JP2003072399A - 樹脂部品の溶着構造 - Google Patents

樹脂部品の溶着構造

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JP2003072399A JP2001271303A JP2001271303A JP2003072399A JP 2003072399 A JP2003072399 A JP 2003072399A JP 2001271303 A JP2001271303 A JP 2001271303A JP 2001271303 A JP2001271303 A JP 2001271303A JP 2003072399 A JP2003072399 A JP 2003072399A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本願発明の目的は、燃料タンクに接続される
樹脂部品からの燃料の漏れ、ならびに炭化水素ガスの透
過を防止してなる樹脂部品の溶着構造を提供すること。 【解決手段】 樹脂製のインナシェルと樹脂製のアウタ
シェルとを燃料透過防止層を介して積層してなる燃料タ
ンクと、該燃料タンクに取り付けられる樹脂部品との溶
着構造において、前記樹脂部品は、炭化水素に対する低
透過性樹脂で成形される本体と、該本体に固着される炭
化水素に対する低透過性パッキンと、前記本体の少なく
とも前記燃料タンクの接合部にインサート成形される樹
脂であって、前記燃料タンクと溶着可能な樹脂とからな
る樹脂部品の溶着構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、燃料タンクとの
取り付けを確実に行うとともに、燃料タンク内の燃料等
が流出することがない樹脂部品の溶着構造に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンク、特に自動車用の燃料タンク
では、走行中及び停車中にかかわらず周囲に放出される
炭化水素ガス量を抑えるため、燃料タンク系統の気密性
に関する要求が益々厳しくなっている。このように燃料
タンク系統全体の気密性に対する要請が更に厳しくなる
と、燃料タンクは勿論のこと、燃料タンクに直接乃至間
接的に取り付けられる各部品、即ち、例えば連結パイ
プ、弁部材、ポンプ、或いは濾過器等の取り付け箇所等
から漏洩する燃料の量を低減することは重要な課題とな
っている。
【0003】また、自動車は軽量化ならびに低コスト化
の要求も厳しくなっており、その燃料タンクもプラステ
ィック化が図られ、現在では、防錆ならびに軽量化等で
優れた高密度ポリエチレン樹脂からなるタンクが主流に
なっている。また、燃料タンクに直接乃至間接的に取り
付けられる各部品もそれに合わせて樹脂化が図られ、燃
料タンクとの取り付けを容易にするために、各部品の燃
料タンクとの取り付け部には、燃料タンクと同じ材質の
樹脂が用いられ、両者を熱溶着して接合する手段が採用
されるようになっている。
【0004】このような現状を踏まえ、燃料タンクなら
びに燃料タンクに取り付けられる各部品として以下に述
べるようなものが知られている。
【0005】即ち、燃料タンクは、軽量化等の要請で樹
脂を用いてブロー成形により一体成形されているとこ
ろ、その成形には、ブロー成形に適し、価格が安く、且
つ耐衝撃性に優れた高密度ポリエチレン樹脂(HDP
E)が用いられる。ところが、該高密度ポリエチレン樹
脂は、僅かではあるが、炭化水素ガスを透過することが
知られており、近年の環境汚染問題の高まりを受け、僅
かな透過であっても何等かの対策が望まれるようにな
り、その対策に答えるものとして、図12に示すような
燃料タンク壁の積層構造が提案されている。
【0006】この燃料タンクaは、基本的にはタンクの
内側部分を構成するインナシェルbと、タンクの外側部
分を構成するアウタシェルcと、両シェルb、c間に介
在される炭化水素ガスの透過を防止するバリア層dの3
層構造からなるが、該バリア層dと前記両シェルb、c
間には、更にそれぞれの樹脂の接着を確実にするための
接着層e,eが介在される5層構造からなる。
【0007】具体的には、前記インナシェルb及びアウ
タシェルcは、従来の高密度ポリエチレン樹脂を用い、
前記接着層e,eは、高密度ポリエチレン樹脂を高機能
化し、接着性を有する変性高密度ポリエチレン樹脂(接
着性を有するが、炭化水素ガスは透過する。)を用い、
前記バリア層dは、炭化水素ガスの透過を防止する樹
脂、例えば、株式会社クラレ製のEVOH樹脂(エバー
ル)等がある。このように燃料タンクでは、炭化水素ガ
ス対策はほぼ完璧に行われているといえる。
【0008】ところで、燃料タンクに取り付けられる部
品であって、軽量化ならびにその取り付けを確実に行
い、燃料の漏れを低減するものとして例えば特開平10
−71861号公報のものが知られている。このものを
図13に示す。この発明は、自動車が転倒等した時に燃
料タンクからの燃料の流出を防止する燃料流出防止弁に
関するものである。
【0009】即ち、この樹脂部品pは、弁筒部分q及び
取付部分rからなり、それぞれ材質の異なる2部材から
形成される。弁筒部分qは、剛性に富み、寸法精度よく
成形できるポリアセタール樹脂で形成され、取付部分r
に一体的にインサート成形される円盤部hと、燃料流出
防止弁fを収納する弁筒gとからなる。取付部分rは、
燃料タンクaと同じ材質の高密度ポリエチレン樹脂から
なり、燃料タンクaとの当接部には、フランジjが形成
されるとともに、該フランジjとの対向側には、接続パ
イプmに接続されるパイプ部kが形成される。そして弁
筒部分q及び取付部分rは、弁筒部分qの円盤部hを金
型内に入れ、取付部分rをインサート成形することによ
り両者q、rを一体成形し、樹脂部品pとして構成した
ものであり、燃料タンクaの開口i内に弁筒gを挿入
し、燃料タンクaの上面と取付部分rのフランジj下面
とを熱溶着により強固に固定したものである。
【0010】ところが、このものは、弁筒部分q及び取
付部分rは、異材の樹脂であるため、たとえ両者q、r
を一体成形したとしてもその後の使用による振動、温度
変化による収縮或いは経年変化等の原因により、両者
q、r間に隙間が生じる可能性がある。そして隙間が生
じるとこの弁が機能する自動車の転倒時等には、本来タ
ンク内の燃料の流出は遮断されるはずのところを燃料が
流出することが懸念される。
【0011】それとともに、前記取付部分rは、燃料タ
ンクaと同じ材質の高密度ポリエチレン樹脂から形成さ
れているため、炭化水素ガスが透過し、外部に放出され
てしまう。
【0012】また、樹脂部品が単なる接続パイプに関す
るものとして特開平6−270701号公報に記載され
るものが知られている。このものは図14に示すよう
に、接続パイプをポリアミド樹脂からなる第1の部材s
と、変性高密度ポリエチレン樹脂からなる第2の部材t
から形成され、該第2の部材tを変性高密度ポリエチレ
ン樹脂から形成することにより、フレキシブルなパイプ
が構成されるとともに、燃料タンクとの取り付けが容易
になる。更に、該第2の部材tは粘着性を有するため、
第1の部材sとの連結部wでの結合が向上するというよ
うに多くの利点を有するものである。
【0013】ところが、この発明のものにおいても第2
の部材tが高密度ポリエチレン樹脂から形成されるた
め、前記した従来例のものと同様な、第2の部材tから
炭化水素ガスが透過し、外部に放出されてしまう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の目的は、燃
料タンクに接続される樹脂部品からの燃料ならびに炭化
水素ガスの放出を防止してなる樹脂部品の溶着構造を提
供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明は、以下のような構成を採用してなる。
【0016】請求項1に係る発明においては、樹脂製の
インナシェルと樹脂製のアウタシェルとを燃料透過防止
層を介して積層してなる燃料タンクと、該燃料タンクに
取り付けられる樹脂部品との溶着構造において、前記樹
脂部品は、炭化水素に対する低透過性樹脂で成形される
本体と、該本体に固着される炭化水素に対する低透過性
パッキンと、前記本体の少なくとも前記燃料タンクの接
合部にインサート成形される樹脂であって、前記燃料タ
ンクと溶着可能な樹脂とからなる構成。
【0017】そしてこのような構成により、燃料タンク
と樹脂部品との固着が強固になる。更に、燃料の漏れ、
炭化水素ガスの透過が低減する。
【0018】請求項2に係る発明においては、前記パッ
キンは、前記インサート成形樹脂と同じ樹脂からなる止
めリングで固定される構成。そしてこのような構成によ
り、請求項1に係る発明の作用に加え、樹脂部品の本体
とインサート成形樹脂との界面とのシール性が向上する
ため、たとえパッキンを介在する界面より上流側の界面
に接合不良、或いは経年変化による剥離があり、燃料が
流出しようとしてもこのパッキンの設置箇所より下流側
への燃料の流出がなくなる。
【0019】請求項3に係る発明においては、前記パッ
キンを複数配置する構成。そしてこのような構成によ
り、請求項1、2に係る発明の作用をより確実にするこ
とができる。
【0020】請求項4に係る発明においては、前記本体
に凹凸部を設ける構成。そしてこのような構成により、
パッキンと凹凸部による総和的作用により、請求項1な
いし3に係る発明の作用を更により確実にすることがで
きる。
【0021】請求項5に係る発明においては、前記凹凸
部を前記燃料タンクとの接合部側の面に設けるととも
に、該凹部に前記パッキンを配置する構成。そしてこの
ような構成により、パッキンと凹凸部による相乗作用に
より、請求項4に係る発明の作用を更により確実にする
ことができる。
【0022】請求項6に係る発明においては、樹脂製の
インナシェルと樹脂製のアウタシェルとを燃料透過防止
層を介して積層してなる燃料タンクと、該燃料タンクに
取り付けられる樹脂部品との溶着構造において、前記樹
脂部品は、炭化水素に対する低透過性樹脂で成形される
本体と、該本体の燃料タンクとの接合部側の面に設けら
れ、前記燃料タンク取り付け時に前記燃料タンクのアウ
タシェルに挿入される突起部と、前記本体の少なくとも
前記燃料タンクの接合部にインサート成形される樹脂で
あって、前記燃料タンクと溶着可能な樹脂とからなる構
成。
【0023】そしてこのような構成により、燃料タンク
と樹脂部品との固着が強固になる。更に、燃料の漏れ、
炭化水素ガスの透過が低減するとともに、燃料タンクと
樹脂部品との接合面積を低減することができ、軽量化さ
れるとともに、生産コストが低減する。そして請求項1
に係る発明のパッキンような別体の部品を用いる必要が
ないためそれだけコストが低減する。
【0024】請求項7に係る発明においては、前記突起
部を前記燃料透過防止層の上面に積層される接着層にま
で挿入してなる構成。そしてこのような構成により、請
求項6に係る発明の作用に加え、突起部が接着層で接着
するため、そこでの界面が剥離することがなく、炭化水
素ガスの透過を低減し、また燃料の流出をより確実に防
止する。
【0025】請求項8に係る発明においては、前記突起
部を前記燃料透過防止層にまで挿入してなる構成。そし
てこのような構成により、請求項6,7に係る発明の作
用に加え、バリアー層まで突起部が伸びているため、界
面剥離による燃料の流出は勿論、炭化水素ガスの透過も
防ぐことができる。
【0026】請求項9に係る発明においては、樹脂製の
インナシェルと樹脂製のアウタシェルとを燃料透過防止
層を介して積層してなる燃料タンクと、該燃料タンクに
取り付けられる樹脂部品との溶着構造において、前記樹
脂部品は、炭化水素に対する低透過性樹脂で成形される
本体と、該本体に固着される炭化水素に対する低透過性
パッキンと、前記本体の燃料タンクとの接合部側の面に
設けられ、前記燃料タンク取り付け時に前記燃料タンク
のアウタシェルに挿入される突起部と、前記本体の少な
くとも前記燃料タンクの接合部にインサート成形される
樹脂であって、前記燃料タンクと溶着可能な樹脂とから
なる構成。そしてこのような構成により、燃料タンクと
樹脂部品との固着が強固になる。更に、燃料の漏れ、炭
化水素ガスの透過が請求項1ないし8に係る発明に比べ
より低減するとともに、燃料タンクと樹脂部品との接合
面積を低減することができ、生産コストの低減、軽量化
が可能となる。
【0027】請求項10に係る発明においては、前記パ
ッキンは、前記インサート成形樹脂と同じ樹脂からなる
止めリングで固定される構成。そしてこのような構成に
より、請求項9に係る発明の作用に加え、樹脂部品の本
体とインサート成形樹脂との界面とのシール性が向上す
るため、たとえパッキンを介在する界面より上流側の界
面に接合不良があり、燃料が流出しようとしてもこのパ
ッキンの設置箇所より下流側への燃料の流出がなくな
る。更に炭化水素の透過抑制も可能となる。
【0028】請求項11に係る発明においては、前記突
起部を前記燃料透過防止層にまで挿入してなる構成。そ
してこのような構成により、請求項9,10に係る発明
の作用に加え、バリア層まで突起部が伸びているため、
界面剥離による燃料の流出は勿論、炭化水素ガスの透過
も防ぐことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1ないし
図7は、本願発明の第1の実施の形態に関する樹脂部品
の溶着構造であり、図1は、部品の本体に低透過性パッ
キンを取り付けた状態を示す断面図、図2は、低透過性
パッキンに止めリングを固定した状態を示す断面図、図
3は、燃料タンクと同じ樹脂をインサート成形した状態
を示す断面図、図4は、樹脂部品を燃料タンクに熱溶着
した状態を示す断面図、図5は、図4のものにおける燃
料及び炭化水素ガスの流れを模式的に示す一部拡大断面
図、図6は、低透過性パッキンを複数配置した状態を示
す断面図、図7は、樹脂本体側部に更に凹凸部を設けた
状態を示す断面図である。
【0030】本願発明の樹脂部品は、燃料タンクに取り
付ける部品、例えば、連結パイプ、或いは弁部材、ポン
プ、濾過器等を収納配置する部材を対象にし、その本体
は、連結パイプであればパイプ部及び燃料タンクとの取
付部全体を含み、弁部材、ポンプ、濾過器等を収納配置
する部材であれば、パイプ部、燃料タンクとの取付部及
び弁部材、ポンプ、濾過器等を収納配置するケース等を
含む。
【0031】図1ないし図4は、樹脂部品としての本体
を燃料タンクに取り付けるまでの手順の概略を示す。図
に示すように、本体1は、一体的に形成される。該本体
1は、炭化水素を透過し難い材質であるポリアミド(P
A)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)及びポリアセタール(P
OM)等からなる。この本体1は、すべての実施の形態
において弁部材、ポンプ、濾過器等を収納配置すること
ができる筒部を有するもので説明するが、この筒部を有
しない単なる連結パイプのようなものであっても良い。
【0032】即ち、本体1は、その先端2aに図示しな
い連結管が結合されるパイプ部2,その下面に燃料タン
クとの溶着部を有するフランジ3、及び該フランジ3の
中央下面に垂設され、燃料カット弁等の弁部材、ポン
プ、濾過器等の部材が収納配置される筒部4から一体的
に形成される。また、前記フランジ3の下面には、リン
グ状の外側リブ5及び内側リブ6が垂下され、その底面
に凹凸部8を形成している。これらリブ5,6は、パッ
キンの取り付け並びに後記のインサート成形樹脂との接
合を良好にするのに役立つ。
【0033】そして、前記フランジ3の下面に設けられ
る内側リブ6の外側には、Oリング等のパッキン7が狭
持される。該パッキン7は、炭化水素ガスを透過し難
い、例えばフッ素ゴム等からなり、フランジ3の下面並
びに内側リブ6の側面に圧着する形態で取り付けられて
おり、漏れ燃料を確実にシールする。なお、外側リブ5
及び内側リブ6は、あるものとして説明したが、なくて
も良い。この場合には、パッキン7を仮止めするための
手段、例えば、接着材を用いる等の手段が必要であるこ
とは言うまでもない。更に、前記パッキン7が当接する
フランジ3の下面或いは内側リブ6の側面にパッキン7
の外形に合った形状の凹みを設けておけばシール効果を
より高めることができる。
【0034】図2は、図1の状態のものにおいて、低透
過性のパッキン7の固着を確実にするためにリング状の
止めリング9を圧着固定した状態を示す。該止めリング
9は、燃料タンクの材質と同じ高密度ポリエチレン樹脂
からなり、その外周部に後記の高密度ポリエチレン樹脂
をインサート成形することにより、インサート成形樹脂
と一体化する。その結果、前記パッキン7は、緩むこと
なく確実、且つ強固にフランジ3の下面に圧着固定され
る。
【0035】図3は、図2に示す状態の本体1の外周上
に、燃料タンクの材質と同じ高密度ポリエチレン樹脂1
0をインサート成形した状態を示す。図では、インサー
ト成形樹脂10を本体1のほぼ全周に設けたものを示し
ているが、該インサート成形樹脂10は、主として燃料
タンクとの溶着を容易にするために設けるものであり、
フランジ3の下面にのみ、それもフランジ3の下面の一
部の燃料タンク11との溶着部10aのみに設けるもの
であっても良い。なお、図では、止めリング9を点線で
示しているが、実際には、インサート成形樹脂10をイ
ンサート成形することにより一体化し、両者9,10間
には境目はなくなる。
【0036】次いでこのように形成した本体1を、燃料
タンクに熱溶着した状態を図4に示す。燃料タンク11
は、従来例として説明したものと同様な積層構造を有す
る。即ち、燃料タンク11は、燃料タンク11の内側部
分となるインナシェル12と、燃料タンク11の外側部
分となるアウタシェル13と、両シェル12,13間に
介在される炭化水素ガスの透過を防止する燃料透過防止
層としてのバリア層14、及びインナシェル12とバリ
ア層14間、並びにアウタシェル13とバリア層14間
にそれぞれ介在される上部接着層15a及び下部接着層
15bの5層構造からなる。
【0037】具体的には、前記インナシェル12及びア
ウタシェル13は、従来の高密度ポリエチレン樹脂から
なり、前記上部接着層15a及び下部接着層15bは、
高密度ポリエチレン樹脂を高機能化した接着性を有する
変性高密度ポリエチレン樹脂(接着性を有するが、炭化
水素ガスは透過する。)からなるとともに、前記バリア
層14は、炭化水素ガスの透過を防止する樹脂、例え
ば、株式会社クラレ製のEVOH樹脂(エバール)等か
らなる。このように燃料タンクでは、炭化水素ガス対策
は充分に行われている。図5で言えば、燃料タンク11
内の炭化水素は、黒矢印として示す方向で燃料タンク
11のインナシェル12内を透過するが、バリア層14
によって遮断され、黒矢印のように透過して外部に流
出するものはほとんどなくなる。
【0038】この燃料タンク11と図3で示す本体1と
の熱溶着は次のように行われる。即ち、燃料タンク11
に設ける開口17内に本体1の筒部4を挿入し、燃料タ
ンク11と本体1の溶着部16を近接させる。そして両
者1,11の溶着部16に図示しない熱板を介在させ、
両者1,11の溶着部16を加熱する。両者1,11の
溶着部16が加熱し溶着可能になった時点で、前記熱板
を取り去り、本体1を燃料タンク11に押し付け、両者
1,11を溶着結合する。図の溶着部16の点線は、溶
着する前の本体1の溶着部10a(図3参照。)を示
す。この溶着結合は、熱板を用いるもの以外には、例え
ば、振動溶着或いは超音波溶着等を用いても良いことは
勿論である。
【0039】本願発明は、このような溶着構造を採用す
ることにより、燃料の洩れならびに炭化水素ガスの透過
を防止するものであり、その状態を図5により説明す
る。
【0040】燃料タンク11内の炭化水素ガスが燃料タ
ンク壁を介して排出されないことは、黒矢印、を用
いて前記で説明したとおりであり、更に本体1は、炭化
水素に対する低透過性樹脂で成形され、該本体1を介し
ての炭化水素ガスの透過流出もないとともに、本体1と
燃料タンク11との溶着は、例えば、本体1の溶着部1
0と燃料タンク11を同じ樹脂とすると、溶着後はほぼ
完全に一体化してその後に剥離することはないため、こ
の箇所からの燃料の洩れもない。
【0041】しかしながら、本体1の筒部4と燃料タン
ク11の開口17との間は、密閉されていないため、燃
料タンク11内の燃料並びに炭化水素ガスは開口17よ
り黒矢印、で示すように流れ出てその上方の空間で
ある上部空間30に流出する。そして黒矢印の流れで
上部空間30に至った炭化水素ガスは、本体1を透過し
て黒矢印のように流出しようとするが、本体1は、前
記したように、低透過性の樹脂で形成されているため、
黒矢印のように透過して流出するものはほとんどな
い。なお、図5で黒矢印は、炭化水素ガスの流れを、白
矢印は、燃料の流れをそれぞれ模式的に示したものであ
る。
【0042】ところで、前記したように本体1とインサ
ート成形樹脂10とは異なる樹脂からなるため、たとえ
インサート成形により両者の接合を十分にしたとして
も、振動、温度変化による収縮率の相違、更には経年変
化等により両者の接合が剥離する場合がある。そのよう
な場合、黒矢印で示す流れにより上部空間30に流出
した燃料は、両者1,10の剥離部分を通って白矢印
で示すように流れ、外部に流出しようとするが、その経
路にはパッキン7が介在しているとともに、凹凸部8も
形成されており、パッキン7の後方側に流出することは
なくなる。しかしながら、前記したようにインサート成
形樹脂10は炭化水素ガスを透過させるため、黒矢印
で示すような経路で炭化水素ガスが透過して流出し、更
に燃料タンク11のアウタシェル13も炭化水素ガスを
透過させるため、黒矢印で示すような経路で炭化水素
ガスが透過して流出することになるが、その量はごく一
部である。
【0043】図6のものは、低透過性パッキンを複数配
置した図4の変形例であり、フランジ3下面の内側リブ
6の内側面に更にOリングからなるパッキン7aを設け
たものであり、このように内側リブ6の内外側面に2つ
のパッキン7,7aを設けることにより、これら2つの
パッキン7,7aとフランジ3下面の凹凸部8とが相ま
って、更にシール効果を高めることができる。
【0044】図7のものは、図6のものの更なる変形例
であり、本体1のパイプ部2の側壁部にリング状のリブ
18を設けたものである。即ち、パイプ部2の側壁部に
リング状のリブ18を設けることにより、その側壁部に
凹凸部19が形成され、図5で白矢印で示すように仮
にパイプ部2の側壁部にまで燃料が流出したとしても、
凹凸部19でのラビリンス効果により、該箇所より後方
側への流出を防止することができる。
【0045】(第2の実施の形態)図8は、本願発明の
第2の実施の形態に関する樹脂部品の溶着構造である。
その特徴は、第1の実施の形態である図4のものにおけ
るパッキンに代え、内側リブを突起部とし、該突起部に
パッキンと同様な機能を持たせたものであり、その他の
構成は同じである。
【0046】即ち、本体1は、炭化水素を透過し難い材
質であるポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィ
ド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
及びポリアセタール(POM)等から形成されるととも
に、その先端2aに図示しない連結管が結合されるパイ
プ部2,その下面に燃料タンクとの溶着部を有するフラ
ンジ3、及び該フランジ3の中央下面に垂設され、燃料
カット弁等の弁部材、ポンプ、濾過器等の部材が収納配
置される筒部4から一体的に形成される。
【0047】前記フランジ3の下面には、リング状の外
側リブ5及びリング状の突起部20が垂下され、その底
面に凹凸部8を形成している。また前記外側リブ5は、
その底面がほぼ平坦であるに対し、突起部20の先端2
1は尖っており、その断面は楔状を呈しているととも
に、該尖端21は、インサート成形後においてもそのイ
ンサート成形樹脂より外方に突出される。これら外側リ
ブ5及び突起部20は、インサート成形樹脂との接合を
良好にするのに役立つ。
【0048】例えば、符号10は、本体1の外周上に設
けられる燃料タンクの材質と同じ高密度ポリエチレン樹
脂で、インサート成形によって設けられるインサート成
形樹脂である。図では、インサート成形樹脂10を本体
1のほぼ全周に設けたものを示しているが、該インサー
ト成形樹脂10は、燃料タンクとの溶着を容易にするた
めに設けるものであり、フランジ3の下面にのみ、それ
もフランジ3の下面の一部の溶着面16のみに設けるも
のであっても良い。
【0049】燃料タンク11は、第1の実施の形態とし
て説明したものと同様な積層構造を有する。即ち、燃料
タンク11は、燃料タンク11の内側部分となるインナ
シェル12と、燃料タンク11の外側部分となるアウタ
シェル13と、両シェル12,13間に介在される炭化
水素ガスの透過を防止する燃料透過防止層としてのバリ
ア層14、及びインナシェル12とバリア層14間、並
びにアウタシェル13とバリア層14間にそれぞれ介在
される上部接着層15a及び下部接着層15bの5層構
造からなる。
【0050】具体的には、前記インナシェル12及びア
ウタシェル13は、従来の高密度ポリエチレン樹脂から
なり、前記上部接着層15a及び下部接着層15bは、
高密度ポリエチレン樹脂を高機能化した接着性を有する
変性高密度ポリエチレン樹脂(接着性を有するが、炭化
水素ガスは透過する。)からなるとともに、前記バリア
層14は、炭化水素ガスの透過を防止する樹脂、例え
ば、株式会社クラレ製のEVOH樹脂(エバール)等か
らなる。
【0051】この燃料タンク11と本体1との溶着は次
のように行われる。即ち、燃料タンク11に設ける開口
17内に本体1の筒部4を挿入し、燃料タンク11と本
体1の溶着部16を近接させる。そして両者1,11の
溶着部16に図示しない熱板を介在させ、両者1,11
の溶着部16を加熱する。両者1,11の溶着部16が
加熱し溶着可能になった時点で、前記熱板を取り去り、
本体1を燃料タンク11に押し付け、両者1,11を溶
着結合する。この場合、本体1の突起部20の尖端21
は、インサート成形樹脂10より外方に突出しているた
め、燃料タンク11との溶着時には、該突起部20の尖
端21は、燃料タンク11の外壁を構成するアウタシェ
ル13内に食い込むことになる。なお、溶着結合は、熱
板を用いるもの以外には、例えば、振動溶着或いは超音
波溶着等を用いても良いことは勿論である。
【0052】本願発明は、このような溶着構造を採用す
ることにより、仮に本体1とインサート成形樹脂10と
が振動、温度変化による収縮率の相違、更には経年変化
により剥離したとしても、図に示すように、突起部20
の尖端21は、燃料タンク11のアウタシェル13内に
食い込んでいるため、その部分で燃料の漏れを低減する
ことができるとともに、例え突起部20の尖端21とア
ウタシェル13との接合も充分でなかったとしても該突
起部20により大きな迂回路が形成されることになり、
燃料の漏れを低減することができる。
【0053】また、炭化水素ガスの透過の問題にして
も、図5で示す黒矢印の流れは完全に防ぐことができ
るとともに、アウタシェル13内を流れる黒矢印の流
れもその多くを防止することができる。なお、その他の
流れについては第1の実施の形態で述べた通りである。
【0054】ところで、この第2の実施の形態のもので
は、突起部20の尖端21は、燃料タンク11のアウタ
シェル13内までしか食い込んでいないため、前記した
ように、突起部20の尖端21とアウタシェル13との
接合、及び本体1とインサート成形樹脂10との接合に
不備ないし剥離が生じた場合には、そこから燃料の漏れ
が生じることがあり、更には図5での黒矢印の流れ
(突起部20の尖端21と上部接着層15との間のアウ
タシェル13ではあるが、)で示す炭化水素ガスの透過
が考えられる。
【0055】これら問題のうち、燃料の漏れについて
は、突起部20の尖端21を上部接着層15aまで伸ば
すことが考えられ、その考えを具体化したものが請求項
7に係る発明である。即ち、突起部20の尖端21を上
部接着層15aまで伸ばすと、その尖端21が上部接着
層15aと接着するため、その尖端21の接合に不備が
生じたり、或いは剥離が生じる可能性は大幅に低減す
る。しかしながら、上部接着層15aは前記したように
変性高密度ポリエチレン樹脂であるため炭化水素ガスを
透過するため、突起部20の尖端21とバリア層14上
面間の上部接着層15aから炭化水素ガスが黒矢印の
ように透過することになるが、その量は極僅かである。
【0056】図9は、図8の変形例であり、突起部20
の尖端21を上部接着層15aを越えてバリア層14ま
で延長したもので、請求項8に対応するものである。こ
のような構成により、前記した突起部20の尖端21と
バリア層14上面間の上部接着層15aから透過する炭
化水素ガス量を更に低減することができる。即ち、バリ
ア層14は、炭化水素ガスの透過を防止する樹脂である
とともに、該尖端21は、上部接着層15a内を通って
バリア層14まで突出しているため、該上部接着層15
a部分の突起部20はこの上部接着層15aと固く接着
することになり、燃料の漏れも大幅に低減することにな
る。
【0057】図10は、図9の更なる変形例であり、上
部接着層15aを越えてバリア層14まで延長した突起
部20を複数、この例では2個設けたものである。この
ような構造により、燃料の漏れ及び炭化水素ガスの透過
の問題を更に大幅に低減することができる。
【0058】(第3の実施の形態)図11は、本願発明
の第3の実施の形態に関する樹脂部品の溶着構造であ
る。その特徴は、第1の実施の形態の特徴であるパッキ
ン等及び第2の実施の形態の特徴である突起部とを併用
したものであり、その他の構成は第1の実施の形態のも
の、或いは第2の実施の形態のものと同じである。
【0059】即ち、本体1は、炭化水素を透過し難い材
質であるポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィ
ド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
及びポリアセタール(POM)等から形成されるととも
に、その先端2aに図示しない連結管が結合されるパイ
プ部2,その下面に燃料タンクとの溶着部を有するフラ
ンジ3、及び該フランジ3の中央下面に垂設され、燃料
カット弁等の弁部材、ポンプ、濾過器等の部材が収納配
置される筒部4から一体的に形成される。
【0060】前記パイプ部2の側壁部には、側面リブ1
8が設けられ、該側壁部に凹凸部19を形成している。
また、フランジ3の下面には、リング状の外側リブ5及
びリング状の突起部20が垂下され、その底面に凹凸部
8を形成している。前記外側リブ5は、その底面がほぼ
平坦であるに対し、突起部20の先端21は尖ってお
り、その断面は楔状を呈しているとともに、該尖端21
は、インサート成形後においてもそのインサート成形樹
脂より外方に突出される。これら外側リブ5及び突起部
20は、パッキンの取り付け、或いはインサート成形樹
脂との接合を良好にするのに役立つ。
【0061】例えば、符号10は、本体1の外周上に設
けられる燃料タンクの材質と同じ高密度ポリエチレン樹
脂で、インサート成形によって設けられるインサート成
形樹脂である。図では、インサート成形樹脂10を本体
1のほぼ全周に設けたものを示しているが、該インサー
ト成形樹脂10は、燃料タンクとの溶着を容易にするた
めに設けるものであり、フランジ3の下面にのみ、それ
もフランジ3の下面の一部の溶着面16のみに設けるも
のであっても良い。
【0062】燃料タンク11は、第1の実施の形態とし
て説明したものと同様な積層構造を有する。即ち、燃料
タンク11は、燃料タンク11の内側部分となるインナ
シェル12と、燃料タンク11の外側部分となるアウタ
シェル13と、両シェル12,13間に介在される炭化
水素ガスの透過を防止する燃料透過防止層としてのバリ
ア層14、及びインナシェル12とバリア層14間、並
びにアウタシェル13とバリア層14間にそれぞれ介在
される上部接着層15a及び下部接着層15bの5層構
造からなる。
【0063】具体的には、前記インナシェル12及びア
ウタシェル13は、従来の高密度ポリエチレン樹脂から
なり、前記上部接着層15a及び下部接着層15bは、
高密度ポリエチレン樹脂を高機能化した接着性を有する
変性高密度ポリエチレン樹脂(接着性を有するが、炭化
水素ガスは透過する。)からなるとともに、前記バリア
層14は、炭化水素ガスの透過を防止する樹脂、例え
ば、株式会社クラレ製のEVOH樹脂(エバール)等か
らなる。
【0064】この燃料タンク11と本体1との溶着は次
のように行われる。即ち、燃料タンク11に設ける開口
17内に本体1の筒部4を挿入し、燃料タンク11と本
体1の溶着部16を近接させる。そして両者1,11の
溶着部16に図示しない熱板を介在させ、両者1,11
の溶着部16を加熱する。両者1,11の溶着部16が
加熱し溶着可能になった時点で、前記熱板を取り去り、
本体1を燃料タンク11に押し付け、両者1,11を溶
着結合する。この場合、本体1の突起部20の尖端21
は、インサート成形樹脂10より外方に突出しているた
め、燃料タンク11との溶着時には、該突起部20の尖
端21は、燃料タンク11の外壁を構成するアウタシェ
ル13及び上部粘着層15aを突き抜け、バリア層14
内に食い込むことになる。なお、溶着結合は、熱板を用
いるもの以外には、例えば、振動溶着或いは超音波溶着
等を用いても良いことは勿論である。
【0065】本願発明は、このような溶着構造を採用す
ることにより、仮に本体1とインサート成形樹脂10と
が振動、温度変化による収縮率の相違、更には経年変化
により剥離したとしても、図に示すように、突起部20
の尖端21は、燃料タンク11のバリア層14内に食い
込んでおり、突起部20と上部粘着層15aとが固く結
合されるとともに、側壁部に設ける凹凸部19及び底壁
部に設ける凹凸部8の作用により、燃料の漏れをほぼ確
実に防止することができる。
【0066】更に、炭化水素ガスの透過の問題にして
も、突起部20の尖端21を上部接着層15aを越えて
バリア層14まで延設しているので、燃料タンク11の
アウタシェル13及び粘着層15aからの炭化水素ガス
の透過をほぼ確実に防止することができる。
【0067】本願発明は、上記実施の態様の構成に限定
されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて適宜設計変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】請求項1に係る発明においては、樹脂部
品を、炭化水素に対する低透過性樹脂で成形される本体
と、該本体に固着される炭化水素に対する低透過性パッ
キンと、前記本体の少なくとも前記燃料タンクの接合部
にインサート成形される樹脂であって、前記燃料タンク
と溶着可能な樹脂とで形成することにより、両者の熱溶
着を容易、且つ確実に行うことができる。
【0069】更に、樹脂部品を燃料タンクとは異質な樹
脂、即ち、炭化水素ガスに対して低透過性の樹脂で上記
した従来例のような取付部分と弁筒部分とを一体的に形
成することができるため、炭化水素ガスの透過を確実に
低減することができる。また、本体とインサート成形さ
れる樹脂との界面に設けるパッキンにより燃料の漏れを
も確実に低減することができる。
【0070】請求項2に係る発明のように、パッキンを
インサート成形樹脂と同じ樹脂からなる止めリングで固
定したり、請求項3に係る発明のように、パッキンを複
数配置することにより、請求項1に係る発明の効果に加
え、樹脂部品の本体とインサート成形樹脂との界面との
接合が強固になるため、たとえパッキンを介在する界面
より上流側の界面に接合不良があり、燃料が流出しよう
としても1つ以上のパッキンの設置箇所でより確実に遮
断できるため、外部への漏れをより確実に防止すること
ができる。
【0071】また、請求項4に係る発明のように、本体
に凹凸部を設けたり、請求項5に係る発明のように、凹
凸部を前記燃料タンクとの接合部側の面に設けることに
より、請求項1ないし3に係る発明の効果を相乗的に高
めることができる。
【0072】請求項6に係る発明においては、樹脂部品
を、炭化水素に対する低透過性樹脂で成形される本体
と、該本体の燃料タンクとの接合部側の面に設けられ、
前記燃料タンク取り付け時に前記燃料タンクのアウタシ
ェルに挿入される突起部と、前記本体の少なくとも前記
燃料タンクの接合部にインサート成形される樹脂であっ
て、前記燃料タンクと溶着可能な樹脂とで形成すること
により、両者の熱溶着を容易、且つ確実に行うことがで
きる。その結果、両者の接合面積をより低減することが
できるため、生産コストを低減することができる。
【0073】更に、樹脂部品を燃料タンクとは異質な樹
脂、即ち、炭化水素ガスに対して低透過性の樹脂で上記
した従来例のような取付部分と弁筒部分とを一体的に形
成することができるため、炭化水素ガスの透過を確実に
低減することができる。また、本体に設ける突起部によ
り燃料の漏れをも確実に低減することができる。そして
請求項1に係る発明のパッキンような別体の部品を用い
る必要がないため、それだけコストを更に低減すること
ができる。
【0074】請求項7に係る発明のように、突起部を前
記燃料透過防止層の上面に積層される接着層にまで挿入
したり、請求項8に係る発明のように、突起部を前記燃
料透過防止層にまで挿入することにより、請求項6に係
る発明の効果に加え、界面剥離による燃料の流出、或い
は炭化水素ガスの透過をより確実に防止することができ
る。
【0075】請求項9に係る発明においては、樹脂部品
を、炭化水素に対する低透過性樹脂で成形される本体
と、該本体に固着される炭化水素に対する低透過性パッ
キンと、前記本体の燃料タンクとの接合部側の面に設け
られ、前記燃料タンク取り付け時に前記燃料タンクのア
ウタシェルに挿入される突起部と、前記本体の少なくと
も前記燃料タンクの接合部にインサート成形される樹脂
であって、前記燃料タンクと溶着可能な樹脂とで形成す
ることにより、両者の熱溶着を容易、且つ確実に行うこ
とができる。その結果、両者の接合面積をより低減する
ことができるため、生産コストを低減することができ
る。
【0076】更に、樹脂部品を燃料タンクとは異質な樹
脂、即ち、炭化水素ガスに対して低透過性の樹脂で上記
した従来例のような取付部分と弁筒部分とを一体的に形
成することができるため、炭化水素ガスの透過を確実に
低減することができる。また、本体に設けるパッキン及
び突起部により請求項1ないし8に係る発明に比べ燃料
の漏れをより確実に低減することができる。
【0077】請求項10に係る発明においては、パッキ
ンを、前記インサート成形樹脂と同じ樹脂からなる止め
リングで固定ことにより、請求項9に係る発明の効果に
加え、樹脂部品の本体とインサート成形樹脂との界面と
のシール性が向上するため、たとえパッキンを介在する
界面より上流側の界面に接合不良があり、燃料が流出し
ようとしてもこのパッキンの設置箇所で遮断することが
できるため、それより下流側への燃料の流出を確実に防
止することができる。
【0078】請求項11に係る発明においては、突起部
を前記燃料透過防止層にまで挿入することにより、請求
項9,10に係る発明の効果に加え、界面剥離による燃
料の流出は勿論、炭化水素ガスの透過も確実に防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の燃料タンク取り付け部品の本体に低
透過性パッキンを取り付けた状態を示す断面図。
【図2】図1のものの低透過性パッキンに止めリングを
固定した状態を示す断面図。
【図3】図2のものに燃料タンクと同じ樹脂をインサー
ト成形した状態を示す断面図。
【図4】本願発明の燃料タンク取り付け部品(図3のも
の)を燃料タンクに熱溶着した状態を示す断面図。
【図5】図4のものにおける燃料及び炭化水素ガスの流
れを模式的に示す一部拡大断面図。
【図6】図4の実施の形態のものの変形例で低透過性パ
ッキンを複数配置した状態を示す断面図。
【図7】図4の実施の形態のものの更なる変形例で本体
側部に凹凸部を設けた状態を示す断面図。
【図8】本願発明の他の実施の形態の燃料タンク取り付
け部品を燃料タンクに熱溶着した状態を示す断面図。
【図9】図8の実施の形態のものの変形例で突起部を燃
料透過防止層にまで挿入した状態を示す断面図。
【図10】図8の実施の形態のものの更なる変形例で燃
料透過防止層にまで挿入する突起部を複数設けた状態を
示す断面図。
【図11】本願発明の更に他の実施の形態の燃料タンク
取り付け部品を燃料タンクに熱溶着した状態を示す断面
図。
【図12】燃料タンクの一部拡大断面図。
【図13】従来の燃料タンクと燃料タンク取り付け部品
との断面図。
【図14】従来の燃料タンクと他の燃料タンク取り付け
部品との断面図。
【符号の説明】
1…本体 2…パイプ部 3…フランジ 4…筒部 5…外側リブ 6…内側リブ 7,7a…パッキン 8,19…凹凸部 9…止めリング 10…インサート成形樹脂 11…燃料タンク 12…インナシェル 13…アウタシェル 14…バリア層 16…溶着面 17…開口 18…側面リブ 20…突起部 21…尖端 30…上部空間 10a,16…溶着部 15a…上部粘着層 15b…下部接着層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製のインナシェルと樹脂製のアウタシ
    ェルとを燃料透過防止層を介して積層してなる燃料タン
    クと、該燃料タンクに取り付けられる樹脂部品との溶着
    構造において、前記樹脂部品は、炭化水素に対する低透
    過性樹脂で成形される本体と、該本体に固着される炭化
    水素に対する低透過性パッキンと、前記本体の少なくと
    も前記燃料タンクの接合部にインサート成形される樹脂
    であって、前記燃料タンクと溶着可能な樹脂とからなる
    ことを特徴とする樹脂部品の溶着構造。
  2. 【請求項2】前記パッキンは、前記インサート成形樹脂
    と同じ樹脂からなる止めリングで固定されることを特徴
    とする請求項1記載の樹脂部品の溶着構造。
  3. 【請求項3】前記パッキンを複数配置することを特徴と
    する請求項1、2記載の樹脂部品の溶着構造。
  4. 【請求項4】前記本体に凹凸部を設けることを特徴とす
    る請求項1ないし3記載の樹脂部品の溶着構造。
  5. 【請求項5】前記凹凸部を前記燃料タンクとの接合部側
    の面に設けるとともに、該凹部に前記パッキンを配置す
    ることを特徴とする請求項4記載の樹脂部品の溶着構
    造。
  6. 【請求項6】樹脂製のインナシェルと樹脂製のアウタシ
    ェルとを燃料透過防止層を介して積層してなる燃料タン
    クと、該燃料タンクに取り付けられる樹脂部品との溶着
    構造において、前記樹脂部品は、炭化水素に対する低透
    過性樹脂で成形される本体と、該本体の燃料タンクとの
    接合部側の面に設けられ、前記燃料タンク取り付け時に
    前記燃料タンクのアウタシェルに挿入される突起部と、
    前記本体の少なくとも前記燃料タンクの接合部にインサ
    ート成形される樹脂であって、前記燃料タンクと溶着可
    能な樹脂とからなることを特徴とする樹脂部品の溶着構
    造。
  7. 【請求項7】前記突起部を前記燃料透過防止層の上面に
    積層される接着層にまで挿入してなることを特徴とする
    請求項6記載の樹脂部品の溶着構造。
  8. 【請求項8】前記突起部を前記燃料透過防止層にまで挿
    入してなることを特徴とする請求項6記載の樹脂部品の
    溶着構造。
  9. 【請求項9】樹脂製のインナシェルと樹脂製のアウタシ
    ェルとを燃料透過防止層を介して積層してなる燃料タン
    クと、該燃料タンクに取り付けられる樹脂部品との溶着
    構造において、前記樹脂部品は、炭化水素に対する低透
    過性樹脂で成形される本体と、該本体に固着される炭化
    水素に対する低透過性パッキンと、前記本体の燃料タン
    クとの接合部側の面に設けられ、前記燃料タンク取り付
    け時に前記燃料タンクのアウタシェルに挿入される突起
    部と、前記本体の少なくとも前記燃料タンクの接合部に
    インサート成形される樹脂であって、前記燃料タンクと
    溶着可能な樹脂とからなることを特徴とする樹脂部品の
    溶着構造。
  10. 【請求項10】前記パッキンは、前記インサート成形樹
    脂と同じ樹脂からなる止めリングで固定されることを特
    徴とする請求項9記載の樹脂部品の溶着構造。
  11. 【請求項11】前記突起部を前記燃料透過防止層にまで
    挿入してなることを特徴とする請求項9、10記載の樹
    脂部品の溶着構造。
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