前記固定
部材には、その凹部に向けて前記チューブを縮径する方
向に押圧する凸部が設けられている。
【0009】この請求項1記載のインクジェット記録装
置によれば、インク供給源のインクは、少なくとも柔軟
材で構成された層を有するチューブの内側に、そのチュ
ーブの内径より大きい外径を有する流路構成部材が挿嵌
されて構成されるインク流路を介して、記録ヘッドユニ
ットに供給される。ここで、流路構成部材とチューブと
の挿嵌部は、その挿嵌部の外径より小さい第1内径部を
有する固定部材によって、チューブの外周が締めつけら
れて固定される。更に、流路構成部材の開口端と反対側
の外周にチューブが挿嵌する部分の最大径よりも小さい
径の凹部を設け、その凹部に対応する凸部を固定部材に
設け、流路構成部材と固定部材とによって挟まれたチュ
ーブは、固定部材の凸部によって、流路構成部材の凹部
に向けて縮径する方向に押圧される。
【0010】請求項2記載のインクジェット記録装置
は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、
前記流路構成部材は先端に向け縮径したテーパ状の頭部
と、その頭部の最大径側に連設された小径の頸部とを備
え、前記流路構成部材の凹部は、前記頸部によって構成
されている。
【0011】この請求項2に記載のインクジェット記録
装置によれば、請求項1記載のインクジェット記録装置
と同様に作用する上、流路構成部材は、先端に向け縮径
したテーパ状の頭部から、その頭部の最大径側に連設さ
れた小径の頸部をチューブの内側に挿嵌されて、インク
流路を構成する。また、チューブと流路構成部材との挿
嵌部は、その挿嵌部の外径より小さい第1内径部を有す
る固定部材によって、チューブの外周が締めつけられて
固定される。更に、固定部材に流路構成部材の頸部に向
けて凸部を設け、流路構成部材と固定部材とによって挟
まれたチューブは、固定部部材の凸部によって、流路構
成部材の頸部に向けて縮径する方向に押圧される。
【0012】請求項3記載のインクジェット記録装置
は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置に
おいて、前記固定部材の凸部は、前記第1内径部より内
径が小さい第2内径部によって構成されている。
【0013】請求項4記載のインクジェット記録装置
は、請求項3に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記第2内径部は、前記流路構成部材とチューブと
の挿嵌部を通過させるために拡径可能に構成されてい
る。
【0014】請求項5記載のインクジェット記録装置
は、請求項4に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記固定部材には、前記流路構成部材とチューブと
の挿嵌部を通過させるために、前記第2内径部の端部か
ら第1内径部にかけて溝が切欠されている。
【0015】請求項6記載のインクジェット記録装置
は、請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット
記録装置において、前記固定部材には、前記流路構成部
材の先端部の近傍における前記チューブの外周と近接す
る第2凸部が凸設されている。
【0016】請求項7記載のインクジェット記録装置
は、請求項6に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記固定部材の第2凸部は、前記チューブの外径と
略同径に構成された第3内径部によって構成されてい
る。
【0017】請求項8記載のインクジェット記録装置
は、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット
記録装置において、前記チューブは蒸気透過性およびガ
ス透過性の低い材料で構成された層と、その層よりも肉
厚で柔軟な材料で構成された層との2層構造で構成され
ている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明
の一実施例であるインクジェット記録装置1の内部構成
を示した平面図である。このインクジェット記録装置1
は、本体フレーム2と、その本体フレーム2に内包さ
れ、記録用紙PPにインクを吐出する記録ヘッドユニッ
ト3と、その記録ヘッドユニット3に供給するインクを
貯留するインクタンク4と、そのインクタンク4から記
録ヘッドユニット3にインクを供給するチューブ5と、
回復装置6と、記録用紙PPを搬送するための搬送装置
とを備えている。
【0019】本体フレーム2は、略箱状体に形成され、
難燃性のプラスチックで構成されている。本体フレーム
2の長手方向には、棒状のガイドロッド7が横架されて
おり、記録ヘッドユニット3を記録用紙PPの搬送方向
Bと直交する方向A(図1の左右方向)に往復移動可能
に支持している。
【0020】記録ヘッドユニット3は、キャリッジ3a
と、そのキャリッジ3aに連設された筐体3bとによっ
て略箱状に形成されており、その内部には記録ヘッド
(図示せず)、エアトラップユニット11等(図2参
照)が収納されている。尚、記録ヘッドユニット3の内
部構成については、図2において説明する。
【0021】キャリッジ3aは、ガイドロッド7上に往
復移動可能に挿嵌されている。キャリッジ3aには、ベ
ルトが装着されており、そのベルトはキャリッジモータ
に取着されたローラに巻回されている。キャリッジモー
タが回転するとローラに巻回されたベルトが駆動され記
録ヘッドユニット3を移動させる。
【0022】記録ヘッドユニット3の下方には、記録用
紙PPを搬送するための搬送装置としての搬送ローラが
配置されている。搬送ローラは、記録ヘッドユニット3
の下方においてその前後に位置して、搬送モータの回転
によって記録用紙PPをほぼ水平方向(矢印B)に搬送
する。
【0023】記録ヘッドユニット3内の記録ヘッドは、
フルカラー記録のために複数個例えば4組並べて設けら
れ、それぞれ記録用紙PPに対向する側にインク吐出口
を下向きに開口させている。記録ヘッドの各組は、後述
するエアトラップから供給されるインクを、公知のもの
と同様に、インク吐出口ごとのインク室に分配し圧電素
子等のアクチュエータによってインク吐出口から吐出す
るものである。また、記録ヘッドの各組は、記録ヘッド
ユニット3の筺体3bの下面に支持され、インク吐出口
を除いて記録用紙PP側の面をカバープレートで覆われ
ている。
【0024】インクタンク4は、記録ヘッドユニット3
に供給するインクを貯留しておくためのものであり、記
録用紙PPの搬送経路の下方に配設されている。インク
タンク4は、各記録ヘッドに対応したブラック、イエロ
ー、シアン、マゼンタの各インクが密封されている4つ
のインクタンク4a〜4dで構成されている。各インク
タンク4a〜4dは、4本のチューブ5a〜5dを介し
て各記録ヘッドに連結されている。
【0025】回復装置6は、回復処理を実行するための
装置であり、本体フレーム2の左側部分に配設されてい
る。回復処理は、記録ヘッドからのインクの吐出状態を
回復させるための処理である。回復装置6は、吸引キャ
ップ6aと、その吸引キャップ6aを通して記録ヘッド
ユニット3からインク等を吸引する吸引ポンプ(図示せ
ず)と、記録ヘッドユニット3のインク吐出口形成面を
拭うワイパ6bとから構成されている。
【0026】吸引キャップ6aは略箱状に形成されてお
り、記録ヘッドのインク吐出口形成面に当接され、イン
ク吐出口形成面を密閉する。吸引キャップ6aの底部に
は、排出チューブ6cが連通されている。吸引ポンプの
作用によって吸引されるインクは、吸引キャップ6aか
ら排出チューブ6cを通過して排出される。吸引処理が
終了すると、吸引キャップ6aがインク吐出口形成面か
ら離れる。排出されたインクによって汚れたインク吐出
口形成面が板状のゴムで構成されたワイパ6bによって
拭われ、回復処理が終了する。
【0027】次に、図2を参照して記録ヘッドユニット
3の内部構成について説明する。図2は記録ヘッドユニ
ット3の内部構成を示した平面図である。記録ヘッドユ
ニット3の内部にはエアトラップユニット11とジョイ
ント12とを備えている。
【0028】エアトラップユニット11は、チューブ5
内で発生した気泡を貯留するためのものである。エアト
ラップユニット11は略直方体状に形成され、記録ヘッ
ドユニット3の筺体3bの内部中央に配設されている。
このエアトラップユニット11内は、各記録ヘッドに対
応して独立した4つの気泡貯留部、即ちエアトラップ3
0〜33に区分けされて構成されている。また、各エア
トラップ30〜33の後側面(図2の上方)には、ジョ
イント部材12と連結するための4つの連結具34が略
直線状に突設されている。連結具34は、ジョイント部
材12に向かって縮径するテーパ状に構成され、内部に
はインク流路すなわち各エアトラップに対するインク流
入口11fが形成されている。
【0029】ジョイント部材12は、各チューブ5a〜
5dと各エアトラップ30〜33とを連結するためのも
のである。ジョイント部材12は、略直方体に形成さ
れ、エアトラップユニット11の後方(図2の上方)に
配設されている。ジョイント部材12は、4つの独立し
たインク流路12a〜12dを有し、各インク流路の両
端には、各エアトラップ30〜33の連結具34に連結
するための第1連結具35と、チューブ5a〜5dに連
結するための第2連結具36とがそれぞれ突設されてい
る。
【0030】第1連結具35は、各エアトラップ30〜
33の連結具34と対向する面に略直線状に突設されて
いる。第1連結具35は、ジョイント部材12の本体か
ら突設された頸部とその頸部から拡張し、連結具34に
向かって縮径するテーパ状に形成された頭部とで構成さ
れている。そして、各第1連結具35と、対応する各連
結具34とは、略中空円筒状に構成された連結部材38
の両端からそれぞれ挿入されて連結される。
【0031】第2連結具36は、ジョイント部材12の
左右側面から2本づつ突設されている。第2連結具36
は、ジョイント部材12の本体から突設された頸部とそ
の頸部から拡張し、チューブ5a〜5dに向かって縮径
するテーパ状に形成された頭部とで構成されている。そ
して、各第2連結具36は、各チューブ5a〜5dの一
端の内部に被包されて連結される。また、第2連結具3
6を被包したチューブ5a〜5dの外周に略中空円筒状
に構成した固定部材37を挿嵌して、連結した両部材を
固定する。
【0032】ここで、第2連結具36とチューブ5a〜
5d(以下チューブ5とする)との連結について図3を
参照して詳細に説明する。図3(a)は、第2連結具3
6とチューブ5と固定部材37との連結状況を示した拡
大断面図である。まず、図3(a)を参照してチューブ
5について説明する。チューブ5は、インクと接する内
層50と、その内層50の外周に被覆された外層51と
の2層構造で構成されている。チューブ5の内径D1は
好ましくは略1.4mm、外径D2は略3.0mmで構
成されているが、本インクジェット記録装置1として
は、内径D1は略0.8mmから略2.0mmの範囲
で、外径D2は略2.4mmから略4.0mmの範囲で
それぞれ構成可能である。内層50の肉厚は、略60μ
mから略80μmの範囲、好ましくは略75μmで構成
され、外層51の肉厚は、内層50の略2倍以上あるこ
とが耐キンク性において好ましい。
【0033】また、内層50は蒸気透過性およびガス透
過性の低い樹脂、即ち、オレフィン系樹脂又はフッ素系
樹脂、例えば、四フッ化エチレン(以下「FEP」と称
す)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポ
リプロピレンが使用可能であり、好ましくはFEPで構
成される。
【0034】外層51は、柔軟性の大きいオレフィン系
ゴム、シリコン系ゴム又はフッ素系ゴム、例えば、シリ
コンゴム又はフッ素ゴムで構成され、好ましくはシリコ
ンゴムで構成される。また、その硬度は、ショア硬度A
略60度から80度の範囲で、好ましくは略70度であ
る。
【0035】このように、内層50をFEPで構成する
ことによって、インク中の水分の蒸発、空気の侵入を抑
制し、また、外層51をシリコンゴムで構成することに
よって、その柔軟性によりインクジェット記録装置1に
おいて要求される柔軟性、屈曲耐久性を満たすことがで
きる。また、内層50の肉厚を略75μmに設定して、
内層50の肉厚が厚すぎることによるチューブ5の柔軟
性の低下を抑制し、外層51の硬度をショア硬度A略7
0度に設定して、適度な硬度によって内層50の折れを
吸収することができる。更に、FEPとシリコンゴムと
はFEP表層を表面処理(テトラエッチ)することによ
り確実に接着することができる。内層50がオレフィン
系樹脂で、外層51がオレフィン系ゴムの場合は、同種
材質のため、同時押し出し成形して融着により相互に強
固に接着することができる。
【0036】一方、第2連結具36はチューブ5の内径
D1より大きい最大径を有し先端に向けし縮径したテー
パ状の頭部36aと、その最大径部分側に連続し最大径
部分よりも小径の凹部となる頸部36bとで構成されい
る。また、頭部36aの先端の外径d1は、チューブ5
bの内径D1と略同様に略1.4mm又はそれよりも僅
か大きく構成されているが、上記チューブ5の寸法範囲
に略比例した大きさで構成可能である。そして、このよ
うに構成された第2連結具36を上記チューブ5の内側
に頭部36a側から挿入して、両部材は連結される。
【0037】従って、頭部36aの先端の外径d1は、
チューブ5の内径D1と略同等に形成されるので、連結
された両部材のインク流路内に隙間をつくることはな
く、その隙間に貯留された気泡が成長してインク流路を
塞ぐようなことはない。また、チューブ5は、頭部36
aの最大径部分で拡径された後に、頸部36bで縮径さ
れて両部材は連結されるので、単に第2連結具36を円
筒状に構成した場合に比較して第2連結具36をチュー
ブ5から引き抜く際の抵抗を大きくすることができる。
【0038】しかし、第2連結具36の外周面と連接す
るチューブ5の内層50は硬質であるFEPによって構
成されているため、特に頭部36aの最大径部分におい
て内層50が塑性変形してチューブの口が広がり、第2
連結部36との密着性に欠け、そこから空気が侵入して
しまう恐れや第2連結具36からチューブ5が抜けてし
まう恐れがあった。そこで、第2連結具36を被包した
チューブ5の外周を固定部材37によって締めつけるこ
とで、両部材を確実に固定することとした。
【0039】ここで、図3(b)を参照して固定部材3
7について説明する。図3(b)に示すように、この固
定部材37は、チューブ5よりも剛性のある略円筒状に
構成されており、第2連結具36の最大径部分とチュー
ブ5との挿嵌部の外径より小さい第1内径K1を有する
第1内径部37aと、その第1内径部37aの端部から
内周側へ凸設され、第1内径K1より小さい第2内径K
2を有する凸部となる第2内径部37bとで構成されて
いる。また、第2内径部37bの端部から第1内径部3
7aにかけて溝37cが切欠され、第2内径部37bを
複数に分割し各々に半径方向の弾性が付与されている。
このように構成した固定部材37の内側に、第2連結具
36を被包したチューブ5を挿嵌して、連結された第2
連結具36とチューブ5とは固定される。
【0040】即ち、固定部材37の第1内径部37aの
第1内径K1は、第2連結具36の最大径部分とチュー
ブ5との挿嵌部の外径より小さく構成されているので、
固定部材の第1内径部37aによって、柔軟材で構成さ
れているチューブ5の外層51を変形させて、チューブ
5を第2連結具36側に押圧して、2連結具36とチュ
ーブ5との挿嵌部を密着させて固定することができる。
また、第2内径部37bの端部から第1内径部37aに
かけて溝37cが切欠されているので、第2内径部37
bの第2内径K2を拡径させて、第2連結具36の最大
径部分とチューブ5との挿嵌部を通過させることができ
る。そして、第2連結具36の最大径部分とチューブ5
との挿嵌部を通過した第2内径部37bは、第2連結具
36の頸部36b側に向かってチューブ5を押圧するの
で、頭部36aの最大径部分によって拡径され、口の広
がった状態になるチューブ5を縮径させる。従って、チ
ューブ5が第2連結具36から引き抜かれるのを効果的
に防止することができる。また、チューブ5の外層51
を構成するシリコンゴムは復元力に優れるので、固定部
材37の締めつけによって塑性変形することが少なく、
第2連結具36と内層50との密着性を長期にわたって
維持することができる。
【0041】次に、固定部材37についての第2例を図
4を参照して説明する。図4はチューブ5と第2連結具
36と第2例の固定部材37との連結状況を示した断面
図である。尚、図3と同じ部分については同一の符号を
付し、その説明は省略する。第2例の固定部材37は、
第1内径部37aの一端に形成された第2内径部37b
に加え、第1内径部37aの他端から内周側へ凸設さ
れ、チューブ5の外径D2と略同径の第3内径K3を有
する第3内径部37dを備えている。また、図3と同様
に固定部材37によって両部材を固定する場合、第3内
径部37dは、第2連結具36の先端部の外周とチュー
ブ5の内層50との連接部39におけるチューブ5の外
周と近接する位置に形成されている。
【0042】ここで、上記したようにインク流路内の隙
間の発生を防止すべく、チューブ5の内径D1は、第2
連結具36の縮径側端部の外径d1と略同径または僅か
に大きく形成されているため、第2連結具36の先端部
の外周とチューブ5の内層50とは連接して連結され
る。また、チューブ5は記録ヘッドユニット3の往復移
動に伴い遊動するため、その遊動によって第2連結具3
6の先端部の外周との連接部39の近傍においてストレ
スが発生する。このストレスは硬質材であるFEPで構
成されているチューブ5の内層50に亀裂等を生じさせ
る恐れがあった。
【0043】しかし、第2連結具36の先端部の外周と
チューブ5の内層50との連接部39よりも第2連結具
36の反対側であって、チューブ5の外層51には、チ
ューブ5の外径D2と略同径の第3内径K3を有する第
3内径部37dが連接されているので、チューブ5の遊
動によって生ずるストレスは、第3内径部37dとチュ
ーブ5の外層51との連接部40に生じることになる。
ここで、チューブ5の外層51は柔軟材であるシリコン
ゴムで構成されているので、シリコンゴムの弾性力によ
ってかかるストレスを吸収することができ、連接部39
におけるチューブ5の内層50に亀裂等が発生するのを
防止することができる。
【0044】以上説明したように、本実施例のインクジ
ェット記録装置1によれば、チューブ5と第2連結具3
6との連結部分は、固定部材37によって強固に固定さ
れるので、記録ヘッドユニット3の往復移動に伴ってチ
ューブ5が遊動する場合であっても、第2連結具36か
らチューブ5が引き抜かれることを防止することができ
るという効果がある。
【0045】以上、上記実施例に基づき本発明を説明し
たが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0046】例えば、上記実施例では、チューブ5の内
層50を蒸気透過性およびガス透過性の低い材料、外層
51を柔軟な材料としたが、これを逆にしても良い。
【0047】また、上記実施例では、固定部材37を略
中空円筒状に構成する場合について説明した。しかしな
がら、固定部材37はかかる形状に限られず、固定部材
37の第1内径部37aを頭部36aの外周面と同様に
テーパ状に形成しても良い。かかる場合は、固定部材3
7の第1内径部37aによって、頭部36aの全体とチ
ューブ5とを一層、密着させて固定することができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載のインクジェット記録装
置によれば、流路構成部材と柔軟なチューブとの挿嵌部
を固定部材により締めつけるので、チューブが経年変化
により塑性変形する材料であっても、流路構成部材とチ
ューブの密着状態を保つことができ、外部から空気の侵
入を防ぎ、インク中の気泡による吐出不良を少なくする
ことができる。また、流路構成部材の開口端と反対側の
外周にチューブが挿嵌する部分の最大径よりも小さい径
の凹部を設け、その凹部に向かった凸部を固定部材に設
け、流路構成部材と固定部材とによって挟まれたチュー
ブは、固定部材の凸部によって、流路構成部材の凹部に
向けて縮径する方向に押圧されるので、流路構成部材の
最大径部分によって拡径されたチューブを縮径させるこ
とができ、チューブが流路構成部材から引き抜かれた
り、あるいは弛んで空気が侵入しやすくなるのを防止す
ることができ、気泡によるインクの吐出不良を一層低減
することができるという効果がある。
【0049】請求項2に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1記載のインクジェット記録装置の奏
する効果に加え、流路構成部材の凹部は、頸部によって
構成されているので、頸部の全周が凹部となり、容易に
固定部材に設けた凸部によってチューブを流路構成部材
の凹部に向けて押圧することができるという効果があ
る。
【0050】請求項3に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1又は2に記載のインクジェット記録
装置の奏する効果に加え、固定部材の凸部は、第1内径
部より内径が小さい第2内径部によって構成されている
ので、固定部材の第2内径部の全周によって、チューブ
を流路構成部材側に押圧することができ、一層、確実に
チューブと流路構成部材とを固定することができるとい
う効果がある。
【0051】請求項4に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項3に記載のインクジェット記録装置の
奏する効果に加え、第2内径部は、流路構成部材とチュ
ーブとの挿嵌部を通過させるために拡径可能に構成され
ているので、第2内径部の内径が、流路構成部材の最大
径部分とチューブとの挿嵌部の外径より小さく構成され
ていても、第2内径部に流路構成部材の最大径部分とチ
ューブとの挿嵌部を通過させることができるという効果
がある。
【0052】請求項5に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項4に記載のインクジェット記録装置の
奏する効果に加え、固定部材には、流路構成部材とチュ
ーブとの挿嵌部を通過させるために、第2内径部の端部
から第1内径部にかけて溝が切欠されているので、第2
内径部の内径を拡径させることができ、第2内径部の内
径が、流路構成部材の最大径部分とチューブとの挿嵌部
の外径より小さく構成されていても、第2内径部に流路
構成部材の最大径部分とチューブとの挿嵌部を通過させ
ることができるという効果がある。
【0053】請求項6に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1から5のいずれかに記載のインクジ
ェット記録装置の奏する効果に加え、固定部材には、前
記流路構成部材の先端部の近傍における前記チューブの
外周と近接する第2凸部が凸設されているので、チュー
ブの遊動によって生ずる流路構成部材の先端部の外周と
前記チューブとの連接部へのストレスをチューブの外周
と近接する第2凸部によって吸収することができるとい
う効果がある。
【0054】請求項7に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項6に記載のインクジェット記録装置の
奏する効果に加え、固定部材の第2凸部は、チューブの
外径と略同径に構成された第3内径部によって構成され
ているので、第3内径部はチューブの外周と連接され、
チューブの遊動によって生ずる流路構成部材の先端部の
外周と前記チューブとの連接部へのストレスを一層効果
的に吸収することができるという効果がある。
【0055】請求項8に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1から7のいずれかに記載のインクジ
ェット記録装置の奏する効果に加え、蒸気透過性および
ガス透過性の低い材料で構成された層によって、インク
の水分の蒸発とチューブ内への空気の侵入とを抑制で
き、インクの水分の蒸発と空気の侵入に伴うインクの不
吐出やインクの増粘を防止できる。また、その層よりも
肉厚で柔軟な材料で構成された層によって、チューブの
柔軟性を確保し、且つ上記固定部材による締めつけ固定
を確実に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置の内部構成を示した平面図である。
【図2】記録ヘッドユニットの内部構成を示した平面図
である。
【図3】(a)チューブと第2連結具と固定部材との連
結状況を示した断面図である。 (b)固定部材を示した図である。
【図4】チューブと第2連結具と第2例の固定部材との
連結状況を示した断面図である。
【図5】従来のチューブとチューブ連結具との連結状況
を示した断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 3 記録ヘッドユニット 4 インクタンク(インク供給源) 5a〜5d チューブ(インク流路) 11 エアトラップユニット(記録ヘッドユ
ニットの一部) 12 ジョイント部材(記録ヘッドユニット
の一部) 36 第2連結具(流路構成部材、インク流
路) 36a 頭部 36b 頸部(凹部) 37 固定部材 37a 第1内径部 37b 第2内径部(凸部) 37c 溝 37d 第3内径部 39 連接部 50 内層 51 外層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体にインクを吐出する記録ヘッ
    ドユニットに、インク供給源からインクを供給するイン
    ク流路を有するインクジェット記録装置において、 前記インク流路を構成し、少なくとも柔軟材で構成され
    た層を有するチューブと、 そのチューブの内径よりも大きい外径を有し、そのチュ
    ーブの内側に挿嵌され、そのチューブと共に前記インク
    流路を構成する流路構成部材と、 その流路構成部材とチューブとの挿嵌部の外径より小さ
    い第1内径部を有し、その第1内径部でチューブの外周
    を締めつけて、前記チューブおよび流路構成部材の挿嵌
    部を固定する固定部材とを備えており、 前記流路構成部材には、その開口端と反対側の外周に前
    記チューブが挿嵌する部分の最大径よりも小さい径の凹
    部を設け、前記固定部材には、その凹部に向けて前記チ
    ューブを縮径する方向に押圧する凸部を設けたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記流路構成部材は先端に向け縮径した
    テーパ状の頭部と、その頭部の最大径側に連設された小
    径の頸部とを備え、 前記流路構成部材の凹部は、前記頸部によって構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記固定部材の凸部は、前記第1内径部
    より内径が小さい第2内径部によって構成されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェト記
    録装置。
  4. 【請求項4】 前記第2内径部は、前記流路構成部材と
    チューブとの挿嵌部を通過させるために拡径可能に構成
    されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記固定部材には、前記流路構成部材と
    チューブとの挿嵌部を通過させるために、前記第2内径
    部の端部から第1内径部にかけて溝が切欠されているこ
    とを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記固定部材には、前記流路構成部材の
    先端部の近傍における前記チューブの外周と近接する第
    2凸部が凸設されていることを特徴とする請求項1から
    5のいずれかにに記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記固定部材の第2凸部は、前記チュー
    ブの外径と略同径に構成された第3内径部によって構成
    されていることを特徴とする請求項6に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記チューブは、蒸気透過性およびガス
    透過性の低い材料で構成された層と、その層よりも肉厚
    で柔軟な材料で構成された層との2層構造であることを
    特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録装置。
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