JP2003074963A - ダンパー - Google Patents

ダンパー

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JP2003074963A JP2001258166A JP2001258166A JP2003074963A JP 2003074963 A JP2003074963 A JP 2003074963A JP 2001258166 A JP2001258166 A JP 2001258166A JP 2001258166 A JP2001258166 A JP 2001258166A JP 2003074963 A JP2003074963 A JP 2003074963A
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Yasuyuki Kobayashi
康之 小林
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雅樹 小島
Hisahiro Yoshida
尚弘 吉田
Toshio Sadamasa
俊夫 定政
Osamu Okuni
治 大國
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダクト内における圧力損失を低減させるとと
もに、ダクト内を通過する風量の調整感度を良くするこ
とが可能となるダンパーを提供すること。 【解決手段】 ダクトaに連接される枠部材2、ダクト
a内を回動可能な主羽根3および補助羽根5、補助羽根
5に設けられ、補助羽根5が前記ダクトa内を通過する
風量を増加させる方向に回動するように作用する受風部
7等により圧力損失ダンパー1を形成する。順風時にお
いて、補助羽根5がダクトa内を通過する風量を増加さ
せる方向に回動するとともに、ダクトa内へ流入する風
量の増加にともない主羽根3が揚力を受けて該主羽根3
が前記ダクトa内を通過する風量を減少させる方向に回
動する。この際、風量が小さい場合においても、前記受
風部7により補助羽根5が回動するため、ダクトa内に
おける圧力損失が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、風等を利
用して室内外の換気を行うための自然換気システムに用
いられるダクトに取付けられて、ダクト内を通過する風
量を調整するためのダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆる自然換気システムに用い
られるダクトに取付けられて、ダクト内を通過する風量
を調整するためのダンパーとしては、ダクト内の風の流
れが順方向においてはダクト内を通過する風量を所定範
囲内に調整する風量調整機能を備えた風量調整ダンパー
や、ダクト内の風の流れが逆方向の時にはダクト内を通
過する風量をほぼゼロにする逆流防止機能を備えた逆流
防止ダンパーが知られている。前記風量調整ダンパーや
前記逆流防止ダンパーを用いてダクト内を通過する風量
を調整することによって、室内外の換気を、風等を利用
した自然換気システムにより行うことが可能となってい
る。
【0003】特開2000−274797号公報記載の
ダンパーも、前記したような自然換気システムに用いら
れるダンパーの一つであり、例えば図11に示すよう
に、ダクトbに連接されることで該ダクトbの一部を構
成する枠部材102と、前記ダクトbの軸線方向に直交
する主羽根回動軸104を中心に回動可能な主羽根3
と、前記主羽根回動軸104とほぼ一致する補助羽根回
動軸106を中心に回動可能な補助羽根105等からダ
ンパー101が形成されている。
【0004】ダンパー101において、無風時には、図
11に示すように、前記主羽根103はその自重および
ストッパー110によって、ダクトbの軸線に沿うよう
に、かつ、ダクトb内を2分するように位置していると
ともに、前記補助羽根105はその自重によってダクト
bの軸線に直交するようにして位置している。そして、
順風時には、図12〜図15に示すように、補助羽根1
05が前記ダクトb内を通過する風量を増加させる方向
に回動するとともに、風圧の増加にともない前記主羽根
103が揚力を受けて該主羽根103が前記ダクトb内
を通過する風量を減少させる方向に回動することによ
り、前記ダクトb内を通過する風量を所定範囲内に調整
する。さらに、逆風時には、図16、図17に示すよう
に、前記補助羽根105と、風圧を受けて前記ダクトb
内を通過する風量を減少させる方向に回動する主羽根1
03との協働により、前記ダクトb内を通過する風量を
ほぼゼロにして逆流を防止する。
【0005】すなわち、ダンパー101は、ダクトb内
へ流入する風量の大小に関わらず、ダクトb内を通過す
る風量を所定範囲内に調整できるので、風等を利用した
自然換気システムに利用可能である。また、ダンパー1
01は、風量調整ダンパーと逆流防止ダンパーとが一体
となっており、しかも比較的簡易な構造となっているた
め、製作コストが抑えられているとともに、設置スペー
スが小さくて済み、設ける位置の自由度が大きくなって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自然換気シ
ステムにおいては、順風時において、ダクトb内へ流入
する風量が比較的小さい場合においても、この小さい風
量を効率的に利用して換気を行うことが望まれる。ここ
で、ダンパー101は、順風時において、ダクトb内へ
流入する風量が増えるにつれて前記補助羽根105が押
し上げられ、気流のダクトb内通過面積が大きくなり、
したがって、風速が落ちて圧損係数が小さくなり、これ
により圧力損失が小さくなる。このため、順風時の、ダ
クトb内へ流入する風量が比較的小さい場合には、前記
補助羽根105が押し上げられないことにより、気流の
ダクトb内通過面積が小さくなり、したがって、風速が
落ちずに圧損係数が大きくなり、これにより圧力損失が
大きくなって換気効率が悪くなってしまう。
【0007】また、ダンパー101は、順風時の、ダク
トb内へ流入する風量が比較的大きい場合においては、
揚力を受けることで、該主羽根103がダクトb内を通
過する風量が小さくなるように回動する。ここで、前記
揚力は、前記主羽根103がダクトbの軸線に対して所
定角度回動した位置となることにより発生し、これによ
り、さらに前記主羽根103の回動が助成されるという
性質のものである。しかしながら、ダンパー101は、
前記したように、無風時において前記主羽根103がダ
クトbの軸線に沿うように位置している。したがって、
ダクトb内へ流入する風量が増えて前記補助羽根105
が押し上げられ、前記主羽根103の下面に形成された
受風部107に当接するまでは、前記主羽根103を回
動させる力は作用しない。すなわち、風量がある程度増
えるまでは、前記主羽根103は回動しない。このよう
な主羽根103の回動感度、すなわち、ダクトb内を通
過する風量の調整感度、が悪いことは、ダンパー101
が繰り返し長期間にわたって使用されることを考慮する
と換気性能に及ぼす影響は大きい。
【0008】そこで、本発明の目的は、ダクト内へ流入
する風量が比較的小さい場合にも、ダクト内における圧
力損失を低減させることにより換気効率を向上させるこ
とが可能となるとともに、ダクト内を通過する風量の調
整感度を良くすることにより換気性能を向上させること
が可能となるダンパーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、ダクトaに取付けられ該ダクト
a内を通過する風量を調整するダンパー(圧損低減ダン
パー1)であって、前記ダクトaに連接されることで該
ダクトaの一部を構成する枠部材2と、前記ダクトaの
軸線方向に直交する主羽根回動軸4を中心に回動可能な
主羽根3と、前記主羽根回動軸4とほぼ一致する補助羽
根回動軸6を中心に回動可能な補助羽根5と、前記補助
羽根5に設けられ、順風時に風圧を受けて該補助羽根5
が前記ダクトa内を通過する風量を増加させる方向に回
動するように作用する受風部7と、を備え、順風時に
は、前記受風部7が風圧を受けて該補助羽根5が前記ダ
クトa内を通過する風量を増加させる方向に回動すると
ともに、ダクトa内へ流入する風量の増加にともない前
記主羽根3が揚力を受けて該主羽根3が前記ダクトa内
を通過する風量を減少させる方向に回動することによ
り、前記ダクトa内を通過する風量を所定範囲内に調整
し、逆風時には、前記補助羽根5と、風圧を受けて前記
ダクトa内を通過する風量を減少させる方向に回動する
主羽根3との協働により、前記ダクトa内を通過する風
量をほぼゼロにして逆流を防止することを特徴としてい
る。
【0010】請求項1記載の発明によれば、前記ダンパ
ーは、順風時には、前記受風部が風圧を受けて該補助羽
根が前記ダクト内を通過する風量を増加させる方向に回
動するとともに、ダクト内へ流入する風量の増加にとも
ない前記主羽根が揚力を受けて該主羽根が前記ダクト内
を通過する風量を減少させる方向に回動することによ
り、前記ダクト内を通過する風量を所定範囲内に調整す
る。また、前記ダンパーは、逆風時には、前記補助羽根
と、風圧を受けて前記ダクト内を通過する風量を減少さ
せる方向に回動する主羽根との協働により、前記ダクト
内を通過する風量をほぼゼロにして逆流を防止する。
【0011】すなわち、前記ダンパーは、ダクト内を通
過する風量を所定範囲内に調整することが可能であると
ともに、ダクト内の逆風を防止することが可能である。
この際、順風時の、ダクト内へ流入する風量が比較的小
さい場合においては、前記受風部は、風圧を受けて該補
助羽根が前記ダクト内を通過する風量を増加させる方向
に回動するように作用する。したがって、順風時の、ダ
クト内へ流入する風量が比較的小さい場合においても、
ダクト内の気流の通過面積が大きくなり、したがって、
風速が小さくなる。これにより、圧力損失係数が小さく
なり、ダクト内における圧力損失が低減される。したが
って、ダクト内へ流入する風量が小さい場合において
も、この風量を効率的に利用することにより、換気効率
を向上させることが可能となる。
【0012】また、請求項1記載の発明によれば、前記
ダンパーは、風量調整ダンパーと逆流防止ダンパーとが
一体となっており、しかも比較的簡易な構造となってい
るため、製作コストを抑えることが可能である。
【0013】さらに、請求項1記載の発明によれば、前
記ダンパーは、風量調整ダンパーと逆流防止ダンパーと
が一体となっており、設置スペースが小さくて済むた
め、設ける位置の自由度を大きくすることが可能であ
る。
【0014】ダクトとしては、円筒形状のものの他、楕
円筒形状、四角筒形状のもの等であってもよい。従っ
て、枠部材、主羽根、補助羽根の形状はそれぞれ、ダク
トの形状に合わせて適宜変更して設計してもよい。主羽
根回動軸の位置としては、ダクトの中心を通過する位置
であることが挙げられるが、ダクトの中心からオフセッ
トされた位置であってもよい。さらに、主羽根回動軸の
位置に対応して、補助羽根の位置は変動する。
【0015】主羽根は、例えば、ダクトの軸線に直交す
る平面によるダクトの内空断面に対応した寸法形状(具
体的には、ダクトが円筒形状の場合には、ダクトの内径
に対応した外径を有する円板状のものなど)であること
が挙げられる。主羽根は、主羽根回動軸を中心にダクト
内で回動可能で、しかも、主羽根回動軸とダクトの軸線
とを含む平面より上側のダクトの内部空間を閉塞可能
で、かつ、前記平面より下側の前記内部空間をほぼ閉塞
可能なものであれば、その他でもよい。
【0016】補助羽根は、例えば、ダクトの軸線に直交
する平面によるダクトの内空断面のうち補助羽根回動軸
より下側部分に対応した寸法形状(具体的には、ダクト
が円筒形状の場合には、ダクトの内径に対応した外径を
有する円板を2分割した形状のものなど)であることが
挙げられる。補助羽根は、補助羽根回動軸を中心にダク
ト内で回動可能で、しかも、前記平面より下側の前記内
部空間を閉塞可能なものであれば、その他でもよい。
【0017】請求項2記載の発明は、例えば図1〜図7
に示すように、請求項1記載のダンパー(圧損低減ダン
パー1)において、前記主羽根3は、無風時において、
順風時に前記ダクトa内を通過する風量を減少させる方
向に所定角度回動した位置に保持されていることを特徴
としている。
【0018】請求項2記載の発明によれば、前記主羽根
は、無風時において、順風時に前記ダクト内を通過する
風量を減少させる方向に所定角度回動した位置に保持さ
れている。ここで、前記したように、主羽根に発生する
揚力は、前記主羽根回動軸に対して風下側となるダクト
内の気流の通過面積が、風上側となるダクト内の気流の
通過面積よりも小さくなることにより発生する。すなわ
ち、前記主羽根が順風時に前記ダクト内を通過する風量
を減少させる方向に所定角度回動した位置となることに
より発生する。ところで、前記主羽根は無風時において
前記位置に保持されているため、前記主羽根は順風時の
比較的風量が小さい場合においても揚力を受けて回動す
ることが可能である。したがって、順風時に、主羽根の
回動感度、すなわち、ダクト内を通過する風量の調整感
度を良くして換気性能を向上させることができる。
【0019】なお、前記所定角度としては、前記主羽根
が受ける揚力の発生のきっかけとなる程度の僅かな角度
が望ましい。また、主羽根回動軸を中心に回動可能に設
けられている主羽根は、前記のように、順風時に前記ダ
クト内を通過する風量を減少させる方向に所定角度回動
した位置、としておくことにより、逆風時においても、
風圧を受けて前記ダクト内を通過する風量を減少させる
方向に回動しやすくなる。
【0020】請求項3記載の発明は、例えば図1〜図7
に示すように、請求項1または2記載のダンパー(圧損
低減ダンパー1)において、逆風時に、前記主羽根3と
前記補助羽根5との協働により、前記ダクトa内を通過
する風量をほぼゼロにする位置で、前記主羽根3の回動
を停止させるための主羽根ストッパー8が備えられてい
ることを特徴としている。
【0021】請求項3記載の発明によれば、逆風時に、
主羽根と補助羽根との協働により、ダクト内を通過する
風量をほぼゼロにする位置で、前記主羽根ストッパーに
より前記主羽根の回動が停止する。したがって、前記主
羽根と前記補助羽根との協働により、前記ダクト内を通
過する風量をほぼゼロにする位置を越えて前記主羽根が
回動することを防止でき、確実に逆流を防止することが
できる。
【0022】前記主羽根ストッパーとしては、例えば、
枠部材の内面に突出して設けられたビスや突出片が挙げ
られる。
【0023】請求項4記載の発明は、例えば図1〜図7
に示すように、請求項1〜3のいずれかに記載のダンパ
ー(圧損低減ダンパー1)において、逆風時に、前記主
羽根3と前記補助羽根5との協働により、前記ダクトa
内を通過する風量をほぼゼロにする位置で、前記補助羽
根5の回動を停止させるための補助羽根ストッパー9が
備えられていることを特徴としている。
【0024】請求項4記載の発明によれば、逆風時に、
主羽根と補助羽根との協働により、前記ダクト内を通過
する風量をほぼゼロにする位置で、前記補助羽根ストッ
パーにより前記補助羽根の回動が停止する。したがっ
て、前記主羽根と前記補助羽根との協働により、前記ダ
クト内を通過する風量をほぼゼロにする位置を越えて前
記補助羽根が回動することを防止でき、確実に逆流を防
止することができる。
【0025】前記補助羽根ストッパーとしては、例え
ば、枠部材の内面に突出して設けられたビスや突出片が
挙げられる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るダンパーの
実施の形態を図1〜図11を参照して説明する。
【0027】先ず、図1〜図7に示されるように、本発
明に係る圧損低減ダンパー1は、ダクトaに連接される
ことでダクトaの一部を構成する円筒状の枠部材2、枠
部材2の内径に対応する径の円板状の主羽根3と、主羽
根3と同径の半円板状の補助羽根5等を備えている。さ
らに、前記補助羽根5には順風時に風上となる側に、受
風部7が両端部の支持部材7aを介して形成されてお
り、該受風部7は該補助羽根6とともに補助羽根回動軸
6を中心に回動可能である。
【0028】主羽根3は、枠部材2の軸心方向に直交す
る主羽根回動軸4を介して枠部材2の内部に取付けら
れ、この主羽根回動軸4を中心に円滑に回動可能となっ
ている。枠部材2の上部内面には主羽根ストッパー8が
設けられ、主羽根3が枠部材2の内部空間を閉塞した状
態で主羽根3の時計回りの回動を規制するようになって
いる。
【0029】主羽根回動軸4を境として、主羽根3の図
1における左側部分を上動作部3a、同じく右側部分を
下動作部3bとすると、上動作部3a側が下動作部3b
側よりもわずかに重くなるように、主羽根回動軸4は主
羽根3の重心から僅かにずらした位置に設定されてい
る。従って、主羽根3が風の抵抗をほとんど受けない無
風時および小風量時の状態では、主羽根3が反時計回り
に回動しようとするが、上動作部3aが下動作部3bに
対してわずかに上方に位置して傾斜する位置でこの回動
を規制するように、枠部材2の内面には例えばビス等の
微風量時ストッパー10が設けられている。
【0030】補助羽根5は、主羽根回動軸4とほぼ一致
する補助羽根回動軸6を介して枠部材2の内部に取付け
られ、この補助羽根回動軸6を中心に円滑に回動可能と
なっている。枠部材2の下部内面には補助羽根ストッパ
ー9が設けられ、補助羽根5が枠部材2の内部空間のう
ち補助羽根回動軸6より下側部分を閉塞した状態で補助
羽根5の反時計回りの回動を規制するようになってい
る。従って、補助羽根5は補助羽根ストッパー9よりも
左側の領域において円滑に回動可能となっている。この
補助羽根5は、ある一定値以上の風圧を右側から受ける
までは、補助羽根回動軸6から下に垂れ下がった状態で
ある。また、左側から風圧を受けても、補助羽根ストッ
パー9により回動を規制される。
【0031】ここで、上述したように、無風時および小
風量時の状態では上動作部3a側が下がるように、主羽
根3の上動作部3aは下動作部3bよりもわずかに重く
設定されているが、これは、主羽根3に対する主羽根回
動軸4の位置をわずかに主羽根3の中心からずらして設
定したためであってもよいし、あるいは上動作部3a
に、図示しない重りを設けたためであってもよい。
【0032】このような構成の圧損低減ダンパー1の動
作について、以下に詳細に説明する。なお、以下では、
図の右側からの風を順風、図の左側からの風を逆風と記
載する。また、小風量、中風量、大風量、風量、および
風などの記載は、順風に関するものとする。
【0033】<無風時および小風量時>主羽根3の上動
作部3a側が下動作部3b側よりも重いため、ダクトa
内部が無風状態であるか、または、小風量な状態では、
微風量時ストッパー10に当接するまで主羽根3が反時
計回りに回動した状態となり、図2に示されるように、
上動作部3aが下動作部3bに対してわずかに上方に位
置して傾斜するようにして位置している。また、補助羽
根5が補助羽根ストッパー6から離れる臨界風量に達し
ておらず、補助羽根5は下に垂れた状態のままである。
これにより、風は主羽根3の上部空間を吹き抜ける。こ
のとき、図8に示される風量と圧力損失との関係からわ
かるように、圧損低減ダンパー1の内部ではほとんど圧
力損失を生じない形態となっており、風はほとんど抵抗
なく圧損低減ダンパー1内部を吹き抜けることができ
る。
【0034】<小風量時から中風量時への移行>ダクト
a内部を流れる風量が増加して、小風量から中風量に移
行する段階になると、補助羽根5、およびこの補助羽根
5に形成されている受風部7が、ある値以上の風圧を右
側から受けることになる。そして、図3に示されるよう
に、補助羽根5が補助羽根ストッパー9から離れる臨界
風量に達すると、補助羽根回動軸6を中心に補助羽根5
が時計回りに回動して、補助羽根5と枠部材2の下部内
面との間に隙間が生じる。これにより、風は主羽根3の
上部空間および補助羽根4の下部空間を吹き抜ける。さ
らに、主羽根3は、上動作部3aが下動作部3bに対し
てわずかに上方に位置して傾斜するようにして位置して
おり、したがって、枠部材2の内部において主羽根3の
上部空間は右側から左側にかけて狭くなっている。これ
により、前記上部空間を通過する風の流速は右側から左
側に向かうにつれて次第に大きくなり、上動作部3aに
下動作部3bに働く揚力よりも大きな揚力が作用する。
したがって、前記揚力が主羽根3を回動させる臨界風量
に達すると主羽根3は時計回りに回動する。
【0035】<中風量時から大風量時への移行>ダクト
a内部を流れる風量がさらに増加して、中風量から大風
量に移行する段階になると、図4に示されるように、補
助羽根5がさらに時計回りに回動して補助羽根5と枠部
材2の下部内面との間の隙間が大きくなるとともに、主
羽根3はさらに時計回りに回動する。
【0036】<大風量時から強風量時への移行>ダクト
a内部を流れる風量がさらに増加して、大風量から強風
量に移行する段階になると、さらに主羽根3が時計回
りに回動して主羽根3が主羽根ストッパー8にぶつかり
そうになり、主羽根3の上下を通過する風量が著しく少
なくなる。すると、上動作部3a、下動作部3bが受け
る揚力が小さくなるとともにこれら揚力差も小さくな
り、主羽根3が少し反時計回りに回動して主羽根3の
上下を通過する風量がわずかに増加する。これにより
再び上動作部3aが揚力を受けて主羽根3がわずかに時
計回りに回動して主羽根3の上下を通過する風量が少な
くなる。以後、徐々に減衰しながらこれら〜の動作
が繰り返されて風量が安定する(図5参照)。
【0037】<逆風時>逆風の時には、図6に示される
ように、上動作部3aの下部空間に風溜まりが生じ、上
動作部3aの下面が風圧を受けて上に上がり、最終的に
は図7に示されるように、主羽根3が主羽根ストッパー
8に当接するまで時計回りに回動し、主羽根3、補助羽
根5により枠部材2が閉塞される。よって、ダクトa内
を通過する風量がほぼゼロとなって逆流が防止される。
【0038】本実施の形態によれば、以下のような効果
が得られる。 前記圧損低減ダンパー1は、順風時には、前記ダクト
a内を通過する風量を所定範囲内に調整するとともに、
逆風時には、前記ダクトa内を通過する風量をほぼゼロ
にして逆流を防止する。この際、順風時の、ダクトa内
へ流入する風量が比較的小さい場合においても、前記受
風部7によりダクトa内の気流の通過面積が大きくな
り、したがって、風速が小さくなり、これにより、圧力
損失係数が小さくなり、ダクトa内における圧力損失が
低減される。したがって、ダクトa内へ流入する風量が
小さい場合においても、この風量を効率的に利用するこ
とにより、換気効率を向上させることが可能となる。ま
た、前記圧損低減ダンパー1は、風量調整ダンパーと逆
流防止ダンパーとが一体となっており、しかも比較的簡
易な構造となっているため、製作コストを抑えることが
可能であるとともに、設置スペースが小さくて済むた
め、設ける位置の自由度を大きくすることが可能であ
る。
【0039】前記主羽根3は、無風時において、順風
時に前記ダクトa内を通過する風量を減少させる方向に
所定角度回動した位置に保持されているため、前記主羽
根3は、順風時の比較的風量が小さい場合においても、
揚力を受けて回動することが可能である。したがって、
順風時に、主羽根3の回動感度、すなわち、ダクトa内
を通過する風量の調整感度を良くして換気性能を向上さ
せることができる。
【0040】逆風時に、前記主羽根3と前記補助羽根
5との協働により、前記ダクトa内を通過する風量をほ
ぼゼロにする位置を越えて前記主羽根3が回動すること
を防止でき、確実に逆流を防止することができる。
【0041】逆風時に、前記主羽根3と前記補助羽根
5との協働により、前記ダクトa内を通過する風量をほ
ぼゼロにする位置を越えて前記補助羽根5が回動するこ
とを防止でき、確実に逆流を防止することができる。
【0042】なお、本実施の形態では、枠部材2の形状
を円筒状としたが、楕円筒状や四角筒状のものでもよ
く、主羽根3、補助羽根5の形状も、枠部材2の形状に
合わせて適宜変更可能である。また、主羽根3の形状を
円板状としたが、楕円板状でもよい。さらに、補助羽根
5も、楕円板を2分割したような形状であってもよい。
【0043】<変形例>図9から図11に基づいて本実
施の形態の変形例について説明する。なお、本実施の形
態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0044】受風部7は、図9(a)、図9(b)に示
されるように、適宜湾曲させたり、折り曲げたりして形
成してもよい。
【0045】また、上動作部3aと下動作部3bとは、
図10(a)、図10(b)に示されるように、適宜角
度が設定されてもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、前記ダン
パーは、順風時には、前記ダクト内を通過する風量を所
定範囲内に調整するとともに、逆風時には、前記ダクト
内を通過する風量をほぼゼロにして逆流を防止する。こ
の際、順風時の、ダクト内へ流入する風量が比較的小さ
い場合においても、前記受風部によりダクト内の気流の
通過面積が大きくなり、したがって、風速が小さくな
り、これにより、圧力損失係数が小さくなり、ダクト内
における圧力損失が低減される。したがって、ダクト内
へ流入する風量が小さい場合においても、この風量を効
率的に利用することにより、換気効率を向上させること
が可能となる。また、前記ダンパーは、風量調整ダンパ
ーと逆流防止ダンパーとが一体となっており、しかも比
較的簡易な構造となっているため、製作コストを抑える
ことが可能であるとともに、設置スペースが小さくて済
むため、設ける位置の自由度を大きくすることが可能で
ある。
【0047】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られることは勿論のこと、前
記主羽根は、無風時において、順風時に前記ダクト内を
通過する風量を減少させる方向に所定角度回動した位置
に保持されているため、前記主羽根は、順風時の比較的
風量が小さい場合においても、揚力を受けて回動するこ
とが可能である。したがって、順風時に、主羽根の回動
感度、すなわち、ダクト内を通過する風量の調整感度を
良くして換気性能を向上させることができる。
【0048】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の発明と同様の効果が得られることは勿論の
こと、逆風時に、前記主羽根と前記補助羽根との協働に
より、前記ダクト内を通過する風量をほぼゼロにする位
置を越えて前記主羽根が回動することを防止でき、確実
に逆流を防止することができる。
【0049】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜
3のいずれかに記載の発明と同様の効果が得られること
は勿論のこと、逆風時に、前記主羽根と前記補助羽根と
の協働により、前記ダクト内を通過する風量をほぼゼロ
にする位置を越えて前記補助羽根が回動することを防止
でき、確実に逆流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧損低減ダンパーの実施の形態例
を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る圧損低減ダンパーの実施の形態例
において、小風量時の羽根の状態を示すモデル図であ
る。
【図3】同、中風量時の羽根の状態を示すモデル図であ
る。
【図4】同、大風量時の羽根の状態を示すモデル図であ
る。
【図5】同、強風量時の羽根の状態を示すモデル図であ
る。
【図6】同、逆風時(初期)の羽根の状態を示すモデル
図である。
【図7】同、逆風時の羽根の状態を示すモデル図であ
る。
【図8】同、風量と圧力損失との関係を示す図である。
【図9】本発明に係る圧損低減ダンパーの実施の形態例
の、受風部形状の変形例を示す図である。
【図10】同、上動作部と下動作部の角度の変形例を示
す図である。
【図11】従来のダンパーを示す斜視図である。
【図12】従来のダンパーの実施の形態例の、小風量時
の羽根の状態を示すモデル図である。
【図13】同、中風量時の羽根の状態を示すモデル図で
ある。
【図14】同、大風量時の羽根の状態を示すモデル図で
ある。
【図15】同、強風量時の羽根の状態を示すモデル図で
ある。
【図16】同、逆風時(初期)の羽根の状態を示すモデ
ル図である。
【図17】同、逆風時の羽根の状態を示すモデル図であ
る。
【符号の説明】
1 圧損低減ダンパー 2 枠部材 3 主羽根 4 主羽根回動軸 5 補助羽根 6 補助羽根回動軸 7 受風部 8 主羽根ストッパー 9 補助羽根ストッパー 51 圧損低減ダンパー 61 圧損低減ダンパー 71 圧損低減ダンパー 81 圧損低減ダンパー a ダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城田 修司 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 小林 康之 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 小島 雅樹 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 吉田 尚弘 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 定政 俊夫 東京都大田区城南島2丁目2番2号 株式 会社ユニックス内 (72)発明者 大國 治 東京都大田区城南島2丁目2番2号 株式 会社ユニックス内 Fターム(参考) 3L081 AA03 AB02 FA07 HA05 HA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダクトに取付けられ該ダクト内を通過する
    風量を調整するダンパーであって、 前記ダクトに連接されることで該ダクトの一部を構成す
    る枠部材と、 前記ダクトの軸線方向に直交する主羽根回動軸を中心に
    回動可能な主羽根と、 前記主羽根回動軸とほぼ一致する補助羽根回動軸を中心
    に回動可能な補助羽根と、 前記補助羽根に設けられ、順風時に風圧を受けて該補助
    羽根が前記ダクト内を通過する風量を増加させる方向に
    回動するように作用する受風部と、を備え、 順風時には、前記受風部が風圧を受けて該補助羽根が前
    記ダクト内を通過する風量を増加させる方向に回動する
    とともに、前記ダクト内へ流入する風量の増加にともな
    い前記主羽根が揚力を受けて該主羽根が前記ダクト内を
    通過する風量を減少させる方向に回動することにより、
    前記ダクト内を通過する風量を所定範囲内に調整し、 逆風時には、前記補助羽根と、風圧を受けて前記ダクト
    内を通過する風量を減少させる方向に回動する主羽根と
    の協働により、前記ダクト内を通過する風量をほぼゼロ
    にして逆流を防止することを特徴とするダンパー。
  2. 【請求項2】請求項1記載のダンパーにおいて、 前記主羽根は、無風時において、順風時に前記ダクト内
    を通過する風量を減少させる方向に所定角度回動した位
    置に保持されていることを特徴とするダンパー。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のダンパーにおい
    て、 逆風時に、前記主羽根と前記補助羽根との協働により、
    前記ダクト内を通過する風量をほぼゼロにする位置で、
    前記主羽根の回動を停止させるための主羽根ストッパー
    が備えられていることを特徴とするダンパー。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のダンパー
    において、 逆風時に、前記主羽根と前記補助羽根との協働により、
    前記ダクト内を通過する風量をほぼゼロにする位置で、
    前記補助羽根の回動を停止させるための補助羽根ストッ
    パーが備えられていることを特徴とするダンパー。
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