JP2003073797A - シャドウマスクの酸化処理方法 - Google Patents
シャドウマスクの酸化処理方法Info
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Abstract
錆)を優先的かつ短時間にシャドウマスクに形成するシ
ャドウマスクの酸化処理方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】シャドウマスクを内径50mmの加熱炉内
に固定し、まず、露点を50℃としたN2ガスを流しつ
つ600℃で15分間加熱処理を行い、さらに、炉内雰
囲気の組成比が、CO/CO2及びH2/H2O値が、
0.01〜1.0になるように、ガス流量をCO2ガ
ス:1.2リットル/分、COガス:0.15リットル
/分、H2ガス:0.05リットル/分及びN2ガス:
7.6リットル/分とし、露点を50℃とした混成ガス
を流しつつ、600℃で15分間加熱処理を行う。
Description
ーター等のディスプレーのブラウン管中に用いられるシ
ャドウマスクの処理方法に関するものである。
グすることにより製造されている。金属薄板は、鉄材、
鉄−ニッケル合金材、鉄−ニッケル−コバルト合金材が
用いられている。いずれの場合でも鉄が材料の主成分で
ある為、輸送や保管の際に多湿な環境であったりする
と、錆が生じるという問題がある。鉄の酸化物には、F
e2O3、Fe3O4、FeO等がある。中でも、Fe2O3
(赤錆)は、材料との密着力が弱い為、シャドウマスク
がブラウン管に用いられた時に、赤錆がブラウン管内部
で脱落し、シャドウマスク開孔部の目詰まりを起こすこ
とがある。これを防止する為に、Fe2O3(赤錆)を発
生させない様に、脱落しにくい安定な酸化膜であるFe
3O4(黒錆)を優先的にシャドウマスクに形成させる対
策(黒化処理)が採択されている。また、シャドウマス
クは、ブラウン管内で不必要な電子を遮る働きを行う
が、この時、シャドウマスクが温度上昇し、熱膨張して
しまい、画像の色ムラを起こすことがある。上記温度上
昇を防止する為に、熱輻射効率の高いFe3O4(黒錆)
をシャドウマスクに形成させる対策(黒化処理)が採択
されている。
えば、特開昭64−3492号公報に開示されているよ
うに、従来の処理条件として、CO2、COの混合ガス
中で約580℃に加熱すると記載されており、発熱型変
性ガス雰囲気中で500℃を超える温度で加熱するのが
一般的である。
件により黒化処理を行うと、黒化膜として要求される熱
輻射率≧0.6を得る為に、50分以上の工業的には長
い処理時間を必要とするという問題を有する。また、混
合ガスの組成によっては、Fe2O3(赤錆)が発生する
という問題がある。
で、脱落しにくい安定な酸化膜であるFe3O4(黒錆)
を優先的かつ短時間にシャドウマスクに形成するシャド
ウマスクの酸化処理方法を提供することを目的とする。
を達成するために、まず、請求項1においては、シャド
ウマスクを不活性ガスと水蒸気を含む雰囲気下で加熱処
理する工程と、不活性ガスとH2、H2O、CO及びCO
2を含む雰囲気下で加熱処理する工程とを備えているこ
とを特徴とするシャドウマスクの酸化処理方法としたも
のである。
スとH2、H2O、CO及びCO2を含む雰囲気でのH2/
H2O及びCO/CO2値の少なくとも一方が0.01〜
1.0であることを特徴とする請求項1記載のシャドウ
マスクの酸化処理方法としたものである。
熱処理を450℃〜650℃で行うことを特徴とする請
求項1または請求項2記載のシャドウマスクの酸化処理
方法としたものである。
理方法は、シャドウマスクにFe3O4(黒錆)を優先的
に短時間に形成させる方法で、この技術を利用すること
により、Fe 2O3(赤錆)を含まない脱落しにくいFe
3O4(黒錆)からなる黒化膜をシャドウマスク上に優先
的に短時間にできることが判明した。具体的には、シャ
ドウマスクを酸化力の強い不活性ガスと水蒸気を含む雰
囲気下で加熱処理し、Fe2O3(赤錆)を含むが、短時
間で要求熱輻射率を得る工程と、上記雰囲気中で加熱さ
れたシャドウマスクを、不活性ガスと酸化性ガス及び還
元性ガスを含む雰囲気下で加熱処理することによって、
Fe2O3 (赤錆)をFe3O4(黒錆)に変化させ、F
e2O3 (赤錆)を含まない脱落しにくいFe3O4(黒
錆)のみをシャドウマスク上に優先的に短時間に形成す
る方法である。
マスクを不活性ガスと水蒸気を含む雰囲気下で加熱処理
し、さらに、不活性ガスとH2、H2O、CO及びCO2
を含む雰囲気下で加熱処理することにより、短時間で要
求熱輻射率を有するFe3O4(黒錆)からなる黒化膜を
シャドウマスク表面に形成するようにしたものである。
とH2、H2O、CO及びCO2を含む雰囲気の組成比で
あるCO/CO2及びH2/H2O値の少なくとも一方が
0.01〜1.0になるようにしたものである。ここ
で、CO/CO2値が0.01未満になると、シャドウ
マスクを加熱した際に、赤錆(Fe2O3)が発生してし
まう場合があり、1.0以上になると、FeOが発生し
てしまう場合がある。FeOは、化学的に不安定であ
り、Fe2O3(赤錆)に変化する可能性がある為、Fe
Oが発生した状態は好ましくない。また、H2/H2O値
が0.01未満になると、シャドウマスクを加熱した際
に、Niが酸化してしまう場合があり、1.0以上にな
ると、FeOが発生してしまう場合がある。この様な理
由から、CO/CO2及びH2/H2O値の両方が0.0
1〜1.0であることが更に好ましい。
450℃〜650℃で行うようにしたものである。45
0℃以下の温度では、処理に時間を要することになり、
650℃以上では、FeOが発生してしまう場合があ
る。その為、550℃〜600℃で行うことがより好ま
しい。
まず、処理すべきシャドウマスクとして、例えば、Ni
=38%、Si=0.05%、Cr=0.10%、S=
0.003%C=0.010%、P=0.005%、A
l=0.030%、Mn=0.40%(重量比)及び残部
Feの材料組成比からなるシャドウマスクを準備した。
の加熱炉内に固定し、まず、露点を50℃としたN2ガ
スを流しつつ600℃で15分間加熱処理を行い、さら
に、炉内雰囲気の組成比が、CO/CO2及びH2/H2
O値が、0.01〜1.0になるように、ガス流量をC
O2ガス:1.2リットル/分、COガス:0.15リ
ットル/分、H2ガス:0.05リットル/分及びN2ガ
ス:7.6リットル/分とし、露点を50℃とした混成
ガスを流しつつ、600℃で15分間加熱処理を行っ
た。この混合ガスは、組成比にすると、CO2=11.
8%、H2O=11.8%、CO=1.5%、H2=0.
5%、N2=74.4%というものであった。
化膜の熱輻射率の測定結果を表1に示す。表1からも分
かるように本発明の酸化処理法で形成した黒化膜の熱輻
射率は熱処理時間30分で0.64が得られた。比較例
として、一般的に行われている発熱型変性ガスにて処理
してシャドウマスク表面に形成した黒化膜の熱輻射率の
測定結果も表1に併せて示す。一般的に行われている発
熱型変性ガスによる処理は所望の熱輻射率(0.6以
上)を得るのに50分の処理時間を要した。
化膜のX線回折による構造解析結果を図1に示す。上記
実施例で得られたシャドウマスクの黒化膜には、Fe2
O3(赤錆)の(104)面(2θ=33.151°)
のピークが無く、Fe3O4(黒錆)の(311)面(2
θ=35.421°)のピーク、Fe3O4(黒錆)の
(440)面(2θ=62.512°)及びFe3O
4(黒錆)の(220)面(2θ=30.093°)の
ピークが存在していることを示している。
着した後、Fe3O4(黒錆)から粘着テープを剥離した
結果Fe3O4(黒錆)の粘着テープへの付着は見られな
かった。酸化処理で形成されたFe3O4(黒錆)が脱落
しにくいことが確認された。
により、シャドウマスクにFe3O4(黒錆)からなる黒
化膜を優先的に短時間に形成させることが可能となる。
これにより、Fe2O3(赤錆)を含まず、脱落しにくい
安定な酸化膜であるFe3O4(黒錆)を優先的にシャド
ウマスクに形成し、Fe2O3(赤錆)の粉によるシャド
ウマスクの目詰まりを防止でき、かつ、熱輻射率の要求
を満たしたFe 3O4(黒錆)からなる黒化膜を従来の6
割程度の時間(30分間)で形成できる。
形成した黒化膜のX線回折による構造解析結果を示す説
明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】シャドウマスクを不活性ガスと水蒸気を含
む雰囲気下で加熱処理する工程と、不活性ガスとH2、
H2O、CO及びCO2を含む雰囲気下で加熱処理する工
程とを備えていることを特徴とするシャドウマスクの酸
化処理方法。 - 【請求項2】前記不活性ガスとH2、H2O、CO及びC
O2を含む雰囲気でのH2/H2O及びCO/CO2値の少
なくとも一方が0.01〜1.0であることを特徴とす
る請求項1記載のシャドウマスクの酸化処理方法。 - 【請求項3】前記加熱処理を450℃〜650℃で行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシャド
ウマスクの酸化処理方法。
Priority Applications (1)
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JP2001261311A JP4876351B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | シャドウマスクの酸化処理方法 |
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JP2007224371A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 含Crニッケル基合金管の製造方法 |
JP2007224372A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 含Crニッケル基合金管の製造方法 |
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- 2001-08-30 JP JP2001261311A patent/JP4876351B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4702096B2 (ja) * | 2006-02-24 | 2011-06-15 | 住友金属工業株式会社 | 含Crニッケル基合金管の製造方法 |
JP4702095B2 (ja) * | 2006-02-24 | 2011-06-15 | 住友金属工業株式会社 | 含Crニッケル基合金管の製造方法 |
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