JP2003077667A - 有機薄膜el素子 - Google Patents

有機薄膜el素子

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JP2003077667A
JP2003077667A JP2001263645A JP2001263645A JP2003077667A JP 2003077667 A JP2003077667 A JP 2003077667A JP 2001263645 A JP2001263645 A JP 2001263645A JP 2001263645 A JP2001263645 A JP 2001263645A JP 2003077667 A JP2003077667 A JP 2003077667A
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JP2001263645A
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Masaomi Sasaki
正臣 佐々木
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Koukoku Ri
洪国 李
Shinichi Kawamura
慎一 河村
Susumu Suzuka
進 鈴鹿
Katsuhiro Morooka
勝宏 諸岡
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Hodogaya Chemical Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Hodogaya Chemical Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子材料を用いて、優れた発光特性を示し
かつ耐久性に優れる有機薄膜EL素子を提供する。 【解決手段】 本発明の有機薄膜EL素子は、対向する
陽極と陰極間に、少なくとも1層の有機化合物薄膜より
なる発光層を備え、発光層のうち少なくとも一層が、構
成成分として下記式(1)で表される電荷輸送能を有し
耐熱性に優れる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有す
る。本発明の有機薄膜EL素子は、この樹脂を用いるこ
とにより、優れた発光特性及び耐久性を示す。 【化1】 式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArは置換
もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは無
置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar−Za
−Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のアリ
レン基、Zaは単結合、O、S又はアルキレン基、R及
びR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは0
又は1を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な有機薄膜EL
素子に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、
発光特性に優れ、安定な有機薄膜EL素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】有機薄膜EL素子は、自己発光型である
ために視野角依存性に富む、視認性が高い、さらには薄
膜型の完全固体素子であるために省スペース化が図れる
等の観点から注目され、近年実用化研究が展開されてい
る。しかしながら、現状では、エネルギー変換効率や発
光量子効率のさらなる向上、経時での有機薄膜の安定性
の向上など解決すべき問題が多数ある。
【0003】これまで、有機薄膜EL素子としては低分
子を利用したものと高分子を利用したものが報告されて
いる。低分子系においては、種々の積層構造の採用によ
り高効率化の実現が、またドーピング法をうまくコント
ロールすることにより耐久性の向上が報告されている。
しかし、低分子集合体の場合には、長時間における経時
での膜状態の変化が生じることが報告されており、膜の
安定性に関して本質的な問題点を抱えている。一方、高
分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly-p
-phenylenevinylene)系列やpoly-thiophene等について
精力的に検討が行われてきた。しかしながら、これらの
材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的
に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高
性能なEL素子は得られていないのが現状である。しか
し、高分子材料は本質的にガラス状態が安定であること
を考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれ
ば優れたEL素子の構築が可能となるため、この分野で
さらなる改良が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の現状に鑑みてなされたものであり、高分子材料を用い
た、優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた有機
薄膜EL素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、電荷輸送性を有し、耐熱性、機械的強度、経時
安定性に優れたポリカーボネート樹脂を構成成分とする
ことによって有機薄膜EL素子の発光特性を改善するこ
とができることを見出し、さらに、下記芳香族ポリカー
ボネート樹脂を含有する発光層を有するEL素子が優れ
た発光特性を有することを見出した。すなわち、本発明
は以下の(1)〜(9)からなる。
【0006】(1) 互いに対向する陽極と陰極間に、
少なくとも1層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備え
た有機薄膜EL素子において、該有機化合物薄膜の少な
くとも1層が下記一般式(1)で表される芳香族ポリカ
ーボネート樹脂を含有する層であることを特徴とする有
機薄膜EL素子。
【化7】 (式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArは置
換もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは
無置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar −Z
a−Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のア
リレン基、Zaは単結合、O、S又はアルキレン基、R
及びR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは
0又は1を表す。)
【0007】(2) 上記芳香族ポリカーボネート樹脂
が下記一般式(2)で表される芳香族ポリカーボネート
樹脂であることを特徴とする上記(1)に記載の有機薄
膜EL素子。
【化8】 (式(2)中、Ra、Rb、Rc及びRdは置換もしく
は無置換のアルキル基を表し、Ar、Z、R、R’及
びnは上記の定義と同一) (3) 互いに対向する陽極と陰極間に、少なくとも1
層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機薄膜E
L素子において、該有機化合物薄膜の少なくとも1層
が、上記一般式(1)で表される構成単位と下記一般式
(3)で表される構成単位とからなり、一般式(1)で
表される構成単位の組成比をk、一般式(3)で表され
る構成単位の組成比をjとしたときに、組成比の割合が
0<k/(k+j)≦1であるポリカーボネート樹脂を
含有する層であることを特徴とする有機薄膜EL素子。
【化9】 [式(3)中、Xは置換又は無置換の脂肪族二価基、置
換又は無置換環状脂肪族二価基、置換又は無置換芳香族
二価基、又はこれらを連結してできる二価基、又は、
【化10】 (ここで、R、R、R及びRは独立して置換も
しくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリ
ール基又はハロゲン原子である。またa及びbは各々独
立して0〜4の整数であり、c及びdは各々独立して0
〜3の整数であり、R、R、R、Rがそれぞれ
に複数個存在するときは同一でも異なっていてもよい。
Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキレン
基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜12の分岐状
のアルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のアルキレ
ン基と一つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子から構成
される二価基、−O−、−S−、−SO−、−SO
−、−CO−、−COO−、又は下記式
【化11】 から選ばれ、Z、Zは置換もしくは無置換の脂肪族
の二価基又は置換もしくは無置換のアリレン基を表し、
、R、R12はハロゲン原子、置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、
置換もしくは無置換のアリール基を表し、R、R
、R10、R11は各々独立して水素原子、ハロゲ
ン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしく
は無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリー
ル基を表す。またRとRは結合して炭素数5〜12
の炭素環を形成してもよく、R13とR14は単結合又
は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R15とR16
は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換
もしくは無置換のアリール基を表し、eとgは0〜4の
整数、fは1又は2、hは0〜20の整数、iは0〜2
000の整数を表す。)を表す。]
【0008】(4) 一般式(1)で表される構成単位
が上記一般式(2)で表される構成単位であることを特
徴とする上記(3)に記載の有機薄膜EL素子。
【0009】(5) 上記芳香族ポリカーボネート樹脂
が下記一般式(4)で表される芳香族ポリカーボネート
樹脂であることを特徴とする上記(3)に記載の有機薄
膜EL素子。
【化12】 (式(4)中、Ra、Rb、Rc、Rd、Ar、Z、
R、R’、X及びnは上記一般式(1)〜(3)につい
ての定義と同一)
【0010】(6) 上記芳香族ポリカーボネート樹脂
を含有する層が、電子輸送性物質をさらに含むことを特
徴とする上記(1)〜(5)に記載の有機薄膜EL素
子。
【0011】(7) 上記芳香族ポリカーボネート樹脂
を含有する層が、電子輸送性物質と発光性物質とをさら
に含むことを特徴とする上記(1)〜(5)に記載の有
機薄膜EL素子。 (8) 上記発光層が少なくとも1層のホール注入輸送
層を含む複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層であ
り、該ホール注入輸送層の少なくとも1層が上記芳香族
ポリカーボネート樹脂を含有する層であることを特徴と
する上記(1)〜(7)に記載の有機薄膜EL素子。
【0012】(9) 上記発光層が、上記芳香族ポリカ
ーボネート樹脂を含有する層と、少なくとも1層のホー
ル注入輸送層、少なくとも1層の電子注入輸送層及び少
なくとも1層の両注入輸送層から選ばれる一つ以上とか
ら構成されていることを特徴とする上記(1)〜(7)
に記載の有機薄膜EL素子
【0013】以下に本発明の有機薄膜EL素子に用いる
芳香族ポリカーボネート樹脂について詳細に説明する。
まず、そのポリカーボネート樹脂の製造方法について説
明する。本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、従来
ポリカーボネート樹脂の製造法として公知の、ビスフェ
ノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造でき
る。すなわち、下記一般式(A)あるいは(B)で表さ
れる電荷輸送能を有するジオールを少なくとも1種以上
使用し、あるいは、これらと下記一般式(5)で表され
るジオールとを併用し、ビスアリールカーボネートとの
エステル交換法やホスゲン等のハロゲン化カルボニル化
合物との溶液又は界面重合法、あるいはジオールから誘
導されるビスクロロホーメート等のクロロホーメートを
用いる方法等により製造される。
【0014】
【化13】 (上記一般式(A)中、Ar、Ar、Ar及びA
は置換もしくは無置換のアリレン基、Arは置換
もしくは無置換のアリール基、Zはアリレン基又は−A
−Za−Ar−を表し、Arは置換もしくは無
置換のアリレン基、Zaは単結合、O、S又はアルキレ
ン基、R及びR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表
す。nは0又は1を表す。)
【0015】
【化14】 (上記一般式(B)中、Ra、Rb、Rc及びRdはア
ルキル基を表し、Ar、Z、R、R’及びnは上記一
般式(A)における定義と同一である。)
【0016】HO−X−OH (5) (式(5)中、Xは一般式(3)におけるXの定義と同
一である。)
【0017】ポリカーボネート樹脂製造の際の、前記ハ
ロゲン化カルボニル化合物を用いる方法において、ハロ
ゲン化カルボニル化合物としては、ホスゲンの代わりに
ホスゲンの2量体であるトリクロロメチルクロロホーメ
ートやホスゲンの3量体であるビス(トリクロロメチ
ル)カーボネートも有用であり、塩素以外のハロゲンよ
り誘導されるハロゲン化カルボニル化合物、例えば、臭
化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニルも
有用である。これら公知の製造法については例えばポリ
カーボネート樹脂ハンドブック(編者:本間精一、発
行:日刊工業新聞社)等に記載されている。
【0018】前記したように、一般式(A)あるいは
(B)で表される電荷輸送能を有するジオールの1種以
上と併用して前記一般式(5)で表されるジオールを使
用し、機械的特性等の改良された共重合体とすることが
できる。この場合、一般式(5)で表されるジオールを
1種あるいは複数併用してもよい。一般式(A)あるい
は(B)で表される電荷輸送能を有するジオールと一般
式(5)で表されるジオールとの使用割合は所望の特性
に応じて広い範囲から選択することができる。
【0019】また、適当な重合操作を選択することによ
って共重合体の中でもランダム共重合体、交互共重合
体、ブロック共重合体、ランダム交互共重合体、ランダ
ムブロック共重合体等を得ることができる。例えば、一
般式(A)あるいは(B)で表される電荷輸送能を有す
るジオールと一般式(5)で表されるジオールとをはじ
めから均一に混合してホスゲンとの縮合反応を行えばラ
ンダム共重合体が得られる。また、幾種類かのジオール
を反応の途中から加えることによりランダムブロック共
重合体が得られる。また、一般式(5)で表されるジオ
ールから誘導されるビスクロロホーメートと一般式
(A)あるいは(B)で表される電荷輸送能を有するジ
オールとの縮合反応を行えば交互共重合体が得られる。
この場合、逆に一般式(A)あるいは(B)で表される
電荷輸送能を有するジオールから誘導されるビスクロロ
ホーメートと一般式(5)で表されるジオールとの縮合
反応によっても同様に交互共重合体が得られる。また、
これらビスクロロホーメートとジオールとの縮合反応の
際、ビスクロロホーメート及びジオールを複数使用する
ことによりランダム交互共重合体が得られる。
【0020】重合条件等の詳細については本発明者等が
すでに提案した特願2000-368297号、発明の
名称 「芳香族ポリカーボネート樹脂及び電子写真用感
光体」に開示されている。
【0021】以上のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂は重合中に使用した触媒や酸化防止剤、また、未
反応のジオールや末端停止剤、また、重合中に発生した
無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操
作も先のポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本
間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている従
来公知の方法を使用できる。
【0022】本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹
脂の好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量
で1000〜500000であり、より好ましくは10
000〜200000である。また、上記の方法にした
がって製造された芳香族ポリカーボネート樹脂には、必
要に応じて酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、可
塑剤等の添加剤を加えることができる。
【0023】次に本発明に用いる芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の主要な単位である一般式(A)及び(B)につ
いてさらに詳細に説明する。前記一般式(A)、(B)
中Arは置換もしくは無置換のアリール基を表す。A
の置換もしくは無置換のアリール基としては、以下
のものを挙げることができる。フェニル基、ナフチル
基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、
フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル
基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル
基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル
基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾ
フラニル基、カルバゾリル基、ピリジニル基、ピロリジ
ル基、オキサゾリル基等が挙げられ、これらは置換もし
くは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキ
ル基を有するアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子及び/又は下記一
般式で表されるアミノ基を置換基として有していてもよ
い。
【0024】
【化15】 式中、R17、R18は、置換もしくは無置換のアルキ
ル基、Arで定義される置換もしくは無置換のアリー
ル基を表すと共にR17とR18が共同で環を形成した
り、アリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよ
い。このような具体例としてピペリジノ基、モルホリノ
基、ユロリジル基等が挙げられる。
【0025】一般式(A)において、Ar、Ar
Ar、Arは上記Arで示したアリール基から誘
導される二価基を表す。
【0026】一般式(A)及び(B)において、Zはア
リレン基又は−Ar−Za−Ar −を表す。アリレ
ン基としては、フェニレン、ナフチレン、ビフェニリレ
ン、ターフェニリレン、ピレン−1,6−ジイル、フル
オレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン
−2,7−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フラ
ン−2,5−ジイル、N−エチルカルバゾール−3,6
−ジイル等が挙げられ、これらは置換もしくは無置換の
アルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基及びハ
ロゲン原子を置換基として有してもよい。
【0027】Zが―Ar―Za―Ar―で表される
場合、Arとしてはフェニレン、ナフチレン、ビフェ
ニリレン、ターフェニリレン等が挙げられこれらは置換
もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のア
ルコキシ基及びハロゲン原子を置換基として有してもよ
い。
【0028】一般式(B)のRa、Rb、Rc及びRd
は、置換もしくは無置換のアルキル基であり、以下のも
のを挙げることができる。炭素数1〜5の直鎖又は分岐
のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素
原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子もしくは
炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基で置換され
たフェニル基を含有していてもよい。具体的にはメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−
ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベン
ジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基
等が挙げられる。
【0029】これら一般式(A)あるいは(B)で表さ
れる電荷輸送能を有するジオールの製造方法について
は、先に示した特願2000-368297号に開示さ
れている。
【0030】一般式(5)のXが脂肪族の二価基、環状
脂肪族の二価基である場合のジオールの代表的具体例
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキ
シプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシ
ブチル)ベンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシペン
チル)ベンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシ
ル)ベンゼン、イソホロンジオール等である。
【0031】また、一般式(5)のXが芳香族の二価基
である場合としては、本明細書中で一般式(A)及び
(B)中のArとして上記で定義された置換もしくは
無置換のアリール基から誘導される二価基を挙げること
ができる。また、Xは以下に示される二価基をも表す。
【0032】
【化16】
【0033】上記の式中、R、R、R、Rは独
立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
無置換のアリール基又はハロゲン原子を表す。また、a
及びbは各々独立して0〜4の整数であり、c及びdは
各々独立して0〜3の整数であり、R、R、R
がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっ
ていてもよい。Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖
状のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素原子数3
〜12の分岐状のアルキレン基、一つ以上の炭素数1〜
10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び/又は硫
黄原子から構成される二価基、−O−、−S−、−SO
−、−SO−、−CO−、−COO−、又は下記一般
【0034】
【化17】 で表されるものから選ばれ、Z、Zは置換もしくは
無置換の脂肪族の二価基又は置換もしくは無置換のアリ
レン基を表し、R、R、R12はハロゲン原子、置
換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の
アルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表
し、R、R、R、R10、R11は各々独立して
水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしく
は無置換のアリール基を表す。またR とRは結合し
て炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R13
14は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表
し、R15とR16は各々独立して置換もしくは無置換
のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表
し、eとgは0〜4の整数、fは1又は2、hは0〜2
0の整数、iは0〜2000の整数を表す。
【0035】また上記Yが、一つ以上の炭素数1〜10
のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び又は硫黄原子
から構成される二価基が含まれるものである場合の具体
例としては、O(CHO、O(CHO(C
O、O(CHO(CHO(C
O、O(CHO、O(CHO、O
(CHO、O(CHO、CHO、CH
CHO、CHEtOCHEtO、CHCHO、SC
OCHS、CHOCH、OCHOCH
O、S(CHOCHO(CHS、OC
CHCHOCHCHCHO、SCHS、S
(CHS、S(CHS、S(CH
S、S(CHS、S(CHS(CH
S、S(CHO(CHO(CH
等が挙げられる。
【0036】また上記Yの炭素原子数3〜12の分岐状
のアルキレン基に修飾する置換基としては、置換もしく
は無置換のアリール基、又はハロゲン原子が挙げられ
る。
【0037】これらYの具体例の中で、置換もしくは無
置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基は
いずれも本明細書中で定義された置換もしくは無置換の
アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基と同様で
ある。また、上記YにおけるZ、Zが置換もしくは
無置換の脂肪族の二価基である場合としては、上記Xが
脂肪族の二価基、環状脂肪族の二価基である場合のジオ
ールからヒドロキシ基を除いた二価基を挙げることがで
きる。また、Z、Zが置換もしくは無置換のアリレ
ン基である場合としては、本明細書中で定義された置換
もしくは無置換のアリール基から誘導される二価基を挙
げることができる。
【0038】一般式(5)のXが芳香族の二価基である
場合の好ましいジオールの代表的具体例としては、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2
−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ぺンタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−メチルぺンタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサン、4,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)へプタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)へキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロぺンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ
−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、エチレング
リコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ケトン、3,3,3’,3’−テトラメ
チル−6,6’−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダ
ン、3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,
4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビス(2
H−1−べンゾピラン)−7,7’−ジオール、トラン
ス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブ
テン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサン
テン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
6−へキサンジオン、α,α,α’,α’−テトラメチ
ル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−
キシレン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシレ
ン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、
2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロ
キシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−2,7−
ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベン
ゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロ
キシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレン、ハイド
ロキノン、レゾルシン、4−ヒドロキシフェニル−4−
ヒドロキシベンゾエート、エチレングリコール−ビス
(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコー
ル−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレ
ングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、
p−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエー
ト)、1,6−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−1H,1H,6H,6H−パーフルオロヘキサ
ン、1,4−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)
−1H,1H,4H,4H−パーフルオロブタン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラメチルジシ
ロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げら
れる。また、ジオール2モルとイソフタロイルクロライ
ド又はテレフタロイルクロライド1モルとの反応により
製造されるエステル結合を含む芳香族ジオール化合物も
有用である。以上一般式(5)について説明したが同一
の記号については他の一般式中でも同じ定義である。
【0039】以上で説明した芳香族ポリカーボネート樹
脂はホール輸送性と蛍光性とを併せ持つので、有機薄膜
EL素子においては電荷輸送材及び発光材のいずれとし
ても使用できる。
【0040】本発明の有機薄膜EL素子における発光層
のうち上記の芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する層
は、スピンコート法やキャスト法等の公知の方法によっ
て薄膜化することができる。上記芳香族ポリカーボネー
ト樹脂はジクロロメタンやテトラヒドロフラン等の有機
溶媒に容易に溶解する。従って上記芳香族ポリカーボネ
ート樹脂を溶解できる適当な溶媒により適当な濃度の溶
液を作製し、これを用いて上記方法等により塗工し薄膜
を作製できる。電子輸送性物質や発光性物質との混合膜
を作製する場合は上記芳香族ポリカーボネート樹脂溶液
にそれらの物質を共に溶解させて塗工すれば作製でき
る。また、異種のポリマーは相溶しにくいため、その性
質を利用して一種のポリマー媒体中に他種のポリマー微
小分散相を形成するような膜を作製することもできる。
この場合樹脂種の組み合わせや混合比を変えた混合溶液
を作製し、これを用いて同様な湿式成膜法で塗工すれば
よい。この様な膜においては前記一般式(1)に示され
る芳香族ポリカーボネート樹脂をポリマー媒体として使
用してもよいし、微小分散相として使用してもよい。こ
れらの膜は通常20μm以下と薄いので、塗工前に孔径
0.45μm以下、より好ましくは孔径0.1μm以下
のフィルターで溶液を濾過して使用するのが好ましい。
有機薄膜EL素子における発光層が複数の有機化合物薄
膜からなり、低分子化合物層を備える場合には湿式成膜
法以外に真空蒸着法やスパッタ法等の乾式成膜法を利用
することができる。
【0041】有機薄膜EL素子の発光層は、有機化合物
薄膜の単層で構成されていてもよく、複数層から構成さ
れていてもよい。発光層が単層から構成される場合、そ
の層は、ポリカーボネート樹脂単独から構成されていて
もよいし、この層に電子輸送性を有する低分子化合物を
分散させたり、他の高分子をブレンドしてもよく、また
他の電荷輸送性ポリマーをブレンドしてもよい。さらに
はこの層に蛍光量子効率の極めて高い蛍光分子を微量ド
ーピングすることもでき、これは発光の高効率化に有効
である。
【0042】ポリカーボネート樹脂とブレンドする電子
輸送性物質としては、電子を輸送する能力を持つ既存の
材料を使用することができる。例えば、フルオレノン、
アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジ
オキシド、ペリレンテトラカルボン酸、フルオレニリデ
ンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等とその
誘導体やこれまで優れた電子輸送性を有することが報告
されているオキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導
体を利用することが可能である。
【0043】ポリカーボネート樹脂に添加する蛍光量子
効率の極めて高い蛍光分子としては、溶液状態において
強い蛍光を示すレーザー色素等やこれまで有機EL素子
に発光材として使用されてきた既存の低分子蛍光性材料
を利用することが可能である。例えば、アントラセン、
ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コ
ロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロ
ペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノ
ン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラ
フェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ア
ルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラ
ジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノ
キノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、
ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカ
ルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシ
アニン、イミダゾールキノレート化オキシノイド化合
物、キナクリドン、ルブレン等及びそれらの誘導体があ
る。
【0044】さらに、本発明の有機薄膜EL素子は、上
述のように発光層を複数層から構成することも可能であ
る。すなわち、ポリカーボネート樹脂を含有する層の上
部にさらにスピンコート法や真空蒸着法により電子注入
輸送層や発光材を含む層等を積層することが可能であ
る。また、ポリカーボネート樹脂含有層を形成する前
に、ホール注入輸送層を形成することも性能向上に有効
な場合がある。
【0045】ホール注入輸送層を構成する材料として
は、これまで有機薄膜EL素子において機能することが
報告されている、フタロシアニン系化合物、ポルフィリ
ン系化合物、オキサジアゾール、トリアゾール、トリフ
ェニルアミン系化合物、ポリシラン等の既存材料を利用
することが可能である。
【0046】上記の様にして形成された有機化合物薄膜
からなる発光層の膜厚については特に制限はなく、通常
5nm〜20μmの範囲で選ばれる。更に好ましくは5
nm〜0.2μmの範囲である。各有機化合物薄膜の膜
厚はピンホール等の膜欠陥の発生や発光波長での素子内
での光干渉や膜厚増加による印加電圧の上昇等を加味し
て調整される。
【0047】本発明における有機薄膜EL素子の陽極と
しては、4eV好ましくは4.8eVより大きな仕事関
数を持つ金属、合金、酸化金属等が利用される。このよ
うな電極材料の具体例としては金、白金、パラジウム、
銀、タングステン、ニッケル、コバルト、ITO、Cu
I、SnO、ZnO等の透明電極の利用が挙げられ
る。特に好ましくはITO基板が好適である。ITO基
板の場合表面の平滑なものが好ましく、また表面の汚れ
をよく洗浄して使用する。洗浄法としては既知の方法で
よいが、オゾン雰囲気下での紫外線照射や酸素雰囲気下
でのプラズマ処理を行ったものが好適である。
【0048】一方、陰極としては、仕事関数の4eVよ
り小さい金属、合金等が利用される。このような物質の
具体例としては、ナトリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、リチウム、アルミニウム、サマリウム及びこれらの
合金等が利用できる。
【0049】有機薄膜EL素子を面発光素子として使用
する場合は、これらの電極は少なくとも一方が素子の発
光波長領域において十分透明であり、その反対側は発光
波長領域において十分反射率が大きいことが望まれる。
透明電極としては先に述べたITOが好ましく、その基
板も透明なガラス板やプラスチック板が使用される。一
方、端面発光素子として使用する場合には電極が透明で
ある必要はない。
【0050】また、得られた有機薄膜EL素子の環境の
温湿度、雰囲気に対する安定性向上のために素子の表面
に保護層を設けたり、シリコンオイル等を封入して素子
全体を保護することが有効である。このようにして得ら
れた本発明の有機薄膜EL素子に陽極にプラスを陰極に
マイナスを接続し、電圧を印加するとEL発光が観測で
きる。
【0051】通常、有機薄膜EL素子では通電によりジ
ュール熱が発生しその熱により発光層の再結晶化、凝集
の進行等や低分子材料の拡散が生じ、これらはいずれも
素子の耐久性を低下させる。本発明の有機薄膜EL素子
では、発光層に融点温度の高くアモルファス状態の安定
な芳香族ポリカーボネート樹脂を使用するため、結晶化
や凝集による素子劣化や拡散による素子劣化を抑制する
ことができ、良好な耐久性を有する素子を得ることがで
きる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の有機薄膜EL素
子に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造例1〜6
を記載し、本発明をより具体的に説明する。
【0053】〈芳香族ポリカーボネート樹脂の製造例〉製造例1 N,N’−ジ−m−トリル−N,N’−ビス−4−[2
−(4−ヒドロキシフェネチル)フェニル]−3,3’
−ジメチルベンジジン2.30g及び4−tert−ブ
チルフェノール5.7mgを水酸化ナトリウム0.87
gとナトリウムハイドロサルファイト27mgを水15
mlに溶解した溶液とともに、窒素気流下30分室温撹
拌した。激しく撹拌しながら20℃にてビス(トリクロ
ロメチル)カーボネート0.40gを塩化メチレン9m
lに溶解した溶液を一度に加え15分撹拌を行った後、
トリエチルアミン1滴を加え室温にて1時間撹拌した。
内容物を塩化メチレンで希釈した後、有機層を分液し、
これをイオン交換水で2回洗浄した後2%の塩酸水溶液
で洗浄し、その後水層の電導度がイオン交換水の電導度
とほぼ等しくなるまで洗浄を繰り返した。有機層を多量
のメタノール中に滴下し、濾過、乾燥して無色の下式で
表されるポリカーボネート樹脂1.77gを得た。
【0054】
【化18】
【0055】上述のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定したポリスチレン換算の数平均分子量は458
00、重量平均分子量は205800であった。示差走
査熱量測定から求めたガラス転移温度は143.7℃で
あった。また、元素分析値は以下のようであった。
【0056】製造例2 N,N’−ビス{3−メチル−4[2−(4−ヒドロキ
シ)フェネチル]}フェニル−4−メチルビフェニル−
4’−アミン3.02g及び4−tert−ブチルフェ
ノール9.8mgを水酸化ナトリウム1.50gとナト
リウムハイドロサルファイト46mgを水20mlに溶
解した溶液とともに、窒素気流下30分室温撹拌した。
激しく撹拌しながら20℃にてビス(トリクロロメチ
ル)カーボネート0.74gを塩化メチレン15mlに
溶解した溶液を一度に加え15分撹拌を行った後、トリ
エチルアミン1滴を加え室温にて1時間撹拌した。内容
物を塩化メチレンで希釈した後、有機層を分液し、これ
をイオン交換水で2回洗浄した後2%の塩酸水溶液で洗
浄し、その後水層の電導度がイオン交換水の電導度とほ
ぼ等しくなるまで洗浄を繰り返した。有機層を多量のメ
タノール中に滴下し、濾過、乾燥して無色の下式で表さ
れるポリカーボネート樹脂2.76gを得た。
【0057】
【化19】
【0058】上述のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定したポリスチレン換算の数平均分子量は671
00、重量平均分子量は229000であった。示差走
査熱量測定から求めたガラス転移温度は140.4℃で
あった。また、元素分析値は以下のようであった。
【0059】製造例3 N,N’−ビス{4−[2−(4−ヒドロキシ)フェネ
チル]}フェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2−
アミン3.28g及び4−tert−ブチルフェノール
14.0mgを水酸化ナトリウム1.65gとナトリウ
ムハイドロサルファイト51mgを水22mlに溶解し
た溶液とともに、窒素気流下30分室温撹拌した。激し
く撹拌しながら20℃にてビス(トリクロロメチル)カ
ーボネート0.81gを塩化メチレン17mlに溶解し
た溶液を一度に加え15分撹拌を行った後、トリエチル
アミン1滴を加え室温にて1時間撹拌した。内容物を塩
化メチレンで希釈した後、有機層を分液し、これをイオ
ン交換水で2回洗浄した後2%の塩酸水溶液で洗浄し、
その後水層の電導度がイオン交換水の電導度とほぼ等し
くなるまで洗浄を繰り返した。有機層を多量のメタノー
ル中に滴下し、濾過、乾燥して淡黄色の下式で表される
ポリカーボネート樹脂2.85gを得た。
【化20】
【0060】上述のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定したポリスチレン換算の数平均分子量は528
00、重量平均分子量は173900であった。示差走
査熱量測定から求めたガラス転移温度は151.2℃で
あった。また、元素分析値は以下のようであった。
【0061】製造例4 N,N’−ジーm―トリル−N,N’−ビス−4−[2
−(4−ヒドロキシフェネチル)フェニル]−3,3’
−ジメチルベンジジン4.33g、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン1.39g及び4
−tert−ブチルフェノール26mgを水酸化ナトリ
ウム3.21gとナトリウムハイドロサルファイト10
0mgを水40mlに溶解した溶液とともに、窒素気流
下30分室温撹拌した。激しく撹拌しながら20℃にて
ビス(トリクロロメチル)カーボネート1.48gを塩
化メチレン33mlに溶解した溶液を一度に加え30分
撹拌を行った後、トリエチルアミン1滴を加え室温にて
1時間撹拌した。内容物を塩化メチレンで希釈した後、
有機層を分液し、これをイオン交換水で2回洗浄した後
2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後水層の電導度がイオ
ン交換水の電導度とほぼ等しくなるまで洗浄を繰り返し
た。有機層を多量のメタノール中に滴下し、濾過、乾燥
して無色の下式で表されるポリカーボネート樹脂5.1
2gを得た。
【0062】
【化21】
【0063】上述のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定したポリスチレン換算の数平均分子量は502
00、重量平均分子量は143100であった。示差走
査熱量測定から求めたガラス転移温度は152.3℃で
あった。また、元素分析値は以下のようであった。
【0064】製造例5 N,N’−ビス{3−メチル−4[2−(4−ヒドロキ
シ)フェネチル]}フェニル−4−メチルビフェニル−
4’−アミン4.86g、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン0.67g及び4−ter
t−ブチルフェノール25mgを水酸化ナトリウム3.
16gとナトリウムハイドロサルファイト96mgを水
40mlに溶解した溶液とともに、窒素気流下30分室
温撹拌した。激しく撹拌しながら20℃にてビス(トリ
クロロメチル)カーボネート1.46gを塩化メチレン
35mlに溶解した溶液を一度に加え15分撹拌を行っ
た後、トリエチルアミン1滴を加え室温にて1時間撹拌
した。内容物を塩化メチレンで希釈した後、有機層を分
液し、これをイオン交換水で2回洗浄した後2%の塩酸
水溶液で洗浄し、その後水層の電導度がイオン交換水の
電導度とほぼ等しくなるまで洗浄を繰り返した。有機層
を多量のメタノール中に滴下し、濾過、乾燥して無色の
下式で表されるポリカーボネート樹脂5.18gを得
た。
【0065】
【化22】
【0066】
【0067】上述のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定したポリスチレン換算の数平均分子量は537
00、重量平均分子量は188800であった。示差走
査熱量測定から求めたガラス転移温度は145.3℃で
あった。また、元素分析値は以下のようであった。
【0068】製造例6 N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−4−[2−
(4−ヒドロキシフェネチル)フェニル]ジフェニルエ
ーテル−4,4’−ジアミン3.70g、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン1.06g
及び4−tert−ブチルフェノール16mgを水酸化
ナトリウム2.68gとナトリウムハイドロサルファイ
ト83mgを水33mlに溶解した溶液とともに、窒素
気流下30分室温撹拌した。激しく撹拌しながら20℃
にてビス(トリクロロメチル)カーボネート1.59g
を塩化メチレン33mlに溶解した溶液を一度に加え1
5分撹拌を行った後、トリエチルアミン1滴を加え室温
にて1時間撹拌した。内容物を塩化メチレンで希釈した
後、有機層を分液し、これをイオン交換水で2回洗浄し
た後2%の塩酸水溶液で洗浄し、その後水層の電導度が
イオン交換水の電導度とほぼ等しくなるまで洗浄を繰り
返した。有機層を多量のメタノール中に滴下し、濾過、
乾燥して無色の下式で表されるポリカーボネート樹脂
4.40gを得た。
【0069】
【化23】
【0070】上述のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定したポリスチレン換算の数平均分子量は673
00、重量平均分子量は190000であった。示差走
査熱量測定から求めたガラス転移温度は143.9℃で
あった。また、元素分析値は以下のようであった。
【0071】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限
定されるものではない。
【0072】〈実施例1〉2mmのストライプ状にエッ
チングを行ったITO基板を煮沸アルコールにより洗浄
し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。製
造例1の芳香族ポリカーボネート樹脂の1.0wt%ジ
クロロメタン溶液を作製し、孔径0.1μmのメンブラ
ンフィルターで濾過した。この溶液を使用してITO基
板上にスピンコート法により100nmの膜厚で有機化
合物薄膜の発光層を形成した。次いで、十分乾燥を行っ
た後に、蒸着装置内部に基板をセットし、10−4Pa
の真空度にてマスクを介しMgAg合金層を200nm
形成した。形成した発光面のサイズは2mm×2mmで
あった。このようにして作製したEL素子にITOを陽
極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電圧10
Vにて緑色発光が観測された。また、この発光層は結晶
化等の変質は起こさなかった。
【0073】〈実施例2〉本実施例では、実施例1にお
ける、ポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液に、
さらに下記に示す2-(4-Biphenylyl)-5-(4-tert-butylph
enyl)-1,3,4-oxadiazole(PBD)を固形分の30wt
%になるように溶解させた以外は実施例1と同様にして
EL素子を作製した。このようにして作製したEL素子
にITOを陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、
印加電圧10Vにて緑色発光が観測された。また、この
発光層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化24】
【0074】〈実施例3〉本実施例では、実施例1にお
けるポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液に、さ
らに2-(4-Biphenylyl)-5-(4-tert-butylphenyl)-1,3,4-
oxadiazole(PBD)を固形分の30wt%と、微量の
下記ペリレン誘導体(C)を固形分の3wt%溶解させ
た以外は、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
このようにして作製したEL素子にITOを陽極に、M
gAgを陰極に接続したところ、印加電圧10Vにてオ
レンジ色の発光が観測された。また、この発光層は結晶
化等の変質は起こさなかった。
【化25】
【0075】〈実施例4〉本実施例では、実施例1と同
様に処理したITO基板を用意し、この基板上に実施例
1と同様のポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液
を用いて、dipping法により実施例1と同様の膜
を50nm形成した。次いで、十分乾燥を行った後に、
蒸着装置内部に基板をセットし、10−4Paの真空度
にて下記構造式(D)のAlq分子堆積膜を50nm形
成し、さらに、マスクを介しMgAg合金層を200n
m形成した。形成した発光面のサイズは2mm×2mm
であった。このようにして作製したEL素子にITOを
陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電圧1
0Vにて緑色の発光が観測された。また、この発光層は
結晶化等の変質は起こさなかった。
【化26】
【0076】〈実施例5〉本実施例では、ポリカーボネ
ート樹脂として製造例2の芳香族ポリカーボネート樹脂
を用いた以外は、実施例2と同様にしてEL素子の作製
を行った。このようにして作製したEL素子にITOを
陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電圧1
0Vにて緑色発光が観測された。また、この有機化合物
薄膜からなる発光層は結晶化等の変質は起こさなかっ
た。
【0077】〈実施例6〉本実施例では、ポリカーボネ
ート樹脂として製造例3の芳香族ポリカーボネート樹脂
を用いた以外は、実施例2と同様にしてEL素子の作製
を行った。このようにして作製したEL素子にITOを
陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電圧1
0Vにて緑色発光が観測された。また、この有機化合物
薄膜からなる発光層は結晶化等の変質は起こさなかっ
た。
【0078】〈実施例7〉本実施例では、ポリカーボネ
ート樹脂として製造例4の芳香族ポリカーボネート樹脂
を用いた以外は、実施例2と同様にしてEL素子の作製
を行った。このようにして作製したEL素子にITOを
陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電圧1
0Vにて緑色発光が観測された。また、この有機化合物
薄膜からなる発光層は結晶化等の変質は起こさなかっ
た。
【0079】〈実施例8〉本実施例では、ポリカーボネ
ート樹脂として製造例5の芳香族ポリカーボネート樹脂
を用いた以外は、実施例2と同様にEL素子の作製を行
った。このようにして作製したEL素子にITOを陽極
に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電圧10V
にて緑色発光が観測された。また、この有機化合物薄膜
からなる発光層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0080】〈実施例9〉本実施例では、ポリカーボネ
ート樹脂として製造例6の芳香族ポリカーボネート樹脂
を用いた以外は、実施例2と同様にしてEL素子の作製
を行った。このようにして作製したEL素子にITOを
陽極に、MgAgを陰極に接続したところ、印加電圧1
0Vにて緑色発光が観測された。また、この有機化合物
薄膜からなる発光層は結晶化等の変質は起こさなかっ
た。
【0081】〈実施例10〉2mmのストライプ状にエ
ッチングを行ったITO基板を煮沸アルコールにより洗
浄し、さらに表面を酸素プラズマにより表面処理した。
この上にホール注入輸送層として銅フタロシアニンを1
0nmの膜厚で真空蒸着により作製した。この上に実施
例1で使用した製造例1の芳香族ポリカーボネート樹脂
溶液を用いて90nmの膜厚でスピンコート法により有
機化合物薄膜を形成した。次いで、十分乾燥を行った後
に、蒸着装置内部に基板をセットし、10−4Paの真
空度にてマスクを介しMgAg合金層を200nm形成
した。形成した発光面のサイズは2mm×2mmであっ
た。このようにして作製したEL素子に、ITOを陽極
にMgAgを陰極に接続したところ、印加電圧10Vに
て緑色発光が観測された。また、この有機化合物薄膜を
含む発光層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【0082】〈実施例11〉実施例10と同様にしてI
TO基板上に銅フタロシアニン層と製造例1の芳香族ポ
リカーボネート樹脂を用いた有機化合物薄膜を作製し
た。この上に実施例4と同じように真空蒸着法によりA
lq分子堆積膜を50nm形成し、さらに、マスクを介
しMgAg合金層を200nm形成した。形成した発光
面のサイズは2mm×2mmであった。このようにして
作製したEL素子に、ITOを陽極にMgAgを陰極に
接続したところ、印加電圧10Vにて緑色の発光が観測
された。また、この発光層は結晶化等の変質は起こさな
かった。
【0083】〈実施例12〉本実施例では、まず、実施
例10と同様にしてITO基板上に銅フタロシアニン層
を作製した。この上に実施例3で用いた製造例1の芳香
族ポリカーボネート樹脂とPBDとペリレン誘導体
(C)の混合溶液を用いて、スピンコート法で有機化合
物薄膜を作製した。さらに、下記構造(E)のオキサジ
アゾール化合物を真空蒸着法で蒸着して30nmの電子
輸送層を作製した。さらに、マスクを介しMgAg合金
層を200nm形成した。発光面のサイズは2mm×2
mmであった。このようにして作製したEL素子に、I
TOを陽極にMgAgを陰極に接続したところ、印加電
圧10Vにてオレンジ色の発光が観測された。また、こ
の発光層は結晶化等の変質は起こさなかった。
【化27】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、高い電荷輸送能を有し
耐熱性に優れる芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する
ことによって、優れた発光特性を示しかつ結晶化等の性
質変化がなく安定な有機薄膜EL素子を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 一清 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 李 洪国 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 河村 慎一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴鹿 進 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 興和川 崎西口ビル11階 保土谷化学工業株式会社 内 (72)発明者 諸岡 勝宏 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 興和川 崎西口ビル11階 保土谷化学工業株式会社 内 Fターム(参考) 3K007 AB04 AB11 BA06 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 4J029 AA09 AB01 AC02 AD01 AE04 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10 BB04A BB05A BB06A BB10A BB12A BB13A BB13B BC05A BC07A BD03A BD04A BD05A BD07A BD09A BD09B BD09C BE05A BE05B BE07 BF08 BF09 BF14A BF14B BF20 BF25 BF30 BG08X BG08Y BH02 BH04 DA09 DA13 DB11 DB13 DB17 HA01 HC01 HC05 KE09 KE11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する陽極と陰極間に、少なく
    とも1層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機
    薄膜EL素子において、該有機化合物薄膜の少なくとも
    1層が下記一般式(1)で表される芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂を含有する層であることを特徴とする有機薄膜
    EL素子。 【化1】 (式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArは置
    換もしくは無置換のアリレン基、Arは置換もしくは
    無置換のアリール基、Zはアリレン基又は−Ar −Z
    a−Ar−を表し、Arは置換もしくは無置換のア
    リレン基、Zaは単結合、O、S又はアルキレン基、R
    及びR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。nは
    0又は1を表す。)
  2. 【請求項2】 上記芳香族ポリカーボネート樹脂が下記
    一般式(2)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂で
    あることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜EL素
    子。 【化2】 (式(2)中、Ra、Rb、Rc及びRdは置換もしく
    は無置換のアルキル基を表し、Ar、Z、R、R’及
    びnは上記一般式(1)についての定義と同一)
  3. 【請求項3】 互いに対向する陽極と陰極間に、少なく
    とも1層の有機化合物薄膜よりなる発光層を備えた有機
    薄膜EL素子において、該有機化合物薄膜の少なくとも
    1層が、上記一般式(1)で表される構成単位と下記一
    般式(3)で表される構成単位とからなり、一般式
    (1)で表される構成単位の組成比をk、一般式(3)
    で表される構成単位の組成比をjとしたときに、組成比
    の割合が0<k/(k+j)≦1であるポリカーボネー
    ト樹脂を含有する層であることを特徴とする有機薄膜E
    L素子。 【化3】 [式(3)中、Xは置換又は無置換の脂肪族二価基、置
    換又は無置換環状脂肪族二価基、置換又は無置換芳香族
    二価基、又はこれらを連結してできる二価基、又は、 【化4】 (ここで、R、R、R及びRは独立して置換も
    しくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリ
    ール基又はハロゲン原子である。またa及びbは各々独
    立して0〜4の整数であり、c及びdは各々独立して0
    〜3の整数であり、R、R、R、Rがそれぞれ
    に複数個存在するときは同一でも異なっていてもよい。
    Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキレン
    基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜12の分岐状
    のアルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のアルキレ
    ン基と一つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子から構成
    される二価基、−O−、−S−、−SO−、−SO
    −、−CO−、−COO−、又は下記式 【化5】 から選ばれ、Z、Zは置換もしくは無置換の脂肪族
    の二価基又は置換もしくは無置換のアリレン基を表し、
    、R、R12はハロゲン原子、置換もしくは無置
    換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換のアリール基を表し、R、R
    、R10、R11は各々独立して水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしく
    は無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリー
    ル基を表す。またRとRは結合して炭素数5〜12
    の炭素環を形成してもよく、R13とR14は単結合又
    は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R15とR16
    は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換
    もしくは無置換のアリール基を表し、eとgは0〜4の
    整数、fは1又は2、hは0〜20の整数、iは0〜2
    000の整数を表す。)を表す。]
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される構成単位が上記
    一般式(2)で表される構成単位であることを特徴とす
    る請求項3に記載の有機薄膜EL素子。
  5. 【請求項5】 上記芳香族ポリカーボネート樹脂が下記
    一般式(4)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂で
    あることを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜EL素
    子。 【化6】 (式(4)中、Ra、Rb、Rc、Rd、Ar、Z、
    R、R’、X及びnは上記一般式(1)〜(3)につい
    ての定義と同一)
  6. 【請求項6】 上記芳香族ポリカーボネート樹脂を含有
    する層が、電子輸送性物質をさらに含むことを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の有機薄膜EL素子。
  7. 【請求項7】 上記芳香族ポリカーボネート樹脂を含有
    する層が、電子輸送性物質と発光性物質とをさらに含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機
    薄膜EL素子。
  8. 【請求項8】 上記発光層が少なくとも1層のホール注
    入輸送層を含む複数層の有機化合物薄膜よりなる発光層
    であり、該ホール注入輸送層の少なくとも1層が上記芳
    香族ポリカーボネート樹脂を含有する層であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機薄膜EL
    素子。
  9. 【請求項9】 上記発光層が、上記芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂を含有する層と、少なくとも1層のホール注入
    輸送層、少なくとも1層の電子注入輸送層及び少なくと
    も1層の両注入輸送層から選ばれる一つ以上とから構成
    されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の有機薄膜EL素子
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