JP2003077655A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

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JP2003077655A JP2001266954A JP2001266954A JP2003077655A JP 2003077655 A JP2003077655 A JP 2003077655A JP 2001266954 A JP2001266954 A JP 2001266954A JP 2001266954 A JP2001266954 A JP 2001266954A JP 2003077655 A JP2003077655 A JP 2003077655A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有機EL素子の有機層に対する水分の影響を
できるだけ排除し、かつ簡易な、有機EL素子の製造方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 有機層を形成する最初の工程から、封止
手段を形成する封止工程までを、水分量を制限した雰囲
気中で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば単純マトリ
クス型若しくはアクティブマトリクス型などの配線構造
を有する有機ELフルカラー表示体や、複写機、レーザ
ープリンタ等の電子写真方式による画像形成装置の感光
ドラムを露光する場合の露光装置(光源)等に好ましく
使用できる有機エレクトロルミネッセンス素子、及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子(有
機EL素子)は、少なくとも蛍光性有機化合物等の有機
発光材料からなる有機発光層を含む有機層を、陰極と陽
極とで挟んだ構成を有し、有機発光層に電子および正孔
(ホール)を注入して再結合させることにより励起子
(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する
際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子
である。
【0003】この有機EL素子の特徴は、10V以下の
低電圧で100〜100000cd/m2程度の高輝度
の面発光が可能であり、また蛍光物質の種類を選択する
ことにより青色から赤色までの発光が可能なことであ
る。
【0004】有機EL素子は、安価な大面積フルカラー
表示素子を実現するものとしても注目を集めている(電
子情報通信学会技術報告、第89巻、NO.106、4
9ページ、1989年)。報告によると、強い蛍光を発
する有機色素を有機発光層に使用し、青、緑、赤色の明
るい発光を得ている。これは、薄膜状で強い蛍光を発
し、ピンホール欠陥の少ない有機色素を用いたことで、
高輝度なフルカラー表示を実現できたと考えられてい
る。
【0005】しかし、有機EL素子は水分や汚染物質
(汚れやごみ)により特性劣化が起こりやすく、封止に
よって水分や汚染物質を有機層に接触させないようにし
たり、製造雰囲気を制御したりする必要がある。
【0006】そこで、特許第2813495号公報にお
いて、有機発光層形成時から連続した一連の真空環境下
での製造方法が提案されている。
【0007】また、特許第2917795号公報におい
て、真空または不活性ガス中におけるウェットプロセス
を含むプロセスが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特許第281
3495号公報に開示された方法は、有機発光層を全て
真空プロセスで形成する場合のみの提案である。真空成
膜プロセス前については言及していない。したがって、
真空成膜前のプロセスにおいて基板表面や有機発光層に
水分が吸着し、それが有機層にまで及ぶ可能性が否定で
きない。
【0009】また、特許第2917795号公報に開示
された方法は、真空または不活性ガス中におけるプロセ
スに洗浄工程を含まず、洗浄後の基板表面の洗浄度を確
保する為のものである。したがって、基板表面に吸着し
た水分や不活性ガスに含まれる水分が有機層へ吸着する
可能性が否定できない。
【0010】また、有機層の形成工程を全て真空中で行
うとすれば、製造コストが高くなってしまう。
【0011】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、有機EL素子の有機層に対する水分の影響をできる
だけ排除し、かつ簡易で安価な、有機EL素子の製造方
法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明は、対向する一対の電極間に有機発光材料からな
る有機発光層を含む有機層を少なくとも積層した積層構
造体と、該積層構造体を封止する封止手段とを基板上に
少なくとも有する有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法において、前記有機層を形成する最初の工程か
ら、前記封止手段を形成する封止工程までを、水分量を
制限した雰囲気中で行うことを特徴とする。
【0013】本発明は、上記発明において、「前記有機
層を形成する最初の工程において、加熱乾燥を行うこ
と」、「前記水分量を制限した雰囲気中で行う工程を、
前記有機層を形成する最初の工程の直前の洗浄工程から
とすること」、「前記洗浄工程は、ドライ洗浄であるこ
と」、「前記ドライ洗浄は、大気プラズマによる洗浄で
あること」「前記雰囲気中の水分量を0.21mg/l
以下に制限すること」、「少なくとも1つのウェットプ
ロセスを含むこと」、「前記ウェットプロセスは、ウェ
ットパターニングを含むこと」、「前記ウェットプロセ
スは、基板上に所望の成膜材料を塗布する塗布工程を含
むこと」、「前記有機発光材料が、分子量5000以下
のモノマー材料であること」、を好ましい態様として含
むものである。
【0014】また、本発明は、上記本発明の製造方法を
用いて製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミ
ネッセンス素子をも含むものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0016】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子(有機EL素子)の製造方法は、例えば単純マトリク
ス型若しくはアクティブマトリクス型などの配線構造を
有する高機能な有機ELフルカラー表示体や、複写機、
レーザープリンタ等の電子写真方式による画像形成装置
の感光ドラムを露光する場合の露光装置(光源)等の製
造に好ましく適用できる。
【0017】図3は有機ELフルカラー表示体の一画素
部分の構成の一例を表す平面図である。例えば図3に示
すような画素を有機ELフルカラー表示体にあっては、
基板上に信号線401、ゲート線402、透明画素電極
403および薄膜トランジスタ404を形成した後、そ
の上に赤、緑、青色の有機発光層405、406、40
7を、低分子(モノマー)有機EL材料を用いてウェッ
トパターニング方法つまり印刷法によりパターニング
し、正孔注入層408(外縁のみを図示)、金属電極
(不図示)を順次形成する。このようにして、一画素に
つき上記3色を発色する3つの有機EL素子を信号線、
ゲート線でつなぎ、この画素をマトリクス状に配置する
ことで、有機ELフルカラー表示体が作成できる。以下
においては、有機EL素子の好ましい適用対象の一つで
ある、このような有機ELフルカラー表示体を含む有機
EL表示体の作成に本発明の製造方法を適用した形態を
説明する。
【0018】図2は本発明の一実施形態を説明するため
の有機ELフルカラー表示体の断面模式図である。図2
において301はガラス基板、302は透明画素電極、
303は正孔注入層、304は有機発光層(赤)、30
5は有機発光層(緑)、306は有機発光層(青)、3
07は金属電極、308はブラックストライプ、309
は吸湿材、310は裏蓋用ガラス基板である。図2にお
いては、本発明の有機層は、正孔注入層303や、有機
発光層304〜306に対応し、本発明の封止手段は裏
蓋用ガラス基板310に対応する。
【0019】本発明においては、有機層を形成する最初
の工程から、封止手段を形成する封止工程までを、水分
量を制限した雰囲気中で行うことを特徴とする。ここで
有機層とは、対向する一対の電極間に設けられる有機材
料からなる層を指しており、用いる有機材料として、有
機発光材料、正孔注入材料、電子注入材料、正孔輸送材
料、電子輸送材料が挙げられる。この有機材料からなる
層は、有機発光材料からなる有機発光層のみとする形態
や、有機発光材料からなる有機発光層を含む複数の有機
層とする形態があるが、本発明で雰囲気中の水分量を制
限するのは、これらの有機層を形成する単数若しくは複
数の工程のうちの一番最初の工程からである。図2の形
態においては、303の正孔注入層を形成する工程がこ
れに対応する。正孔注入層303を有機材料以外で形成
する場合には、有機発光層を形成する工程から雰囲気中
の水分量を制限すればよい。
【0020】特に、最初に形成する有機層の定着に加熱
乾燥を用いれば、直前まで水分量が制限されていない雰
囲気中で扱われていた基板に水分が付着していても、有
機層の乾燥と同時にその水分も除去され、以後、水分量
を制限した雰囲気中で形成する有機層への水分の影響を
排除する事が出来て好ましい。
【0021】さらに好ましくは、前記水分量を制限した
雰囲気中で行う工程を、前記有機層を形成する最初の工
程の直前の洗浄工程からとすることである。このような
洗浄工程を製造工程中に含めれば、工程間の移動などの
時に付着した基板上のゴミや汚れを除去し、有機層を形
成する最初の工程時の基板表面を安定化することで、製
品の品質の安定化ができる上に、水分除去の観点から
は、洗浄工程としてドライ洗浄を用いること、さらにド
ライ洗浄は大気プラズマによる洗浄であることにより、
水分量を制限した雰囲気中に基板を投入する前に基板に
付着した水分を除去することができる。
【0022】なお、雰囲気中の水分量は、0.21mg
/l以下とすることが後述の実施例及び比較例に示す5
00H後の輝度測定結果からも分かるように、発光輝度
の経時低下を防ぐために好ましい。
【0023】また、製造工程中に少なくとも1つのウエ
ットプロセスを含むことが好ましい。これにより、層間
の密着性が向上する、製造装置コストが低減でき製造コ
ストが下がる等の効果がある。なお、ウェットプロセス
とは塗布工程や、ウェットパターニングを示唆してお
り、塗布工程とはスピンコーターやスリットコーターな
どによる成膜材料の塗布の工程を指し、ウェットパター
ニングとはパターニング材料を微小な液滴として、各画
素内に飛ばし定着させるインクジェット印刷方法又は凹
版に充填させた後にブランケットゴムに受理した成膜材
料を基板に転写させるオフセット印刷方法などが好まし
く用いられる、液体を使用したパターニングを指してい
る。特に、ウエットパターニングを含めることによっ
て、メカマスク等の消耗部材費が低減できる。
【0024】オフセット印刷機は、枚葉の校正印刷機を
基本とするが、紙に印刷する一般的な水無し平版印刷機
や凹版印刷機よりも印刷位置精度や印刷条件の設定が精
度良くできるように改良したものが良い。
【0025】次に、有機EL素子に好ましく用いられる
材料、好ましい形態について説明する。
【0026】有機発光材料は、発光効率の向上の観点か
ら分子量5000以下のモノマー材料であることが好ま
しい。これには有機発光材料、正孔注入材料、電子注入
材料、正孔輸送材料、電子輸送材料より選ばれる少なく
とも1種を用いることができ、正孔注入材料又は正孔輸
送材料に有機発光材料をドーピングする、または電子注
入材料又は電子輸送材料に有機発光材料をドーピングす
る等により発色の選択の幅を広げることができる。ま
た、有機発光層は、発光効率の観点からアモルファス膜
であることが好ましく、有機発光層を発光効率のよいア
モルファス膜とするために、融点mpとガラス転移点T
gとの差が50℃以上であるものが好ましい。
【0027】各色の有機発光材料は、トリアリールアミ
ン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族
縮合多環化合物、芳香族複素環化合物、芳香族複素縮合
環化合物、金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体
あるいは複合オリゴ体が使用できるが、これに限られる
物ではない。
【0028】ウエットパターニング法により有機発光層
を形成するに際しては、モノマー有機EL材料を常温で
水分溶解度が5wt%以下の疎水系有機溶媒に希釈また
は溶解させて用いる。溶媒としては、クロロホルム、ト
ルエン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエ
タン、キシレン、シメン、シクロヘキサノン、オクチル
ベンゼン、ドデシルベンゼン、デカリン、キノリン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン、チモール、ニトロベンズアルデヒド、ニトロベンゼ
ン、二硫化炭素、2ヘプタノン、ベンゼン、ターピネオ
ール、ブチルカルビトールアセテート、セルソルブ類等
の単一もしくは混合溶媒が使用できるが、これに限られ
るものではない。
【0029】また、有機発光層は、正孔輸送等の各単機
能を持つ層であってもよいし、複合機能を持つ層であっ
てもよい。更に、正孔輸送等の機能を持つ層を別に形成
してもよく、この際、この層もウエットパターニング法
で形成し、有機発光層を積層構造とすることにより、発
光効率を向上し、製造プロセスを簡略化できる。
【0030】有機発光層の膜厚は0.05〜0.3μm
程度であることが必要であり、好ましくは0.05〜
0.15μm程度である。
【0031】また、正孔注入及び輸送材料としては、可
溶性のフタロシアニン化合物、トリアリールアミン化合
物、導電性高分子、ペリレン系化合物、Eu錯体等が使
用できるが、これに限られるものではない。
【0032】また、電子注入及び輸送材料としては、ア
ルミに8−ヒドロキシキノリンの3量体が配位したAl
3、アゾメチン亜鉛錯体、ジスチリルビフェニル誘導
体系等が使用できるが、これに限られるものではない。
【0033】また、有機発光層、電子注入及び輸送層、
正孔注入及び輸送層いずれの層においても適当な結着樹
脂中に各機能物質を分散して使用することも可能であ
る。
【0034】
【実施例】(実施例1)本例は、パッシブマトリクス型
有機EL表示体(2値表示)を作製した例である。
【0035】図1は本発明の一実施形態を説明するため
の有機ELフルカラー表示体の概念図である。(a)は
断面模式図であり、(b)は素子部の形成プロセスフロ
ーを示す平面模式図である。図1において101はガラ
ス基板、102は透明画素電極、103は正孔注入層、
104は有機発光層、105は金属電極、106は吸湿
材、107は裏蓋用ガラス基板である。図1に示すよう
に、ガラス基板101の表面にITOにより複数の透明
画素電極102を形成した。
【0036】この際に、ITOからなる透明画素電極1
02は、フォトリソプロセスを用い、現像エッチングの
後フォトレジストを剥離洗浄した。さらに、220℃3
0分でベークした後、大気プラズマを3秒当て、23℃
のクールプレート上で冷却した。ここまでの工程を第一
工程とし、それぞれ雰囲気中の水分量の制御を行わない
単独工程とした。
【0037】次に、第二工程として−80℃で処理した
99.99%チッソガスを流入させ、雰囲気中の水分量
を0.21mg/l以下に制御した一環工程とした。こ
の一環工程に第一工程から基板を投入し、その上に、正
孔注入材料としてTPA−6をスピンコート法によりコ
ーティングした。その後、加熱乾燥することによって、
厚さ0.05μmの正孔注入層103が形成された。
【0038】次に、一環工程内の蒸着装置に基板を投入
し、有機発光材料としてAlq3を成膜し、厚さ0.0
5μmの有機発光層104を形成した。
【0039】最後に、同装置の次のチャンバーで、厚さ
0.1〜0.2μmのMgAgからなる金属電極(上配
線)105をマスク蒸着法により形成した。
【0040】さらに、真空チャンバーから取り出して吸
湿材107として酸化カルシュウムを付着させた、裏蓋
用ガラス基板108の周辺部にエポキシ系接着剤を塗布
して、基板の裏面に貼り合せ、封止した。
【0041】これにより、初期輝度10000cd、5
00H後輝度8000cdの、直視型のパッシブ有機E
L表示体が得られた。
【0042】(実施例2)本例は、パッシブマトリクス
型有機ELフルカラー表示体を作製した例である。
【0043】図2に示すように、ガラス基板301の表
面にITOにより複数の透明画素電極を形成し、これら
の間隙にブラックストライプ308を形成した。この際
に、実施例1と同様に、ITO透明画素電極は、フォト
リソプロセスを用い、現像エッチングの後フォトレジス
トを剥離洗浄した。さらに、高抵抗ブラックストライプ
材料を成膜し、フォトリソプロセスを用い、現像エッチ
ングの後フォトレジストを剥離洗浄した。
【0044】さらに、220℃30分でベークした後、
大気プラズマを3秒当て、23℃のクールプレート上
で、冷却した。ここまでの工程を第一工程とし、それぞ
れ雰囲気中の水分量の制御を行わない単独工程とした。
【0045】次に、第二工程として実施例1と同様に−
80℃で処理した99.99%チッソガスを流入させ、
雰囲気中の水分量を0.21mg/l以下に制御した一
環工程とした。この一環工程に第一工程から基板を投入
し、その上に、正孔注入材料としてTPA−6をスピン
コート法によりコーティングした。その後、加熱乾燥す
ることによって、厚さ0.05μmの正孔注入層303
が形成された。
【0046】次に、オフセット印刷装置により赤、緑、
青色に発色する有機発光材料を深さ15μの凹版にドク
ーターブレードで充填した後、シリコンブランケットを
押し込み量50μの印圧で速度20mm/sの速度で凹
版より受理した後、同様の速度と印圧で基板に転移させ
ることにより、パターンを印刷し、厚さ0.05μmの
有機発光層(赤)304、有機発光層(緑)305、有
機発光層(青)306を形成した。青色有機発光材料に
は9,9−ジオクチルフルオレンの5量体(DOFL−
5:分子量1945、融点210℃、Tg123℃)、
緑色有機発光材料には1.0wt%のクマリンをDOF
L−5にドープしたもの、赤色有機発光材料には1.0
wt%の4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−
(4−ジメチルアミノスチリル)−4−H−ピラン(D
CM)をDOFL−5にドープしたものを使用した。
【0047】各色の有機発光材料はトルエンに1.0w
t%溶解させて後、ターピネオールで等倍希釈し、0.
5wt%溶液とした。
【0048】次に、一環工程内の、真空チャンバー内に
投入し、厚さ0.1〜0.2μmのMgAgからなる金
属電極307を蒸着法により形成した。
【0049】さらに、実施例1と同様に、真空チャンバ
ーから取り出して、吸湿材309として酸化カルシュウ
ムを付着させた、裏蓋用ガラス基板310の周辺部にエ
ポキシ系接着剤を塗布して、基板の裏面に貼り合せ、封
止した。これにより、初期輝度8000cd、500H
後輝度7000cdの、直視型のパッシブマトリクス型
有機ELフルカラー表示体が得られた。
【0050】(実施例3)本例は、パッシブマトリクス
型有機ELフルカラー表示体を作製した例である。
【0051】図2に示すように、実施例2と同様に、ガ
ラス基板301の表面に透明画素電極302、ブラック
ストライプ308を形成し、220℃30分でベークし
た。ここまでの工程を第一工程とし、それぞれ雰囲気中
の水分量の制御を行わない単独工程とした。
【0052】次に、第二工程として−80℃で処理した
ドライエアーを流入させ、雰囲気中の水分量を0.21
mg/l以下に制御した一環工程とした。この一環工程
に第一工程から基板を投入し、一環工程内で、大気プラ
ズマを3秒当て、23℃のクールプレート上で冷却す
る、ドライ洗浄を行い、実施例2と同様にして正孔注入
層303を形成した。
【0053】以降は、実施例2と同様にして封止工程ま
でを、水分量を制限した雰囲気中の一環工程で行った。
【0054】これにより、初期輝度9000cd、50
0H後輝度7000cdの、直視型のパッシブフルカラ
ー有機EL表示体が得られた。
【0055】(実施例4)本例は、パッシブマトリクス
型有機ELフルカラー表示体を作製した例である。
【0056】図2に示すように、実施例2と同様に、ガ
ラス基板301の表面に透明画素電極302、ブラック
ストライプ308を形成した。ここまでの工程を第一工
程とし、それぞれ雰囲気中の水分量の制御を行わない単
独工程とした。
【0057】次に、第二工程として−80℃で処理した
ドライエアーを流入させ、雰囲気中の水分量を0.21
mg/l以下に制御した一環工程とした。この一環工程
に第一工程から基板を投入し、220℃30分でベーク
し、基板表面の水分を除去した。さらに、大気プラズマ
を3秒当て、23℃のクールプレート上で、冷却した。
その上に、正孔注入材料としてTPA−6をスピンコー
ト法によりコーティングした。加熱乾燥することによっ
て、厚さ0.05μmの正孔注入層303が形成され
た。
【0058】以降は、実施例2と同様にして封止工程ま
でを、水分量を制限した雰囲気中の一環工程で行った。
【0059】これにより、初期輝度10000cd、5
00H後輝度8000cdの、直視型のパッシブフルカ
ラー有機EL表示体が得られた。
【0060】(比較例1)実施例4と同様に直視型のパ
ッシブマトリクス型有機ELフルカラー表示体を作成し
た。
【0061】ただし、実施例4における一環工程である
第二工程において、ドライエアーの流入を行わず、クリ
ーンルーム内の温湿度23℃60%において行った。
【0062】これにより、初期輝度1000cd、50
0H後輝度500cdの、直視型のパッシブマトリクス
型有機ELフルカラー表示体が得られた。
【0063】(比較例2)実施例4と同様に直視型のパ
ッシブマトリクス型有機ELフルカラー表示体を作成し
た。
【0064】ただし、実施例4における一環工程である
第二工程において、最後の封止工程を実施しなかった。
【0065】これにより、初期輝度1000cd、10
H後輝度0cd(発光せず)の、直視型のパッシブマト
リクス型有機ELフルカラー表示体が得られた。
【0066】(比較例3)実施例4と同様に直視型のパ
ッシブマトリクス型有機ELフルカラー表示体を作成し
た。
【0067】ただし、実施例4における一環工程である
第二工程において、−80℃で処理したドライエアーを
用いず、−24℃で処理したドライエアーを流入させ、
雰囲気中の水分量を0.42mg/lに制御した。
【0068】これにより、初期輝度10000cd、5
00H後輝度1000cdの、直視型のパッシブマトリ
クス型有機ELフルカラー表示体が得られた。
【0069】
【発明の効果】以上説明のように本発明によれば、有機
層を形成する最初の工程から、前記封止手段を形成する
封止工程までを、水分量を制限した雰囲気中で行うとい
う低コストで実現可能な製造方法によって、高寿命高輝
度で、安価な有機EL素子を提供することができ、高機
能有機ELフルカラー表示体等の有機ELデバイスが製
造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための有機EL
フルカラー表示体の概念図である。(a)は断面模式図
である。(b)は素子部の形成プロセスフローを示す平
面模式図である。
【図2】本発明の一実施形態を説明するための有機EL
フルカラー表示体の断面模式図である。
【図3】有機ELフルカラー表示体の一画素部分の構成
の一例を表す平面図である。
【符号の説明】
101,301 ガラス基板 102,302,403 透明画素電極 103,303,408 正孔注入層 104 有機発光層 105,307 金属電極 106,309 吸湿材 107,310 裏蓋用ガラス基板 304,405 有機発光層(赤) 305,406 有機発光層(緑) 306,407 有機発光層(青) 308 ブラックストライプ 401 信号線 402 ゲート線 404 薄膜トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB11 AB13 AB18 BA06 BB05 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 FA02 5C094 AA08 AA31 AA43 AA44 BA12 BA27 CA19 CA24 DA13 DB01 DB04 EA05 EB02 FB01 FB20 GB10 JA20 5G435 AA04 AA14 AA17 BB05 CC09 CC12 HH01 HH20 KK05 KK10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の電極間に有機発光材料か
    らなる有機発光層を含む有機層を少なくとも積層した積
    層構造体と、該積層構造体を封止する封止手段とを基板
    上に少なくとも有する有機エレクトロルミネッセンス素
    子の製造方法において、 前記有機層を形成する最初の工程から、前記封止手段を
    形成する封止工程までを、水分量を制限した雰囲気中で
    行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記有機層を形成する最初の工程におい
    て、加熱乾燥を行うことを特徴とする請求項1に記載の
    有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子の製造方法において、前記水分量を
    制限した雰囲気中で行う工程を、前記有機層を形成する
    最初の工程の直前の洗浄工程からとすることを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄工程は、ドライ洗浄であること
    を特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッ
    センス素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ドライ洗浄は、大気プラズマによる
    洗浄であることを特徴とする請求項4に記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記雰囲気中の水分量を0.21mg/
    l以下に制限することを特徴とする請求項1から5のう
    ちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のうちのいずれか一項に
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
    おいて、少なくとも1つのウェットプロセスを含むこと
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記ウェットプロセスは、ウェットパタ
    ーニングを含むことを特徴とする請求項7に記載の有機
    エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ウェットプロセスは、基板上に所望
    の成膜材料を塗布する塗布工程を含むことを特徴とする
    請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記有機発光材料が、分子量5000
    以下のモノマー材料であることを特徴とする請求項1か
    ら9のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のうちのいずれか一
    項に記載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
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