JP2003074364A - 巻掛伝動装置 - Google Patents

巻掛伝動装置

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JP2003074364A
JP2003074364A JP2001266156A JP2001266156A JP2003074364A JP 2003074364 A JP2003074364 A JP 2003074364A JP 2001266156 A JP2001266156 A JP 2001266156A JP 2001266156 A JP2001266156 A JP 2001266156A JP 2003074364 A JP2003074364 A JP 2003074364A
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locking
tension
arm
internal combustion
combustion engine
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JP2001266156A
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Hideaki Ito
秀哲 伊藤
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/081Torsion springs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/0812Fluid pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0863Finally actuated members, e.g. constructional details thereof
    • F16H2007/0874Two or more finally actuated members

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  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め巻掛伝動部材を高張力とすることなく常
に緩みを適切に防止できる巻掛伝動装置を提供する。 【解決手段】 クランク軸用プーリとM/G用プーリと
の間に配置された第1オートテンショナ27のアーム41
は、ベルト25に張力を付与する方向へ捩りばね47により
付勢されている。ハウジング40に対してアーム41と反対
側に配設されたシリンダ52の、アーム41から遠い方の室
に圧縮ばね54が配置され、アーム41に近い方は油路56を
介して油圧ポンプ58から油圧が供給可能な油圧室55にな
っている。アーム41の基部の第1リング部61にはロック
用凹部64が形成され、ピストン53と連結された第2リン
グ部63には係止突部65が形成されている。第1オートテ
ンショナ27と共同でM/G用プーリを挟むように配置さ
れた第2オートテンショナは、油圧室と圧縮ばねがピス
トンに対して逆に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻掛伝動装置に係
り、詳しくは、内燃機関の回転出力軸と、該内燃機関と
は独立して回転力を出力できる回転手段の回転出力軸と
を含む回転軸間の動力伝達を仲介する巻掛伝動部材を備
えた巻掛伝動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用内燃機関において、エコノ
ミーランニングシステム(以下、「エコランシステム」
と称する)が知られている。このエコランシステムは、
燃費の改善などのために、自動車が交差点等で走行停止
した時に内燃機関を自動停止するとともに、発進操作時
にはモータを回転させて内燃機関を自動始動して自動車
を発進可能とさせる自動停止始動システムである。
【0003】このような内燃機関の自動始動において
は、ベルトを介して内燃機関のクランク軸と連動される
始動用電動機(発電機を兼ねた始動用電動機も含む)が
用いられている(特開平11−190222号公報)。
この従来技術では、始動用電動機の回転駆動力がベルト
を介してクランクプーリに伝達される時のベルトの緩み
側にテンショナを配置している。このことにより内燃機
関の始動においては必要な張力を始動用電動機のプーリ
とクランクプーリとの間で得ることができる。そして、
この従来技術では始動用電動機による駆動から内燃機関
による駆動に切り換わる際においては、始動用電動機が
空転することから始動用電動機のプーリとクランクプー
リとの間におけるベルトの急激な張力の低下が生じない
ので、始動用電動機のプーリではベルトのスリップが生
じないとしている。
【0004】さらに、この従来技術においては、発電機
を兼ねた始動用電動機を用いた場合には、予めテンショ
ナの張力は高張力に設定されているので、内燃機関の駆
動時においても、スリップさせずに発電機を回転させる
だけの張力は十分に得られているとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内燃機関の始
動後に始動用電動機を空転させる場合においても、始動
用電動機においてフリクションや慣性力等の回転負荷は
発生している。したがって前記従来技術では、内燃機関
が運転開始した後においてはテンショナはベルトの緩み
側に存在していないことになる。このため内燃機関の運
転開始後にはベルト張力に不足を生じるおそれがある。
【0006】このように始動用電動機が発電機を兼ねて
いない場合においても、実際には予めテンショナの張力
を高張力に設定しておく必要が出てくる。ましてや、前
記従来技術でも記載しているごとく、発電機を兼ねた始
動用電動機を用いた場合には、テンショナの張力をより
高い設定として内燃機関の運転時におけるスリップに対
処しなくてはならない。
【0007】このことから、従来技術のごとく始動用電
動機が内燃機関を駆動している時のベルト緩み側にテン
ショナを配置した構成では、ベルト張力の上昇が避けら
れない。そして、このように予めベルトの張力を高くし
なくてはならないことから、高張力に対するベルトの耐
久性を考慮してベルトの幅を広くする必要がある。また
ベルト幅の拡大やベルト張力の上昇により、ベルトを受
けている各プーリの軸や軸受の大型化の必要が生じ、内
燃機関の高コスト化を招くおそれがある。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、予め巻掛伝動部材を高張力とす
ることなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止できる
巻掛伝動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、内燃機関の回転出力軸と、該内燃
機関とは独立して回転力を出力できる回転手段の回転出
力軸とを含む回転軸間の動力伝達を仲介する巻掛伝動部
材を備えた巻掛伝動装置であって、前記巻掛伝動部材に
対する張力付与状態と張力非付与状態とに切り換え可能
な2つの張力付与手段を、前記回転手段を挟んで前記巻
掛伝動部材に対して配置し、前記内燃機関の回転出力状
態と前記回転手段の回転出力状態とに応じて変化する前
記巻掛伝動部材における緩み側に対して選択的に張力を
付与可能に構成し、前記各張力付与手段は、先端側で前
記巻掛伝動部材を受けるとともに揺動可能に設けられた
アームと、前記巻掛伝動部材に張力を与える方向へ前記
アームを付勢する付勢手段と、前記アーム側に設けられ
た第1係止部材と、前記第1係止部材に対して係止する
位置又は離脱する位置とへ相対移動可能な第2係止部材
とを備えるとともに、付勢部材と、前記内燃機関により
駆動される油圧ポンプにより発生されて前記付勢部材の
付勢力に対抗する油圧とにより、前記両係止部材の係止
と離脱とを切り換え可能な切換手段とを備えることを特
徴とする。
【0010】この発明によれば、内燃機関の回転出力状
態と回転手段の回転出力状態とに応じて変化する巻掛伝
動部材における緩み側に対して選択的に張力が付与され
る。例えば、一方の張力付与手段は、回転出力状態の回
転手段により内燃機関が始動される場合には、油圧が抜
けて付勢部材による付勢により第1係止部材と第2係止
部材とが係止してアームが固定され、張力非付与状態に
なる。また、この張力付与手段は、内燃機関が回転出力
状態になり、回転手段が回転出力を止めた状態では、油
圧ポンプから供給される油圧により両係止部材の係止が
解除されてアームが揺動可能になり、張力付与状態にな
る。
【0011】逆に、他方の張力付与手段は、内燃機関が
回転出力状態になり、回転手段が回転出力を止めた状態
では、油圧が供給された状態で両係止部材が係止してア
ームが固定され、張力非付与状態になる。また、この張
力付与手段は、回転手段の回転出力により内燃機関が回
転始動される場合には、油圧が抜けることによって両係
止部材の係止が解除されてアームが揺動可能になり、張
力付与状態になる。
【0012】従って、予め巻掛伝動部材を高張力とする
ことなく常に巻掛伝動部材の緩みを適切に防止できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明におい
て、前記回転手段は、電動機と発電機との機能を備えた
モータジェネレータであることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、内燃機関の停止時で
は、モータジェネレータが電動機として機能して回転出
力状態となり、内燃機関を始動させたり、他の装置を回
転駆動できる。また、内燃機関の回転出力状態では、モ
ータジェネレータは発電機として機能して例えばバッテ
リを充電できる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の発明において、前記第1係止部材及び第
2係止部材の一方が係止突部であり、他方がロック用凹
部であることを特徴とする。この発明によれば、係止突
部とロック用凹部との係止により、アームの揺動を簡単
に規制できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図5に従って説明する。図1は巻掛伝動装
置の構成図を示し、図2はエンジン及び巻掛伝動装置の
ブロック図を示す。
【0016】図2に示すように、車両には、内燃機関と
してのエンジン11、回転手段としてのM/G(モータ
ジェネレータ)12、エンジン冷却用のウォータポンプ
13、パワーステアリングポンプ14、エアコン用コン
プレッサ15、エンジン制御用電子制御装置(以下、
「ECU」と称する)16が備えられている。
【0017】内燃機関の回転出力軸としてのクランク軸
21は、巻掛伝動装置23のクランク軸用プーリ24に
連結されている。クランク軸用プーリ24には、巻掛伝
動部材としての無端状のベルト25が巻き掛けられてい
る。図1に示すように、ベルト25は、クランク軸用プ
ーリ24、張力付与手段としての第1オートテンショナ
27の揺動プーリ28、M/G用プーリ29、張力付与
手段としての第2オートテンショナ30の揺動プーリ3
1、ウォータポンプ用プーリ32、パワーステアリング
用プーリ33、エアコンプレッサ用プーリ34に巻掛け
られている。
【0018】このように、第1オートテンショナ27
は、エンジン11駆動時のベルト25の緩み側に相当す
る、クランク軸用プーリ24のベルト送り出し側に配置
されている。また、第2オートテンショナ30は、エン
ジン11の再始動時にM/G12が駆動する際のベルト
25の緩み側に相当する、M/G用プーリ29のベルト
送り出し側に配置されている。
【0019】ウォータポンプ用プーリ32、パワーステ
アリング用プーリ33、エアコンプレッサ用プーリ34
は、それぞれウォータポンプ13、パワーステアリング
ポンプ14、エアコン用コンプレッサ15を回転駆動可
能に連結されている。
【0020】M/G用プーリ29は、M/G12の回転
出力軸12aに連結されている。M/G12は、インバ
ータ35を介してバッテリ36に接続されている。M/
G12は、M/G用プーリ29を介して伝達されるエン
ジン11からの駆動力により発電を行い、バッテリ36
を充電する発電機としての機能と、バッテリ36に充電
された電力により駆動し、M/G用プーリ29を介して
エンジン11へ駆動力を供給する電動機としての機能と
を併せ持っている。なお、ECU16は、エンジン11
の制御及び各種制御を行うようになっている。
【0021】図4は第1オートテンショナの模式断面図
を示す。第1オートテンショナ27は、ハウジング4
0、アーム41、揺動プーリ28、切換手段としての切
換機構42を備えている。ハウジング40は、基板43
に筒部44が形成され、筒部44の内部に中心軸部45
が設けられた形状に形成されている。基板43は、エン
ジン11のシリンダブロック11aにボルトを介して締
付け固定されている。
【0022】アーム41の基部には、支持筒部46が形
成されており、アーム41は、支持筒部46が中心軸部
45に貫通された状態で、中心軸部45に対して揺動可
能に支持されている。アーム41の先端には、揺動プー
リ28がベアリングを介して回転可能に支持されてい
る。
【0023】筒部44内には、支持筒部46の周りに付
勢手段としての捩りばね47が収容されている。アーム
41は、捩りばね47により、ベルト25に張力を付与
するように揺動プーリ28をベルト25に押し付ける方
向に、即ち図1において反時計方向に回動するように付
勢されている。
【0024】シリンダブロック11aには、基板43の
中心軸部45と反対側に、収容凹部11bが形成されて
おり、この収容凹部11b内には、切換機構42が収容
されている。切換機構42は、シリンダ52、ピストン
53及び付勢部材としての圧縮ばね54を備えている。
【0025】シリンダ52は、その開口端が基板43に
当接されており、シリンダ52内はピストン53により
2つに区画されている。このうち、基板43から離れた
方の室には圧縮ばね54が配置されており、ピストン5
3は、圧縮ばね54により基板43に近づく方向に付勢
されている。また、シリンダ52内の基板43に近い方
の室は油圧室55になっている。油圧室55は、油路5
6を介して油圧切換弁57、油圧ポンプ58に接続され
ている。油圧ポンプ58は、エンジン11により駆動さ
れるように構成されている。油圧室55は、ECU16
からの信号に基づく油圧切換弁57の切り換えにより、
油圧ポンプ58から出力される作動油が供給あるいは排
出されるようになっている。
【0026】アーム41の支持筒部46の端部には、第
1リング部61が形成されている。また、ピストン53
には、基板43を貫通して筒部44内部まで延びるロッ
ド62が複数形成されており、ロッド62の先端部に
は、第1リング部61と対向するように、第2リング部
63が形成されている。
【0027】図3は、第1、第2リング部周辺の模式斜
視図を示す。図3及び図4に示すように、第1リング部
61には、複数箇所(この実施形態では、2箇所)に第
1係止部材としてのロック用凹部64が形成されてい
る。また、第2リング部63には、ロック用凹部64と
対向する位置に、第2係止部材としての係止突部65が
形成されている。
【0028】図5は第2オートテンショナの模式断面図
を示す。第2オートテンショナ30は、切換機構と捩り
ばねとが、第1オートテンショナ27の構成と異なって
いる。第2オートテンショナ30のアーム71は、付勢
手段としての捩りばね72により、ベルト25に張力を
付与する方向に、即ち図1において反時計方向に回動す
るように付勢されている。
【0029】第2オートテンショナ30の切換手段とし
ての切換機構73は、シリンダ74内のピストン75に
よって2つに区画された部分のうち、ハウジング76の
基板77に近い方に付勢部材としての圧縮ばね78が配
置されており、ピストン75は、圧縮ばね78によって
基板77から離れる方向に付勢されている。
【0030】また、シリンダ74内の基板77から離れ
た方の室は油圧室79になっており、油圧室79は、油
路80を介して、油路56に連通されている。このた
め、油圧室55と油圧室79とは、油圧切換弁57の切
り換えにより、作動油がともに供給又は排出されるよう
になっている。
【0031】アーム71の支持筒部71aの端部には、
第1リング部81が形成されている。また、ピストン7
5には、基板77を貫通してハウジング76の筒部76
a内部まで延びるロッド82が複数形成されており、ロ
ッド82の先端部には、第1リング部81と対向するよ
うに、第2リング部83が形成されている。
【0032】図3は、第1、第2リング部周辺の模式斜
視図を示す。図3及び図5に示すように、第1リング部
81には、複数箇所(この実施形態では、2箇所)に第
1係止部材としてのロック用凹部84が形成されてい
る。また、第2リング部83には、ロック用凹部84と
対向する位置に、第2係止部材としての係止突部85が
形成されている。
【0033】次に、上記のように構成された巻掛伝動装
置の作用を説明する。エンジン11の回転出力状態(駆
動状態)では、M/G12は発電機として機能してお
り、バッテリ36を充電している。また、エンジン11
の駆動状態では、油圧ポンプ58も駆動されている。そ
して、油圧切換弁57がオンになっていることにより、
油圧ポンプ58から油路56,80を介して第1オート
テンショナ27の油圧室55及び第2オートテンショナ
30の油圧室79に油圧が供給される。
【0034】この供給された油圧により、第1オートテ
ンショナ27のピストン53は、圧縮ばね54の付勢力
に抗して基板43から所定量離れた位置に配置され、係
止突部65とロック用凹部64との係止が解除されてい
る。このため、捩りばね47の付勢力によりアーム41
は中心軸部45回りに回動した状態で、ベルト25に張
力を付与可能な張力付与状態になっている。このアーム
41の回動の際に、第1リング部61が第2リング部6
3に対して回動することにより、ほとんどの場合、係止
突部65がロック用凹部64と対向せずにリング部の周
方向にずれている。なお、ベルト25の緩み状態によっ
ては、係止突部65が周方向にずれずに、ロック用凹部
64と対向している場合もある。
【0035】また、第2オートテンショナ30では、供
給された油圧により、圧縮ばね78の付勢力に抗して係
止突部85がロック用凹部84に係止しており、アーム
71がロックされている。このため、第2オートテンシ
ョナ30は、ベルト25に張力を付与しない状態、即ち
張力非付与状態になっている。
【0036】このように、エンジン11が駆動中でM/
G12が発電機として機能している状態では、この場合
のベルト緩み側に相当するクランク軸用プーリ24に対
するベルト25の送り出し側に配置された第1オートテ
ンショナ27が、張力付与状態になっている。このた
め、第1オートテンショナ27によってベルト25の張
力が確保され、ベルト25のスリップが防止されてい
る。また、ベルト25に過剰な張力を与えないように、
第2オートテンショナ30は張力非付与状態になってお
り、テンショナとしての機能を停止している。
【0037】上記の状態でエンジン11が停止される
と、ECU16からの信号に基づいて油圧切換弁57が
オフになり、第1及び第2オートテンショナ27,30
の両油圧室55,79から油圧が抜ける。このため、第
1オートテンショナ27では、圧縮ばね54の付勢力に
より、係止突部65が第1リング部61側に移動する。
係止突部65は、ロック用凹部64に対して周方向にず
れて位置しているため、ロック用凹部64に入らず、係
止突部65の先端で第1リング部61に当接する。な
お、周方向にずれずにロック用凹部64に対向していた
前述したような係止突部65が、第1リング部61に当
接せずに直接ロック用凹部64に係止する場合もある。
【0038】また、第2オートテンショナ30では、油
圧室79から油圧が抜けることにより、圧縮ばね78の
付勢力によって、係止突部85とがロック用凹部84と
の係止が解除され、アーム71が揺動可能になる。この
ため、第2オートテンショナ30は、捩りばね72の付
勢力によりベルト25に張力を付与する張力付与状態に
なる。
【0039】M/G12の駆動によるエンジン11の再
始動時には、第1オートテンショナ27のアーム41
が、ベルト25により、捩りばね47の付勢力に抗し
て、図1において時計方向に回動するように引っ張られ
る。これにより、第1リング部61が第2リング部63
に対して相対回転し、係止突部65は、ロック用凹部6
4と対向したときに、圧縮ばね54による付勢によりロ
ック用凹部64に係止する。このため、アーム41がロ
ックされ、第1オートテンショナ27は張力非付与状態
になる。
【0040】また、第2オートテンショナ30は、エン
ジン11の停止状態から引き続いて張力付与状態である
ため、テンショナとして機能してベルト25に張力を付
与する。
【0041】このように、エンジン11が停止中で、M
/G12がモータとして機能している状態では、この場
合のベルト緩み側に相当するM/G用プーリ29に対す
るベルト25の送り出し側に配置された第2オートテン
ショナ30が、張力付与状態になる。このため、第2オ
ートテンショナ30によってベルト25の張力が確保さ
れ、ベルト25のスリップが防止される。また、ベルト
25に過剰な張力を与えないように、第1オートテンシ
ョナ27は張力非付与状態になる。
【0042】また、エンジン11が始動され、油圧ポン
プ58が立ち上げられて所定の油圧を出力可能になる
と、ECU16の信号に基づいて油圧切換弁57がオン
になり、油圧ポンプ58から両油圧室55,79に作動
油圧が供給される。また、M/G12は、モータとして
の機能から、発電機としての機能に切り換えられる。そ
して、第1オートテンショナ27においては、油圧によ
り、圧縮ばね54の付勢力に抗して、係止突部65とロ
ック用凹部64との係止が解除される。このため、アー
ム41はロックが解除されて揺動可能になり、第1オー
トテンショナ27は張力付与状態になる。
【0043】また、第2オートテンショナ30において
は、圧縮ばね78の付勢力に抗して、油圧により係止突
部85が第1リング部81に当接する。次に、アーム7
1が、ベルト25により、捩りばね72の付勢力に抗し
て、図1において時計方向に回動するように引っ張られ
る。このため、第1リング部81が相対回転して係止突
部85がロック用凹部84と対向し、油圧による付勢に
より係止突部85がロック用凹部84に係止する。この
ため、アーム71がロックされ、第2オートテンショナ
30は張力非付与状態になる。
【0044】この実施形態によれば、以下のような効果
を有する。 (1)エンジン11が回転出力状態でのベルト25の緩
み側に相当するクランク軸用プーリ24のベルト送り出
し側に、第1オートテンショナ27が設けられている。
また、M/G12の回転出力状態でのベルト25の緩み
側に相当するM/G用プーリ29のベルト送り出し側
に、第2オートテンショナ30が設けられている。第1
オートテンショナ27は、エンジン11の停止により油
圧が抜けた状態で係止突部65とロック用凹部64とが
係止して張力非付与状態になり、油圧の供給により係止
が解除されて張力付与状態になるように構成されてい
る。また、第2オートテンショナ30は、第1オートテ
ンショナ27と逆に、エンジン11の始動後に油圧が供
給された状態で係止突部85とロック用凹部84とが係
止して張力非付与状態になり、油圧が抜けた状態で係止
が解除されて張力付与状態になるように構成されてい
る。従って、予めベルト25を高張力とすることなく常
にベルト25の緩みを適切に防止でき、ベルト25のス
リップを防止できる。また、油圧は、エンジン11によ
って駆動される油圧ポンプ58から供給されるため、比
較的簡単な構成で供給できる。
【0045】(2)第1及び第2オートテンショナ2
7,30は、係止突部65,85がロック用凹部64,
84と係止可能であれば、係止突部65,85が例えば
多少摩耗しても、アーム41,71の周方向への相対移
動を規制できる。従って、アーム41,71の回転を阻
止する際の固定力を経時劣化しにくくできる。
【0046】(3)油圧ポンプ58は、第2オートテン
ショナ30において、少なくとも圧縮ばね78の付勢力
に抗して係止突部85をロック用凹部84に係止させる
だけの油圧を供給可能であれば、アーム71の回転を阻
止できる。従って、油圧の設定が容易になり、アームの
回転を摩擦で阻止する構成と異なり、油圧を所定の安定
した高油圧に維持せずにすむ。
【0047】(4)エンジン11と独立して回転力を出
力できる回転手段は、電動機と発電機との機能を備えた
M/G12であるため、エンジン11の停止時では、M
/G12が電動機として機能してエンジン11を始動さ
せたり、エアコン用コンプレッサ15などの装置を回転
駆動できる。また、エンジン11の回転出力状態では、
M/G12は発電機として機能してバッテリ36を充電
できる。
【0048】(5)油圧室55と油圧室79とは、油圧
切換弁57の切り換えにより、作動油がともに供給又は
排出されるようになっているため、油圧を迅速に切り換
えできる。
【0049】なお、実施形態は上記実施形態に限定され
るものではなく、例えば以下のように変更してもよい。 ・係止突部は、リング部に一体に形成されることに限ら
れず、例えばねじ込み式のロックピンをリング部にねじ
込むことにより形成してもよい。この場合、一体形成の
場合より容易に係止突部を設けることができる。
【0050】・第1係止部材と第2係止部材とは、係止
突部とロック用凹部との組み合わせに限られない。例え
ば、第1リング部に第1突部を設け、第2リング部に
は、各第1突部を挟持可能なように、各第1突部に対し
て一対の第2突部を設けてもよい。この場合、油圧又は
圧縮ばねの付勢力により第1突部が第2リング部に当接
し、アームがベルトで引っ張られることによって第1突
部が第2リング部の表面上で摺動する際に、途中で第2
突部に引っかかることがないように、第2突部にガイド
斜面を形成する。ガイド斜面を通過した第1突部が第2
突部間に配置されることによって、アームは周方向への
移動が規制されて固定される。この場合、凹部を形成せ
ずに、鋳造などにより突部を形成したり、別部材を突部
として取り付けることにより、第1及び第2係止部材を
形成できる。
【0051】・係止突部65,85の少なくとも先端部
をテーパ状に形成してもよい。この場合、係止突部をロ
ック用凹部に係止させやすくすることができる。 ・係止突部65,85の数は、2個に限られず、1個又
は3個以上であってもよい。
【0052】・ロック用凹部64,84がアーム41,
71の第1リング部61,81に形成され、係止突部6
5,85がピストン側の第2リング部63,83に形成
されることに限られず、逆にロック用凹部を第2リング
部に形成し、係止突部を第1リング部に形成してもよ
い。
【0053】・ロック用凹部は、穴状に形成されること
に限られず、例えば溝状に形成してもよい。 ・M/G12がモータとして機能するのは、エンジン1
1の再始動時に限られず、例えばエンジン11の停止中
に、エアコン用コンプレッサ15などを作動させる場合
でもよい。
【0054】・第1及び第2オートテンショナ27,3
0は、第2リング部が第1リング部に対して近づいたり
離れたりするように移動するように構成されることに限
られず、第1リング部が第2リング部に対して移動する
ように構成してもよい。
【0055】・巻掛伝動装置は、巻掛伝動部材としてベ
ルトを用いたベルト−プーリタイプに限られず、例えば
巻掛伝動部材としてチェーンを用いたチェーン−スプロ
ケットタイプであってもよい。
【0056】上記各実施形態から把握できる技術的思想
について、以下に追記する。 (1) 請求項3に記載の発明において、前記係止突部
は、ねじ込みにより取付可能なロックピンである。
【0057】(2) 請求項3又は(1)に記載の発明
において、前記係止突部は、少なくとも先端部がテーパ
状に形成されている。 (3) 請求項1〜請求項3、(1)及び(2)のいず
れか一つに記載の発明において、前記油圧ポンプにより
発生される油圧の供給は、油圧切換弁により切り換え可
能に構成され、前記油圧切換弁は、前記内燃機関の回転
出力状態で、前記油圧ポンプにより発生される油圧を前
記切換手段に供給可能であるとともに、前記回転手段の
回転出力状態で、前記油圧を前記切換手段から排出可能
に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻掛伝動装置の構成図。
【図2】エンジン及び巻掛伝動装置のブロック図。
【図3】第1、第2リング部周辺の模式斜視図。
【図4】第1オートテンショナの模式断面図
【図5】第2オートテンショナの模式断面図
【符号の説明】
11…内燃機関としてのエンジン、12…回転手段とし
てのM/G、12a…回転出力軸、21…内燃機関の回
転出力軸としてのクランク軸、23…巻掛伝動装置、2
5…巻掛伝動部材としてのベルト、27…張力付与手段
としての第1オートテンショナ、30…張力付与手段と
しての第2オートテンショナ、41,71…アーム、4
2,73…切換手段としての切換機構、47,72…付
勢手段としての捩りばね、54,78…付勢部材として
の圧縮ばね、58…油圧ポンプ、64,84…第1係止
部材としてのロック用凹部、65,85…第2係止部材
としての係止突部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転出力軸と、該内燃機関と
    は独立して回転力を出力できる回転手段の回転出力軸と
    を含む回転軸間の動力伝達を仲介する巻掛伝動部材を備
    えた巻掛伝動装置であって、 前記巻掛伝動部材に対する張力付与状態と張力非付与状
    態とに切り換え可能な2つの張力付与手段を、前記回転
    手段を挟んで前記巻掛伝動部材に対して配置し、前記内
    燃機関の回転出力状態と前記回転手段の回転出力状態と
    に応じて変化する前記巻掛伝動部材における緩み側に対
    して選択的に張力を付与可能に構成し、 前記各張力付与手段は、 先端側で前記巻掛伝動部材を受けるとともに揺動可能に
    設けられたアームと、 前記巻掛伝動部材に張力を与える方向へ前記アームを付
    勢する付勢手段と、 前記アーム側に設けられた第1係止部材と、前記第1係
    止部材に対して係止する位置又は離脱する位置とへ相対
    移動可能な第2係止部材とを備えるとともに、付勢部材
    と、前記内燃機関により駆動される油圧ポンプにより発
    生されて前記付勢部材の付勢力に対抗する油圧とによ
    り、前記両係止部材の係止と離脱とを切り換え可能な切
    換手段とを備えることを特徴とする巻掛伝動装置。
  2. 【請求項2】 前記回転手段は、電動機と発電機との機
    能を備えたモータジェネレータであることを特徴とする
    請求項1に記載の巻掛伝動装置。
  3. 【請求項3】 前記第1係止部材及び第2係止部材の一
    方が係止突部であり、他方がロック用凹部であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の巻掛伝動装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003343671A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Mitsubishi Electric Corp ベルト伝動装置
US7124733B2 (en) 2004-04-12 2006-10-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Mounting structure of motor generator for internal combustion engine

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JP2003343671A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Mitsubishi Electric Corp ベルト伝動装置
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