JP2003079614A - 放射線検査装置及び放射線検査方法 - Google Patents

放射線検査装置及び放射線検査方法

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JP2003079614A JP2001275897A JP2001275897A JP2003079614A JP 2003079614 A JP2003079614 A JP 2003079614A JP 2001275897 A JP2001275897 A JP 2001275897A JP 2001275897 A JP2001275897 A JP 2001275897A JP 2003079614 A JP2003079614 A JP 2003079614A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置構成が単純化された放射線検査装置を提供
することにある。 【解決手段】放射線検査装置1の撮像装置2は動かない
放射線検出器環状体3及び放射線検出器環状体3の内部
で放射線検出器環状体3に沿って周回するX線源9を有
する。放射線検出器環状体3は環状保持部5の内側に環
状に設置された多数の放射線検出器4を含む。被検診者
35が乗ったベッド16が放射線検出器環状体3の孔部
30内に挿入され、X線CT検査及びPET検査が実施
される。環状に配置された複数の放射線検出器4によっ
て、被検診者35から放出される複数のγ線の対を検出
できると共に、周方向に移動するX線源9から放出され
て被検診者35を透過したX線も検出できる。X線源9
は放射線検出器環状体3の横または放射線検出器環状体
3の周囲を周回してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線を利用した
放射線検査装置に係り、特にX線CT及び陽電子放出型
CT(ポジトロン・エミッション・コンピューテッド・
トモグラフィ(Positron Emission Computed Tomograph
y)、以下、PETという)による放射線検査、または
X線CT及び単光子放出型CT(シングル・フォトン・
エミッション・コンピューテッド・トモグラフィ(Sing
le Photon Emission ComputedTomography))、以下、
SPECTという)による放射線検査を行うのに好適な
放射線検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線を利用した検査技術は、被検体の
内部を非破壊で検査することができる。特に人体を被検
体とする放射線検査としては、X線CT,PET及びSP
ECT等がある。これらの技術はいずれも、人体から放出
された放射線の積分値(飛翔方向)の物理量を計測し、
その積分値を逆投影することにより人体内の各ボクセル
の物理量を計算し画像化する。この画像化のためには膨
大なデータを処理する必要がある。近年のコンピュータ
技術の急速な発達は、人体の断層像を高速・高精細に提
供できるようになった。
【0003】X線CTは、X線源よりX線を被検診者に
照射し、被検診者の体内を通過したX線強度を測定して
X線の体内通過率から被検診者における断面の形態情報
を画像化する、すなわち被検診者の断層像を得る技術で
ある。被検診者の体内を通過したX線強度を被検診者に
対してX線源の反対側に配置した放射線検出器により測
定し、測定されたX線強度を用いてX線源と放射線検出
器との間の線減弱係数を求める。X線源及び放射線検出
器を、同時に被検診者の周囲を旋回させて体内における
線減弱係数の分布を求める。この線減弱係数をアイトリ
プルイー トランザクション オン ニュークリア サ
イエンス(IEEE Transaction on NuclearScience)NS−
21巻の21頁に記載されているフィルタードバックプ
ロジェクション法(Filtered Back Projection Method)
などを用いて各ボクセルの線減弱係数を求め、その値を
CT値に変換する。X線CTによく用いられる線源は約
80keV前後である。
【0004】一方、PET及びSPECTは、X線CT
等では検出できない分子生物学レベルでの機能及び代謝
の検出が可能であり、被検診者の体内の機能画像を提供
することができる。
【0005】PETは、陽電子放出核種(15O,13N,
11C,18F等)、及び体内の特定の細胞に集まる性質を
有する物質を含む放射性薬剤を被検診者に投与し、その
放射性薬剤が体内のどの部位で多く消費されているかを
調べる方法である。放射性薬剤の一例として、フルオロ
デオキシグルコース(2-[F-18]fluoro-2-deoxy-D-gluco
se、18FDG)がある。18FDG は、糖代謝により腫
瘍組織に高集積するため、腫瘍部位の特定に使用され
る。特定の個所に集積した放射性薬剤に含まれた陽電子
放出核種から放出された陽電子が、付近の細胞の電子と
結合して消滅し、511keVのエネルギーを有する一
対のγ線を放射する。これらのγ線は、互いにほぼ正反
対の方向(180°±0.6°) に放射される。この一対
のγ線をγ線検出器で検知すれば、どの2つのγ線検出
器の間で陽電子が放出されたかがわかる。それらの多数
のγ線対を検知することで、放射性薬剤を多く消費する
場所がわかる。例えば、18FDGは前述のように糖代謝
の激しい癌細胞に集まるため、PETにより癌病巣を発
見することが可能である。なお、得られたデータは、先
ほど示したフィルタードバックプロジェクション方法に
より各ボクセルの放射線発生密度に変換され、γ線の発
生位置(放射線核種が集積する位置、すなわち癌細胞の
位置)を画像化することに貢献する。PETに用いられ
15O,13N,11C,18Fは2分から110分の短半減
期の放射性同位元素である。
【0006】PETによる検査では、陽電子消滅の際に
発生するγ線が被検診者の体内で減衰するため、トラン
スミッション像を撮像し補正する。トランスミッション
像とは、例えば放射線源にセシウムを用いてγ線を入射
させ、被検診者の体内を透過したγ線の強度を測定する
ことにより体内におけるγ線の減衰率を測定する方法で
ある。得られたγ線減衰率を用いて体内でのγ線減衰率
を見積もりPETで得られたデータを補正することによ
り、より高精度なPET像を得ることが可能である。
【0007】SPECTは、単光子放出核種を含む放射
性薬剤を被検診者に投与し、核種から放出されるγ線を
γ線検出器で検出する。SPECTによる検査時によく
用いられる単光子放出核種から放出されるγ線のエネル
ギーは数100keV前後である。SPECTの場合、
単一γ線が放出されるため、γ線検出器に入射した角度
が得られない。そこで、コリメータを用いて特定の角度
から入射するγ線のみを検出することにより角度情報を
得ている。SPECTは、特定の腫瘍や分子に集積する
性質を有する物質、及び単光子放出核種(99Tc,67
a,201Tl等)を含む放射性薬剤を被検診者に投与
し、放射性薬剤より発生するγ線を検知して放射性薬剤
を多く消費する場所(例えば、癌細胞が存在する場所)を
特定する検査方法である。SPECTの場合も、得られ
たデータはフィルタードバックプロジェクションなどの
方法により各ボクセルのデータに変換する。なお、SP
ECTでもトランスミッション像を撮影することがしば
しばある。SPECTに用いられる99Tc,67Ga,
201Tlは、PETに用いられる放射性同位元素の半減
期よりも長く6時間から3日である。
【0008】上述のようにPET及びSPECTは、体
内代謝を利用して機能画像を得るために、放射性薬剤が
集積した部位をコントラスト良く抽出できるが、周辺臓
器との位置関係を把握できない問題がある。そこで、近
年、X線CTによって得られた断層像である形態画像
と、PETまたはSPECTによって得られた断層像で
ある機能画像とを合成してより高度な診断を行う技術が
注目されている。本技術の一例として、特開平7−20
245号公報記載の技術がある。
【0009】特開平7−20245号公報記載の放射線
検査装置は、X線CT検査装置とPET検査装置とを直
列に設置し、被検診者が横たわっているベッドを水平方
向に移動させて両検査装置を用いて被検診者の検査を行
う。この場合、2つの検査を行う時間間隔が短く、被検
診者はベッドの上で殆ど動かないため2つの検査装置で
得られた撮像データであるPETデータとX線CTデー
タの対応関係が分かる。その対応関係の情報を用いて、
PETデータとX線CTデータとを合成し、被検診者の
病巣位置の特定を行っている。
【0010】特開平9−5441号公報は、ベッドを兼
用して、X線CT検査装置とSPECT検査装置を直列に配
置した放射線検査装置を記載している。各検査装置で得
られた撮像データであるX線CTデータとSPECTデ
ータとを合成し、被検診者の病巣位置の特定を行ってい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の各公開公報に記
載された放射線検査装置では、一見すると2つの撮像デ
ータの位置関係が明確であるように思えるが、被検体で
ある被検診者が両検査装置の間で動く可能性がある。最
近のPET検査装置の分解能は約5mmであり、X線CT
検査装置の分解能はそれよりも約1桁小さく約0.5mm
である。そのため、両検査装置の間で被検診者が動いた
り、被検診者の角度が変われば両検査装置で得られた各
撮像データの対応関係が不明瞭になる。その結果、例え
ば、各々の撮像データを画像再構成した後、共通して各
像に存在する特徴領域を抽出し、その特徴領域の位置関
係から、各画像の位置関係を求め、位置合わせを行う必
要が生じる。また、これらの放射線検査装置は、放射線
検出器等をそれぞれ有する2つの撮像装置を備えている
ため装置構成が複雑である。
【0012】本発明の目的は、装置構成が単純化された
放射線検査装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の特徴は、被検体を乗せるベッドと、撮像装置とを
備え、前記撮像装置は、前記被検体からの放射線を検出
し環状に設置された複数の放射線検出器を有し、かつ移
動しない放射線検出器環状体と、前記被検体にX線を照
射するX線源と、前記X線源を前記放射線検出器環状体
の周方向へ移動させるX線源移動手段とを含んでいるこ
とにある。
【0014】複数の放射線検出器が環状に配置されてい
るため、これらの放射線検出器によって、被検体から放
出される複数のγ線の対を検出できると共に、周方向に
移動するX線源から放出されて被検体を透過したX線も
検出できる。このため、放射線検査装置の構成が単純化
できる。
【0015】上記の目的を達成する他の特徴は、被検体
を乗せるベッドと、撮像装置とを備え、前記撮像装置
は、前記被検体からの放射線を検出し環状に設置された
複数の放射線検出器を有し、かつ回転する放射線検出器
環状体と、前記放射線検出器環状体と共に回転し、かつ
前記被検体にX線を照射するX線源と、前記放射線検出
器環状体を回転させる駆動装置とを含んでいることにあ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の好適な一実
施例である放射線検査装置を、図1及び図2に基づいて
説明する。本実施例の放射線検査装置1は、撮像装置
2,被検診者保持装置14,信号弁別装置19,同時計
数装置26,コンピュータ(例えば、ワークステーショ
ン)27,記憶装置28及び表示装置29を備えてい
る。被検診者保持装置14は、支持部材15、および支
持部材15の上端部に位置して長手方向に移動可能に支
持部材15に設置されたベッド16を有する。撮像装置
2は、ベッド16の長手方向に対して直角の方向に設置
されており、放射線検出器環状体3,X線源周方向移動
装置7,駆動装置制御装置17及びX線源制御装置18
を有する。放射線検出器環状体3は、環状保持部5、及
び環状保持部5の内側に環状に設置された多数の放射線
検出器4を含む。放射線検出器環状体3の放射線検出器
4の内側に、ベッド16が挿入される貫通した孔部30
が形成される。多数の放射線検出器4(合計約1000
0個)は、環状保持部5に周方向のみならず孔部30の
軸方向にも複数列設置されている。放射線検出器4は、
半導体放射線検出器であり、検出部である5mm立方体の
半導体素子部をカドミウムテルル(CdTe)で構成してい
る。その検出部はガリウムヒ素(GaAs)またはカド
ミウムテルル亜鉛(CZT)で構成してもよい。環状保
持部5は、支持部材6上に設置される。支持部材6及び
15は、互いに連結されており、かつ検査室の床に据付
けられている。駆動装置制御装置17及びX線源制御装
置18は環状保持部5の外面に設置される。
【0017】X線源周方向移動装置7は、X線源装置
8、及び環状のX線源装置保持部13を備える。X線源
装置保持部13は、環状保持部5の一端部で環状保持部
5の外面に取付けられる。環状のガイドレールであるス
キャンレール12が、X線源装置保持部13の一端面に
設置される。スキャンレール12及びX線源装置保持部
13は孔部30の周囲を取囲む。X線源装置8は、X線
源9,X線源駆動装置10及び軸方向移動アーム11を
有する。X線源駆動装置10は、ケーシング内に、図示
されていないが、第1モーター、及び減速機構を有する
動力伝達機構を備える。動力伝達機構は第1モーターの
回転軸に連結される。軸方向移動アーム11はX線源駆
動装置10のケーシングに取付けられて孔部30内に延
びている。X線源9は軸方向移動アーム11に取付けら
れる。軸方向移動アーム11は、孔部30の軸方向に伸
縮し、X線源9を孔部30の軸方向に移動させる。軸方
向移動アーム11は、X線源駆動装置10に設置された
第2モーター(図示せず)の作動により伸縮される。X
線源駆動装置10は、落下しないようにかつスキャンレ
ール12に沿って移動可能にスキャンレール12に取付
けられる。X線源駆動装置10は、図示していないが、
前述の動力伝達機構から回転力を受けるピニオンを有す
る。このピニオンはスキャンレール12に設けられたラ
ックと噛合う。
【0018】X線源9は図示されていないが公知のX線
管を有する。このX線管は、陽極,陰極,陰極の電流
源、及び陽極と陰極との間に電圧を印加する電圧源を外
筒内に備える。陰極はタングステン製のフィラメントで
ある。電流源から陰極に電流を流すことによってフィラ
メントから電子が放出される。この電子は、電圧源から
陰極と陽極との間に印加される電圧(数百kV)によっ
て加速され、ターゲットである陽極(W,Mo等)に衝
突する。電子の陽極への衝突により80keVのX線が
発生する。このX線がX線源9から放出される。
【0019】各放射線検出器4は、それぞれ配線23に
よって対応する信号弁別装置19に接続される。信号弁
別装置19は個々の放射線検出器4毎に1個設けられ
る。信号弁別装置の詳細な構成を図3に示す。信号弁別
装置19は、切替スイッチ31,波形整形装置20,γ
線弁別装置21、及びX線強度を求める信号処理装置2
2を備える。切替装置である切替スイッチ31は、可動
端子32、及び固定端子33及び34を有する。配線2
3は可動端子32に接続される。波形整形装置20は固
定端子33及びγ線弁別装置21に接続される。信号処
理装置22は固定端子34に接続される。電源25のマ
イナス端子は抵抗24を介して配線23に接続され、電
源25のプラス端子は放射線検出器4に接続される。γ
線弁別装置21は同時計数装置26を介してコンピュー
タ27に接続される。同時計数装置26は1個でありγ
線弁別装置21に接続される。同時計数装置26は、幾
つかのγ線弁別装置21毎に設けても良い。各信号処理
装置22はコンピュータ27に接続される。記憶装置2
8及び表示装置29がコンピュータ27に接続される。
信号弁別装置19は信号処理装置である。この信号処理
装置は、信号処理装置22を含む第1の信号処理装置、
及び波形整形装置20及びγ線弁別装置21を有する第
2信号処理装置を備える。
【0020】本実施例は、X線CT検査(X線源9から
放射されて被検診者の体内を透過したX線を放射線検出
器で検出する行為)及びPET検査(PET用の放射性
薬剤に起因して被検診者の体内から放射されるγ線を放
射線検出器で検出する行為)を一台の撮像装置2を用い
て行う例である。
【0021】放射線検査を行う前に、まず、被検体であ
る被検診者35に、予め注射などの方法によりPET用
の前述した放射性薬剤が、体内投与放射能が370MB
qになるように、被検体である被検診者35に投与され
る。放射性薬剤は、検査目的(癌の場所を把握、または
心臓の動脈流の検査等)に応じて選ばれる。被検診者3
5は、放射性薬剤が撮像可能な状態に体内に拡散して患
部に集まるまでの所定時間の間、待機する。その所定時
間の経過によって放射性薬剤は、被検診者35の患部
(例えば癌の患部)に集まる。その所定時間が経過した
後、被検診者35を被検診者保持装置14のベッド16
上に寝かせる。なお、検査の種類によっては、放射性薬
剤をベッド16上に寝かせられた被検診者35に投与す
ることもある。また、半減期が2分である15Oを使用す
る場合には、それを被検診者35に投与しながら撮像装
置2による撮像を行う。
【0022】本実施例における検査を具体的に説明する
前に、本実施例の放射線検出の原理について説明する。
本実施例は、発明者らによる以下の検討に基づいてなさ
れた。X線CT像(X線CTによって得られた、被検体
の、内臓及び骨の画像を含む断層像)のデータは、X線
源から放射されたX線を特定の方向に所定時間の間、被
検体に照射し、体内を透過したX線を放射線検出器によ
り検出する作業(スキャン)を繰り返し、複数の放射線
検出器で検出されたX線の強度に基づいて作成される。
精度の良いX線CT像のデータを得るためには、X線C
T検査において、X線を検出している放射線検出器に、
PET用の放射性薬剤に起因して被検体の内部から放出
されるγ線が入射しないことが望ましい。このために
は、「1つの放射線検出器においては、γ線の入射率に
対応して被検体へのX線の照射時間を短くすればγ線の
影響は無視可能である」との発明者らの新しい知見に基
づいて、被検体へのX線の照射時間の短縮を図った。そ
のX線の照射時間Tを決めるために、まず、1つの放射
線検出器へのγ線の入射率を考える。PET検査におい
て被検体に投与するPET用の放射性薬剤に基づいた体
内の放射能をN(Bq),発生するγ線の体内通過率を
A、1つの放射線検出器の立体角から求めた入射率を
B、検出素子の感度をCとすると、1つの放射線検出器
で検出するγ線の率α(個/sec )は(1)式で与えら
れる。(1)式において係数の「2」は、1個の陽電子
消滅の際に一対(2個)のγ線が放出されることを意味し
ている。照射 α=2NABC ……(1) 時間T内に1つの検出素子でγ線が検出される確率Wは
(2)式で与えられる。(2)式のWの値を小さくする
ように照射時間Tを決めることによって、X線CT検査
時に、1つの放射線検出器に入射されるγ線の影響は無
視できる程度に W=1−exp(−Tα) ……(2) なる。
【0023】X線の照射時間Tの一例を以下に述べる。
(1)および(2)式に基づいて具体的なX線の照射時
間Tを求めた。PET検査において被検体に投与する放
射性薬剤に起因する体内での放射線の強度は、最大で3
70MBq程度であり(N=370MBq)、γ線の体
内通過率Aは被検体の体を半径15cmの水と仮定すれば
0.6程度(A=0.6)である。例えば一辺5mmの放射
線検出器を半径50cmでリング状に配置する場合を考え
ると、1つの放射線検出器の立体角から求めた入射率B
は8×10-6(B=8×10-6)である。また、放射線
検出器の検出感度Cは半導体放射線検出器を使用した場
合最大で0.6程度(C=0.6)である。これらの値か
ら1つの放射線検出器のγ線の検出率αは2000(個
/sec)程度である。X線の照射時間Tを例えば1.5μ
sec とすれば、1つの放射線検出器がX線検出中にγ線
を検出する確率Wは0.003 となり、このγ線はほと
んど無視できる。体内投与放射能を360MBq以下と
した場合、X線の照射時間を1.5μsec以下にすれば、
W<0.003つまりγ線の検出確率は0.3%以下とな
り無視できる。
【0024】上記の原理を適用した本実施例を用いたX
線CT検査及びPET検査について具体的に説明する。
本実施例におけるX線CT検査及びPET検査は、PE
T用の放射性薬剤が投与された被検診者35が横たわっ
ているベッド16を移動させて被検診者35を孔部30
内に挿入された状態で撮像装置2を用いて行われる。
【0025】X線源制御装置18はX線源9からのX線
の放出時間を制御する。すなわち、X線源制御装置18
は、X線CT検査中において、X線発生信号を出力して
X線源9におけるX線管の陽極(または陰極)と電源と
の間に設けられた開閉器(以下、X線源開閉器という、
図示せず)を閉じ、第1設定時間経過した時にX線停止
信号を出力してX線源開閉器を開き、そして第2設定時
間経過した時にX線源開閉器を閉じる、という制御を繰
り返す。陽極と陰極との間には、第1設定時間の間で電
圧が印加され、第2設定時間の間で電圧が印加されな
い。この制御によって、X線管からX線がパルス状に放
出される。第1設定時間である照射時間Tは、放射線検
出器4でのγ線の検出確率を無視できるように例えば1
μsec に設定される。第2設定時間は、X線源9が1つ
の放射線検出器4とこれに周方向において隣接する他の
放射線検出器4の間を移動する時間T0であり、スキャ
ンレール12の周方向におけるX線源9の移動速度で定
まる。第1及び第2設定時間はX線源制御装置に記憶さ
れている。
【0026】駆動装置制御装置17は、X線CT検査を
開始するとき、駆動開始信号を出力して、X線源駆動装
置10の第1モーターに接続された、電源とつながる開
閉器(以下、第1モーター開閉器という)を閉じる。電
流の供給により第1モーターが回転し、その回転力が動
力伝達機構を介してピニオンに伝えられ、ピニオンが回
転する。ピニオンがスキャンレール12のラックと噛合
っているため、X線源装置8、すなわちX線源9がスキ
ャンレール12に沿って周方向に移動する。X線源9
は、孔部30内に挿入された状態で被検診者35の周囲
を設定速度で移動する。X線CT検査終了時には、駆動
装置制御装置17は駆動停止信号を出力して第1モータ
ー開閉器を開く。これによって、X線源9の周方向への
移動が停止される。本実施例では、周方向に環状に配置
された全ての放射線検出器4は、その周方向に移動しな
く、かつ孔部30の軸方向にも移動しない。移動しない
X線源制御装置及び駆動装置制御装置から移動するX線
源装置への制御信号の伝送はX線源装置の移動に支障に
ならない公知の技術を適用する。
【0027】X線CT検査を開始する際に駆動装置制御
装置17から出力された駆動開始信号はX線源制御装置
18に入力される。X線源制御装置18は、駆動開始信
号の入力に基づいてX線発生信号を出力する。その後、
X線停止信号及びX線発生信号を繰返して出力する。X
線停止信号及びX線発生信号の繰返し出力によって、X
線源9は、第1設定時間、すなわち1μsec の間にX線
を放出し、第2設定時間の間にX線の放出を停止する。
このX線の放出及び停止がX線源3の周方向への移動期
間中に繰返されることになる。X線源9から放出された
そのX線は、ファンビーム状に、孔部30内に挿入され
た被検診者35に照射される。X線源9の周方向の移動
によって、ベッド16上の被検診者35は周囲よりX線
を照射される。このX線は、被検診者35を透過した
後、孔部30の軸心を基点にX線源9から180度の位
置にある放射線検出器4を中心に周方向に位置する複数
個の放射線検出器4によって検出される。これらの放射
線検出器4は、そのX線の検出信号(以下、X線撮像信
号という)を出力する。このX線撮像信号は、該当する
配線23を経て対応するそれぞれの信号弁別装置19に
入力される。上記のX線を検出しているそれらの放射線
検出器4は、便宜的に第1放射線検出器4と称する。
【0028】孔部30内に挿入された、ベッド16上の
被検診者35から、PET用の放射性薬剤に起因した5
11keVのγ線が放出されている。第1放射線検出器
4以外の放射線検出器4は、被検診者35から放出され
たそのγ線を検出し、このγ線の検出信号(以下、γ線
撮像信号という)を出力する。このγ線撮像信号は、該
当する配線23を経て対応するそれぞれの信号弁別装置
19に入力される。γ線を検出している放射線検出器4
を、便宜的に第2放射線検出器4と称する。
【0029】信号弁別装置19内で、第2放射線検出器
4から出力されたγ線撮像信号はγ線弁別装置21に伝
えられ、第1放射線検出器4から出力されたX線撮像信
号は信号処理装置22に伝えられる。このような各撮像
信号の伝送は、信号弁別装置19の切替スイッチ31の
切替操作によって行われる。切替スイッチ31の可動端
子32を固定端子33または固定端子34に接続する切
替操作は、駆動装置制御装置17の出力である切替制御
信号に基づいて行われる。駆動装置制御装置17は、前
述のようにX線源装置10の移動動作を制御するが、同
時に第1放射線検出器4を選択し、この第1放射線検出
器2に接続される信号弁別装置19における切替スイッ
チ31の可動端子32を固定端子34に接続する。
【0030】第1放射線検出器4の選択について説明す
る。X線源駆動装置10内の第1モーターにはエンコー
ダー(図示せず)が連結される。駆動装置制御装置17
は、エンコーダーの検出信号を入力して周方向における
X線源駆動装置10、すなわちX線源9の位置を求め、
このX線源9の位置と180°反対側に位置する放射線
検出器4を、記憶している各放射線検出器4の位置のデ
ータを用いて選択する。X線源9から放射されるX線は
スキャンレール12の周方向である幅を有しているた
め、被検診者35の体内を透過したX線を検出する放射
線検出器2は、選択されたその放射線検出器4以外にも
周方向に複数個存在することになる。駆動装置制御装置
17はその複数の放射線検出器4も選択する。これらの
放射線検出器4が、第1放射線検出器である。周方向に
おけるX線源9の移動に伴って、第1放射線検出器4も
違ってくる。X線源9の周方向への移動に伴って、第1
放射線検出器4も擬似的に周方向に移動しているように
見える。駆動装置制御装置17が、X線源9の周方向へ
の移動に伴って別の放射線検出器4を選択したときに
は、新たに第1放射線検出器4となる放射線検出器4に
接続された可動端子32は固定端子34に接続される。
X線源9の周方向への移動に伴って第1放射線検出器4
でなくなった放射線検出器4に接続された可動端子32
は駆動装置制御装置17によって固定端子33に接続さ
れる。
【0031】第1放射線検出器4は、切替スイッチ31
によって信号処理装置22に接続された放射線検出器4
であるとも言える。また、第2放射線検出器4は、切替
スイッチ31によってγ線弁別装置21に接続された放
射線検出器4であるとも言える。環状保持部5に設置さ
れた個々の放射線検出器4は、X線源9の位置との関係
で、あるときは第1放射線検出器4となり、別のあると
きには第2放射線検出器4となる。このため、1つの放
射線検出器4は、別々ではあるがX線撮像信号及びγ線
撮像信号の両方を出力する。
【0032】第1放射線検出器4は、第1設定時間であ
る1μsec の間にX線源9から照射されて被検診者35
を透過したX線を検出する。1μsec の間に第1放射線
検出器4が被検診者35から放出されるγ線を検出する
確率は、前述したように、無視できるほど小さい。放射
性薬剤に起因して被検診者35の体内で発生した多数の
γ線は、特定の方向に放出されるのではなく、あらゆる
方向に放出される。これらのγ線は、前述したように、
対となってほぼ正反対の方向(180°±0.6°)に放出
され、放射線検出器環状体3のいずれかの第2放射線検
出器4によって検出される。
【0033】被検診者35の患部の位置が予め特定され
ていない場合には、ベッド16を移動させて被検診者3
5の全身にわたってPET検査が実施される。このPE
T検査が実施されている間に、X線源9が周方向に周回
され、PET検査を実施する個所に対してX線CT検査
が実施される。被検診者35の患部の位置が予め他の検
査によって特定されている場合には、ベッド16を移動
させて予め特定されている患部の位置を孔部30内に挿
入し、撮像装置2を用いてその患部付近に対しPET検
査及びX線CT検査を実施する。
【0034】放射線検出器4から出力されたX線撮像信
号及びγ線撮像信号を入力したときの信号弁別装置19
の信号処理について説明する。第1放射線検出器4から
出力されたX線撮像信号は、前述したように、切替スイ
ッチ31の作用によって信号処理装置22に入力され
る。信号処理装置22は、入力したX線撮像信号を積分
装置によって積算し、X線撮像信号の積算値、すなわち
X線撮像信号の強度の情報を出力する。
【0035】第2放射線検出器4から出力されたγ線撮
像信号は、切替スイッチ31の作用によって波形整形装
置20に入力される。波形整形装置20に入力されるγ
線撮像信号は、図4に示すように、最初に急激に立下
り、その後、指数関数的に0に近づくような形になって
いる。波形整形装置20の出力信号を入力するγ線弁別
装置21は、図4に示すような波形のγ線撮像信号を処
理できない。このため、波形整形装置20は、図4に示
すような波形のγ線撮像信号を、例えば図5に示すよう
に時間的なガウス分布の波形を有するγ線撮像信号に変
換して出力する。PET用の放射性薬剤から放出された
陽電子が陽電子消滅により体内で生成するγ線のエネル
ギーは先に述べたように511keVである。しかし、
半導体素子部内でγ線のエネルギー全てが電荷に変わる
とは限らない。このため、γ線弁別装置21は、例えば
エネルギーが511keVよりも低い450keVをエ
ネルギー設定値として、このエネルギー設定値(第1エ
ネルギー設定値という)以上のエネルギーを有する撮像
信号を入力したときに所定のエネルギーを有するパルス
信号を発生させる。すなわち、γ線弁別装置21は、第
1エネルギー設定値以上のエネルギーを有する撮像信号
(γ線撮像信号)が入力されたときに上記のエネルギー
を有するパルス信号を発生させる装置である。
【0036】上記のように、γ線弁別装置21において
特定のエネルギーを有するγ線撮像信号を処理するため
には、所定のエネルギー範囲の撮像信号を通過させるフ
ィルターをγ線弁別装置21内(またはγ線弁別装置2
1の前段)に設けるとよい。第1エネルギー設定値以上
のエネルギーを有する撮像信号を通過させ、その設定値
よりも低いエネルギーを有する撮像信号の通過を阻止す
る第1フィルターがγ線弁別装置21内に設けられる。
γ線弁別装置21は第1フィルターを通過した撮像信号
に対してパルス信号を発生する。
【0037】同時計数装置26は、各信号弁別装置19
のγ線弁別装置21から出力されたパルス信号を入力し
これらのパルス信号を用いて同時計数を行い、γ線撮像
信号に対する計数値を求める。更に、同時計数装置26
は、前述の一対のγ線に対する一対のパルス信号により
その一対のγ線を検出した2つの検出点(孔部30の軸
心を中心にしてほぼ180°(厳密には180°±0.6
°)方向が異なっている一対の放射線検出器4の位置)
をγ線検出の位置情報としてデータ化する。
【0038】コンピュータ27は、図6に示すステップ
21〜28の処理手順に基づいて処理を実行する。この
ような処理を実行するコンピュータ27は、断層像デー
タ作成装置である。同時計数装置26によって計数され
たγ線撮像信号の計数値、同時計数装置26から出力さ
れた検出点の位置情報、及び信号処理装置22から出力
されたX線撮像信号の強度が入力される(ステップ2
1)。入力された、γ線撮像信号の計数値,検出点の位
置情報、及びX線撮像信号の強度は、記憶装置28に記
憶される(ステップ22)。
【0039】記憶装置28に記憶されているX線撮像信
号の強度を用いて、被検診者35の体内の各ボクセルに
おけるX線の減衰率を算出する(ステップ23)。この
減衰率は記憶装置28に記憶される。
【0040】被検診者35の横断面の断層像を、該当す
る位置でのX線撮像信号の減衰率を用いて再構成する
(ステップ24)。X線撮像信号の減衰率を用いて再構
成した断層像をX線CT像と称する。X線CT像を再構
成するために、記憶装置28から読み出されたX線撮像
信号の減衰率を用いて、X線源9とX線を検出した放射
線検出器4の半導体素子部との間における被検診者35
の体内での線減弱係数を求める。この線減弱係数を用い
て、フィルタードバックプロジェクション法により各ボ
クセルの線減弱係数を求める。各ボクセルの線減弱係数
の値を用いて各ボクセルにおけるCT値を得る。これら
のCT値を用いてX線CT像のデータが得られる。この
X線CT像のデータは、記憶装置28に記憶される。
【0041】患部で発生したγ線は体内を透過する間に
吸収・減衰されるため、これらの効果を前述の減衰率の
データより見積ってγ線撮像信号の計数値に補正をかけ
ることにより、更に高精度なγ線撮像信号の計数値を得
ることも可能である。ステップ25では、γ線撮像信号
の計数値を補正する。γ線撮像信号の計数値に関する補
正方法の一例を以下に述べる。まず、X線撮像信号の減
衰率を用いて被検診者35の断層像を再構成し、体内の
各位置でのCT値を求める。得られたCT値から、各位
置における物質組成を見積もる。そして物質組成データ
から511keVにおける各位置での線減弱係数を見積も
る。得られた線減弱係数データを用いて一対のγ線を検
出した一対の半導体素子部間の線減弱係数をフォワード
プロジェクション法により求める。求められたその線減
弱係数の逆数をγ線撮像信号の計数値に掛け合わせるこ
とにより体内減衰によるデータ差の補正がなされる。
【0042】患部(例えば癌の患部)を含む、被検診者
35の横断面の断層像を、該当する位置でのγ線撮像信
号の補正後の計数値を用いて再構成する(ステップ2
6)。γ線撮像信号の計数値を用いて再構成した断層像
をPET像と称する。この処理を詳細に説明する。記憶
装置28から読み出されたγ線撮像信号の計数値を用い
て、陽電子の消滅によって発生したγ線を検出した一対
の放射線検出器4(検出点の位置情報より特定)の各半
導体素子部間における体内でのγ線対発生数(複数の陽
電子の消滅に応じて発生したγ線対の数)を求める。こ
のγ線対発生数を用いて、フィルタードバックプロジェ
クション法により各ボクセルにおけるγ線対発生密度を
求める。これらのγ線対発生密度に基づいてPET像の
データを得ることができる。このPET像のデータは、
記憶装置28に記憶される。
【0043】PET像のデータとX線CT像のデータと
を合成して、両データを含む合成断層像のデータを求
め、記憶装置28に記憶させる(ステップ27)。PE
T像のデータとX線CT像のデータとの合成は、両方の
像データにおける、孔部30の中心軸の位置を合わせる
ことによって、簡単にかつ精度良く行うことができる。
すなわち、PET像のデータ及びX線CT像のデータ
は、共有する放射線検出器4から出力された撮像信号に
基づいて作成されるので、前述のように位置合せを精度
良く行える。合成断層像のデータは、記憶装置28から
呼び出されて表示装置29に出力され(ステップ28)、
表示装置29に表示される。表示装置29mに表示され
た合成断層像はX線CT像を含んでいるので、PET像
における患部の、被検診者35の体内での位置を容易に
確認することができる。すなわち、X線CT像は内臓及
び骨の像を含んでいるので、医者は、患部(例えば、癌
の患部)が存在する位置を、その内臓及び骨との関係で
特定することができる。
【0044】なお、X線CT像は複数のスキャンデータ
が必要なため、X線源駆動装置10を用いてX線源9を
スキャンレール12に沿って移動させることによって、
放射線検出器4により必要なデータ量を得ることができ
る。このようなX線源9の周方向スキャンによって、本
実施例は被検診者35の1つの横断面におけるX線撮像
信号に関する二次元断面データを得ている。他の横断面
におけるX線撮像信号に関する二次元断面データは、軸
方向移動アーム11を伸縮させてX線源9を孔部30の
軸方向に移動させることによって得ることができる。こ
れらの二次元断面データを積み重ねることによって、三
次元の断面データを得ることができる。この三次元の断
面データを用いて三次元のX線CT像のデータを得るこ
とができる。また、X線源9の周回に伴い孔部30の軸
方向に軸方向移動アーム11を連続的に伸縮することに
より、X線のヘリカルスキャンを行うことも可能であ
る。軸方向移動アーム11を伸縮させる替りに、ベッド
16を孔部30の軸方向に移動させても他の横断面にお
けるX線撮像信号に関する2次元断面データを得ること
ができる。
【0045】本実施例によれば、以下に示す効果を得る
ことができる。
【0046】(1)本実施例では、放射線検出器環状体
3に設けられた複数の放射線検出器4が環状に配置され
ている。本実施例は、環状に配置されたそれらの放射線
検出器4によって、被検体である被検診者35から放出
される複数のγ線の対を検出できると共に、周方向に移
動するX線源9から放出されて被検診者35を透過した
X線も検出できる。このため、従来技術は撮像装置とし
て透過X線を検出する撮像装置及びγ線を検出する他の
撮像装置を必要としていたが、本実施例は、撮像装置は
一台あればよく、X線CT検査及びPET検査の両方を
実施できる放射線検査装置の構成が単純化できる。
【0047】(2)本実施例は、環状に配置された放射
線検出器4のそれぞれが被検診者35の体内を透過した
X線(透過X線という)の検出信号であるX線撮像信
号、及び放射性薬剤に起因してその体内から放出された
γ線の検出信号であるγ線撮像信号の両方を出力する。
このような構成も、放射線検査装置の構成の更なる単純
化、及び放射線検査装置の小型化に貢献する。
【0048】(3)本実施例は、環状に配置された放射
線検出器4の1つの出力信号であるX線撮像信号を用い
て、被検診者35の、内臓及び骨の画像を含む第1の断
層像(X線CT像)を再構成でき、その放射線検出器4
の他の出力信号であるγ線撮像信号を用いて、その被検
診者35の、患部の画像を含む第2の断層像(PET
像)を再構成できる。第1断層像のデータ及び第2断層
像のデータは透過X線及びγ線の両方を検出する放射線
検出器2の出力信号に基づいて再構成されているので、
第1断層像のデータ及び第2断層像のデータを精度良く
位置合せして合成することができる。このため、精度の
よい、患部,内臓及び骨の画像を含む断層像(合成断層
像)を簡単に得ることができる。この合成断層像によれ
ば、内臓及び骨との関係で、患部の位置を正確に知るこ
とができる。例えば、第1断層像のデータ及び第2断層
像のデータを、撮像装置2の孔部30の軸心を中心に合
わせることによって、簡単に両断層像を合成した画像デ
ータを得ることができる。
【0049】(4)本実施例は、第1の断層像を作成す
るために必要な撮像信号、及び第2の断層像を作成する
ために必要な撮像信号を共用する放射線検出器4から得
ることができるため、被検診者35の検査に要する時間
(検査時間)を著しく短縮できる。換言すれば、短い検
査時間で、第1の断層像を作成するために必要な撮像信
号、及び第2の断層像を作成するために必要な撮像信号
を得ることができる。本実施例は、従来技術のように、
被検診者を、透過X線を検出する撮像装置からγ線を検
出する他の撮像装置まで移動させる必要がなく、被検診
者が動く確率を低減できる。被検診者を、透過X線を検
出する撮像装置からγ線を検出する他の撮像装置まで移
動させる必要がなくなることも、被検診者の検査時間の
短縮に寄与する。
【0050】(5)本実施例は、X線源9を周回させて
放射線検出器環状体3、すなわち放射線検出器4を孔部
30の周方向及び軸方向に移動させないため、放射線検
出器環状体3を移動させるに必要なモーターに比べてX
線源9を周回させるモーターの容量を小さくできる。後
者のモーターの駆動に要する消費電力も、前者のモータ
ーのそれよりも少なくできる。
【0051】(6)信号処理装置22、すなわち第1信
号処理装置に入力されるγ線撮像信号が著しく減少する
ため、精度の良い第1断層像のデータを得ることができ
る。このため、第1断層像のデータと第2断層像のデー
タとを合成して得られた画像データを用いることによ
り、患部の位置をより正確に知ることができる。
【0052】(7)本実施例は、環状に配置された放射
線検出器4の内側でX線源9が周回するため、環状保持
部5の直径が大きくなり、環状保持部5の内側で周方向
に設置できる放射線検出器4の個数を多くすることがで
きる。周方向における放射線検出器4の個数の増加は、
感度の向上をもたらし、被検診者35の横断面の分解能
を向上させる。
【0053】(8)本実施例では、X線源9が取付けら
れる軸方向移動アーム11及びX線源9は放射線検出器
4の内側に位置しているため、それらが被検診者35か
ら放出されるγ線を遮って、それらの真後ろに位置する
放射線検出器4がそのγ線を検出できなく、PET像の
作成に必要な検出データが欠損する可能性がある。しか
し、本実施例は、前述のように、X線源駆動装置10に
よってX線源9及び軸方向移動アーム11が周方向に周
回しているので、実質的にはデータの欠損は問題となら
ない。特に、X線源9及び軸方向移動アーム11の周回
速度は約1秒/1スライスであり、最短で数分オーダー
のPET検査に要する時間と比較すると十分短い。これ
によっても、実質的にはそのデータの欠損は問題になら
ない。また、X線CT検査を行わない時は、X線CT検
査関係の機器は放射線検出器4内から撤去し格納する構
成とする。例えば、本実施例において、X線源9はX線
源駆動装置10の中に格納する構成としている。
【0054】更に、X線CT像の作成のために必要なX
線撮像信号を得るために要する検査時間は、PET像の
作成のために必要なγ撮像信号を得るために要する検査
時間よりも短い。このため、そのγ線撮像信号得るため
の検査時間の間、常にX線源3からX線を被検診者に照
射してX線撮像信号を得ることによって、被検診者が検
査中に動いた場合でもX線撮像信号に基づいて得られる
X線CT像の連続像から、被検診者の揺動に伴うPET
像のデータのずれを補正することもできる。
【0055】(実施例2)本発明の他の実施例である実
施例2の放射線検査装置1Aを、図7及び図8を用いて
以下に説明する。放射線検査装置1Aは、実施例1の放
射線検査装置1における撮像装置2を撮像装置2Aに、
更に、信号弁別装置19を信号弁別装置19Aに替えた
ものである。放射線検査装置1Aの他の構成は放射線検
査装置1の構成と同一である。放射線検査装置1Aは、
信号弁別装置19Aを設けている関係上、コンピュータ
27で図9に示す処理が実行される。撮像装置2Aは実
施例1における撮像装置2の駆動装置制御装置17及び
X線源制御装置18を駆動装置制御装置17A及びX線
源制御装置18Aにそれぞれ替えた構成を有する。撮像
装置2Aの他の構成は撮像装置2と同じである。
【0056】信号弁別装置19Aは、図8に示すよう
に、波形整形装置20,γ線弁別装置21及び波高分析
装置38を有する。放射線検出器4一個毎に設けられる
信号弁別装置21は、切替スイッチ31を有していな
く、配線23によって対応する放射線検出器4に接続さ
れる。配線23は信号弁別装置19Aの波形整形装置2
0に接続される。波高分析装置38は波形整形装置20
及びコンピュータ27に接続される。γ線弁別装置21
は同時計数装置26を介してコンピュータ27に接続さ
れる。信号弁別装置19Aは、信号処理装置であり、波
高分析装置38を有する第1の信号処理装置、及び波形
整形装置20及びγ線弁別装置21を有する第2信号処
理装置を備える。駆動装置制御装置17A及びX線源制
御装置18Aが環状保持部5に設置される。
【0057】本実施例は、X線CT検査及びPET検査
を一台の撮像装置2Aを用いて行う例である。PET用
の放射性薬剤が投与され、べッド16上に横たわってい
る被検診者35は、ベッド16の移動によって、孔部3
0内に挿入される。被検診者35の患部より放出された
511keVのγ線は、放射線検出器4によって検出さ
れる。一方、X線源9から照射されたX線(80ke
V)は、被検診者35を透過後、放射線検出器4によっ
て検出される。X線源9はX線源駆動装置10によって
スキャンレール12に沿って被検診者35の周りを周回
する。このため、X線は周方向のあらゆる位置から被検
診者35に照射される。本実施例の駆動装置制御装置1
7Aは、実施例1の駆動装置制御装置17と同様に、駆
動開始信号及び駆動停止信号を出力してX線源駆動装置
10の移動を制御する。しかしながら、駆動装置制御装
置17Aは、駆動装置制御装置17が行う切替スイッチ
31の切替制御を実施しない。X線源制御装置18A
は、実施例1と同様に、X線源開閉器を閉じるX線発生
信号を出力し、X線源開閉器を開くX線停止信号を出力
する。しかしながら、X線源制御装置18Aは、実施例
1のX線源制御装置18のように、放射線検出器4への
γ線の入射が無視できる第1設定時間の間だけX線を発
生させるような制御を行わない。このため、本実施例で
は、X線を検出している放射線検出器4でもγ線を検出
することになる。従って、一台の撮像装置2AでX線C
T検査及びPET検査を実施する本実施例では、各放射
線検出器4はX線撮像信号及びγ線撮像信号を含む出力
信号を出力する。放射線検出器4からのその出力信号は
該当する信号弁別装置19Aに入力される。
【0058】信号弁別装置19Aの機能を以下に説明す
る。信号弁別装置19Aは、放射線検出器4の出力信号
からX線撮像信号とγ線撮像信号とを別々に分離する機
能を有する。すなわち、信号弁別装置19Aは、1つの
放射線検出器4で検出したX線撮像信号とγ線撮像信号
とをエネルギー弁別する装置である。なお、X線源9が
X線を放射する時間間隔は、信号弁別装置19Aの動作
タイムウィンドウΔτに比べて長い。信号弁別装置19
Aの波形整形装置20は、実施例1で述べたガウス分布
に整形されたγ線撮像信号と共に、X線撮像信号も、波
形整形装置20で波形がガウス分布に整形されて出力さ
れる。図5に示すように時間的なガウス分布の波形を有
する信号に整形されたX線撮像信号も出力する。
【0059】波形整形装置20の出力であるγ線撮像信
号及びX線撮像信号は、γ線弁別装置21及び波高分析
装置38に入力される。γ線弁別装置21がγ線撮像信
号を処理し、波高分析装置38がX線撮像信号を処理す
る必要がある。このため、本実施例では以下の工夫がな
されている。
【0060】γ線弁別装置21は、前述の第1フィルタ
ーを備えており、第1エネルギー設定値以上のエネルギ
ーを有する撮像信号(γ線撮像信号)が入力されたとき
にパルス信号を発生させる装置である。波高分析装置3
8は、波形整形装置20から出力された、第1エネルギ
ー設定値よりも低いエネルギーを有する撮像信号(X線
撮像信号)が入力されたとき、その撮像信号の計数値を
計測する。本実施例では、被検診者35に照射されるX
線のエネルギーが80keVであるため、波高分析装置
38は第2エネルギー設定値である70keV以上で第
3エネルギー設定値である90keV以下の範囲のエネ
ルギーを有する撮像信号(X線撮像信号)を計数しその撮
像信号の計数値を出力する。このような特定エネルギー
の撮像信号の処理を行うことによって波高分析装置38
の負荷は著しく軽減される。
【0061】上記のように、波高分析装置38において
特定エネルギーを有する撮像信号を処理するためには、
設定のエネルギー範囲の撮像信号を通過させるフィルタ
ーを波高分析装置38内(または波高分析装置38の前
段)に設けるとよい第2エネルギー設定値以上で第3エ
ネルギー設定値以下の範囲のエネルギーを有する撮像信
号を通過させ、その範囲外のエネルギーを有する撮像信
号の通過を阻止する第2フィルターが、波高分析装置3
8内に設けられる。波高分析装置38は、第2フィルタ
ーを通過した撮像信号(X線撮像信号)を計数する。
【0062】本実施例は、信号弁別装置19Aを用いる
ことによって、放射線検出器4の出力である撮像信号か
らピーク計数値に対するエネルギーが異なるγ線撮像信
号とX線撮像信号とを別々に分離することができる。同
時計数装置26は、各信号弁別装置19Aの各γ線弁別
装置21からの出力であるパルス信号を用いて同時計数
を行い、γ線撮像信号に対する計数値を求める。
【0063】コンピュータ27は、図9に示すステップ
21A,22A,39,23A、及び24〜28の処理
手順に基づいて処理を実行する。このような処理を実行
するコンピュータ27も、断層像データ作成装置であ
る。同時計数装置26によって計数されたγ線撮像信号
の計数値、同時計数装置26から出力された検出点の位
置情報、及び波高分析装置38から出力されたX線撮像
信号の計数値が入力される(ステップ21A)。入力さ
れた、γ線撮像信号の計数値,検出点の位置情報、及び
X線撮像信号の計数値は、記憶装置28に記憶される
(ステップ22A)。
【0064】次に、ステップ39において、X線撮像信
号の計数値の補正が行われる。この補正について、以下
に詳細に説明する。X線のエネルギー80keVは、放
射性薬剤に起因して被検診者35から放出されるγ線に
比べて低いエネルギーである。波高分析装置38から出
力されたX線撮像信号の計数値には、エネルギーが半導
体素子部内で80keV前後に減衰したγ線撮像信号の
計数値が含まれている。このため、そのX線撮像信号の
計数値からγ線撮像信号の計数値を除去する補正を行っ
て、真のX線撮像信号の計数値を求める。X線撮像信号
の計数値の補正方法の一例を説明する。例えば511k
eVのγ線の検出スペクトルを予め測定しておき、この
検出スペクトルの測定結果を用いて80keV前後のγ
線の強度を見積もる。放射線検出器4の半導体素子部に
対して511keVのγ線を照射したときのスペクトル
が図10のように得られたとする。そして、例えば被検
診者35から放出されたγ線がある半導体素子部で10
0個検出されたとする。その場合、図10のピーク部分
における計数値(カウント数)が100個になるように
図10に示すスペクトル全体の計数値を等倍した後、X
線撮像信号の計数値から、等倍されたその計数値を差し
引くことにより、図11に示す正確なX線撮像信号単体
の計数値(カウント数)が得られる。この補正された計
数値は、記憶装置28に記憶される。
【0065】その後、実施例1と同様に、ステップ24
〜28の処理が実行され、第1断層像のデータと第2断
層像のデータとを合成して作成された合成断層像のデー
タを得ることができ、合成断層像のデータを表示装置2
9に表示することができる。
【0066】本実施例は、実施例1で生じる効果(1)
〜(5),(7)及び(8)を得ることができる。更
に、本実施例は、以下の(9)及び(10)の効果を得
ることができる。
【0067】(9)放射線検出器4から出力される出力
信号からその信号に含まれたX線撮像信号とγ線撮像信
号とを分離することができる。このため、分離されたX
線撮像信号を用いて第1断層像データを、分離されたγ
線撮像信号を用いて第2断層像データを簡単に作成でき
る。また、実施例1と同様に、第1断層像データと第2
断層像データとを簡単に合成することができる。
【0068】(10)放射線検出器4として用いている
半導体放射線検出器は、エネルギー分解能が高い。この
ため、本実施例では、放射線検出器4から出力されたX
線撮像信号及びγ線撮像信号を信号弁別装置19Aで簡
単に分離できる。
【0069】(実施例3)本発明の第3実施例である放
射線検査装置1Bを、図12を用いて説明する。放射線
検査装置1Bは、撮像装置2Bの構成を実施例1の撮像
装置2の構成と少し変えている。すなわち、撮像装置2
Bは撮像装置2における放射線検査装置1の構成のうち
X線源周方向移動装置7をX線源周方向移動装置7Aに
替えたものである。放射線検査装置1Bの他の構成は、
放射線検査装置1と同じである。X線源周方向移動装置
7AはX線源装置8A、及び環状のX線源装置保持部1
3を備える。本実施例のX線源装置保持部13は実施例
1のそれと同じ構成である。X線源装置8Aは、X線源
9及びX線源駆動装置10を有し、軸方向移動アーム8
を有していない。本実施例では、X線源9は、放射線検
出器環状体3の一端面に対向するように、すなわちその
一端面の横に配置される。上記のように配置されたX線
源9は、X線の放出口が放射線検出器環状体3の放射線
検出器4でX線源9とは180°反対側に位置するその
放射線検出器4の方向を向くように、孔部30の軸方向
に対して傾けてX線源駆動装置10のケーシングに取付
けられる。本実施例におけるX線源駆動装置10のケー
シングの長さは、実施例1におけるX線源駆動装置10
のケーシングのそれよりも短くなっている。
【0070】本実施例も、実施例1と同様に、1台の撮
像装置を用いてPET検査とX線CT検査を行う。本実
施例におけるPET検査は、実施例1と同様に、放射性
薬剤に起因して被検診者35から放出されたγ線を第2
放射線検出器4で検出することによって行われる。ま
た、X線CT検査は、実施例1においてX線源装置8を
周回させた場合と同様に、X線源装置8Aをスキャンレ
ール12に沿って周回させることによって行われる。P
ET検査及びX線CT検査の際には、ベッド16により
被検診者35を軸方向に移動させて行う。本実施例で
は、傾いたX線源9から放出されたX線が、被検診者3
5に対して斜め方向に照射され、被検診者35の体内を
斜めに透過する。この透過したX線は第1放射線検出器
4で検出される。本実施例では、第1放射線検出器4
は、X線源装置8と対向する、放射線検出器環状体3の
一端部に位置する。第1放射線検出器4から出力された
X線撮像信号、及び第2放射線検出器4から出力された
γ線撮像信号を用いて合成断層像のデータを得る処理
は、実施例1と同様に行われる。本実施例は、被検診者
35の体内を斜めに透過したX線に対するX線撮像信号
を用いてX線CT像を得るため、そのX線CT像の精度
が低下しないような角度でX線源9を傾ける必要があ
る。
【0071】本実施例は、実施例1で生じる(1)〜
(6)の効果を得ることができる。更に、本実施例は、
以下に示す(11)〜(13)の効果を得ることができ
る。
【0072】(11)本実施例では、環状に放射線検出
器4を設置した放射線検出器環状体3の横でX線源9が
周回するため、環状保持部5の直径が小さくなる。この
ため、180°正反対に位置する2つの放射線検出器4
間の距離が短くなり、PET像の画質を向上できる。被
検診者35の体内で発生した一対のγ線は完全に180
°ではなく180°±0.6° の方向に放出される。そ
れらの放射線検出器4間の距離が長くなると、±0.6
° の影響が大きくなり、同時計数装置26によって特
定される、その一対のγ線に対する2つの検出点も若干
ずれが生じる。それらの放射線検出器4間の距離が短い
と、±0.6° の影響も小さくなり、同時計数装置26
によって特定される、その一対のγ線に対する2つの検
出点も真の位置に近くなる。このため、本実施例ではP
ET像の画質が向上する。
【0073】(12)本実施例は、環状に放射線検出器
4を設置した放射線検出器環状体3の横でX線源9が周
回するため、実施例1におけるX線源9及び軸方向移動
アーム11のように被検診者35から放出されるγ線を
遮る物体が放射線検出器4の前面に存在しない。このた
め、本実施例では、実施例1のような検出データが欠損
するという問題が生じない。
【0074】(13)本実施例は、放射線検出器環状体
3の直径が小さくなる関係上、実施例1に比べて放射線
検査装置を更に小型化できる。
【0075】本実施例は、X線源9の周方向の回転に伴
い被検診者保持装置14のベッド16を用いて被検診者
35を孔部30内で連続的に移動させることにより、X
線のヘリカルスキャンを行うことも可能である。
【0076】(実施例4)本発明の他の実施例である実施
例4の放射線検査装置を、図13に基づいて以下説明す
る。本実施例の放射線検査装置1Cは、放射線検査装置
1における撮像装置2を撮像装置2Cに変えた構成を有
する。放射線検査装置1Cにおける他の構成は放射線検
査装置1と同じである。撮像装置2Cは、一対の放射線
検出器環状体3A及び3Bを備えている。放射線検出器
環状体3Aは、環状保持部5A、及び環状保持部5Aの
内側に実施例1と同様に環状に設置された多数の放射線
検出器4を含む。放射線検出器環状体3Bは、環状保持
部5B、及び環状保持部5Bの内側に実施例1と同様に
環状に設置された多数の放射線検出器4を含む。放射線
検出器環状体3A及び3Bに設けられた各放射線検出器
4は、実施例1で用いられる放射線検出器4と同じ物で
ある。放射線検出器環状体3A及び3Bに設けられた各
放射線検出器4は、配線23によって、実施例1と同様
に、対応する信号弁別装置19、具体的には信号弁別装
置19の切替スイッチ31にそれぞれ接続される。放射
線検出器環状体3A及び3Bにおけるそれぞれの放射線
検出器4の内側に、ベッド16が挿入される貫通した孔
部30がそれぞれ形成される。放射線検出器環状体3A
と放射線検出器環状体3Bは、相互の間にスリット(間
隙)36が形成されるように互いに隣接して配置されて
いる。スリット36は放射線検出器環状体の全周にわた
って形成される。放射線検出器環状体3Aは、環状保持
部5Aを床面に固定される支持部材6Aに取付けられ
る。放射線検出器環状体3Bは、環状保持部5Bを床面
に固定される支持部材6Bに取付けられる。放射線検出
器環状体3Aの軸心と放射線検出器環状体3Bの軸心と
は一致しており、環状保持部5A及び5Bの内径及び外
径は同じである。
【0077】更に、撮像装置2Cは、X線源装置8B及
び環状のX線源装置保持部13を有するX線源周方向移
動装置7Bを備えている。X線源周方向移動装置7Bの
X線源装置保持部13は、実施例1のそれと同じ構成で
あって環状保持部5Aの外面に取付けられる。X線源装
置8Bは、X線源9及びX線源駆動装置10を有し、軸
方向移動アーム11を有していない。本実施例では、X
線源9は、環状保持部5A及び5Bよりの外側に位置
し、スリット36と対向している。X線源9は、X線の
放出口が放射線検出器環状体3Bの放射線検出器4でX
線源9とは180°反対側に位置するその放射線検出器4
の方向を向くように、孔部30の軸方向に対して傾けて
X線源駆動装置10のケーシングに取付けられる。
【0078】本実施例も、実施例1と同様に、1台の撮
像装置を用いてPET検査とX線CT検査を行う。本実
施例におけるPET検査は、実施例1と同様に、放射性
薬剤に起因して被検診者35から放出されたγ線を第2
放射線検出器4で検出することによって行われる。ま
た、X線CT検査は、実施例1においてX線源装置8を
周回させた場合と同様に、X線源装置8Bをスキャンレ
ール12に沿って被検診者35の周囲を周回させること
によって行われる。PET検査及びX線CT検査の際に
は、実施例3と同様に、被検診者35を軸方向に移動さ
せて行う。本実施例は、X線源装置8Bの周回を円滑に
行うため、環状保持部5Aよりも外側で支持部材6Bと
X線源装置保持部13との間に空間37が形成される。
X線源装置8Bは周回する際にこの空間37を通過す
る。本実施例では、傾いたX線源9から放出されてスリ
ット36を通過したX線は、ベッド16上に横たわって
いる被検診者35に対して斜め方向に照射され、被検診
者35の体内を斜めに透過する。この透過したX線は第
1放射線検出器4で検出される。本実施例では、第1放
射線検出器4は、X線源9と対向する、放射線検出器環
状体3Bの一端部に位置する。X線源9から放出される
X線は広がりをもつため、放射線検出器環状体3Bに対
向する、放射線検出器環状体3Aの一端面側にも、第1
放射線検出器4が存在する。第1放射線検出器4は、X
線源9の周回に伴って、実施例1のように放射線検出器
環状体の周方向に移動する。
【0079】第1放射線検出器4から出力されたX線撮
像信号、及び第2放射線検出器4から出力されたγ線撮
像信号を用いて合成断層像のデータを得る処理は、実施
例1と同様に行われる。本実施例は、被検診者35の体
内を斜めに透過したX線に対するX線撮像信号を用いて
X線CT像を得るため、そのX線CT像の精度が低下し
ないような角度でX線源9を傾ける必要がある。
【0080】本実施例は、実施例1で生じる(1)〜
(6)の効果及び実施例3で生じる(11)〜(13)
の効果を得ることができる。
【0081】本実施例において、X線源駆動装置10を
放射線検出器環状体3B側に伸ばして、X線源9におけ
るX線の放出口が放射線検出器環状体3Aの放射線検出
器4でX線源9とは180°反対側に位置するその放射
線検出器4の方向を向くように、孔部30の軸方向に対
して傾けてX線源駆動装置10のケーシングに取付けて
もよい。また、X線源装置保持部13を環状保持部5B
に取付け、上記のようにX線源9のX線放出口が放射線
検出器環状体3Aの放射線検出器4を向くように傾けて
もよい。
【0082】(実施例5)本発明の他の実施例である実
施例5の放射線検査装置1Dを図14及び図15を用い
て以下説明する。本実施例の放射線検査装置1Dは、撮
像装置2Dを備え、撮像装置2D以外の構成は放射線検
査装置1と同じである。撮像装置2Dは、放射線検出器
環状体3C及びX線源周方向移動装置7Cを備えてい
る。放射線検出器環状体3Cは、保持部材6に設置され
る環状保持部5Cの内面に実施例1と同様に多数の放射
線検出器4を設置している。環状保持部5Cは、180
°にわたって切り込まれて形成された貫通孔であるスリ
ット36Aを有する。スリット36Aは環状保持部5C
の上半分に位置している。スリット36Aの部分には放
射線検出器4が設置されていない。環状保持部5Cの内
側でスリット36Aの部分にコリメータ39が設置され
る。コリメータ39は鉛で構成される。放射線検出器4
はコリメータ39の外側に配置される。
【0083】X線源周方向移動装置7Cは、実施例4の
X線源周方向移動装置7Bと同様に、環状保持部材の外
側に配置されて、ほぼ半円形のX線源装置保持部13A
を環状保持部5Cの上部でその外面に設置している。半
円形のスキャンレール12AがX線源装置保持部13A
に取付けられる。X線源周方向移動装置7CはX線源9
及びX線源駆動装置10を有するX線源装置8Cを備え
る。X線源装置8Cは、X線源9のX線放出口が孔部3
0の軸心に対して垂直な方向を向くようにX線源9がX
線源駆動装置10に取付けられている点でのみX線源装
置8Bと異なる。
【0084】本実施例も、PET用の放射性薬剤を投与
してベッド16上に横たわっている被検診者35に対し
て一台の撮像装置2Dを用いてPET検査及びX線CT
検査を行う。PET検査及びX線CT検査の際には、実
施例3と同様に、被検診者35を軸方向に移動させて行
う。X線CT検査は、X線源9から放出されてスリット
36A及びコリメータ39内を通過したX線を被検診者
35に照射することによって行われる。スリットを通過
したX線を被検診者35に照射することは、実施例4と
同じである。本実施例は、実施例1と同様に、PET検
査が被検診者35から放出されたγ線を第2放射線検出
器4で検出することによって行われ、X線CT検査が被
検診者35を透過したX線を第1放射線検出器4で検出
することによって行われる。
【0085】本実施例におけるX線CT検査では、X線
源9はX線源駆動装置10をスキャンレールAに沿って
移動させることによって180°の範囲内で被検診者3
5の周囲を移動し、第1放射線検出器4でX線撮像信号
を得ている。このX線撮像信号を用いてコンピュータ2
7の処理によりX線CT像の二次元断面データを得る。
それの他の二次元断面データは、被検診者35の、孔部
30の軸方向への移動、及びX線源9のスキャンレール
12Aに沿った移動によって得られるX線撮像信号を用
いて作成できる。これらの二次元断面データを積み重ね
てX線CT像の三次元断面データを得ることができる。
また、X線源9の周方向の移動に伴い被検診者35を連
続的に移動させることによりX線の模擬的なヘリカルス
キャンが可能である。ただし、X線源9が180度の範
囲しか移動できない本実施例では、X線源9は連続的に
往復運動することで模擬的なヘリカルスキャンが実現で
きる。
【0086】本実施例によれば、実施例1で生じる
(1)〜(6)の効果及び実施例3で生じる(11)〜
(13)の効果を得ることができる。更に、本実施例
は、以下の(14)及び(15)の効果を得ることがで
きる。
【0087】(14)コリメータ39の放射線遮蔽機能
によって、スリット36A隣接している放射線検出器4
へのX線の入射が阻止される。また、コリメータ39に
よって、X線源9から放出されるX線がファンビーム状
にコリメートされる。
【0088】(15)下記のX線源9にコリメータを設
置する場合に比べて、X線源9の重量が軽減されるの
で、X線源駆動装置10でX線源9を移動させる際に、
X線源駆動装置10に加わる負荷が減少する。このた
め、X線源駆動装置10の第1モーターによる消費電力
が減少する。
【0089】環状保持部5Cに設けるコリメータ39の
替りに、X線源9にコリメータを取付けてもよい。この
コリメータにより、孔部30の軸心方向のX線の広がり
を抑えるためスリット36Aの幅を小さくできる。従っ
て、X線はスリット36Aの近傍の放射線検出器4に入
射されない。
【0090】環状保持部5Cにおいて、複数のスリット
36Aを環状保持部5Cの軸方向に近接させて形成して
もよい。この場合には、X線源9を外側に向かって環状
保持部5Cから遠ざけて配置し、X線源9から放出され
るX線がそれらのスリット36Aを通過できるようにす
る。複数のスリット36A通過したそれぞれのX線は、
環状保持部5Cの軸方向において異なる位置に存在する
それぞれの第1放射線検出器4によって検出できる。こ
のような構成は、X線源9を周方向に1回スキャンする
ことによって、X線CT像の複数の2次元断面データを
作成できるX線撮像信号を同時に得ることができる。こ
のため、X線CT検査の高効率化が図れる。
【0091】(実施例6)本発明の他の実施例である実
施例6の放射線検査装置1Eを図16及び図17を用い
て以下説明する。実施例1〜5は放射線検出器環状体を
固定していたのに対し、本実施例は放射線検出器環状体
をX線源と共に周回させる構成を有する。放射線検査装
置1Eは、図7に示す放射線検査装置1Aの撮像装置2
を撮像装置2Eに替えた構成を有する。放射線検査装置
1Eの他の構成は放射線検査装置1の構成と同じであ
る。撮像装置2Eは環状回転体40,周方向駆動装置4
1,駆動装置制御装置17A及びX線源制御装置18A
を備える。
【0092】環状回転体40は、放射線検出器環状体3
D,X線源装置8C及びX線源装置保持部48を有す
る。放射線検出器環状体3Dは、放射線検出器4、及び
環状保持部5Dを有する。放射線検出器4は、実施例2
と同様に、環状保持部5D内面に取付けられる。環状保
持部5Dは、軸方向に延びて横断面が矩形状をしている
スリット36Bを周方向の一箇所に形成する。放射性検
出器4はスリット36Bの部分に設置されていない。X
線源装置保持部48は、軸方向に延びており、環状保持
部5Dの外面に設置される。本実施例のX線源装置8C
は、実施例5のそれと同様な構成を有する。X線源装置
8CのX線源駆動装置10が、X線源装置保持部48に
設けられたスキャンレール12Bに沿って移動する。こ
のため、X線源9は放射線検出器環状体3Dの軸方向に
移動する。
【0093】周方向駆動装置41は、実質的に環状の回
転体保持部42、及び駆動装置44を有する。回転体保
持部42は図18に示すように床面に固定される保持部
材6Cに設置される。回転体保持部42は、図18に示
すように保持部材6Cに接する部分の一部が切込まれて
空間43を形成している。駆動装置44は空間43内に
配置される。駆動装置44は、モーター45,モーター
45の回転軸に連結される減速装置46、及び減速装置
46に連結されるピニオン47を有する。モーター45
及び減速装置46は支持部材6Cに設置される。回転体
保持部42は、環状回転体40に面する一端面に、実質
的に環状であるガイド溝49を有する。支持部材15
も、環状回転体40に面する一端面に、円弧を描くガイ
ド溝50を有する。環状保持部5Dの一端部がガイド溝
49内に挿入され、その多端部がガイド溝50内に挿入
される。環状保持部5Dの回転体保持部42側における
端部の外面には、図示されていないがラックが設けられ
る。このラックはピニオン47と噛合っている。環状保
持部5Dの端部がガイド溝49及び50内にそれぞれ挿
入された環状回転体40は、支持部材15及び回転体保
持部42によって支持されている。
【0094】本実施例は、環状回転体40を回転されて
X線CT検査及びPET検査を実施する。両検査を実施
する際、放射線検出器4及びX線源9は共に周方向に旋
回する。検査開始時にモーター45が駆動され、その回
転力が減速装置46を介してピニオン47に伝えられ
る。ピニオン47の回転によって、環状保持部5Dがガ
イド溝49及び50にガイドされながら回転する。この
ようにして環状回転体40が回転される。環状回転体4
0が回転している間は、X線がX線源9から放出され
る。X線源9に設置されたコリメータ(図示せず)は、孔
部30の軸方向へのX線の広がりを抑えかつ周方向には
ファン状のX線を形成する。
【0095】本実施例は、放射線検出器4及びX線源9
は共に周方向に旋回するため、実施例1ないし5のよう
にX線を検出する放射線検出器4の位置が変わることは
ない。すなわち、X線源9が旋回した場合において、放
射線検出器環状体3D内の特定の位置に存在する複数の
放射線検出器4(放射線検出器4Aと称する、図17参
照)が常に被検診者35を透過したX線を検出する。こ
れらの放射線検出器4Aは、被検診者35から放出され
るγ線も検出し、X線撮像信号及びγ線撮像信号の両方
を出力する。放射線検出器4Aに接続された信号弁別装
置19Aは、実施例2と同様に、X線撮像信号及びγ線
撮像信号の処理を行う。放射線検出器4A以外の放射線
検出器4(放射線検出器4Bと称する、図17参照)
は、γ線を検出するが、X線を検出しない。放射線検出
器4Bは、X線撮像信号を出力せず、γ線撮像信号を出
力する。このため、放射線検出器4Bに接続される信号
弁別装置19Aは、X線撮像信号を処理する波高分析装
置38を設けていなく、構造が単純化される。放射線検
出器4Bに接続される信号弁別装置19Aはγ線撮像信
号を処理する。本実施例のコンピュータ27は図9に示
す処理を実行して合成断層像のデータを作成する。
【0096】本実施例は、実施例1で得られる効果
(2)〜(4)、実施例2で得られる効果(9)及び
(10)、及び実施例3で得られる効果(11)及び
(13)を生じる。本実施例は、更に、以下の(16)
の効果を得ることができる。本実施例においても、実施
例5で用いたコリメータをスリット36Bの出口側に設
置してもよい。このコリメータの設置は実施例5で得ら
れる効果(14)を生じる。
【0097】(16)本実施例では、回転する放射線検
出器環状体3に設けられた複数の放射線検出器4が環状
に配置されている。本実施例は、環状に配置されたそれ
らの放射線検出器4によって被検体である被検診者35
から放出される複数のγ線の対を検出できると共に、環
状に配置されたそれらの放射線検出器4の一部によって
周方向に移動するX線源9から放出されて被検診者35
を透過したX線も検出できる。このため、本実施例は、
実施例1と同様に、撮像装置が一台あればよく、X線C
T検査及びPET検査の両方を実施できる放射線検査装
置の構成を単純化できる。
【0098】本実施例はスリット36Bの横断面形状を
放射線検出器環状体の軸方向に細長い矩形としその軸方
向にX線源9を移動できる構成を有するが、これに限定
されずに、例えばX線源のビーム形状に合った最小限の
スリットを形成してもよい。このような構成によって、
X線源の軸方向移動機構(スキャンレール12Bを有す
るX線源装置保持部48等)は不必要となる。この場合
には、被検診者35をベッド16によりその軸方向に移
動させればよい。
【0099】実施例1ないし実施例6では、X線の照射
はファンビーム形状で行われているがX線の照射はこれ
に限定されない。例えばX線をコーンビーム状に照射し
て3次元の合成断層像のデータを得ることも可能であ
る。実施例1ないし実施例6では、放射線検出器4とし
てCdTeを適用した半導体放射線検出器を用いている
が、CZT及びGaAs等を適用した半導体放射線検出
器を用いることもできる。また、半導体放射線検出器以
外の放射線検出器であるシンチレータを使用することも
可能である。実施例1ないし実施例6では、X線源、ま
たはX線源及び放射線検出器を被検体の周りで旋回させ
ているが、X線源及び放射線検出器を固定して被検体を
回転させてもよい。
【0100】実施例1〜6は、被検体に対する孔部30
の軸方向における検査をベッド16の移動により行って
いる。これに対して、その検査を、ベッド16を固定し
て撮像装置をその軸方向に移動することによって実施す
ることもできる。また、実施例1〜6では、放射線検出
器を円筒形に配置しているが、その配置はそれに限定さ
れない。例えば、放射線検出器を設置した平面パネルを
6枚組合せ6面体状に配置するなどその形は様々に構成
可能である。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、環状に配置された複数
の放射線検出器によって、被検体から放出される複数の
γ線の対を検出できると共に、周方向に移動するX線源
から放出されて被検体を透過したX線も検出できる。こ
のため、放射線検査装置の構成が単純化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である実施例1の放射
線検査装置の縦断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1に示す実施例1における信号弁別装置の詳
細構成図である。
【図4】図3の波形整形装置に入力されるγ線撮像信号
の波形を示す説明図である。
【図5】図3の波形整形装置から出力されたγ線撮像信
号の波形を示す説明図である。
【図6】図1のコンピュータで実行される処理手順のフ
ローチャートである。
【図7】本発明の他の実施例である実施例2の放射線検
査装置の縦断面図である。
【図8】図7に示す実施例2における信号弁別装置の詳
細構成図である。
【図9】図7のコンピュータで実行される処理手順のフ
ローチャートである。
【図10】図7の放射線検出器で検出されたγ線撮像信
号のエネルギースペクトルを示す説明図である。
【図11】γ線撮像信号を除去したX線撮像信号のエネ
ルギースペクトルを示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施例である実施例3の放射線
検査装置の縦断面図である。
【図13】本発明の他の実施例である実施例4の放射線
検査装置の縦断面図である。
【図14】本発明の他の実施例である実施例5の放射線
検査装置の縦断面図である。
【図15】図14のXV−XV断面図である。
【図16】本発明の他の実施例である実施例6の放射線
検査装置の縦断面図である。
【図17】図16のXVII−XVII断面図である。
【図18】図16のXVIII−XVIII断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E…放射線検査装置、
2,2A,2B,2C,2D,2E…撮像装置、3,3
A,3B,3C,3D…放射線検出器環状体、4…放射
線検出器、6…支持部材、7…X線源周方向移動装置、
8,8A,8B,8C…X線源装置、9…X線源、10
…X線源駆動装置、11…被検診者保持装置、12,1
2A,12B…スキャンレール、13,13A…X線源
装置保持部、16…ベッド、17,17A…駆動装置制
御装置、18,18A…X線源制御装置、19,19A
…信号弁別装置、20…波形整形装置、21…γ線弁別
装置、22…信号処理装置、26…同時計数装置、27
…コンピュータ、28…記憶装置、29…表示装置、3
0…孔部、31…切替スイッチ、36,36A,36B
…スリット、38…波高分析装置、39…コリメータ、
40…環状回転体、41…周方向駆動装置、42…回転
体保持部、44…駆動装置、48…X線源装置保持部、
49、50…ガイド溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61B 6/03 331 A61B 6/03 331 G01T 1/161 G01T 1/161 E (72)発明者 小嶋 進一 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 岡崎 隆司 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 梅垣 菊男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 北口 博司 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 2G088 EE02 FF02 FF04 JJ02 JJ14 4C093 AA21 AA22 BA03 CA32 CA37 EA02 EA05 EA12 EB13 EB16 EB17 EB18 EC15 EC41 EC52 ED07 EE01 FA15 FA19 FA22 FA43 FC11 FF35

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体を乗せるベッドと、撮像装置とを備
    え、 前記撮像装置は、前記被検体からの放射線を検出し環状
    に設置された複数の放射線検出器を有する放射線検出器
    環状体と、前記被検体にX線を照射するX線源と、前記
    X線源を前記放射線検出器環状体の周方向へ移動させる
    X線源移動手段とを含んでいることを特徴とする放射線
    検査装置。
  2. 【請求項2】前記X線源を前記放射線検出器環状体の軸
    方向に移動させるX線源軸方向移動手段を有する請求項
    1記載の放射線検査装置。
  3. 【請求項3】前記X線源が前記放射線検出器環状体の内
    側で前記放射線検出器環状体の周方向に移動する請求項
    1または請求項2記載の放射線検査装置。
  4. 【請求項4】前記X線源が前記放射線検出器環状体の外
    側で前記放射線検出器環状体の周方向に移動する請求項
    1記載の放射線検査装置。
  5. 【請求項5】前記X線源が前記放射線検出器環状体の周
    囲を移動し、前記放射線検出器環状体は、前記X線源か
    ら放出されるX線を前記放射線検出器環状体の内側に向
    かって通すスリットを有する請求項4記載の放射線検査
    装置。
  6. 【請求項6】複数の前記放射線検出器環状体が軸方向に
    配置され、前記スリットはそれらの前記放射線検出器環
    状体間に形成され、前記X線源から放出するX線が前記
    スリットを通って前記放射線検出器環状体の前記放射線
    検出器に達する請求項5記載の放射線検査装置。
  7. 【請求項7】内部を前記X線が通過するコリメータを前
    記スリットと前記放射線検出器との間に配置し、前記放
    射線検出器を前記コリメータの周囲に配置した請求項5
    または請求項6記載の放射線検査装置。
  8. 【請求項8】前記X線源が前記放射線検出器環状体の側
    面側に位置し、前記X線源から放出するX線が前記放射
    線検出器環状体の前記放射線検出器に達する請求項4記
    載の放射線検査装置。
  9. 【請求項9】被検体を乗せるベッドと、撮像装置とを備
    え、 前記撮像装置は、前記被検体からの放射線を検出し環状
    に設置された複数の放射線検出器を有し、かつ回転する
    放射線検出器環状体と、前記放射線検出器環状体と共に
    回転し、かつ前記被検体にX線を照射するX線源と、前
    記放射線検出器環状体を回転させる駆動装置とを含んで
    いることを特徴とする放射線検査装置。
  10. 【請求項10】前記放射線検出器は前記被検体から放出
    される前記放射線の一種であるγ線を検出する請求項1
    ないし請求項9のいずれかに記載の放射線検査装置。
  11. 【請求項11】前記放射線検出器は半導体放射線検出器
    である請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の放射
    線検査装置。
  12. 【請求項12】前記放射線検出器は、前記放射線の1つ
    である、前記被検体を透過した前記X線の検出信号であ
    る第1検出信号、及び他の前記放射線である、前記被検
    体から放出されたγ線の検出信号である第2検出信号を
    出力する請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の放
    射線検査装置。
  13. 【請求項13】前記X線源からのX線の放出及び停止を
    交互に行わせかつそのX線の放出を設定された時間の間
    に行わせる制御装置を備えた請求項12記載の放射線検
    査装置。
  14. 【請求項14】前記放射線検出器は、前記放射線の1つ
    である、前記被検体を透過した前記X線の検出信号であ
    る第1検出信号、及び他の前記放射線である、前記被検
    体から放出されたγ線の検出信号である第2検出信号を
    含む出力信号を出力する請求項1ないし請求項9のいず
    れかに記載の放射線検査装置。
  15. 【請求項15】入力した前記出力信号から前記第1検出
    信号と前記第2検出信号とを分離し、かつ前記複数の放
    射線検出器の各々に接続された信号分離装置を備えた請
    求項14記載の放射線検査装置。
  16. 【請求項16】前記第1検出信号に基づいて前記被検体
    の第1断層像のデータを作成し、前記第2検出信号に基
    づいて前記被検体の第2断層像のデータを作成し、かつ
    前記第1断層像のデータと前記第2断層像のデータとを
    合成した合成断層像のデータを作成する断層像データ作
    成装置を備えた請求項12または請求項14記載の放射
    線検査装置。
  17. 【請求項17】被検体からの放射線を検出し環状に設置
    された複数の放射線検出器を有する放射線検出器環状体
    と、前記被検体にX線を照射するX線源と、前記X線源
    を前記放射線検出器環状体の周方向へ移動させるX線源
    移動手段とを有する撮像装置を用いて、前記被検体に対
    するX線CT検査及びPET検査を行うことを特徴とす
    る放射線検査方法。
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