JP2003073919A - 繊維状吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

繊維状吸水性樹脂の製造方法

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JP2003073919A
JP2003073919A JP2001260842A JP2001260842A JP2003073919A JP 2003073919 A JP2003073919 A JP 2003073919A JP 2001260842 A JP2001260842 A JP 2001260842A JP 2001260842 A JP2001260842 A JP 2001260842A JP 2003073919 A JP2003073919 A JP 2003073919A
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fibrous
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prepolymer
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JP2001260842A
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Koji Nomura
幸司 野村
Susumu Miho
享 美保
Kozo Kubota
耕三 窪田
Koji Yamamoto
浩司 山本
Minoru Atsuji
稔 阿津地
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】実用的に使い易い繊維状吸水性樹脂の製造方法
を提供することである。 【構成】アクリル酸及び/またはその塩を主体とする水
溶性単量体とそのポリマーと水とからなるプレポリマー
と、光重合開始剤と、架橋性単量体とからなる混合物を
細孔から押し出し、得られる繊維状プレポリマーに紫外
線照射をなし、前記の水溶性単量体と架橋性単量体とを
重合させ、前記の繊維状プレポリマーを硬化する工程を
有する繊維状吸水性樹脂の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、繊維状吸水性樹脂
の製造方法に関する。詳しくは、アクリル酸及び/また
はその塩を主体とする水溶性単量体とそのポリマーと水
とからなる吸水性樹脂の前駆体(本発明においては、以
下プレポリマーという。)を細孔から押し出した後、重
合、硬化させることにより繊維状吸水性樹脂を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来技術】吸水性材料は、育児用品、高齢者介護用
品、女性の生理用品等の衛生用品や農業用品等に用いら
れ、その成形体としては、繊維、織布、不織布およびス
ポンジ状体等が挙げられる。かかる吸水性材料は、一般
的には、(メタ)アクリル酸およびそれらの塩を架橋性
単量体の存在下において重合して得られるアクリル系吸
水性樹脂を加工することにより製造される。例えば、ア
クリル系吸水性樹脂の粉末をティッシュ・不織布・繊維
・綿等の上に均一に分散固定させるという方法が上記吸
水性製品の製法において採用されていた。しかし、吸水
性樹脂粉末を基材に分散固定させるという従来の方法で
は、粉末の固定が不均一になり易く、一定品質の製品を
大量生産するためには生産プロセスが煩雑になる傾向が
あった。上記の問題を解決するために、高吸水性樹脂そ
のものからなる繊維またはフィルムを製造して、それ
を、他の基材例えば木綿、木材パルプ等とともに加工し
て吸水性材料を製造するという技術の提案がある(特公
昭62−21365号公報)。同公報には、フィルム状
吸水性樹脂の製造方法として、アクリル酸、架橋性モノ
マー、分散剤(界面活性剤が使用されている。)および
光重合開始剤を混合して得られるモノマー水性分散液
を、ポリエチレンシート等の支持体に薄く塗布し液体フ
ィルムを調製した後に、紫外線の照射によりモノマーを
重合させ、硬化フィルムを製造するという方法が開示さ
れている。また、上記モノマー水性分散液にセルローズ
誘導体またはハイドロコロイドのような増粘剤を添加し
て得られる液を紡糸金口から紡糸し、出て来る糸状物に
紫外線を照射することにより、モノマーを重合・硬化さ
せるという繊維状吸水性樹脂の製法が開示されている。
しかし、上記公報に開示されている製法によって得られ
る繊維状吸水性樹脂は、吸水性能が不満足であるという
問題があった。すなわち、吸水性に直接関与するアクリ
ル酸以外に分散剤および増粘剤のような副原料が存在す
るモノマー水性分散液を重合させているため、吸水性樹
脂の重合度が向上し難く、その点が吸水性能にマイナス
の影響を及ぼしていた。上記課題を解決すべく、吸水性
に優れる繊維状吸水性樹脂の簡易な製法が望まれている
のが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
要請に応えることにあり、当初から繊維状をなす吸水性
樹脂を製造することゝして、実用的に使い易い繊維状吸
水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル酸及
び/またはその塩を主体とする水溶性単量体とそのポリ
マーと水とからなるプレポリマーと、光重合開始剤と、
架橋性単量体とからなる混合物を細孔から押し出し、得
られる繊維状プレポリマーに紫外線照射をなし、前記の
水溶性単量体と前記の架橋性単量体とを重合させ、前記
の繊維状プレポリマーを硬化する工程を有する繊維状吸
水性樹脂の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に就い
て説明する。本発明において使用される水溶性単量体
は、アクリル酸および/またはアクリル酸塩(以下アク
リル酸系単量体という)を主体とする水溶性単量体であ
り、それは架橋性単量体の共存下に重合することにより
吸水性樹脂を与える単量体である。アクリル酸系単量体
としては、アクリル酸の20〜90モル%を塩基で部分
中和して得られるアクリル酸およびアクリル酸塩の単量
体混合物が好ましい。アクリル酸系単量体とともに併用
し得る単量体(以下その他の単量体という)としては、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸等のアニオン性モノマーやその塩;(メタ)アク
リルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル
(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリイレート、ポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、等のノニオン性親水性基含有モノマー;N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、ジアリールジメチル
アンモニウムクロライド等のアミノ基含有不飽和モノマ
ーやそれらの4級化物等が挙げられる。上記その他の単
量体のうち、好ましい単量体は、2−(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、(メ
タ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2
−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ
プロピル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートおよびメトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる単量体
である。アクリル酸系単量体だけでは得られる重合体と
単量体水溶液とが相分離し易いのに対して、その他の単
量体を使用する場合には得られる重合体と単量体水溶液
との相溶性が向上し相分離が起こり難い。上記単量体と
アクリル酸系単量体と好ましい使用割合は、それらの合
計量を基準にして1〜30質量%である。また、水溶性
単量体とそれを溶解する水性媒体の使用割合は、水溶性
単量体の濃度として20〜60質量%が好ましい。
【0006】プレポリマーに含まれるポリマーは、アク
リル酸系単量体を重合して得られるポリマーであって、
重量平均分子量が50万以上のものである。さらに好ま
しいポリマーの重量平均分子量は100万以上である。
プレポリマーに含まれるポリマーの重量平均分子量が5
0万未満であるとプレポリマーを重合、硬化して得られ
る吸水性樹脂の吸水性が劣る。プレポリマーに含まれる
ポリマーの量は、上記単量体とポリマーの合計量を基準
にして0.1〜50質量%であり、好ましくは1〜30質
量%である。ポリマーの割合が0.1質量%未満である
と、プレポリマーの粘度が低過ぎてプレポリマーの使用
方法に制約がある。一方、ポリマーの割合が50質量%
を越えると、プレポリマーから得られる吸水性樹脂の吸
水性が劣る。また、プレポリマーの好ましい粘度は、取
扱いの容易さの点で、500〜100,000mPa・
sである。
【0007】ポリマーを前記単量体および水とともに共
存させる方法は特に限定されず、単量体水溶液にポリマ
ーを溶解させても良いが、単量体水溶液を低重合転換率
で重合させる方法が好ましい。単量体水溶液に重合開始
剤を加えて、熱重合させたりまたは光重合させることに
より、単量体とポリマーとが前述の割合で含まれるプレ
ポリマーを製造することができる。プレポリマーの好ま
しい製造方法は、重合転換率の制御が容易な点で、紫外
線照射による光重合法である。光重合開始剤としてはア
ゾ系、ベンゾイル系等の公知のものが使用できる。光重
合開始剤の好ましい使用量は、単量体100質量部当た
り0.001〜0.1質量部である。光重合開始剤の量が0.
001質量部未満であるとプレポリマーを得るのに長時
間がかかり、一方、開始剤の量が0.1質量部を越えると
プレポリマー中のポリマーの含有量の制御が難しい。
【0008】ベンゾイル基を有するラジカル系光重合開
始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンジル、アセト
フェノン、ベンゾフェノンおよびこれらの誘導体が挙げ
られる。該誘導体の例としては、ベンゾイン系のものと
して、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
イソブチルエーテル、アセトフェノン系のものとして、
ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,
2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シ
クロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−
(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モンフォリノプ
ロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オ
ン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニ
ル)−2−ヒドロキシジ−2−メチル−1−プロパン−
1−オン、ベンゾフェノン系のものとして、O−ベンゾ
イル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4
−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、
3,3’4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベン
ゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−
[2−(1−オキシ−2−プロペニルオキシ)エチル]
ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベ
ンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4,4’−
ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルア
ミノベンゾフェノン等が挙げられる。アゾ系光重合開始
剤の具体例としては、2,2‘−アゾビス〔2−メチル
−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド〕〕、2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンア
ミド)ジハイドレート、2,2‘−アゾビス{2−メチ
ル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕
プロピオンアミド}、2,2‘−アゾビス{2−メチル
−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒド
ロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2‘−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2‘−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)および2,2‘−アゾ
ビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)
が好ましい。光重合に際して、単量体水溶液中に次亜リ
ン酸ソーダ、メルカプトエタノール、イソプロパノール
等の連鎖移動剤を添加してもよい。
【0009】上記単量体の水溶液に照射される紫外線の
好ましい照度は10mW/cm以下である。実用的な
範囲は0.1〜10mW/cmである。照度が10mW
/cmを越えると重合反応と同時に架橋反応が併発し
ゲル化が起こり易い。照射光量すなわち照射エネルギー
は、上記照度に時間を乗ずることにより得られるが、本
発明において好ましい照射光量は、10〜10,000
mJ/cmである。かかる照射光量は、照度0.1〜1
0mW/cmの光であれば、1〜120分照射するこ
とにより得られる。紫外線の光源としては、例えば蛍光
ケミカルランプ、蛍光青色ランプ、メタルハライドラン
プ、または、高圧水銀ランプ等が使用できる。紫外線を
照射する単量体水溶液は、反応中撹拌することが好まし
い。この撹拌方法は特に限定されず、例えば撹拌羽根を
用いることができる。この撹拌により、効率よく重合反
応を進行させることができる。反応液を覆う雰囲気とし
ては、空気、窒素ガスまたは二酸化炭素ガス等のいずれ
でもよいが、好ましくは窒素ガスである。
【0010】上記の光重合法によれば、単量体、ポリマ
ー、および、光重合開始剤が水性媒体に溶解したプレポ
リマー水溶液が得られる。本発明においては、プレポリ
マー、架橋性単量体および光重合開始剤からなる水性混
合物を紡糸原液として用いる。かかる水性混合物を得る
方法は、特に限定されず、例えば上記の光重合法によっ
て得られた単量体、ポリマーおよび光重合開始剤が水性
媒体に溶解したプレポリマー水溶液に、架橋性単量体を
加えることによっても水性混合物を得ることができる。
または、光重合以外の方法によって製造したプレポリマ
ーに、光重合開始剤および架橋性単量体を加えてもよ
い。また、本発明においては、所望により上記水性混合
物に、熱によりラジカルを発生する過酸化物を加えても
よい。架橋性単量体としては、メチレンビスアクリルア
ミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパン、トリアリルシアヌレート等の1分子
中にラジカル重合性基を複数個有する架橋性単量体(以
下ラジカル重合型架橋性単量体という)ならびにエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル等の1分子中に反応性官能
基を複数個有する架橋性単量体(以下官能基型架橋性単
量体という)が挙げられる。本発明においては、ラジカ
ル重合型架橋性単量体および官能基型架橋性単量体を併
用することが好ましい。
【0011】上記水性混合物すなわち紡糸原液は必要に
よりタンクに保温され、やはり必要により保温された配
管系を通りポンプよりノズル部に定量的に導かれる。次
に、水性混合物は、好ましくは5mm以下の孔径を有す
る細孔から押し出され、繊維状となって下方向に進む。
ノズルから少し離れた位置で、繊維状のプレポリマーに
対し側面から紫外線を照射して重合反応を起こし、硬化
させる。生成した糸状物を巻き取る際には、ドラフト
(吐出線速度に対する巻き取り速度の比)を掛けながら
巻き取ることが好ましく、ドラフトを上げるにしたがい
繊維強度が高まる。必要なドラフトは少なくとも2倍で
あり、好ましくは10〜50倍である。なお、紡糸ドラ
フトとは、紡糸ドラフト=巻き取り速度(m/min )/吐
出線速度(m/min) であり、また、吐出線速度とは、 吐出線速度=原液吐出量(cc/min )/ノズル孔面積(c
) ×100 である。繊維状プレポリマーに対する紫外線の照射強度
は、プレポリマーを構成する単量体の種類、光増感剤の
種類や濃度、プレポリマーの粘度、曳糸性および落下高
さを考慮して決定されるが、一般好ましくは1〜10,
000mW/cmである。光源としては、ビニル系単
量体を光重合させ得る紫外線を放出し得るものであれば
特に限定されず、例えば、蛍光ケミカルランプ、蛍光青
色ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等を
使用することができる。
【0012】重合反応が進行するプレポリマーの雰囲気
は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好まし
く、重合時のプレポリマーの温度は5〜95℃が好まし
い。紫外線の照射強度、光重合開始剤添加量、および、
プレポリマー性状等を選択することにより、繊維状物の
重合率を制御することができ、その結果として、繊維状
物表面に粘着性を持たせることもできる。粘着性繊維状
物を巻き取ることなしに、そのまま平面上に積層した
後、必要により乾燥することにより不織布状吸水性樹脂
とすることもできる。また、紡糸原液を糸状基体ととも
に細孔より押し出して本発明を実施することにより、糸
状基体を芯材として吸水性樹脂がコーティングされた複
合吸水性繊維を製造することができる。糸状基体として
は、既存の糸状物から任意に選択できるが、例えば、木
綿糸をはじめポリエステル、ポリプロピレン、アクリ
ル、ポリアミド、又は、その他のポリマー材料からなる
糸またはフィラメントでも良い。
【0013】本発明により得られる繊維状吸水性樹脂は
連続的にフィラメント状に製造できるが、より短い長さ
に切断して例えば通常3〜100mmの長さを持つステ
ープルファイバー、またはフィブリド、ラメラもしくは
フレークのように主寸法が短く例えば1mm以下である
ようなエレメントの形状にすることも可能であった。得
られた繊維状吸水性樹脂は、水や尿または他の体液を吸
収することが要求される環境で、例えば、おむつ、生理
用品、失禁パッド、包帯のセルロース系繊維の代わりと
して、または、これらと同時に使用しうる。前記の繊維
状吸水性樹脂をセルロース系繊維またはフィルムの中に
散在させても良く、また、前記のフィラメントもしくは
繊維からなる織布または不織布をおむつ又は他の製品に
組み込んでも良い。巻包帯、吸収性拭い布及び他の布製
品は、一部分又は全部が本発明に従って製造された繊維
状吸水性樹脂で製造することも可能である。
【0014】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
【実施例】(プレポリマー製造)アクリル酸ナトリウム
70mol%およびアクリル酸30mol%からなる単
量体成分の水溶液(単量体成分35質量%)と2−メト
キシエチルアクリレート5質量%(対単量体成分)とか
らなる単量体水溶液を20℃に冷却し、次いで、窒素ガ
スを吹き込み、溶存酸素量を1ppm以下とした。この
単量体水溶液500gを1000mlガラスビーカーに
注ぎ、窒素ガス雰囲気下に攪拌機で撹拌しながら、光重
合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェ
ニル−ケトン0.01質量%(対単量体成分)および連
鎖移動剤として次亜リン酸ソーダ0.1質量%(対単量
体成分)を添加混合した。次に、20℃の反応液にガラ
スビーカー側面から紫外線(ハンディーUVランプ、発
光長365nm、型番LUV−6,井内盛栄堂社製)を
照射して重合を開始した。ガラスビーカー内に照射され
る紫外線強度はビーカー中央(中心軸付近)で0.5m
W/cmであった。10分間紫外線を照射して(光量
300m Joule/cm)、反応液温度が30℃となっ
た時点で紫外線ランプを消し、反応液の入ったビーカー
を氷浴中に冷却して目的のプレポリマーを得た。こうし
て得られたプレポリマーは、重量平均分子量550万の
ポリマーを14質量%含有する、粘度18,000mP
a・s(25℃)の均質な溶液であった。なお、上記分
子量等の物性値の測定は以下の方法によった。重量平均
分子量の測定;ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー法によった。使用した分離カラムは、東ソー株式会社
商品名TSK−gelG4000PWXL+G3000
PWXL+G2500PWXL(3本を直列に接続)で
あり、溶離液は0.1MNaClを含むリン酸緩衝液で
あった。粘度の測定;B型粘度計を用いて、25℃にて
測定を行った。
【0015】
【実施例1】前記プレポリマー溶液に、ジエチレングリ
コールジアクリレート,ジエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルおよび1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−
フェニル−ケトンをそれぞれプレポリマー中の単量体と
重合体の合計量に対して0.5重量%,および過硫酸ナ
トリウムを同様に0.2重量%添加して得た混合液を紡
糸原液とした。紡糸原液をφ3mmの細孔から自然落下
させながら紡糸すると同時に、側面から80mW/cm
の紫外線を照射して繊維状吸水性樹脂を得た。得られ
た繊維状吸水性樹脂は線径約200μのモノフィラメン
トであり、自重の44倍の0.9%生理食塩水を吸水し
た。
【0016】
【実施例2】紡糸原液をφ0.5mmの細孔を20個有
するノズルからギアポンプで定量的に押し出しながら紡
糸すると同時に、側面から80mW/cmの紫外線を
照射して、5倍のドラフトをかけながら巻き取った以外
は実施例1と同様な操作により繊維状吸水性樹脂を得
た。得られた繊維状吸水性樹脂は線径約100μのマル
チフィラメントであり、自重の48倍の0.9%生理食
塩水を吸水した。
【0017】
【実施例3】紡糸原液をφ1mmの細孔から木綿糸とと
もに下方に引っ張り出しながらコーティングし、側面か
ら80mW/cmの紫外線を照射して繊維状吸水性樹
脂を得た。得られた繊維状吸水性樹脂は、木綿糸を心材
とし吸水性樹脂がコーティングされた複合繊維であっ
た。この複合繊維は線径約100μであり、自重の40
倍の0.9%生理食塩水を吸水した。
【0018】
【発明の効果】本発明の繊維状吸水性樹脂は、従来の粒
子状吸水性樹脂が有していた、吸収体の製造時または使
用時における偏在や脱落の防止効果に優れるとともに、
従来の吸水性繊維にはない高い吸水性能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 2/10 C08F 2/50 4L035 2/44 265/02 2/50 D06M 10/00 K 265/02 A41B 13/02 S D06M 10/00 (72)発明者 窪田 耕三 愛知県名古屋市港区昭和町17番地23 東亞 合成株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 山本 浩司 愛知県名古屋市港区昭和町17番地23 東亞 合成株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 阿津地 稔 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社高分子材料研究所内 Fターム(参考) 3B029 BF03 4C098 AA09 CC02 DD05 DD14 DD27 4J011 GA00 GB06 GB08 HA02 HB17 PA69 PC02 QA02 QA03 QA06 QA13 QA18 QA24 QA27 QA34 QA38 QB16 SA01 SA21 SA31 SA79 UA01 VA02 VA04 WA07 4J026 AA43 AA48 BA25 BA27 BA28 BA29 BA30 BA32 BA40 BB09 DA02 DA07 DB02 DB07 DB08 DB36 FA01 GA06 4L031 AA17 AB04 CB09 DA08 4L035 BB01 BB21 BB22 DD14 EE05 FF01 FF04 GG01 GG06 JJ20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸及び/またはその塩を主体と
    する水溶性単量体とそのポリマーと水とからなるプレポ
    リマーと、光重合開始剤と、架橋性単量体とからなる混
    合物を細孔から押し出し、得られる繊維状プレポリマー
    に紫外線照射をなし、前記水溶性単量体と前記架橋性単
    量体とを重合させ、前記繊維状プレポリマーを硬化する
    ことを特徴とする繊維状吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記架橋性単量体として、1分子中にラ
    ジカル重合性基を複数個有する架橋性単量体と、1分子
    中に反応性官能基を複数個有する架橋性単量体とを併用
    することを特徴とする請求項1記載の繊維状吸水性樹脂
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記繊維状プレポリマーに対する紫外線
    照射における照射強度が1〜10,000mW/cm
    あることを特徴とする請求項1または2記載の繊維状吸
    水性樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水溶性単量体と架橋性単量体との
    重合反応が、不活性ガス雰囲気中において反応温度5〜
    95℃で行われることを特徴とする請求項1、2、また
    は、3記載の繊維状吸水性繊維の製造方法。
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