JP2003071151A - 立体絵本 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポップアップ部が嵩張らず、きれいに絵本を閉
じることができ、しかもポップアップ部を充分な強度の
ものとすることができる立体絵本を提供する。 【解決手段】絵本１を構成する厚紙２に、切線５や折線
６によってまわりの平坦部３と区画され、この平坦部か
ら折線６により立ち上げることのできるポップアップ部
４を設け、前記厚紙の平坦部を下地となる別の厚紙に貼
り付け、前記ポップアップ部の裏面およびポップアップ
部を立ち上げた際に表に現れる下地の部分にも平坦部と
連続する絵柄８ｂ、８ｂ′が印刷されて絵柄が欠落する
ことのないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は絵や模様の一部をポ
ップアップさせることのできる立体絵本に関する。

【０００２】

【従来の立体絵本とその問題点】従来の立体絵本は、絵
本の本体とは別にポップアップする絵や模様の部分を製
作し、絵本の各頁における所要の位置に接着剤で貼り付
けてある。

【０００３】このような従来の立体絵本では、絵本を閉
じるとポップアップ部が嵩張って絵本をきちんと閉じる
ことができなくなるという不都合がある。

【０００４】また、ポップアップ部を薄い素材で製作す
れば嵩張りにくくはなるが、強度を充分得られなくな
り、子供がポップアップ部を何度も立ち上げたり折り畳
んだりするうちに破損してしまうという問題がある。

【０００５】

【目的】本発明の目的とするところは、ポップアップ部
が嵩張らず、きれいに絵本を閉じることができ、しかも
ポップアップ部を充分な強度のものとすることができる
立体絵本を提供することにある。

【０００６】

【手段】上記目的を達成するために、本発明に係る立体
絵本は、絵本を構成する厚紙に、切線や折線によってま
わりの平坦部と区画され、この平坦部から折線により立
ち上げることのできるポップアップ部を設け、前記厚紙
の平坦部を下地となる別の厚紙に貼り付け、前記ポップ
アップ部の裏面およびポップアップ部を立ち上げた際に
表に現れる下地の部分にも平坦部と連続する絵柄が印刷
されて絵柄が欠落することのないようにしてあり、ま
た、絵本に描かれている物語の登場人物等の人形とセッ
トにした構成のものとしてある。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の立体絵本の実施例を添付図面
に示す具体例に基づいて説明する。図１、２は本実施例
の絵本１を開いた状態を示し、見開きの左右の頁を構成
する１枚の厚紙２は平坦部３とポップアップ部４を有し
ており、ポップアップ部４は輪郭部の切線５や折線６に
よって前記平坦部と区画されていて、折線６で上方へ折
って立ち上げることができるようになっていて、平坦部
３は後述の下地となる厚紙２′に貼り付けられている。

【０００８】ところで、本実施例の絵本１は図２に示さ
れるように、２頁分の面積の厚紙を中央で折り畳んだも
のどうしの外側の２面を背が同じ向きとなるように貼り
合わせ、さらに表紙用の厚紙２″を付して製本した構造
となっている。

【０００９】本実施例の絵本では図３に拡大して示すよ
うに前記平坦部３の裏面が前（次）の頁を構成する厚紙
２′すなわち前記下地の厚紙に貼り付けられているが、
ポップアップ部４の裏面は厚紙２′の貼り合わせ面と接
触しているだけで貼り付けず、立ち上げることができる
ようになっている。なお、同図３において符号７は接着
部を示す。

【００１０】しかして、本発明の絵本では前記厚紙２、
２′の各両面に絵柄８ａ、８ｂ、８ａ′、８ｂ′を印刷
してあり、ポップアップ部４を立ち上げていない状態
（折り畳んだ状態）では厚紙２の表面の絵柄８ａだけが
見えるが、ポップアップ部を立ち上げると、このポップ
アップ部の下に隠されていた厚紙２′の貼り合わせ面に
印刷されている絵柄８ｂ′すなわち下地の絵柄が現れ、
また、ポップアップ部の裏面の絵柄８ｂも現れるように
なっている。なお、厚紙２、２′のポップアップ部４は
上下に重ならないように配置する。

【００１１】上記ポップアップ部の裏面の絵柄８ｂおよ
び下地の絵柄８ｂ′は表面の絵柄８ａと連続するものと
してあり、ポップアップ部を立ち上げた箇所に絵柄の欠
落部分ができないようにしてある。

【００１２】本実施例の絵本では、小屋９のポップアッ
プ部と、樹木１０のポップアップ部を有しており、小屋
９は裏面が厚紙２′に接着されている床９ａのまわりに
壁９ｂ、９ｂが折線６に続いて折り上げ可能に連設さ
れ、さらにひとつの壁９ｂ屋根９ｃが同じく折線に続い
て折り上げ可能に連設されていて、小屋の絵全体の輪郭
には切線５を入れてあって、壁どうしや壁と屋根との間
には係合部１１ａ、１１ｂを組み合わせることによって
係合されるようになっている。

【００１３】また、樹木１０のポップアップ部は、樹木
の絵の基部が折線６で平坦部４に連設され、基部を除く
樹木の輪郭には切線５を入れてある。

【００１４】しかして、ポップアップ部４を立ち上げて
いない状態（折り畳んだ状態）では小屋や樹木のまわり
の道などの絵柄がポップアップ部の下に隠れているが、
図４に示されるようにポップアップ部を立ち上げるとそ
の裏面の絵柄が現れるとともに、厚紙２′（下地）の貼
り合わせ面に印刷されてポップアップ部によって隠され
ていた絵柄も現れ、この下地の絵柄は平坦部の絵柄と連
続するものとしてあるので、絵柄に欠落部分が生じな
い。

【００１５】また、本実施例の絵本は、絵本の物語に登
場する人物等の人形１２、１２とセットにしてあって、
これらの人形は絵本を閉じた状態と同じ程度の厚さのケ
ース１３に収容できるようにしてあって、絵本を読む際
に絵本上で人形を動かして遊ぶことができるようにして
ある。

【００１６】なお、図中の符号１４はポップアップ部４
を立ち上げる際にこのポップアップ部の縁に指先を引っ
掛けるために厚紙２にあけた孔を示す。

【００１７】上述した実施例の絵本は童話などの物語の
絵本以外にも、迷路やすごろく等のゲーム絵本にも好適
であり、迷路の場合は行き止まりや岩、樹木等の障害物
の絵をポップアップ部で立体的に表現したり、すごろく
の場合はスタートやゴールあるいは途中のマスでのイベ
ントをポップアップ部で表現したりすることができ、ゲ
ームの演出効果を高めることができる。

【００１８】

【作用、効果】本発明の立体絵本によれば、絵本の頁を
構成する厚紙の平坦部と切線や折線で区画されたポップ
アップ部を設けてあり、このポップアップ部を平坦部か
ら折って立ち上げることにより、絵本の絵を立体的に表
現することができる。

【００１９】また、ポップアップ部の裏面および平坦部
を貼り付けてある下地の貼り合わせ面にもまわりの平坦
部の絵と連続する絵柄を印刷してあるので、ポップアッ
プ部を立ち上げても絵の一部が欠落して見栄えを損なう
ようなことがない。

【００２０】さらに、ポップアップ部は絵本の本体を構
成する厚紙に切線や折線によって直接形成するので、ポ
ップアップ部を何度も立ち上げたり折り畳んだりしても
充分に耐え得る強度のものとすることができる。

【００２１】また、折り畳んだ状態のポップアップ部は
平坦部内に収容されて平坦部の上面とポップアップ部の
上面は同一面となるので、従来のもののように絵本が嵩
張ったり、絵本をきちんと閉じることができなかったり
という問題がなく、通常の絵本と同程度の厚さに製本す
ることができ、もちろんきれいに閉じることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る絵本を開いた状態を示す平面図。

【図２】本発明に係る絵本を開いた状態を示す正面図。

【図３】本発明に係る絵本の一部を拡大して示す縦断面
図。

【図４】本発明に係る絵本のポップアップ部を立ち上げ
た状態を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 絵本 ２、２′厚紙 ３ 平坦部 ４ ポップアップ
部 ５ 切線 ６ 折線 ７ 接着部 ８ａ、８ｂ、８ａ′、８ｂ′絵柄 ９ 小屋のポップ
アップ部 １０ 樹木のポップアップ部 １１ａ、１１ｂ
係合部 １２ 人形 １３ 人形のケー
ス １４ 孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】絵本を構成する厚紙に、切線や折線によっ
   てまわりの平坦部と区画され、この平坦部から折線によ
   り立ち上げることのできるポップアップ部を設け、前記
   厚紙の平坦部を下地となる別の厚紙に貼り付け、前記ポ
   ップアップ部の裏面およびポップアップ部を立ち上げた
   際に表に現れる下地の部分にも平坦部と連続する絵柄が
   印刷されて絵柄が欠落することのないようにしてなる立
   体絵本。
2. 【請求項２】絵本を構成する厚紙に、切線や折線によっ
   てまわりの平坦部と区画され、この平坦部から折線によ
   り立ち上げることのできるポップアップ部を設け、前記
   厚紙の平坦部を下地となる別の厚紙に貼り付け、前記ポ
   ップアップ部の裏面およびポップアップ部を立ち上げた
   際に表に現れる下地の部分にも平坦部と連続する絵柄が
   印刷されて絵柄が欠落することのないようにしてあり、
   また、絵本に描かれている物語の登場人物等の人形とセ
   ットにしてなる立体絵本。