JP2003074726A - 差圧弁 - Google Patents

差圧弁

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JP2003074726A
JP2003074726A JP2001266455A JP2001266455A JP2003074726A JP 2003074726 A JP2003074726 A JP 2003074726A JP 2001266455 A JP2001266455 A JP 2001266455A JP 2001266455 A JP2001266455 A JP 2001266455A JP 2003074726 A JP2003074726 A JP 2003074726A
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Atsushi Nakabachi
淳 中鉢
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Suzuki Shokan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響振動を防止できて、また周囲の部品の損
傷を防ぐことができる差圧弁を提供する。 【解決手段】 弁座13を介して互いに連通した入口側
流路11および出口側流路12を有する本体1と、前記
弁座13に出口側流路12から接離する弁体2と、この
弁体2を前記弁座13に付勢するばね4とを備えた差圧
弁において、入口側流路11の内部に各角部で接する四
角柱状の弁頭21Bを前記弁体2に設けることにより、
ばね4の付勢方向に対して交差する方向の弁体2の動き
を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は差圧弁に関する。詳
しくは、配管内の圧力を一定以下に制御するための差圧
弁に関する。
【0002】
【背景技術】一般に、差圧弁は、その差圧弁を挟む配管
内のガス等の差圧を一定以下に制御するために用いられ
る。たとえば、図9に示すように、ヘリウムを冷媒とし
て用いる極低温用の冷凍機6と、コンプレッサ7と、コ
ンプレッサ7の吐出口および冷凍機6を繋ぐ吐出配管9
Aと、コンプレッサ7の戻り口および冷凍機6を繋ぐ戻
り配管9Bとを備える駆動回路において、吐出配管9A
と戻り配管9Bの差圧を一定以下に制御する目的で差圧
弁8が用いられる。
【0003】いま、図9において、冷凍機6を運転する
とき、冷凍機6の温度が室温付近の温度であると、ヘリ
ウムの循環流量が少なくなり、コンプレッサ7の吐出圧
力と戻り圧力との差が大きくなり、その結果、コンプレ
ッサ7の吐出圧力が異常に高くなってしまう。そこで、
これを避けるために、前記駆動回路において、吐出配管
9Aと戻り配管9Bをバイパスするバイパス配管9Cを
設け、このバイパス配管9Cの途中に差圧が一定以上に
なると開く差圧弁8を設けて差圧を一定以下に抑えてい
る。
【0004】ところで、従来の差圧弁は、図7に示すよ
うに、弁座13を挟んで互いに連通する入口側流路11
および出口側流路12を有する本体1と、弁座13に出
口側流路12の側から接離する弁体2と、この弁体2を
弁座13に付勢するばね4と、弁体2を出口側流路12
内で出口側流路12と平行方向に移動可能にガイドする
ガイド筒体3とを備える。
【0005】弁座13は、入口側流路11から出口側流
路12に移行する位置に、入口側流路11から出口側流
路12に向かって拡径するテーパー面に形成されてい
る。また、弁体2は、弁座13に接する方向の先端に弁
シート2Aを備え、弁シート2Aは、図8に示されるよ
うに、弁座13のテーパー面に着座するテーパー面を有
する円錐台状に形成されている。なお、ガイド筒体3に
は出口側流路12と平行に通気孔33が形成されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
差圧弁では、音響振動を生じ、また、部品が破損すると
いう問題があった。この問題の原因は定かではないが次
のように推定される。
【0007】まず、弁体2が弁座13に着座した状態に
おいて、弁体2を入口側流路11の側から押すガス圧が
高くなっていくと、弁体2が弁座13から離れ始める。
しかしこの瞬間、弁体2を付勢するばね4の付勢力の重
心が、弁座13および弁体2の中心軸と一致していなか
ったり、弁体2とガイド筒体3の間に存在するクリアラ
ンスなどにより、弁体2が付勢方向に対して交差する方
向に傾いた状態になる。このとき、弁体2の一部は弁座
13から離れているが、依然として一部で当接してい
る。
【0008】ガスは、弁体2と弁座13の間にできた一
部の隙間から流出しようとするため、弁体2に対して、
付勢方向とは交差する方向にさらに力を加えることにな
り、弁体2が付勢方向に対して交差する方向に振動し
て、音響振動が生じると考えられる。
【0009】また、弁体2と弁座13の隙間からガスが
通り抜けようとすると、ガス流が軌道をゆがめることに
より、ガス流に不安定な「偏り」、もしくは「揺らぎ」
が生じる。いったんこのようなガス流の揺らぎが生じる
と、はじめはこのガス流の揺らぎが弁体2を付勢方向に
対して交差する方向に振動させ始めるが、いったん弁体
2が振動し始めると、次はこの弁体2の振動がガス流の
揺らぎを増幅する。この増幅されたガス流の揺らぎがさ
らに弁体2の振動を生み、これが繰り返されていく。
【0010】弁体2およびガス流の振動が次第に大きく
なっていくと、ばね4の振動を誘起して大きな音を発生
させたり、周囲の部品を破損させる原因になる。たとえ
ば、図9の駆動回路において、ガス流の揺らぎの周波数
が配管9A、9B、9Cの固有振動数と近い場合は大き
な共鳴を生み、また弁体2の振動が弁体2を付勢するば
ね4等の周辺部品の固有振動数に近い振動を発生して共
振を起こすと、周囲の部品に損傷を与える原因になると
考えられる。
【0011】そこで本発明の目的は、斯かる実情に鑑
み、音響振動を防止でき、周囲の部品の損傷を防ぐこと
ができる差圧弁を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の差圧弁
は、弁座を介して互いに連通した入口側流路および出口
側流路を有する本体と、前記弁座に前記出口側流路から
接離する弁体と、この弁体を前記弁座に付勢する付勢手
段とを備えた差圧弁において、前記付勢手段の付勢方向
に交差する方向の前記弁体の動きを規制する規制手段を
備えることを特徴とする。
【0013】このような構成により、上記規制手段を備
えるので、弁体は付勢方向に対して平行に動くことにな
り、その結果、弁体が弁座から離れる際には、弁体と弁
座の間で、弁体の周囲に均一な流体の通り道、たとえ
ば、ガスの通り道ができる。よって、ガスが弁体と弁座
の間の一部に生じた隙間から偏って流出するという音響
振動のもともとの原因を防ぐことができる。また、仮
に、ガス流に揺らぎや偏りが生じたとしても、付勢方向
に交差する方向の弁体の動きが規制されるため、付勢方
向に対して交差する方向の振動が従来の差圧弁の弁体の
ように誘起されることはなく、弁体の振動が生じないの
で音響振動を防止することができる。弁体が付勢方向に
交差する方向に振動しないので、ガス流の揺らぎが増幅
されることを防ぎ、ガス流の揺らぎが配管の固有振動数
と近似することによって生じる共鳴を防ぐこともでき
る。さらに、弁体の付勢方向に交差する方向の振動が生
じないので、弁体に設けられる付勢手段等の共振も防ぐ
ことができ、付勢手段等の周囲の部品が共振することで
引き起こされる部品の破損を防止することができる。
【0014】請求項2に記載の差圧弁は、請求項1にお
ける前記規制手段が、前記弁体から前記入口側流路に突
出して形成された弁頭を含み、この弁頭は、前記付勢手
段の付勢方向に対して垂直な断面が多角形で、かつ弾性
体によって形成され、前記多角形の頂点が前記入口側流
路の内壁と接していることを特徴とする。
【0015】このような構成によれば、弁体は弁頭を介
して常に入口側流路の内壁に接している状態となるの
で、付勢方向に垂直な弁頭の断面、つまり多角形の頂点
と入口側流路の内壁との接点における接触圧により、弁
体の動きを入口側流路と平行方向、つまり付勢方向のみ
に限定することができ、弁体が付勢方向と交差する方向
に振動することを防ぐことができる。また、弁頭が弾性
体によって形成されていることから、たとえ弁体に付勢
方向と交差する方向に力がかかったとしても、弾性体の
弾性によってその力を吸収し、減じることができるの
で、弁体が付勢方向と交差する方向に動くことを規制す
ることができる。
【0016】請求項3に記載の差圧弁は、請求項1また
は2において、前記弁体の前記弁座と接する部分および
前記弁頭が弾性体によって一体形成されていることを特
徴とする。
【0017】このような構成によれば、弁体に対して請
求項2に記載された弁頭を改めて付設する工程を省くこ
とができる。つまり、弁座と接する部分と弁頭とを一体
形成できるので、製造コストが安くできる。また、弁体
が弁座から離れる方向へ移動する際に、一方において、
弁体が弁座と接する部分には、入口側流路内のガス圧に
より、出口側流路の方向へ押す力が働くが、他方、弁頭
には、入口側流路の内壁と接点を持つことから、接触圧
によって摩擦抵抗が生じ、その摩擦抵抗は、弁頭に対し
て弁体の移動方向と反対方向に働く。つまり、弁体の弁
座と接する部分と弁頭には互いに反対方向の力が働くこ
とになるので、弁体の弁座と接する部分と弁頭のつなぎ
目には、それ相当の強度が要求される。本発明では、弁
体の弁座と接する部分と弁頭とが一体形成されているの
で、入口側流路の内壁と弁頭との摩擦およびガス圧によ
って破壊されない強度を備えた弁体を得ることができ
る。
【0018】請求項4に記載の差圧弁は、請求項1にお
ける前記規制手段が、前記弁体の外周および前記出口側
流路の内壁のうちの一方側に設けられ、前記弁体の外周
および前記出口側流路の内壁のうちの他方側に対し、前
記弁体外周方向において複数箇所で接する摺動部材を有
し、前記摺動部材は弾性体により形成されていることを
特徴とする。
【0019】このような構成によれば、弁体の動きは、
この摺動部材を介する出口側流路の内壁との接触圧によ
って規制される。つまり、弁体の動きは出口側流路の内
壁に沿って、付勢方向に平行方向のみに限定され、弁体
が付勢方向に交差する方向に振動することを防止するこ
とができる。また、摺動部材が弾性体で形成されている
ことから、この弾性体の弾性によって、弁体にかかる付
勢方向に交差する方向の力を減じることができる。ま
た、弁体が弁座から離れたとき、出口側流路の内壁と弁
体の外周が摺動部材を介して複数箇所で接するので、こ
の隣接する接点の隙間からガスが流通することができ
る。
【0020】請求項5に記載の差圧弁は、前記弁体の前
記出口側流路の側に前記付勢手段と平行に弁軸が設けら
れ、前記出口側流路の内部に前記付勢手段と平行に前記
弁軸を軸方向に移動可能にするガイド筒が設けられ、前
記規制手段は前記弁軸と前記ガイド筒との間に設けられ
た弾性リング部材であることを特徴とする。
【0021】このような構成によれば、弁軸とガイド筒
との間に設けられた弾性リング部材によって、ガイド筒
と弁軸の間の隙間を塞ぎ、弁軸が付勢方向に対して交差
する方向に動くことを規制することにより、弁体の付勢
方向に対して交差する方向の動きを規制することができ
る。また、弾性リング部材の弾性によって、弁体にかか
る付勢方向に交差する方向の力を吸収し、減じるので、
弁体の付勢方向に交差する方向の動きを規制することが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。なお、以下の説明にあたっ
て、同一構成要件については同一符号を付し、その説明
を省略もしくは簡略化する。
【0023】(第一実施形態)図1には、本発明の第一実
施形態に係る差圧弁が示されている。同図に示すよう
に、本実施形態の差圧弁は、本体1と、弁体2と、ガイ
ド筒体3と、付勢手段としてのばね4とを備えている。
【0024】本体1には、一端から他端に貫通する一連
の孔が形成されている。つまり、図1中左側から流体
(ここではガス)を流入するための入口側流路11が設
けられ、この入口側流路11の先端から、弁座13を介
して、ガスを図1中右側へ排出するための出口側流路1
2が設けられる。ここで、出口側流路12の内径は入口
側流路11の内径よりも大きく形成される。入口側流路
11が設けられた本体1の外周には入口側連結部として
のおねじ14が形成されている。出口側流路12の内周
面他端側には出口側連結部としてめねじ15が設けら
れ、出口側流路12の内周面中間部にはめねじ16が形
成されている。
【0025】弁座13は、入口側流路11から出口側流
路12に向かうに従って拡径するテーパー面に形成され
ている。ここで、入口側流路11、弁座13、出口側流
路12の中心軸はすべて一致するように設けられる。
【0026】弁体2は、出口側流路12内に設けられて
いて、弁座13に着座して入口側流路11と出口側流路
12を遮断する弁シート21と、この弁シート21を出
口側流路12の側から保持する弁シート保持部22と、
弁シート保持部22から出口側流路12に沿って平行に
伸びる弁軸23を有する。
【0027】弁シート21は、図2に示されるように、
弁座13に当接することによって入口側流路11を閉弁
する短円柱状の弁台21Aと、この弁台21Aの一端面
上に形成された規制手段としての四角柱状の弁頭21B
とを有し、この弁台21Aと弁頭21Bがゴムなどの弾
性体によって一体的に形成されている。ここで、弁台2
1Aの径は入口側流路11の内径よりも大きく、出口側
流路12の内径よりも小さい。また、弁頭21Bの突出
した四角柱は、図3に示されるように、入口側流路11
内に挿入されたときに入口側流路11の内壁に圧接変形
するように、入口側流路11の内部に挿入されていない
ときは、付勢方向に垂直な断面が入口側流路11の断面
からはみ出る程度に形成されている。つまり、弁頭21
Bの断面四角形の頂点(角部)が入口側流路11の内壁
と弾性変形した状態で接するような大きさに形成されて
いる。さらに、弁頭21Bの四角柱の付勢方向に平行な
辺長は、弁体2がばね4の縮みによって弁座13から離
れる方向へ移動したときでも、この弁頭21Bの四角柱
が入口側流路11の内壁と接点を保つだけの十分な長さ
を有している。
【0028】ガイド筒体3は出口側流路12内に設けら
れている。ガイド筒体3には、弁軸23と同径の孔が貫
通形成されていて、さらに、弁体2の弁軸23を軸方向
に移動可能にガイドするガイド部31と、出口側流路1
2内にガイド筒体3を固定するための固定部32を有し
ている。ここで、ガイド部31の外径は、出口側流路1
2の内壁とガイド部31の外壁の間でガスを流通させる
ための十分な空間を有する細さに形成されているのに対
し、固定部32の外径は、出口側流路12のめねじ16
に螺合されるため、めねじ16の径と同径をなし、外周
にはおねじが設けられている。また、固定部32にはガ
スを通気させるための通気孔33が出口側流路12と平
行に設けられている。
【0029】ばね4は、弁シート21を弁座13に着座
する方向へ付勢するように、弁シート保持部22と固定
部32との間で、ばね4の付勢力の重心が弁座13およ
び弁体2の中心軸と一致するように設けられている。
【0030】使用にあたっては、本体1のおねじ14に
上流側の配管を、めねじ15に下流側の配管を接続す
る。たとえば、図9に示す駆動回路の場合には、バイパ
ス配管9Cの吐出配管9A側を入口側連結部のおねじ1
4に繋ぎ、バイパス配管9Cの戻り配管9B側を出口側
連結部のめねじ15に繋ぐ。
【0031】上記の構成を備える第一実施形態の差圧弁
によれば、次のような作用効果を奏することができる。 (1)入口側流路11に突出した弁頭21Bの四角柱
は、入口側流路11の内壁に圧接変形して接することが
できるように、入口側流路11に挿入されない状態で付
勢方向に垂直な断面が入口側流路11の断面からはみ出
る程度に形成されていることから、弁頭21Bと入口側
流路11の内壁との接触圧によって、弁体2の動きを入
口側流路11の内壁に沿って付勢方向に対して平行方向
のみに限定し、付勢方向に交差する方向の動きを規制す
ることができる。これにより、弁台21Aが弁座13か
ら離れる際に、弁台21Aと弁座13の間で、一部は離
れているが一部は当接しているという状態が生じないの
で、弁台21Aと弁座13の間に均一なガスの通り道が
できる。つまり、弁体2の振動を誘起する弁座13と弁
体2の間の一部にできた隙間からガスが偏って流出する
現象の発生を防ぎ、ガスの流れの対称性を良くできるの
で、音響振動のもともとの原因を断つことができる。
【0032】(2)さらに、弁頭21Bの四角柱におい
て付勢方向に平行方向の長さは、弁体2がばね4の縮み
によって付勢方向に平行に弁座13から離れる方向へ移
動したときでも、この四角柱が入口側流路11の内壁と
接点を保つだけの十分な長さを有していることから、弁
体2が弁座13から離れて付勢方向と平行方向に弁座1
3から離れる方向に移動したときでも、弁体2は弁頭2
1Bを介して入口側流路11の内壁と接点を有すること
になる。これにより、弁台21Aが弁座13から離れ
て、開弁状態にあっても、弁体2の動きを入口側流路1
1の内壁に沿って付勢方向に平行方向に限定し、弁体2
の付勢方向と交差する方向の動きを規制することができ
る。よって、弁体2に付勢方向と交差する方向の力がか
かっても、弁体2は付勢方向と交差する方向に振動する
ことはなく、音響振動の発生や、弁体2の振動から生じ
る周囲の部品の損傷を防ぐことができる。
【0033】(3)弁頭21Bがゴムなどの弾性体によ
って形成されていることから、たとえ弁体2に付勢方向
と交差する方向に力がかかったとしても、弾性体の弾性
によってその力を吸収し、減じることができる。よっ
て、弁体2が付勢方向と交差する方向に動くことを規制
し、音響振動の発生や、弁体2の振動から生じる周囲の
部品の損傷を防ぐことができる。
【0034】(4)また、弁台21Aと弁頭21Bが一
体形成されているので、弁頭21Bを弁台21Aに改め
て付設する工程を省くことができ、製造コストを安くす
ることができる。また、弁体2が弁座13から離れる方
向に移動する際、弁台21Aには、入口側流路11から
のガス圧により弁座13から離れる方向へ押す力が働く
のに対し、弁頭21Bは、入口側流路11の内壁と接点
を有するので、弁頭21Bに対して弁体2の移動方向と
反対方向に摩擦力が働くことから、弁台21Aと弁頭2
1Bの接合にはそれ相当の強度が必要とされる。しか
し、弁台21Aと弁頭21Bが一体形成されているの
で、入口側流路11の内壁と弁頭21Bとの摩擦および
ガス圧が弁台21Aを押す力によって破壊されない強度
を備えた弁体2を得ることができる。
【0035】(5)ばね4によって弁体2を付勢する力
の重心を弁体2の中心軸と一致させるようにばね4を配
置したので、ばね4の付勢力の不均衡から、弁体2に対
して付勢方向に対して交差する方向の力がかかることを
抑制することができ、その結果、弁体2が付勢方向に対
して交差する方向に動くことを規制し、音響振動の発生
や、弁体2の振動から生じる周囲の部品の損傷を防ぐこ
とができる。
【0036】(6)また、第一実施形態においては、従
来の差圧弁の構成のうち、弁シート21のみを改良し
て、その他の構成要素は従来技術の構成を用いるという
簡便な方法により、優れた作用効果を奏することができ
る。
【0037】なお、従来の差圧弁(図7)では、弁体2
が弁座13に対して斜交し、閉弁できない可能性があっ
たので、弁シート2Aのテーパー面が弁座13のテーパ
ー面上を滑って弁座13に正確に着座するように、テー
パーを設ける必要があったが、本発明においては、弁体
2が弁座13に着座するときに、弁体2が弁座13に対
して斜交する可能性を排除できるので、テーパーをあえ
て設けなくてもよい。
【0038】(第二実施形態)図4には、本発明の第二
実施形態に係る差圧弁が示されている。第二実施形態の
差圧弁は、前述した第一実施形態における差圧弁の弁シ
ート21を、図5に示されるような弁シート24に変え
たものである。つまり、出口側流路12の内壁とこの弁
シート24の外周摺動部材との接触圧によって、付勢方
向に対して交差する方向の弁体2の動きを規制する規制
手段としたものである。
【0039】弁シート24は、短円柱状で、外周には短
円柱軸に対して平行に通気溝24Aを有し、ゴムなどの
弾性体によって形成されている。弁シート24の径は、
弁シート24の外周が出口側流路12の内壁に圧接変形
することができるように、弁体2が出口側流路12に挿
入されていない状態のときには、弁シート24の付勢方
向に垂直な断面が出口側流路12の断面からはみ出る程
度に形成されている。
【0040】このような構成による第二実施形態の差圧
弁によれば、弁シート24の外周と出口側流路12の内
壁との接触圧によって、弁体2の動きを出口側流路12
の内壁に沿って付勢方向と平行方向のみに限定し、付勢
方向に対して交差する方向の弁体2の動きを規制するこ
とができるので、前記第一実施形態の(1)と同様の作
用効果を奏することができる。
【0041】また、弁シート24が弁座13から離れて
開弁したときでも、弁シート24と出口側流路12との
内壁との間で接点を有し、弁体2の動きを出口側流路1
2の内壁に沿って付勢方向と平行方向に限定し、弁体2
の付勢方向に対して交差する方向の動きを規制すること
ができるので、前記第一実施形態の(2)と同様の作用
効果を奏することができ、また、弁シート24が弾性体
によって形成されていることから、前記第一実施形態の
(3)と同様の作用効果を奏することができる。
【0042】さらに、ばね4の付勢力の不均衡から弁体
2に付勢方向と交差する方向の力がかかることを抑制す
ることで、弁体2が付勢方向に交差する方向の動きを規
制することができることから、前記第一実施形態の
(5)と同様の作用効果を奏し、また、弁シート24の
みを改良して、他の構成要素は従来技術の構成を用いる
ことができるので、前記第一実施形態の(6)と同様の作
用効果を奏することができる。
【0043】なお、第二実施形態では、弁体2の弁シー
ト24を出口側流路12の内壁と複数箇所で接する弾性
体により構成したが、出口側流路の内壁側に摺動部材と
して弾性体を設けるようにしても、同様な効果が期待で
きる。
【0044】(第三実施形態)図6には、本発明の第三
実施形態に係る差圧弁が示されている。第三実施形態の
差圧弁は、図1の第一実施形態の差圧弁において、弁軸
23とガイド筒体3のガイド部31との間に、弾性リン
グ部材としてゴムなどの弾性Oリング5を介装し、付勢
方向に対して交差する方向の弁体2の動きを規制する規
制手段としたものである。ただし、弁シートは従来技術
における差圧弁(図7)と同様の弁シート2Aを用いて
いる。
【0045】第三実施形態の差圧弁によれば、ガイド筒
体3のガイド部31と弁軸23の間に弾性Oリング5を
介装して、弁軸23とガイド筒体3のガイド部31との
間のクリアランスを塞ぎ、弁体2が付勢方向に交差する
方向の動きを規制することができるので、前記第一実施
形態の(1)、(2)、(3)、(5)と同様の作用効果
を奏し得る。
【0046】なお、本発明の差圧弁は、上述の実施形態
にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0047】たとえば、付勢方向に対して交差する方向
の弁体2の動きを規制する規制手段としては、弾性体で
あればゴム以外のプラスチックを利用してもよいし、ま
た、必ずしも弾性体である必要はなく、本発明と同様の
作用効果を生じるものであれば材質は問わない。また、
上記実施形態では、弁頭21Bの断面形状(ばね4の付
勢方向に対して垂直な断面形状)を四角形としたが、三
角形以上の多角形であればいずれでもよい。
【0048】本発明の差圧弁の用途は、上記実施形態に
おける冷凍機の駆動回路に限られるものではなく、配管
内の差圧を一定以下に制御するものであればよい。ま
た、適用する流体はガスに限らず液体でもよい。
【0049】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の差圧弁に
よれば、音響振動を防止できて、周囲の部品の損傷を防
ぐことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を示す断面図である。
【図2】同上実施形態の弁シートの斜視図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第二実施形態を示す断面図である。
【図5】同上実施形態における弁シートの斜視図であ
る。
【図6】本発明の第三実施形態を示す断面図である。
【図7】従来の差圧弁を示す断面図である。
【図8】従来技術における差圧弁の弁シートの斜視図で
ある。
【図9】差圧弁の一利用例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 本体 11 入口側流路 12 出口側流路 13 弁座 2 弁体 2A、21、24 弁シート 21A 弁台 21B 弁頭 23 弁軸 3 ガイド筒体 4 ばね(付勢手段) 5 弾性Oリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁座を介して互いに連通した入口側流路
    および出口側流路を有する本体と、前記弁座に出口側流
    路から接離する弁体と、この弁体を前記弁座に付勢する
    付勢手段とを備えた差圧弁において、 前記付勢手段の付勢方向に対して交差する方向の前記弁
    体の動きを規制する規制手段を備えることを特徴とする
    差圧弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の差圧弁において、 前記規制手段は、前記弁体から前記入口側流路内に突出
    して形成された弁頭を含み、この弁頭は前記付勢手段の
    付勢方向に対して垂直な断面が多角形で、かつ、弾性体
    によって形成されており、前記多角形の頂点が前記入口
    側流路の内壁と接していることを特徴とする差圧弁。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の差圧弁におい
    て、 前記弁体の前記弁座に接する部分と前記弁頭が、弾性体
    によって一体形成されていることを特徴とする差圧弁。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の差圧弁において、 前記規制手段は、前記弁体の外周および前記出口側流路
    の内壁のうちの一方側に設けられ、前記弁体の外周およ
    び前記出口側流路の内壁のうちの他方側に対し、弁体外
    周方向において複数箇所で接する摺動部材を有し、この
    摺動部材は弾性体により形成されていることを特徴とす
    る差圧弁。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の差圧弁において、 前記弁体の出口側流路の側に前記付勢手段と平行に弁軸
    が設けられ、前記出口側流路の内部に前記付勢手段と平
    行に前記弁軸を軸方向へ移動可能にガイドするガイド筒
    が設けられ、 前記規制手段は前記弁軸と前記ガイド筒の間に設けられ
    た弾性リング部材であることを特徴とする差圧弁。
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