JP2003073923A - 半導電性脂肪族ポリアミド繊維 - Google Patents

半導電性脂肪族ポリアミド繊維

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JP2003073923A
JP2003073923A JP2001265307A JP2001265307A JP2003073923A JP 2003073923 A JP2003073923 A JP 2003073923A JP 2001265307 A JP2001265307 A JP 2001265307A JP 2001265307 A JP2001265307 A JP 2001265307A JP 2003073923 A JP2003073923 A JP 2003073923A
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semiconductive
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fiber
nylon
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JP2001265307A
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Shoichi Tsukada
章一 塚田
Hirobumi Yanagisawa
博文 柳沢
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度等の物性の低下もなく、特に高温高湿下で
の使用でも安定した電気抵抗の維持できる繊維の提供。 【解決手段】20℃、RH65%での平衡吸湿率が0.
6〜1.5%の脂肪族ポリアミド樹脂(例えばナイロン
11、ナイロン12)に導電性カーボンブラックが混合
分散されてなる半導電性脂肪族ポリアミド繊維の有する
体積抵抗率が、35℃、RH80%環境下で1.0桁以
下にあることを特徴とする半導電性脂肪族ポリアミド繊
維。この特性を有する該繊維は延伸して更に空気中で加
熱処理することでより効果的に得られる。体積抵抗率1
〜10Ω・cmのものは除電ブラシとして体積抵
抗率10〜10Ω・cmのものは帯電ブラシとし
て、例えばトナー複写機用の除電装置又は帯電装置に組
み込まれて使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた繊維強度と
共に、特に高温多湿環境下で使用しても電気抵抗性に変
化のない特性を以てなる半導電性脂肪族ポリアミド繊維
に関する。該繊維は、例えばトナー複写機の帯電装置及
び/又は除電装置のブラシ部材として有効に使用され
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導電性のレーヨンブラシは知
られ、その一部は、既にトナー複写機の帯電ブラシとし
て実用されてもいる。又、導電性カーボンブラックによ
り付与された非吸湿性のフッ素系樹脂繊維又は芳香族系
樹脂繊維もトナー複写機の帯電用ブラシとして知られ、
これらは例えば特開平7−5745号公報にて公開され
てもいる。
【0003】又、半導電性ナイロン系モノフィラメント
繊維として、これを二層(芯層と鞘層)で構成したもの
も例えば、特開平1−201520号公報で公開されて
いる。該公報は優れた導電性と寸法安定性、強度を有す
る太繊度(0.1〜3mm)のモノフィラメントの開発
を課題とし、それを二層(芯層と鞘層)からなるナイロ
ン系モノフィラメントによって解決を計ろうとするもの
である。これは鞘層をナイロン46、芯層を導電性カー
ボンブラック含有のナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン610、ナイロン612、ナイロン12等のいずれか
により形成すること、そして更にこのモノフィラメント
の有する体積抵抗率を1×1010Ω・cm以下に、沸
水収縮率を5%以下にすると言うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維強度を
保って、特に付与された電気抵抗が、高温多湿環境下に
長期間置かれ使用され続けても変化しない半導電性繊維
の開発を主たる課題とする。他に(帯電の為の)印加電
圧依存性もなく、効率良く帯電(放電がない)できるこ
とも課題として鋭意検討し達成したものである。これ等
の課題は次の手段により達成される。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、請求項
1に記載するもので、それは20℃、RH65%での平
衡吸湿率が0.6〜1.5%の脂肪族ポリアミド樹脂に
導電性カーボンブラックが混合分散されてなる半導電性
脂肪族ポリアミド繊維の有する体積抵抗率が、35℃、
RH80%環境下で1.0桁以下にあることを特徴とす
る半導電性脂肪族ポリアミド繊維である。又、この請求
項1に従属する発明として、請求項2〜4の発明も提供
する。又、用途に関し、有効利用される分野の一つの発
明として請求項5、6も提供する。以上の通りであり、
これら各発明の詳細は次の実施形態で説明することにす
る。
【0006】
【発明の実施形態】まず、本発明の対象となる半導電性
繊維のベースとなるものは、特に20℃、RH65%で
の平衡吸湿率が0.6〜1.5%の脂肪族ポリアミド樹
脂に導電性カーボンブラック(以下CB粉体)が混合分
散されて繊維状に成形された半導電性の脂肪族ポリアミ
ド繊維である。ここで、多くの他樹脂を含め各種脂肪族
ポリアミド樹脂の中でも、更に20℃、RH65%での
平衡吸湿率が0.6〜1.5%の脂肪族ポリアミド樹脂
が特定されるが、これは次の理由による。つまり更に特
定される “体積抵抗率が、35℃、RH80%環境下
で1.0桁以下”の繊維を得るのに卓越しているためで
ある。これは該脂肪族ポリアミド樹脂が、(他の熱可塑
性樹脂に比べて)CB粉体との混合分散性が良いこと、
付与された半導電性が安定し易いこと、ブラシにした場
合に、適当な柔軟弾性と耐屈曲性等に優れている等の作
用効果に起因していることが考えられる。更には平衡吸
湿率0.6〜1.5%と言う微量の水分吸収があること
もこれら作用効果として寄与していることも考えられ
る。尚、ここで平衡吸湿率は、ASTM規格のD570
に記載する方法によって測定した値である。
【0007】具体的に、前記範囲に該当する脂肪族ポリ
アミド樹脂としては、例えばナイロン10、ナイロン1
1、ナイロン12及びこれらの軟質化ナイロン(ヒドロ
キシ安息香酸エステルとか、高級アルコール等で可塑化
したもの)、ポリアミドエラストマー(例えばナイロン
12とポリメチレンエーテルグリコールとからの)であ
り、一般的なナイロン6、ナイロン66等は良くない。
この中でも好ましのは、請求項3で提供する、前記平衡
吸湿率で0.8〜1.2%の範囲にある、ナイロン11
又はナイロン12である
【0008】前記脂肪族ポリアミドへの半導電性の付与
は、特にCB粉体の混合分散により行われる。半導電性
付与剤としてのこのCB粉体は、他の導電材よりも、該
ポリアミドに対して混合分散し易く、繊維形成能(より
多くのCB粉体を混合分散しても紡糸ができる)に優
れ、そして付与された電気抵抗をより安定(バラツキも
小さく、径時変化も小さい)した状態で取得できる。
【0009】前記CB粉体は、製造方法(燃焼原料、燃
焼条件)によって種々の物性(粒径、表面積,DBP吸
収量、揮発分、pH値、電気的特性等)を有するものが
知られている(一般名ではアセチレンブラック、サーマ
ルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック
等)。従って、実際の使用に際しては、その中からより
有効なものが選択されるが、参考までに、特性的に好ま
しいCB粉体を例示すると次の通りである。まず、粒径
は少なくとも、紡糸口金の孔径よりも小さく(好ましい
のは孔径の1/2以下)、揮発分少なく、pH値(水素
含有量の低い)は大きく、体積抵抗率10Ω・cm以
下のものである。これはより少量のCB粉体の添加で、
所望する電気抵抗を有する繊維が(糸切れもなく)溶融
紡糸できることにもよる。
【0010】次に、対象となる前記半導電性脂肪族ポリ
アミド繊維について説明する。まず、該繊維の形態(断
面形状、モノフィラメントかマルチフィラメントか、単
層か二層か)であるが、好ましいのは円形断面で、単層
からなるマルチフィラメントである。この二形態が組み
合わされることで、例えばブラシ状にした場合に、被接
触体に対して、より好ましい柔軟性(適正は弾力硬さ)
とより高密度面を以て接することができる。これは、帯
電にしろ除電にしろ、より高い効率でその作用が行われ
ることになり、更には被接触体表面に摺動傷をつける危
険性もないことに繋がる。尚、マルチフィラメントの場
合、単糸の大きさとその束状数(フィラメント数)は、
使用形態により種々であるが、多くの場合単糸の大きさ
として1〜50dtex、束状数として50〜200本
程度でほぼ対応できる。
【0011】前記繊維は、一般的には、次のような手順
を経て溶融紡糸を行うことで製造される。まず、前記特
定される脂肪族ポリアミド粉体に(所望する体積抵抗率
を得るのに相当する量の)CB粉体が添加される。その
添加量は、例えば10〜10 Ω・cmの体積抵抗
率を得ようとするならば、約5〜30重量%(対固形
分)である。両者混合に際しては、予め羽根突きハイミ
キサーでもって予備混合し、更にこれを2軸押出機で溶
融混練しつつガット状で押出し、切断してチップ粒とす
るのが良い。
【0012】そして、前記混練チップ粒は、一軸のスク
リュー式押出機に供給し溶融しつつ、先端に付設された
口金から(ヒートスリーブを介して)常温の空気中に押
し出し、冷却して巻き取られる。ここでこの脂肪族ポリ
アミド繊維に、より大きな強度を付与するために、積極
的な延伸が行なわれる。延伸は1.2〜1.8倍、望ま
しくは1.3〜1.6倍に留めるのが良い。尚、この延
伸は、一般に前記脂肪ポリアミド樹脂の有する二次転移
点と融点との間の温度(例えば融点よりも約60〜10
0℃低い温度)で行われ、溶融紡糸の後に連続して行っ
ても良く、非連続で別工程を設けて行っても良い。
【0013】ところで前記延伸は、強度アップの点では
必要なことである。しかしながら、一方では次のような
点で必ずしも望ましいことではない。それは、付与され
た電気抵抗の安定性(バラツキとか、印加電圧依存性)
の点では良くないことである。尚、この電気抵抗の不安
定性は、延伸することによる結晶配向と内部応力の付与
が当初のCB粉体の分散状態(ストラクチャーとか、分
散位置)に変化を及ぼす結果起こるではないかと考えら
れる。
【0014】対象となる半導電性脂肪族ポリアミド繊維
は、前記の通り製造され、それの有する体積抵抗率は、
35℃、RH80%環境下に置かれた場合で、その抵抗
率変化が桁数で1.0桁以下、好ましくは0.7〜0.
4 桁、更には0.3〜0.0 桁にあるものと言うこと
になる。つまり、少なくとも35℃、RH(相対湿度)
80%の環境下に放置された場合に、どの様な経時イン
ターバルに対しても、該抵抗率変化が開差で1.0桁以
下にあるものと言うことである。従って、該条件を外れ
た場合(例えばより緩慢な条件下)でも、体積抵抗率の
経時変化が、1.0桁以下にあれば、それは本発明の範
疇であると言うことになる。
【0015】一般に水と親和的な樹脂による半導電性
は、使用環境(温度と湿度)に依存し、変化し易い傾向
があるが、これが本発明によって大きく改善されたこと
になる。尚、現実の体積抵抗率は、実際に電圧(DC)
が印加されて発現するものであるが、往々にして、その
印加電圧の強さにも依存して変化し易い傾向がある。し
かしながら、前記条件にある本発明の半導電性脂肪族ポ
リアミド繊維では、少なくとも1000Vまでは、その
電圧に依存することもなく、同率の体積抵抗率を示す。
【0016】前記の通り紡糸、延伸されて得られた半導
電性脂肪族ポリアミド繊維は、前記条件を満足するもの
であるので、従って、このままで実用に供せられる。と
ころが一方では、前記するように、延伸による電気抵抗
の不安定さと言った要素をも有している。この二律背反
の関係をなくし、より優れた該繊維を取得することは望
ましいことである。そこでその払拭の為の手段が考えら
れるが、その有効な一例を挙げておく。それは次のよう
な後処理方法である。
【0017】つまり、この後処理方法と言うのは、前記
延伸にて得られた脂肪族ポリアミド繊維を熱処理するこ
とである。具体的には次のような方法である。脂肪族ポ
リアミドの有する融点よりも約30〜90℃、好ましく
は40〜80℃低い温度で、約40〜70分間空気中
(加熱液浴では効果が得られないか、逆行する場合もあ
るからである)で行う。これは、紡糸、延伸と連続して
又は非連続で加熱ロール又は加熱トンネル中に通して行
うか、又はひとまず製品(例えばブラシ形態)にして、
これを加熱処理する。
【0018】前記加熱処理の効果発現メカニズムは定か
でないが、次のように考えられる。前記するように、延
伸による結晶配向と潜在内部応力とが、この処理によっ
て(延伸効果は温存しながら)変化、緩和され、それと
共に分散しているCB粉体が延伸前の元の状態(分散位
置、ストラクチャー)に近づく為ではなかろうか。
【0019】前記の通り、前記半導電性脂肪族ポリアミ
ド繊維は、特に高温多湿環境下で使用する分野は勿論、
より厳しい長期間の安定性の維持を求める分野への使用
部材としてより一層有効になる。例えばその用途として
は、除電機能を必要とする(又は有った方がよい)用途
(除電性衣服、除電性ベルトの芯地、印刷機用又はプラ
スチックフィルム用等)、帯電機能を必要とする用途
(これは除電機能も必要とする)、例えば集塵機用と
か、請求項5、6で提供する、トナー複写機の帯電又は
/及び除電装置用としての使用である。特にこのトナー
複写機に関しては、印刷画像に関わる重要な部分であ
り、より高度な画質と使用耐久性の求められている現状
では、これに対応できる繊維部材として極めて有効な用
途の一つと言える。
【0020】前記使用に際しての前記繊維の形状は、用
途によって各々である。例えば基体に固定してブラシ状
(基体が棒状で有れば棒状ブラシ、円形で有れば回転ブ
ラシ)、不織布のようにして面状、マルチフィラメント
そのものを混紡して除電性衣服に使用する等である。
【0021】尚、必要とする脂肪族ポリアミド繊維の半
導電性、つまり体積抵抗率も、各々使用形態によって異
なる。(一般にも通用することでも有るが)例えば、ト
ナー複写機の帯電装置用では、請求項5で提供するよう
に、10〜10Ω・cm、一方除電装置用では、請
求項6で提供するように、10〜10Ω・cmに制
御されたものが良い。トナーに対しての帯電と除電の反
復が、バランス良くより効率的に行なわれるからであ
る。
【0022】尚、トナー複写機の帯電又は除電装置への
組み込みは、機種により異なるが、一般には棒状ブラ
シ、回転ブラシ又は不織布にして面状での場合もある。
これら組み込み形状によっても、帯電又は除電効率(中
間転写ベルトとか感光ドラムに対しての)とか、オゾン
の発生状況が異なる場合がある。この点も配慮して最終
仕様を決めるのがよい。
【0023】以下比較例と共に、実施例によって更に詳
述する。尚、本例で言う体積抵抗率(Rv)(Ω・c
m)及び引張強度(Ts)は次の通り測定して得た値で
ある。
【0024】◎Rv・・・サンプル(撚糸マルチフィラ
メント)を10cmに離した2つの電極に密着し、印加
電圧1000Vにて絶縁抵抗値R(Ω)を測定する。こ
の測定はヒュウレットパッカード社のハイレスタ・抵抗
メータを用いて測定する。得られた該Rを以て、次式
“Rv=R×(S/10)”により、Rvを算出しその
値とする。但し、Sはモノフィラメントの断面積であ
る。
【0025】◎Ts・・・各例で得た撚糸マルチフィラ
メント(束状糸)の40mm両端を把持して、200m
m/分の速度で引っ張った時の切断時の強さをN/dt
exで表した。この測定は、株式会社島津製作所製の引
張試験機“AGS−100A”にて行った。
【0026】(実施例1)まずナイロン12粉体(融点
178℃、20℃、65%RH平衡吸湿率0.84%)
(アトフィナ社製“12AECN OTL”)に、CB
粉体(アセチレンブラックで、粒子径250〜500Å
を中心に分布、水素含有率0.03〜0.05%,体積
抵抗値10−1Ω・cmオーダ)を26重量%(対ナイ
ロン12)を添加してハイミキサーで一次混合した後、
更にこれを2軸押出機(バレル温度175〜220℃)
で溶融混練しつつ、(延伸動作することなく)ガット状
で押し出し、これをカットしてペレット粒とした。
【0027】一方孔径0.4mmのノズルを50穴有す
る口金(温度255℃)付き一軸スクリュー式押出機
(バレル温度175〜220℃)、該口金の出口には若
干の隙間をもって管状ヒートスリーブ(約70〜80
℃)を、そして該スリーブの先には、延伸用の加熱ロー
ラ(90℃)と巻き取りボビンを順次配した一連の溶融
紡糸装置を用いて、次の条件にて押し出し−冷却−延伸
−巻き取りを行い、まず延伸された半導電性ナイロン1
2マルチフィラメントを得た。以下これを延伸N12と
呼ぶ。 ◎前記ペレット粒の供給量(吐出量)・・・700g/
時間、 ◎延伸倍率・・・1.35倍。 尚、延伸直前の未延伸マルチフィラメント(若干ドロー
が掛かっているが実質的無延伸)の表面温度は、約10
0℃と記録されていた(非接触型温度センサーによる測
定)。
【0028】そして延伸N12を(バラケ防止のため
に)撚糸(Z撚で120回/m)し、これの一部を採取
してRvとTsとを測定した。但しここでのRvは、該
撚糸品10mを使って、位置を変えて20カ所で測定し
バラツキ状況(最大と最小値)を見た。結果は非熱処理
バラツキRv、非熱処理Tsとして表1にまとめた。
尚、得られ撚糸の太さは、270dtex(従ってモノ
フィラメントの太さは5.4dtex)であった。
【0029】次に残る前記撚糸品の20mを使って、こ
れを150℃に温調された(乾燥)加熱空気中に入れて
1時間放置して熱処理を行い、このものについて次のよ
うな測定を行った。まず、この10mについては、位置
を変えて20カ所で測定しバラツキ状況と共にTsを測
定し、熱処理品バラツキRv、熱処理品Tsとして表1
にまとめた。そして、残りの10mでは、その一部を採
取して、これを35℃、RH80%に調整された密閉容
器中に入れて、10時間、20時間、30時間放置し取
り出して、逐次Rvを測定してその変化を見た。これを
Rv安定性として表1にまとめた。
【0030】(表1)
【0031】(実施例2)ナイロン11粉体(融点18
5℃、20℃、65%RH平衡吸湿率1.1%、RiL
san Corp社製のリルサン)に、実施例1と同じ
CB粉体を22.5重量%添加(対ナイロン11)し、
ハイミキサーで一次混合した後、更にこれを2軸押出機
(バレル温度180〜235℃)で溶融混練しつつ、
(延伸動作することなく)ガット状で押し出し、これを
カットしてペレット粒とした。
【0032】次に前記ペレット粒を実施例1と同じ溶融
紡糸装置を用いて、同様条件にて押し出し−冷却−延伸
−巻き取りを行って、まず延伸された半導電性ナイロン
11マルチフィラメントを得た。以下これを延伸N11
と呼ぶ。但し一軸スクリュー式押出機温度180〜23
5℃、口金温度264℃、管状ヒートスリーブ温度約8
0〜90℃)、加熱ローラ温度97℃に設定した。
【0033】次に、前記延伸N11を実施例1と同様に
撚糸して、これの一部を採取して同様に、まず非熱処理
バラツキRv、非熱処理Tsを測定した。尚、得られ撚
糸の太さは、270dtex(従ってモノフィラメント
の太さは5.4dtex)であった。
【0034】そして残る前記撚糸品の20mを使って、
これを160℃に温調された(乾燥)加熱空気中に入れ
て1時間放置して熱処理を行い、このものについても実
施例1と同様に、熱処理品バラツキRv、熱処理品Ts
を測定した。又35℃、RH80%における10時間、
20時間、30時間放置後のRvも同様に測定してRv
安定性をチェックした。以上の各サンプルでの測定結果
は表1にまとめた。
【0035】(比較例1)ナイロン6粉体(融点225
℃、20℃、65%RH平衡吸湿率2.6%、東レ株式
会社製)に、実施例1と同じCB粉体を21重量%(対
ナイロン6)添加し、同様に一次混合後、2次溶融混練
(押出機温度180〜265℃)してペレットに造粒し
た。
【0036】次に、前記ペレットを実施例1と同じ溶融
紡糸装置を用いて、押出機温度215〜285℃、口金
温度285℃、管状ヒートスリーブ温度約100〜11
0℃)、加熱ローラ温度105℃に設定する以外は同じ
条件にて押し出し−冷却−延伸−巻き取りを行い、延伸
された半導電性ナイロン6マルチフィラメントを得た。
以下これを延伸N6と呼ぶ。
【0037】次に、前記延伸N6を実施例1と同様に撚
糸して後、これの10mを採取して170℃に温調され
た(乾燥)加熱空気中に1時間放置して熱処理を行い、
これについて、実施例1と同様に、35℃、RH85%
での放置テストを行い、各時間に対する安定性Rvを求
め表1にまとめた(その他については測定せず)。尚、
ここで得られ撚糸の太さは270dtex(従ってモノ
フィラメントの太さは5.4dtex)であった。
【0038】(比較例2)ビスコース液(固形分濃度1
5重量%)に、実施例1と同じCB粉体を15重量%
(対固形分)混合分散したものを用いて、一般的な二浴
緊張湿式紡糸法により紡糸再生して、延伸された半導電
性モノフィラメントを得た。尚、0.1mm孔径、10
0孔数の口金を使い、延伸は50℃と95℃の二浴下で
行い、1.5倍で行った。そして、巻き取られた該フィ
ラメントを実施例1と同様に撚糸し、太さ369dte
xの束状糸とした(従ってモノフィラメントの太さは
3.69dtex)。
【0039】そして前記束状糸の10mを採取して、こ
れを150に温調された(乾燥)加熱空気中に1時間放
置して熱処理を行い、前記同様に、35℃、RH85%
での放置テストを行い、各時間に対する安定性Rvを求
め、表1にまとめた。前記比較例1の半導電性ナイロン
6繊維よりも、更に電気抵抗への影響の大きさが判る。
【0040】尚、(具体的数値は記載していないが)実
施例1及び実施例2で行った熱処理品の35℃、RH8
0%での10、20、30時間経時に対するRvを、印
加電圧100Vと1000V下でも測定して見たが、5
00V印加電圧での測定値との間に、(測定誤差の程度
の差はあるが)実質的差はないことも確認した。つま
り、これは使用中に仮に(少なくとも1000Vまでの
間で)急に印加電圧が変わっても、それによって電気抵
抗が変わることがなく、安定した帯電又は除電が行える
と言うことも示している。
【0041】
【発明の効果】本発明は前記の通り構成されているの
で、次のような効果を奏する。
【0042】繊維強度を維持し、高温高湿下での使用で
も電気抵抗性に変化のない安定した半導電性脂肪族ポリ
アミド繊維が得られるようになった
【0043】又、帯電印加電圧に関し、少なくとも1k
Vまでの変化に対しては、その電圧に依存することな
く、一定の電気抵抗の下で安定した帯電ができるように
なった。
【0044】帯電又は除電を必要とする各種用途分野で
の使用が、より一層の有効になったが、取り分けトナー
複写機における帯電装置及び/又は除電装置のブラシ部
材としての使用は、極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/06 G03G 21/00 340 4L036 Fターム(参考) 2H035 AA14 2H071 BA41 DA06 DA07 2H200 FA01 FA18 HA02 HA28 HB07 HB45 HB46 LC03 LC09 MA04 MA14 MA20 MB02 MB04 MB08 MB09 3B202 AA30 EA01 4L035 BB14 BB31 EE13 FF01 JJ03 4L036 MA06 MA33 MA39 MA40 RA25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】20℃、RH65%での平衡吸湿率が0.
    6〜1.5%の脂肪族ポリアミド樹脂に導電性カーボン
    ブラックが混合分散されてなる半導電性脂肪族ポリアミ
    ド繊維の有する体積抵抗率が、35℃、RH80%環境
    下で1.0桁以下にあることを特徴とする半導電性脂肪
    族ポリアミド繊維。
  2. 【請求項2】前記脂肪族ポリアミド樹脂が、ナイロン1
    1又はナイロン12のいずれかである請求項1に記載の
    半導電性脂肪族ポリアミド繊維。
  3. 【請求項3】前記半導電性脂肪族ポリアミド繊維の有す
    る体積抵抗率が10 〜1013Ω・cmである請求項
    1又は2に記載の半導電性脂肪族ポリアミド繊維。
  4. 【請求項4】前記半導電性脂肪族ポリアミド繊維が、1
    〜50dtexの単繊維で以て束状されたマルチフィラ
    メントである請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導
    電性脂肪族ポリアミド繊維。
  5. 【請求項5】体積抵抗率10〜10Ω・cmに制御
    された請求項4記載の半導電性脂肪族ポリアミド繊維が
    帯電ブラシとして組み込まれたトナー複写機用帯電装
    置。
  6. 【請求項6】体積抵抗率10〜10Ω・cmに制御
    された請求項4記載の半導電性脂肪族ポリアミド繊維が
    除電ブラシとして組み込まれたトナー複写機用除電装
    置。
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