JP3920662B2 - 電子体温計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生体の測定部位に接触させて体温を測定する電子体温計に関する。
【0002】
【従来の技術】
以前から、少しでも短時間で体温測定を行うために、いろいろな電子体温計が提案されている。そのひとつが、測温部を生体の測定部位に接触させて温度を上昇させ、この温度上昇過程から熱平衡時の温度を予測する予測式の電子体温計であり、例えば、特開昭58−225323号公報に開示されている。この電子体温計は、測定時間を変数として、平衡温度に至るまでの複数の温度変化を記憶している。そして、電子体温計の測温部を測定部位に挟み続けることで測定温度は上昇するが、この測定時間に対する温度上昇に基づいて、複数の予測関数からひとつを選択して、平衡温度を求めているのである。
【0003】
測温部を測定部位に挟んだ後に測定される温度上昇は、大きく2つに分けられる。一つは、体温計の測温部を測定部位に挟んでから測温部が生体の表面温度付近まで急激に上昇する測温部側の応答であり、もう一つは、その後、徐々に、測定部位が生体の深部温度まで上昇する生体側の応答である。測定を開始してから10秒未満は主に測温部側の応答であり、10秒を経過すると生体側の応答が支配的になってくる。
【0004】
この2つの応答のうち、測温部側の応答は、生体側の応答をほとんど含んでいないし、また、測定を開始する直前の電子体温計の測温部の温度が一定ではないことや、生体の測定部位が、その周囲の温度(雰囲気温度)に影響されて同じ体温でも異なる温度になるため、応答特性がばらつき、生体の体温の予測には適さない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、前述のような予測型の電子体温計は、生体側の応答になったことを検出し、それ以降の生体側の応答による温度上昇を観測して予測関数に当てはめていた。しかし、生体の体温が同じでも、さまざまな特性を示すため、生体側の応答による温度上昇を観測しなければ予測することができず、短時間とはいうものの、30秒から90秒程度の測定時間を必要としていた。
【0006】
このさまざまな特性を示す原因の一つに、測定部位の周囲温度の影響がある。例えば、測定部位を腋下とした場合、体温が同じでも、室温が高かったり、厚着などで衣服内の温度が高ければ測定を始める前の腋下の表面温度も高くなり、逆に、室温が低かったり、薄着などで衣服内の温度が低ければ測定を始める前の腋下の表面温度も低くなる。そして、これに応じて生体側の応答による温度上昇特性も変わるため、それ以上の短時間化は望めなかった。
【0007】
本発明の目的は上記課題を解決し、より短時間に正確な体温を測定できる電子体温計を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明で用いる第1の手段は、生体の測定部位に接触させて接触温度を測定可能な第1の測温手段と、前記生体の測定部位近傍の雰囲気温度を測定可能な第2の測温手段とを有し、前記接触温度と前記雰囲気温度とに基づいて前記生体の体温を演算することである。
【0009】
また、第2の手段は、前記雰囲気温度に基づいて前記接触温度に加える補正量を調整することにより前記生体の体温を演算することである。
【0010】
また、第3の手段は、前記接触温度と前記雰囲気温度との差に基づいて前記接触温度に加える補正量を調整して前記生体の体温を演算することである。
【0011】
また、第4の手段は、前記生体の体温の演算に用いる接触温度を、前記第1の測温手段の温度上昇の傾きが所定値以上になってから測定した温度としたことである。
【0012】
また、第5の手段は、前記第1の測温手段の測定値に基づいて前記衣服の内部に前記電子体温計が挿入されたことを検出するとともに、前記生体の体温の演算に用いる雰囲気温度を、前記検出後に前記第2の測温手段で測定した温度としたことである。
【0013】
また、第6手段は、前記電子体温計は、外装ケースを有し、前記第2の測温手段を前記外装ケースの表面に対して凹んだ位置に配置したことである。
【0014】
また、第7手段は、前記第2の測温手段は前記外装ケースの表面から露出する金属製のカバーを設けたことである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の一実施の形態による電子体温計のブロック図、図2は本発明の一実施の形態による電子体温計の外観図、図3は本発明の一実施の形態による電子体温計のフローチャート、第4図(a),(b)は本発明の一実施の形態による第2の測温手段の断面図、図5は本発明の一実施の形態による他の電子体温計の外観図である。
【0016】
先ず、図2を用いて本発明による電子体温計の外観図を説明する。図2において、10は接触式の略棒状の形状をした電子体温計であり、腋下などの生体の測定部位に挟み込むプローブ部11と、本体部12から構成されている。電子体温計10の一方の端部、つまりプローブ部11の先端には、金属製のセンサカバー20が設けられ、さらにその内部にはサーミスタなどの温度センサが配置されて、第1の測温手段を構成している。
【0017】
この第1の測温手段の内部構造は図示しないが、温度センサは、センサカバー20の内側に熱結合状態で固定されており、さらに、センサカバー20の内部はエポキシ系接着剤を充填するのではなく、中空構造になっている。つまり、接着剤の量を減らし、測温部の熱容量をできるだけ小さくして、測定を開始した直後に測温部が測定部位の熱を奪うことにより生じる測定部位の温度変化を抑えて、速い熱応答ができるような構造になっている。また、本体部12は、外装ケースに被われているが、その一部に測定を開始するためのスイッチ13と、測定した体温値を表示する表示器14が設けられている。さらに、測定部位近傍の温度である雰囲気温度を測定するために、第2の測温手段15が外装ケースの表面に対して凹んだ位置に配置されている。本体部12の内部には図示しない電気回路が配置されている。なお、プローブ部11と本体部12の境界線は図示しないが、生体の測定部位に挟み込まれる先端部からおよそ5cmまでをプローブ部と呼んでいる。
【0018】
第2の測温手段15は、測定部位近傍の温度である雰囲気温度を測定するため、第1の測温手段を腋下に挟んだ状態で生体に接触しない位置に配置する必要があり、第1の測温手段が配置されたプローブ部11の先端から少なくとも5cm以上離れた位置に配置している。また、第2の測温手段をプローブ部11の先端から遠ざけすぎると、衣服を着た被験者が第1の測温手段を腋下に挟んだときに第2の測温手段が衣服の外に出てしまう恐れがあるため、衣服内に位置するように配置するのが好ましい。
【0019】
また、第2の測温手段15を外装ケースの表面に対して凹んだ位置に配置することによって、第2の測温手段15が生体に接触する危険を減らして、測定部位近傍の雰囲気温度を測定することできる効果がある。
【0020】
次に、図2を用いて本実施の形態による電子体温計の操作方法を説明する。操作を開始する前の状態は、電子体温計10の電源は切れており、室内に放置してあったものとする。
【0021】
まず、スイッチ13を押すと、その操作に基づいて体温計10の電源が入り、測定を開始できる状態となる。次に、通常の電子体温計と同じように、プローブ部11の先端のセンサカバー20を生体の測定部位に接触させる。腋窩温度を測定する場合には、腋下にしっかりと挟んでから5秒から10秒経過すると、ブザー音などで測定が終了したことを知らせると共に、表示器14には測定した体温値が表示される。腋下から電子体温計10を取り出し、表示器14の体温値を読み取る。最後に、スイッチ13を押して、電子体温計10の電源を切る。
【0022】
次に、図1を用いて本発明の実施の形態による電子体温計のブロック図を説明する。電子体温計10は、プローブ部11の先端に設けられた、センサカバー20とサーミスタなどの温度センサとから構成される第1の測温手段21を有している。さらに、本体部12に設けられた、被験者の測定部位近傍の雰囲気温度を測定する第2の測温手段15と、電源を制御するスイッチ13と、測定した体温値を表示する表示器14と、電気回路27とを有している。
【0023】
第2の測温手段15の温度センサは、測定部位近傍の雰囲気温度を短時間で測定するために、応答速度が速い構造になっていて、外装ケースの表面に対して凹んだ位置に配置されている。
【0024】
さらに電気回路27は、雰囲気温度記憶手段22、接触温度記憶手段23、調整手段24、補正量記憶手段25、演算手段26とから構成されている。スイッチ13の操作に基づいて、電気回路27の電源が制御される。接触温度記憶手段23は、第1の測温手段21の温度上昇が急激に上昇する測温部側の熱応答から、徐々に上昇する生体側の熱応答に遷移したときの、第1の測温手段21の温度を測定して、接触温度Tcとして記憶している。また、雰囲気温度記憶手段22は、第2の測温手段15の温度、つまり被験者の測定部位近傍の雰囲気温度を測定して、雰囲気温度Taとして記憶している。
【0025】
調整手段24は、補正量Tdを算出するための計算式が記憶されている。ここでは、雰囲気温度Taと接触温度Tcを変数として、補正量Tdを計算により求めて調整している。補正量記憶手段25では、この補正量Tdを記憶している。
【0026】
演算手段26は、接触温度記憶手段23に記憶された接触温度Tcと、補正量記憶手段25に記憶された補正量Tdを加算して、体温値Tbを算出している。そして、表示器14には体温値Tbが表示される。
【0027】
ここで、生体の伝熱現象について解説する。測定部位の深部には動脈があり、動脈温度は深部温度になっている。測定部位の皮膚表面と動脈の間には、筋肉や脂肪、皮膚組織があり、これらの組織の熱伝導によって深部温度が皮膚表面に伝わっている。
【0028】
また、皮膚表面の周囲には、通常、衣服を着ていても着ていなくても空気があり、また、衣服を着ている場合には、その空気とほぼ同じ温度状態にある衣服などがある。そして、皮膚表面と空気との間では対流熱伝達が行われ、皮膚表面と衣服などの周囲の物体との間では熱放射が行われている。このように測定部位と対流熱伝達が行われる空気や、熱放射が行われる周囲の物体の温度を雰囲気温度とする。
【0029】
この現象を電気抵抗のように熱抵抗という考え方を導入すると、極めて簡単に説明できる。深部温度Tbと表面温度Tcの間には、生体組織による熱抵抗r1が考えられる。また、表面温度Tcと雰囲気温度Taの間にも、熱抵抗r2が考えられる。これらの熱抵抗が変化しなければ、次式が成り立つことになる。
(Tb−Tc)/r1=(Tc−Ta)/r2 ・・・(式1)
さらに、熱抵抗r1、r2の比を、k=r1/r2とすれば、深部温度Tbは、表面温度Tc、雰囲気温度Ta、及び熱抵抗比kで、次式のように表すことができる。
Tb=Tc+k(Tc−Ta) ・・・(式2)
【0030】
ここでは、深部温度をTb、表面温度をTcとして説明したが、電子体温計に応用して実施する場合には、表示する体温値をTb、第1の測温手段21を測定部位に接触させて測定した接触温度をTcとして、式2から求めることができる。式2の第2項であるk(Tc−Ta)が、補正量Tdとなる。ただし、熱抵抗比kは、0.2としている。このように接触温度Tcと雰囲気温度Taの差に応じて、補正量Tdを調整することによって、簡単な計算で補正量Tdを求めることができる。このことによって、演算プログラムを簡単にすることができ、また、体温値を演算する処理時間を短くすることもできる。また、プログラムROMが大きくなく、システムクロックが遅い安価なマイクロコンピュータを電気回路に使用することができ、安価な電子体温計を供給できる効果もある。
【0031】
次に、図1と図3を用いて本実施の形態の電子体温計における動作を説明する。図3において“S1”から“S9”は各処理のステップを示す記号である。先ず、図3のS1では、電子体温計10の電源を入れるためにスイッチ13を押す。この操作に基づいて、電子体温計10は電源が入り次の処理を開始する。
【0032】
S2では、プローブ部11を衣服に被われた生体の測定部位である腋下に挟み込む。第1の測温手段21のセンサーカバー20が生体の測定部位に接触することで、第1の測温手段21の温度は急激に温度上昇する。つまり、生体の測定部位に接触する前には、室温であった第1の測温手段21の温度が、接触することによって、測定部位の表面温度とほぼ等しくなるように急激に温度上昇する。
【0033】
また、衣服内に電子体温計10を入れたことによって、第2の測温手段15も測定部位近傍の雰囲気温度とほぼ等しくなるように徐々に温度上昇する。そして、第1の測温手段の急激な温度上昇に基づいて衣服の内部に電子体温計が挿入されたことを検出することができ、S3ではこの検出から所定時間経過後に、第2の測温手段15の温度を、被験者の測定部位近傍の雰囲気温度Taとして測定して記憶する。
【0034】
S4では、補正量Tdを雰囲気温度Taと接触温度Tcの差から算出して求める。つまり、k(Tc−Ta)を補正量Tdとして算出する。ただし、熱抵抗比k=0.2としている。
【0035】
S5では、測温手段21の急激な温度上昇、つまり測温部の熱応答が終了すると、生体の測定部位の応答に移り変わる。この遷移条件を検出して、そのときの測温手段21の温度を接触温度Tcとして測定して記憶する。なお、この遷移条件は、0.2°C/秒以下の温度上昇が4秒間継続することとしている。
【0036】
S6では、演算手段25によって、接触温度Tcと補正量Tdから、体温値Tbを加算演算して求める。
Tb=Tc+Td ・・・(式3)
【0037】
S7では、表示器14に体温値Tbを表示すると共に、ブザー音で測定が終了したことを被験者に知らせる。
【0038】
S8では、腋下に挟んでいた電子体温計10を取出して、体温値Tbを読み取る。その後、S9では、スイッチ13を押して、電子体温計10の電源を切る。
【0039】
以上が図1と図3を用いた本実施の形態による電子体温計の動作説明であるが、例えば、S5の処理において遷移条件を、0.2°C/秒以下の温度上昇が4秒間継続すること、すなわち、温度上昇の傾きが穏やかになったことを検出したが、第1の測温手段21の熱応答時間に着目して、生体の測定部位に挟んでからの経過時間、例えば6秒と設定することもできる。
【0040】
本実施の形態では、第2の測温手段15の温度センサは、応答速度が速い構造にして、被験者の測定部位近傍の雰囲気温度を測定している。さらに速く雰囲気温度を測定するために、電子体温計10を測定部位に挟んでから、第2の測温手段が平衡温度に達する前に雰囲気温度の平衡温度を予測演算によって求めても良い。
【0041】
次に、図4を用いて本実施の形態の電子体温計における第2の測温手段の構造について、断面図を用いて説明する。図4(a)において、第2の測温手段15は、サーミスタなどの温度センサ151と、アルミニウムなど熱伝導が良い金属製カバー152とから成っている。金属製カバー152は、外装ケース121の表面に対して凹んだ位置にあり、ケースの表面から露出するように配置されている。そして、温度センサ151は、金属製カバー152に熱結合するように取付けられている。このようにケースの表面から露出するように金属製のカバーを取付けることによって、第2の測温手段15の破損などによる故障原因を防ぐことができる。さらに、生体の測定部位近傍の雰囲気温度を短時間で測定することができる。
【0042】
図4(b)に、金属製カバーを用いない第2の測温手段15の構造を示した。第2の測温手段15は温度センサ151から成り、温度センサ151は外装ケース121の表面よりも内部に凹んだ位置に、ケースの表面から露出するように配置されている。このような構造にすることによって、生体の測定部位近傍の雰囲気温度を極めて短時間で測定することができる。また、第2の測温手段が生体に接触する危険も減らしている。
【0043】
図5に本発明による電子体温計の他の外観図を示す。図2に示した電子体温計と異なるのは、第2の測温手段を配置する位置である。第2の測温手段15は表示器14とスイッチ13との間に配置されており、このように図2に示した第2の測温手段の位置よりも第1の測温手段から遠ざけた位置に配置することによって、第2の測温手段を生体に接触する危険を減らしている。
【0044】
また、電子体温計10は測定開始前には室内に放置されているので、プローブ部11は室温になっている。室温は測定部位の表面温度と異なるために、生体の測定部位にプローブ部11が接触することで、測定部位の温度はプローブ部11によって吸熱される。すなわち、接触温度Tcは室温の影響を受けてしまう。この影響を考慮するために、スイッチ13を押して電源を入れた後に、第1の測温手段21の温度を室温として測定しておき、補正量Tdの関数に室温を変数として組み入れても良い。つまり、補正量Tdは、雰囲気温度Ta、接触温度Tcさらに室温の関数とすることによって、室温の影響を受けない体温値Tbを演算することができる。
【0045】
また、プローブ部11の温度が室温に影響されないように、プローブ部11にヒーターなど温度制御機構を備えて、生体に接触するプローブ11の先端、つまり第1の測温手段21の温度を一定に保つようにしても良い。このようにすることによって、室温の影響を受けないで正確な体温値を演算することができる。
【0046】
本実施の形態では、補正量Tdを雰囲気温度Taと接触温度Tcの差から算出して求めたが、補正量Tdを雰囲気温度Taと接触温度Tcの差からテーブル・ルックアップ方式で求めても良い。また、補正量Tdを雰囲気温度Taだけからテーブル・ルックアップ方式で求めても良い。
【0047】
また、補正量Tdを雰囲気温度Taだけから求める場合には、補正量Tdを雰囲気温度Taの1次式として求めることもできる。例えば、Td=7.4−0.2Ta とすれば良い。
【0048】
また、本実施の形態では、S4からS7の処理を1回限りとしていたが、接触温度Tcが徐々に温度上昇するのに対応して、経過時間を新たに変数に加えて、補正量Tdを記憶することよって、時間経過毎、例えば2秒毎に体温値Tbを算出して表示器14に表示することができる。
【0049】
また、雰囲気温度を用いない通常の予測による測定も可能なように、測定モードを切り替えることができるようにしても良い。例えば、電源がオフの状態、または測定値が表示されている状態で、スイッチ13を押しつづける時間(操作時間)が所定時間である2秒以上の場合には通常の予測モードで測定が開始され、スイッチ13を押しつづける時間が2秒未満の場合には図1に示した電子体温計と同様に第2の測温手段を用いた短時間測定モードで測定できるように構成する。
図6は、このように構成した場合の電子体温計のブロック図の例である。図1と同じ構成には同じ番号を付けてその説明を省略する。図6が図1と異なるのは、電気回路27’に操作時間検出手段16を追加したことと、接触温度記憶手段23に換えて温度記憶手段23’を用いたこと、及び演算手段26’に換えて体温の予測も可能な演算手段26’を用いたことである。
【0050】
操作時間検出手段16は、スイッチ13の操作時間を検出してその時間が所定時間である2秒以上か否かを判定し、それに応じて短時間測定モードまたは通常の予測モードのいずれかで動作するように電気回路27’の各手段の動作を制御する。
【0051】
温度記憶手段23’は短時間測定モードでは図1に示した接触温度記憶手段23と同様に接触温度を記憶し、通常の予測モードでは、0.2°C/秒以下の温度上昇が4秒間継続する遷移条件を検出した後に所定時間間隔で第1の測温手段で測定した温度を全て記憶する。
【0052】
演算手段26’は、短時間測定モードでは温度記憶手段23’に記憶されている接触温度と補正量記憶手段25に記憶されている補正量を用い、図1に示した電子体温計と同様な方法で体温を演算する。また、通常の予測モードでは、補正量記憶手段25に記憶されている補正量を用いずに、温度記憶手段23’に記憶されている測定温度を用いて従来の予測式の電子体温計と同様な方法で体温の予測演算を行う。
【0053】
そして、スイッチ13の操作時間が2秒未満の場合は、操作時間検出手段16は、電気回路27’の各手段を全て動作させると共に、温度記憶手段23’及び演算手段26’に短時間測定モードであることを示す信号を出力する。また、スイッチ13の操作時間が2秒以上の場合は、電気回路27’の温度記憶手段23’及び演算手段26’だけを動作させると共に、通常の予測モードであることを示す信号をこれらに出力する。このように、電気回路27’の各手段は、操作時間検出手段16によって動作が制御され、短時間測定モードまたは通常の予測モードのいずれかで動作する。
【0054】
このように、2つのモードを選択可能にすることによって、雰囲気温度が測定部位の表面温度に反映されない場合(例えば、腋下が露出する衣服を着た人が室温が高い部屋から低い部屋に移動した直後に測定を行う場合)や、周囲環境の温度に影響されない測定部位で測定する場合にも、この電子体温計を用いて正確に体温の測定をすることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、生体の測定部位に接触させて接触温度を測定可能な第1の測温手段と、生体の測定部位近傍の雰囲気温度を測定可能な第2の測温手段とを有し、第1、第2の測温手段で測定した接触温度と雰囲気温度とに基づいて生体の体温を演算することにより、より短時間に正確な体温を測定できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電子体温計のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による電子体温計の外観図である。
【図3】本発明の実施の形態による電子体温計のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態による電子体温計の第2の測温手段の構造例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態による他の電子体温計の外観図である。
【図6】本発明の他の実施の形態による電子体温計のブロック図である。
【符号の説明】
10 電子体温計
14 表示器
15 第2の測温手段
21 第1の測温手段
22 雰囲気温度記憶手段
23 接触温度記憶手段
24 調整手段
25 補正量記憶手段
26 演算手段
Ta 雰囲気温度
Tb 体温値
Tc 接触温度
Td 補正温度

Claims (6)

  1. 生体の測定部位に接触させて接触温度を測定する第1の測温手段と、前記生体の測定部位近傍の雰囲気温度を測定する第2の測温手段とを有し、前記接触温度と前記雰囲気温度とに基づいて前記生体の体温を演算する電子体温計において、
    前記第1の測温手段の急激な温度上昇が終了し、前記第1の測温手段の温度上昇の傾きが所定値以下になったときの前記第1の測温手段の測定温度を前記生体の体温の演算に用いる接触温度とすることを特徴とする電子体温計。
  2. 前記電子体温計は、前記雰囲気温度に基づいて前記接触温度に加える補正量を調整することにより前記生体の体温を演算することを特徴とする請求項1に記載の電子体温計。
  3. 前記電子体温計は、前記接触温度と前記雰囲気温度との差に基づいて前記接触温度に加える補正量を調整することにより前記生体の体温を演算することを特徴とする請求項1に記載の電子体温計。
  4. 前記電子体温計は、前記第1の測温手段の測定値に基づいて前記第1の測温手段のプローブ部が前記生体の測定部位に接触したことを検知するとともに、前記生体の体温の演算に用いる雰囲気温度は、前記検後に前記第2の測温手段で測定した温度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子体温計。
  5. 前記電子体温計は、外装ケースを有し、前記第2の測温手段を前記外装ケースの表面に対して凹んだ位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電子体温計。
  6. 前記第2の測温手段は前記外装ケースの表面から露出する金属製のカバーを有することを特徴とする請求項に記載の電子体温計。
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