JP2003074794A - ガス吸蔵材の充填方法およびそれに用いる充填装置 - Google Patents

ガス吸蔵材の充填方法およびそれに用いる充填装置

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JP2003074794A
JP2003074794A JP2001267426A JP2001267426A JP2003074794A JP 2003074794 A JP2003074794 A JP 2003074794A JP 2001267426 A JP2001267426 A JP 2001267426A JP 2001267426 A JP2001267426 A JP 2001267426A JP 2003074794 A JP2003074794 A JP 2003074794A
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Hidehiko Hiramatsu
秀彦 平松
Hisazumi Oshima
大島  久純
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス貯蔵容器または熱交換器を内蔵するガス
貯蔵容器に、ガス貯蔵用炭素材料よりなるガス吸蔵材を
充填するにあたって、充填効率を高めることのできる充
填方法を提供する。 【解決手段】 熱交換器5を内蔵するガス貯蔵容器1に
ガス貯蔵用炭素繊維よりなるガス吸蔵材4を充填する充
填方法であって、ガス貯蔵容器1の内面および熱交換器
1の表面にガス貯蔵用炭素繊維を合成するための金属触
媒等よりなる成長核3を形成する工程と、成長核3を起
点としてガス貯蔵用炭素繊維を合成することによりガス
吸蔵材4を形成する工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス貯蔵容器また
は熱交換器を内蔵するガス貯蔵容器に、ガス貯蔵用炭素
材料よりなるガス吸蔵材を充填するガス吸蔵材の充填方
法およびそれに用いる充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガス貯蔵容器または熱交換器
を内蔵するガス貯蔵容器に、ガス貯蔵用炭素材料よりな
るガス吸蔵材を充填する場合、一般に、粉末状もしくは
繊維状のガス貯蔵用炭素材料(ガス吸蔵用炭素材料)
を、当該容器や当該容器に内蔵されるべき熱交換器の外
部から投入することにより充填していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガス貯
蔵容器を小型化するためには、ガス貯蔵用炭素材料を容
器内に効率的に充填する必要があるが、ガス貯蔵用炭素
材料は、かさ密度が高く、容器内や複雑な形状(例えば
コルゲートフィンタイプのもの)をなす熱交換器に効率
的に充填することは困難である。
【0004】また、ガスの吸脱着の際に発熱・吸熱する
ために、吸蔵材の熱伝導性が最大供給量や応答性などの
ガス供給性能を左右するが、ガス貯蔵用炭素材料を粉体
の状態で充填すると熱伝導性が悪く、十分な能力を発揮
することができないといった問題がある。
【0005】そこで、本発明は上記問題に鑑み、ガス貯
蔵容器または熱交換器を内蔵するガス貯蔵容器に、ガス
貯蔵用炭素材料よりなるガス吸蔵材を充填するにあたっ
て、充填効率を高めることのできる充填方法およびその
ような充填方法に用いる充填装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、ガス貯蔵容器(1)ま
たは熱交換器(5)を内蔵するガス貯蔵容器にガス貯蔵
用炭素材料よりなるガス吸蔵材(4)を充填する充填方
法であって、ガス貯蔵容器の内面もしくは熱交換器の表
面にガス貯蔵用炭素材料を合成するための成長核(3)
を形成する工程と、成長核を起点としてガス貯蔵用炭素
材料を合成することによりガス吸蔵材を形成する工程と
を備えることを特徴とする。
【0007】本発明の充填方法において、熱交換器を内
蔵するガス貯蔵容器に充填を行う場合、ガス吸蔵材は、
熱交換器の表面のみに形成しても良いし、ガス貯蔵容器
の内面のみに形成しても良いし、両方に形成しても良
い。また、熱交換器へ充填する場合は、先に熱交換への
充填を行ってから、これをガス貯蔵容器へ内蔵するよう
にして良い。
【0008】それによれば、ガス貯蔵容器の内面もしく
は熱交換器の表面に形成された成長核から、ガス吸蔵材
を構成するガス貯蔵用炭素材料を化学的に合成すること
ができる。そのため、従来のようなガス吸蔵材を外部か
ら投入する方法に比べて、ガス貯蔵容器または熱交換器
への充填効率を大幅に高めることができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、成長核
(3)を、ガス貯蔵容器(1)の内面もしくは熱交換器
(5)の表面に、ガス貯蔵用炭素材料が合成可能な金属
触媒を担持させることにより形成することを特徴とす
る。
【0010】また、請求項3に記載の発明では、成長核
(3)を形成すべきガス貯蔵容器(1)および熱交換器
(5)が、ガス貯蔵用炭素材料を合成するための触媒と
なる金属成分を含有するものである場合、成長核を、ガ
ス貯蔵容器の内面もしくは熱交換器の表面に、金属成分
を偏析させることにより形成することを特徴とする。
【0011】また、請求項4に記載の発明では、成長核
(3)を形成すべきガス貯蔵容器(1)および熱交換器
(5)が、ガス貯蔵用炭素材料を合成するための触媒と
なる金属成分を含有するものである場合、成長核を、成
長核を形成すべきガス貯蔵容器の内面もしくは熱交換器
の表面に凹凸を設けることにより形成することを特徴と
する。
【0012】これら請求項2〜請求項4に記載の発明の
ようにすれば、成長核を形成すべきガス貯蔵容器の内面
または熱交換器の表面に、成長核を適切に形成すること
ができる。
【0013】また、請求項5に記載の発明では、ガス吸
蔵材(4)を繊維状に形成することを特徴とする。それ
によれば、いわゆるカーボンナノファイバと呼ばれるガ
ス吸蔵材を形成することができ、このカーボンナノファ
イバにおいてグラファイト面と繊維軸との傾斜角度を調
整することにより、繊維軸方向に熱伝導性の良いカーボ
ンナノファイバとなる。そのため、ガス吸蔵材の熱伝導
性をより高めることができる。
【0014】また、請求項6に記載の発明では、ガス吸
蔵材(4)を形成する工程において、ガス貯蔵用炭素材
料の合成のための熱処理とガス貯蔵容器(1)の強度向
上のための熱処理とが同時に行われるようにすることを
特徴とする。それによれば、工程の簡略化が図れる。
【0015】また、請求項7に記載の発明では、ガス貯
蔵容器(1)または熱交換器(5)を内蔵するガス貯蔵
容器にガス貯蔵用炭素材料よりなるガス吸蔵材(4)を
充填するための充填装置であって、ガス貯蔵用炭素材料
の原料となる単一もしくは複数のガスをガス貯蔵容器内
へ導入する導入手段(6)と、ガス貯蔵容器を加熱する
加熱手段(7)とを備えることを特徴とする。
【0016】本発明の充填装置によれば、成長核が形成
されたガス貯蔵容器もしくは熱交換器を内蔵したガス貯
蔵容器に対して、導入手段によってガス貯蔵用炭素材料
の原料ガスを導入し、加熱手段によって加熱を行うこと
ができるため、容器内において成長核を起点としたガス
貯蔵用炭素材料の合成を適切に行うことができる。
【0017】したがって、本発明によれば、請求項1〜
請求項6に記載の充填方法のような、充填効率を高める
ことのできる充填方法に用いて好適な充填装置を提供す
ることができる。
【0018】また、請求項8に記載の発明では、導入手
段(6)は、ガスがガス貯蔵容器内に均一に行き渡るよ
うにガス貯蔵容器内に突出するノズル(6c)を備えて
いることを特徴とする。それによれば、充填効率の均一
化のためには好ましい。
【0019】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態は、例えば水素ガスを吸
脱着可能な吸蔵材を備え、容器を加熱したり冷却したり
することで水素ガスを吸蔵、放出するようにしたガス容
器に適用できる。図1は、本発明の実施形態に係る第1
のガス貯蔵容器を示す図である。図1において(a)は
外観図、(b)は(a)中の丸で囲んだA部の概略拡大
断面図である。
【0021】ガス貯蔵容器1は、形状を限定するもので
はないが、本例では筒状をなし、その両端面にガス充填
供給口2が形成されている。図1(b)に示すように、
ガス貯蔵容器1の内面には、ガス貯蔵用を合成するため
の成長核3が形成されており、この成長核3を起点とし
てガス貯蔵用炭素繊維(本発明でいうガス貯蔵用炭素材
料)よりなるガス吸蔵材4が形成されている。
【0022】また、図2は、本発明の実施形態に係る熱
交換器を内蔵するガス貯蔵容器(第2のガス貯蔵容器)
を示す図である。図2において(a)は一部を透視して
熱交換器が現れている外観図、(b)は(a)中の透視
された熱交換器の拡大図である。
【0023】略直方体状のガス貯蔵容器1の内部には、
波板状(コルゲート状)のフィン5aを有する熱交換器
5が収納されている。図2(b)に示すように、この熱
交換器5の表面には成長核3が形成され、成長核3を起
点としてガス貯蔵用炭素繊維よりなるガス吸蔵材4(図
2(b)では斜線ハッチングにて示す)が形成されてい
る。
【0024】これら図1および図2において、ガス吸蔵
材4は、ガス貯蔵容器1の内面や熱交換器5の表面(以
下、これらの面を母材面という)から、直接成長した形
で、容器1の内部に充填されている。ここで、ガス吸蔵
材4の形状は繊維状すなわち炭素繊維でなくとも良い。
【0025】しかし、炭素繊維とすることで、繊維軸方
向の熱伝導性の非常に高いカーボンナノチューブよりな
るガス吸蔵材を実現することができ、ガス吸蔵材4の熱
伝導性を高めることができる。ガス吸蔵材4へのガスの
吸脱着には熱が伴うため、ガス吸蔵材4の熱伝導性を高
めることは好ましい。
【0026】そして、上記図1および図2に示す様なガ
ス貯蔵容器1へのガス吸蔵材4の充填は、次のようにし
て行われる。ガス貯蔵容器1や熱交換器5を構成する材
料としては、合成するガス貯蔵用炭素繊維(ガス貯蔵用
炭素材料)の温度、圧力などの合成条件に応じて選択す
る。例えば、アルミ合金やステンレス等を用いることが
できる。
【0027】成長核3の上記母材面への形成は、有機化
合物からガス貯蔵用炭素繊維を化学合成して成長させる
ことの可能な金属触媒を用い、この金属触媒を伝熱部材
1の表面に担持すれば良い。このような金属触媒として
は、Fe、Ni、Cu、Cdやこれらの合金、更にはこ
れらを組み合わせたものを用いることができる。
【0028】金属触媒の担持方法としては、一般的に公
知である、熱CVD、メッキ、金属溶液(金属粉末をバ
インダや有機溶媒に混合したもの)を塗布し熱分解・還
元させる方法等の種々の方法を用いることができる。ま
た、金属触媒の粒径は数nm程度で、母材面上に均一に
担持されていることが望ましい。
【0029】また、ガス貯蔵容器1や熱交換器5がガス
貯蔵用炭素繊維を合成するための触媒となる金属成分
(上記金属触媒の金属等)を含む材料よりなる場合、ガ
ス貯蔵容器1や熱交換器5を熱処理して、当該金属成分
を母材面に偏析させれば、偏析した金属成分が金属触媒
すなわち成長核3として形成できる。
【0030】また、ガス貯蔵容器1や熱交換器5がガス
貯蔵用炭素繊維を合成するための触媒となる金属成分を
含む材料(例えば、ステンレスやFe等)よりなる場
合、母材面に、アルゴンプラズマ処理、酸(塩酸、硝酸
等)によるエッチング処理等を施すことで、母材面を粗
くし成長核3としての凹凸を形成できる。
【0031】このようにして、母材面に成長核3を形成
する工程(成長核形成工程)の後、成長核3を起点とし
てガス貯蔵用炭素繊維を合成することによりガス吸蔵材
4を形成する(ガス吸蔵材形成工程)。図3および図4
は、本実施形態の充填方法に用いられる充填装置であっ
て、主としてガス吸蔵材形成工程に用いる装置を示す概
要図である。
【0032】図3は、上記図1に示す第1のガス貯蔵容
器1へガス吸蔵材4を形成して充填するための充填装置
(本実施形態の第1の充填装置)であり、図4は、上記
図2に示す熱交換器5を内蔵する第2のガス貯蔵容器1
へガス吸蔵材4を形成して充填するための充填装置(本
実施形態の第2の充填装置)である。
【0033】図3、図4に示す充填装置はともに、ガス
貯蔵用炭素繊維(ガス貯蔵用炭素材料)の原料となる単
一もしくは複数のガス(合成ガス)をガス貯蔵容器1内
へ導入する配管部(本発明でいう導入手段)6と、ガス
貯蔵容器1を加熱する電気炉(本発明でいう加熱手段)
7とを備える。配管部6は、電気炉7の外部から電気炉
7内に設置されたガス貯蔵容器1に取付可能となってい
る。電気炉7は通電により温度制御可能なものである。
【0034】ここで、図3に示す第1の充填装置では、
配管部6は、第1のガス貯蔵容器1の形状に合わせて2
個設けられており、個々の配管部6はそれぞれ、ガス貯
蔵容器1の両端面のガス充填供給口2に取り付けられる
ようになっている。そして、図3中、左側の配管部6a
が合成ガスの入口、右側の配管部6bが合成ガスの出口
となる。
【0035】図4に示す第2の充填装置では、配管部6
は、第2のガス貯蔵容器1の形状に合わせて1個設けら
れており、配管部6は、ガス貯蔵容器1の一端面側のガ
ス充填供給口2に取り付けられるようになっている。こ
の場合、1個の配管部6に合成ガスの入口6a、出口6
bが設けられている。
【0036】また、この第2の充填装置においては、配
管部6は、合成ガスの入口6aに連通し当該入口6aか
らガス貯蔵容器1内に突出するノズル6cを備えてお
り、このノズル6cの側面には、合成ガスが吹き出すガ
ス吹き出し口6dが形成されている。このノズル6cに
よって、合成ガスがガス貯蔵容器1内に均一に行き渡る
ようになっている。
【0037】これら各充填装置においては、母材面に成
長核3が形成されたガス貯蔵容器1を電気炉7に設置す
るとともに、ガス貯蔵容器1に配管部6を取り付ける。
そして、配管部6によって合成ガス(例えば、炭化水素
ガス、一酸化炭素、水素またはこれらを組合せたガス
等)を容器1へ導入し、電気炉7によって容器1を、ガ
ス貯蔵用炭素繊維の合成温度にまで加熱する。
【0038】すると、容器1内において母材面上の成長
核3を起点として、ガス貯蔵用炭素繊維が化学合成さ
れ、合成された繊維は成長核3から成長していき、本例
では繊維状のガス吸蔵材4として形成される。こうし
て、充填装置を用いたガス吸蔵材形成工程が完了する
と、上記図1、図2に示す様に、ガス吸蔵材4がガス貯
蔵容器1に充填される。
【0039】このように、本実施形態の充填方法によれ
ば、ガス貯蔵容器1の内部の母材面から化学合成により
ガス貯蔵用炭素材料を成長させ、これをガス吸蔵材4と
して形成するため、従来のようなガス吸蔵材を外部から
投入する方法に比べて、ガス貯蔵容器または熱交換器へ
の充填効率を大幅に高めることができる。
【0040】また、本実施形態によれば、上記した充填
効率を高めることのできる充填方法に用いて好適な充填
装置を提供することができる。特に、上記図4に示す第
2の充填装置では、配管部(導入手段)6は、合成ガス
がガス貯蔵容器1内に均一に行き渡るように設計された
ノズル6cを備えており、充填効率の均一化のためには
好ましい。
【0041】また、本実施形態によれば、ガス吸蔵材4
を繊維状に形成している。それによれば、いわゆるカー
ボンナノファイバと呼ばれるガス吸蔵材4を形成するこ
とができ、このカーボンナノファイバにおいてグラファ
イト面と繊維軸との傾斜角度を調整することにより、繊
維軸方向に熱伝導性の良いカーボンナノファイバとな
る。そのため、ガス吸蔵材4の熱伝導性をより高めるこ
とができる。
【0042】また、ガス貯蔵容器1は、通常金属製であ
り、強度向上のための熱処理を行うことが好ましい。そ
こで、上記充填方法においては、ガス吸蔵材形成工程に
おいて、ガス貯蔵用炭素材料の合成のための熱処理とガ
ス貯蔵容器1の強度向上のための熱処理とが同時に行わ
れるようにしても良い。それにより、工程の簡略化が図
れる。
【0043】例えば、電気炉7によって、ガス貯蔵用炭
素材料を合成するための高い温度(例えば500〜60
0℃、1100℃程度)を利用して、ガス貯蔵容器1の
焼き入れ処理や溶体化処理等の強度向上処理を行う。な
お、この後、容器1を、冷却液体に浸漬したり、冷風に
さらしたりすることで急冷し、強度向上処理を終了させ
る。
【0044】また、ガス貯蔵容器1内にガス貯蔵用炭素
材料を合成してガス吸蔵材4を形成した後、ガス吸蔵材
4を空気等の不要物質に触れさせると、被毒してしまう
恐れがある。そのため、ガス吸蔵材形成後は、そのよう
な不要物質が容器1に侵入しないように容器1を密閉す
ることが好ましい。
【0045】次に、本実施形態について、限定するもの
ではないが、以下の各具体例を参照してより具体的に説
明する。
【0046】[具体例1]アルミニウム合金製のガス貯
蔵容器1を成型した後、直径数nmのニッケル微粒子を
含んだ懸濁液を容器1の内面に塗布し乾燥させる。その
後、上記図3に示す第1の充填装置における電気炉7中
に容器1を設置するとともに、容器1に配管部6を取り
付ける。
【0047】続いて、配管部6を介して、容器1内に水
素ガスを流し熱処理することでニッケル微粒子(ニッケ
ル酸化物となっている)を還元する。これにより、ニッ
ケル触媒が容器1の内面に担持され、このニッケル触媒
が成長核3として形成される。ここまでが本例における
成長核形成工程である。
【0048】このニッケル微粒子の還元を行った後、そ
のまま、空気に触れさせることなく合成ガスである一酸
化炭素を、配管部6を介してガス流量200sccmに
て容器1へ導入し、520℃の温度で2時間保つことに
よって、ガス貯蔵用炭素繊維の合成を行う(ガス吸蔵材
形成工程)。
【0049】合成後、容器1を電気炉7から取り出し、
上記冷却液体や冷風等の冷媒を用いて急冷する。このよ
うにして、ガス吸蔵材の合成と同時にアルミ合金製容器
1の溶体化処理も同時に行う。
【0050】その後、アルミ合金製容器1を再び電気炉
7中に設置し、時効処理(アルゴン雰囲気中(アルゴン
ガス流量200sccm)、180℃×6時間)を行
い、容器1の強度をさらに向上させると共に、合成後に
ガス吸蔵材4に吸着した水分等の不純物を除去し、ガス
吸蔵材4を活性化させる。
【0051】[具体例2]アルミ合金製のフィン5aか
らなる熱交換器5を内部に備えたアルミ合金製容器1を
成型した後、フェロセン(Feを含む溶液)を容器1の
内面および熱交換器5の表面に塗布し乾燥させる。
【0052】次に、上記図4に示す第2の充填装置にお
ける電気炉7中に容器1を設置し、電気炉7によって上
記フェロセン中の鉄化合物の熱分解や還元を行う。それ
により、鉄微粒子が容器1の内面および熱交換器5の表
面に担持され、この鉄微粒子が成長核3として形成され
る。ここまでが本例における成長核形成工程である。
【0053】その後、配管部6を容器1に取り付け、ノ
ズル6cを通じて合成ガスであるメタンを容器1へ導入
し、550℃の温度で2時間保つことによって、ガス貯
蔵用炭素繊維の合成を行う(ガス吸蔵材形成工程)。こ
のとき、上記具体例1と同様、アルミ合金製容器1の溶
体化処理も同時に行われ、また、その後、上記時効処理
を行う。
【0054】[具体例3]ステンレス製容器1の内面を
塩酸や硝酸等の酸によってエッチング処理し、当該内面
に凹凸を形成することで、この凹凸を成長核3とする
(成長核形成工程)。
【0055】次に、充填装置に容器1を設置し、合成ガ
スである一酸化炭素と水素とを容器1の内部へ導入し、
550℃の温度で2時間保つことによって、ガス貯蔵用
炭素繊維の合成を行う(ガス吸蔵材形成工程)。この
後、容器1を急冷することで、容器1の焼き入れを行
い、焼き戻しを行う。
【0056】[具体例4]図5は本実施形態の具体例4
に係る充填方法を示す説明図である。まず、熱CVD装
置を用いて、アルミ合金製の熱交換器5の表面に鉄微粒
子を熱CVD法により担持し、成長核3を形成する(成
長核形成工程)。
【0057】その後、この熱交換器5を、上記電気炉7
中に設置し、電気炉7内に合成ガスであるメタンを流
し、上記具体例2と同様な方法で、ガス貯蔵用炭素繊維
の合成を行う(ガス吸蔵材形成工程)。その後、熱交換
器5を容器1に収納する。
【0058】以上の各具体例において、上述した本実施
形態の各効果が適切に発揮されることはもちろんであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガス貯蔵容器を示す図
である。
【図2】上記実施形態に係る熱交換器を内蔵するガス貯
蔵容器を示す図である。
【図3】上記実施形態の第1の充填装置を示す概要図で
ある。
【図4】上記実施形態の第2の充填装置を示す概要図で
ある。
【図5】上記実施形態の具体例4の充填方法を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…ガス貯蔵容器、3…成長核、4…ガス吸蔵材、5…
熱交換器。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E072 EA04 4G066 AA04B BA16 DA01 FA17 FA40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス貯蔵容器(1)または熱交換器
    (5)を内蔵するガス貯蔵容器にガス貯蔵用炭素材料よ
    りなるガス吸蔵材(4)を充填する充填方法であって、 前記ガス貯蔵容器の内面もしくは前記熱交換器の表面に
    前記ガス貯蔵用炭素材料を合成するための成長核(3)
    を形成する工程と、 前記成長核を起点として前記ガス貯蔵用炭素材料を合成
    することにより前記ガス吸蔵材を形成する工程とを備え
    ることを特徴とするガス吸蔵材の充填方法。
  2. 【請求項2】 前記成長核(3)を、前記ガス貯蔵容器
    (1)の内面もしくは前記熱交換器(5)の表面に、前
    記ガス貯蔵用炭素材料が合成可能な金属触媒を担持させ
    ることにより形成することを特徴とする請求項1に記載
    のガス吸蔵材の充填方法。
  3. 【請求項3】 前記成長核(3)を形成すべき前記ガス
    貯蔵容器(1)および前記熱交換器(5)が、前記ガス
    貯蔵用炭素材料を合成するための触媒となる金属成分を
    含有するものである場合、 前記成長核を、前記ガス貯蔵容器の内面もしくは前記熱
    交換器の表面に、前記金属成分を偏析させることにより
    形成することを特徴とする請求項1に記載のガス吸蔵材
    の充填方法。
  4. 【請求項4】 前記成長核(3)を形成すべき前記ガス
    貯蔵容器(1)および前記熱交換器(5)が、前記ガス
    貯蔵用炭素材料を合成するための触媒となる金属成分を
    含有するものである場合、 前記成長核を、前記成長核を形成すべき前記ガス貯蔵容
    器の内面もしくは前記熱交換器の表面に凹凸を設けるこ
    とにより形成することを特徴とする請求項1に記載のガ
    ス吸蔵材の充填方法。
  5. 【請求項5】 前記ガス吸蔵材(4)を繊維状に形成す
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに
    記載のガス吸蔵材の充填方法。
  6. 【請求項6】 前記ガス吸蔵材(4)を形成する工程に
    おいて、前記ガス貯蔵用炭素材料の合成のための熱処理
    と前記ガス貯蔵容器(1)の強度向上のための熱処理と
    が同時に行われるようにすることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれか1つに記載のガス吸蔵材の充填方
    法。
  7. 【請求項7】 ガス貯蔵容器(1)または熱交換器
    (5)を内蔵するガス貯蔵容器にガス貯蔵用炭素材料よ
    りなるガス吸蔵材(4)を充填するための充填装置であ
    って、 前記ガス貯蔵用炭素材料の原料となる単一もしくは複数
    のガスを前記ガス貯蔵容器内へ導入する導入手段(6)
    と、 前記ガス貯蔵容器を加熱する加熱手段(7)とを備える
    ことを特徴とする充填装置。
  8. 【請求項8】 前記導入手段(6)は、前記ガスが前記
    ガス貯蔵容器内に均一に行き渡るように前記ガス貯蔵容
    器内に突出するノズル(6c)を備えていることを特徴
    とする請求項7に記載の充填装置。
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