JP2003073328A - アクリル酸の精製方法 - Google Patents

アクリル酸の精製方法

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JP2003073328A
JP2003073328A JP2002246411A JP2002246411A JP2003073328A JP 2003073328 A JP2003073328 A JP 2003073328A JP 2002246411 A JP2002246411 A JP 2002246411A JP 2002246411 A JP2002246411 A JP 2002246411A JP 2003073328 A JP2003073328 A JP 2003073328A
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Kyosuke Kawasaki
恭輔 河崎
Hiroshi Yoshimura
博 吉村
Osamu Moriya
修 守谷
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気相接触酸化法アクリル酸を重合物の生成を
抑制し、重合物による性能低下や閉塞を引き起こすこと
なく、また装置を腐食させることなく精製しうる方法を
提供することを目的とする。 【構成】 気相接触酸化法アクリル酸にヒドラジン化合
物およびジチオカルバミン酸銅を添加した後、ステンレ
ス鋼製の蒸留装置を用い、蒸留温度が100℃以下、滞
留時間が5時間以下、蒸留缶液中のジチオカルバミン酸
銅濃度が1重量%以下で蒸留することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル酸の精製
方法に関する。更に詳しくは気相接触酸化法アクリル酸
を蒸留により精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸を気相接触酸化により製造す
る方法は工業的製法としてよく知られた方法であるが、
製造工程においてフルフラール、ベンズアルデヒド等の
アルデヒド類やアセトン等のケトン類等が副生すること
が知られている。
【0003】近年アクリル酸は紙おむつ等の吸水性樹脂
用原料としてその需要が増加しつつあるが、かかる用途
においては高純度のものが要求されている。このため工
業的には蒸留によるアクリル酸の精製が行われる。しか
しながら上記した気相接触酸化によるアクリル酸中の不
純物、特にフルフラールは通常の蒸留による除去が困難
であり、かかる不純物を除去せずにアクリル酸重合体の
原料として用いると重合反応時に反応の遅延、重合度の
低下、重合物の着色等の問題が生じる。この問題を解決
するために、アクリル酸の蒸留に際してヒドラジン化合
物を添加する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方法は前記不純物
の除去に関しては効果があるものの、蒸留時にアクリル
酸の重合を引き起こすという問題がある。重合物の生成
は、蒸留塔リボイラー伝熱面への付着による伝熱性能の
低下をもたらすばかりでなく、蒸留塔の能力低下や蒸留
塔内での閉塞を引き起こすことにもなりかねないので、
かかる重合物の生成を抑制しうる方法が望まれていた。
本発明の目的は気相接触酸化法アクリル酸を重合物の生
成を抑制しつつ効率的に精製しうる方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、気相接触
酸化法アクリル酸の精製方法について鋭意検討を行った
ところ、気相接触酸化法アクリル酸にヒドラジン化合物
およびジチオカルバミン酸銅を添加した後、蒸留する方
法が上記の目的を達成しうること、さらに検討を加えて
蒸留装置を腐食することなく精製しうることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、気相接触酸化法アクリ
ル酸にヒドラジン化合物およびジチオカルバミン酸銅を
添加した後、ステンレス鋼製の蒸留装置を用い、蒸留温
度が100℃以下、滞留時間が5時間以下、蒸留缶液中
のジチオカルバミン酸銅濃度が1重量%以下で蒸留する
ことを特徴とするアクリル酸の精製方法に関するもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明において使用されるアクリル酸は、プロピレンおよ
び/またはアクロレインを気相接触酸化することによっ
て得られたいわゆる気相接触酸化法アクリル酸であり、
通常は不純物として、製造工程において副生するフルフ
ラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類やアセトン
等のケトン類等を含むものである。
【0008】ヒドラジン化合物としては、例えば、抱水
ヒドラジン、フェニルヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩
酸ヒドラジン等をあげることができる。ヒドラジン化合
物の添加量は、不純物量等により左右されるので一概に
限定されないが、通常アクリル酸に対して約50ppm
〜5000ppm、好ましくは約200ppm〜300
0ppmである。これによりアクリル酸中に含まれる、
アクリル酸を重合反応の原料として用いたときに悪影響
を与える前記不純物、特に蒸留時アクリル酸に同伴しや
すいフルフラールを除くことができる。
【0009】用いられるジチオカルバミン酸銅として
は、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカ
ルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブ
チルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバ
ミン酸銅、エチレンジチオカルバミン酸銅、テトラメチ
レンジチオカルバミン酸銅、ペンタメチレンジチオカル
バミン酸銅、ヘキサメチレンジチオカルバミン酸銅等の
環状アルキレンジチオカルバミン酸銅、オキシジエチレ
ンジチオカルバミン酸銅等の環状オキシジアルキレンジ
チオカルバミン酸銅などを挙げることができる。入手性
の点ではジアルキルジチオカルバミン酸銅が好ましい。
【0010】ジチオカルバミン酸銅の添加量は、不純物
量等により左右されるので一概に限定されないが、アク
リル酸に対して通常約1〜100ppm、好ましくは約
5ppm〜80ppm、更に好ましくは約10ppm〜
50ppmである。ジチオカルバミン酸銅の量が過少な
場合には特に蒸留初期時の重合防止の効果が十分ではな
い。過度の添加は重合防止効果上は特に問題はないが、
蒸留時に缶液中のジチオカルバミン酸銅濃度が高くなり
すぎることによる装置の腐食を起こすおそれがあるので
好ましくない。
【0011】ヒドラジン化合物、ジチオカルバミン酸銅
の添加方法は特に制限されるものではないが、例えば、
それぞれを直接アクリル酸に添加する方法や、適当な有
機溶剤にそれぞれまたはその両方を溶解して添加する方
法を挙げることができる。その添加温度も適宜決めるこ
とができる。これらは例えばアクリル酸製造直後に添加
することもできるが、蒸留を行う直前に添加することが
好ましく、工業的には蒸留装置へ供給されるアクリル酸
の供給原液中や蒸留によって蒸留缶液側に還流される液
中に溶解させて供給するのが通常である。
【0012】また、本発明においてはヒドラジン化合
物、ジチオカルバミン酸銅の他にフェノール化合物を添
加すると、さらに本発明の効果が向上するので好まし
い。用いられるフェノール化合物としては、フェノー
ル、ハイドロキノン、メトキノン(p−メトキシフェノ
ール)、カテコール、クレゾール等を挙げることができ
る。
【0013】フェノール化合物の添加量は、不純物量等
により変わりうるが、通常アクリル酸に対して約10p
pm〜500ppm、好ましくは約50ppm〜300
ppmである。また、その他の添加物、たとえばフェノ
チアジン、マンガン塩等をさらに添加してもよい。これ
らの添加は前記と同様に行うことができる。
【0014】こうしてヒドラジン化合物およびジチオカ
ルバミン酸銅が添加されたアクリル酸は蒸留に付され、
不純物が除かれる。その方法は特に制限されるものでは
ないが、例えば単蒸留、精密蒸留等種々の方法が適用で
きる。具体的には特開昭49−30312号公報の実施
例に示された方法等を適用することができる。また該蒸
留は連続式、バッチ式のいずれにおいても適用される。
工業的には連続式が好ましい。
【0015】該蒸留における装置の接液面の材質は、例
えばSUS304、SUS316等のステンレス鋼など
を用いることができる。蒸留温度は100℃以下、好ま
しくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下であ
る。
【0016】アクリル酸の滞留時間は蒸留温度による
が、蒸留温度が80〜100℃の場合には通常5時間以
下、好ましくは3時間以下、さらに好ましくは1時間以
下である。蒸留温度が70〜80℃の場合には通常20
時間以下、好ましくは10時間以下、さらに好ましくは
5時間以下である。蒸留温度が70℃以下の場合には通
常40時間以下、好ましくは20時間以下、さらに好ま
しくは10時間以下である。また蒸留缶液の濃縮率は蒸
留の種類、蒸留温度および時間、不純物の種類および量
等により変わりうるが、通常はジチオカルバミン酸銅の
濃度を1重量%以下に保つように制御することが装置の
腐食防止の点で好ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、気相接触酸化法
アクリル酸の精製を、蒸留時の重合を防止しつつ効率的
に行うことができる。これにより気相接触酸化法アクリ
ル酸に含まれ、アクリル酸を重合反応の原料として用い
たときに悪影響を与える不純物を除くことができ、その
工業的価値は大きい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために実施
例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 不純物としてフルフラール200ppmを含む粗アクリ
ル酸1kgに、ジブチルジチオカルバミン酸銅を20p
pm(対粗アクリル酸)および抱水ヒドラジンを0.1
重量%(対粗アクリル酸)になるように添加し、エバポ
レータを用い、50Torr、69℃で真空蒸留を実施
し、1時間で200倍に濃縮した。蒸留中および蒸留
後、釜液中に重合物の生成は殆ど認められなかった。ま
た、留出液中のフルフラールの分析を行ったところ、1
ppm以下であった。
【0019】実施例2〜5 ジブチルジチオカルバミン酸銅の添加量およびさらに加
える添加物の種類およびその添加量を表1に示す如く変
えた以外は、実施例1と同様に操作した。結果を表1に
示す。尚、添加量はいずれも粗アクリル酸に対する量で
ある。
【0020】
【表1】
【0021】比較例1〜5 ジブチルジチオカルバミン酸銅を添加せず、添加する添
加物の種類およびその添加量を表2に示す如く変えた以
外は、実施例1と同様に操作した。結果を表2に示す。
尚、添加量はいずれも粗アクリル酸に対する量である。
【0022】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守谷 修 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD11 AD30 AD41 BC50 BC51 BS10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相接触酸化法アクリル酸にヒドラジン
    化合物およびジチオカルバミン酸銅を添加した後、ステ
    ンレス鋼製の蒸留装置を用い、蒸留温度が100℃以
    下、滞留時間が5時間以下、蒸留缶液中のジチオカルバ
    ミン酸銅濃度が1重量%以下で蒸留することを特徴とす
    るアクリル酸の精製方法。
  2. 【請求項2】 蒸留温度が80℃以下、滞留時間が20
    時間以下である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 蒸留温度が70℃以下、滞留時間が40
    時間以下である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 フェノール化合物をさらに添加する請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 ジチオカルバミン酸銅がジメチルジチオ
    カルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプ
    ロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミ
    ン酸銅、エチレンジチオカルバミン酸銅、テトラメチレ
    ンジチオカルバミン酸銅、ペンタメチレンジチオカルバ
    ミン酸銅、ヘキサメチレンジチオカルバミン酸銅または
    オキシジエチレンジチオカルバミン酸銅である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 フェノール化合物がフェノール、ハイド
    ロキノン、メトキノン、カテコールまたはクレゾールで
    ある請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 ヒドラジン化合物が抱水ヒドラジン、フ
    ェニルヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジンで
    ある請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ヒドラジン化合物の添加量がアクリル酸
    に対して50〜5000ppmである請求項1記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 ジチオカルバミン酸銅の添加量がアクリ
    ル酸に対して1〜100ppmである請求項1記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 フェノール化合物の添加量がアクリル
    酸に対して10〜500ppmである請求項4記載の方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005051883A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Mitsubishi Chemical Corporation (メタ)アクリル酸の精製方法
JP2005179352A (ja) * 2003-11-28 2005-07-07 Mitsubishi Chemicals Corp (メタ)アクリル酸の精製方法

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WO2005051883A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Mitsubishi Chemical Corporation (メタ)アクリル酸の精製方法
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