JP2003076048A - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- JP2003076048A JP2003076048A JP2001266174A JP2001266174A JP2003076048A JP 2003076048 A JP2003076048 A JP 2003076048A JP 2001266174 A JP2001266174 A JP 2001266174A JP 2001266174 A JP2001266174 A JP 2001266174A JP 2003076048 A JP2003076048 A JP 2003076048A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 今まで用いられたことのない新しい有機材料
を感光層に電荷輸送物質として用いることにより、高感
度な複写機用およびプリンタ用の正帯電型電子写真用感
光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に電荷発生物質および電荷
輸送物質を含有する感光層を設けた電子写真用感光体に
おいて、該感光層に、下記一般式(I)、 (式中、R1およびR2は夫々独立に水素原子、ハロゲン
原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基
若しくはアルコキシ基、ニトロ基、置換基を有してもよ
いアリール基または環を形成するための残基を表し、A
は酸素原子または=CR3R4を表し、Zはベンゼン環1
〜3個を有してもよい残基または置換基を有してもよい
アリーレン基を表す)で示される電子輸送性化合物の少
なくとも1種を電荷輸送物質として含有する。
を感光層に電荷輸送物質として用いることにより、高感
度な複写機用およびプリンタ用の正帯電型電子写真用感
光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に電荷発生物質および電荷
輸送物質を含有する感光層を設けた電子写真用感光体に
おいて、該感光層に、下記一般式(I)、 (式中、R1およびR2は夫々独立に水素原子、ハロゲン
原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基
若しくはアルコキシ基、ニトロ基、置換基を有してもよ
いアリール基または環を形成するための残基を表し、A
は酸素原子または=CR3R4を表し、Zはベンゼン環1
〜3個を有してもよい残基または置換基を有してもよい
アリーレン基を表す)で示される電子輸送性化合物の少
なくとも1種を電荷輸送物質として含有する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用感光体
(以下、単に「感光体」とも称する)に関し、詳しく
は、導電性基体上に有機材料を含む感光層を設けた、電
子写真方式のプリンタ、複写機などに用いられる電子写
真用感光体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来は、感光層として、セレンまたはセ
レン合金などの無機光導電性物質、酸化亜鉛あるいは硫
化カドミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に
分散させたものが用いられている電子写真用感光体(以
下、単に「無機感光体」とも称する)が一般的であっ
た。しかし、近年では、有機光導電性物質を用いた電子
写真用感光体(以下、単に「有機感光体」とも称する)
の研究が進み、感度や耐久性などが改善されて実用化さ
れているものもある。 【0003】また、感光体には暗所で表面電荷を保持す
る機能と、光を受容して電荷を発生する機能と、同じく
光を受容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一
つの層でこれらの機能をあわせもった、所謂単層型感光
体と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電
荷の保持および光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機
能分離した層を積層した、所謂積層型感光体がある。 【0004】これらの感光体を用いた電子写真法による
画像形成には、例えばカールソン方式が適用される。こ
の方式での画像形成は暗所での感光体へのコロナ放電に
よる帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字や絵
などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナーに
よる現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への定
着により行われ、トナー像転写後の感光体は除電、残留
トナーの除去、光除電などを行った後、再使用に供され
る。 【0005】実用化されている有機感光体は、無機感光
体に比べ、可とう性、膜形成性、低コスト、安全性など
の利点があり、材料の多様性からさらに感度、耐久性な
どの改善が進められている。 【0006】有機感光体のほとんどは、電荷発生層と電
荷輸送層に機能を分離した積層型の有機感光体である。
一般に、積層型有機感光体は、導電性基体上に、顔料、
染料などの電荷発生物質を含む電荷発生層と、ヒドラゾ
ン、トリフェニルアミンなどの電荷輸送物質を含む電荷
輸送層とを順に形成したもので、電子供与性である電荷
輸送物質の性質上、正孔移動型となり、感光体表面を負
帯電したときに感度を有する。ところが負帯電型では、
正帯電型に比べて帯電時に用いるコロナ放電が不安定で
あり、またオゾンや窒素酸化物などを発生させるため、
これが感光体表面に吸着して物理的、化学的劣化を引き
起こしやすく、さらに環境を悪化するという問題があ
る。このような点から、感光体としては負帯電型感光体
よりも使用条件の自由度の大きい正帯電型感光体の方
が、その適用範囲は広く、有利である。 【0007】そこで、正帯電型で使用するために、電荷
発生物質と電荷輸送物質を同時に樹脂バインダに分散さ
せて単層の感光層として使用する方法が提案され、一部
実用化されている。しかし、単層型感光体は高速機に適
用するには感度が十分ではなく、また繰り返し特性など
の点からもさらに改良が必要である。 【0008】また、高感度化を目的として機能分離型の
積層構造とするため、電荷輸送層上に電荷発生層を積層
して感光体を形成し、正帯電型で使用する方法も考えら
れるが、この方式では電荷発生層が表面に形成されるた
め、コロナ放電、光照射、機械的摩耗などにより、繰り
返し使用時での安定性などに問題がある。この場合、電
荷発生層の上にさらに保護層を設けることも提案されて
いるが、これにより機械的摩耗は改善されるものの、感
度など電気特性の低下を招くなどの新たな問題がある。 【0009】さらに、電荷発生層上に電子輸送性の電荷
輸送層を積層して感光体を形成する方法も提案されてい
る。電子輸送性材料として、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノンなどが知られているが、この物質は発
ガン性があり、安全上問題がある。その他、特開昭50
−131941号公報、特開平6−59483号公報、
特開平9−190002号公報、特開平9−19000
3号公報などにおいて、シアノ化合物、キノン系化合物
などが提案されているが、実用化に十分な電子輸送能を
有する化合物が得られていないのが実情であった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、今まで用いられたことのない新しい有機材料を感光
層に電荷輸送物質として用いることにより、高感度な複
写機用およびプリンタ用の正帯電型電子写真用感光体を
提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために各種有機材料について鋭意検討する中
で、数多くの実験を行った結果、その技術的解明はまだ
十分なされていないものの、電荷輸送物質の還元電位が
低いと電子写真特性の向上に有効であり、以下に示す一
般式(I)で表される特定の電子輸送性化合物を電荷輸
送物質として使用することにより正帯電で使用可能な高
感度感光体を得ることができることを見出し、本発明を
完成するに至った。 【0012】即ち、本発明の電子写真用感光体は、導電
性基体上に電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する
感光層を設けた電子写真用感光体において、該感光層
に、下記一般式(I)、 (式(I)中、R1およびR2は夫々独立に水素原子、ハ
ロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアル
キル基若しくはアルコキシ基、ニトロ基、置換基を有し
てもよいアリール基または環を形成するための残基を表
し、2個以上あるR1およびR2は夫々同一であっても異
なっていてもよく、Aは酸素原子または=CR3R4(但
し、R3およびR4は夫々同一であっても異なっていても
よく、シアノ基または、アルコキシカルボニル基を表
す)を表し、Zはベンゼン環1〜3個を有してもよい残
基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、m
およびnは1〜4の整数を表す)で示される電子輸送性
化合物の少なくとも1種を電荷輸送物質として含有する
ことを特徴とする電子写真用感光体である。 【0013】 【発明の実施の形態】前記一般式(I)で示される化合
物の具体例を、下記の構造式(I−1)〜(I−12)
にて示す。 【0014】【0015】【0016】前記一般式(I)で示される化合物は、通
常の方法により合成することができる。例えば、前記構
造式(I−2)で示される化合物は、下記構造式(II)
および(III)、 により示される化合物を、適当な触媒(例えば、パラト
ルエンスルホン酸など)で脱水縮合することにより、容
易に合成することができる。 【0017】以下、本発明の感光体の好適例の具体的構
成について図面を参照しながら説明する。図1および図
2は、感光体の各種構成例を示す模式的断面図である。 【0018】図1は、所謂単層型感光体の一構成例を示
しており、導電性基体1上に電荷発生物質と電荷輸送物
質とを樹脂バインダ(結着剤)中に分散した単層の感光
層2が設けられ、さらに、必要に応じて被覆層(保護
層)6が積層されてなる。この単層型感光体は、電荷発
生物質を電荷輸送物質および樹脂バインダを溶解した溶
液中に分散せしめ、この分散液を導電性基体上に塗布す
ることによって作製することができる。さらに必要な場
合は被覆層6を塗布形成することができる。 【0019】図2は、所謂積層型感光体の一構成例を示
し、導電性基体1上に電荷発生物質を主体とする電荷発
生層3と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4とが順
次積層された感光層5が設けられてなる。この積層型感
光体は、導電性基体上に電荷発生物質を真空蒸着する
か、あるいは電荷発生物質の粒子を溶剤または樹脂バイ
ンダ中に分散して得た分散液を塗布、乾燥し、その上に
電荷輸送物質および樹脂バインダを溶解した溶液を塗
布、乾燥することにより作製することができる。 【0020】また、図示はしていないが、いずれのタイ
プの感光体においても、導電性基体と感光層との間に下
引き層を設けることができる。下引き層は導電性基体か
ら感光層への不要な電荷の注入防止や、基体表面上の欠
陥被覆、感光層の接着性の向上等の目的で必要に応じて
設けることができ、樹脂を主成分とする層やアルマイト
等の酸化被膜等からなる。 【0021】なお、本発明のいずれのタイプの感光体
も、前記電荷輸送物質として前記一般式(I)で表され
る電子輸送性化合物の少なくとも1種を含有する。 【0022】以下、本発明の好適実施の形態を図2に示
す積層型感光体について説明するが、本発明は以下の具
体例に限定されるものではない。 【0023】導電性基体1は感光体の電極としての役目
と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板
状、フィルム状のいずれでもよく、材質的にはアルミニ
ウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガ
ラス、合成樹脂などの上に導電処理を施したものを用い
ることができる。 【0024】電荷発生層3は、前記したように電荷発生
物質の粒子を樹脂バインダ中に分散させた材料を塗布す
るか、あるいは、真空蒸着などの方法により形成され、
光を受容して電荷を発生する。また、その電荷発生効率
が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層4への注
入性が重要で、電場依存性が少なく低電場でも注入のよ
いことが望ましい。電荷発生物質としては、無金属フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニンなどのフタロシア
ニン化合物、各種アゾ、キノン、インジゴ、シアニン、
スクアリリウム、アズレニウム、ピリリウム化合物など
の顔料あるいは染料や、セレンまたはセレン化合物など
が用いられ、画像形成に使用される露光光源の光波長領
域に応じて好適な物質を選ぶことができる。電荷発生層
は電荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発
生物質の光吸収係数より決まり、一般的には5μm以下
であり、好適には2μm以下である。電荷発生層は電荷
発生物質を主体としてこれに電荷輸送物質などを添加し
て使用することも可能である。 【0025】電荷発生層3用の樹脂バインダとしては、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウ
レタン、塩化ビニル、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ジアリルフタレート樹脂、メタクリル酸エステ
ルの重合体および共重合体などを適宜組合せて使用する
ことが可能である。 【0026】電荷輸送層4は、樹脂バインダ中に電子輸
送性物質として前記一般式(I)で示される化合物の少
なくとも1種を分散させた塗膜であり、暗所では絶縁体
層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生
層から注入される電荷を輸送する機能を発揮する。本発
明においては、電荷輸送物質として、本発明に係る電子
輸送性物質である前記一般式(I)で表される化合物の
少なくとも1種を含有させることが必要であるが、他の
電荷輸送物質を含有させてもよい。本発明に係る電子輸
送性化合物の好適添加量は、電荷輸送層4中に含まれる
材料全体に対して、好適には10〜60重量%であり、
より好適には15〜50重量%である。 【0027】電荷輸送層4用の樹脂バインダとしては、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、メタ
クリル酸エステルの重合体および共重合体などを用いる
ことができる。 【0028】また、感光体を使用する際に使用上障害と
なるオゾン劣化などを防止する目的で、電荷輸送層4に
アミン系、フェノール系、硫黄系、亜リン酸エステル
系、リン系などの酸化防止剤を含有させることも可能で
ある。 【0029】図1に示す被覆層6は、暗所ではコロナ放
電の電荷を受容して保持する機能を有しており、かつ感
光層が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を
透過して感光層に到達させ、発生した電荷の注入を受け
て表面電荷を中和消滅させることが必要である。被覆材
料としては、ポリエステル、ポリアミドなどの有機絶縁
性被膜形成材料を適用することができる。また、これら
有機材料とガラス、SiO2などの無機材料、さらには
金属、金属酸化物などの電気抵抗を低減せしめる材料と
を混合して用いることができる。被覆材料は前述の通り
電荷発生物質の光の吸収極大の波長領域においてできる
だけ透明であることが望ましい。 【0030】被覆層自体の膜厚は被覆層の配合組成にも
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。 【0031】尚、図1に示す単層型感光体の場合におい
ても、前記一般式(I)で示される本発明に係る電子輸
送性化合物の少なくとも1種を感光層2に含有すること
が必要であるが、その他の材料等は、上述の積層型感光
体と同様のものを用いることができ、特に制限されるも
のではない。好適には、電荷輸送物質として、前記一般
式(I)で示される電子輸送性化合物とともに、正孔輸
送物質を含有させる。正孔輸送物質としては、ベンジジ
ン誘導体やトリフェニルアミン誘導体などが好ましい。
この場合、好適添加量は感光層形成塗膜中に含まれる材
料全体に対して、本発明に係る電子輸送性化合物につい
ては、好適には10〜60重量%であり、より好適には
15〜50重量%であり、正孔輸送物質については好適
には10〜60重量%であり、より好適には20〜50
重量%である。 【0032】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。実施例1 x型無金属フタロシアニン(H2Pc)2重量部と、前
記構造式(I−2)で示される化合物40重量部と、正
孔輸送物質としての下記式(IV)、 で表されるベンジジン誘導体60重量部と、ポリカーボ
ネート樹脂(PCZ−200:三菱ガス化学(株)製)
100重量部とを、塩化メチレンとともに3時間混合機
により混練して塗布液を調製し、アルミニウム支持体上
に乾燥後の膜厚が20μmになるように感光層を塗布形
成して、単層型感光体を作製した。 【0033】実施例2 チタニルフタロシアニン(TiOPc)2重量部と、前
記構造式(I−3)で示される化合物40重量部と、正
孔輸送物質としての下記式(V)、 で表されるベンジジン誘導体60重量部と、ポリカーボ
ネート樹脂(BP−PC:出光興産(株)製)100重
量部とを、塩化メチレンとともに3時間混合機により混
練して塗布液を調製し、アルミニウム支持体上に乾燥後
の膜厚が20μmになるように感光層を塗布形成して、
単層型感光体を作製した。 【0034】実施例3 チタニルフタロシアニン(TiOPc)2重量部と、前
記構造式(I−4)で示される化合物40重量部と、正
孔輸送物質としての下記式(VI)、 で表されるトリフェニルアミン誘導体60重量部と、ポ
リカーボネート樹脂(BP−PC:出光興産(株)製)
80重量部とを、塩化メチレンとともに3時間混合機に
より混練して塗布液を調製し、アルミニウム支持体上に
乾燥後の膜厚が20μmになるように感光層を塗布形成
して、単層型感光体を作製した。 【0035】実施例4 実施例3において、前記構造式(I−4)で示される化
合物に代えて前記構造式(I−5)で示される化合物を
用いた以外は実施例3と同様にして、単層型感光体を作
製した。 【0036】実施例5 実施例3において、チタニルフタロシアニンに代えて下
記式(VII)、 で示されるスクアリリウム化合物を用い、また、前記構
造式(I−4)で示される化合物に代えて前記構造式
(I−7)で示される化合物を用いた以外は実施例3と
同様にして、単層型感光体を作製した。 【0037】実施例6 チタニルフタロシアニン(TiOPc)70重量部と、
塩化ビニル共重合体(商品名MR−110:日本ゼオン
(株)製)30重量部とを、塩化メチレンとともに3時
間混合機により混練して塗布液を調製し、アルミニウム
支持体上に約1μmになるように塗布して、電荷発生層
を形成した。次に、前記構造式(I−3)で示される化
合物100重量部と、ポリカーボネート樹脂(PCZ−
200:三菱ガス化学(株)製)100重量部と、シリ
コーンオイル0.1重量部とを塩化メチレンと混合し、
前記で得た電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が7μmとな
るように塗布して電荷輸送層を形成して、積層型感光体
を作製した。 【0038】実施例7 実施例3において、チタニルフタロシアニンに代えて下
記式(VIII)、 で示されるビスアゾ顔料を用いた以外は実施例3と同様
にして、単層型感光体を作製した。 【0039】実施例8 実施例3において、チタニルフタロシアニンに代えて下
記式(IX)、 で示されるビスアゾ顔料を用い、また、前記構造式(I
−4)で示される化合物に代えて前記構造式(I−6)
で示される化合物を用いた以外は実施例3と同様にし
て、単層型感光体を作製した。 【0040】このようにして得られた感光体の電子写真
特性を次のようにして測定した。即ち、暗所で+4.5
kVのコロナ放電を行って感光体表面を正帯電せしめた
ときの初期の表面電位をVs(V)とし、続いてコロナ
放電を中止した状態で5秒間暗所保持したときの表面電
位Vd(V)を測定した。さらに、実施例1〜6につい
ては1μW/cm2の単色光(780nm)を照射し、
実施例7および8については照度100ルックスの白色
光を照射してVdが半分になるまでの時間(秒)を求め
感度E1/2(μJ/cm2またはlx・s)とした。ま
た、この光を10秒間感光体表面に照射したときの残留
電位Vr(V)を測定した。測定結果を下記の表1に示
す。 【0041】 【表1】 【0042】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、感光層に電荷輸送物質として前記一般式(I)で示
される電子輸送性化合物を用いたことにより、正帯電に
おいて高感度で電気特性の優れた感光体を得ることがで
きた。また、電荷発生物質として露光光源の種類に対応
した好適な物質を選ぶことができ、フタロシアニン化合
物、スクアリリウム化合物、ビスアゾ化合物などを用い
ることにより、半導体レーザプリンタや複写機に使用可
能な感光体を得ることができる。さらに、必要に応じて
表面に被覆層を設置して耐久性の向上を図ることが可能
である。
(以下、単に「感光体」とも称する)に関し、詳しく
は、導電性基体上に有機材料を含む感光層を設けた、電
子写真方式のプリンタ、複写機などに用いられる電子写
真用感光体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来は、感光層として、セレンまたはセ
レン合金などの無機光導電性物質、酸化亜鉛あるいは硫
化カドミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に
分散させたものが用いられている電子写真用感光体(以
下、単に「無機感光体」とも称する)が一般的であっ
た。しかし、近年では、有機光導電性物質を用いた電子
写真用感光体(以下、単に「有機感光体」とも称する)
の研究が進み、感度や耐久性などが改善されて実用化さ
れているものもある。 【0003】また、感光体には暗所で表面電荷を保持す
る機能と、光を受容して電荷を発生する機能と、同じく
光を受容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一
つの層でこれらの機能をあわせもった、所謂単層型感光
体と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電
荷の保持および光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機
能分離した層を積層した、所謂積層型感光体がある。 【0004】これらの感光体を用いた電子写真法による
画像形成には、例えばカールソン方式が適用される。こ
の方式での画像形成は暗所での感光体へのコロナ放電に
よる帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字や絵
などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナーに
よる現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への定
着により行われ、トナー像転写後の感光体は除電、残留
トナーの除去、光除電などを行った後、再使用に供され
る。 【0005】実用化されている有機感光体は、無機感光
体に比べ、可とう性、膜形成性、低コスト、安全性など
の利点があり、材料の多様性からさらに感度、耐久性な
どの改善が進められている。 【0006】有機感光体のほとんどは、電荷発生層と電
荷輸送層に機能を分離した積層型の有機感光体である。
一般に、積層型有機感光体は、導電性基体上に、顔料、
染料などの電荷発生物質を含む電荷発生層と、ヒドラゾ
ン、トリフェニルアミンなどの電荷輸送物質を含む電荷
輸送層とを順に形成したもので、電子供与性である電荷
輸送物質の性質上、正孔移動型となり、感光体表面を負
帯電したときに感度を有する。ところが負帯電型では、
正帯電型に比べて帯電時に用いるコロナ放電が不安定で
あり、またオゾンや窒素酸化物などを発生させるため、
これが感光体表面に吸着して物理的、化学的劣化を引き
起こしやすく、さらに環境を悪化するという問題があ
る。このような点から、感光体としては負帯電型感光体
よりも使用条件の自由度の大きい正帯電型感光体の方
が、その適用範囲は広く、有利である。 【0007】そこで、正帯電型で使用するために、電荷
発生物質と電荷輸送物質を同時に樹脂バインダに分散さ
せて単層の感光層として使用する方法が提案され、一部
実用化されている。しかし、単層型感光体は高速機に適
用するには感度が十分ではなく、また繰り返し特性など
の点からもさらに改良が必要である。 【0008】また、高感度化を目的として機能分離型の
積層構造とするため、電荷輸送層上に電荷発生層を積層
して感光体を形成し、正帯電型で使用する方法も考えら
れるが、この方式では電荷発生層が表面に形成されるた
め、コロナ放電、光照射、機械的摩耗などにより、繰り
返し使用時での安定性などに問題がある。この場合、電
荷発生層の上にさらに保護層を設けることも提案されて
いるが、これにより機械的摩耗は改善されるものの、感
度など電気特性の低下を招くなどの新たな問題がある。 【0009】さらに、電荷発生層上に電子輸送性の電荷
輸送層を積層して感光体を形成する方法も提案されてい
る。電子輸送性材料として、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノンなどが知られているが、この物質は発
ガン性があり、安全上問題がある。その他、特開昭50
−131941号公報、特開平6−59483号公報、
特開平9−190002号公報、特開平9−19000
3号公報などにおいて、シアノ化合物、キノン系化合物
などが提案されているが、実用化に十分な電子輸送能を
有する化合物が得られていないのが実情であった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、今まで用いられたことのない新しい有機材料を感光
層に電荷輸送物質として用いることにより、高感度な複
写機用およびプリンタ用の正帯電型電子写真用感光体を
提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために各種有機材料について鋭意検討する中
で、数多くの実験を行った結果、その技術的解明はまだ
十分なされていないものの、電荷輸送物質の還元電位が
低いと電子写真特性の向上に有効であり、以下に示す一
般式(I)で表される特定の電子輸送性化合物を電荷輸
送物質として使用することにより正帯電で使用可能な高
感度感光体を得ることができることを見出し、本発明を
完成するに至った。 【0012】即ち、本発明の電子写真用感光体は、導電
性基体上に電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する
感光層を設けた電子写真用感光体において、該感光層
に、下記一般式(I)、 (式(I)中、R1およびR2は夫々独立に水素原子、ハ
ロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアル
キル基若しくはアルコキシ基、ニトロ基、置換基を有し
てもよいアリール基または環を形成するための残基を表
し、2個以上あるR1およびR2は夫々同一であっても異
なっていてもよく、Aは酸素原子または=CR3R4(但
し、R3およびR4は夫々同一であっても異なっていても
よく、シアノ基または、アルコキシカルボニル基を表
す)を表し、Zはベンゼン環1〜3個を有してもよい残
基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、m
およびnは1〜4の整数を表す)で示される電子輸送性
化合物の少なくとも1種を電荷輸送物質として含有する
ことを特徴とする電子写真用感光体である。 【0013】 【発明の実施の形態】前記一般式(I)で示される化合
物の具体例を、下記の構造式(I−1)〜(I−12)
にて示す。 【0014】【0015】【0016】前記一般式(I)で示される化合物は、通
常の方法により合成することができる。例えば、前記構
造式(I−2)で示される化合物は、下記構造式(II)
および(III)、 により示される化合物を、適当な触媒(例えば、パラト
ルエンスルホン酸など)で脱水縮合することにより、容
易に合成することができる。 【0017】以下、本発明の感光体の好適例の具体的構
成について図面を参照しながら説明する。図1および図
2は、感光体の各種構成例を示す模式的断面図である。 【0018】図1は、所謂単層型感光体の一構成例を示
しており、導電性基体1上に電荷発生物質と電荷輸送物
質とを樹脂バインダ(結着剤)中に分散した単層の感光
層2が設けられ、さらに、必要に応じて被覆層(保護
層)6が積層されてなる。この単層型感光体は、電荷発
生物質を電荷輸送物質および樹脂バインダを溶解した溶
液中に分散せしめ、この分散液を導電性基体上に塗布す
ることによって作製することができる。さらに必要な場
合は被覆層6を塗布形成することができる。 【0019】図2は、所謂積層型感光体の一構成例を示
し、導電性基体1上に電荷発生物質を主体とする電荷発
生層3と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4とが順
次積層された感光層5が設けられてなる。この積層型感
光体は、導電性基体上に電荷発生物質を真空蒸着する
か、あるいは電荷発生物質の粒子を溶剤または樹脂バイ
ンダ中に分散して得た分散液を塗布、乾燥し、その上に
電荷輸送物質および樹脂バインダを溶解した溶液を塗
布、乾燥することにより作製することができる。 【0020】また、図示はしていないが、いずれのタイ
プの感光体においても、導電性基体と感光層との間に下
引き層を設けることができる。下引き層は導電性基体か
ら感光層への不要な電荷の注入防止や、基体表面上の欠
陥被覆、感光層の接着性の向上等の目的で必要に応じて
設けることができ、樹脂を主成分とする層やアルマイト
等の酸化被膜等からなる。 【0021】なお、本発明のいずれのタイプの感光体
も、前記電荷輸送物質として前記一般式(I)で表され
る電子輸送性化合物の少なくとも1種を含有する。 【0022】以下、本発明の好適実施の形態を図2に示
す積層型感光体について説明するが、本発明は以下の具
体例に限定されるものではない。 【0023】導電性基体1は感光体の電極としての役目
と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板
状、フィルム状のいずれでもよく、材質的にはアルミニ
ウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガ
ラス、合成樹脂などの上に導電処理を施したものを用い
ることができる。 【0024】電荷発生層3は、前記したように電荷発生
物質の粒子を樹脂バインダ中に分散させた材料を塗布す
るか、あるいは、真空蒸着などの方法により形成され、
光を受容して電荷を発生する。また、その電荷発生効率
が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層4への注
入性が重要で、電場依存性が少なく低電場でも注入のよ
いことが望ましい。電荷発生物質としては、無金属フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニンなどのフタロシア
ニン化合物、各種アゾ、キノン、インジゴ、シアニン、
スクアリリウム、アズレニウム、ピリリウム化合物など
の顔料あるいは染料や、セレンまたはセレン化合物など
が用いられ、画像形成に使用される露光光源の光波長領
域に応じて好適な物質を選ぶことができる。電荷発生層
は電荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発
生物質の光吸収係数より決まり、一般的には5μm以下
であり、好適には2μm以下である。電荷発生層は電荷
発生物質を主体としてこれに電荷輸送物質などを添加し
て使用することも可能である。 【0025】電荷発生層3用の樹脂バインダとしては、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウ
レタン、塩化ビニル、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ジアリルフタレート樹脂、メタクリル酸エステ
ルの重合体および共重合体などを適宜組合せて使用する
ことが可能である。 【0026】電荷輸送層4は、樹脂バインダ中に電子輸
送性物質として前記一般式(I)で示される化合物の少
なくとも1種を分散させた塗膜であり、暗所では絶縁体
層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生
層から注入される電荷を輸送する機能を発揮する。本発
明においては、電荷輸送物質として、本発明に係る電子
輸送性物質である前記一般式(I)で表される化合物の
少なくとも1種を含有させることが必要であるが、他の
電荷輸送物質を含有させてもよい。本発明に係る電子輸
送性化合物の好適添加量は、電荷輸送層4中に含まれる
材料全体に対して、好適には10〜60重量%であり、
より好適には15〜50重量%である。 【0027】電荷輸送層4用の樹脂バインダとしては、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、メタ
クリル酸エステルの重合体および共重合体などを用いる
ことができる。 【0028】また、感光体を使用する際に使用上障害と
なるオゾン劣化などを防止する目的で、電荷輸送層4に
アミン系、フェノール系、硫黄系、亜リン酸エステル
系、リン系などの酸化防止剤を含有させることも可能で
ある。 【0029】図1に示す被覆層6は、暗所ではコロナ放
電の電荷を受容して保持する機能を有しており、かつ感
光層が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を
透過して感光層に到達させ、発生した電荷の注入を受け
て表面電荷を中和消滅させることが必要である。被覆材
料としては、ポリエステル、ポリアミドなどの有機絶縁
性被膜形成材料を適用することができる。また、これら
有機材料とガラス、SiO2などの無機材料、さらには
金属、金属酸化物などの電気抵抗を低減せしめる材料と
を混合して用いることができる。被覆材料は前述の通り
電荷発生物質の光の吸収極大の波長領域においてできる
だけ透明であることが望ましい。 【0030】被覆層自体の膜厚は被覆層の配合組成にも
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。 【0031】尚、図1に示す単層型感光体の場合におい
ても、前記一般式(I)で示される本発明に係る電子輸
送性化合物の少なくとも1種を感光層2に含有すること
が必要であるが、その他の材料等は、上述の積層型感光
体と同様のものを用いることができ、特に制限されるも
のではない。好適には、電荷輸送物質として、前記一般
式(I)で示される電子輸送性化合物とともに、正孔輸
送物質を含有させる。正孔輸送物質としては、ベンジジ
ン誘導体やトリフェニルアミン誘導体などが好ましい。
この場合、好適添加量は感光層形成塗膜中に含まれる材
料全体に対して、本発明に係る電子輸送性化合物につい
ては、好適には10〜60重量%であり、より好適には
15〜50重量%であり、正孔輸送物質については好適
には10〜60重量%であり、より好適には20〜50
重量%である。 【0032】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。実施例1 x型無金属フタロシアニン(H2Pc)2重量部と、前
記構造式(I−2)で示される化合物40重量部と、正
孔輸送物質としての下記式(IV)、 で表されるベンジジン誘導体60重量部と、ポリカーボ
ネート樹脂(PCZ−200:三菱ガス化学(株)製)
100重量部とを、塩化メチレンとともに3時間混合機
により混練して塗布液を調製し、アルミニウム支持体上
に乾燥後の膜厚が20μmになるように感光層を塗布形
成して、単層型感光体を作製した。 【0033】実施例2 チタニルフタロシアニン(TiOPc)2重量部と、前
記構造式(I−3)で示される化合物40重量部と、正
孔輸送物質としての下記式(V)、 で表されるベンジジン誘導体60重量部と、ポリカーボ
ネート樹脂(BP−PC:出光興産(株)製)100重
量部とを、塩化メチレンとともに3時間混合機により混
練して塗布液を調製し、アルミニウム支持体上に乾燥後
の膜厚が20μmになるように感光層を塗布形成して、
単層型感光体を作製した。 【0034】実施例3 チタニルフタロシアニン(TiOPc)2重量部と、前
記構造式(I−4)で示される化合物40重量部と、正
孔輸送物質としての下記式(VI)、 で表されるトリフェニルアミン誘導体60重量部と、ポ
リカーボネート樹脂(BP−PC:出光興産(株)製)
80重量部とを、塩化メチレンとともに3時間混合機に
より混練して塗布液を調製し、アルミニウム支持体上に
乾燥後の膜厚が20μmになるように感光層を塗布形成
して、単層型感光体を作製した。 【0035】実施例4 実施例3において、前記構造式(I−4)で示される化
合物に代えて前記構造式(I−5)で示される化合物を
用いた以外は実施例3と同様にして、単層型感光体を作
製した。 【0036】実施例5 実施例3において、チタニルフタロシアニンに代えて下
記式(VII)、 で示されるスクアリリウム化合物を用い、また、前記構
造式(I−4)で示される化合物に代えて前記構造式
(I−7)で示される化合物を用いた以外は実施例3と
同様にして、単層型感光体を作製した。 【0037】実施例6 チタニルフタロシアニン(TiOPc)70重量部と、
塩化ビニル共重合体(商品名MR−110:日本ゼオン
(株)製)30重量部とを、塩化メチレンとともに3時
間混合機により混練して塗布液を調製し、アルミニウム
支持体上に約1μmになるように塗布して、電荷発生層
を形成した。次に、前記構造式(I−3)で示される化
合物100重量部と、ポリカーボネート樹脂(PCZ−
200:三菱ガス化学(株)製)100重量部と、シリ
コーンオイル0.1重量部とを塩化メチレンと混合し、
前記で得た電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が7μmとな
るように塗布して電荷輸送層を形成して、積層型感光体
を作製した。 【0038】実施例7 実施例3において、チタニルフタロシアニンに代えて下
記式(VIII)、 で示されるビスアゾ顔料を用いた以外は実施例3と同様
にして、単層型感光体を作製した。 【0039】実施例8 実施例3において、チタニルフタロシアニンに代えて下
記式(IX)、 で示されるビスアゾ顔料を用い、また、前記構造式(I
−4)で示される化合物に代えて前記構造式(I−6)
で示される化合物を用いた以外は実施例3と同様にし
て、単層型感光体を作製した。 【0040】このようにして得られた感光体の電子写真
特性を次のようにして測定した。即ち、暗所で+4.5
kVのコロナ放電を行って感光体表面を正帯電せしめた
ときの初期の表面電位をVs(V)とし、続いてコロナ
放電を中止した状態で5秒間暗所保持したときの表面電
位Vd(V)を測定した。さらに、実施例1〜6につい
ては1μW/cm2の単色光(780nm)を照射し、
実施例7および8については照度100ルックスの白色
光を照射してVdが半分になるまでの時間(秒)を求め
感度E1/2(μJ/cm2またはlx・s)とした。ま
た、この光を10秒間感光体表面に照射したときの残留
電位Vr(V)を測定した。測定結果を下記の表1に示
す。 【0041】 【表1】 【0042】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、感光層に電荷輸送物質として前記一般式(I)で示
される電子輸送性化合物を用いたことにより、正帯電に
おいて高感度で電気特性の優れた感光体を得ることがで
きた。また、電荷発生物質として露光光源の種類に対応
した好適な物質を選ぶことができ、フタロシアニン化合
物、スクアリリウム化合物、ビスアゾ化合物などを用い
ることにより、半導体レーザプリンタや複写機に使用可
能な感光体を得ることができる。さらに、必要に応じて
表面に被覆層を設置して耐久性の向上を図ることが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層型感光体の構成例を示す模式的断面図であ
る。 【図2】積層型感光体の構成例を示す模式的断面図であ
る。 【符号の説明】 1 導電性基体 2 感光層(単層) 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 感光層(積層) 6 被覆層
る。 【図2】積層型感光体の構成例を示す模式的断面図であ
る。 【符号の説明】 1 導電性基体 2 感光層(単層) 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 感光層(積層) 6 被覆層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2H068 AA20 AA21 AA31 AA32 AA35
BA12 BA60 BA63 FA13 FC02
4C065 AA03 BB05 CC09 DD02 EE02
HH02 JJ03 JJ06 JJ10 KK01
LL01 PP14
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 導電性基体上に電荷発生物質および電荷
輸送物質を含有する感光層を設けた電子写真用感光体に
おいて、該感光層に、下記一般式(I)、 (式(I)中、R1およびR2は夫々独立に水素原子、ハ
ロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアル
キル基若しくはアルコキシ基、ニトロ基、置換基を有し
てもよいアリール基または環を形成するための残基を表
し、2個以上あるR1およびR2は夫々同一であっても異
なっていてもよく、Aは酸素原子または=CR3R4(但
し、R3およびR4は夫々同一であっても異なっていても
よく、シアノ基または、アルコキシカルボニル基を表
す)を表し、Zはベンゼン環1〜3個を有してもよい残
基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、m
およびnは1〜4の整数を表す)で示される電子輸送性
化合物の少なくとも1種を電荷輸送物質として含有する
ことを特徴とする電子写真用感光体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001266174A JP2003076048A (ja) | 2001-09-03 | 2001-09-03 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001266174A JP2003076048A (ja) | 2001-09-03 | 2001-09-03 | 電子写真用感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003076048A true JP2003076048A (ja) | 2003-03-14 |
Family
ID=19092515
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---|---|---|---|
JP2001266174A Pending JP2003076048A (ja) | 2001-09-03 | 2001-09-03 | 電子写真用感光体 |
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-
2001
- 2001-09-03 JP JP2001266174A patent/JP2003076048A/ja active Pending
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