JP2003080550A - 複数の中空部を有する射出成形品及び射出成形方法 - Google Patents
複数の中空部を有する射出成形品及び射出成形方法Info
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Abstract
から構成された射出成形品であって、樹脂部に所望の中
空部が確実に形成された射出成形品を提供する。 【解決手段】スリット20と、該スリット20全体を取
り囲む樹脂部10とから構成された射出成形品において
は、樹脂部10は、スリット20の一端に沿って位置す
る第1の樹脂部11と、スリット20の延びる方向にス
リット20に沿って第1の樹脂部11から延びる複数の
第2の樹脂部12A,12Bと、第2の樹脂部12A,
12Bに挟まれ、且つ、スリット20の他端に沿って位
置する第3の樹脂部13から構成され、第1の樹脂部1
1には加圧流体導入痕14A,14Bが形成され、第1
の樹脂部11及び複数の第2の樹脂部12A,12Bに
は、加圧流体導入痕14A,14Bから延在した中空部
15,15A,15Bが形成されており、第3の樹脂部
13には中空部が形成されていない。
Description
する射出成形品、及び、かかる射出成形品の射出成形方
法に関する。
性樹脂を射出し、溶融熱可塑性樹脂の射出中、あるい
は、射出完了後、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に
加圧流体導入部から加圧流体を導入し、キャビティ内の
熱可塑性樹脂内に中空部を形成する射出成形方法が広く
用いられている。このような射出成形方法を採用するこ
とによって、射出成形品の寸法精度(例えば反り)が向
上し、また、ヒケの発生を抑制することができるし、射
出成形品の軽量化を図ることができる。
樹脂部とから構成された射出成形品の樹脂部に中空部を
形成する要請がある。このような射出成形品として、ス
キャナーミラーキャリッジやレンズホルダー、ミラーホ
ルダーを挙げることができる。
を、上述の従来の射出成形方法にて成形しようとした場
合、1つのゲート部から金型に設けられたキャビティ内
に溶融熱可塑性樹脂を射出し、溶融熱可塑性樹脂の射出
中、あるいは、射出完了後、キャビティ内の溶融熱可塑
性樹脂内に、ゲート部内に配置された加圧流体導入部か
ら加圧流体を導入する。然るに、このような方法では、
図10の(A)に射出成形品の模式的な断面図を示すよ
うに、射出成形品の一部分にしか中空部が形成されなか
ったり、図10の(B)に示すように、所望の中空部が
形成できないといった問題が生じる。特に、図10の
(B)に示す現象は、スリット全体を樹脂部が取り囲ん
でおり、射出成形品にスリットの他端に対向した部分
(図10の(B)では「X」で示す)が存在し、中空部
がこの部分Xを越えて延びてしまうが故に、発生する。
ゲート部から金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可
塑性樹脂を射出し、各ゲート部内に配置された加圧流体
導入部から加圧流体を導入すれば、図10の(A)や
(B)に示した現象の発生を防止することは可能であろ
う。しかしながら、各ゲート部内に加圧流体導入部を配
置することは、金型の製造コストの増加を招く。更に
は、射出成形品の大きさが小さい場合、各ゲート部内に
加圧流体導入部を配置することは困難となる。
リット全体を取り囲む樹脂部とから構成された射出成形
品であって、樹脂部に所望の中空部が確実に形成された
射出成形品、及び、かかる射出成形品を成形するための
射出成形方法を提供することにある。
めの本発明の射出成形品は、スリットと、該スリット全
体を取り囲む樹脂部とから構成された射出成形品であっ
て、樹脂部は、スリットの一端に沿って位置する第1の
樹脂部と、スリットの延びる方向にスリットに沿って第
1の樹脂部から延びる複数の第2の樹脂部と、第2の樹
脂部に挟まれ、且つ、スリットの他端に沿って位置する
第3の樹脂部から構成され、第1の樹脂部には加圧流体
導入痕が形成され、第1の樹脂部及び複数の第2の樹脂
部には、加圧流体導入痕から延在した中空部が形成され
ており、第3の樹脂部には中空部が形成されていないこ
とを特徴とする。
の延びる方向に垂直な平面で第2の樹脂部を切断したと
きの第2の樹脂部のそれぞれの断面積が互いに異なって
いる構成とすることができる。
の態様に係る射出成形品の射出成形方法は、スリット
と、該スリット全体を取り囲む樹脂部とから構成された
射出成形品であって、樹脂部は、スリットの一端に沿っ
て位置する第1の樹脂部と、スリットの延びる方向にス
リットに沿って第1の樹脂部から延びる複数の第2の樹
脂部と、第2の樹脂部に挟まれ、且つ、スリットの他端
に沿って位置する第3の樹脂部から構成され、第1の樹
脂部には加圧流体導入痕が形成され、第1の樹脂部及び
複数の第2の樹脂部には、加圧流体導入痕から延在した
中空部が形成されており、第3の樹脂部には中空部が形
成されていない射出成形品の射出成形方法であって、ス
リットの一端を成形する金型の部分に対向した金型のキ
ャビティ面には第2の樹脂部の数と同じ数のゲート部が
設けられており、該複数のゲート部は1つの溶融熱可塑
性樹脂流路に連通しており、加圧流体導入部が溶融熱可
塑性樹脂流路内に配置されており、スリットを成形する
金型の部分の延びる方向に金型の該部分に沿って延び
る、各第2の樹脂部を形成すべきキャビティの部分を、
スリットを成形する金型の該部分の延びる方向と垂直な
平面で切断したときのキャビティの該部分の断面積に応
じて、キャビティの該部分に対応したゲート部の開口面
積が規定されている金型を使用し、キャビティ内に複数
のゲート部から溶融熱可塑性樹脂を射出し、溶融熱可塑
性樹脂の射出中、あるいは、射出完了後(射出完了と同
時を含む)、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧
流体導入部から加圧流体を導入し、キャビティ内の熱可
塑性樹脂内に中空部を形成することを特徴とする。
出成形方法において、各ゲート部は、サイドゲート構造
を有することが好ましい。
の態様に係る射出成形品の射出成形方法は、スリット
と、該スリット全体を取り囲む樹脂部とから構成された
射出成形品であって、樹脂部は、スリットの一端に沿っ
て位置する第1の樹脂部と、スリットの延びる方向にス
リットに沿って第1の樹脂部から延びる複数の第2の樹
脂部と、第2の樹脂部に挟まれ、且つ、スリットの他端
に沿って位置する第3の樹脂部から構成され、第1の樹
脂部には加圧流体導入痕が形成され、第1の樹脂部及び
複数の第2の樹脂部には、加圧流体導入痕から延在した
中空部が形成されており、第3の樹脂部には中空部が形
成されていない射出成形品の射出成形方法であって、ス
リットの一端を成形する金型の部分に対向した金型のキ
ャビティ面にはゲート部が設けられており、該ゲート部
内、又は、該ゲート部が連通した溶融熱可塑性樹脂流路
内には、加圧流体導入部が配置されており、スリットの
他端を成形する金型の部分に対向した金型のキャビティ
面には、第2の樹脂部の数と同じ数のオーバーフロー部
が設けられており、各オーバーフロー部は、流入する溶
融熱可塑性樹脂の量を制御する制御手段を備えている金
型を使用し、キャビティ内にゲート部から溶融熱可塑性
樹脂を射出し、溶融熱可塑性樹脂の射出中、あるいは、
射出完了後(射出完了と同時を含む)、キャビティ内の
溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体導入部から加圧流体を導
入し、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の一部を各オー
バーフロー部に流出させ、且つ、キャビティ内の熱可塑
性樹脂内に中空部を形成することを特徴とする。
出成形方法において、ゲート部は、フィルムゲート構造
(スリットゲート構造とも呼ばれる)を有する1つのゲ
ート部とすることが好ましいが、これに限定するもので
はなく、例えば、第2の樹脂部の数と同じ数のサイドゲ
ート構造を有するゲート部とすることもできる。
出成形方法にて得られる射出成形品においては、各第2
の樹脂部に形成された中空部が、射出成形品の形状、寸
法、構造、射出成形条件等に依存して、各オーバーフロ
ー部にまで延びている場合もあるし、延びていない場合
もある。
に係る射出成形品の射出成形方法にあっては、各オーバ
ーフロー部は、スリットを成形する金型の部分の延びる
方向に金型の該部分に沿って延びる、第2の樹脂部を形
成すべきキャビティの部分の軸線上に概ね位置すること
が好ましい。また、オーバーフロー部に流入する溶融熱
可塑性樹脂の量を制御する制御手段を、オーバーフロー
部とキャビティとを結ぶ連通流路とする構成、あるいは
又、弁(バルブ)とする構成とすることができる。前者
の場合、連通流路の断面積、長さを、種々の成形試験を
行って最適化すればよい。後者の場合、射出成形のタイ
ミングに合わせてそれぞれの弁の開閉を独立して制御す
ればよい。
っては、また、各種の構成を含む本発明の第1の態様若
しくは第2の態様に係る射出成形品の射出成形方法によ
って得られる射出成形品にあっては、各第2の樹脂部に
形成された中空部の長さは、最も長い中空部の長さをL
MAX、最も短い中空部の長さをLMINとしたとき、0.7
5≦LMIN/LMAX≦1、好ましくは0.9≦LMIN/L
MAX≦1を満足することが望ましい。
形品にあっては、また、各種の構成を含む本発明の第1
の態様若しくは第2の態様に係る射出成形品の射出成形
方法によって得られる射出成形品にあっては、射出成形
品の外形平面形状は、短辺と長辺を有する略矩形であ
り、スリットの延びる方向は長辺と平行である構成とす
ることができ、この場合、複数の第2の樹脂部の平行度
が100μm以下、好ましくは50μm以下であること
が望ましい。ここで、複数の第2の樹脂部の平行度と
は、第2の樹脂部のスリットに面する部分と、スリット
を挟んでこの部分に対向した第2の樹脂部のスリットに
面する部分との間の平行度を意味する。スリットは、長
さと幅と深さ(射出成形品の厚さに一致する)とによっ
て規定される。射出成形品の外形平面形状とは、射出成
形品の厚さ方向の射影像を意味する。また、略矩形であ
るとは、厳密には矩形でなくともよいことを意味し、例
えば、射出成形品に若干の突起部等が存在してもよい。
ば、OA機器におけるスキャナーミラーキャリッジ、コ
ピー機やファクシミリのミラーホルダーやレンズホルダ
ーを挙げることができる。
とき、第1の樹脂部の数は1であり、第2の樹脂部の数
は(N+1)であり、第3の樹脂部の数はNである。第
1の樹脂部に形成される加圧流体導入痕の数は、本発明
の第1の態様に係る射出成形品の射出成形方法にあって
は(N+1)であり、本発明の第2の態様に係る射出成
形品の射出成形方法にあっては、フィルムゲート構造を
有するゲート部を使用する場合は1であり、第2の樹脂
部の数と同じ数のサイドゲート構造を有するゲート部を
使用する場合は(N+1)である。また、ゲート部の数
は、本発明の第1の態様に係る射出成形品の射出成形方
法にあっては(N+1)であり、本発明の第2の態様に
係る射出成形品の射出成形方法においてサイドゲート構
造を有するゲート部とする場合にも(N+1)であり、
フィルムゲート構造を有するゲート部とする場合には1
である。
出成形方法にあっては、スリットの数をNとしたとき、
スリットを成形する金型の部分の延びる方向に金型の該
部分に沿って延びる、各第2の樹脂部を形成すべきキャ
ビティの部分CVn(n=1,2,・・・,N)を、ス
リットを成形する金型の該部分の延びる方向と垂直な平
面で切断したときのキャビティの該部分CVnの断面積
SCVnに応じて、キャビティの該部分CVnに対応したゲ
ート部の開口面積SGnが規定されているが、キャビティ
の部分CVnの断面積SCVnは、断面積SCVnが一定でな
い場合、スリットを成形する金型の部分の延びる方向に
沿って最も長い領域の断面積とすればよい。また、
SG1:SG2:SG3・・・=SCV1 -1:SCV2 -1:SCV3 -1
・・・を概ね満足することを1つの指針とすることがで
きるが、実際には、種々の試験を行い、各ゲート部の開
口面積SG1,SG2,SG3・・・を決定することが望まし
い。
出成形方法にあっては、キャビティ内に射出する溶融熱
可塑性樹脂の量を、キャビティを完全に充填する量とす
ることもできるし、キャビティを完全には充填しない量
とすることもできる。一方、本発明の第2の態様に係る
射出成形品の射出成形方法にあっては、キャビティ内に
射出する溶融熱可塑性樹脂の量を、キャビティを完全に
あるいはほぼ充填する量とすることが好ましい。
て、結晶性熱可塑性樹脂や非晶性熱可塑性樹脂を挙げる
ことができ、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、
ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系
樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール,POM)
樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポ
リブチレンエチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の
ポリエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹
脂;ポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂;メタクリル
系樹脂;ポリカーボネート樹脂;変性PPE樹脂;ポリ
スルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリレ
ート樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアミドイミド
樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステルカーボネ
ート樹脂を例示することができる。
イ材料から成る熱可塑性樹脂を用いることができる。こ
こで、ポリマーアロイ材料は、少なくとも2種類の熱可
塑性樹脂をブレンドしたもの、又は、少なくとも2種類
の熱可塑性樹脂を化学的に結合させたブロック共重合体
若しくはグラフト共重合体から成る。ポリマーアロイ材
料は、単独の熱可塑性樹脂のそれぞれが有する特有な性
能を合わせ持つことができる高機能材料として広く使用
されている。少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレン
ドしたポリマーアロイ材料を構成する熱可塑性樹脂とし
て、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS
樹脂といったスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;メタクリル
樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド6、ポリアミ
ド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;変
性PPE樹脂;ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリ
エチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ポ
リオキシメチレン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド
樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリアリレー
ト樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエーテルケト
ン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステ
ルカーボネート樹脂を挙げることができる。2種類の熱
可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、
ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイ
材料を例示することができる。尚、このような樹脂の組
合せを、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂と表記す
る。以下においても同様である。更に、少なくとも2種
類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料と
して、ポリカーボネート樹脂/PET樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂/PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリ
アミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂/P
ET樹脂、変性PPE樹脂/HIPS樹脂、変性PPE
樹脂/ポリアミド系樹脂、変性PPE樹脂/PBT樹脂
/PET樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミドMXD6樹
脂、ポリオキシメチレン樹脂/ポリウレタン樹脂、PB
T樹脂/PET樹脂を例示することができる。
に、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、染顔料等を添加す
ることができるし、ガラスビーズ、マイカ、カオリン、
炭酸カルシウム等の無機充填材、あるいは有機充填材を
添加することもできる。
具体的には、無機繊維を5重量%乃至50重量%含有す
る熱可塑性樹脂を用いることもできる。射出成形品の強
度を重視する場合には、無機繊維の平均長さを、5μm
乃至5mm、好ましくは10μm乃至0.4mmとし、
射出成形品の平滑性を重視する場合には、5μm乃至
0.4mm、より好ましくは5μm乃至0.2mm、一
層好ましくは5μm乃至0.1mmとすることが望まし
い。また、これらの場合、無機繊維の平均直径を、0.
01μm乃至15μm、より好ましくは0.1μm乃至
13μm、一層好ましくは0.1μm乃至10μmとす
ることが望ましい。
ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊
維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグ
ネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊
維及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から成る群から選
択された少なくとも1種の材料から構成することが好ま
しい。尚、熱可塑性樹脂に含有される無機繊維は1種類
に限定されず、2種類以上の無機繊維を熱可塑性樹脂に
含有させてもよい。
味する。無機繊維の長さの測定は、熱可塑性樹脂の樹脂
成分を溶解する液体に無機繊維を含有する成形用ペレッ
ト若しくは成形品を浸漬して樹脂成分を溶解するか、ガ
ラス繊維の場合、600゜C以上の高温で樹脂成分を燃
焼させて、残留する無機繊維を顕微鏡等で観察して測定
することができる。通常、無機繊維を写真撮影して人が
測長するか、専用の繊維長測定装置を使用して無機繊維
の長さを求める。数平均長さでは微小に破壊された繊維
の影響が大き過ぎるので、重量平均長さを採用すること
が好ましい。重量平均長さの測定に際しては、あまりに
小さく破砕された無機繊維の破片を除いて測定する。無
機繊維の公称直径の2倍よりも長さが短くなると測定が
難しくなるので、例えば公称直径の2倍以上の長さを有
する無機繊維を測定の対象とする。
脂部には中空部が形成されていないが故に、複数の第2
の樹脂部に所望の中空部が確実に形成される。
品の射出成形方法においては、加圧流体導入部が溶融熱
可塑性樹脂流路内に配置されているので、射出成形品の
大小に拘わらず、加圧流体導入部を容易に配置すること
ができる。更には、スリットの一端を成形する金型の部
分に対向した金型のキャビティ面には第2の樹脂部の数
と同じ数のゲート部が設けられており、しかも、第2の
樹脂部を形成すべきキャビティの部分の断面積に応じ
て、キャビティの該部分に対応したゲート部の開口面積
が規定されているので、キャビティ内に射出された溶融
熱可塑性樹脂の移動する最前端は、複数の第2の樹脂部
を形成すべきキャビティの部分内に亙って概ね揃ってい
る。それ故、各第2の樹脂部に確実に所望の中空部を形
成することができる。
形品の射出成形方法においては、スリットの他端を成形
する金型の部分に対向した金型のキャビティ面には、第
2の樹脂部の数と同じ数のオーバーフロー部が設けられ
ており、しかも、各オーバーフロー部は、流入する溶融
熱可塑性樹脂の量を制御する制御手段を備えているの
で、各第2の樹脂部に確実に所望の中空部を形成するこ
とができる。
づき本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
形品、及び、本発明の第1の態様に係る射出成形品の射
出成形方法に関する。
図1の(A)に示し、模式的な正面図を図1の(B)に
示し、模式的な左側面図を図1の(C)に示し、模式的
な右側面図を図1の(D)に示し、図1の(B)の矢印
E−Eに沿った模式的な断面図を図1の(E)に示す。
ては、N=1)のスリット20と、スリット20の全体
を取り囲む樹脂部10とから構成されている。樹脂部1
0は、スリット20の一端21に沿って位置する第1の
樹脂部11と、スリット20の延びる方向にスリット2
0に沿って第1の樹脂部11から延びる複数(実施例1
においては、2つ)の第2の樹脂部12A,12Bと、
第2の樹脂部12A,12Bに挟まれ、且つ、スリット
20の他端22に沿って位置する第3の樹脂部13から
構成されている。尚、図1の(A)において、これらの
樹脂部を明示するために、斜線を付した。そして、第1
の樹脂部11の側面には2カ所の加圧流体導入痕14
A,14Bが形成され、第1の樹脂部11及び複数の第
2の樹脂部12A,12Bには、加圧流体導入痕14
A,14Bから延在した中空部15,15A,15Bが
形成されている。一方、第3の樹脂部13には中空部が
形成されていない。射出成形品の外形平面形状は、短辺
と長辺を有する矩形であり、スリット20の延びる方向
は長辺と平行である。
型の模式図を図2及び図3の(A)に示す。尚、図3の
(A)は図2とは別の角度から眺めた模式図であり、可
動金型部32のパーティング面を含む平面を図示してい
る。ここで、パーティング面を明示するために、パーテ
ィング面に斜線を付した。
金型部32と、これらの金型部の型締め時に形成される
キャビティ33と、ゲート部34A,34Bと、加圧流
体導入部35から構成されている。そして、第2の樹脂
部12A,12Bの数と同じ数(2つ)のゲート部34
A,34Bが、スリットの一端を成形する金型の部分3
6Aに対向した金型のキャビティ面に設けられている。
ゲート部34A,34Bは、サイドゲート構造を有す
る。これらのゲート部34A,34Bは1つの溶融熱可
塑性樹脂流路37に連通している。加圧流体導入部35
は溶融熱可塑性樹脂流路37内に配置されている。具体
的には、加圧流体導入部35は、溶融熱可塑性樹脂流路
37内に先端部が位置する加圧流体導入ノズルである。
加圧流体導入ノズルは、配管39Aを介して加圧流体源
39Bに接続されている。溶融熱可塑性樹脂流路37
は、射出成形装置の射出用シリンダー38に連通してい
る。
る方向に金型の部分36に沿って延びる、各第2の樹脂
部12A,12Bを形成すべきキャビティの部分C
V1,CV2を、スリットを成形する金型の部分36の延
びる方向と垂直な平面で切断したときのキャビティの該
部分CV1,CV2の断面積SCV1,SCV2に応じて、キャ
ビティの該部分CV1,CV2に対応したゲート部34
A,34Bの開口面積SG1,SG2が規定されている。具
体的には、SCV1:SCV2=2:1であり、SG1:S G2=
1:2.3とした。尚、キャビティの部分CV1,CV2
の断面形状は矩形であり、ゲート部34A,34Bの開
口部分の断面形状も矩形である。
均長さ220μm、平均直径13μmのガラス繊維を5
0重量%添加)を用い、表1に例示する射出成形条件に
て成形した。即ち、固定金型部31と可動金型部32を
型締めした状態で、射出成形装置の射出用シリンダー3
8において、ポリカーボネート樹脂を溶融・可塑化、計
量し、射出用シリンダー38から溶融熱可塑性樹脂流路
37を経由して、ゲート部34A,34Bからキャビテ
ィ33に溶融ポリカーボネート樹脂を射出した。
を、模式的に図3の(B)に示す。第2の樹脂部12
A,13Bの数と同じ数のゲート部34A,34Bが設
けられており、しかも、第2の樹脂部12A,12Bを
形成すべきキャビティの部分CV1,CV2の断面積S
CV1,SCV2に応じて、これらのキャビティの部分C
V1,CV2に対応したゲート部34A,34Bの開口面
積SG1,SG2が規定されているので、キャビティ33内
に射出された溶融ポリカーボネート樹脂の移動する最前
端は、複数の第2の樹脂部12A,12Bを形成すべき
キャビティの部分CV 1,CV2内に亙って概ね揃ってい
る。尚、図3の(B)において、参照番号50は、溶融
ポリカーボネート樹脂である。
積)をキャビティ33の全体積の80%とした。溶融ポ
リカーボネート樹脂の射出完了の0.5秒前に、加圧流
体である圧縮窒素ガスを、加圧流体導入部35から溶融
熱可塑性樹脂流路37、ゲート部34A,34Bを経由
して、キャビティ33内の溶融ポリカーボネート樹脂中
に導入した。溶融ポリカーボネート樹脂の射出開始から
50秒経過後、中空部15,15A,15B内の加圧流
体を、ゲート部34A,34B、溶融熱可塑性樹脂流路
37、加圧流体導入部35を経由して大気中に解放し
た。溶融ポリカーボネート樹脂の射出開始から60秒経
過後、金型の型開きを行い、金型から射出成形品を取り
出した。
果を、以下の表3に示す。尚、表3中、「A面」、
「B」面、「Y面」は、図1の(A)及び(B)に示す
とおりであり、反り量の単位はmmである。反り量の値
にマイナスが付いたものは、反りの方向が逆であること
を意味する。また、各第2の樹脂部12A,12Bに形
成された中空部15A,15Bの長さは、最も長い中空
部(中空部15A)の長さをLMAX、最も短い中空部
(中空部15B)の長さをLMINとしたとき、LMIN/L
MAX≒0.92であった。更には、第2の樹脂部12
A,12Bの平行度を測定したところ、18μmであっ
た。尚、平行度は、第2の樹脂部12Aのスリットに面
する部分(図1の(A)にC面で表す)と、スリット2
0を挟んでこの部分に対向した第2の樹脂部12Bのス
リットに面する部分(図1の(A)にD面で表す)との
間の平行度であり、具体的には、C面とD面との間の距
離を測定し、最大距離と最小距離の差である。
ート樹脂(平均長さ220μm、平均直径13μmのガ
ラス繊維を20重量%添加)を用いて成形した点を除
き、実施例1と同じ金型を使用し、実施例1と同じ射出
成形条件にて成形した。得られた射出成形品の反り量を
測定した結果を、以下の表3に示す。また、各第2の樹
脂部12A,12Bに形成された中空部15A,15B
の長さは、最も長い中空部(中空部15A)の長さをL
MAX、最も短い中空部(中空部15B)の長さをLMINと
したとき、LMIN/LMAX≒0.97であった。更には、
第2の樹脂部12A,12Bの平行度を測定したとこ
ろ、32μmであった。
を使用し、実施例1と同じ金型を使用して、射出成形品
を成形した。但し、実施例1と異なり、溶融ポリカーボ
ネート樹脂をキャビティ33内に射出した後、1×10
8Paの保圧を50秒間加えただけで、加圧流体の導入
は行わなかった。得られた射出成形品の反り量を、実施
例1と同様にして測定した。結果を表3に示す。また、
第2の樹脂部12A,12Bの平行度を測定したとこ
ろ、120μmであった。しかも、Y面の反りが、スリ
ットの幅を狭くする方向に生じた。
を使用し、実施例1と同じ金型を使用して、射出成形品
を成形した。但し、実施例1と異なり、ゲート部34
A,34Bの開口面積SG1,SG2が、SG1:SG2=1:
1となる金型を使用した。そして、実施例1と同じ射出
成形条件にて射出成形品の成形を行った。
を示すように、第2の樹脂部12Bに所望の中空部15
Bが形成されなかった。各第2の樹脂部12A,12B
に形成された中空部15A,15Bの長さは、最も長い
中空部(中空部15A)の長さをLMAX、最も短い中空
部(中空部15B)の長さをLMINとしたとき、LMIN/
LMAX≒0.33であった。また、第2の樹脂部12
A,12Bの平行度を測定したところ、250μmであ
った。
形品、及び、本発明の第2の態様に係る射出成形品の射
出成形方法に関する。
図4の(A)に示し、模式的な正面図を図4の(B)に
示し、模式的な左側面図を図4の(C)に示し、模式的
な右側面図を図4の(D)に示し、図4の(B)の矢印
E−Eに沿った模式的な断面図を図4の(E)に示す。
また、型開き直後の射出成形品の模式的な平面図を図5
の(A)に示し、図4の(E)と同様の模式的な断面図
を図5の(B)に示す。
ては、N=1)のスリット20と、スリット20の全体
を取り囲む樹脂部10とから構成されている。樹脂部1
0は、スリット20の一端21に沿って位置する第1の
樹脂部11と、スリット20の延びる方向にスリット2
0に沿って第1の樹脂部11から延びる複数(実施例3
においては、2つ)の第2の樹脂部12A,12Bと、
第2の樹脂部12A,12Bに挟まれ、且つ、スリット
20の他端22に沿って位置する第3の樹脂部13から
構成されている。尚、図4の(A)において、これらの
樹脂部を明示するために、斜線を付した。そして、第1
の樹脂部には1カ所の加圧流体導入痕14が形成され、
第1の樹脂部11及び複数の第2の樹脂部12A,12
Bには、加圧流体導入痕14から延在した中空部15,
15A,15Bが形成されている。一方、第3の樹脂部
13には中空部が形成されていない。射出成形品の外形
平面形状は、短辺と長辺を有する矩形であり、スリット
20の延びる方向は長辺と平行である。
品にあっては、金型30Aに設けられたオーバーフロー
部40A,40Bを充填した樹脂部16A,16Bが残
されている。この樹脂部16A,16Bは後の工程で切
断され、図4に示した射出成形品を得ることができる。
樹脂部16Aは第2の樹脂部12Aから延び、樹脂部1
6Bは第2の樹脂部12Bから延びている。第2の樹脂
部12Aに形成された中空部15Aは、樹脂部16Aの
内部にまで延びている。尚、この中空部の部分を、参照
番号15Cで示す。
型の模式図を図6及び図7に示す。尚、図7は図6とは
別の角度から眺めた模式図であり、可動金型部32のパ
ーティング面を含む平面を図示している。ここで、パー
ティング面を明示するために、パーティング面に斜線を
付した。
動金型部32と、これらの金型部の型締め時に形成され
るキャビティ33と、ゲート部34と、加圧流体導入部
35から構成されている。そして、1つのゲート部34
が、スリットの一端を成形する金型の部分36Aに対向
した金型のキャビティ面に設けられている。ゲート部3
4は、フィルムゲート構造(スリットゲート構造とも呼
ばれる)を有する。このゲート部34は溶融熱可塑性樹
脂流路37に連通している。加圧流体導入部35は溶融
熱可塑性樹脂流路37内に配置されている。具体的に
は、加圧流体導入部35は、溶融熱可塑性樹脂流路37
内に先端部が位置する加圧流体導入ノズルである。加圧
流体導入ノズルは、配管39Aを介して加圧流体源39
Bに接続されている。溶融熱可塑性樹脂流路37は、射
出成形装置の射出用シリンダー38に連通している。
る方向に金型の部分36に沿って延びる、各第2の樹脂
部を形成すべきキャビティの部分CV1,CV2を、スリ
ットを成形する金型の部分36の延びる方向と垂直な平
面で切断したときのキャビティの該部分CV1,CV2の
断面積SCV1,SCV2は、具体的には、SCV1:SCV2=
2:1であり、キャビティの部分CV1,CV2の断面形
状は矩形である。
分36Bに対向した金型のキャビティ面には、第2の樹
脂部の数と同じ数(実施例3においては、2つ)のオー
バーフロー部40A,40Bが設けられている。各オー
バーフロー部40A、40Bは、流入する溶融熱可塑性
樹脂の量を制御する制御手段を備えている。ここで、制
御手段は、オーバーフロー部40A,40Bとキャビテ
ィ33とを結ぶ連通流路41A,41Bである。尚、連
通流路41A,41Bの断面積、長さは、種々の成形試
験を行って最適化されている。具体的には、連通流路4
1A,41Bの長さを同じとし、連通流路41A,41
Bの断面積S41A、S41Bを、S41A=0.043SCV1、
S41B=0.26SCV2とした。即ち、S41A:S41B=
1:3とした。
ネート樹脂を用い、表2に例示する射出成形条件にて成
形した。即ち、固定金型部31と可動金型部32を型締
めした状態で、射出成形装置の射出用シリンダー38に
おいて、ポリカーボネート樹脂を溶融・可塑化、計量
し、射出用シリンダー38から溶融熱可塑性樹脂流路3
7を経由して、ゲート部34からキャビティ33に溶融
ポリカーボネート樹脂を射出した。溶融ポリカーボネー
ト樹脂の射出量(体積)はキャビティ33の全体積を充
填する量とした。溶融ポリカーボネート樹脂の射出完了
と同時に、加圧流体である圧縮窒素ガスを、加圧流体導
入部35から溶融熱可塑性樹脂流路37、ゲート部34
を経由して、キャビティ33内の溶融ポリカーボネート
樹脂中に導入した。これによって、キャビティ33内の
溶融ポリカーボネート樹脂がオーバーフロー部40A,
40Bに押し出され、中空部15,15A,15B,1
5Cが形成される。溶融ポリカーボネート樹脂の射出開
始から50秒経過後、中空部15,15A,15B,1
5C内の加圧流体を、ゲート部34、溶融熱可塑性樹脂
流路37、加圧流体導入部35を経由して大気中に解放
した。溶融ポリカーボネート樹脂の射出開始から60秒
経過後、金型の型開きを行い、金型から射出成形品を取
り出した。
果を、以下の表3に示す。また、各第2の樹脂部12
A,12Bに形成された中空部15A,15Bの長さ
は、最も長い中空部(中空部15A)の長さをLMAX、
最も短い中空部(中空部15B)の長さをLMINとした
とき、LMIN/LMAX≒0.90であった。更には、第2
の樹脂部12A,12Bの平行度を測定したところ、3
0μmであった。
3と異なり、連通流路41A,41Bの長さを同じと
し、連通流路41A,41Bの断面積S41A、S42Aを、
S41A=S42A=0.13SCV1とした。即ち、連通流路
41Bの断面積は最適化されていない。その結果、射出
成形完了直後の図9の(B)に模式的な断面図を示すよ
うに、第2の樹脂部12Bに所望の中空部15Bが形成
されなかった。各第2の樹脂部12A,12Bに形成さ
れた中空部15A,15Bの長さは、最も長い中空部
(中空部15A)の長さをLMAX、最も短い中空部(中
空部15B)の長さをLMINとしたとき、LMIN/LMAX
≒0.5であった。また、第2の樹脂部12A,12B
の平行度を測定したところ、280μmであった。
ある。実施例4においては、制御手段を、オーバーフロ
ー部40A,40Bとキャビティ33とを結ぶ連通流路
41A,41B(図7参照)に配設された弁(バルブ)
とした。尚、図6及び図7には、弁は図示されていな
い。連通流路41A,41Bの断面積、長さは、比較例
3と同じである。
ネート樹脂を用い、表2に示した射出成形条件にて成形
した。即ち、固定金型部31と可動金型部32を型締め
した状態で、射出成形装置の射出用シリンダー38にお
いて、ポリカーボネート樹脂を溶融・可塑化、計量し、
射出用シリンダー38から溶融熱可塑性樹脂流路37を
経由して、ゲート部34からキャビティ33に溶融ポリ
カーボネート樹脂を射出した。溶融ポリカーボネート樹
脂の射出量(体積)はキャビティ33の全体積を充填す
る量とした。溶融ポリカーボネート樹脂の射出完了と同
時に、加圧流体である圧縮窒素ガスを、加圧流体導入部
35から溶融熱可塑性樹脂流路37、ゲート部34を経
由して、キャビティ33内の溶融ポリカーボネート樹脂
中に導入した。また、溶融ポリカーボネート樹脂の射出
開始から3.5秒経過後に連通流路41Aに配設された
弁を開き、溶融ポリカーボネート樹脂の射出開始から
2.7秒経過後に連通流路41Bに配設された弁を開い
た。これによって、キャビティ33内の溶融ポリカーボ
ネート樹脂がオーバーフロー部40A,40Bに押し出
され、中空部15,15A,15B,15Cが形成され
た。溶融ポリカーボネート樹脂の射出開始から50秒経
過後、中空部15,15A,15B,15C内の加圧流
体を、ゲート部34、溶融熱可塑性樹脂流路37、加圧
流体導入部35を経由して大気中に解放した。溶融ポリ
カーボネート樹脂の射出開始から60秒経過後、金型の
型開きを行い、金型から射出成形品を取り出した。
果を、以下の表3に示す。また、各第2の樹脂部12
A,12Bに形成された中空部15A,15Bの長さ
は、最も長い中空部(中空部15A)の長さをLMAX、
最も短い中空部(中空部15B)の長さをLMINとした
とき、LMIN/LMAX≒0.98であった。更には、第2
の樹脂部12A,12Bの平行度を測定したところ、3
2μmであった。
4と異なり、溶融ポリカーボネート樹脂の射出開始か
ら、2.7秒経過後に連通流路41A,41Bに配設さ
れた2つの弁を同時に開いた。その結果、図9の(B)
に模式的な断面図を示したと同様に、第2の樹脂部12
Bに所望の中空部15Bが形成されなかった。各第2の
樹脂部12A,12Bに形成された中空部15A,15
Bの長さは、最も長い中空部(中空部15A)の長さを
LMAX、最も短い中空部(中空部15B)の長さをLMIN
としたとき、LMIN/LMAX≒0.6であった。また、第
2の樹脂部12A,12Bの平行度を測定したところ、
210μmであった。
べて、実施例1〜実施例4にて得られた射出成形品の反
り量は少なくなっている。また、各比較例と比べて、各
実施例においては、第2の樹脂部に所望の中空部が確実
に形成されており、平行度も向上している。
説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例にて説明した射出成形品の形状、各部位の相
対的な寸法、射出成形に用いた材料、金型、射出成形条
件等は例示であり、適宜変更することができる。実施例
においては、スリットの数を1としたが、スリットの数
は1に限定されない。図8の(A)及び(B)に、2本
のスリットを有する射出成形品の模式的な平面図及び模
式的な断面図を示す。尚、参照番号12Cは第2の樹脂
部であり、参照番号15Dは中空部である。尚、図8に
示した射出成形品を、本発明の第1の態様に係る射出成
形品の射出成形方法に基づき成形した例としたが、本発
明の第2の態様に係る射出成形品の射出成形方法に基づ
き成形することもできる。
樹脂部及び複数の第2の樹脂部に所望の中空部が確実に
形成され、射出成形品の寸法精度(例えば反りや平行
度)が向上し、また、ヒケの発生を抑制することができ
るし、射出成形品の軽量化を図ることができる。また、
本発明の第1の態様に係る射出成形品の射出成形方法に
おいては、射出成形品の大小に拘わらず、加圧流体導入
部を容易に配置することができる。更には、本発明の第
1の態様若しくは第2の態様に係る射出成形品の射出成
形方法においては、各第2の樹脂部に確実に所望の中空
部を形成することができ、射出成形品の寸法精度(例え
ば反りや平行度)が向上し、また、ヒケの発生を抑制す
ることができるし、射出成形品の軽量化を図ることがで
きる。
的な正面図、模式的な左側面図、模式的な右側面図、及
び、模式的な断面図である。
模式図である。
図2とは別の角度から眺めた模式図、及び、溶融熱可塑
性樹脂を射出中の可動金型部等の模式図である。
的な正面図、模式的な左側面図、模式的な右側面図、及
び、模式的な断面図である。
平面図及び模式的な断面図である。
模式図である。
図6とは別の角度から眺めた模式図である。
平面図、及び、模式的な断面図である。
射出成形品の模式的な模式的な断面図である。
射出成形品の模式的な断面図である。
部、12A,12B,12C・・・第2の樹脂部、13
・・・第3の樹脂部、14,14A,14B・・・加圧
流体導入痕、15,15A,15B,15C,15D・
・・中空部、16A,16B・・・オーバーフロー部を
充填した樹脂部、20・・・スリット、21・・・スリ
ットの一端、22・・・スリットの他端、30,30A
・・・金型、31・・・固定金型部、32・・・可動金
型部、33・・・キャビティ、34,34A,34B・
・・ゲート部、35・・・加圧流体導入部、36・・・
スリットを成形する金型の部分、36A・・・スリット
の一端を成形する金型の部分、36B・・・スリットの
他端を成形する金型の部分、37・・・溶融熱可塑性樹
脂流路、38・・・射出用シリンダー、39A・・・配
管、39B・・・加圧流体源、40A,40B・・・オ
ーバーフロー部、41A,41B・・・連通流路
Claims (16)
- 【請求項1】スリットと、該スリット全体を取り囲む樹
脂部とから構成された射出成形品であって、 樹脂部は、スリットの一端に沿って位置する第1の樹脂
部と、スリットの延びる方向にスリットに沿って第1の
樹脂部から延びる複数の第2の樹脂部と、第2の樹脂部
に挟まれ、且つ、スリットの他端に沿って位置する第3
の樹脂部から構成され、 第1の樹脂部には加圧流体導入痕が形成され、 第1の樹脂部及び複数の第2の樹脂部には、加圧流体導
入痕から延在した中空部が形成されており、 第3の樹脂部には中空部が形成されていないことを特徴
とする射出成形品。 - 【請求項2】スリットの延びる方向に垂直な平面で第2
の樹脂部を切断したときの第2の樹脂部のそれぞれの断
面積が互いに異なっていることを特徴とする請求項1に
記載の射出成形品。 - 【請求項3】各第2の樹脂部に形成された中空部の長さ
は、最も長い中空部の長さをLMAX、最も短い中空部の
長さをLMINとしたとき、0.75≦LMIN/LMAX≦1
を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記
載の射出成形品。 - 【請求項4】射出成形品の外形平面形状は、短辺と長辺
を有する略矩形であり、 スリットの延びる方向は長辺と平行であることを特徴と
する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の射出
成形品。 - 【請求項5】複数の第2の樹脂部の平行度が100μm
以下であることを特徴とする請求項3に記載の射出成形
品。 - 【請求項6】スリットと、該スリット全体を取り囲む樹
脂部とから構成された射出成形品であって、 樹脂部は、スリットの一端に沿って位置する第1の樹脂
部と、スリットの延びる方向にスリットに沿って第1の
樹脂部から延びる複数の第2の樹脂部と、第2の樹脂部
に挟まれ、且つ、スリットの他端に沿って位置する第3
の樹脂部から構成され、 第1の樹脂部には加圧流体導入痕が形成され、 第1の樹脂部及び複数の第2の樹脂部には、加圧流体導
入痕から延在した中空部が形成されており、 第3の樹脂部には中空部が形成されていない射出成形品
の射出成形方法であって、 スリットの一端を成形する金型の部分に対向した金型の
キャビティ面には第2の樹脂部の数と同じ数のゲート部
が設けられており、 該複数のゲート部は1つの溶融熱可塑性樹脂流路に連通
しており、 加圧流体導入部が溶融熱可塑性樹脂流路内に配置されて
おり、 スリットを成形する金型の部分の延びる方向に金型の該
部分に沿って延びる、各第2の樹脂部を形成すべきキャ
ビティの部分を、スリットを成形する金型の該部分の延
びる方向と垂直な平面で切断したときのキャビティの該
部分の断面積に応じて、キャビティの該部分に対応した
ゲート部の開口面積が規定されている金型を使用し、 キャビティ内に複数のゲート部から溶融熱可塑性樹脂を
射出し、溶融熱可塑性樹脂の射出中、あるいは、射出完
了後、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体導
入部から加圧流体を導入し、キャビティ内の熱可塑性樹
脂内に中空部を形成することを特徴とする射出成形品の
射出成形方法。 - 【請求項7】各ゲート部は、サイドゲート構造を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の射出成形品の射出成
形方法。 - 【請求項8】各第2の樹脂部に形成された中空部の長さ
は、最も長い中空部の長さをLMAX、最も短い中空部の
長さをLMINとしたとき、0.75≦LMIN/LMAX≦1
を満足することを特徴とする請求項6又は請求項7に記
載の射出成形品の射出成形方法。 - 【請求項9】射出成形品の外形平面形状は、短辺と長辺
を有する略矩形であり、 スリットの延びる方向は長辺と平行であることを特徴と
する請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の射出
成形品の射出成形方法。 - 【請求項10】スリットと、該スリット全体を取り囲む
樹脂部とから構成された射出成形品であって、 樹脂部は、スリットの一端に沿って位置する第1の樹脂
部と、スリットの延びる方向にスリットに沿って第1の
樹脂部から延びる複数の第2の樹脂部と、第2の樹脂部
に挟まれ、且つ、スリットの他端に沿って位置する第3
の樹脂部から構成され、 第1の樹脂部には加圧流体導入痕が形成され、 第1の樹脂部及び複数の第2の樹脂部には、加圧流体導
入痕から延在した中空部が形成されており、 第3の樹脂部には中空部が形成されていない射出成形品
の射出成形方法であって、 スリットの一端を成形する金型の部分に対向した金型の
キャビティ面にはゲート部が設けられており、 該ゲート部内、又は、該ゲート部が連通した溶融熱可塑
性樹脂流路内には、加圧流体導入部が配置されており、 スリットの他端を成形する金型の部分に対向した金型の
キャビティ面には、第2の樹脂部の数と同じ数のオーバ
ーフロー部が設けられており、各オーバーフロー部は、
流入する溶融熱可塑性樹脂の量を制御する制御手段を備
えている金型を使用し、 キャビティ内にゲート部から溶融熱可塑性樹脂を射出
し、溶融熱可塑性樹脂の射出中、あるいは、射出完了
後、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体導入
部から加圧流体を導入し、キャビティ内の溶融熱可塑性
樹脂の一部を各オーバーフロー部に流出させ、且つ、キ
ャビティ内の熱可塑性樹脂内に中空部を形成することを
特徴とする射出成形品の射出成形方法。 - 【請求項11】ゲート部は、フィルムゲート構造を有す
ることを特徴とする請求項10に記載の射出成形品の射
出成形方法。 - 【請求項12】各オーバーフロー部は、スリットを成形
する金型の部分の延びる方向に金型の該部分に沿って延
びる、第2の樹脂部を形成すべきキャビティの部分の軸
線上に概ね位置することを特徴とする請求項10又は請
求項11に記載の射出成形品の射出成形方法。 - 【請求項13】オーバーフロー部に流入する溶融熱可塑
性樹脂の量を制御する制御手段は、オーバーフロー部と
キャビティとを結ぶ連通流路であることを特徴とする請
求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の射出成
形品の射出成形方法。 - 【請求項14】オーバーフロー部に流入する溶融熱可塑
性樹脂の量を制御する制御手段は弁であることを特徴と
する請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の
射出成形品の射出成形方法。 - 【請求項15】各第2の樹脂部に形成された中空部の長
さは、最も長い中空部の長さをLMAX、最も短い中空部
の長さをLMINとしたとき、0.75≦LMIN/LMAX≦
1を満足することを特徴とする請求項10至請求項14
のいずれか1項に記載の射出成形品の射出成形方法。 - 【請求項16】射出成形品の外形平面形状は、短辺と長
辺を有する略矩形であり、 スリットの延びる方向は長辺と平行であることを特徴と
する請求項10乃至請求項15のいずれか1項に記載の
射出成形品の射出成形方法。
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