JP2003075262A - 電子体温計 - Google Patents
電子体温計Info
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Abstract
短時間で推定できる電子体温計を提供する。 【解決手段】 身体の深部温度を推定する電子体温計で
あって、加熱温度を変更可能な可変温度ヒータ10を駆
動しながら、プローブに配された2つの温度センサによ
ってリアルタイムでT1,T2,dT1/dt,dT2
/dt等のデータを収集し、熱伝導方程式の逆問題を解
くことにより、深部温度を推定する。
Description
情報から熱伝導方程式に従い、深部温度を算出する温度
計に関する。
等は、常態では深部温度と異なる生体の表面温度を測定
するため、体温計を腋に挟んで測定する場合であれば、
腋を閉じた状態で深部温度と表面温度が平衡になるまで
待つ必要があった。
示されているように、深部温度と表面温度が平衡に達す
るまでの温度変化の態様を式に当てはめ平衡点を予測
し、この平衡点を体温とする方法も提案されている。
接測定するのが好ましい。このために深部温度を測定す
る方法が求められている。これについては、生体表面温
度から深部体温を推定する、すなわち、計測点から離れ
た位置の温度を推定する方法として一般的に熱伝導の逆
問題として知られている方法がある。特に、異なる2点
の温度計測からこの2点間の領域の外部の温度を求める
方法の解が、例えば、庄司正弘著「伝熱工学」(東大出
版会)p90に紹介されている。この方法を用いて生体
内部の温度を推定する電子体温計がWO9850766
で提案されている。ここで提案されている電子体温計
は、表面温度ではなく、生体内部の温度を高速に推定す
るものである。
度が深部温度と平衡に達するのを待って測定を行う方法
であれば、測定完了までに10分程度の長時間を要す
る。
までの温度変化の態様に基づいて体温を予測する方法の
場合も、測定に要する時間は短縮されるものの90秒程
度は必要とされ、個人差や環境変化に充分に対応するこ
とができず、精度に限界があった。
る推定方法は、生体からの熱伝導による温度変化に基づ
くものであり、繰り返し測定するためには、一旦、体温
計を生体から離す必要があった。
るためになされたものであって、その目的とするところ
は、所望のタイミングで、内部温度を高精度かつ短時間
で推定できる電子体温計を提供することにある。
に、本発明は、被測定体外表面の温度を直接リアルタイ
ムで測定し、このようにして得られた値に基づいて、直
接測定することのできない深部温度のような被測定体内
部の温度を推定する。このような推定方法は、熱伝導方
程式の逆問題に対応する。熱伝導方程式を被測定体外部
の温度等のような直接測定可能な物理量を変数とする一
次式等の低次の方程式として評価し、これらの物理量を
直接測定することにより深部温度等の内部温度を推定す
る。少なくとも変数の数だけの異なる測定値が得られれ
ば、内部温度の推定は連立一次方程式の解法に帰着する
ので、正確かつ短時間で算出することが可能となる。
と、加熱温度を変更可能な可変温度加熱手段と、前記加
熱温度と前記温度測定値とに基づいて被測定体内部の温
度を推定する内部温度推定手段と、を備えたことを特徴
とする電子体温計である。
いて生体の深部温度等の被測定体の内部の温度を推定す
る際に、低次の方程式として表現された熱伝導方程式の
少なくとも変数の和だけの異なる測定値を得る必要があ
るが、電子体温計を継続的に被測定体に接触させると、
電子体温計と被測定体とは次第に熱平衡に近づいて行
く。このため、時間の経過による測定値の変化が小さく
なる。本発明では、このように継続的に電子体温計を被
測定体に接触させて、熱平衡に近づいて行く場合でも、
可変温度加熱手段の加熱温度を変化させることにより、
被測定体と電子体温計との間での熱の流れを変化させ
て、あらたな熱の移動が生じる状態を積極的に出現さ
せ、高精度な内部温度推定が可能な測定値を取得するこ
とができる。従って、可変温度加熱手段を駆動制御し
て、加熱温度を変化させることにより、所望のタイミン
グで短時間のうちに高精度の内部温度の推定を行うこと
ができる。可変温度加熱手段の駆動制御は連続的に加熱
温度を変化させておいて、任意のタイミングで測定指示
がなされても内部温度の推定を行えるようにしてもよ
い。また、所定時間間隔で体温測定を行う場合であれば
測定タイミングに合わせて加熱温度を変化させるように
可変温度加熱手段を駆動制御してもよい。
の温度測定手段を含み、前記第1の温度測定手段と第2
の温度測定手段との間に設けられる断熱材を備え、前記
第1の温度測定手段は前記可変温度加熱手段とほぼ同じ
部位の温度を測定し、前記第2の温度測定手段は前記可
変温度加熱手段に対して断熱材を挟んで被測定体側の部
位の温度を測定することが好適である。
定される物理量としては、このように異なる部位におけ
る温度を選択することができる。また、第1及び第2の
温度測定手段の間に断熱材を配することにより、安定し
た熱勾配を形成し、測定に好適な温度条件下におくこと
ができ、より高精度な測定が可能となる。
の温度測定手段を含み、前記加熱手段と前記第1の温度
測定手段との間に設けられる第1の断熱材と、前記加熱
手段と前記第2の温度測定手段との間に設けられ、前記
第1の断熱材とは異なる熱定数を有する第2の断熱材
と、を備え、前記第1の温度測定手段は前記加熱手段に
対して前記第1の断熱材を挟んで被測定体側の部位の温
度を測定し、前記第2の温度測定手段は前記加熱手段に
対して前記第2の断熱材を挟んで被測定体側の部位の温
度を測定することが好適である。
定される物理量として、加熱手段に対して異なる熱定数
の断熱材を挟む部位の温度を選択することができる。ま
た、第1及び第2の温度測定手段と可変温度加熱手段と
の間に断熱材を配することにより、安定した熱勾配を形
成し、測定に好適な温度条件下におくことができ、より
高精度な測定が可能となる。ここで、熱に関する特性を
表す熱定数には、熱伝導率や比熱等があるがこれらに限
られない。また、熱伝導率が同一である場合でも生体内
部の被測定部位と直接温度を測定する位置との間に存在
する物質の厚みが異なることにより熱に関して異なる特
性を有する場合も含まれる。
と、前記可変温度加熱手段と前記温度測定手段及び前記
熱流束測定手段との間に設けられる断熱材と、を備え、
前記内部温度推定手段は、前記加熱温度と前記温度測定
値と前記熱流束測定値とに基づいて生体内部の温度を推
定し、前記温度測定手段及び前記熱流束測定手段は、前
記加熱手段に対して前記断熱材を挟んで被測定体側に配
置されるとともに、ほぼ同じ部位の温度及び熱流束をそ
れぞれ測定することが好適である。
定される物理量として、可変温度加熱手段に対して断熱
材を挟む部位の温度及び熱流束を選択することができ
る。また、可変温度加熱手段と温度測定手段、可変温度
加熱手段と熱流束測定手段との間に断熱材を配すること
により、安定した熱勾配を形成し、測定に好適な温度条
件下におくことができ、より高精度な測定が可能とな
る。
大きい部材を備えたことが好適である。
前記プローブは棒形状又は板形状をなすようにしてもよ
い。
とすることができるが、対象者が体温の測定に必要な状
態を維持できる場合であれば、深部温度に比較的近い腋
の下や舌下での測定に適した棒形状とすればよく、乳幼
児のように対象者が体温の測定に必要な状態を維持する
のが難しい場合には、板形状のように対象者の皮膚等に
容易に接触させることができる形状とすればよい。
温度推定動作制御手段と、推定された内部温度を記憶す
る内部温度記憶手段と、を備え、前記内部温度推定制御
手段は、内部温度推定を所定の時間間隔で行うととも
に、推定された内部を前記内部温度記憶手段に記憶させ
ることが好適である。
に、継続的に被測定体に接触する場合でも、任意のタイ
ミングで体温を測定することができるので、所定の時間
間隔で体温測定を行い、体温測定値を記憶することによ
り、ICUや術後患者のモニター・管理を行うことがで
きる。また、本発明に係る電子体温計を常時装着してお
くことにより、発熱が気になる場合に測定操作を行うこ
となく、リアルタイムで体温を知ることができる。
に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態に係る電子体温計の測定原理に
ついて説明する。
ける温度及び熱流束をそれぞれT1及びq1、断熱材qを
介して生体表面と接する部位の温度及び熱流束をT2及
びq 2、断熱材の密度及び比熱をそれぞれρ及びc、断
熱材の熱伝導率をλ2、生体の熱伝導率をλ1、生体深
部の厚みh1、断熱材の厚みh2とすると、熱量保存則
と熱流束の定義式から、
とおけるので、ω1=λ 1/(ρch1h2),ω2=
λ2/(ρch2 2)である。
れれば、深部温度Tbを算出することができる。このと
き、T2を可変温度ヒータによって変化させれば、任意
のタイミングでT1,dT1/dt,T2を変化させる
ことができる。すなわち、生体からの熱伝導による温度
変化に基づいて深部温度を算出する場合であれば、体温
計を継続的に装着していると、温度センサと生体が熱平
衡に近づき、温度変化が生じなくなるため、T1,dT
1/dtの異なる測定値が得られなくなり、精度の良い
深部温度推定が困難になる。しかし、上述のように、T
2を積極的に変化させれば、体温計を継続的に装着して
いる場合でも、T1,dT1/dt,T 2の異なる測定
値を任意のタイミングで得ることができ、精度の良い深
部温度推定が可能となる。
体温計の外観を示す。
本体部と本体部2から長手方向に突出形成されたプロー
ブ3からなる。使用者は本体部2を持ち、プローブ3を
腋に挟み、又は、舌下に挿入して測定を行う。
値等の情報を表示する表示部4と電源スイッチ5とが設
けられている。プローブ3は図3に模式的に示すような
内部構造を有する。図3は、プローブ3の延長方向に略
直交するA−A断面(図2参照)を含み、生体に周りを
覆われた状態を示す。断面略円形状のプローブ3の外周
は薄いSUS材等の熱伝導率の高い材料からなるカバー
6によって覆われている。カバー6の内周面に温度セン
サ(第2の温度測定手段)7が配置され、さらに内周側
には温度センサ7をカバーとの間に挟むようにして断熱
材9が配置されている。断熱材9は円筒状に形成され、
内周側は中空部となっている。断熱材9の内周面には、
断熱材9を介して温度センサ7と対向する位置に可変温
度ヒータ(可変温度加熱手段)10及び温度センサ(第
1の温度制御手段)8が近接して配置されている。中空
部を通じて温度センサ7,8及び可変温度ヒータ10に
接続されるリード線が引き出されるようにしてもよい。
このとき、温度センサとしては、例えば、白金抵抗体,
サーミスタ,熱電対,トランジスタ等の温度特性を利用
したIC温度センサ等を用いることができる。
すブロック図である。
3,A/D部14,演算部15,メモリ16,電源部1
7,温度センサ7,温度センサ8,可変温度ヒータ1
0,電源スイッチ5,表示部4,ブザー18を備える。
動作制御手段)12は、CPU等からなり体温計全体の
制御を行う。駆動部13は、制御部12からの信号に基
づいて温度センサ7,温度センサ8及び可変温度ヒータ
10を駆動する。駆動部13からの出力信号はA/D部
14においてアナログ信号からデジタル信号に変換され
て演算部15に入力される。演算部15はA/D部14
からのデジタル信号に基づいて演算処理を行い、処理結
果を制御部12に出力する。また、演算部15は温度等
の測定値や内部温度の推定値等の所定のデータをメモリ
(内部温度記憶手段)16に記憶させ、メモリ16に記
憶されたデータを読み出して所定の処理を行う。電源部
17は電池等を含み、制御部12及び駆動部13に対し
て電力を供給する。電源スイッチ5は電源の投入・切断
を行う。ブザー18は制御部12からの指示に基づいて
音を発し、使用者に対する報知を行う。
温測定を行う場合の処理手順について説明する。
テップ101)、温度センサ7又は温度センサ8によっ
て予備的に温度測定を行う(ステップ102)。そし
て、温度測定値が所定の測定温度範囲内(例えば5℃〜
45℃)か否かを判定する(ステップ103)。ここ
で、温度測定値が所定の測定温度範囲内でなければ、表
示部4に測定温度外であることを示す表示を行い(ステ
ップ104)、電源をオフする(ステップ105)。ス
テップ103において、温度測定値が所定の温度範囲内
であれば、表示部4に「READY」等の測定準備完了
を示す表示(図6(a)参照)を行うとともに「ピッ」
とブザーを鳴らして使用者に対して測定準備完了を報知
する(ステップ106)。次に、ヒータ10を駆動部1
3を介して駆動し(ステップ107)、T1,T2,d
T1/dtのデータを収集する(ステップ108)。こ
のようにして収集されたデータに基づいて深部温度の演
算を行う(ステップ109)。次に、測定に充分なデー
タが収集されたか否かを判定する(ステップ110)。
測定に充分なデータが収集されていない場合には、ステ
ップ107に戻ってヒータ10を駆動する。ステップ1
10において、測定に充分なデータが収集されている場
合には、表示部4に測定温度を表示(図6(b)参照)
するとともに「ピッピッ」とブザーを鳴らすことにより
測定結果の出力を報知する(ステップ111)。測定結
果が出力されると、電源スイッチ5がオンか否かを判定
する(ステップ112)。電源スイッチ5がオンであれ
ば、電源をオフして(ステップ113)、測定処理を終
了する。電源スイッチ5がオフであれば、ヒータ10を
オフして所定時間待機し(ステップ114)、ステップ
107に戻ってヒータ10を駆動する。
テップ111までの処理の詳細を図7に示す。
ータ10を駆動し、T1,T2,dT1/dtを複数回
測定し(ステップ108−1)、1回目の深部温度演算
処理を行う(ステップ109−1)。ここで、測定に充
分なデータが収集されているか否かを判定する。ステッ
プ110における測定に充分なデータが収集されている
か否かを、連続して算出された複数の深部温度値が(例
えば小数点以下2桁まで)同じか否かという条件に基づ
いて判定している。ここでは、第1回目の深部温度算出
を経たのみであり、比較すべき深部温度算出値がないの
で、ステップ110では、測定に十分なデータが収集さ
れていないと判定され、ステップ107に戻り(図7で
は省略)、ヒータ10を駆動し、データ収集(ステップ
108−2)及び2回目以降の深部温度演算処理を行う
(ステップ109−2)。ここで、連続して算出された
複数の深部温度値が同じか否かを判定し(ステップ11
0)、連続して算出された複数の深部温度値が同じでな
ければ、ステップ107に戻り(図7では省略)、同じ
であれば、測定結果を確定するとともに表示部4等に出
力する(ステップ111)。
集されているか否かを、深部温度の算出値が連続して同
じであるか否かによって判定しているが、連続して算出
された複数の深部温度値の差が0.01℃以内であるか
否かによって判定するようにすることもできる。
おけるヒータ10の駆動方法としては、例えば、図8に
示すような方法がある。
0のオン・オフを等時間間隔(例えば5秒間)で繰り返
す。この場合には、温度センサ8の温度は鋸刃状に変化
する。
0のオン時間を短く、オフ時間を長くしてオン・オフを
繰り返す。このとき、温度センサ8の温度は正弦波状に
変化する。
10がオフの状態から所定時間ヒータ10をオンの状態
で保持し、その後間欠的にオン・オフを繰り返し、再び
所定時間ヒータ10をオンの状態で保持する。次に、間
欠的にオン・オフを繰り返した後に、所定時間ヒータを
オフの状態で保持し、さらに間欠的にオン・オフを繰り
返す駆動を行う。ここで、ヒータをオンの状態で保持す
る期間を間に挟んでオン・オフを間欠的を繰り返す制御
を行っている期間のうち、間欠的にオン・オフを繰り返
す期間では温度センサ8の温度は一定温度に保持され、
オンの状態で保持される期間では温度センサ8の温度は
上昇する。一方、ヒータをオフの状態で保持する期間を
間に挟んでオン・オフを間欠的を繰り返す制御を行って
いる期間のうち、間欠的にオン・オフを繰り返す期間で
は温度センサ8の温度は一定温度に保持され、オフの状
態で保持される期間では温度センサ8の温度は低下す
る。
の駆動により深部温度算出に用いられるT1,dT1/
dt,T2の測定値を異ならしめればよいので、ヒータ
10の駆動方法は上述の駆動方法に限られない。
な波形の一周期分又は一周期の一部の波形を所定の時間
間隔をおいて間欠的に繰り返し、加熱温度を変化させる
タイミングに合わせて測定を行うようにしてもよい。
1では、可変温度ヒータ10を制御し、加熱温度を積極
的に変化させることにより、電子体温計と生体とが熱平
衡となることが妨げられる。従って、電子体温計で継続
的に測定を行う場合、あるいは、電子体温計で十分な時
間間隔を置かずに再度測定する場合でも、精度の高い内
部温度の推定が可能であり、任意のタイミングで内部温
度の推定を行うことができる。
形例に係る電子体温計11の外観を示す。図9(a)は
電子体温計11の側面図、図9(b)は同下面図であ
る。
なす。電子体温計11の一方の広面には、端部のほぼ中
央部に略四角柱形状のプローブ23が突出形成されてい
る。電子体温計11の他方の広面には、プローブ23と
は反対側の端部にLCDからなる表示部4及び電源スイ
ッチ5が配置されている。電子体温計11の長手方向の
両端部から固定ベルト24が延びている。固定ベルト2
4を巻きつけることにより、プローブ23を生体の額等
の所定部位に接触した状態で連続的に測定を行うことが
できる。表示部4には、例えば、10分前の測定値と現
在の測定値とを並べて表示するようにしてもよい。この
ようにすれば、連続的に体温を測定し、その変化を認識
することもできる。ICU内に収容されている患者や術
後患者のモニターや管理等のほか、常時装着しておくこ
とにより、発熱に注意する必要がある場合に特別な測定
動作を行うことなく、リアルタイムで体温を知ることが
できる。
るプローブの内部構造を示す図である。略四角柱柱状の
プローブ23は、上面部26a及び下面部26bと側面
部26cとからなり、薄いSUS材等からなるカバー2
6によって覆われており、カバー26の上面部26aの
下方には温度センサ7が配置されている。カバー26の
上面部26aの下方には、カバー上面部26aとの間に
温度センサ7を挟んだ状態で略直方体形状の断熱材29
が配置されている。断熱材29の下面に接して可変温度
ヒータ10が配置され、断熱材29とカバー26の下面
部26cとの間は中空部30となっている。
ば、乳幼児のように腋の下や舌下にプローブを安定的に
保持することが困難な場合であっても、プローブ23を
額等の平坦な皮膚表面に接触させることによって容易に
測定を行うことができる。また、電子体温計には固定ベ
ルトが設けられているので、常時装着しておくことがで
きる。
明の第2の実施形態に係る電子体温計の測定原理につい
て説明する。
る熱伝導率λ1,λ2の断熱材39a,39bをそれぞ
れ介して生体表面側に位置する部位の温度T1,T2、
熱流束q1,q2とを測定することにより、生体表面か
らの距離hの内部における温度Tbを求める。ここで、
断熱材39a,39bの厚さをX、生体の熱伝導率をλ
b、生体の温度伝導率をαbとすると、熱伝導の一次元
逆問題の基本解の二次項まで含めることにより
1,T2,dT1/dt,dT2/dtの関係式が得ら
れ、T1,T2,dT1/dt,dT2/dtを測定す
ることにより、Tbを求めることができる。
導率の異なる断熱材を介して配置され、生体表面に接す
る部位の温度及びその時間変化を測定することにより、
深部温度のような生体内部の温度を測定することができ
る。
て生体表面に接する部位の温度を及びその時間変化を測
定し、深部温度を推定しているが、同じ熱伝導率を有し
異なる厚さの断熱材を介して、それぞれ生体表面に接す
る部位の温度及びその時間変化を測定することにより、
深部温度を推定するようにしてもよい。
子体温計31の外観を示す。外観は、図2に示す第1の
実施形態に係る電子体温計1と同じであるので、同様の
符号を用いて説明を省略する。
模式的に示すような内部構造を有する。図13は、プロ
ーブ33の延長方向に略直交するC−C断面(図12参
照)を含み、生体に周囲を覆われた状態を示す。プロー
ブ33は、図3に示す第1の実施形態とほぼ同様の構成
を有する。電子体温計31では、カバー6の内周に径方
向に分割された半円筒状の熱伝導率の異なる断熱材(第
1の断熱材)39a,断熱材(第2の断熱材)39bが
配置されている。それぞれの断熱材39a,39bとカ
バー6との間には温度センサ(第1の温度測定手段)3
7a及び温度センサ(第2の温度測定手段)37bが配
置されている。そして、断熱材の内周面には、それぞれ
の断熱材39a,39bにまたがるように、可変温度ヒ
ータ10が配置されている。このように、温度センサ3
7a,37b及び断熱材39a,39bを用いれば、熱
流束センサを用いる場合に比べてより低コストで電子体
温計31を提供することができる。
を示すブロック図である。
3,A/D部14,演算部15,メモリ16,電源部1
7,可変温度ヒータ10,電源スイッチ5,表示部4,
ブザー18に加え、温度センサ37a及び温度センサ3
7bを備える。温度センサ37a及び温度センサ37b
は制御部12からの信号に基づいて駆動部13によって
駆動される。
図16にデータ収集処理の詳細を示す。電子体温計31
における測定処理手順及びデータ収集処理は、第1実施
形態に係る電子体温計1における場合と同様であるの
で、説明は省略する。
10において、連続して算出された複数の深部温度値の
差が0.01℃以内であるか否かによって判定するよう
にすることができる点も第1の実施形態に係る電子体温
計の場合と同様である。
も図8に示すように駆動することができる。
31においても、可変温度ヒータ10を制御し、加熱温
度を積極的に変化させることにより、電子体温計と生体
とが熱平衡となることが妨げられる。従って、電子体温
計を継続的に耳に挿入して測定を行う場合、あるいは、
耳から取り出した電子体温計を十分な時間間隔を置かず
に再度耳に挿入する場合でも、精度の高い内部温度の推
定が可能であり、所望のタイミングで内部温度の推定を
行うことができる。
ーブ33における温度センサ37a及び37b、断熱材
39a及び39b、並びに可変温度ヒータ10の構成
は、図9及び図10に示す第1の実施形態の変形例に係
る電子体温計にも同様に適用することができる。
明の第3の実施形態に係る電子体温計の測定原理につい
て説明する。
導率λの断熱材49を介して生体表面側に位置する部位
の温度T1,熱流束q1を測定することにより、生体表
面からの距離hの内部における温度Tbを求める。
逆問題の基本解の一次項までを含めることにより、
q1=Zとおくと、
b)を得ることができる。
導の一次元逆問題の基本解の二次項までを含めることに
より、
A,q1=X1,−(h2/α)=B,(dT/dt)=
X2とおくと、
(=C)を得ることができる。
よいので、最少1回の測定で深部温度を推定することが
できる。複数回の測定を行えば0次式でも精度を向上さ
せることができ、高次の式を用いればさらに精度を向上
させることができる。
や平面展開型の作動型サーモパイル等を用いることがで
きる。
子体温計41の外観を示す。外観は図2に示す第1の実
施形態に示す電子体温計1と同様であるので、同様の符
号を用いて説明を省略する。
模式的に示すような内部構造を有する。図19は、プロ
ーブ43の延長方向に略直交するC−C断面(図17参
照)を含み、生体に周囲を覆われた状態を示す。プロー
ブ43は、図3に示す第1の実施形態とほぼ同様の構成
を有する。断面略円形状のプローブ3の外周はカバー6
によって覆われている。カバー6の内周面に温度センサ
(温度測定手段)47及び熱流束センサ(熱流束測定手
段)48が配置され、さらに内周側には温度センサ47
及び熱流束センサ48をカバー6との間に挟むようにし
て断熱材49が配置されている。断熱材49は円筒状に
形成され、内周側は中空部となっている。断熱材9の内
周面には、断熱材49を介して温度センサ47及び熱流
束センサ48と対向する位置に可変温度ヒータ10が配
置されている。
を示すブロック図である。
3,A/D部14,演算部15,メモリ16,電源部1
7,可変温度ヒータ10,電源スイッチ5,表示部4,
ブザー18に加え、温度センサ47及び熱流束センサ4
8を備える。温度センサ47及び熱流束センサ48は制
御部12からの信号に基づいて駆動部13によって駆動
される。
体温測定を行う場合の処理手順について説明する。
電源オフ(ステップ305)までの処理、及び自動的に
電源をオフし(ステップ313)、処理を終了するまで
の手順は図5に示す第1の実施形態と同様である。
算出された複数の深部温度値の差が0.01℃以内であ
るか否かによって判定するようにすることもできる点も
第1の実施形態と同様である。
ーは、第1の実施形態の図7と同様である。
ータ10も図8に示すように駆動することができる。
41においても、可変温度ヒータ10を制御し、加熱温
度を積極的に変化させることにより、電子体温計と生体
とが熱平衡となることが妨げられる。従って、電子体温
計で継続的に測定を行う場合、あるいは、一度測定した
電子体温計で十分な時間間隔を置かずに再度測定する場
合でも、精度の高い内部温度の推定が可能であり、所望
のタイミングで内部温度の推定を行うことができる。
ーブ43における温度センサ47及び熱流束センサ4
8、断熱材49、並びに可変温度ヒータ10の構成は、
図9及び図10に示す第1の実施形態の変形例に係る電
子体温計にも同様に適用することができる。
ば、所望のタイミングで、内部温度を高精度かつ短時間
で推定できる電子体温計を提供することができる。
計の測定原理を説明する図である。
計の外観を示す図である。
計のプローブの内部構造を示す図である。
計の回路構成を示すブロック図である。
計の測定処理手順を示すフローチャートである。
に係る電子体温計の表示部の表示例を示す図である。
計のデータ収集処理の詳細を示すフローチャートであ
る。
実施形態に係る電子体温計のヒータの駆動方法を示す図
である。
の変形例に係る電子体温計の外観を示す図である。
係る電子体温計のプローブの内部構造を示す図である。
体温計の測定原理を説明する図である。
体温計の外観を示す図である。
体温計のプローブの内部構造を示す図である。
体温計の回路構成をブロック図である。
体温計の測定処理手順を示すフローチャートである。
体温計のデータ収集処理の詳細を示すフローチャートで
ある。
体温計の測定原理を説明する図である。
体温計の外観を示す図である。
体温計のプローブの内部構造を示す図である。
体温計の回路構成を示すブロック図である。
体温計の測定処理手順を示すフローチャートである。
体温計のデータ収集処理の詳細を示すフローチャートで
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】 温度を測定する温度測定手段と、 加熱温度を変更可能な可変温度加熱手段と、 前記加熱温度と前記温度測定値とに基づいて被測定体内
部の温度を推定する内部温度推定手段と、 を備えたことを特徴とする電子体温計。 - 【請求項2】 前記温度測定手段は、第1及び第2の温
度測定手段を含み、 前記第1の温度測定手段と第2の温度測定手段との間に
設けられる断熱材を備え、 前記第1の温度測定手段は前記可変温度加熱手段とほぼ
同じ部位の温度を測定し、 前記第2の温度測定手段は前記可変温度加熱手段に対し
て断熱材を挟んで被測定体側の部位の温度を測定するこ
とを特徴とする請求項1に記載の電子体温計。 - 【請求項3】 前記温度測定手段は、第1及び第2の温
度測定手段を含み、 前記可変温度加熱手段と前記第1の温度測定手段との間
に設けられる第1の断熱材と、 前記可変温度加熱手段と前記第2の温度測定手段との間
に設けられ、前記第1の断熱材とは異なる熱定数を有す
る第2の断熱材と、を備え、 前記第1の温度測定手段は前記可変温度加熱手段に対し
て前記第1の断熱材を挟んで被測定体側の部位の温度を
測定し、 前記第2の温度測定手段は前記可変温度加熱手段に対し
て前記第2の断熱材を挟んで被測定体側の部位の温度を
測定することを特徴とする請求項1に記載の電子体温
計。 - 【請求項4】 熱流束を測定する熱流束測定手段と、 前記可変温度加熱手段と前記温度測定手段及び前記熱流
束測定手段との間に設けられる断熱材と、を備え、 前記内部温度推定手段は、前記加熱温度と前記温度測定
値と前記熱流束測定値とに基づいて生体内部の温度を推
定し、 前記温度測定手段及び前記熱流束測定手段は、前記可変
温度加熱手段に対して前記断熱材を挟んで被測定体側に
配置されるとともに、ほぼ同じ部位の温度及び熱流束を
それぞれ測定することを特徴とする請求項1に記載の電
子体温計。 - 【請求項5】 被測定体との接触部位に熱伝導率の大き
い部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいず
れかに記載の電子体温計。 - 【請求項6】 被測定体と接するプローブを備え、 前記プローブは棒形状又は板形状をなすことを特徴とす
る請求項1乃至5のいずれかに記載の電子体温計。 - 【請求項7】 内部温度の推定動作を制御する内部温度
推定動作制御手段と、 推定された内部温度を記憶する内部温度記憶手段と、 を備え、 前記内部温度推定制御手段は、内部温度推定を所定の時
間間隔で行うとともに、 推定された内部を前記内部温度記憶手段に記憶させるこ
とを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子
体温計。
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