JP2003080260A - 水質或いは土質改善方法及び装置 - Google Patents

水質或いは土質改善方法及び装置

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JP2003080260A
JP2003080260A JP2001277868A JP2001277868A JP2003080260A JP 2003080260 A JP2003080260 A JP 2003080260A JP 2001277868 A JP2001277868 A JP 2001277868A JP 2001277868 A JP2001277868 A JP 2001277868A JP 2003080260 A JP2003080260 A JP 2003080260A
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anode electrode
soil
cathode electrode
electrode
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JP2001277868A
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Shigemi Sato
茂巳 佐藤
Harutoshi Sasaki
晴敏 佐々木
Yasuyuki Fujisawa
▲泰▼之 藤澤
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用電力に比べて改善効果が大きく、かつ二次
汚染を招くことなく水中の溶存酸素濃度を高めることが
可能な水質改善方法及び装置を提供する。 【解決手段】水中部Waに設置された構造物3を構成す
る金属部材3aを陰極電極4とし、その陰極電極4とそ
の近傍に配置された陽極電極5に直流電源8を接続す
る。陰極電極4と陽極電極5との間に直流電流が流れる
と、水中部Waの水が電気分解して陽極電極5から酸素
が発生し、その酸素により水中の溶存酸素濃度が高めら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川、湖沼、海な
どの淡水や海水の水質を改善する水質改善方法及び装置
と、畑などの土質を改善する土質改善方法及び装置に関
わり、更に詳しくは、酸素を供給することにより水質や
土質を改善するようにした水質或いは土質改善方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】河川、湖沼などの淡水域では、滞留や流
入する汚濁水などの影響で、水中の溶存酸素濃度が低下
して生物が棲めない貧酸素状態になりやすい。また、港
湾などの海水域においても、滞留や有機物を含んだ汚泥
などの堆積物の影響で海底付近に貧酸素水塊が形成され
やすい。
【0003】このような場所での水質環境を改善するた
め、従来は、水底に空気を強制的に供給してエアレーシ
ョンする方法や、噴流装置を用いて表層部の溶存酸素の
多い水と水底の水とを強制的に置換させる方法が取られ
ていた。しかしながら、これらの方法では、その方法を
実施するのに使用される装置の使用電力に比べて水質改
善効果が乏しく、しかも、気泡や水流が水底に堆積した
汚泥を巻き上げ、二次汚染を引き起こすという問題があ
った。
【0004】一方、野菜を栽培する畑などにおいても、
土中の酸素濃度が低下すると、野菜の発育に悪影響を及
ぼす。従来、土地を耕したり、有機肥料を使用するなど
の対策が取られているが、それらを行う作業が必要であ
り、手間がかかるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、使用
電力に比べて改善効果が大きく、かつ2次汚染を招くこ
となく水中の溶存酸素濃度を高めることが可能な水質改
善方法及び装置を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、土中の酸素濃度を容
易に高めることが可能な土質改善方法及び装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の水質改善方法は、水中に設置された構造物を構成す
る金属部材を陰極電極とし、該陰極電極とその近傍に配
置された陽極電極との間に直流電流を通電し、水を電気
分解して前記陽極電極に発生する酸素により水中の溶存
酸素濃度を高めることを特徴とする。
【0008】本発明の水質改善装置は、水中に設置され
た構造物を構成する金属部材を陰極電極とし、該陰極電
極とその近傍に配置された陽極電極とに直流電源を接続
してなることを特徴とする。
【0009】このように近傍に配置した陽極電極と陰極
電極とに直流電源を接続し、水中の水を電気分解して陽
極電極に発生する酸素により水中の溶存酸素濃度を高め
るようにしたので、酸素の気泡や水流が水底に堆積した
汚泥を巻き上げることがなく、従って、二次汚染を招く
ことなく水中の溶存酸素濃度を高めることができる。
【0010】また、水の電気分解で酸素を発生させる構
成であるため、従来の使用電力に比べて大きな水質改善
効果を得ることが可能になる。更に、水中の溶存イオン
の電着現象により水中に設置された構造物を電着物でコ
ーティングすることができるので、構造物の維持修繕を
併せて行うことができる。
【0011】また、水中の溶存酸素濃度が増大すること
で、水中に存在する燐、カリウム、窒素などの栄養塩類
や、亜鉛、カドミウムなの重金属類の酸化を促進するこ
とができるので、それらが水中に溶出するのを抑制する
ことができ、かつ陰極電極側及び陽極電極側に、水中で
帯電している栄養塩類や重金属類のプラスイオンやマイ
ナスイオンがそれぞれの極性の方に誘引され集積する結
果、栄養塩類や重金属類が水中に拡散溶出するのを最小
限に抑えることが可能になる。
【0012】また、本発明の他の水質改善方法は、水中
の土中部に設置された陽極電極と該陽極電極の近傍に配
置された陰極電極との間に直流電流を通電し、水を電気
分解して前記陽極電極に発生する酸素により水中の溶存
酸素濃度を高めることを特徴とする。
【0013】また、本発明の他の水質改善装置は、水中
の土中部に設置された陽極電極と該陽極電極の近傍に配
置された陰極電極とを直流電源に接続してなることを特
徴とする。
【0014】上記構成によれば、水中の土中部にある水
を電気分解するため、使用電力に比べて改善効果が大き
く、かつ二次汚染を招くことなく水中の溶存酸素濃度を
高めることができ効果に加えて、水中及び土中の溶存酸
素濃度の増大により、水中及び土中に存在する燐、カリ
ウム、窒素などの栄養塩類や、亜鉛、カドミウムなの重
金属類の酸化を促進することができるため、それらが水
中及び土中に溶出するのを抑制することができる。
【0015】また、陰極電極側及び陽極電極側に、土中
で帯電している栄養塩類や重金属類のプラスイオンやマ
イナスイオンがそれぞれの極性の方に誘引され集積する
ため、栄養塩類や重金属類の土中、さらには土中から水
中への拡散溶出を最小限に抑えることができる。
【0016】他方、本発明の土質改善方法は、陸上の土
中に設置された陽極電極と該陽極電極の近傍に配置され
た陰極電極との間に直流電流を通電し、土中の水分を電
気分解して前記陽極電極に発生する酸素により土中の酸
素濃度を高めることを特徴とする。
【0017】また、本発明の土質改善装置は、陸上の土
中に設置された陽極電極と該陽極電極の近傍に配置され
た陰極電極とを直流電源に接続してなることを特徴とす
る。
【0018】このように土中に設けられた陽極電極と陰
極電極とを直流電源に接続し、土中の水分を電気分解し
て陽極電極に発生する酸素により土中の酸素濃度を高め
るため、従来のような酸素濃度を高める作業を行う必要
がない。従って、土中の酸素濃度を容易に高めることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明の水質改善装置の一例を示
し、この水質改善装置は、外洋1と内海2を仕切る鉄筋
コンクリート製の防波堤(構造物)3を構成する鉄筋
(金属部材)3aを陰極電極4とし、その近傍の内海2
の水中部Waに陽極電極5が配置されている。この陽極
電極5は水底6に設置されたコンクリート製シンカー7
上に固設されている。
【0021】陽極電極5は、チタンを母材とする網状体
に白金系被膜を施し、その白金系被膜上に二酸化マンガ
ン被膜を塗布した構成になっており、このような構成の
採用により、水を電気分解した際に塩素の発生量を抑制
しながら高い酸素発生率を得るようにしている。
【0022】海面に出た防波堤3の上面に太陽電池から
なる直流電源8が設置され、陽極電極5がケーブル9を
介して、陰極電極4が配線10を介して直流電源8にそ
れぞれ電気的に接続されている。ケーブル9は、電線部
の周囲を囲むように備えられた防食鉄線を含んだ外部被
覆が施されており、耐水性、化学的腐食、電食、磨耗な
どに対する耐性を有している。なお、図中W1は、水底
6に溜まった浮遊性底泥層である。
【0023】上述した装置によれば、直流電源8からの
直流電流が陽極電極4と陰極電極5と間を通電すると、
水の電気分解により酸素発生電極である陽極電極4の表
面から酸素が発生し、微細な気泡を形成する。この酸素
の気泡は、微細なため周囲の水に迅速かつ容易に溶解
し、水中の溶存酸素濃度を高くする。
【0024】この溶存酸素濃度の増加により、滞留や有
機物を含んだ汚泥などの堆積物の影響で海底付近に形成
された貧酸素水塊の改善が可能になる。しかも、水の電
気分解により陽極電極5から酸素が電気化学的に供給さ
れるため、水底に堆積した汚泥を巻き上げることがな
く、従って、2次汚染を招くことなく水中の酸素濃度を
高めることができる。また、水の電気分解を利用する装
置では、従来よりも低い使用電力で高い改善効果を得る
ことが可能になる。
【0025】また、溶存酸素濃度の増大により、水中に
存在する燐、カリウム、窒素などの栄養塩類や、亜鉛、
カドミウムなの重金属類の酸化を促進することができる
ため、それらが水中に溶出するのを抑制することができ
る。更に、陰極電極4側及び陽極電極5側に、水中で帯
電している栄養塩類や重金属類のプラスイオンやマイナ
スイオンがそれぞれの極性の方に誘引され集積するた
め、栄養塩類や重金属類の水中への拡散溶出を最小限に
抑えることができる。また、生物化学的酸素要求量(B
OD)を改善することもできる。
【0026】しかも、海水中の溶存イオンの電着現象に
よって鉄筋コンクリート構造物からなる防波堤3の水中
部分のひび割れ箇所や表面が電着物でコーティングされ
るため、防波堤3の維持修繕を併せて行うことができ
る。
【0027】図2は、本発明の水質改善装置の他の例を
示し、この実施形態では、上述した陰極電極4に、海水
中に設置した鉄筋コンクリート製の漁礁ブロック群(構
造物)11の鉄筋(金属部材)11aを利用したもので
ある。漁礁ブロック群11には係留索12により水上に
係留した浮体構造物13が取り付けられ、この浮体構造
物13上に直流電源8が設置されている。
【0028】このように漁礁ブロック群11の鉄筋11
aを陰極電極4に用いた水質改善装置では、上述した図
1の実施形態における効果に加えて、漁礁ブロック群1
1の周囲の溶存酸素濃度が増大するため、生物・魚類な
どの生息環境を改善することができ、また、微弱電流に
より魚介類の餌となる海草類などの付着が漁礁ブロック
群11に対して促進されるので、漁礁ブロック群11に
おける魚介類の蝟集効果を一層高めることができる。
【0029】図3は、本発明の水質改善装置の更に他の
例を示す。この実施形態では、陰極電極4として、河川
や湖沼などの水中に設置された鋼管杭などからなる鋼構
造物(構造物を構成する金属部材)14を使用してい
る。水中部Waから土中部Wbにかけての鋼構造物14
の表面に、網状の樹脂部材などからなる絶縁層15を介
して陽極電極5が近傍に対向配置されている。直流電源
8が水上に出た鋼構造物14の上面に取り付けられ、ケ
ーブル9を介して陽極電極5に、不図示の配線を介して
陰極電極4に接続されている。
【0030】このように陽極電極5を水中部Waから土
中部Wbにわたって設置することにより、水中部Wa及
び土中部Wbに酸素を同時に効率よく供給することがで
きる。また、水中の溶存イオンの電着現象によって鋼構
造物14の水中部分の表面が電着物で厚くライニングさ
れるため、鋼構造物14の防食も併せて行うことができ
る。
【0031】図4は、本発明の水質改善装置の更に他の
例を示す。この実施形態では、取水路や放水路のような
水路21の水中部21aに陽極電極5を設置し、陰極電
極4は、陽極電極5近傍の水路21を構成する鉄筋コン
クリート構造物22の鉄筋(金属部材)22aを利用し
ている。陽極電極5は、この実施形態では、図に示すよ
うに格子状になっており、直流電源8は地上に設置され
ている。このような水路21にも本発明の水質改善装置
を好適に用いることができる。
【0032】図5は、本発明の水質改善装置の更に他の
例を示し、この実施形態では、取水池31の水を揚水ポ
ンプ32及び金属製の揚水管33により揚水池34に送
水するようにした揚水設備において、揚水管33に陰極
電極4と陽極電極5を近傍に対向配置するようにしたも
のである。
【0033】陽極電極5が揚水管33内(水中部)に設
置される一方、陰極電極4として揚水管33を使用し、
直流電源8は図4と同様に地上に設置されている。この
ような揚水設備においても、本発明の水質改善装置は好
適に使用することができ、水中の溶存イオンの電着現象
によって揚水管33の内面が電着物で厚くライニングさ
れるため、揚水管33の防食も併せて行うことができ
る。なお、本発明では、ここで言う金属製の揚水管33
も請求項に記載する水中に設置された構造物を構成する
金属部材に含まれるものとする。
【0034】図6は、本発明の水質改善装置の更に他の
例を示す。この実施形態では、水底6に大きく突設した
マウント部41により仕切られた閉鎖性内湾42の水中
部Waの深層部42aにある貧酸素水塊を浅層部42b
に直接搬送する金属製の揚水管43内に、図5と同様に
して陽極電極5を設置し、揚水管(水中に設置された構
造物を構成する金属部材)43を陰極電極4にしたもの
である。深層部42aと浅層部42bの圧力差を利用し
て、深層部42aの貧酸素水塊が揚水管43を介して浅
層部42bに自然搬送される。
【0035】その搬送される貧酸素水塊に陽極電極5よ
り酸素を供給し、浅層部42bに揚水された水塊の貧酸
素状態を改善して浅層部42bに排出させるようにして
いる。これにより、揚水管43の防食を行いながら、貧
酸素水塊を閉鎖性内湾42外に排出するのを防いで周辺
海域の養殖漁業などへの影響を回避することができる。
【0036】図7は、本発明の水質改善装置の更に他の
例を示す。この実施形態では、陰極電極4と陽極電極5
とを海水中の土中部Wb内に設置したものである。陰極
電極4は、網状の鉄鋼部材から構成され、近傍の対向す
る陽極電極5と絶縁層15を介して固定してある。陰極
電極4と陽極電極5とは、幅方向を上下方向にして土中
部Wb内に埋設されている。当然のことながら、これら
の陰極電極4と陽極電極5は、湖沼などの淡水中の土中
部に設置することもできる。
【0037】このように土中部Wbに陽極電極5を設置
し、陽極電極5と陰極電極4との間に直流電流を流す
と、陽極電極5から発生した酸素が土中部Wbの土中に
拡散し、更に水中部Waに土中から漏れ出して水に溶解
する。そのため、水中及び土中の溶存酸素濃度が高くな
る。
【0038】水中の溶存酸素濃度の増加により、上述し
たように2次汚染を招くことなく水中の酸素濃度を高め
ることができ、また、水の電気分解を利用する装置のた
め、従来よりも低い使用電力で高い改善効果を得ること
ができる。
【0039】また、水中及び土中の溶存酸素濃度の増大
により、水中及び土中に存在する燐、カリウム、窒素な
どの栄養塩類や、亜鉛、カドミウムなの重金属類の酸化
を促進することができるため、それらが水中及び土中に
溶出するのを抑制することができる。
【0040】更に、陰極電極4側及び陽極電極5側に、
土中で帯電している栄養塩類や重金属類のプラスイオン
やマイナスイオンがそれぞれの極性の方に誘引され集積
するため、栄養塩類や重金属類の土中、さらには土中か
ら水中への拡散溶出を最小限に抑えることができる。
【0041】陰極電極4と陽極電極5とを土中部Wbに
設置する場合、上記実施形態のように、幅方向を上下方
向にして土中部Wb内に埋設するのが、陽極電極5から
発生する酸素を図7に示すように扇状に拡散させ、広い
範囲にわたって供給することができるので好ましいが、
当然のことながら、幅方向を横方向にして陰極電極4と
陽極電極5を土中部Wbに埋設することもできる。その
際には、酸素を発生する陽極電極5を上側にするのがよ
い。
【0042】図8は、本発明の土質改善装置の一例を示
し、この土質改善装置は、畑51の土中52に設置され
た網状の鉄鋼部材からなる陰極電極53の上側に、網状
の樹脂部材などからなる絶縁層54を介して、上述と同
様の構成の網状の陽極電極55が近傍に対向して配置さ
れている。陰極電極53と陽極電極55は、畑51の近
傍に設置された太陽電池からなる直流電源56に電気的
に接続され、直流回路を形成している。なお、図中57
は野菜、58はビニルハウス、59は野菜に水を供給す
るためのスプリンクラーである。
【0043】上記土質改善装置によれば、直流電源56
からの直流電流が陰極電極53と陽極電極55との間を
流れると、土中52に含まれる水分の電気分解により酸
素発生電極である陽極電極55の表面から酸素が発生す
る。この酸素は、周囲の土中に拡散し、土中52の酸素
濃度を高め、土質を改善する。この土質改善では、土中
52に陰極電極53と陽極電極55を設置して土中52
の水分を電気分解するだけでよいため、土中52の酸素
濃度を容易に高めることができる。
【0044】この実施形態では、ビニルハウス58内の
畑51に土質改善装置を用いる例を示したが、高い酸素
濃度を必要とする場所であれば、畑に限定されず、陸上
のいずれの土中にも本発明の土質改善装置を好適に使用
することができる。
【0045】また、図8では、陰極電極53と陽極電極
55とを横設するようにして土中52に埋設したが、図
7に示したように、幅方向を上下方向にして土中52に
埋設するようにしてもよい。
【0046】本発明において、陽極電極5,55は、上
述したように母材をチタンから構成するのが好ましい。
チタンは、更に耐食性に優れているので、長期の使用が
可能になる。特に、塩分を含む水中で使用する場合には
チタンがよい。また、上記のようにチタン材を網状にし
た陽極電極は、軽量で可撓性を有するため、水中へ沈め
る際の抵抗が少なく設置が容易となる。
【0047】陽極電極5,55は、酸素発生型の電極を
構成できる他の導電性部材、例えば、シリコナイジング
した鋳鉄などの耐蝕性を有する様々な鋼材、カーボン繊
維材、不導体に導電性塗料を塗布したものなどで構成す
ることもできる。更に、陽極電極を上述した網状に代え
て、格子状、簀子状などにしてもよい。
【0048】直流電源8,56は、上述したように太陽
電池から構成することで、装置を簡略化でき、更に太陽
エネルギーを利用するため省エネルギー効果が高い利点
がある。更に、太陽電池は、それ自体が直流の電源であ
るため、水質や土質改善に必要な電気分解の所要電圧に
応じて太陽電池のモジュールの配列を調整し、最小限の
電圧でもって最大の電流を発生させるようにすること
で、電流量に比例して発生する酸素により水質や土質を
効率的に改善することができる。
【0049】また、直流電源として、波力発電装置(海
中で水質改善装置を使用する場合)や風力発電装置など
の省エネルギー効果が高い電源や、更に、蓄電池、交流
−直流変換器を介した地上の交流電流(商用電源)など
を用いることもできる。必要に応じてこれらを組み合わ
せてもよく、少なくとも1つの直流電源を有するもので
あればよい。
【0050】図5,6の実施形態では、揚水管33,4
3を例にとって説明したが、淡水あるいは海水を送水す
るのに使用される金属製の導水管で水中の溶存酸素濃度
を高める必要があるものであれば、いずれの導水管であ
ってもよい。
【0051】
【発明の効果】上述したように本発明の水質改善方法及
び装置は、水を電気分解して陽極電極に発生する酸素に
より水中の溶存酸素濃度を高めるため、2次汚染を招く
ことなく水中の溶存酸素濃度を高めることができ、かつ
使用電力に比べて高い改善効果を得ることができる。
【0052】水中に設置された構造物を構成する金属部
材を陰極電極にする場合には、更に水中の溶存イオンの
電着現象により該構造物を電着物でコーティングするこ
とができるため、水中設置構造物の維持修繕を併せて行
うことができる。また、水中の溶存酸素濃度増大によ
り、水中に存在する燐、カリウム、窒素などの栄養塩類
や、亜鉛、カドミウムなの重金属類の酸化を促進して水
中への溶出を抑制でき、かつ陰極電極側及び陽極電極側
に水中で帯電している栄養塩類や重金属類のプラスイオ
ンやマイナスイオンを誘引集積して、栄養塩類や重金属
類が水中に拡散溶出するのを最小限に抑えることができ
る。
【0053】他方、水中の土中部に陽極電極と陰極電極
を設置する場合には、更に水中及び土中の溶存酸素濃度
増大により、水中及び土中に存在する燐、カリウム、窒
素などの栄養塩類や、亜鉛、カドミウムなの重金属類の
酸化を促進して水中及び土中への溶出を抑制でき、かつ
陰極電極側及び陽極電極側に土中で帯電している栄養塩
類や重金属類のプラスイオンやマイナスイオンを誘引集
積して、栄養塩類や重金属類が土中、さらには土中から
水中への拡散溶出を最小限に抑えることができる。
【0054】また、本発明の土質改善方法及び装置は、
土中の水分を電気分解して陽極電極に発生する酸素によ
り土中の酸素濃度を高めることで、従来のような手間が
かかる作業が不要になるため、土中の酸素濃度を容易に
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水質改善装置の一例を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の水質改善装置の他の例を示す説明図で
ある。
【図3】本発明の水質改善装置の更に他の例を示す説明
図である。
【図4】本発明の水質改善装置の更に他の例を示し、
(a)は要部説明図、(b)は(a)の縦断面図であ
る。
【図5】本発明の水質改善装置の更に他の例を示し、
(a)は水質改善装置が使用される揚水設備の説明図、
(b)は(a)の揚水管に水質改善装置を取り付けた状
態を示す説明図である。
【図6】本発明の水質改善装置の更に他の例を示す説明
図である。
【図7】本発明の水質改善装置の更に他の例を示す説明
図である。
【図8】本発明の土質改善装置の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
3 防波堤(構造物) 3a 鉄筋(金属部
材) 4 陰極電極 5 陽極電極 6 水底 8 直流電源 11 漁礁ブロック群(構造物) 11a 鉄筋(金属
部材) 14 鋼構造物 15 絶縁層 21 水路 21a 水中部 22 鉄筋コンクリート構造物 22a 鉄筋(金属
部材) 33 揚水管(導水管) 43 揚水管(導水
管) 51 畑 52 土中 53 陰極電極 54 絶縁層 55 陽極電極 56 直流電源 Wa 水中部 Wb 土中部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09C 1/08 C23F 13/00 M 4K021 C02F 1/72 C25B 1/04 4K060 C23F 13/00 B09B 3/00 304K C25B 1/04 (72)発明者 藤澤 ▲泰▼之 岡山県玉野市和田3−3−1 三井造船鉄 構工事株式会社岡山支店内 Fターム(参考) 2B003 AA01 BB03 DD01 DD02 2B104 CA01 EB01 EF09 4D004 AA41 AB03 AC07 CA36 CA44 CC01 4D050 AA02 AA06 AB07 AB31 AB34 AB47 AB58 AB60 BB01 BD04 CA10 4D061 DA02 DA04 DB09 EA02 EB04 EB30 FA16 4K021 AA01 BA02 BA03 CA15 DA10 DA11 DA15 DA17 DC01 4K060 AA03 BA39 BA43 EA01 EA08 EA11 EA12 FA09 FA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に設置された構造物を構成する金属
    部材を陰極電極とし、該陰極電極とその近傍に配置され
    た陽極電極との間に直流電流を通電し、水を電気分解し
    て前記陽極電極に発生する酸素により水中の溶存酸素濃
    度を高める水質改善方法。
  2. 【請求項2】 水中に設置された構造物を構成する金属
    部材を陰極電極とし、該陰極電極とその近傍に配置され
    た陽極電極とに直流電源を接続してなる水質改善装置。
  3. 【請求項3】 前記陰極電極が海水中に設置された漁礁
    ブロック群の金属部材である請求項2に記載の水質改善
    装置。
  4. 【請求項4】 前記陽極電極を水路内に設置し、前記陰
    極電極が該水路を構成する鉄筋コンクリート製構造物の
    鉄筋である請求項2に記載の水質改善装置。
  5. 【請求項5】 前記陽極電極を送水する金属製の導水管
    内に設置し、前記陰極電極が該導水管である請求項2に
    記載の水質改善装置。
  6. 【請求項6】 水中の土中部に設置された陽極電極と該
    陽極電極の近傍に配置された陰極電極との間に直流電流
    を通電し、水を電気分解して前記陽極電極に発生する酸
    素により水中の溶存酸素濃度を高める水質改善方法。
  7. 【請求項7】 水中の土中部に設置された陽極電極と該
    陽極電極の近傍に配置された陰極電極とを直流電源に接
    続してなる水質改善装置。
  8. 【請求項8】 陸上の土中に設置された陽極電極と該陽
    極電極の近傍に配置された陰極電極との間に直流電流を
    通電し、土中の水分を電気分解して前記陽極電極に発生
    する酸素により土中の酸素濃度を高める土質改善方法。
  9. 【請求項9】 陸上の土中に設置された陽極電極と該陽
    極電極の近傍に配置された陰極電極とを直流電源に接続
    してなる土質改善装置。
  10. 【請求項10】 前記陽極電極と陰極電極とを畑の土中
    に設置する請求項9に記載の土質改善装置。
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