JP2003077892A - プラズマエッチング装置およびプラズマエッチング方法 - Google Patents

プラズマエッチング装置およびプラズマエッチング方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく低コストで均一なエッチング加工を
行うことができるプラズマエッチング装置およびプラズ
マエッチング方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 処理室5内に上部電極6と対向して配置
された下部電極3上に被処理基板7を載置してプラズマ
エッチングを行うプラズマエッチング方法において、処
理室5内に酸素とフッ素ガスを含む混合ガスを供給し、
電極間距離L[m]と処理室5内の混合ガスの放電圧力
P[Pa]の積PLが、良好なエッチングレートを与え
る範囲である2.5[Pa・m]〜15[Pa・m]の
範囲の値となる条件下で、この上下電極間でプラズマ放
電を行わせるようにした。これにより、低コスト・高効
率のプラズマエッチングを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置などに
用いられるシリコン基板などの加工を行うプラズマエッ
チング装置およびプラズマエッチング方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体装置などに用いられるシリコン基
板の加工方法としてプラズマエッチングが知られてい
る。この方法は被処理物を処理室内に置き、処理室内を
減圧した後にプラズマ発生用のガスを供給して処理室内
に配置された電極間に高周波電圧を印加することにより
プラズマを発生させ、この結果発生したイオンや電子な
どのエッチング作用を加工に利用するものである。従来
プラズマエッチングに用いられる条件として、プラズマ
放電を発生させる電極間の距離を30〜80mm程度に
設定し、処理室内の圧力を1〜10Pa程度まで減圧し
た状態でプラズマエッチングが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
プラズマエッチングには以下に述べるような問題点があ
った。まず、上記のような高真空度でプラズマエッチン
グを行った場合には、エッチングによって表面が除去さ
れる速度を示すエッチングレートが0.1μm/分程度
であり、所要除去量が多い場合にはエッチング処理に長
時間を要するとともに、高真空度が求められるため各処
理サイクルごとに長い排気時間を必要とし、前述のエッ
チングレートの低さと相まって全体の処理効率を更に低
下させることとなっていた。
【0004】また高真空度を必要とするため真空系に高
い設備コストを要すること、および処理対象物は高真空
下に置かれるためこの対象物の保持に真空吸着を用いる
ことができず、高価な静電吸着や機械的な固定方法が用
いられていたことなどから、設備の簡略化が困難で設備
費用の低減が困難であった。更に、従来のプラズマエッ
チングには、電極間に発生するプラズマを均一に発生さ
せることが困難で、処理対象物に部分的なエッチング効
果のばらつきがが生じ、安定したエッチング処理が困難
であった。このように従来のプラズマエッチングにおい
ては、効率よく低コストで均一なエッチング加工を行う
ことが困難であるという問題点があった。
【0005】そこで本発明は、効率よく低コストで均一
なエッチング加工を行うことができるプラズマエッチン
グ装置およびプラズマエッチング方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のプラズマ
エッチング装置は、プラズマ放電によってフッ素ラジカ
ルをフッ素系ガスより生成し、このフッ素ラジカルをシ
リコンまたはシリコン系化合物を主な材質とする前記処
理基板に作用させてプラズマエッチング処理を行うプラ
ズマエッチング装置であって、処理室内に配置された上
部電極と、前記被処理基板を載置する下部電極と、前記
下部電極の内部の管路内に冷却媒体を循環させて前記被
処理基板を冷却する冷却手段と、前記上部電極と前記下
部電極の間に高周波電圧を印加しプラズマ放電を発生さ
せる高周波電源部と、前記上部電極と下部電極との電極
間距離L[m]と前記処理室内の放電圧力P[Pa]の
積PLが、2.5[Pa・m]〜15[Pa・m]の範
囲の値となるように前記放電圧力Pを制御する制御手段
を備え、前記冷却手段により前記被処理基板を冷却しな
がらプラズマ放電を行うようにした。
【0007】請求項2記載のプラズマエッチング装置
は、請求項1記載のプラズマエッチング装置であって、
前記電極間距離Lは、3[mm]〜7[mm]の範囲の
値である。
【0008】請求項3記載のプラズマエッチング装置
は、請求項1記載のプラズマエッチング装置であって、
前記下部電極に前記被処理基板を真空吸着によって保持
する保持手段を備えた。
【0009】請求項4記載のプラズマエッチング方法
は、処理室内に上部電極とシリコンまたはシリコン系化
合物を主な材質とする被処理基板を載置する下部電極を
配置し、前記下部電極に高周波電圧を印加して発生した
プラズマ放電によってフッ素ラジカルをフッ素系ガスよ
り生成し、このフッ素ラジカルを前記処理基板に作用さ
せてプラズマエッチング処理を行うプラズマエッチング
方法であって、前記上部電極と下部電極との電極間距離
L[m]と前記処理室内の放電圧力P[Pa]の積PL
が、2.5[Pa・m]〜15[Pa・m]の範囲の値
となる条件とし、前記下部電極の内部の管路内に冷却媒
体を循環させて前記被処理基板を冷却しながらプラズマ
放電を行うようにした。
【0010】請求項5記載のプラズマエッチング方法
は、請求項4記載のプラズマエッチング方法であって、
前記被処理基板は、シリコンもしくはシリコン化合物で
ある。
【0011】請求項6記載のプラズマエッチング方法
は、請求項4記載のプラズマエッチング方法であって、
前記電極間距離は、3[mm]〜7[mm]の範囲の値
である。
【0012】請求項7記載のプラズマエッチング方法
は、請求項4記載のプラズマエッチング方法であって、
前記被処理基板のプラズマエッチングによるエッチング
速度が、10,000オングストローム/分以上である
ようにした。
【0013】請求項8記載のプラズマエッチング方法
は、請求項4記載のプラズマエッチング方法であって、
前記下部電極に前記被処理基板を真空吸着によって保持
するようにした。
【0014】各請求項記載の発明によれば、平行平板電
極間の電極間距離と処理室内の混合ガスの圧力との積
が、エッチング率を向上させる所定範囲の値となるよう
にエッチング条件を設定することにより、低コスト・高
効率のプラズマエッチングを行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は本発明の
実施の形態1のプラズマエッチング装置の断面図、図2
は同プラズマエッチング装置のエッチングレートを示す
グラフ、図3は同プラズマエッチング条件を示すグラ
フ、図4は同半導体装置の製造方法の工程説明図であ
る。
【0016】まず図1を参照してプラズマエッチング装
置について説明する。図1においてベース部材1には開
口部1aが設けられており、開口部1aに嵌入して下方
より下部電極3が絶縁部材2を介して装着されている。
ベース部材1には、上方より蓋部材4が気密に当接す
る。蓋部材4、下部電極3およびベース部材1により閉
囲される空間は、下部電極3上に載置される被処理基板
7をプラズマエッチング処理する処理室5となってい
る。図示しない上下動手段によって蓋部材4を上下動さ
せることにより、処理室5は開閉され基板7の搬入・搬
出を行うことができる。基板7はシリコンもしくは酸化
珪素などのシリコン化合物を主な材質としている。
【0017】蓋部材4の上部には、上部電極6の支持部
6aが気密に挿通しており、上部電極6の下面と、下部
電極3の上面は略平板状で対向した配置となっている。
すなわち、上部電極6と下部電極3は平行平板電極とな
っている。なお上部電極6の下面および下部電極3の上
面は完全な平板状である必要はなく、多少の凹凸を有す
る形状であっても良い。また、蓋部材4を上部電極とし
て兼用する構造でも良い。
【0018】支持部6aを上下させて処理室5内での上
部電極6の高さ位置を調整することにより、上部電極6
の下面と下部電極3の上面との間の距離L(以下、電極
間距離Lと略称する。)を所定値に設定可能となってい
る。すなわち、支持部6aは電極間距離設定手段となっ
ている。なおこの電極間距離設定手段は、装置稼働時に
電極間距離Lを調整して設定するものであっても、また
装置製作時に電極間距離Lが設定され装置稼働時には電
極間距離Lを固定して使用するものであっても良い。
【0019】上部電極6の下面にはガス孔6cが多数設
けられており、ガス孔6cは支持部6aの内部に設けら
れたガス供給孔6bと連通している。ガス供給孔6bは
バルブ11を介してガス供給部10と接続されている。
ガス供給部10は、ガス供給手段であり5〜20%の体
積比率の酸素ガスと、6フッ化硫黄(SF6)や4フッ
化炭素(CF4)などのフッ素系ガスを含む混合ガスを
供給する。
【0020】ベース部材1には給排気孔1aが設けられ
ており、給排気孔1aにはバルブ17を介して排気用真
空ポンプ16が接続されている。処理室5が閉じた状態
で、排気用真空ポンプ16を駆動することにより処理室
5内は排気され減圧される。真空系18によって真空度
を検出し、検出結果に基づいて制御部20によって排気
用真空ポンプ16を制御することにより、処理室5内部
は制御部20に予め設定されている所定の真空度まで到
達する。
【0021】ガス供給部10から前記混合ガスを処理室
5内にガス孔6cを介して供給するとともに、真空計1
8によって処理室5内のガス圧力を検出し検出結果に基
づいて制御部20によってバルブ11を制御することに
より、処理室5内の混合ガスの圧力P、すなわちプラズ
マエッチングのためのプラズマ放電時の混合ガスの圧力
(以下、放電圧力と略称)Pを制御部20に予め設定さ
れている所定圧力に設定することができる。したがっ
て、混合ガスの圧力Pを制御するガス供給部19,バル
ブ11,真空計18,および制御部20は、積PLの値
が所定範囲の値になるように放電圧力Pを制御する制御
手段となっている。
【0022】また給排気孔1aには大気導入用バルブ1
9が接続されており、大気導入用バルブ19を開くこと
により、処理室5内には真空破壊用の空気が導入され
る。下部電極3の上面には多数の吸着孔3bが設けられ
ており、吸着孔3bは下部電極3の内部に設けられた吸
引孔3aに連通している。吸引孔3aは基板吸着用真空
ポンプ13とバルブ12を介して接続されている。下部
電極3上に基板7が載置された状態で、基板吸着用真空
ポンプ13を駆動して吸着孔3bから処理室5内の真空
度より高い真空度、すなわち処理室5内の圧力より低い
圧力で吸引することにより、基板7は下部電極3に真空
吸着により保持される。したがって吸着孔3bおよび基
板吸着用真空ポンプ13は、基板7を真空吸引によって
保持する保持手段となっている。
【0023】下部電極3の内部には、冷却用の管路3c
が設けられている。管路3cは冷却手段である冷却装置
14と接続されており、冷却装置14と管路3c内を水
などの冷却媒体を循環させることにより、プラズマエッ
チング処理時に発生する熱を冷却媒体に吸収させて、処
理対象基板7を冷却することができる。これにより、す
でに片面に回路が形成された基板に対しても過熱による
回路に対するダメージを生じることなくエッチング処理
を行うことができる。
【0024】下部電極3は同調回路部を備えた高周波電
源部15と電気的に接続されている。高周波電源部15
を駆動することにより、下部電極3には高周波電圧が印
加される。処理室5内を真空排気した後にガス供給部1
0によって前述の混合ガスを処理室5内に供給し、処理
室内を所定の圧力に保った状態で、下部電極3に高周波
電圧を印加することにより、下部電極3と上部電極6の
間にはプラズマ放電が発生する。
【0025】制御部20は、真空計18の検出結果を受
け、基板吸着用真空ポンプ13,冷却装置14,高周波
電源部15,排気用真空ポンプ20の各部、およびバル
ブ11,12,17を制御することにより、プラズマエ
ッチング装置全体の動作制御を行う。これにより、下部
電極3上に載置された基板7を対象としてプラズマエッ
チング処理が行われる。このプラズマエッチング処理に
ついて(化1)に示す反応式に基づいて説明する。
【0026】
【化1】
【0027】(化1)の(1)式に示すように、CF4
を含む混合ガスにプラズマ放電が行われることによ
り、CF4はガス状のフッ素ラジカルF*(g)と同じく
ガス状の3フッ化炭素ラジカルCF3 *(g)に変化す
る。このF*(g)が処理対象基板7の成分であるSi
に作用することにより、(2)式に示すようにSiはガ
ス状のSiF4となって基板7の表面から蒸散して除去
される。そして(1)式の反応より発生したCF3 *
(3)式に示すようにCと3F*に分離し、ここで発生
したCにF*が作用することにより(4)式に示すよう
にCFnが発生する。
【0028】そしてこのCFnに混合ガス中の酸素ガス
がプラズマによってラジカル化したO2 *が作用すること
により、(5)式に示すようにCO2(g)とF*が発生
する。このF*は(2)式の反応に寄与してSiを除去
する。このように、酸素とフッ素系ガスの混合ガスのプ
ラズマ中にSiを成分とする基板7を載置することによ
り、基板表面のSiを除去するエッチング処理を行うこ
とができる。なお、CF4の替りにSF6を使用しても同
様のエッチング効果を得ることができる。
【0029】次に図2、図3を参照して上述のプラズマ
エッチング処理におけるエッチング速度を表すエッチン
グレートと、プラズマエッチング条件との関連について
説明する。図2は、縦軸にエッチングレート(シリコン
の除去厚さ/毎分)と、放電圧力Pと電極間距離Lとの
積PL(単位Pa・m)との相関関係を示したものであ
る。図2のグラフから判るように、エッチングレートは
前述の積PLと相関関係があり、積PLが特定値のとき
に最大の値を示している。すなわち、高いエッチングレ
ートを実現するためには、積PLが特定の範囲の値とな
るように放電圧力Pと電極間距離Lとの組み合わせを選
定する必要がある。
【0030】たとえば、1.0μm(10.000オン
グストローム)/min.以上のエッチングレートを得
ようとすれば、図2に示すように積PLの値を、2.5
〜15[Pa・m]の範囲となるような条件設定を行え
ばよいことがわかる。図3はこの条件設定に際し放電圧
力Pと電極間距離Lを具体的にどのような値に設定すれ
ばよいかを示すものである。図3のグラフ中、2つの曲
線は積PLが2.5〜15[Pa・m]の範囲となる境
界を示すものである。図3のグラフ中、太線の内側のハ
ッチング部分21で示される範囲は、良好なエッチング
レートが得られる最適条件範囲を示しており、具体的に
は電極間距離Lが3〜7mmの範囲、放電圧力Pが35
0〜5000Paの範囲で条件が設定される。太線で囲
まれた範囲22は、実用上使用可能な適応可能条件範囲
を示しており、具体的には電極間距離Lで2〜10m
m、放電圧力Pで833〜10000Pa(大気圧)の
範囲であれば実用上の条件として選択可能であることを
示している。
【0031】図3においてグラフ中の放電圧力Pが低く
電極間距離Lが大きい領域に示す範囲23は、従来のド
ライエッチングに用いられていたプラズマエッチング条
件を示している。すなわち、従来は放電圧力Pが100
Pa以下で、電極間距離Lが約20mm以上の範囲が採
用されていた。そしてこのような条件下で行われるドラ
イエッチングでは、0.1μm/min.程度のエッチ
ングレートしか得られていなかった。すなわち、本実施
の形態によるプラズマエッチングによれば、従来のドラ
イエッチングと比較して、単純なエッチングレートのみ
を比較しても10〜15倍程度の効率向上が実現されて
いる。
【0032】このプラズマエッチング装置は上記のよう
に構成されており、以下本実施の形態のプラズマエッチ
ング方法をSOI(Silicon On Insul
ator)作製工程に用いた半導体装置の製造方法につ
いて図4を参照して説明する。SOIは、回路が形成さ
れるシリコンを極薄膜状にしてこの薄膜の下にシリコン
酸化膜を介在させたものであり、半導体装置の高速化、
省電力化が実現させるという特徴を有している。
【0033】図4(a)において、まずSiウェハ30
および酸化膜31aが表面に形成された酸化膜付Siウ
ェハ31がSOIの構成材料として準備され、図4
(b)に示すようにSiウェハ30上に酸化膜付Siウ
ェハ31を貼り合わせて接合することによりSIO構造
を有するシリコン基板32を作製する。次いでシリコン
基板32は研磨工程に送られ、ここで図1(c)に示す
ように酸化膜付Siウェハ31は研磨加工されて大半が
除去され、ウェハ30上には酸化膜31aを含んで約2
0μm程度の膜厚t1のみが残留する。SOIの機能上
酸化膜31aのシリコン膜は1μm程度の極薄膜である
ことが求められるため、この膜厚までシリコン膜を削る
微細加工処理をプラズマエッチングにより行う。
【0034】研磨加工後のウェハ30は図1に示すプラ
ズマエッチング装置に送られ、処理室5内の下部電極3
上に載置される。ここで、前述のように放電圧力Pと電
極間距離Lとの積が2・5〜15[Pa・m]の範囲の
値となるように電極間距離Lや放電圧力Pなどのプラズ
マエッチング条件が選定され、この条件下で所定時間プ
ラズマエッチング処理を行うことにより、図4(d)に
示すように酸化膜31a上のシリコンは約1μm程度の
膜厚t2に薄膜化される。そしてこのシリコンの薄膜上
に、図4(e)に示すようにトランジスタなどの回路3
3が形成され、その後ダイシング工程にて個片チップに
カットされてSOI構造の半導体装置が完成する。
【0035】(実施の形態2)図5は本発明の実施の形
態2の半導体装置の製造方法の工程説明図である。本実
施の形態2は、シリコン基板の表面に回路を形成した後
に、このシリコン基板の回路形成面の裏面を研磨して薄
化する工程において、実施の形態1に示すプラズマエッ
チングを行うものである。
【0036】図5(a)において、40はSiウェハで
あり、Siウェハ40の表面には図5(b)に示すよう
に回路41が形成される。次いで図5(c)に示すよう
に、回路41を覆って保護樹脂が貼付けられ保護膜42
が形成される。この後Siウェハ40は研磨工程に送ら
れ、ここでSiウェハ40は回路形成面の裏面が研磨加
工され、薄化処理される。この研磨加工において、研磨
加工面の表層には加工歪層43が残留する。加工歪層4
3は研磨加工時の機械的外力によりシリコン表面に発生
した応力や微細なクラックが残留したものであり、半導
体装置完成後の強度を損なうため除去する必要がある。
【0037】この加工歪層除去は、実施の形態1に示す
プラズマエッチングにより行われる。Siウェハ40は
図1に示すプラズマエッチング装置の処理室5内に載置
され、実施の形態1と同様のプラズマエッチング条件、
すなわち放電電圧Pと電極間距離Lの積PLの値が2.
5〜15[Pa・m]の範囲の値となるように条件設定
が行われる。これにより図5(e)に示すように加工歪
層43が除去されると2同時に、除去後のSiウェハ4
0の下面はより平滑に仕上げられ、応力集中による形状
的な強度低下のないSiウェハ40を得ることができ
る。このとき、図1に示すように下部電極3は冷却装置
14によって冷却されているため、既にSiウェハ40
に形成された回路41が過熱されて損傷することがな
い。
【0038】この後、図5(f)に示すようにSiウェ
ハ40の表面の保護膜42が除去され、次いで図5
(g)に示すようにダイシング工程に送られて個片の半
導体装置44にカットされて半導体装置の製造工程を完
了する。
【0039】上記実施の形態1,2で示すように、本発
明は酸素とフッ素ガスを用いたプラズマエッチング処理
において、放電圧力Pと電極間距離Lとの積PLが、
2.5〜15[Pa・m]の範囲の値となるようにプラ
ズマエッチング条件を設定するものである。このような
条件設定とすることにより、以下に述べるような優れた
効果を得ることができる。
【0040】まず、従来のプラズマによるドライエッチ
ングと比較して低真空度(高圧力)で処理を行うように
しているためエッチングに寄与する粒子密度が高く、従
って高いエッチングレートを実現することができる。ま
た処理室内を高真空度に排気する必要がないことから真
空排気および真空破壊時の大気導入時間を短縮すること
ができ、前述のエッチングレート向上の効果と相まっ
て、プラズマエッチング処理全体のタクトタイムを従来
方法と比較して大幅に短縮し、従来方法の約100倍に
も達する効率向上が実現される。
【0041】また高真空度を必要としないことから、プ
ラズマエッチング装置の真空ポンプなど真空系の構成を
簡素化することができる。さらに、同様の理由により処
理室内において基板を保持する際に、処理室内の圧力と
真空吸着用の吸引圧力との差圧を容易に確保することが
できるため、真空吸着によって基板を簡略な方法で保持
することができる。従って、プラズマエッチング装置の
機構簡略化、低コスト化が実現される。また従来行われ
ていた薬液を使用してエッチングを行うウエットエッチ
ングと比較した場合においても、高効率、低コストであ
り、更に廃液の排出がなく環境汚染のおそれがないこと
など、優れた特徴を有している。
【0042】また、品質面においても上記条件では、電
極間距離が従来と比較して狭く設定されるため、電極間
で発生するプラズマの分布は均一となり、基板のどの位
置においても均一なエッチング効果を得ることができ、
ばらつきのない安定した品質を確保できる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、平行平板電極間のと処
理室内の混合ガスの圧力との積がエッチング率を向上さ
せる所定範囲の値となるようにエッチング条件を設定す
るようにしたので、高効率・低コストで均一な品質のプ
ラズマエッチングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のプラズマエッチング装
置の断面図
【図2】本発明の実施の形態1のプラズマエッチング装
置のエッチングレートを示すグラフ
【図3】本発明の実施の形態1のプラズマエッチング条
件を示すグラフ
【図4】(a)本発明の実施の形態1の半導体装置の製
造方法の工程説明図 (b)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (c)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (d)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (e)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法の
工程説明図
【図5】(a)本発明の実施の形態2の半導体装置の製
造方法の工程説明図 (b)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (c)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (d)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (e)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (f)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法の
工程説明図 (g)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法の
工程説明図
【符号の説明】
3 下部電極 5 処理室 6 上部電極 7 基板 10 ガス供給部 13 基板吸着用真空ポンプ 14 冷却装置 15 高周波電源部 16 排気用真空ポンプ 20 制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ放電によってフッ素ラジカルをフ
    ッ素系ガスより生成し、このフッ素ラジカルをシリコン
    またはシリコン系化合物を主な材質とする被処理基板に
    作用させてプラズマエッチング処理を行うプラズマエッ
    チング装置であって、処理室内に配置された上部電極
    と、前記被処理基板を載置する下部電極と、前記下部電
    極の内部の管路内に冷却媒体を循環させて前記被処理基
    板を冷却する冷却手段と、前記上部電極と前記下部電極
    の間に高周波電圧を印加しプラズマ放電を発生させる高
    周波電源部と、前記上部電極と下部電極との電極間距離
    L[m]と前記処理室内の放電圧力P[Pa]の積PL
    が、2.5[Pa・m]〜15[Pa・m]の範囲の値
    となるように前記放電圧力Pを制御する制御手段を備
    え、前記冷却手段により前記被処理基板を冷却しながら
    プラズマ放電を行うことを特徴とするプラズマエッチン
    グ装置。
  2. 【請求項2】前記電極間距離Lは、3[mm]〜7[m
    m]の範囲の値であることを特徴とする請求項1記載の
    プラズマエッチング装置。
  3. 【請求項3】前記下部電極に前記被処理基板を真空吸着
    によって保持する保持手段を備えたことを特徴とする請
    求項1記載のプラズマエッチング装置。
  4. 【請求項4】処理室内に上部電極とシリコンまたはシリ
    コン系化合物を主な材質とする被処理基板を載置する下
    部電極を配置し、前記下部電極に高周波電圧を印加して
    発生したプラズマ放電によってフッ素ラジカルをフッ素
    系ガスより生成し、このフッ素ラジカルを前記処理基板
    に作用させてプラズマエッチング処理を行うプラズマエ
    ッチング方法であって、前記上部電極と下部電極との電
    極間距離L[m]と前記処理室内の放電圧力P[Pa]
    の積PLが、2.5[Pa・m]〜15[Pa・m]の
    範囲の値となる条件とし、前記下部電極の内部の管路内
    に冷却媒体を循環させて前記被処理基板を冷却しながら
    プラズマ放電を行うことを特徴とするプラズマエッチン
    グ方法。
  5. 【請求項5】前記被処理基板は、シリコンもしくはシリ
    コン化合物であることを特徴とする請求項4記載のプラ
    ズマエッチング方法。
  6. 【請求項6】前記電極間距離は、3[mm]〜7[m
    m]の範囲の値であることを特徴とする請求項4記載の
    プラズマエッチング方法。
  7. 【請求項7】前記被処理基板のプラズマエッチングによ
    るエッチング速度が、10,000オングストローム/
    分以上であることを特徴とする請求項4記載のプラズマ
    エッチング方法。
  8. 【請求項8】前記下部電極に前記被処理基板を真空吸着
    によって保持することを特徴とする請求項4記載のプラ
    ズマエッチング方法。
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