JP4324055B2 - 表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
吸水性樹脂に望まれる特性として、高吸収倍率、優れた吸収速度、高いゲル強度、基材から水を吸いあげるための優れた吸引力等が挙げられる。しかしながら、これら特性の間の関係は必ずしも正の相関を示さず、特に、吸収倍率と吸収速度、ゲル強度、吸引力等とは相反する関係にある。例えば、吸収倍率が向上すると、液体に接した場合にいわゆる「ママコ」を形成してしまい、吸水性樹脂粒子全体に水が拡散せず、吸収速度等を極端に低下させてしまう。
吸水性樹脂表面をある特定の架橋剤を用いて処理し、その表面部分の架橋密度を高める方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
これらの方法において用いる架橋剤としては、多価アルコール類、多価グリシジルエーテル類、ハロエポキシ化合物類、多価アルデヒド類、多価アミン類、多価金属塩類等が挙げられる。しかしながら、従来よく用いられる架橋剤の中には、安全性、皮膚刺激性において問題がある架橋剤が多く(例えば、多価グリシジルエーテル類など)、表面処理した吸水性樹脂がおむつ等の衛生材料に使用されることを考えると、吸水性樹脂表面にこのような架橋剤が残存している場合に安全性等の面で大きな問題となる。一方、従来よく用いられる架橋剤の中には、安全性等の面で問題が比較的少ない架橋剤(例えば、多価アルコール類など)も存在するが、このような架橋剤を用いた場合、架橋剤の反応性が低いために、反応温度を高温(場合によっては長時間)とすることが必要となり、高温とする場合に昇温や降温という操作も必要となるため、多くのエネルギーが必要となるという問題があった。
しかしながら、表面処理のための反応温度が依然として高いため、多くのエネルギーが必要となる点で問題が残っていた。
ところが、活性エネルギー線を粒子状吸水性樹脂に照射して表面処理を行ったところ、条件によって、吸水性樹脂表面全体にわたっての均一で架橋密度の高い表面処理が発現できないという問題が生じた。
そこで本発明者は、さらに鋭意検討した結果、活性エネルギー線を粒子状吸水性樹脂に照射して表面処理する際に、照射する粒子状吸水性樹脂を流動させた状態にしておけば、吸水性樹脂表面全体にわたっての均一で架橋密度の高い表面処理が発現できることを見出した。
すなわち、本発明にかかる表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法は、ラジカル重合性化合物(ただし、R 1 基がエチレン性不飽和基である下記の式IVで示される化合物を除く。)および水を含む処理液をベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂に添加した後に、当該粒子状吸水性樹脂を流動させながら活性エネルギー線を照射して表面処理することを特徴とする。
式IV
(上記式中、nは0又は1であり、R 2 は1個〜100個の炭素原子を有する有機基であり、有機基は最大49個の酸素原子によって中断されていてもよく、R 3 は水素原子またはメチルである。そして、スペーサー基Sは有機基およびポリマー基からなる群から選択される。)
〔ベースポリマー〕
本発明においては、表面処理を行う粒子状吸水性樹脂をベースポリマーと称する。
ベースポリマーは、重合体に架橋構造を導入した水膨潤性架橋重合体であり、その水膨潤性とは、必須に無荷重下で自重の3倍以上、好ましくは5〜200倍、より好ましくは20〜100倍という多量の生理食塩水を吸収できる能力をいう。
ベースポリマーを製造するために用いる水溶性エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、等のアニオン性単量体やその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等のノニオン性親水基含有単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、等のアミノ基含有不飽和単量体やそれらの4級化物;等を挙げることができ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。好ましくは、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、これらの塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、(メタ)アクリルアミドであり、特に好ましくは、アクリル酸および/またはその塩である。
ベースポリマーを製造する際には、本発明の効果を損なわない範囲で、水溶性エチレン性不飽和単量体以外の単量体成分、例えば、炭素数8〜30の芳香族エチレン性不飽和単量体、炭素数2〜20の脂肪族エチレン性不飽和単量体、炭素数5〜15の脂環式エチレン性不飽和単量体、アルキル基の炭素数4〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの疎水性単量体を使用してもよいが、全単量体成分中の水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
ベースポリマーは、内部架橋されたものが好ましい。ベースポリマーは、架橋剤を使用せずに得られる自己架橋型のものより、一分子内に2個以上の重合性不飽和基及び/又は2個以上の反応性官能基を有する架橋剤をベースポリマーのゲル強度が所望の基準に達する範囲で必要最少量用いて得られるものが望ましい。
これらの架橋剤としては、特に限定されず、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、(メタ)アクリル酸多価金属塩、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。これらの架橋剤は2種以上を併用してもよい。
ベースポリマーを得るには、水溶性ラジカル重合開始剤を用いて前記水溶性エチレン性不飽和単量体を必須に含む単量体成分を重合すればよい。
使用できる水溶性ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、等のハイドロパーオキサイド;2,2´−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩等のアゾ化合物;等が挙げられ、さらに、これら水溶性ラジカル重合開始剤に、亜硫酸塩やL−アスコルビン酸第2鉄塩等の還元剤を組み合わせてレドックス系開始剤として用いてもよい。
重合によって得られた含水ゲル状重合体は、好ましくは乾燥の後に粉砕され、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂とする。
前記乾燥は、例えば、熱風乾燥機などの乾燥機を用い、好ましくは100〜220℃、より好ましくは120〜200℃で乾燥させる。
得られたベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂は、そのまま表面処理に用いてもよいが、好ましくは、粒径850μm以下の粒子が全体の70質量%以上となるように分級したものであり、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは実質的に100質量%である。
〔表面処理〕
本発明の製造方法においては、ラジカル重合性化合物を含む処理液をベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂に添加した後に、当該粒子状吸水性樹脂を流動させながら活性エネルギー線を照射して表面処理する。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合は、処理液に重合開始剤が含まれることが好ましい。処理液に含まれる重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾ化合物等の光分解型重合開始剤が挙げられる。また、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;アゾニトリル化合物、アゾアミジン化合物、環状アゾアミジン化合物、アゾアミド化合物、アルキルアゾ化合物、2,2´−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩などのアゾ化合物;等の熱分解型重合開始剤を併用してもよい。さらに、これら重合開始剤に、亜硫酸塩、L−アスコルビン酸(塩)等の還元剤を組み合わせて用いてもよい。
本発明において用いることができるラジカル重合性化合物としては、例えば、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂の製造に使用できる架橋剤など、一分子内に2個以上の重合性不飽和基及び/又は2個以上の反応性官能基を有する化合物や、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂の製造に使用できる水溶性エチレン性不飽和単量体が挙げられる。
本発明の製造方法で用いる処理液は、好ましくは、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂の製造に使用する水溶性エチレン性不飽和単量体として例示したものから選ばれる少なくとも1種、および/または、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂の製造に使用する架橋剤として例示したものから選ばれる少なくとも1種を含む。このような処理液を用いることにより、従来からの安全性、皮膚刺激性の問題が解消される。
本発明の製造方法で用いる処理液は、水を含有した状態で用いることが好ましい。前記処理液中の水の濃度は、広い範囲にわたって選択が可能であるが、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。
このような界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアシルエステル、ショ糖脂肪酸エステル、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルポリオキシエチレンサルフェート塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、等が例示でき、水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、等を挙げることができる。これらの界面活性剤や水溶性高分子を使用する場合、処理液全量に対して、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜10質量%で使用するのがよい。
混合方法は特に限定されないが、通常の混合機、例えばV型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、回転円板型混合機、気流型混合機、バッチ式ニーダー、連続式ニーダー、パドル型混合機等を用いて、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂に処理液を混合する方法が挙げられる。
添加の際の温度は特に限定されないが、好ましくは0〜120℃、より好ましくは0〜60℃、さらに好ましくは10〜40℃である。
活性エネルギー線を照射する際に粒子状吸水性樹脂を流動させておく方法としては、例えば、振動型混合機、振動フィダー、リボン型混合機、円錐型リボン型混合機、スクリュー型混合押出機、気流型混合機、バッチ式ニーダー、連続式ニーダー、パドル型混合機、高速流動式混合機、浮上流動式混合機等を用いる方法が挙げられる。
活性エネルギー線を照射して表面処理する際の処理温度は、従来の表面処理温度よりも低く設定でき、好ましくは60℃未満、より好ましくは0〜55℃、さらに好ましくは5〜50℃、特に好ましくは10〜40℃である。また、乾燥などのために、必要に応じて、粒子状吸水性樹脂を、活性エネルギー線照射後に50〜250℃の温度で加熱処理してもよい。
〔表面処理された粒子状吸水性樹脂〕
本発明の製造方法によって得られる表面処理された粒子状吸水性樹脂は、吸水性樹脂表面全体にわたっての均一で架橋密度の高い表面処理が発現できており、吸水性樹脂に望まれる特性、例えば、吸収倍率、吸収速度、ゲル強度、吸引力を極めて高いレベルとすることができる。
本発明の製造方法によって得られる表面処理された粒子状吸水性樹脂は、その加圧下吸収倍率(AAP)が、4.9kPaにおいて、好ましくは10g/g以上、より好ましくは12g/g以上、さらに好ましくは14g/g以上、さらに好ましくは15g/g以上、さらに好ましくは17g/g以上、特に好ましくは20g/g以上である。
本発明の製造方法によって得られる表面処理された粒子状吸水性樹脂は、吸水性樹脂の製造時に発生する微粉の造粒効果が大きいため、その粒度分布は表面処理前に比べて高粒度側へシフトする。シフトする割合は、処理液の種類や量、さらに処理液を水溶液とした場合は水の比率、活性エネルギー線の照射条件、照射時の流動のさせかたなどにより変化する。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
<自由膨潤倍率(GV)>
吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、大過剰(通常は500mL)の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に室温(25±2℃)で浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の質量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用いないで行い、その時の袋の質量W2(g)を測定した。そして、W1、W2から、次式によって自由膨潤倍率(GV)(g/g)を算出した。
<加圧下吸収倍率(AAP)>
内径60mmのプラスチックの支持円筒の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)を融着させ、室温(25±2℃)、湿度50RH%の条件下で、金網上に粒子状吸水性樹脂0.9gを均一に散布し、その上に、粒子状吸水性樹脂に対して、4.9kPaの荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒の内壁面との間に隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストンと荷重とをこの順に載置して、この測定装置一式の質量Wa(g)を測定した。
測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で所定時間吸収させた。この吸収時間は、測定開始から算出して、1時間後とした。具体的には、1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その質量Wb(g)を測定した。この質量測定はできるだけすばやく、かつ振動を与えないように行わなくてはならない。そして、Wa、Wbから、次式によって加圧下吸収倍率(AAP)(g/g)を算出した。
<表面処理品の吸水時の安定性>
表面処理品の中で比較的大きい粒子(凝集体)を光学顕微鏡(ニコン、MICROFLEX UFX−II)下に置き、拡大倍率を20倍に設定した。次に、水を添加して、膨潤過程で凝集体がその構成粒子に分かれるかを観察した。さらに、必要に応じて、針を用いて、凝集体をその構成粒子に分ける試みを行い、分かれやすさを調べた。
<粒度分布>
表面処理前および表面処理後の吸水性樹脂10gを直径75mm、目開き850μm、600μm、300μmのテストふるい(IIDA製作所製)で篩い分けし、それぞれの質量を測定し、各粒度の質量%を求めた。篩い分けは、IIDA製作所製のSIEVE SHAKER ES−65型を用いて5分間振とうすることにより行った。
2本のシグマ型ブレードを備えたニーダーに、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸、および水からなるアクリル酸塩系単量体水溶液(単量体濃度:38wt%、中和率:75モル%)を調製し、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=8)を前記単量体に対して0.05モル%となるように溶解させた。
次に、この水溶液に窒素ガスを吹き込むことで、水溶液中の酸素濃度を低減させるとともに、反応容器内全体を窒素置換した。続いて、2本のシグマ型ブレードを回転させながら、重合開始剤として、0.05モル%(対単量体)の過硫酸ナトリウムおよび0.0006モル%(対単量体)のL−アスコルビン酸を添加し、ニーダー内で攪拌重合を行い、40分後に、平均粒子径2mmの含水ゲル状重合体を得た。
得られたベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂(A)の各種評価結果を表1に示した。
また、得られたベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂(A)の粒度分布を表2に示した。
製造例1で得られたベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂(A)100gに、ポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=8)0.20g、アクリル酸ナトリウム2.6g、アクリル酸0.8g、水5.4g、過硫酸ナトリウム0.005g、イルガキュア184(チバ・スペシャルティケミカルズ製)0.036gを予め混合した処理液を添加して混合した。
次いで、混合物10gを、Minishaker(IKA Works,Inc.製、MS1S1)にセットし、600回/分で振動攪拌しながら、紫外線照射装置(Toshiba製、TOSCUR401)を用いて、照射強度4mW/cm2で20分間、室温でUVを照射し、表面処理された粒子状吸水性樹脂(1)を得た。
〔実施例2〕
ポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=8)1.0g、アクリル酸ナトリウム2.6g、アクリル酸0.8g、水4.6g、過硫酸ナトリウム0.007g、0.044gのイルガキュア184を予め混合した処理液を使用する以外は実施例1と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(2)を得た。
得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(2)の各種評価結果を表1に示した。
〔実施例3〕
ポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=8)0.20g、アクリル酸ナトリウム2.6g、アクリル酸0.8g、水5.4g、過硫酸ナトリウム0.005g、イルガキュア2959(チバ・スペシャルティケミカルズ製)0.036gを予め混合した処理液を使用する以外は実施例1と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(3)を得た。
また、得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(3)の粒度分布を表2に示した。
〔実施例4〕
トリメチロールプロパントリアクリレート0.20g、アクリル酸ナトリウム2.6g、アクリル酸0.8g、水5.4g、過硫酸ナトリウム0.005g、0.036gのイルガキュア184を予め混合した処理液を使用する以外は実施例1と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(4)を得た。
得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(4)の各種評価結果を表1に示した。
トリメチロールプロパントリアクリレート1.0g、アクリル酸ナトリウム2.6g、アクリル酸0.8g、水4.6g、過硫酸ナトリウム0.007g、0.044gのイルガキュア184を予め混合した処理液を使用する以外は実施例1と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(5)を得た。
得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(5)の各種評価結果を表1に示した。
〔実施例6〕
トリメチロールプロパントリアクリレート1.2g、アクリル酸3.9g、水3.9g、過硫酸ナトリウム0.008g、0.051gのイルガキュア184を予め混合した処理液を使用する以外は実施例1と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(6)を得た。
〔実施例7〕
製造例1で得られたベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂(A)500gを2本のシグマ型ブレードを備えた容量2Lのバッチ式ニーダに入れ、ブレード回転数73rpmで吸水性樹脂を攪拌しながら、ポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=9)1.0g、アクリル酸ナトリウム10.0g、アクリル酸4.0g、水30g、過硫酸ナトリウム0.0225g、0.15gのイルガキュア2959を予め混合した処理液を滴下混合した。
得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(7)の各種評価結果を表1に示した。
〔実施例8〕
ポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=9)1.0g、アクリル酸ナトリウム10.0g、アクリル酸4.0g、水45g、過硫酸ナトリウム0.0225g、0.15gのイルガキュア2959を予め混合した処理液を使用する以外は実施例7と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(8)を得た。
〔実施例9〕
製造例1で得られたベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂(A)1000gをレーディゲミキサー(株式会社マツボー製、タイプM20)に入れ、ミキサー回転数140rpm、チョッパー回転数500rpmで吸水性樹脂を攪拌しながら、ポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=9)2.0g、アクリル酸ナトリウム20.0g、アクリル酸8.0g、水90g、過硫酸ナトリウム0.045g、0.3gのイルガキュア2959を予め混合した処理液をスプレーで供給して吸水性樹脂と混合した。
得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(9)の各種評価結果を表1に示した。
また、得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(9)の粒度分布を表2に示した。
〔実施例10〕
ポリエチレングリコールジアクリレート(付加モル数:n=4)2.0g、アクリル酸ナトリウム20.0g、アクリル酸8.0g、水90g、過硫酸ナトリウム0.045g、0.30gのイルガキュア2959を予め混合した処理液を使用する以外は実施例9と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(10)を得た。
〔実施例11〕
2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン(新中村化学工業株式会社製、701A)0.8g、アクリル酸ナトリウム20.0g、アクリル酸8.0g、水90g、過硫酸ナトリウム0.045g、0.30gのイルガキュア2959を予め混合した処理液を使用する以外は実施例9と同様にして、表面処理された粒子状吸水性樹脂(11)を得た。
得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(11)の各種評価結果を表1に示した。
製造例1で得られたベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂(A)100gに、1,4−ブタンジオール0.32g、プロピレングリコール0.5g、水2.73gを予め混合した処理液を添加して混合した。
次いで、混合物10gを、212℃で20分間加熱処理することにより、表面処理された粒子状吸水性樹脂(c1)を得た。
得られた表面処理された粒子状吸水性樹脂(c1)の各種評価結果を表1に示した。
〔比較例2〕
実施例1と同様にして得られた、処理液を添加混合した粒子状吸水性樹脂10gをバット上に広げ、スパチュラで時々混合しながら、実施例1と同じ条件でUVを照射したところ、粒径数ミリメートル以上の造粒物を含む不均一な凝集体となった。この凝集体を目開き1000μmのテストふるい(IIDA製作所製)に全量通して、表面処理された粒子状吸水性樹脂(c2)を得た。
Claims (10)
- 前記処理液が重合開始剤を含む、請求項1に記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- 前記処理液が、一分子内に2個以上の重合性不飽和基及び/又は2個以上の反応性官能基を有する化合物を含む、請求項1または2に記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂の固形分に対し、ラジカル重合性化合物を1〜9質量%の割合で用いる、請求項1から3までのいずれかに記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- 前記処理液が、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂の製造に使用した水溶性エチレン性不飽和単量体から選ばれる少なくとも1種、および/または、ベースポリマーとしての粒子状吸水性樹脂の製造に使用した架橋剤から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1から4までのいずれかに記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- 表面処理された粒子状吸水性樹脂の4.9kPaでの加圧下吸収倍率が10g/g以上である、請求項1から5までのいずれかに記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- 粒子状吸水性樹脂が、ラジカル重合可能な水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度が80質量%以上である単量体成分を重合させることによって得られるものである、請求項1から6までのいずれかに記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- 水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸および/またはその塩である、請求項7に記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- 前記処理液に含まれるラジカル重合性化合物の量が、粒子状吸水性樹脂の固形分に対して1〜9質量%である、請求項1から8までのいずれかに記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
- 前記処理液中の水の濃度が、20質量%以上である、請求項1から9までのいずれかに記載の表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法。
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