JP2003075078A - 電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置 - Google Patents

電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置

Info

Publication number
JP2003075078A
JP2003075078A JP2001265851A JP2001265851A JP2003075078A JP 2003075078 A JP2003075078 A JP 2003075078A JP 2001265851 A JP2001265851 A JP 2001265851A JP 2001265851 A JP2001265851 A JP 2001265851A JP 2003075078 A JP2003075078 A JP 2003075078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
tube
furnace core
inner cylindrical
furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001265851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4914544B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Ueno
浩幸 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2001265851A priority Critical patent/JP4914544B2/ja
Publication of JP2003075078A publication Critical patent/JP2003075078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4914544B2 publication Critical patent/JP4914544B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Furnace Details (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の蒸気による炉芯管の曇りを防止し、観
察性の低下を防止する。 【解決手段】 電磁浮遊炉の炉芯管4の内側に、内底部
に試料ホルダ13を設けた内筒管12を同心状に配置す
る。内筒管12内に、内部の試料浮遊位置6のやや上方
位置に下端が達するように上部内筒管14を上方より挿
入して、上端部の突部15を上部炉芯管支持部材5aに
取り付け、上部内筒管14の外周面に内筒管12の内周
面を摺動させて上下方向に相対変位できるようにする。
内筒管12の下端に、内筒管移動機構部16の昇降ロッ
ド17の上端部を連結する。微少重力環境下にて試料浮
遊位置6に浮遊状態で加熱溶融させた試料7が蒸発して
も内筒管12により炉芯管4内面の汚れが防止されるよ
うにし、更に、内筒管12を下降動作させることによ
り、上部内筒管14により保護されていたクリアな部分
を露出させて、側面からの観察性が阻害されないように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁浮遊炉にて蒸気
圧の高い物質を試料として用いるときにも、炉芯管内面
の汚れや曇りを防止することができて、試料の観察性が
阻害されないようにするための電磁浮遊炉の炉芯管汚れ
防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体や金属等の物性を計測する手法の
1つとしては、物性計測対象となる半導体や金属の試料
を溶融状態とし、その挙動から表面張力や粘性等の熱物
性値を取得する方法がある。
【0003】かかる物性計測手法を実施する場合、従
来、地上(重力環境下)においては、重力に起因する熱
対流や重力自体の影響等から精密な熱物性値を取得する
ことは極めて困難であったが、近年、図3に概略を示す
如く、地下に垂直に掘ったドロップシャフト1内に、地
上の落下塔2から落下カプセル3を自由落下させ、この
自由落下する落下カプセル3内に、10−5Gレベルの
微少重力環境(マイクログラビティ:μG)を短時間
(約10秒間)形成させることができるようにしてある
落下型無重力実験施設において、上記落下カプセル3内
に搭載した物性計測実験装置としての電磁浮遊炉を用い
ることにより、計測対象試料を浮遊させながら加熱溶融
させ、この状態で落下カプセル3を自由落下させて微少
重力環境を形成させることにより、上記浮遊状態で、加
熱溶融された試料の挙動を、重力の影響を取り除いた微
少重力環境下で観察して、対象試料の精密な熱物性値を
計測することが行われてきている。
【0004】上記物性計測のため落下カプセル3内に搭
載される電磁浮遊炉は、電磁誘導で試料の浮遊及び加熱
を行う装置であり、図4にその一例の概略を示す如く、
ある所要長さの炉芯管4を上下方向に配して、その上下
両端部をそれぞれ上部及び下部の炉芯管支持部材5a,
5bにて支持させ、該炉芯管4の中間部分における軸心
位置に、試料浮遊位置6を設定して、該試料浮遊位置6
よりもやや下方位置となる炉芯管4の内側に、物性計測
すべき試料7を載置する試料ホルダ8を設け、且つ上記
試料浮遊位置6を挟むようにした上下両側位置の炉芯管
4の外側面に、上下方向でそれぞれ対をなす浮遊コイル
9a,9bと加熱コイル10a,10bとを取り付け、
上下の浮遊コイル9a,9bに逆向きの高周波電流を流
すことにより、図4に二点鎖線で示す如き試料ホルダ8
上に載置された試料7に誘導電流を誘起して、この試料
7に誘起された誘導電流と浮遊コイル9a,9bの電流
との反発により図4に実線で示す如く試料7を試料浮遊
位置6にて浮遊させると共に、上下の加熱コイル10
a,10bに同方向の高周波電流を流すことにより試料
7に誘導電流を流し、この誘導電流によるジュール熱に
より試料7を加熱して溶融させることができるようにし
てあり、更に又、上記試料浮遊位置6の側方となる炉芯
管4の外部位置に、CCDカメラ等の観察装置11を上
記試料浮遊位置6に向けて装備した構成としてある。
【0005】かかる構成の電磁浮遊炉を用いて半導体や
金属の物性計測を行う場合は、先ず、物性計測を所望す
る物質の球形に成形した試料7を、試料ホルダ8上に載
置した後、上部或いは下部の炉芯管支持部材5a,5b
側に接続して備えた図示しない真空ポンプやガス置換装
置を用いて上記炉芯管4内部の真空吸引やガス置換等の
実験前準備作業を行い、次に、浮遊コイル9a,9bと
加熱コイル10a,10bにそれぞれ所定の高周波電流
を流して、上記試料7を試料浮遊位置6に浮遊させると
共に試料7が所定の目標温度に達するまで加熱し、次い
で、試料7が目標温度に到達した時点で落下カプセル3
の自由落下を開始させることにより微少重力環境を形成
させて、該微少重力環境下において試料浮遊位置6にて
浮遊状態で加熱溶融される試料7の挙動を、観察装置1
1により観察するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の如き
微少重力環境下にて電磁浮遊炉を用いて行う物性計測
は、当初は蒸気圧の低い物質、すなわち、蒸発し難い物
質を計測対象試料7とした実験が主であったため、あま
り問題が生じることはなかったが、蒸気圧の高い物質の
物性を計測しようとすると、試料7を加熱溶融する際に
発生する該試料7の蒸気により炉芯管4の内面が汚れ
て、すぐに曇ってしまい、試料浮遊位置6にて浮遊状態
で加熱溶融させた試料7の観察が困難になるという問題
が生じ、このため頻繁に炉芯管4の清掃や交換が必要と
なることから、その清掃作業や交換作業に多くの時間を
要するという問題がある。
【0007】因みに、蒸気圧の高い物質の物性計測を行
う場合に生じる炉芯管4の曇りを防止する手法として
は、炉芯管4の内部にガスフローを形成させ、このガス
フローにより計測対象試料7の蒸気を炉芯管4内より吹
き流して除去させることも考えられるが、この場合、リ
ソースの問題や、加熱溶融させる試料7の温度低下の問
題が生じるため採用は困難である。
【0008】そこで、本発明は、電磁浮遊炉にて蒸気圧
の高い物質を計測対象試料とする場合にも該試料の蒸気
による炉芯管内面の汚れに起因する曇りを防止でき、浮
遊状態にて加熱溶融される試料の観察性が低下すること
を防止できる電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置を提供し
ようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、上下方向に延びる炉芯管の中間部位置の
軸心部に設定した試料浮遊位置を上下両側から挟むよう
に該炉芯管の外側面に、上下一対の浮遊コイル及び加熱
コイルをそれぞれ取り付けて、上下の浮遊コイルに逆向
きの高周波電流を流すことにより上記試料浮遊位置に試
料を浮遊させると共に、上下の加熱コイルに同方向の高
周波電流を流して試料を加熱溶融させ、該試料浮遊位置
にて加熱溶融される試料の挙動を、炉芯管外部の側方位
置より観察できるようにしてある電磁浮遊炉における上
記炉芯管の内側に、該炉芯管よりも小径で閉塞した下端
部の内底部に試料を載置するための試料ホルダを設けて
なる内筒管を、上記試料浮遊位置を取り囲むように上記
炉芯管と同軸心上に配置して、上記試料浮遊位置の周囲
が内筒管と炉芯管による二重管構造となるようにした構
成とする。
【0010】電磁浮遊炉を用いて計測対象試料の物性計
測を行う場合、浮遊コイルと加熱コイルの作用により試
料を試料浮遊位置にて浮遊させると共に加熱溶融させる
と、上記試料が蒸気圧の高い物質の場合には、試料の加
熱溶融に伴い該試料の蒸気が発生するが、上記試料浮遊
位置の炉芯管の内側には内筒管が配置されているため、
炉芯管の内面が試料の蒸気により汚れて曇ることは防止
されることになる。
【0011】又、内筒管の内径と対応した外径を有する
上部内筒管を、下端が試料浮遊位置のやや上方位置に達
するように内筒管内に上方より挿入し、該内筒管の内周
面と上記上部内筒管の外周面とを摺動させて上下方向に
相対変位できるようにして、上記内筒管の試料浮遊位置
よりもやや上方位置から上端までの内周面を上部内筒管
により保護できるようにし、更に、該内筒管の下端に、
内筒管移動機構部の昇降ロッドの上端部を連結し、該内
筒管移動機構部により、内筒管を一定速度で昇降動作で
きるようにした構成とすることにより、内筒管の内周面
が試料の蒸気により汚染されて曇ったときに、上記内筒
管を所要量下降させることで、それまで上部内筒管によ
り保護されていた清浄な内周面を有する部分の内筒管の
管壁を、試料浮遊位置の周囲に露出させることができる
ため、上記内筒管の曇りを容易に解消できて、試料浮遊
位置にて浮遊状態で溶融される試料の観察性が低下する
ことを防止でき、更に、内筒管を昇降ロッドを介して下
降させることにより、試料浮遊位置の周囲に、それまで
上部内筒管に保護されていた清浄な内周面を有する部分
の内筒管の管壁を連続的に露出させることができるた
め、試料浮遊位置にて浮遊状態で加熱溶融される試料の
観察性の低下を解消できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0013】図1及び図2は本発明の電磁浮遊炉の炉芯
管汚れ防止装置の実施の一形態を示すもので、図4に示
した電磁浮遊炉と同様に、炉芯管4の上下両端部を炉芯
管支持部材5a,5bに保持させて、該炉芯管4の、中
間部分の軸心位置に試料浮遊位置6を設定し、且つ上記
試料浮遊位置6を挟むように上下両側位置の炉芯管4の
外側面に、上下一対の浮遊コイル9a,9b及び加熱コ
イル10a,10bを取り付けた構成としてある電磁浮
遊炉において、上記炉芯管4の内側に、該炉芯管4より
小径で且つ炉芯管4よりも短かくしてある円筒形状の下
端部を閉塞してその内底部に試料7を載置するための試
料ホルダ13を設けてなる内筒管12を、上記炉芯管4
と同軸心上となるようにして試料浮遊位置6を取り囲む
ように配置して、試料浮遊位置6の周囲が、内筒管12
と炉芯管4とによる2重管構造となるようにする。
【0014】又、上記内筒管12の内径よりやや小さい
外径を有し且つ上端部にフランジ状の突部15を有する
内筒管14を上部内筒管として用い、該上部内筒管14
を、下端が試料浮遊位置6のやや上方位置に達するよう
に内筒管12内に上方より挿入して、内筒管12の内周
面と上部内筒管14の外周面とを摺接させた状態で上下
方向に相対変位できるようにし、且つ上端部の突部15
を上部炉芯管支持部材5aに取り付けて支持させるよう
にして、内筒管12の試料浮遊位置6よりもやや上方位
置から上端までの内周面を上部内筒管12により保護さ
れるようにする。
【0015】更に、上記内筒管14は昇降できるよう
に、その下端に、炉芯管4の軸心に沿って該炉芯管4内
に下方より挿入配置した昇降ロッド17の上端部を連結
して、該昇降ロッド17の下端部を内筒管移動機構部1
6に昇降可能に連結支持し、昇降ロッド17を昇降させ
ることにより内筒管12を所定の速度で昇降できるよう
にする。
【0016】上記内筒管移動機構部16は、電磁浮遊炉
の使用環境が微少重力環境下であることから、モータ駆
動系等によるGジッタの発生は極力抑制する必要がある
ため、昇降ロッド17の下端部と、該昇降ロッド17を
昇降させる駆動部(図示せず)との間に、磁石同士の吸
引力及び又は反発力を利用して、非接触で上記昇降ロッ
ド17に駆動力を伝達できる磁気カップリング18を用
いた直線導入機構を採用したものとしてある。
【0017】なお、上記内筒管12は透明な耐熱ガラス
製としてあり、又、上部内筒管14はマシナブルセラミ
ックス製又は耐熱ガラス製としてある。又、上記内筒管
移動機構部16の昇降ロッド17の上側ストロークエン
ドにおいて、内筒管12は、試料ホルダ13が試料浮遊
位置6のやや下方位置に配置されるようにしてあり、一
方、昇降ロッド17の上側ストロークエンドからの下降
動作に伴う内筒管12の下降動作は、該内筒管12の内
周面と上部内筒管14の外周面が、落下カプセル3の自
由落下中、すなわち、該落下カプセル3内に微少重力環
境が形成されている間中、継続して摺動できる所定の速
度に設定してある。その他、図4に示したものと同一の
ものには同一符号が付してある。
【0018】計測対象試料7の物性計測を行う場合は、
図3に示した如き落下型無重力実験施設において、落下
カプセル3内に、上記本発明の炉芯管汚れ防止装置を採
用した電磁浮遊炉を搭載しておく。この状態にて、先
ず、図1に二点鎖線で示す如く、内筒管12の試料ホル
ダ13上に、球形の計測対象試料7を載置すると共に、
内筒管移動機構部16の昇降ロッド17を上側ストロー
クエンドまで上昇させて、内筒管12の試料ホルダ13
上の試料7が、試料浮遊位置6のやや下方に配置された
状態とする。この際、内筒管12は、試料ホルダ13近
傍となる下端部を除く内面が、すべて上部内筒管14に
より保護された状態となっている。
【0019】次に、従来と同様に、炉芯管4内の真空吸
引及びガス置換等の実験前準備作業を施すことにより、
上部内筒管14及び内筒管12内の真空吸引及びガス置
換を実施した後、浮遊コイル9a,9bに高周波電流を
流して、図1に二点鎖線で示す如き試料ホルダ13上の
試料7を、図1に実線で示す如く試料浮遊位置6に浮遊
させると共に、加熱コイル10a,10bに高周波電流
を流して上記浮遊状態の試料7を所定の目標温度に達す
るまで加熱し、次いで、試料7の温度が所定温度に到達
して溶融された時点で、落下カプセル3の自由落下によ
る微少重力環境の形成を開始させ、同時に、内筒管移動
機構部16により昇降ロッド17を介して内筒管12の
下降動作を開始させた状態として、上記浮遊状態で加熱
溶融される試料7の挙動の観察を観察装置11により行
うようにする。
【0020】この際、上記試料7が蒸気圧の高い物質の
場合には、試料7の加熱溶融に伴い該試料7の蒸気が発
生するようになるが、試料浮遊位置6の周囲は、炉芯管
4とその内側の内筒管12との2重管構造としてあるた
め、上記試料7の蒸気は、内筒管12により遮られて炉
芯管4に達することは防止される。これにより、炉芯管
4内面が汚れたり曇ったりすることが防止され、又、浮
遊コイル9a,9bや加熱コイル10a,10bが汚れ
ることも防止される。
【0021】一方、試料7の蒸気が内筒管12の内面に
付着すると、該内筒管12の内面が汚されるようになる
が、内筒管12の上部内筒管14と接している部分の内
周面は、該上部内筒管14により保護されているため、
試料7の蒸気が付着することはなく清浄なまま保たれて
いる。したがって、微少重力環境が形成されている間
中、連続的に内筒管移動機構部16により昇降ロッド1
7を介して上部内筒管12が下降動作させられると、こ
の下降動作により、図2に示す如く、それまで上部内筒
管12により保護されていた部分、すなわち、試料7の
蒸気が付着することなく清浄なまま保持されていた部分
の内筒管12の内周面が、上部内筒管12の下端位置よ
り連続的に引き下ろされて試料浮遊位置6の周囲にて露
出するようになるため、上記内筒管12の新たに露出さ
れた清浄な内周面の部分を通して、試料浮遊位置6にて
浮遊状態で加熱溶融される試料7の観察が行われる。
【0022】しかる後、落下カプセル3の自由落下の終
了による微少重力環境の形成終了と共に、内筒管12の
下降動作を停止し、又、浮遊コイル9a,9b及び加熱
コイル10a,10bへの高周波電流の供給を終了し
て、浮遊させていた試料7を、試料ホルダ13上に落下
させて回収する。
【0023】このように、炉芯管4の内側に、内筒管1
2を設けて、試料浮遊位置6の周囲を、内筒管12及び
炉芯管4からなる2重管構造としてあるので、たとえ試
料7が蒸気圧の高い物質であっても、試料7の蒸気を内
筒管12により遮ることで、試料7蒸気による炉芯管4
の汚れを防止できて曇りを解消できると共に、浮遊コイ
ル9a,9bや加熱コイル10a,10bの汚染も防止
できる。又、内筒管12の内周面が試料7の蒸気により
汚染された場合には、該内筒管12を下降動作させるこ
とで、試料浮遊位置6の周囲に、それまで上部内筒管1
4によって試料7の蒸気から保護されていた内筒管12
のクリアな内周面を有する部分の管壁を露出させること
ができるため、該試料7を微少重力環境下にて浮遊状態
で加熱溶融させて、観察装置11により観察するとき
に、観察性が阻害される虞を防止することができる。
【0024】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、微少重力環境下にて浮遊させ且つ
加熱溶融させた試料7の観察を行う間、内筒管12の内
周面を、上部内筒管14の外周面にて摺動させながら連
続的に下方に引き出せるようにすれば、内筒管12、上
部内筒管14及び炉芯管4の上下方向の長さ寸法は、微
少重力環境を形成させる時間の長さや内筒管移動機構部
16による内筒管12の下降動作の動作速度に応じて適
宜設定してよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0025】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の電磁浮遊炉の
炉芯管汚れ防止装置によれば、上下方向に延びる炉芯管
の中間部位置の軸心部に設定した試料浮遊位置を上下両
側から挟むように該炉芯管の外側面に、上下一対の浮遊
コイル及び加熱コイルをそれぞれ取り付けて、上下の浮
遊コイルに逆向きの高周波電流を流すことにより上記試
料浮遊位置に試料を浮遊させると共に、上下の加熱コイ
ルに同方向の高周波電流を流して試料を加熱溶融させ、
該試料浮遊位置にて加熱溶融される試料の挙動を、炉芯
管外部の側方位置より観察できるようにしてある電磁浮
遊炉における上記炉芯管の内側に、該炉芯管よりも小径
で閉塞した下端部の内底部に試料を載置するための試料
ホルダを設けてなる内筒管を、上記試料浮遊位置を取り
囲むように上記炉芯管と同軸心上に配置して、上記試料
浮遊位置の周囲が内筒管と炉芯管による二重管構造とな
るようにした構成としてあるので、電磁浮遊炉における
物性計測対象試料として蒸気圧の高い物質を用いる場合
にも、試料浮遊位置にて浮遊状態で加熱溶融される該試
料の蒸気を、内筒管で遮ることができて、試料の蒸気に
より炉芯管が曇る虞を解消できるという優れた効果を発
揮し、又、内筒管の内径と対応した外径を有する上部内
筒管を、下端が試料浮遊位置のやや上方位置に達するよ
うに内筒管内に上方より挿入し、該内筒管の内周面と上
記上部内筒管の外周面とを摺動させて上下方向に相対変
位できるようにして、上記内筒管の試料浮遊位置よりも
やや上方位置から上端までの内周面を上部内筒管により
保護できるようにし、更に、該内筒管の下端に、内筒管
移動機構部の昇降ロッドの上端部を連結し、該内筒管移
動機構部により、内筒管を一定速度で昇降動作できるよ
うにした構成とすることにより、内筒管の内周面が試料
の蒸気により汚れて曇ったときに、上記内筒管を所要量
下降させることで、それまで上部内筒管により保護され
ていた清浄な内周面を有する部分の内筒管の管壁を、試
料浮遊位置の周囲に露出させることができるため、上記
内筒管の曇りを容易に解消できて、試料浮遊位置にて浮
遊状態で溶融される試料の観察性が低下することを防止
でき、更に、内筒管を昇降ロッドを介して下降させるこ
とにより、試料浮遊位置の周囲に、それまで上部内筒管
に保護されていた清浄な内周面を有する部分の内筒管の
管壁を連続的に露出させることができるため、試料浮遊
位置にて浮遊状態で加熱溶融される試料の観察性の低下
を解消できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置の実
施の一形態を示す切断概略側面図である。
【図2】図1の装置の作動状態を示す切断概略側面図で
ある。
【図3】落下型無重力実験施設の概略を示す切断側面図
である。
【図4】従来の電磁浮遊炉の炉芯管部分の一例の概略を
示す切断側面図である。
【符号の説明】
4 炉芯管 6 試料浮遊位置 7 試料 9a,9b 浮遊コイル 10a,10b 加熱コイル 12 内筒管 13 試料ホルダ 14 上部内筒管 16 内筒管移動機構部 17 昇降ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA11 AA13 AC11 AD32 AD52 DA24 DA33 EB06 EB11 FD05 GA20 HA17 HC03 HC17 HC24 HC32 JA11 4K046 AA01 BA01 BA02 BA03 BA05 CC01 CD02 CD12 4K056 AA05 BA04 BB07 CA01 CA18 FA23 4K063 AA04 AA12 AA16 AA19 BA02 BA03 BA12 CA07 FA32 FA43

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に延びる炉芯管の中間部位置の
    軸心部に設定した試料浮遊位置を上下両側から挟むよう
    に該炉芯管の外側面に、上下一対の浮遊コイル及び加熱
    コイルをそれぞれ取り付けて、上下の浮遊コイルに逆向
    きの高周波電流を流すことにより上記試料浮遊位置に試
    料を浮遊させると共に、上下の加熱コイルに同方向の高
    周波電流を流して試料を加熱溶融させ、該試料浮遊位置
    にて加熱溶融される試料の挙動を、炉芯管外部の側方位
    置より観察できるようにしてある電磁浮遊炉における上
    記炉芯管の内側に、該炉芯管よりも小径で閉塞した下端
    部の内底部に試料を載置するための試料ホルダを設けて
    なる内筒管を、上記試料浮遊位置を取り囲むように上記
    炉芯管と同軸心上に配置して、上記試料浮遊位置の周囲
    が内筒管と炉芯管による二重管構造となるようにした構
    成を有することを特徴とする電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防
    止装置。
  2. 【請求項2】 内筒管の内径と対応した外径を有する上
    部内筒管を、下端が試料浮遊位置のやや上方位置に達す
    るように内筒管内に上方より挿入し、該内筒管の内周面
    と上記上部内筒管の外周面とを摺動させて上下方向に相
    対変位できるようにして、上記内筒管の試料浮遊位置よ
    りもやや上方位置から上端までの内周面を上部内筒管に
    より保護できるようにし、更に、該内筒管の下端に、内
    筒管移動機構部の昇降ロッドの上端部を連結し、該内筒
    管移動機構部により、内筒管を一定速度で昇降動作でき
    るようにした請求項1記載の電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防
    止装置。
JP2001265851A 2001-09-03 2001-09-03 電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置 Expired - Fee Related JP4914544B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001265851A JP4914544B2 (ja) 2001-09-03 2001-09-03 電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001265851A JP4914544B2 (ja) 2001-09-03 2001-09-03 電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003075078A true JP2003075078A (ja) 2003-03-12
JP4914544B2 JP4914544B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=19092256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001265851A Expired - Fee Related JP4914544B2 (ja) 2001-09-03 2001-09-03 電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4914544B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7973267B2 (en) * 2004-08-23 2011-07-05 Tata Steel Nederland Technology Bv Apparatus and method for levitation of an amount of conductive material
KR101424656B1 (ko) 2013-03-13 2014-08-01 한국표준과학연구원 정전기 부양 장치용 시료 로딩 장치
US10033307B2 (en) 2013-03-13 2018-07-24 Korea Research Institute Of Standards And Science Sample loading device for electrostatic levitation apparatus
CN113353632A (zh) * 2021-06-28 2021-09-07 散裂中子源科学中心 一种自动换样机构
CN115318073A (zh) * 2022-07-07 2022-11-11 西北工业大学 一种可处理有毒易挥发物质的电磁悬浮装置以及制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02157592A (ja) * 1988-12-12 1990-06-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 静電浮遊炉
JPH108112A (ja) * 1996-06-17 1998-01-13 Hosokawa Micron Corp 超微粒子の製造方法
JPH1171605A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 微粒子製造方法及び装置
JP2000195347A (ja) * 1998-12-23 2000-07-14 Siecor Operations Llc 複合ケ―ブルユニット
JP2000234108A (ja) * 1999-02-10 2000-08-29 Agency Of Ind Science & Technol 球状の金属チタン及びチタン化合物の製造方法
JP2001336882A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Fuji Electric Co Ltd 浮揚溶解装置
JP2002195347A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 電磁浮遊炉の振動減衰方法と装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02157592A (ja) * 1988-12-12 1990-06-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 静電浮遊炉
JPH108112A (ja) * 1996-06-17 1998-01-13 Hosokawa Micron Corp 超微粒子の製造方法
JPH1171605A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 微粒子製造方法及び装置
JP2000195347A (ja) * 1998-12-23 2000-07-14 Siecor Operations Llc 複合ケ―ブルユニット
JP2000234108A (ja) * 1999-02-10 2000-08-29 Agency Of Ind Science & Technol 球状の金属チタン及びチタン化合物の製造方法
JP2001336882A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Fuji Electric Co Ltd 浮揚溶解装置
JP2002195347A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 電磁浮遊炉の振動減衰方法と装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7973267B2 (en) * 2004-08-23 2011-07-05 Tata Steel Nederland Technology Bv Apparatus and method for levitation of an amount of conductive material
KR101424656B1 (ko) 2013-03-13 2014-08-01 한국표준과학연구원 정전기 부양 장치용 시료 로딩 장치
US10033307B2 (en) 2013-03-13 2018-07-24 Korea Research Institute Of Standards And Science Sample loading device for electrostatic levitation apparatus
CN113353632A (zh) * 2021-06-28 2021-09-07 散裂中子源科学中心 一种自动换样机构
CN115318073A (zh) * 2022-07-07 2022-11-11 西北工业大学 一种可处理有毒易挥发物质的电磁悬浮装置以及制备方法
CN115318073B (zh) * 2022-07-07 2024-03-15 西北工业大学 一种可处理有毒易挥发物质的电磁悬浮装置以及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4914544B2 (ja) 2012-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5841685B2 (ja) ガラス製造プロセスにおいて包囲空間から揮発材料を除去する方法および装置
KR101811908B1 (ko) 미립자 제거 장치를 구비한 유리 제조 장치 및 이를 이용하기 위한 방법
JP2003075078A (ja) 電磁浮遊炉の炉芯管汚れ防止装置
JP7073379B2 (ja) ガラス成形装置に対するガラス流を制御する方法及び装置
CN108495825B (zh) 热稳定的玻璃管成形设备和方法
US20110036123A1 (en) Glass-coated wires and methods for the production thereof
JP3672942B2 (ja) 冷却壁を有する融解炉で融解された材料の調節可能な流量での注ぎによる抽出用の装置
US20190263711A1 (en) Suspending device for optical fibre preforms
EP2716611B1 (en) Apparatus for elongating a glass optical fibre preform
JP3838515B2 (ja) 搬送装置及び成形装置
FI114312B (fi) Menetelmä ja laitteisto optisen kuidun valmistuksessa
CN105731782A (zh) 玻璃棒的缩径加工方法及玻璃棒
CN115318073B (zh) 一种可处理有毒易挥发物质的电磁悬浮装置以及制备方法
TWI333003B (en) Supporting apparatus for supporting a growing single crystals of semiconductor material, and process for producing a single crystal
KR102474704B1 (ko) 단결정 성장 장치
JP5682821B2 (ja) シード軸とシードホルダとの連結構造及び単結晶インゴットの製造方法
KR100589902B1 (ko) 광섬유의 피복 제거시스템 및 그것의 제어방법
JP4211069B2 (ja) 合金添加装置
JP4453888B2 (ja) 電磁浮遊炉の振動減衰方法と装置
JP2004114060A (ja) 高融点金属の溶解鋳造方法および装置
JP2004161563A (ja) 光ファイバの線引き方法及び線引き装置
KR101275398B1 (ko) 잉곳 성장 장치의 분해 장치 및 분해 방법
JP2849165B2 (ja) シリコン単結晶体の引上装置
Tick Methods of forming fibers from halide glasses
JPH08208261A (ja) ガラス母材の加熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111128

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20111128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees