JP2003080335A - ベアリングレースの冷間転造における割れキズの抑制方法 - Google Patents

ベアリングレースの冷間転造における割れキズの抑制方法

Info

Publication number
JP2003080335A
JP2003080335A JP2001274594A JP2001274594A JP2003080335A JP 2003080335 A JP2003080335 A JP 2003080335A JP 2001274594 A JP2001274594 A JP 2001274594A JP 2001274594 A JP2001274594 A JP 2001274594A JP 2003080335 A JP2003080335 A JP 2003080335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
cold rolling
blank
circumferential surface
cold form
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001274594A
Other languages
English (en)
Inventor
Morihiko Nakasaki
盛彦 中崎
Ichiro Takasu
一郎 高須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Special Steel Co Ltd filed Critical Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority to JP2001274594A priority Critical patent/JP2003080335A/ja
Publication of JP2003080335A publication Critical patent/JP2003080335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベアリングの転動溝を冷間転造ままで利用す
ることのできる転造ブランク形状とすることで、困難な
転動面近傍の切削加工を無くし、生産性および歩留りの
向上を図った冷間転造方法を提供する 【解決手段】 鋼管切断リングからなる冷間転造用ブラ
ンクの円周面の中央に冷間転造により形成する転動溝G
の両側の断面平坦部Dの外側肩部Bを該平坦部Dの長さ
の1/4ないし1/2の長さの幅でかつ平坦部Dに対す
る角度θ=30°ないし80°の面取りを予め形成した
後、冷間転造する。特に、冷間転造用ブランクの円周面
はベアリングアウターレースの内周面であるベアリング
レースの冷間転造時の溝肩部の割れキズの抑制方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】リングの円周面、特に内周面
にベアリングの転動溝を有するベアリングアウターレー
スなどの部品を製造するための冷間転造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車部材や産業用機械に使用されるリ
ング状素形材部品の、コストダウンを目的として従来種
々の工程や合理化が図られてきた。その多くは旋削加工
を施すため、取代削減や生産性向上のためニアネットシ
ェイプ化が進められている。その中の一つの手法として
冷間転造(すなわちCRF)方法がある。この利点は加
工が冷間で行われるので寸法精度が良いことである。し
かしこの冷間転造方法は、通常の冷間加工法と比較して
加工度が高く、材料及び加工度によって外径肩部、内径
肩部、溝肩部に割れが発生する。そのため従来の冷間転
造に使用される素材は、靱性の比較的高いクロム合金
鋼、クロム−モリブデン合金鋼、軸受鋼などが使用され
ている。しかし、コストダウンを図る中で被削性が良好
で素材コストの安い材料として中炭素のSC鋼が望まれ
るが、この鋼種は冷間転造中に加工硬化により靱性が劣
化するため、1〜5mmの大きな割れが発生し、使用で
きなかった。そこで出願人は、中炭素SC鋼を特に開発
するとともに、この中炭素鋼を冷間転造において、冷間
転造を多段階に分け、熱処理と組み合わせることで割れ
発生を防止した冷間転造方法を特開2000−1676
35として開発している。ところで、リング内側に転動
溝を有するアウターレースの冷間転造を行う際、転造条
件が非常に厳密であり、転造条件が適切でないとリング
内径の内周面に割れキズが発生する。特に、図1のAで
示す溝肩部において割れキズが頻発し、冷間転造後切削
仕上げをすることが必須であった。しかし、溝肩部の形
状が複雑なため切削コストが高いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決し
ようとする課題は、冷間転造の利点であるニアネットシ
ェイプの利点を活かし、ベアリングの転動溝を冷間転造
ままで利用することのできる転造ブランク形状とするこ
とで、困難な転動面近傍の切削加工を無くし、生産性お
よび歩留りの向上を図った冷間転造方法を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、請求項1の発明では、鋼管切断リ
ングからなる冷間転造用ブランクの円周面の中央に冷間
転造により形成する転動溝の両側の断面平坦部の外側肩
部を該平坦部の長さの1/4ないし1/2の長さの幅で
かつ平坦部に対する角度30°ないし80°の面取りを
予め形成した後、冷間転造することを特徴とするベアリ
ングレースの冷間転造時の溝肩部の割れキズの抑制方法
である。
【0005】請求項2の発明では、冷間転造用ブランク
の円周面はベアリングアウターレースの内周面であるこ
とを特徴とする請求項1の手段のベアリングレースの冷
間転造時の溝肩部の割れキズの抑制方法である。
【0006】本発明の作用について説明すると、冷間転
造時に図1で示す転動溝の溝肩部Aで割れが発生する理
由は、転動溝を形成するマンドレルがリングの溝肩部A
と最後まで接触せず自由表面となり、溝肩部Aに周方向
の引張り応力が働くためである。この引張り応力を軽減
するため、転造ブランクを製造する際、ブランクリング
内径の断面平坦部の外側肩部Bを面取りしておけば、溝
肩部Aと外側肩部Bの双方に引張り応力が働くようにな
り、力が分散されるので溝肩部Aの割れキズ発生が軽減
される。
【0007】この場合、溝肩部Aで割れが発生しないた
めの面取り量は、溝肩部Aと外側肩部Bまでの平坦部の
長さを距離Dとすると、外部肩部Bから溝肩部A方向に
D/4〜D/2であることが、図2に示すブランクの二
次元一般化平面ひずみの有限要素解析法結果から推定さ
れる。すなわち図2において、黒色の部分は引張り応力
が大であり、この面積が大きいと引張り応力が大きいの
で不可であり、図2の○で示す面取り比0.26および
面取り比0.43は溝肩部Aの黒色で示す引張り応力が
小さいことが判り、本発明で採用されるものであり、実
際に溝肩部Aのキズ発生は抑制された。
【0008】なお、図2において面取り境界を境界Mで
示す。面取りありのブランクの場合、溝肩部Aで割れが
軽減される代わりに外側肩部B付近で軽微な割れが発生
する場合があるが、外側肩部Bは、図3に示すように、
通常切削代に含まれ、かつ切削も容易であるので、割れ
キズが軽微なキズとして発生しても問題ない。すなわ
ち、図3において、(a)は面取りなしのブランクリン
グ1とその冷間転造後の転造リング2で、転造リング2
の点線5は製品形状の仕上げ代の切削代を示し、リング
内径の平坦面側では外側肩部Bにキズの発生が見られる
ので点線の切削代5で示す仕上げ代分1.0mmだけ切
削する必要がある。しかし(b)は面取りありのブラン
クリング3とその冷間転造後の転造リング4で、転造リ
ング4の点線の切削代6は製品形状の切削仕上げ代を示
すが、外側肩部Bにキズの発生は見られないので、リン
グ内径の平坦面側では点線で示す切削代6は0mmで切
削する必要はない。
【0009】
【発明の実施の形態】軸受鋼からなる鋼管から切断した
管の外径×内径×幅が65.5mm×50.5mm×2
0mmであるブランクリングを83mm×70mm×2
0mmに拡管しながら内径の円周面の中央に転動溝の溝
幅=18.6mmの転動溝Gを成形する冷間転造方法に
おいて、図1に示すように、冷間転造を行う前に、ブラ
ンクリングの内径の角部である両外側肩部Bに面取り境
界線Mで示す位置で平坦部Dを2mm幅除去する面取り
を行った。この面取りにより、溝肩部Aと外側肩部Bの
間の平坦部の長さD=5.76mmなので、面取り比は
2mm/5.76mm=0.35であった。次いで、こ
の面取りしたブランクリングを冷間転造し、その転造後
のリングの溝肩部Aおよび外側肩部Bの割れキズの発生
を評価し、その評価を表1に示す。本発明における内径
の円周面の両外側肩部Bに面取りを行ったブランクリン
グを使用して冷間鍛造した場合、表1に示すように、溝
肩部Aの評価は○で割れキズの発生は見られなかった。
【0010】
【表1】
【0011】ブランクリングの内径の円周面の断面平坦
部に対し角度θ=80°を超える角度の面取りをした場
合は、冷間鍛造において面取りした断面内に材料が充填
せず欠肉不良のリング製品となった。
【0012】なお、本発明は主としてベアリングのアウ
ターレースで説明したが、本発明の方法はベアリングの
インナーレースの外周面の転動溝の両サイドの両外側肩
部においても適用できることは勿論である。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、冷間鍛
造する前にブランクリングの円周面の外側肩部Bの角を
面取りすることにより、冷間鍛造時に転動溝の溝肩部A
で割れを発生させる周方向の引張り応力を軽減すること
ができ、すなわち、溝肩部Aと外側肩部Bの双方に引張
り応力が働いて力が分散されるので、A部の割れキズの
発生が軽減され、この場合、溝肩部Aで割れが発生しな
いための面取り量を、溝肩部Aと外側肩部Bとの間の平
坦部の長さを距離Dとするとき、D/4〜D/2とする
ことで、溝肩部Aの割れキズの発生は抑制されることと
なり、従来にない優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブランクリングの切断面を示す図である。
【図2】従来法の面取り無しリングと本発明の面取り比
を変化させた面取りありリングの二次元一般化平面ひず
みの有限要素法の解析結果を示す図である。
【図3】(a)従来の面取り無しと(b)本発明の面取
りありのブランクリングおよび転造リングの切削代を示
す図である。
【符号の説明】
1 ブランクリング 2 転造リング 3 ブランクリング 4 転造リング 5 切削代 6 切削代 A 溝肩部 B 外側肩部 D 平坦部 G 転動溝 θ 角度 M 面取り境界線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 AA03 AA42 BA53 BA54 BA57 DA09 DA20 EA03 FA44 GA01 GA60

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管切断リングからなる冷間転造用ブラ
    ンクの円周面の中央に冷間転造により形成する転動溝の
    両側の断面平坦部の外側肩部を該平坦部の長さの1/4
    ないし1/2の長さの幅でかつ平坦部に対する角度30
    °ないし80°の面取りを予め形成した後、冷間転造す
    ることを特徴とするベアリングレースの冷間転造時の溝
    肩部の割れキズの抑制方法。
  2. 【請求項2】 冷間転造用ブランクの円周面はベアリン
    グアウターレースの内周面であることを特徴とする請求
    項1記載のベアリングレースの冷間転造時の溝肩部の割
    れキズの抑制方法。
JP2001274594A 2001-09-11 2001-09-11 ベアリングレースの冷間転造における割れキズの抑制方法 Pending JP2003080335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001274594A JP2003080335A (ja) 2001-09-11 2001-09-11 ベアリングレースの冷間転造における割れキズの抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001274594A JP2003080335A (ja) 2001-09-11 2001-09-11 ベアリングレースの冷間転造における割れキズの抑制方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003080335A true JP2003080335A (ja) 2003-03-18

Family

ID=19099599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001274594A Pending JP2003080335A (ja) 2001-09-11 2001-09-11 ベアリングレースの冷間転造における割れキズの抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003080335A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009250829A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Radioactive Waste Management Funding & Research Center 溶接変形及び残留応力の簡易3次元解析方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009250829A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Radioactive Waste Management Funding & Research Center 溶接変形及び残留応力の簡易3次元解析方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6638639B2 (ja) 差厚金属板の製造方法、プレス部品の製造方法及び加工機
CN103302133B (zh) 一种高精度、高强度30CrMnSi无缝钢管的精密冷拔方法
JP5616877B2 (ja) アルミニウム合金製中空押出形材の曲げ加工方法並びにこの方法を用いたアルミニウム合金製中空押出形材及び自動車用バッテリーフレーム製造方法と自動車用バッテリーフレーム及び座席のフレーム構造体製造方法と座席のフレーム構造体
JP2003080335A (ja) ベアリングレースの冷間転造における割れキズの抑制方法
JP4546938B2 (ja) T形鋼又は山形鋼の製造方法
JP6094653B2 (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
KR20180016818A (ko) 스테인리스 소구경 파이프 제조방법
JP5863270B2 (ja) リング状素形材の製造方法
CN113199211B (zh) 一种链条用套筒加工工艺
JP2020079630A (ja) 等速自在継手用ケージ及び等速自在継手
JPH05345231A (ja) ラックチューブの製造方法
JPH11192502A (ja) プレス成形用テーラード鋼帯及びその製造方法
JP2003183737A (ja) ラックバー
JP2002059220A (ja) ハイドロフォーム加工性に優れた電縫鋼管
JPH1071423A (ja) 角形鋼管ならびに角形鋼管の製造方法
JP2768849B2 (ja) 非磁性鋼円筒鍛造品の結晶粒微細化方法
JP2006233288A (ja) 転動溝付き機械部品およびその製造方法
JP3119771U (ja) 角形鋼管用形状仕上げリング
KR101633499B1 (ko) 엠디피에스용 웜샤프트의 제조방법
JP2005014079A (ja) 部分冷間強化コンロッドの製造方法
JP2002349585A (ja) 転がり軸受およびその製造方法
JP2000167635A (ja) 中炭素鋼の冷間ローリング方法
RU2695095C1 (ru) Способ изготовления тонкостенных осесимметричных корпусов сосудов из легированных сталей, работающих под высоким давлением
JP2001009552A (ja) 特殊鋼からの冷間転造リングの製造方法およびその方法により製造の特殊鋼冷間転造リング
JP2007136527A (ja) 面内曲げ加工性に優れた鋼板及び鋼板の面内曲げ加工方法