JP2003078318A - アンテナ - Google Patents

アンテナ

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JP2003078318A
JP2003078318A JP2001265550A JP2001265550A JP2003078318A JP 2003078318 A JP2003078318 A JP 2003078318A JP 2001265550 A JP2001265550 A JP 2001265550A JP 2001265550 A JP2001265550 A JP 2001265550A JP 2003078318 A JP2003078318 A JP 2003078318A
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JP
Japan
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antenna
sliding
spring
rod
solid lubricant
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Application number
JP2001265550A
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English (en)
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Kiyoo Heiko
清雄 平工
Hiroshi Takagi
博史 高城
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NEC Saitama Ltd
Anten Corp
Original Assignee
NEC Saitama Ltd
Anten Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動が円滑であり電気的な導通が良好な、潤
滑成分が外部に漏出しない引出式のアンテナを提供す
る。 【解決手段】 携帯通信機の筐体1に備え付けの多段伸
縮式のホイップアンテナ2が筐体1内の空間に収納され
ると、コイルエレメント11がサポート50に接触して
給電され、コイルアンテナとして機能する。また、ホイ
ップアンテナ2は、上部エレメント10および下部エレ
メント30からなる棒状アンテナの部分が伸縮可能であ
る。棒状アンテナの伸張時には、上部エレメント10と
下部エレメント30とが電気的に接続されて一体化さ
れ、1つの棒状アンテナとして機能すると共にサポート
50によって給電される。サポート50の内部と、上部
エレメント10および下部エレメント30の接触部とに
はそれぞれ、導電性の固体潤滑剤の被膜18fが形成さ
れたスプリング18および51が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引出式のアンテナ
に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯通信機に備えられるホイップアンテ
ナは、コイルアンテナと棒状アンテナとによって構成さ
れる。収納時にはホイップアンテナは携帯通信機の筐体
内に位置し、コイルアンテナのみが筐体から突出する。
この状態では、携帯通信機の本体に固定されたサポート
に接触することによって、コイルアンテナのみが給電さ
れる。一方、伸張時にはホイップアンテナは筐体から引
き出され、棒状アンテナの部分が筐体から突出すると共
にサポートに接触して給電される。そして、コイルアン
テナを待ち受け用のアンテナ、棒状アンテナをより利得
の良い通信用のアンテナとして選択して用いることによ
って、待ち受け時にホイップアンテナが邪魔にならない
ようにすると共に通信時の特性を向上させている。
【0003】以上のように、ホイップアンテナは、伸張
されたり収納されたりする。サポートの内部には、金属
のような弾性および導電性を有する材料を用いて形成さ
れたスプリングが固定されている。サポートの貫通孔内
に取り付けられたスプリングは、サポート内を摺動する
ホイップアンテナによって若干押し広げられた状態でこ
のホイップアンテナに接触し、サポートと棒状アンテナ
とを電気的に導通させて信号の送受信を可能とする。
【0004】スプリングは、サポートおよび棒状アンテ
ナの接触部に用いられるだけではなく、多段伸縮式のホ
イップアンテナを構成する棒状アンテナの複数のエレメ
ント同士の接合部にも用いられる。筒状をしている下段
側のエレメント内に挿入された上段側のエレメントに取
り付けられたスプリングは、下段側のエレメントの内壁
に接しながら若干押し潰された状態で摺動することによ
って、ホイップアンテナのガタつきのない伸縮を実現す
る。さらに、これらのエレメントを電気的に導通させて
一体化させ、1つのアンテナとして動作させる。
【0005】従来、このスプリングには摺動を円滑化す
るために、潤滑グリース等の液体潤滑剤が塗布されてい
た。液体潤滑剤は、ホイップアンテナの移動時にはスプ
リングとサポートの内壁との間に介在し、摩擦係数を低
下させていた。一方、スプリングおよび内壁は液体潤滑
剤が塗布されていても、互いに接触して電気的に導通し
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液体潤滑剤は
流動性を有しており、スプリングに過度に塗布すると余
剰分がホイップアンテナの継ぎ目等から外部に漏れ出て
しまうおそれがあった。従って、塗布量は慎重に決定お
よび遵守しなければならず、管理が困難であるという問
題点があった。
【0007】本発明は以上の問題点を解決するためにな
されたものであり、エレメントの摺動が円滑であり電気
的な導通が良好な、潤滑成分が外部に漏出しない引出式
のアンテナを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、アンテナ
の引出または収納のために摺動するバネ性の摺動部(1
8)を有するエレメント(10,30)を備えたアンテ
ナにおいて、前記摺動部は、表面に導電性の固体潤滑剤
(18f)を有し、前記エレメントは、前記摺動部を介
して電気的に導通して給電される。
【0009】第2の発明は、第1の発明の前記エレメン
ト(10,30)が、棒状導体(10)と、前記棒状導
体を収納可能な筒状体(30)とを含み、前記摺動部
は、前記棒状導体の端部付近に配置され、外径が前記筒
状体の内径以上であり、弾性を有し、表面に前記固体潤
滑剤の層を有する湾曲部を備え、前記湾曲部が前記筒状
体の内壁に当接した状態で該内壁上を摺動する。
【0010】第3の発明は、第2の発明の前記摺動部
が、弾性材料の成形による細径部(18a)および太径
部(18b)を有し、前記摺動部は、前記細径部におい
て前記棒状導体に接触し、前記太径部は、前記湾曲部に
よって構成される。
【0011】第4の発明は、アンテナの引出または収納
のために摺動するエレメント(30)と、バネ性の摺動
部(51)を有し、無線機(1)に取り付けられる給電
部(50)とを備え、前記給電部が無線機に取り付けら
れることによって保持されるアンテナにおいて、前記摺
動部は、表面に導電性の固体潤滑剤(18f)を有し、
前記エレメントは、前記摺動部を介して前記給電部と電
気的に導通して給電される。
【0012】第5の発明は、第4の発明の前記摺動部
(51)が筒状をしている前記給電部(50)内に取り
付けられる筒状導体であり、表面に前記固体潤滑剤の層
が形成されており内部の空間に向かって湾曲する湾曲部
(51b)を有し、前記湾曲部は弾性を有し、摺動する
前記エレメント(30)に当接しつつこれに押圧力を与
える。
【0013】第6の発明は、第1の発明ないし第5の発
明のいずれかの前記固体潤滑剤が、導電性を有する連続
相(C)と、前記固体潤滑剤の表面において前記連続相
から露出することによって、前記摺動部の摩擦係数を低
下させる潤滑成分を含む分散相(D)とを有する。
【0014】なお、以上の記載において括弧付きで付さ
れた参照符号は、実施の形態の構成との対応を例示して
いる。これらの参照符号は、特許請求の範囲の事項を限
定することを意図したものではない。
【0015】
【発明の作用および効果】第1の発明によると、摺動部
の表面の固体潤滑剤によってエレメントの摺動が円滑化
される。固体潤滑剤は流動性を有さず、アンテナの外部
に漏出するおそれがない。また、固体潤滑剤は導電性を
有しており、エレメントへの給電が固体潤滑剤によって
阻害されることはない。
【0016】第2の発明によると、弾性を有する湾曲部
が筒状体の内壁に当接する際になるべく隙間が生じない
ように、筒状体の内径以上に摺動部の外径が設定されて
いる。このような設定によって湾曲部と筒状体とが接触
し、棒状導体および筒状体間の電気的導通が確立される
と共にぐらつきが抑制される。特に、湾曲部の外径が筒
状体の内径よりも大きい場合には、湾曲部は筒状体の内
壁によって押し潰されて変形し、この変形に応じて生じ
る復元力によって湾曲部は筒状体の内壁に押し付けられ
る。この押圧力によって湾曲部と筒状体の内壁との密着
性が増し、以上の効果がさらに顕著になる。
【0017】第3の発明によると、棒状導体と筒状部と
が細径部および太径部を介して電気的に接続される。
【0018】第4の発明によると、摺動部の表面の固体
潤滑剤によってエレメントの摺動が円滑化される。固体
潤滑剤は流動性を有さず、アンテナの外部に漏出するお
それがない。また、固体潤滑剤は導電性を有しており、
給電部からエレメントへの給電が固体潤滑剤によって阻
害されることはない。
【0019】第5の発明によると、給電部およびエレメ
ント間の電気的導通が、筒状導体である摺動部を介して
確立される。摺動部に設けられた湾曲部が押圧力を与え
つつエレメントに当接することによって、エレメントお
よび摺動部の接触面積が確保されると共に、エレメント
の摺動が円滑となる。
【0020】第6の発明によると、連続相の導電性によ
ってエレメントへの給電が可能となり、分散相中の潤滑
成分によってエレメントの摺動の潤滑性が確保される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しつつ説明する。まず、携帯通信機の全体的な
構成について説明を行う。図1は、携帯通信機の構成を
例示する斜視図である。
【0022】携帯通信機の筐体1には、多段伸縮式のホ
イップアンテナ2が備え付けられている。筐体1の内部
には空間が設けられている。コイルアンテナによって送
受信を行う際には、ホイップアンテナ2のうち棒状アン
テナの部分はこの空間内に収納される(図1左側)。こ
の状態ではコイルエレメント11が給電され、コイルア
ンテナとして機能する。
【0023】一方、コイルアンテナの下方に位置する棒
状アンテナを用いて送受信を行う際には、ホイップアン
テナ2は筐体1から引き出される(図1右側)。ホイッ
プアンテナ2は両矢印によって示されるように、上部エ
レメント10および下部エレメントによって構成される
棒状アンテナの部分が伸縮可能である。棒状アンテナの
伸張時には、上部エレメント10と下部エレメント30
とが電気的に接続されて一体化され、コイルアンテナよ
りも性能に優れる1つの棒状アンテナとして機能する。
【0024】次に、ホイップアンテナ2の構成について
詳細に説明を行う。図2は、本発明の実施の形態のホイ
ップアンテナ2の伸長時の構成を例示する側面図であ
る。本発明の実施の形態のホイップアンテナ2は、上部
エレメント10と、その下方に配置された下部エレメン
ト30とによって構成される。両エレメント10および
30は、下部エレメント30の先端に固定されたジョイ
ント金具31によって互いに接続される。そして、上部
エレメント10が下部エレメント30内に収納可能とな
るように構成されている。
【0025】上部エレメント10は棒状導体15を中心
に構成されている。この棒状導体15を望ましくは超弾
性合金で形成すると、曲げ応力に対して変形しにくいエ
レメントが得られる。棒状導体15の周囲は絶縁性を有
する合成樹脂製のチューブ16によって覆われており、
導電性の金属製エレメントが剥き出しにはなっていな
い。
【0026】上部エレメント10の上端には、コイルエ
レメント11を内蔵する合成樹脂製のカバー12が設け
られている。また、カバー12の下部には、上部エレメ
ント10よりも太径な金具13が設けられている。この
金具13はアンテナ収納時に、携帯通信機の筐体1(点
線部)に取り付けられたサポート50と接触して(図3
参照)、コイルエレメント11に高周波信号を供給する
給電金具として機能する。さらに、金具13の内側には
合成樹脂製のジョイント14が設けられており、上部エ
レメント10と金具13とを互いに絶縁しつつ固定す
る。
【0027】下部エレメント30は、金属製の線材を螺
旋状に巻き回して形成した中空の筒状のエレメントによ
って構成されている。さらに、下部エレメント30内部
の空間に上部エレメント10が摺動して出し入れ可能な
ように構成されている。この線材は、ホイップアンテナ
2の伸縮方向が長径(下部エレメント30の径方向が短
径)となる小判状の断面形状をしている。これは、線材
の断面積を小さくせずに強度を確保しつつ、下部エレメ
ント30の外径を太くしないで内径を大きくするためで
ある。下部エレメント30の周囲は、絶縁性を有する合
成樹脂製のチューブ33によって、導電性を有する線材
が露出しないように覆われている。
【0028】下部エレメント30の上端にはジョイント
金具31が固着されている。後述する上部エレメント1
0に取り付けられているワッシャ17(図4参照)が金
具31に当接すると、上部エレメント10の上方向への
摺動が制限される。このように、金具31は、上部エレ
メント10が下部エレメント30から抜けて脱落しない
ように摺動を規制するストッパの役目を有する。下部エ
レメント30の下端には、下部エレメント30よりも太
径の金具34が設けられている。筐体1に取り付けられ
たサポート50と金具34とがアンテナ伸長時に接触す
ることによって、金具34は下部エレメント30に高周
波信号を供給する給電金具として機能する。
【0029】サポート50は、携帯通信機の筐体1(筐
体表面を破線で示す)に取り付けられるとともに携帯通
信機の送受信部に電気的に接続されており、ホイップア
ンテナ2に対して給電する給電用接点として機能する。
このサポート50の貫通孔の内部には、バネ性の筒状部
材であるドラムスプリングが取り付けられている。この
ドラムスプリングは、下部エレメント30または金具1
3に押圧力を与えつつ保持する。サポート50は、アン
テナ伸長時には図2に例示されるように下部エレメント
30の下部に位置する。この状態で、サポート50は金
具34と接触して下部エレメント30に給電する。以上
のようにしてホイップアンテナ2は携帯通信機に取り付
けられ、高周波信号を与えられる。
【0030】図3は、本発明の実施の形態のホイップア
ンテナの収納時の側面図である。図3は図2と異なり、
ホイップアンテナ2は筐体1に収納されている。具体的
には、上部エレメント10は下部エレメント30内部の
空間に収納されており、この下部エレメント30も筐体
1(筐体表面を破線で示す)の内部に設けられたアンテ
ナ収納用の空間に収納されている。従って、アンテナ収
納時にはカバー12で覆われるコイルエレメント11の
みが筐体1から突出している。
【0031】アンテナ収容時には、上部エレメント10
は、ジョイント14がジョイント金具31と接する位置
まで、下部エレメント30の中に収納されるように押し
下げられている。また、サポート50は上部エレメント
10の上部(コイルエレメント11のカバー12の下
部)に位置し、金具13と接触してコイルエレメント1
1に高周波信号を給電している。
【0032】図4は、図2に示すホイップアンテナの上
部エレメント10の側面図である。上部エレメント10
を構成する棒状導体15は、その大部分がチューブ16
によって覆われてはいるが、最下部はチューブ16によ
って覆われてはいない。この棒状導体15の露出部には
チューブ16に近い位置から、ワッシャ17、スプリン
グ18、スリーブ19が順に挿入されて配置されてい
る。
【0033】チューブ16は、柔らかい合成樹脂で形成
されており、軸方向に押し付けられると縮むような弾性
を有し、軸方向に押されることによって反発力を発生す
る。
【0034】ワッシャ17は、ジョイント金具31に当
接する上部エレメント10の抜け止めとして、また、ス
プリング18が棒状導体15とチューブ16との間に入
り込んだり、チューブ16に食い込んだりしないように
規制するストッパとして設けられている。また、スプリ
ング18は、両端に棒状導体15の径に合致した内径を
有する細径部18aと、細径部18bよりも太い太径部
18bとを有する。太径部18bの最大部分の外径は詳
細には、下部エレメント30の内径と同一か、これより
も若干大きくなるように設定されている。スプリング1
8は、細径部18aで棒状導体15と接触しており、太
径部18bで上部エレメント10の外側に位置する下部
エレメント30の内壁と接触して、上部エレメント10
と下部エレメント30とを電気的に接続させている。ス
リーブ19は中空の円筒形をしており、棒状導体15の
下端に挿入されて棒状導体15にカシメによって固着さ
れている。
【0035】スプリング18は、軸方向に垂直な方向か
ら与えられる力に応じて縮む弾性を有している。また、
このスプリング18は棒状導体15に挿入されている
が、スプリング18自体が棒状導体15に固定されてい
るものではなく、棒状導体15に固定されるスリーブ1
9によってスプリング18の取り付け位置が定まる。
【0036】本実施の形態では、スリーブ19は筒状の
形状をしているが、棒状導体15に固定できる形状であ
れば他の形状(例えば、筒の側面の一部が欠けたU字
型)でもよい。また、スリーブ19はカシメによって棒
状導体15に固定されているが、他の方法(例えば、溶
接、接着等)によって固着してもよい。
【0037】図5は、図4に示すスプリング18の斜視
図である。スプリング18は、固体潤滑剤を原料とする
被膜18fによって覆われたバネ性の部材である。詳細
には、スプリング18は、中央部がスリット(18c)
状に打ち抜かれた金属薄板を丸めて構成されている。丸
められた両端は、細径部18aを構成する。打ち抜かれ
た中央部は湾曲によって膨らみを持たされて、太径部1
8bを構成する。スプリング18は、中央の太径部18
bが膨らんだり縮んだりすることによって、軸方向に伸
縮する弾性を有している。
【0038】金属薄板が筒状に丸められて形成された細
径部18aの合わせ面には、凸部18dと、これの対と
なる凹部18eとが形成されている。細径部18aの内
側に屈曲されている凸部18dの先端が棒状導体15に
接触することによって、下部エレメント30の内部にお
けるスプリング18の回転が抑制されている。
【0039】下部エレメント30の内孔に挿入されたス
プリング18は太径部18bの最大外径が下部エレメン
ト30の内径以上であるので、上部エレメント10の移
動方向に垂直な方向にガタつくこともなく、上部エレメ
ント10は下部エレメント30の長手方向(棒状導体1
5の軸方向)において移動可能である。
【0040】スプリング18は下部エレメント30の内
部を、この下部エレメント30の内壁に太径部18bの
湾曲部が当接する状態で摺動する。特に、太径部18b
の最大外径が下部エレメント30の内径よりも大きく設
定されている場合には、太径部18bの湾曲部は下部エ
レメント30の内壁によって押し潰される。すると、太
径部18bの弾性によって湾曲部に復元力が生じ、太径
部18bは下部エレメント30の内壁に押圧力を与えて
密着する。これによって、太径部18bと下部エレメン
ト30との間に電気的な導通が確保される。
【0041】図6は、図5に示すスプリング18の表面
の構成を例示する断面図である。スプリング18の金属
薄板18g上には、固体潤滑剤の被膜18fが積層され
ている。被膜18fは無電解めっきによって金属薄板1
8g上に形成されたものであり、導電性の連続相Cと潤
滑性の分散相Dとによって構成される。連続相Cの原料
となる金属として、電気伝導度に優れる例えばニッケル
を用いることができる。分散相Dの潤滑剤としては、ポ
リテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))等
のフッ素樹脂を用いることができる。
【0042】分散相Dである潤滑性の粒子のいくつか
は、連続相Cの表面上に点在する。すなわち、被膜18
fの表面においては、連続相Cと分散相Dとの双方が露
出する。ここで、スプリング18が下部エレメント30
の内壁上を摺動する際には、被膜18fの表面が下部エ
レメント30の内壁に接触する。すると、表面において
露出する分散相Dの粒子によって、スプリング18の表
面および下部エレメント30の内壁の間の摩擦係数が低
下する。これによって、摺動が滑らかとなる。また、摺
動の際に連続相Cと下部エレメント30の内壁とが接触
し、下部エレメント30と棒状導体15とは、導電性の
連続相Cおよび金属薄板18gを介して電気的に接続さ
れる。
【0043】固体潤滑剤の被膜18fは流動性を有して
おらず、従来の液体潤滑剤のように余剰分が漏出するお
それがない。また、連続相Cとして硬質クロムめっきま
たは加熱処理された無電解ニッケルめっきを用いること
によって、被膜18fの耐磨耗性を向上させることが可
能である。この場合には、被膜18fの寿命が延び、ス
プリング18の耐久性が向上する。
【0044】ここで、図6に例示されるような構成を有
する固体潤滑剤は従来から使用されているが、連続相C
が導電性を有することは利用されていなかった。本発明
においては連続相Cの導電性に着目し、摺動と電気的導
通の仲介という機能を有するスプリング18の表面に固
体潤滑剤の被膜18fを形成するという、固体潤滑剤の
新たな用途を提示する。
【0045】被膜18fの潤滑性と電気伝導性とを最適
化するには、被膜18f中のテフロン(登録商標)の体
積含有率を20〜24%に調節することが好ましい。ま
た、テフロン(登録商標)の粒子の直径は、0.1〜
0.5μmに設定することが好ましい。
【0046】被膜18fとして用いられる固体潤滑剤を
用いて、図2および図3に例示されるサポート50の内
面に取り付けられるドラムスプリングに被膜を形成して
も良い。図7は、ドラムスプリング51が嵌め込まれた
サポート50の構成を例示する断面図である。図8は、
サポート50にドラムスプリング51が嵌めこまれる前
の状態を例示する斜視図である。図9は、ドラムスプリ
ング51単体の構成を例示する側面図である。
【0047】図7および図8に例示されるように、スプ
リング50は貫通孔を有する筒形をしており、この貫通
孔にドラムスプリング51が嵌まり込む。スプリング5
0の貫通孔側の表面には、図7に例示されるように、ド
ラムスプリングの長さに対応する分だけ距離が離れてい
る突起50aおよび突起50bが設けられている。サポ
ート50の貫通孔内に嵌め込まれたドラムスプリング5
1は、突起50aおよび突起50bによって両端から挟
みこまれる。このようにして突起50aおよび突起50
bがストッパとして機能することによって、一旦嵌め込
まれたドラムスプリング51がサポート50から脱落し
てしまうことが防止される。サポート50の貫通孔のう
ち、嵌め込まれたドラムスプリング51が位置する部分
を、スプリング封入部50cと称する。
【0048】ドラムスプリング51は、図4に例示され
るスプリング18と同様に、弾性および導電性を有する
金属等の材料を用いて形成されている。図8に例示され
るように、ドラムスプリング51は、矩形状の窓が複数
設けられた金属板を用意し、この金属板の中間部分に対
して圧力を付加する等の処理を行うことによって金属板
を反らせ、反らせた方の面を内側にして丸めることによ
って成型することが可能である。
【0049】ドラムスプリング51は、成型された金属
板の円周方向において向かい合う両端は互いには接触し
ておらず、筒の側面の一部が完全に欠けた形状をしてい
る。図7および図9に例示されるようにドラムスプリン
グ51は、円筒の軸方向における端部51aよりも中間
部の方が径が細くなっている。詳細には、中間部は径の
内側へと突出する湾曲部51bを構成する。以上のよう
に、ドラムスプリングは太径部である端部51aおよび
細径部である湾曲部51bを有する。外部から力が加え
られていない自然な状態でのドラムスプリング51の最
大外径は、サポート50の封入部50cの内径以上にな
るように設定されている。一方、ドラムスプリング51
の側面の円周方向の長さ、すなわち金属板の長さは、封
入部50cの内径よりも短くなるように設定されてい
る。
【0050】ドラムスプリング51の表面にも、図6と
同様の固体潤滑剤の被膜が形成される。この被膜の分散
相によってドラムスプリング51の摩擦係数は金属板が
剥き出しの場合よりも低下すると共に、連続相によって
ドラムスプリング51の電導性は保持される。
【0051】ドラムスプリング51はサポート50内の
貫通孔に嵌め込まれる時には、機械的な加圧手段によっ
て周囲から押圧力を与えられて側面の切れ目の部分が互
いに近づくことによって容易に変形し、外径が小さくな
る。このように外径が小さくなった状態でドラムスプリ
ング51はサポート50内の封入部50cに挿入され、
この後に加圧手段による抑制が解かれると弾性によって
元の大きさに復帰しようとする。既述のようにドラムス
プリング51の最大外径が封入部50cの内径以上に設
定されていることによって、ドラムスプリング51は軸
方向における両端部51aが封入部50cに接触した状
態で、突起50aおよび突起50bによって軸方向の移
動を禁止される。
【0052】特にドラムスプリング51の最大外径が封
入部50cの内径よりも大きくなるように設定されてい
る場合には、ドラムスプリング51の両端部51aと封
入部50cとの間で十分な押圧力が生じる。すると、接
触面積が十分に確保され、これによってドラムスプリン
グ51およびサポート50間の電気的導通が良好とな
る。
【0053】サポート50内に取り付けられたバネ性の
ドラムスプリング51は、既述のように内側へと突出す
る湾曲部51bを有する。サポート50の貫通構内を摺
動する下部エレメント30は、この湾曲部51bを軽く
押し潰して変形させることによって押圧力を生じさせ
る。この押圧力によって、下部エレメント30とドラム
スプリングの湾曲部51bとが密着する。ドラムスプリ
ング51の表面に導電性の固体潤滑剤の被膜を形成する
ことによって、下部エレメント30の摺動が円滑化され
ると共に、ドラムスプリング51の耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアンテナが適用される携帯通信
機の斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態のホイップアンテナの伸
長時の側面図である。
【図3】 図2に示すホイップアンテナの収納時の側面
図である。
【図4】 図2に示すホイップアンテナの上部エレメン
トの側面図である。
【図5】 図4に示すスプリングの斜視図である。
【図6】 図4に示すスプリングの断面図である。
【図7】 サポート50およびドラムスプリング51の
構成を例示する断面図である。
【図8】 サポート50およびドラムスプリング51の
構成を例示する斜視図である。
【図9】 ドラムスプリング51の構成を例示する側面
図である。
【符号の説明】
1 携帯通信機(筐体) 2 ホイップアンテナ 10 上部エレメント 11 コイルエレメント 13 金具 15 棒状導体 16 チューブ 17 ワッシャ 18 スプリング 18a 細径部 18b 太径部 18f 固体潤滑剤の被膜 18g 金属薄板 30 下部エレメント 31 ジョイント金具 34 金具 50 サポート 51 ドラムスプリング 51b 湾曲部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高城 博史 埼玉県児玉郡神川町大字元原字豊原300番 18 埼玉日本電気株式会社内 Fターム(参考) 5J046 AA01 AA02 AA04 AB06 DA03 5J047 AA01 AA02 AA04 AB06 FA10 FD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナの引出または収納のために摺動
    するバネ性の摺動部を有するエレメントを備えたアンテ
    ナにおいて、 前記摺動部は、表面に導電性の固体潤滑剤を有し、 前記エレメントは、前記摺動部を介して電気的に導通し
    て給電されることを特徴とするアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンテナであって、 前記エレメントは、棒状導体と、前記棒状導体を収納可
    能な筒状体とを含み、前記摺動部は、 前記棒状導体の端部付近に配置され、 外径が前記筒状体の内径以上であり、弾性を有し、表面
    に前記固体潤滑剤の層を有する湾曲部を備え、 前記湾曲部が前記筒状体の内壁に当接した状態で該内壁
    上を摺動することを特徴とするアンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のアンテナであって、 前記摺動部は、弾性材料の成形による細径部および太径
    部を有し、 前記摺動部は、前記細径部において前記棒状導体に接触
    し、 前記太径部は、前記湾曲部によって構成されることを特
    徴とするアンテナ。
  4. 【請求項4】 アンテナの引出または収納のために摺動
    するエレメントと、 バネ性の摺動部を有し、無線機に取り付けられる給電部
    とを備え、 前記給電部が無線機に取り付けられることによって保持
    されるアンテナにおいて、 前記摺動部は、表面に導電性の固体潤滑剤を有し、 前記エレメントは、前記摺動部を介して前記給電部と電
    気的に導通して給電されることを特徴とするアンテナ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のアンテナであって、 前記摺動部は、 筒状をしている前記給電部内に取り付けられる筒状導体
    であり、 表面に前記固体潤滑剤の層が形成されており内部の空間
    に向かって湾曲する湾曲部を有し、 前記湾曲部は弾性を有し、摺動する前記エレメントに当
    接しつつこれに押圧力を与えることを特徴とするアンテ
    ナ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のうちのいずれ
    かに記載のアンテナであって、 前記固体潤滑剤は、 導電性を有する連続相と、 前記固体潤滑剤の表面において前記連続相から露出する
    ことによって、前記摺動部の摩擦係数を低下させる潤滑
    成分を含む分散相とを有することを特徴とするアンテ
    ナ。
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