JP2003070490A - 核酸配列の増幅方法 - Google Patents

核酸配列の増幅方法

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Kazue Miyake
一恵 三宅
Takashi Uemori
隆司 上森
Yoshimi Sato
好美 佐藤
Mariko Moriyama
麻里子 森山
Haruhisa Sawaragi
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道雄 萩屋
Kiyozou Asada
起代蔵 浅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オリゴヌクレオチドプライマーの存在下にD
NA合成反応を行なうことを特徴とする簡便で、効率の
良い核酸配列の増幅方法及びDNA増幅断片の大量供給
のためのDNA増幅断片の大量製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 キメラオリゴヌクレオチドプライマーの
存在下にDNA合成反応を行うことを特徴とする簡便
で、効率の良い核酸配列の増幅方法、大量のDNA増幅
断片を供給する方法、本発明の核酸配列の増幅方法と他
の核酸増幅方法と組み合わせた効率的な核酸配列の増幅
方法、ウイルス、細菌、カビ、酵母などの微生物等の検
出、定量のための核酸配列の検出方法、本発明の方法で
得られたDNA増幅断片をリアルタイムで検出する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子工学分野に
おいて有用なDNAの合成方法に関し、鋳型となる核酸
配列の増幅方法および該方法で増幅された核酸の検出方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学分野の研究においてDNAの
合成は種々の目的に使用される。このうちオリゴヌクレ
オチドのような短鎖のDNAの合成を除けば、そのほと
んどはDNAポリメラーゼを利用した酵素的方法により
実施されている。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(P
CR法)があるが、それは米国特許第4,683,19
5号、第4,683,202号および第4,800,1
59号に詳細に記述されている。もう一つの例として
は、トレンズ イン バイオテクノロジー(Trendsin B
iotechnology)第10巻、146〜152頁(199
2)に記載の当該方法と逆転写酵素反応を組合わせた逆
転写PCR法(RT−PCR法)が挙げられる。上記の
方法の開発により、DNAから、若しくはRNAから目
的とする領域を増幅することが可能になった。
【0003】これらのDNA合成方法は、目的とするD
NA領域を増幅させるために例えば、二本鎖鋳型DNA
の一本鎖への解離(変性)、一本鎖鋳型DNAへのプラ
イマーのアニーリング、プライマーからの相補鎖合成
(伸長)の3つのステップからなる反応により、もしく
は、”シャトルPCR”(『PCR法最前線』、「蛋白
質 核酸 酵素」別冊、第41巻、第5号、425頁〜
428頁(1996))と呼ばれる、前述の3ステップ
反応のうちプライマーのアニーリングおよび伸長のステ
ップを同一温度で行なう2ステップ反応により実施され
る。
【0004】さらに、別法としては、1989年6月1
4日に公開された欧州特許出願第320,308号に記
述されているリガーゼ連鎖反応(LCR;ligase chain
reaction)法、あるいはPCR プロトコールズ(PCR
Protocols, Academic Press. Inc.,1990)245〜2
52頁に記述されている転写増幅システム(TAS;tr
anscription-based amplification system)法が挙げら
れる。上記4法は、次の増幅サイクルのための一本鎖標
的分子を再生するために、高温から低温の反応を何回も
繰り返す必要がある。このように温度によって反応が制
約されるため、反応系は不連続な相またはサイクルで行
なう必要がある。
【0005】従って、上記の方法には広い温度範囲で、
かつ、厳密な温度調整を経時的に行なうことのできる高
価なサーマルサイクラーを使用することが必要となる。
また、該反応は、2種類〜3種類の温度条件で行なうた
め設定温度にするために要する時間が必要であり、その
ロス時間はサイクル数に比例して増大していく。
【0006】そこで、上記問題点を解決すべく等温状態
で実施可能な核酸増幅法が開発された。例えば、特公平
7−114718号に記載の鎖置換型増幅(SDA;st
randdisplacement amplification)法、自立複製(3S
R;self-sustained sequence replication)法、日本
国特許番号第2650159号に記載の核酸配列増幅
(NASBA;nucleic acid sequence based amplific
ation)法、TMA(transcription-mediated amplific
ation)法、日本国特許番号第2710159号に記載
のQβレプリカーゼ法、さらに米国特許番号第5,82
4,517号、国際公開パンフレット第99/0921
1号、国際公開パンフレット第95/25180号ある
いは、国際公開第99/49081号等に記載の種々の
改良SDA法が挙げられる。米国特許番号第5,91
6,777号には等温状態でのオリゴヌクレオチドの酵
素的合成方法が記載されている。これらの等温核酸増幅
法またはオリゴヌクレオチド合成法の反応においては、
プライマーの伸長や、一本鎖伸長生成物(または元の標
的配列)へのプライマーのアニーリングや、それに続く
プライマーの伸長は、一定温度で保温された反応混合物
中で同時に起こる。
【0007】これらの等温核酸増幅法のうち最終的にD
NAが増幅される系、例えば、SDA法は、DNAポリ
メラーゼと制限エンドヌクレアーゼを介する二本鎖の置
換による、試料中の標的核酸配列(およびその相補鎖)
の増幅法であるが、該方法では、増幅に使用するプライ
マーは4種類必要であり、その内の2種類は、制限エン
ドヌクレアーゼの認識部位を含むように構築する必要が
ある。また、該方法では、DNA合成のための基質とし
て、修飾されたデオキシリボヌクレオチド3リン酸、例
えばα位のリン酸基の酸素原子が硫黄原子(S)に置換
された(α−S)デオキシリボヌクレオチド3リン酸を
大量に用いる必要があり、ルーチンワークで反応を行な
う遺伝子検査等においては、そのランニングコストが深
刻な問題となってくる。さらに該方法では、増幅された
DNA断片中に上記の修飾ヌクレオチド、たとえば(α
−S)デオキシリボヌクレオチドが含まれるため、例え
ば、増幅後のDNA断片を制限酵素長多型(RFLP;
restriction enzyme fragment length polymorphism)
解析に供しようとする場合に、該断片が制限酵素で切断
できないことがある。
【0008】また、米国特許番号第5,824,517
号記載の改良SDA法は、RNAとDNAから構成さ
れ、少なくとも3’末端にDNAが配置された構造を必
須要件とするキメラプライマーを使用するDNA増幅方
法である。また、国際公開パンフレット第99/092
11号に記載の改良SDA法は、5’突出末端を生じさ
せる制限酵素が必要である。また、国際公開パンフレッ
ト第95/25180号に記載の改良SDA法は、少な
くとも2組のプライマー対を必要とする。さらに、国際
公開パンフレット第99/49081号に記載の改良S
DA法は、少なくとも2組のプライマーと少なくとも1
種類の修飾デオキシリボヌクレオチド3リン酸を必要と
する。一方、米国特許番号第5,916,777号は、
オリゴヌクレオチドを合成するために、3’末端にリボ
ヌクレオチドを有するプライマーを使用してDNAを合
成し、反応終了後にエンドヌクレアーゼによりプライマ
ー伸長鎖中のプライマーと伸長鎖の間にニックをいれて
分離させ、テンプレートを消化し、さらにプライマーを
回収して再利用するというものである。該方法では、プ
ライマーを再利用する際には反応系よりプライマーを単
離したうえで鋳型を再度アニーリングさせる必要があ
る。
【0009】上記のように従来の等温核酸増幅法はまだ
まだ種々の問題をかかえており、低ランニングコスト
で、かつ結果的に得られたDNA断片をさらに遺伝子工
学的な処理に使用することが可能な核酸配列の増幅方法
が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
オリゴヌクレオチドプライマーの存在下にDNA合成反
応を行なうことを特徴とする簡便で、効率の良い核酸配
列の増幅方法及びDNA増幅断片の大量供給のためのD
NA増幅断片の大量製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、リボヌクレオチドが3’末端又は3’末端側に配
置されたキメラオリゴヌクレオチドプライマー、エンド
リボヌクレアーゼ、およびDNAポリメラーゼの存在下
に目的とする領域のDNAを増幅する方法を見出し、優
れた遺伝子増幅反応系を構築し、本発明を完成するに至
った。該方法は、等温条件下、キメラオリゴヌクレオチ
ドプライマーを用いる核酸配列の増幅(ICAN;Isot
hermally chimeric primer used amplification of nuc
leic acid)法である。
【0012】本発明の第1の発明は、核酸配列を増幅す
るための方法であって、(a)鋳型となる核酸をこの核
酸の塩基配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプ
ライマーとDNAポリメラーゼにより処理して上記鋳型
に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該
プライマーはデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌク
レオチドを含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマ
ーであって、この リボヌクレオチドは、エ
ンドヌクレアーゼによる切断のためにプライマーの3’
末端又は3’末端側に配置され;(b)(a)工程で得
られる二本鎖核酸のプライマー伸長鎖のリボヌクレオチ
ド含有部位をエンドヌクレアーゼで切断する工程;およ
び(c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断
された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程;を包含す
ることを特徴とする核酸配列の増幅方法に関する。
【0013】本発明の第2の発明は、少なくとも2種類
のプライマーを使用し、核酸配列を増幅するための方法
であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的に相
補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメラ
ーゼにより処理して上記鋳型に相補的なプライマー伸長
鎖を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリボ
ヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメラ
オリゴヌクレオチドプライマーであって、このリボヌク
レオチドは、エンドヌクレアーゼによる切断のためにプ
ライマーの3’末端又は3’末端側に配置され; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
程;ここで(a)工程で使用されたプライマーとは異な
るプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的なデ
オキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有
するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであって、当
該リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによる切断の
ために該プライマーの3’末端又は3’末端側に配置さ
れ; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
る核酸配列の増幅方法に関する。
【0014】本発明の第1および第2の発明は、等温で
行ってもよく、また鋳型となる核酸配列がDNA配列で
あってもよい。さらに、第1および第2の発明の(a)
工程の前にRNAを鋳型として、逆転写酵素による逆転
写反応により一本鎖のcDNAを調製する工程を含んで
もよく、該一本鎖のcDNAを鋳型となる核酸配列とす
ることもできる。また、本発明の第1および第2の発明
において、鋳型となるDNAは一本鎖、二本鎖のいずれ
もが好適に使用できる。二本鎖DNAが鋳型となる場合
は、二本鎖DNAを一本鎖に変性する前処理工程の後に
本発明の方法を行えばよい。
【0015】上記発明において、プライマーからの伸長
は鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼにより行われ
ることを特徴とする。即ち、本発明には大腸菌由来のD
NAポリメラーゼIのクレノウ断片、バチルス ステア
ロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ
欠損BstDNAポリメラーゼ、およびバチルス カル
ドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損
BcaDNAポリメラーゼからなる群から選択されるD
NAポリメラーゼが好適に使用できる。また、エンドヌ
クレアーゼは、エンドリボヌクレアーゼが好適に使用で
き、特に限定するものではないが、例えばRNaseH
が使用できる。
【0016】本発明の第3の発明は、核酸配列を増幅す
るための方法であって、(a)鋳型となる核酸、デオキ
シリボヌクレオチド3リン酸、鎖置換活性を有するDN
Aポリメラーゼ、少なくとも1種類のプライマー、およ
びこのプライマーより生成する伸長鎖を切断するエンド
ヌクレアーゼを混合して反応混合物を調製する工程;こ
こで該プライマーは、鋳型となる核酸の塩基配列に実質
的に相補的であり、デオキシリボヌクレオチドおよびリ
ボヌクレオチドを含有し、リボヌクレオチドがエンドヌ
クレアーゼによる切断のためにプライマーの3’末端又
は3’末端側に配置されたキメラオリゴヌクレオチドで
あり;および(b)反応産物を生成するのに充分な時
間、反応混合物をインキュベートする工程、を包含する
ことを特徴とする核酸配列の増幅方法に関する。
【0017】上記第3の発明において、鋳型となる核酸
配列としては、一本鎖DNA、一本鎖DNAに変性され
た二本鎖DNA、またはRNAから逆転写反応によって
得られたcDNAからなる群より選択される核酸配列が
例示される。また、上記反応混合物中に2種以上のキメ
ラオリゴヌクレオチドプライマーを含有させてもよい。
本発明に使用される鎖置換活性を有するDNAポリメラ
ーゼ、エンドヌクレアーゼには、上記の第1、第2の発
明に使用されるものが好適に使用できる。
【0018】本発明の第1〜第3の発明に使用されるプ
ライマーは、キメラオリゴヌクレオチドプライマーであ
り、例えば、プライマーの3’末端又は3’末端側に少
なくとも1残基、好ましくは連続した2残基以上のリボ
ヌクレオチドが結合した構造を有するキメラオリゴヌク
レオチドプライマーを用いることができる。
【0019】また、本発明の第1〜第3の発明に使用さ
れる鋳型は、核酸増幅方法によってあらかじめ増幅され
た核酸であってもよい。該核酸増幅方法は、例えば、T
AS法、3SR法、NASBA法、TMA法、Qβレプ
リカーゼ法、PCR法、LCR法、SDA法が利用でき
るが、核酸を増幅するための方法であれば、特に限定は
ない。さらに、本発明の方法は、これらの核酸増幅方法
と組み合わせて使用することができる。
【0020】また、上記核酸増幅反応においては、ラン
ダムプライマーまたは縮重プライマーを使用することが
でき、特に限定はされないが例えば、少なくともその
3’末端又は3’末端側にランダムな配列または縮重し
た配列を有するプライマーが好適に使用できる。
【0021】本発明の第4の発明は、上記の第1〜第3
の発明に使用できるキメラオリゴヌクレオチドプライマ
ーに関する。このプライマーは、デオキシリボヌクレオ
チドとリボヌクレオチドを含有し、プライマーの3’末
端又は3’末端側にリボヌクレオチドが配置されている
ことを特徴とする。例えば、少なくとも1残基、好まし
くは連続した2残基以上のリボヌクレオチドを含有し、
その3’末端よりDNA鎖の伸長が可能なキメラオリゴ
ヌクレオチドプライマーであって、リボヌクレアーゼ、
例えばRNaseHの作用により上記リボヌクレオチド
残基の3’末端側が切断されるよう設計されたキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーが挙げられる。
【0022】本発明の第5の発明は、上記第1〜第3の
発明に使用される鎖置換活性を有するDNAポリメラー
ゼ、エンドヌクレアーゼおよびそれらを含むキットに関
する。
【0023】本発明の第6の発明は、標的核酸を検出す
るための方法であって、本発明の第1〜3の発明の核酸
配列の増幅方法により標的核酸を増幅した後、この核酸
を検出する工程を包含することを特徴とする。検出方法
には、消光状態になるような距離で配置された2種類以
上の蛍光色素で標識されたリボヌクレオチド(RNA)
プローブによって標的核酸を検出する方法が包含され
る。
【0024】本発明の第7の発明は、本発明の第6の発
明の標的核酸の検出方法に使用される鎖置換活性を有す
るDNAポリメラーゼ、エンドヌクレアーゼおよびそれ
らを含むキットに関する。
【0025】本発明の第8の発明は、核酸を所定の領域
に整列させた核酸固定化物を作製するための方法に関
し、本発明の第1〜3の発明の核酸配列の増幅方法によ
り増幅された核酸を担体上の所定の領域に整列させて固
定化する工程を包含することを特徴とする。特に好適に
は、実質的にその相補鎖を含まない一本鎖の核酸を増幅
し、所定の領域に整列させて固定化する方法が挙げられ
る。
【0026】本発明の第9の発明は、核酸を所定の領域
に整列させた核酸固定化物に関し、本発明の第8の発明
の方法によって作製されたものであることを特徴とす
る。特に好適な核酸固定化物としては、実質的にその相
補鎖を含まない一本鎖の核酸を所定の領域に整列させて
固定化させた核酸固定化物が挙げられる。
【0027】本発明の第10の発明は、試料中の標的核
酸を検出するための方法に関し、本発明の第9の発明の
核酸を所定の領域に整列させた核酸固定化物を使用し、
この核酸固定化物上の所定の領域に整列させて固定化さ
れた核酸にハイブリダイズした核酸を検出することを特
徴とする。
【0028】本発明の第11の発明は核酸を大量に製造
する方法であって、(a)鋳型となる核酸をこの核酸の
塩基配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプライ
マーとDNAポリメラーゼにより処理して上記鋳型に相
補的なプライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プラ
イマーはデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオ
チドを含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーで
あって、該リボヌクレオチドは、エンドヌクレアーゼに
よる切断のためにプライマーの3’末端又は3’末端側
に配置され;(b)(a)工程で得られる二本鎖核酸の
プライマー伸長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンド
ヌクレアーゼで切断する工程;および(c)(b)工程
で得られるプライマー伸長鎖が切断された二本鎖核酸の
プライマー部分の3’末端より、鎖置換活性を有するD
NAポリメラーゼによって鋳型に相補的な核酸配列を伸
長して鎖置換を行う工程;を包含することを特徴とする
核酸の製造方法に関する。
【0029】本発明の第12の発明は、少なくとも2種
類のプライマーを使用し、核酸を大量に製造する方法で
あって、 (a)鋳型となる核酸をこの核酸の塩基配列に実質的に
相補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメ
ラーゼにより処理して上記鋳型に相補的なプライマー伸
長鎖を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリ
ボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメ
ラオリゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌク
レオチドは、エンドヌクレアーゼによる切断のためにプ
ライマーの3’末端又は3’末端側に配置され; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
程;ここで(a)工程で使用されたプライマーとは異な
るプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的なデ
オキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有
するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであって、該
リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによる切断のた
めにプライマーの3’末端又は3’末端側に配置され; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
る核酸の製造方法に関する。
【0030】本発明の第13の発明は核酸を大量に製造
する方法であって、(a)鋳型となる核酸、デオキシリ
ボヌクレオチド3リン酸、鎖置換活性を有するDNAポ
リメラーゼ、少なくとも1種類のプライマー、およびこ
のプライマーより生成する伸長鎖を切断するエンドヌク
レアーゼを混合して反応混合物を調製する工程;ここで
該プライマーは、鋳型となる核酸の塩基配列に実質的に
相補的であり、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌ
クレオチドを含有し、該リボヌクレオチドがエンドヌク
レアーゼによる切断のためにプライマーの3’末端又は
3’末端側に配置されたキメラオリゴヌクレオチドであ
り;および(b)反応産物を生成するのに充分な時間、
反応混合物をインキュベートする工程、を包含すること
を特徴とする核酸の製造方法に関する。
【0031】本発明の第14の発明は核酸配列を増幅す
るための方法であって、 (a)増幅しようとする配列を含む核酸を核酸増幅反応
によって増幅し、鋳型となる核酸を調製する工程; (b)(a)で得られた鋳型となる核酸を該核酸の塩基
配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプライマー
とDNAポリメラーゼにより処理して該鋳型に相補的な
プライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プライマー
はデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを
含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
て、該リボヌクレオチドは、エンドヌクレアーゼによる
切断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に
配置され; (c)(b)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程;および (d)(c)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程;を包含する
ことを特徴とする核酸配列の増幅方法に関する。
【0032】本発明の第15の発明は少なくとも2種類
のプライマーを使用し、核酸配列を増幅するための方法
であって、 (a)増幅しようとする配列を含む核酸を核酸増幅反応
によって増幅し、鋳型となる核酸を調製する工程; (b)(a)で得られた鋳型となる核酸を該核酸の塩基
配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプライマー
とDNAポリメラーゼにより処理して該鋳型に相補的な
プライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プライマー
はデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを
含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
て、該リボヌクレオチドは、エンドヌクレアーゼによる
切断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に
配置され; (c)(b)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程; (d)(c)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(c)工
程に再度利用される工程; (e)(d)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
て(b)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
程;ここで該(b)工程で使用されたプライマーとは異
なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
を含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
て、該リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによる切
断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に配
置され; (f)(e)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程;および (g)(f)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(f)
工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
る核酸配列の増幅方法に関する。
【0033】本発明の第16の発明は核酸配列を増幅す
るための方法であって、(a)増幅しようとする配列を
含む核酸を核酸増幅反応によって増幅し、鋳型となる核
酸を調製する工程;(b)(a)で得られた鋳型となる核
酸、デオキシリボヌクレオチド3リン酸、鎖置換活性を
有するDNAポリメラーゼ、少なくとも1種類のプライ
マー、および該プライマーより生成する伸長鎖を切断す
るエンドヌクレアーゼを混合して反応混合物を調製する
工程;ここで該プライマーは、鋳型となる核酸の塩基配
列に実質的に相補的であり、デオキシリボヌクレオチド
およびリボヌクレオチドを含有し、該リボヌクレオチド
がエンドヌクレアーゼによる切断のために該プライマー
の3’末端又は3’末端側に配置されたキメラオリゴヌ
クレオチドプライマーであり;および(c)反応産物を
生成するのに充分な時間、反応混合物をインキュベート
する工程、を包含することを特徴とする核酸配列の増幅
方法に関する。
【0034】本発明の第14〜第16の発明において
は、増幅しようとする配列を含む核酸を先に核酸増幅反
応によって増幅し、該増幅産物を本発明の第1〜3の発
明の方法の鋳型となる核酸として用いる。第14〜16
の発明に使用する該核酸増幅方法は、核酸を増幅するた
めの方法であれば特に限定はなく、例えば、TAS法、
3SR法、NASBA法、TMA法、Qβレプリカーゼ
法、PCR法、LCR法、SDA法が利用できる。
【0035】また、上記核酸増幅反応においては、ラン
ダムプライマーまたは縮重プライマーを使用することが
でき、特に限定はされないが例えば、少なくともその
3’末端又は3’末端側にランダムな配列または縮重し
た配列を有するプライマーが好適に使用できる。
【0036】本発明の第17の発明は核酸配列を増幅す
るための方法であって、(a)鋳型となる核酸を該核酸
の塩基配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプラ
イマーとDNAポリメラーゼにより処理して該鋳型に相
補的なプライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プラ
イマーはデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオ
チドを含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーで
あって、該リボヌクレオチドは該プライマーの3’末端
又は3’末端側に配置され;(b)(a)工程で得られ
る二本鎖核酸のプライマー伸長鎖のリボヌクレオチド含
有部位をエンドヌクレアーゼで切断する工程;および
(c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程;を包含する
ことを特徴とする核酸配列の増幅方法に関する。
【0037】本発明の第18の発明は少なくとも2種類
のプライマーを使用し、核酸配列を増幅するための方法
であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的に相
補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメラ
ーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸長鎖
を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリボヌ
クレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌクレオ
チドは該プライマーの3’末端又は3’末端側に配置さ
れ; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
程;ここで該(a)工程で使用されたプライマーとは異
なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
を含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
て、該リボヌクレオチドは該プライマーの3’末端又は
3’末端側に配置され; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
る核酸配列の増幅方法に関する。
【0038】本発明の第19の発明は核酸配列を増幅す
るための方法であって、(a)鋳型となる核酸、デオキ
シリボヌクレオチド3リン酸、鎖置換活性を有するDN
Aポリメラーゼ、少なくとも1種類のプライマー、およ
び該プライマーより生成する伸長鎖を切断するエンドヌ
クレアーゼを混合して反応混合物を調製する工程;ここ
で該プライマーは、鋳型となる核酸の塩基配列に実質的
に相補的であり、デオキシリボヌクレオチドおよびリボ
ヌクレオチドを含有し、該リボヌクレオチドが該プライ
マーの3’末端又は3’末端側に配置されたキメラオリ
ゴヌクレオチドプライマーであり;および(b)反応産
物を生成するのに充分な時間、反応混合物をインキュベ
ートする工程、を包含することを特徴とする核酸配列の
増幅方法に関する。
【0039】本発明の第20の発明は核酸配列を増幅す
るための方法であって、(a)鋳型となる核酸を該核酸
の塩基配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプラ
イマーとDNAポリメラーゼにより処理して該鋳型に相
補的なプライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プラ
イマーはデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオ
チドを含有し、該リボヌクレオチドが該プライマーの
3'末端又は3’末端側に配置され、該リボヌクレオチ
ド含有部位がエンドヌクレアーゼによって切断されるキ
メラオリゴヌクレオチドプライマーであり;(b)
(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸長鎖の
リボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼで切断
する工程;および(c)(b)工程で得られるプライマ
ー伸長鎖が切断された二本鎖核酸のプライマー部分の
3’末端より、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ
によって鋳型に相補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行
う工程;を包含することを特徴とする核酸配列の増幅方
法に関する。
【0040】本発明の第21の発明は少なくとも2種類
のプライマーを使用し、核酸配列を増幅するための方法
であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的に相
補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメラ
ーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸長鎖
を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリボヌ
クレオチドおよびリボヌクレオチドを含有し、該リボヌ
クレオチドが該プライマーの3'末端又は3’末端側に
配置され、該リボヌクレオチド含有部位がエンドヌクレ
アーゼによって切断されるキメラオリゴヌクレオチドプ
ライマーであり; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
程;ここで該(a)工程で使用されたプライマーとは異
なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
を含有し、該リボヌクレオチドが該プライマーの3'末
端又は3’末端側に配置され、該リボヌクレオチド含有
部位がエンドヌクレアーゼによって切断されるキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーであり; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
る核酸配列の増幅方法に関する。
【0041】本発明の第22の発明は核酸配列を増幅す
るための方法であって、(a)鋳型となる核酸、デオキ
シリボヌクレオチド3リン酸、鎖置換活性を有するDN
Aポリメラーゼ、少なくとも1種類のプライマー、およ
び該プライマーより生成する伸長鎖を切断するエンドヌ
クレアーゼを混合して反応混合物を調製する工程;ここ
で該プライマーは、鋳型となる核酸の塩基配列に実質的
に相補的であり、デオキシリボヌクレオチドおよびリボ
ヌクレオチドを含有し、該リボヌクレオチドが該プライ
マーの3'末端又は3’末端側に配置され、該リボヌク
レオチド含有部位がエンドヌクレアーゼによって切断さ
れるキメラオリゴヌクレオチドプライマーであり;およ
び(b)反応産物を生成するのに充分な時間、反応混合
物をインキュベートする工程、を包含することを特徴と
する核酸配列の増幅方法に関する。
【0042】本発明の第23の発明は、核酸の塩基配列
を決定するための方法であって、上記第1〜第3の発明
及び第14〜第22の発明のいずれか1つの発明の方法
の、核酸配列を増幅する工程を包含することを特徴とす
る核酸の塩基配列の決定方法に関する。
【0043】
【発明の実施の形態】本明細書においてデオキシリボヌ
クレオチド(本明細書中ではdNとも記載する)とは、
糖部分がD−2−デオキシリボースで構成されたヌクレ
オチドのことをいい、例えば、塩基部分にアデニン、シ
トシン、グアニン、チミンを有するものが挙げられる。
【0044】本明細書においてリボヌクレオチド(本明
細書中ではNとも記載する)とは、糖部分がD−リボー
スで構成されたヌクレオチドのことをいい、塩基部分に
アデニン、シトシン、グアニン、ウラシルを有するもの
が挙げられる。さらに、当該リボヌクレオチドには修飾
リボヌクレオチドが包含され、例えばα位のリン酸基の
酸素原子を硫黄原子に置き換えた修飾リボヌクレオチド
[(α−S)リボヌクレオチド、(α−S)Nとも記載
する]やこの他の誘導体等も含まれる。
【0045】本明細書においてキメラオリゴヌクレオチ
ドプライマーとは、デオキシリボヌクレオチドおよびリ
ボヌクレオチドを含有するプライマーのことを言う。該
プライマーは未修飾デオキシリボヌクレオチドおよび/
または修飾デオキシリボヌクレオチドあるいは未修飾リ
ボヌクレオチドおよび/または修飾リボヌクレオチドを
含有していてもよい。
【0046】本発明に使用するキメラオリゴヌクレオチ
ドプライマーは、該プライマーの3’末端又は3’末端
側にリボヌクレオチドを配置し、本発明の方法において
核酸鎖が伸長でき、エンドヌクレアーゼで切断でき、鎖
置換反応を行うことができるものであれば、いずれもが
本発明のキメラオリゴヌクレオチドプライマーに包含さ
れる。
【0047】本明細書において3’末端側とは、核酸、
例えば、プライマーにおいて、その中央より3’末端に
かけての部分を指す。同様に5’末端側とは、核酸にお
いてその中央より5’末端にかけての部分を指す。
【0048】本明細書においてエンドヌクレアーゼと
は、鋳型核酸にアニーリングした、上記キメラオリゴヌ
クレオチドプライマーよりDNAの伸長を行って生成し
た二本鎖DNAに作用して、該プライマーのリボヌクレ
オチド部分を特異的に切断するものであればよい。
【0049】本明細書においてDNAポリメラーゼと
は、DNA鎖を鋳型として新たなDNA鎖を合成する酵
素のことを言う。特に限定はされないが、ポルI型DN
Aポリメラーゼ(大腸菌DNAポリメラーゼI、クレノ
ウ断片、Taq DNAポリメラーゼなど)、α型DN
Aポリメラーゼ(ピロコッカス・フリオサス由来DNA
ポリメラーゼ(ストラタジーン社製)、VENT DN
Aポリメラーゼ(ニューイングランドバイオラブス社
製)、KOD DNAポリメラーゼ(東洋紡社製)、D
EEP VENT DNAポリメラーゼ(ニューイング
ランドバイオラブス社製)及び非α非ポルI型DNAポ
リメラーゼ(国際公開第97/24444号パンフレッ
ト記載のDNAポリメラーゼ)等が挙げられる。また、
鎖置換(Strand displacement)活性を有するDNAポリ
メラーゼとしては、バチルス・カルドテナックス(Baci
llus caldotenax、以下、B.caと称す)やバチルス
・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophi
lus、以下B.stと称す)等の好熱性バチルス属細菌
由来DNAポリメラーゼ及び該DNAポリメラーゼの
5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失した変異体等
が挙げられる。さらに、上記クレノウ断片のような鎖置
換活性を有し、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有
していないDNAポリメラーゼも鎖置換型DNAポリメ
ラーゼに含まれる。さらに、上記DNAポリメラーゼ
は、複数のDNAポリメラーゼの混合物、特に限定はさ
れないが上記鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ及
び鎖置換活性を有さないDNAポリメラーゼを組み合わ
せた混合物でもよい。
【0050】本明細書において「鎖置換活性」とは、鋳
型となる核酸配列に従ってDNA複製を行う際、DNA
鎖を置き換えながら進行し、鋳型鎖にアニーリングして
いる相補鎖を遊離させる、即ち鎖置換(strand displac
ement)することができる活性のことをいう。また、本
明細書においては、鎖置換により鋳型となる核酸配列か
ら遊離したDNA鎖のことを「置換鎖」と称する。
【0051】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)本発明に使用するキメラオリゴヌクレオチドプラ
イマー 本発明の方法において使用されるプライマーは、デオキ
シリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有する
キメラオリゴヌクレオチドプライマーである。該プライ
マーには未修飾リボヌクレオチドおよび/または修飾リ
ボヌクレオチドを含有するオリゴリボヌクレオチドプラ
イマーも含まれる。
【0052】本発明の方法において使用されるキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーは、鋳型核酸の塩基配列の
一部に実質的に相補的な塩基配列を有し、その3’末端
よりDNA鎖の伸長が可能であり、さらに、DNA合成
反応中にエンドヌクレアーゼにより切断される部位をそ
の3’末端又は3’末端側に有するものであれば良い。
例えば、その3’末端又は3’末端側にリボヌクレオチ
ドが配置されたキメラオリゴヌクレオチドプライマーを
使用することができる。当該プライマーは通常、増幅し
ようとする領域の上流、すなわち鋳型核酸上の増幅しよ
うとする領域に対応する塩基配列の3’側部分に相補的
に設計される。なお、ここで「実質的に相補的な塩基配
列」とは、使用される反応条件において鋳型となるDN
Aにアニーリング可能な塩基配列を意味する。このよう
なキメラオリゴヌクレオチドプライマーあるいはオリゴ
ヌクレオチドプライマーの設計は当業者に公知であり、
例えば、ラボマニュアルPCR(宝酒造社発行、第13
頁〜第16頁、1996年)を参考に設計することがで
きる。また、市販のプライマー設計ソフト、例えば、O
LIGOTM Primer Analysis sof
tware(宝酒造社製)を使用することができる。
【0053】本発明の方法において使用されるキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーは1以上の修飾リボヌクレ
オチドを含有するものであってもよい。即ち、本明細書
においてリボヌクレオチドは、キメラオリゴヌクレオチ
ドプライマーの3’末端又は3’末端側に配置され、エ
ンドヌクレアーゼにより認識あるいは切断されるもので
あれば、未修飾リボヌクレオチドおよび/または修飾リ
ボヌクレオチドのいずれであってもよく、そのような未
修飾あるいは修飾リボヌクレオチドのいずれもが包含さ
れる。すなわち、本発明のキメラオリゴヌクレオチドプ
ライマーには、当該プライマーの機能を失わない範囲で
未修飾リボヌクレオチド、修飾リボヌクレオチドを使用
することができ、さらにこれらを組合せて使用すること
ができる。このような修飾リボヌクレオチドとしては、
特に限定するものではないが、たとえば、リン酸基に結
合する酸素原子が硫黄原子に置換された(α−S)リボ
ヌクレオチドや、リボースの2位の水酸基がメトキシ基
に置換されたリボヌクレオチドが挙げられる。このよう
な修飾リボヌクレオチドを含有するキメラオリゴヌクレ
オチドプライマーは、例えば、米国特許第5,003,
097号記載の硫化反応試薬(グレンリサーチ社製)を
用いた方法で調製した(α−S)リボヌクレオチド3リ
ン酸、あるいは2−OMe−RNA−CE ホスホアミ
ダイド試薬(グレンリサーチ社製)を用いて作製するこ
とができる。
【0054】また、エンドヌクレアーゼによる切断に耐
性を付与するような性質の修飾リボヌクレオチドを含有
し、本発明の増幅方法に使用できるキメラオリゴヌクレ
オチドプライマーを設計してもよく、この様なプライマ
ーは、増幅反応工程におけるエンドヌクレアーゼの切断
位置を制御し得る点において有用である。
【0055】本発明の方法で使用するキメラオリゴヌク
レオチドプライマーは、増幅後のDNA断片を一本鎖も
しくは二本鎖のいずれの形態で得たいかによって1種類
もしくは2種類を使い分けることができる。すなわち、
一本鎖DNAが望まれる場合には1種類のキメラオリゴ
ヌクレオチドプライマーを、また、二本鎖が望まれる場
合には2種類のプライマーが使用される。
【0056】本発明の方法において使用されるキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーは特に限定はないが約12
ヌクレオチドから約100ヌクレオチドの長さのものが
好ましい。さらに好ましくは、約15ヌクレオチドから
約40ヌクレオチドの長さのプライマーである。その塩
基配列は使用される反応条件において鋳型核酸にアニー
リングするように、実質的に鋳型核酸に相補的な配列で
あることが好ましい。該プライマーには、後に示す段階
で使用されるエンドヌクレアーゼにより認識される配列
を3’末端又は3’末端側に含む。
【0057】本発明を何ら限定するものではないが、例
えば、下記一般式で表す構造をもつオリゴヌクレオチド
を本発明のDNA合成方法にプライマーとして使用する
ことができる。
【0058】一般式:5’−dNa−Nb−dNc3’ (a:11以上の整数、b:0または1以上の整数、
c:0または1以上の整数、ただし、b=c=0の場合
を除く、dN:デオキシリボヌクレオチド、N:未修飾
リボヌクレオチド及び/又は修飾リボヌクレオチド)
【0059】例えば、上記一般式においてa=11以上
の任意の整数で、b=1、c=0のキメラオリゴヌクレ
オチドプライマー、b=2、c=0のキメラオリゴヌク
レオチドプライマー、b=3〜5、c=0のキメラオリ
ゴヌクレオチドプライマー、さらにb=2、c=0〜5
のキメラオリゴヌクレオチドプライマー等がいずれも本
発明に好適に使用できる。即ち、本発明の方法に用いる
キメラオリゴヌクレオチドプライマーの3'末端又は3'
末端側のリボヌクレオチドの長さは、好ましくは1me
r〜15mer、さらに好ましくは、1mer〜10m
er、特に好ましくは1mer〜5merである。ま
た、上記一般式中のcの数は、特に限定はなく、本発明
の方法に使用できる数を選択すればよいが、通常5以下
が好適であり、4、3、2、1、の順に反応結果が良
く、特にc=0の場合が最も反応効率がよい。
【0060】本発明に使用されるキメラオリゴヌクレオ
チドプライマーは、該プライマーよりDNAポリメラー
ゼで伸長されたDNA鎖(プライマー伸長鎖)に含まれ
るリボヌクレオチド含有部位がエンドヌクレアーゼで切
断されるような構造を有している。すなわち、上記のキ
メラオリゴヌクレオチドプライマーは、エンドヌクレア
ーゼにより切断を受けるようにリボヌクレオチドがその
3’末端又は3’末端側に配置されている。例えば、鋳
型核酸にアニーリングした、上記の一般式で表されるキ
メラオリゴヌクレオチドプライマーよりDNAの伸長を
行って生成した二本鎖DNAにRNaseHを作用させ
た場合には、上記キメラオリゴヌクレオチドプライマー
のリボヌクレオチド部分が切断され、上記オリゴヌクレ
オチドプライマーと伸長により合成されたDNA鎖の間
にニックの入った二本鎖DNAが生じる。さらに、該ニ
ックの入った部位からDNAポリメラーゼにより鎖置換
反応がおこる。従って、プライマーの3’末端から核酸
鎖を伸長させることができ、エンドヌクレアーゼにより
切断されることができ、そしてDNAポリメラーゼによ
り鎖置換反応ができるキメラオリゴヌクレオチドプライ
マーは全て本発明の方法に使用することができる。
【0061】これらのキメラオリゴヌクレオチドプライ
マーは、任意の核酸配列を持つように、例えばアプライ
ド・バイオシステムズ社(ABI社、Applied Biosyste
m Inc.)のDNAシンセサイザー394型を用いて、ホ
スホアミダイト法により合成できる。また、別法として
リン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、チオホス
ホネート法等があるが、いかなる方法で合成されたもの
であっても良い。
【0062】(2)本発明に使用されるエンドヌクレア
ーゼ 本発明に使用されるエンドヌクレアーゼとは、鋳型核酸
にアニーリングした、上記(1)に記載のキメラオリゴ
ヌクレオチドプライマーよりDNAの伸長を行って生成
した二本鎖DNAに作用して、鎖置換反応が起こるよう
に伸長鎖を切断するものであればよい。即ち、上記の二
本鎖DNAのうちのキメラオリゴヌクレオチドプライマ
ー部分にニックを生成する酵素である。特に限定される
ものではないが、例えば、本発明にはリボヌクレアーゼ
が使用でき、特にDNAとRNAとから形成された二本
鎖核酸のRNA部分に作用するエンドリボヌクレアーゼ
H(RNaseH)が好適に使用できる。また、該リボ
ヌクレアーゼには、上記作用を有するものであれば、常
温性から耐熱性のリボヌクレアーゼのいずれもが好適に
本発明に使用できる。例えば、下記実施例に示すよう
に、約50℃〜約70℃での反応では大腸菌(E.co
li)由来のRNaseHが本発明の方法に使用するこ
とができる。また、耐熱性リボヌクレアーゼである市販
のHybridaseTM Thermostable
RNaseH(エピセンターテクノロジーズ社製)等も
好適に使用できる。さらに、該リボヌクレアーゼは、天
然体および変異体のいずれでも良い。なお、本願明細書
に記載されているRNaseHの酵素単位は、実施例中
の参考例に示した酵素単位測定方法に基づいて表示され
た数値である。
【0063】また、本発明の方法に使用するエンドヌク
レアーゼ、例えば、RNaseHの切断反応の効率は上
記プライマーの3’末端近傍の塩基配列に左右され、所
望のDNAの増幅効率に影響することが考えられるの
で、使用するRNaseHに最適なプライマーをデザイ
ンすることは当然のことである。
【0064】本明細書において使用されている「ニック
を入れる」もしくは「ニッキング」という語は、二本鎖
核酸の一方の鎖の内部を切断することを意味する。たと
えば、RNaseHはDNAとリボヌクレオチドを含む
DNAとのハイブリッド二本鎖核酸に作用し、二本鎖の
うちのリボヌクレオチドを含む鎖のリボヌクレオチド部
分を選択的に切断することにより、当該ハイブリッド二
本鎖核酸にニックを入れる。
【0065】(3)本発明に使用されるDNAポリメラ
ーゼ 本発明には、DNAの鎖置換(strand displacement)
活性を有するDNAポリメラーゼを使用することができ
る。また、実質的に5’→3’エキソヌクレアーゼ活性
を有しないものが特に好適に使用することができる。
【0066】本発明において、「鎖置換活性」とは、鋳
型となる核酸配列に従ってDNA複製を行う際、DNA
鎖を置き換えながら進行し、鋳型鎖にアニーリングして
いる相補鎖を遊離させる、即ち鎖置換(strand displac
ement)することができる活性のことをいう。また、本
明細書においては、鎖置換により鋳型となる核酸配列か
ら遊離したDNA鎖のこと「置換鎖」と称する。
【0067】本発明に使用されるDNAポリメラーゼ
は、上記の鎖置換活性を有するものであれば特に限定は
なく、例えば、バチルス・カルドテナックス(Bacillus
caldotenax、以下、B.caと称す)やバチルス・ス
テアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilu
s、以下B.stと称す)等の好熱性バチルス属細菌由
来DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ
活性を欠失した変異体や、大腸菌(以下、E.coli
と称す)由来のDNAポリメラーゼIのラージ フラグ
メント(クレノウ断片)等が挙げられる。また、本発明
に使用できるDNAポリメラーゼは、常温性から耐熱性
のいずれのものも好適に使用できる。
【0068】B.caは生育至適温度が約70℃である
好熱性細菌であり、この細菌由来のBca DNAポリ
メラーゼは、DNA依存DNAポリメラーゼ活性、RN
A依存DNAポリメラーゼ活性(逆転写活性)、5’→
3’エキソヌクレアーゼ活性、3’→5’エキソヌクレ
アーゼ活性を持つことが知られている。
【0069】上記の酵素はその本来の起源より精製して
取得されたもの、あるいは遺伝子工学的に生産された組
み換え蛋白質の何れであっても良い。また、該酵素は、
遺伝子工学的あるいはその他の手法によって置換、欠
失、付加、挿入等の改変を加えたものであっても良く、
このような酵素の例として、5’→3’エキソヌクレア
ーゼ活性を欠損させたBca DNAポリメラーゼであ
るBcaBEST DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)
等が挙げられる。
【0070】(4)本発明に使用される反応バッファー
の組成 本発明に使用される反応バッファーには、緩衝成分、マ
グネシウム塩、dNTPを含有するものが使用される。
緩衝成分は、特に限定はないが、例えば、トリシン、ト
リス−塩酸、リン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリ
ウム等)が好適に使用できる。特にトリシン、あるいは
リン酸塩を緩衝成分として含有するバッファーが本発明
に好適である。該緩衝成分の最終濃度は5mM〜100
mMの範囲、特に好ましくは20mM〜50mMの範囲
であり、またpH6.0〜9.5、特に好ましくはpH
7.0〜9.2の範囲のものが使用される。例えば、2
2mM〜46mMのトリシンを含有するpH7.5〜
9.2のバッファー、あるいは25mM〜50mMのリ
ン酸カリウムを含有するpH7.0〜8.0のバッファ
ーが好適に使用される。また、マグネシウム塩として
は、特に限定はないが、例えば、塩化マグネシウム、酢
酸マグネシウムあるいは硫酸マグネシウムが好適に使用
でき、その濃度は、最終濃度で1mM〜20mM、特に
好ましくは2mM〜10mMの範囲である。また、DN
A伸長反応の基質となるdNTP混合物(dATP、d
CTP、dGTP、dTTP)は、最終濃度で、それぞ
れ0.1mM〜3.0mM、特に好ましくは0.2mM
〜1.2mMの範囲である。使用するプライマーの量
は、反応液量50μl当たり1pmol〜1000pm
olの範囲であり、特に10pmol〜100pmol
の範囲が好ましい。さらに、反応液中には増幅反応の安
定化等を目的とした添加物を共存させることができ、最
終濃度0.1%以下のBSA、最終濃度10%以下のジ
メチルスルホキシド、あるいは最終濃度4mM以下のプ
トレスシン2塩酸塩あるいは0.01%以下のプロピレ
ンジアミンを添加してもよい。この他、NMP(1−メ
チル2ピロロリジノン)、グリセロール、ポリ(エチレ
ングリコール)、ジメチルスルフォキシドおよび/また
はホルムアミドを含んでもよく、これらの有機溶媒の添
加により、オリゴヌクレオチドプライマーの非特異的な
アニーリングが軽減されることが期待される。
【0071】エンドヌクレアーゼは、例えば、大腸菌由
来のRNaseHならば、反応液量50μl当たり3〜
200Uの範囲が好ましく、特に15U〜60Uの範囲
が好適である。また、DNAポリメラーゼは、例えば、
BcaBEST DNAポリメラーゼならば、反応液量
50μl当たり0.5U〜100Uの範囲、特に1U〜
22Uの範囲が好ましい。特に、前者についてはその種
類によって好適に使用できるユニット数が異なる場合が
予想されるが、その際には増幅産物量が最大になるよう
に該バッファーの組成および酵素の添加量を調整すれば
よい。いずれの場合においても、使用する酵素の種類に
あわせて反応バッファーの組成等を至適化するのは当然
のことである。
【0072】(5)本発明の核酸配列の増幅方法 本発明の方法は、上記(1)に示されたオリゴヌクレオ
チドプライマーを少なくとも1種類使用し、さらに上記
(2)に示されたエンドヌクレアーゼおよび上記(3)
に示されたDNAポリメラーゼを組合わせて実施するこ
とができる。当該方法では、伸長反応の基質となるヌク
レオチド3リン酸には、PCR法等に使われるdNT
P、すなわちdATP、dCTP、dGTP、dTTP
の混合物が好適に使用できる。当該dNTPは、使用さ
れるDNAポリメラーゼの基質となる限りにおいては、
dNTPのアナログ、たとえば7−デアザ−dGTP等
を含んでいてもよい。また、当該方法では、キメラオリ
ゴヌクレオチドプライマーを使用するが、当該プライマ
ーは、例えば、DNA合成機等を用いて通常の合成方法
と同様に調製することができる。さらに、本発明の方法
においては、上記キメラオリゴヌクレオチドプライマー
と通常のオリゴヌクレオチドプライマーを組み合わせて
使用することもできる。
【0073】本発明の方法において鋳型となる核酸、す
なわちDNAまたはRNAは、当該核酸を含む可能性の
あるあらゆる試料から調製、あるいは単離したものでも
よい。このような核酸を含む試料には特に限定はない
が、例えば、全血、血清、バフィーコート、尿、糞便、
脳脊髄液、精液、唾液、組織(例えば、癌組織、リンパ
節等)、細胞培養物(例えば、哺乳動物細胞培養物及び
細菌培養物等)のような生体由来試料、ウイロイド、ウ
イルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸
含有試料、ウイルス又は細菌のような微生物が混入もし
くは感染している可能性のある試料(食品、生物学的製
剤等)、あるいは土壌、排水のような生物を含有する可
能性のある試料が挙げられる。また、前記試料等を公知
の方法で処理することによって得られる核酸含有調製物
であっても良い。該調製物としては、例えば細胞破砕物
やそれを分画して得られる試料、該試料中の核酸、ある
いは特定の核酸分子群、例えば、mRNAを富化した試
料等が本発明に使用できる。さらに上記試料中に含まれ
る核酸が公知方法で増幅されたDNAあるいはRNA等
の核酸等も好適に使用できる。
【0074】これら材料からの核酸含有調製物の調製に
は特に限定はなく、例えば、界面活性剤による溶解処
理、超音波処理、ガラスビーズを用いた振盪撹拌、フレ
ンチプレスの使用等により行うことができる。幾つかの
例においては、さらに操作を加えて核酸を精製すること
が有利である(例えば、内在性ヌクレアーゼが存在する
とき)。これらの例において、核酸の精製はフェノール
抽出、クロマトグラフィー、イオン交換、ゲル電気泳動
または密度勾配遠心分離等の公知方法により実施され
る。
【0075】RNA由来の配列を有する核酸を増幅した
い場合には、当該RNAを鋳型とした逆転写反応によっ
て合成されたcDNAを鋳型として本発明の方法を実施
すればよい。本発明の方法に適用することができるRN
Aには、逆転写反応に使用されるプライマーが作製可能
なものであれば特に制限はなく、試料中の全RNAの
他、mRNA、tRNA、rRNA等のRNA分子群、
あるいは特定のRNA分子種が挙げられる。
【0076】上記の逆転写反応に使用されるプライマー
は、使用される反応条件において鋳型RNAにアニール
するものであれば特に限定されるものではない。該プラ
イマーは、特定の鋳型RNAに相補的な塩基配列を有す
るプライマー(特異的プライマー)の他、オリゴdT
(デオキシチミン)プライマーやランダムな配列を有す
るプライマー(ランダムプライマー)であっても良い。
逆転写用プライマーの長さは、特異的なアニーリングを
行う観点から、好ましくは6ヌクレオチド以上であり、
更に好ましくは9ヌクレオチド以上であり、オリゴヌク
レオチドの合成の観点から、好ましくは100ヌクレオ
チド以下であり、更に好ましくは30ヌクレオチド以下
である。
【0077】さらに、逆転写用プライマーとして、逆転
写後のcDNAを鋳型とした本発明の核酸配列増幅法を
行う際に鎖置換反応のためのプライマーとして使用可能
なキメラオリゴヌクレオチドプライマーを使用すること
ができる。このようなプライマーは、上記(1)に記載
された性質を有し、かつRNAからの逆転写反応に使用
できるものであれば特に限定はない。
【0078】上記の逆転写反応に使用される酵素として
は、RNAを鋳型としたcDNA合成活性を有するもの
であれば特に限定はなく、例えばトリ骨髄芽球症ウイル
ス由来逆転写酵素(AMV RTase)、モロニーネ
ズミ白血病ウイルス由来逆転写酵素(MMLV RTa
se)、ラウス関連ウイルス2逆転写酵素(RAV−2
RTase)等、種々の起源の逆転写酵素が挙げられ
る。このほか、逆転写活性を併せ持つDNAポリメラー
ゼを使用することもできる。また、本発明の目的のため
には、高温で逆転写活性を有する酵素が好適であり、例
えばサーマス属細菌由来DNAポリメラーゼ(TthD
NAポリメラーゼ等)、好熱性バチルス属細菌由来DN
Aポリメラーゼ等を使用できる。特に限定はないが、例
えば、好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼが
好ましく、B.st由来DNAポリメラーゼ(Bst
DNAポリメラーゼ)、さらにB.ca由来DNAポリ
メラーゼ(以下、Bca DNAポリメラーゼと記載す
る)が好ましい。例えば、Bca DNAポリメラーゼ
は、逆転写反応にマンガンイオンを必要とせず、また、
高温条件下で鋳型RNAの二次構造形成を抑制しながら
cDNAを合成することができる。上記の逆転写酵素活
性を有する酵素も、当該活性を有している範囲において
天然体、変異体のいずれもが使用できる。
【0079】本発明の方法による核酸の増幅において
は、あらかじめ鋳型となる核酸を増幅しておくことによ
り、さらに効率よく目的の核酸を増幅できる場合があ
る。例えば、極めて少量のゲノムDNA等に存在する核
酸配列を増幅する場合には、まず目的の核酸配列を含む
DNA断片を適当な核酸増幅方法によって増幅し、次に
こうして得られた増幅DNA断片を鋳型とした本発明の
核酸の増幅方法を実施することができる。1段階目の増
幅工程は本発明の方法で実施されてもよく、また公知の
核酸増幅方法、例えばPCR法で実施されてもよい。ま
た、この工程に使用されるプライマーの5’側にある特
定の塩基配列を付加しておくことができる。このような
プライマーで増幅された断片を鋳型として使用する場合
には、当該プライマーに付加された特定の塩基配列を有
するキメラオリゴヌクレオチドプライマーを使用して本
発明の核酸増幅方法を実施することができる。すなわち
上記のような特定の塩基配列を5’側に付加されたプラ
イマーを使用したPCRを本発明の方法に組み合わせれ
ば、PCRで増幅されたDNA断片を鋳型とした本発明
の方法による核酸増幅工程は、増幅しようとする領域の
塩基配列とは無関係に共通のキメラオリゴヌクレオチド
プライマーで実施することが可能である。
【0080】通常、上記の1段階目の核酸増幅工程に
は、目的の核酸配列に応じて、当該配列を特異的に増幅
するための特異的プライマー対を作製する必要がある
が、非特異的に核酸断片を増幅するようなランダムプラ
イマーや、あらかじめ作成された縮重プライマーのセッ
トから選択されるプライマー対を利用することにより、
目的の核酸配列に特異的プライマーを使用することなく
鋳型となる核酸を増幅することができる。例えば、ヌク
レイック アシッズ リサーチ(Nucleic Acids Resear
ch)第24巻、19号、3778〜3783頁(199
6)に記載のタグ配列を有するランダムプライマーを使
用するPCR法、あるいはジェノミックス(Genomics)
第13巻、718〜725頁(1992)に記載のタグ
配列を有する縮重プライマー(Degenerate primer)を
用いたDOP−PCR(Degenerate Oligonucleotide-P
rimed PCR)法を利用することにより多種類の鋳型核酸
を増幅するために必要なプライマー対の数を少なくする
ことができる。これらのプライマーはいずれもその3’
末端にランダムな配列、縮重した配列を有している。さ
らに、タグ配列を有するプライマーで増幅された核酸を
鋳型として本発明の核酸配列増幅方法を実施する場合に
は、上記のようにタグ配列と同じ塩基配列を有する1種
のキメラオリゴヌクレオチドプライマーを使用すること
により、同一のタグ配列を有するプライマーで増幅され
たすべての核酸を鋳型として本発明の方法を実施するこ
とができる。すなわち、ランダムプライマーや縮重プラ
イマーを用いた核酸増幅法と本発明の方法を組み合わせ
れば、数多くの種類の核酸配列を非常に安価に、かつ大
量に供給することができる。
【0081】上記核酸増幅法に用いられるDNAポリメ
ラーゼとしては、DNA鎖を鋳型として新たなDNA鎖
を合成する酵素であれば特に限定はされないが、ポルI
型DNAポリメラーゼ(大腸菌DNAポリメラーゼI、
クレノウ断片、Taq DNAポリメラーゼなど)、α
型DNAポリメラーゼ(ピロコッカス・フリオサス由来
DNAポリメラーゼ、VENT DNAポリメラーゼ、
KOD DNAポリメラーゼ、DEEP VENT D
NAポリメラーゼ)及び非α非ポルI型DNAポリメラ
ーゼ(国際公開第97/24444号パンフレット記載
のDNAポリメラーゼ)等が挙げられる。また、少なく
とも2種類のDNAポリメラーゼを組み合わせた混合
物、例えばタカラ Ex Taq DNAポリメラーゼ
(宝酒造社製)あるいはKOD dash DNAポリ
メラーゼ(東洋紡社製)等も好適に使用できる。また、
B.ca由来DNAポリメラーゼ、B.st由来由来D
NAポリメラーゼ及び該DNAポリメラーゼ及び該DN
Aポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を
欠失した変異体、9N DNAポリメラーゼ、Pfu
(exo-) DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)、
Tth DNAポリメラーゼ(東洋紡社製)、Tfl
DNAポリメラーゼ(プロメガ社製)等のDNAポリメ
ラーゼも好適に使用できる。
【0082】また、PCR増幅断片のような直鎖DNA
断片を本発明の核酸配列増幅方法の鋳型とする場合、鋳
型となる当該直鎖DNA断片の3'末端から本発明の核
酸増幅方法に用いるプライマーの5'末端のアニーリン
グ位置との間にスペーサーと呼ばれる配列部分を設ける
と増幅効率が向上する場合がある。特に限定はないが、
例えば、上記スペーサー部分の長さが1塩基〜約70塩
基、さらに好ましくは、約5塩基〜約60塩基になるよ
うに本発明の核酸増幅方法用プライマーを設定するのが
好ましい。なお、本発明の核酸配列増幅用プライマーの
配列によっては、上記の好適なスペーサー部分の塩基数
が異なる場合があるが、その場合最適なスペーサー部分
を本明細書の実施例を参考に検討する事ができる。さら
に、本発明の核酸増幅用プライマーのアニーリングする
領域の3’側に上記のスペーサー部分が付加されるよう
に、例えばPCRによって本発明の核酸増幅方法の鋳型
となる核酸を予め増幅したのち、この増幅断片を本発明
の核酸増幅方法の鋳型として使用することができる。1
つの態様としては、5’→3’方向に上記スペーサー領
域、本発明の核酸増幅方法用プライマー領域及び他の核
酸増幅用プライマー領域を有するプライマーを用いて、
予め鋳型となる核酸を増幅したのち、この増幅断片を本
発明の核酸増幅方法の鋳型として使用することができ
る。なお、前述の他の核酸増幅用プライマー領域は、例
えば、PCR法のような核酸増幅方法のためのプライマ
ー領域であればよく特に限定はされない。あるいは、前
述の他の核酸増幅用プライマー領域は、本発明の核酸増
幅方法のための別のプライマー領域であってもよい。
【0083】上記方法により単離したゲノムDNAやP
CRフラグメントのような二本鎖DNA、および全RN
A若しくはmRNAから逆転写反応で調製されたcDN
Aのような一本鎖DNAのいずれもが本発明において鋳
型DNAとして好適に使用できる。上記二本鎖DNAの
場合は、一本鎖DNAに変性する工程(デネーチャー)
を施したものが好適に使用できる。
【0084】また、鋳型がPCR増幅産物のような直鎖
状2本鎖DNAにおいては、本発明の方法に用いるプラ
イマーがアニーリングする位置を、該DNAの末端から
約50塩基程度内側に設定することにより、前述のデネ
ーチャーの工程を行わなくても本発明の核酸配列の増幅
方法を行うことができる場合がある。さらに、RNA由
来の配列を有する核酸の増幅を目的とする場合には、本
発明のDNAの合成方法に逆転写酵素活性と鎖置換活性
とを有するDNAポリメラーゼを使用することにより、
RNAを鋳型とした逆転写反応と、当該反応によって生
成したcDNAを鋳型にしたDNA増幅反応とを1種類
のDNAポリメラーゼで行なうことができる。
【0085】上記鋳型の長さは、標的配列がその断片中
に完全に含まれるか、または標的配列の十分な部分が少
なくとも断片中に存在することにより、プライマー配列
の十分な結合を提供するようなものがよい。
【0086】本発明の方法は、鋳型DNAが二本鎖DN
Aの場合、それらを変性して一本鎖にすることにより鋳
型DNA鎖へのプライマーの結合を可能にさせる。二本
鎖DNAが変性する温度、例えば約95℃で保持するこ
とは好ましい変性法である。他の方法はpHの上昇を含
むが、オリゴヌクレオチドプライマーを標的物に結合さ
せるためには、増幅反応時にpHを低下させる必要があ
る。上記のような二本鎖を一本鎖DNAに変性する工
程、もしくは、鋳型がRNAの場合、逆転写反応により
cDNA(一本鎖DNA)を調製する工程の後、等温条
件下において、連続的に核酸配列が増幅される。
【0087】ここで、「連続的に」とは、反応温度、反
応液組成の変更を伴わずに反応が進行していることを意
味する。また、本明細書において「等温」とは、酵素お
よび核酸鎖が上記各工程において機能する、実質的に一
定の温度条件のことを意味する。
【0088】本発明の核酸増幅方法は、理論によって限
定されないが、例えば、等温条件下、下記の工程が並行
して連続し、繰返し起こると考えられる: [1]鋳型となるDNAを少なくとも1種のオリゴヌク
レオチドプライマーとアニーリングさせる工程; [2]プライマーの3’末端から鋳型DNAに相補的な
DNAの伸長反応を行なう工程; [3]エンドヌクレアーゼで、[2]で伸長させたDNA
鎖を切断する工程; [4][3]で切断された部位の3’末端からDNA伸
長反応を行なうと同時に、[2]で伸長させたDNA鎖
を分解することなく鋳型DNAから遊離させる工程; [5][4]の工程で得られた二本鎖ポリヌクレオチド
を用いて[3]〜[4]の工程を繰り返す工程。
【0089】上記の反応は、例えば、クレノウ断片のよ
うな常温性DNAポリメラーゼを使用することにより常
温(例えば37℃)でも実施できるが、耐熱性を有する
酵素(エンドヌクレアーゼ、DNAポリメラーゼ)を使
用して高温、例えば50℃以上で、さらに例えば60℃
以上で実施することができる。この場合、プライマーの
非特異的なアニーリングが抑制され、DNA増幅の特異
性が向上し、また鋳型DNAの二次構造が解消されるこ
とによりDNAポリメラーゼの伸長性も向上する。さら
に該方法においては、逆転写反応および核酸配列の増幅
を連続して行なう態様も可能であり、上記反応に逆転写
酵素を組み合わせて、あるいは逆転写活性を有するDN
Aポリメラーゼを使用して、RNA由来の配列を有する
DNAを増幅することができる。
【0090】本発明の第1の態様は、一本鎖のDNAを
鋳型として、少なくとも1種類のキメラオリゴヌクレオ
チドプライマーを用いて行なう核酸配列の増幅方法であ
る。
【0091】すなわち、核酸配列を増幅するための方法
であって、(a)鋳型となる核酸配列を該核酸の塩基配
列の一部に実質的に相補的な少なくとも1種類のプライ
マーとDNAポリメラーゼにより処理して上記鋳型に相
補的なプライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プラ
イマーはデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオ
チドを含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーで
あって、該リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによ
る切断のためにプライマーの3’末端又は3’末端側に
配置され;(b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプ
ライマー伸長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌ
クレアーゼで切断する工程;および(c)(b)工程で
得られるプライマー伸長鎖が切断された二本鎖核酸のプ
ライマー部分の3’末端より、鎖置換活性を有するDN
Aポリメラーゼによって鋳型に相補的な核酸配列を伸長
して鎖置換を行う工程;を包含することを特徴とする核
酸配列の増幅方法である。
【0092】本発明の第2の態様は、一本鎖のDNAを
鋳型として、少なくとも2種類の本発明のキメラオリゴ
ヌクレオチドプライマーを用いて行なう核酸配列の増幅
方法である。
【0093】すなわち、少なくとも2種類のプライマー
を使用し、核酸配列を増幅するための方法であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列の一部に実質
的に相補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポ
リメラーゼにより処理して上記鋳型に相補的なプライマ
ー伸長鎖を合成する工程;ここで該プライマーはデオキ
シリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有する
キメラオリゴヌクレオチドプライマーであって、リボヌ
クレオチドは、エンドヌクレアーゼによる切断のために
プライマーの3’末端又は3’末端側に配置され; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
程;ここで(a)工程で使用されたプライマーとは異な
るプライマーは置換鎖の塩基配列の一部に実質的に相補
的なデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
を含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
て、該リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによる切
断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に配
置され; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
る核酸配列の増幅方法である。
【0094】本発明の第3、第4の態様は、二本鎖のD
NAを変性して一本鎖DNAとする前処理の後に、当該
一本鎖DNAを鋳型としてそれぞれ第1、もしくは第2
の態様の核酸配列の増幅を行う方法である。
【0095】さらに、本発明の第5、第6の態様は、R
NAを鋳型とした逆転写反応により一本鎖のcDNAを
調製した後、当該cDNAを鋳型としてそれぞれ第1、
もしくは第2の態様の核酸配列の増幅を行う方法であ
る。
【0096】本発明において、「再生されたプライマー
伸長鎖」とは、鎖置換により新たに複製に用いられたオ
リゴヌクレオチドプライマーから伸長した、鋳型となる
核酸配列に相補的なDNA鎖のことを言う。
【0097】本発明において、「再度利用され」とは、
鋳型となる核酸配列と再生されたプライマー伸長鎖で構
成された二本鎖DNAを再度鎖置換の工程に利用するこ
とを言う。
【0098】上記の本発明の態様のいずれにおいても、
まず一本鎖の鋳型DNAに該DNAに相補的なキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーをアニーリングさせる。次
にDNAポリメラーゼの作用により、当該プライマーの
3’末端より鋳型DNAの残りの配列に沿って鋳型DN
Aに相補的なDNA(プライマー伸長鎖)を伸長させて
二本鎖DNAを合成する。エンドヌクレアーゼは当該二
本鎖DNAに作用してキメラオリゴヌクレオチドプライ
マー中のリボヌクレオチド部分の3’末端側を切断する
が、これ以外の部分は切断しない。即ち、エンドヌクレ
アーゼは上記の二本鎖DNAにニックを入れるニッキン
グ酵素として作用する。また、該エンドヌクレアーゼ
は、キメラオリゴヌクレオチドプライマーと鋳型DNA
の二本鎖DNA構造を変化させるとも考えられるが、本
願発明は理論によって限定はされない。さらに、鎖置換
活性を有するDNAポリメラーゼがニックの入った二本
鎖DNAのニックの3’末端からDNA鎖を再伸長して
新たなプライマー伸長鎖を生成し、同時にニックの3’
末端から下流のDNAを遊離させる。こうして先に合成
されたプライマー伸長鎖が新たなプライマー伸長鎖に置
換される。
【0099】本発明の核酸配列増幅方法は、鋳型核酸に
相補的なキメラオリゴヌクレオチドプライマーと、置換
鎖に相補的なもう1種のキメラオリゴヌクレオチドプラ
イマーの2種のプライマーを使用して実施することがで
きる。この場合、一方のプライマーは鋳型となるDNA
鎖に結合して鎖置換反応を起し、そして他方のプライマ
ーは上記の鎖置換反応によって遊離した置換鎖に結合
し、新たな鎖置換反応を開始する。この態様を使用する
と、各反応産物が他のプライマーのための鋳型として機
能できることは明らかである。このように鋳型量が増加
することにより、非直線的に増幅産物が増加していく。
【0100】二本鎖DNAを鋳型に用いて本発明の核酸
配列増幅方法を実施する場合には、二本鎖DNAを変性
する前または後に、キメラオリゴヌクレオチドプライマ
ー、4種のデオキシリボヌクレオチド3リン酸(dNT
P)、DNAポリメラーゼおよびエンドヌクレアーゼを
反応液に添加する。熱処理により二本鎖DNAを変性
し、かつ耐熱性の酵素を使用しない場合には、変性後に
酵素を添加することが好ましい。
【0101】上記(2)に記述されたように、この方法
において使用されるエンドヌクレアーゼは、プライマー
のリボヌクレオチド部分において鎖を切断するように選
択するべきである。特に好ましくはリボヌクレオチドの
3’側である。さらにDNAポリメラーゼは、ニックの
入ったDNA鎖を合理的な速度で解離させるように選択
されるべきである。
【0102】本発明に使用されるDNAポリメラーゼ
は、ニックの入った部位から下流への伸長鎖合成に伴
い、先に伸長されたDNA鎖の置換を行う必要がある。
そして重要なことは置換鎖を分解する可能性のある5’
→3’エキソヌクレアーゼ活性を示さないことである。
このようなDNAポリメラーゼ、例えば大腸菌由来のD
NAポリメラーゼIのエキソヌクレアーゼ欠損変異体で
あるクレノウ断片、BstDNAポリメラーゼ由来の同
様の断片(ニューイングランドバイオラブス社製)、
B.ca由来のBcaBEST DNAポリメラーゼ
(宝酒造社製)が有用である。シークエネース1.0お
よびシークエネース2.0(米国バイオケミカル社)、
ジーン(Gene)第97巻、13〜19頁(1991)記
載のT5DNAポリメラーゼおよびφ29DNAポリメ
ラーゼも使用することができる。通常はエキソヌクレア
ーゼ活性を有するポリメラーゼであっても、その活性が
適当な阻害剤の添加により阻害することが可能な場合
は、本発明のDNA合成方法に使用できる。
【0103】本発明の核酸配列の増幅方法は、変温で行
ってもよく、又は等温で行ってもよい。ここで変温と
は、各工程の反応を妨げない範囲で各工程の反応温度を
変化させることを意味する。すなわち、例えば、プライ
マーのアニーリング、相補鎖の合成反応、相補鎖のニッ
キング、そして置換反応のそれぞれに適した温度に変化
させる場合のことをいう。
【0104】次に等温とは、各工程の反応温度を変化さ
せず、各工程が実質的に一定の温度で行われることを意
味する。いずれの場合においても、最適の反応条件とな
るように温度を設定するのは当然である。
【0105】本発明の核酸配列の増幅方法の1つの特徴
としては、核酸の合成方法において温度を上げ下げする
必要がないことにある。即ち、本発明は等温での核酸配
列の合成方法を提供する。従来の多くの核酸増幅法は、
温度を上下することにより合成鎖から標的物を解離する
必要があり、例えばサーマルサイクラーのような特別な
反応装置を必要とするが、本発明の方法においては一定
温度を保持できる装置のみでも実施することができる。
【0106】このように、本発明の方法は、単一の温度
で実施することができる。好ましくは、プライマーの非
特異的なアニーリングが低減され、かつ鋳型となる核酸
配列にプライマーが特異的にアニーリングするように反
応温度、ストリンジェンシーのレベルを設定して実施さ
れる。特に限定するものではないが、上記のように耐熱
性の酵素を用いて本発明の方法を高温条件下で行う事が
できる。さらに、反応の効率を高く保つ観点から、本発
明の方法は使用する酵素の活性が十分に保持される適当
な温度で行うことが好ましい。従って、使用する酵素に
もよるが、好ましい反応温度は、約20℃〜約80℃で
あり、さらに好ましくは約30℃〜約75℃であり、特
に好ましくは、約50℃〜約70℃である。特に高温条
件下で反応を行う場合には、常温で反応を行う場合より
も鎖長の長いプライマーを使用することが好ましい。各
反応温度に適したプライマーの配列及び長さの設定につ
いては、例えば、そのTm値を参考にしてもよく、ある
いは市販のプライマー設計ソフト、例えば、OLIGO
TM Primer Analysis softwa
re(宝酒造社製)を使用してもよい。例えば、本発明
の方法において反応温度を55℃から60℃あるいは6
5℃に設定した場合、該方法に使用するプライマーの長
さとしては、特に限定するものではないが、例えば12
ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの長さ、好ましくは
14ヌクレオチド〜50ヌクレオチドの長さ、さらに好
ましくは15ヌクレオチド〜40ヌクレオチドの長さの
プライマーが使用できる。このように反応温度を上げる
ことの効果としては、鋳型DNAの二次構造を解消でき
ることが挙げられ、GC含量の高い鋳型核酸を使用した
場合にも所望の核酸が増幅される。また、長鎖長の領域
を増幅する場合においても同様の効果がある。該効果
は、約100bp〜約20kbpの範囲で、さらに約2
00bp〜約4.3kbpの範囲で、特に約250bp
〜約1500bpの範囲で認められる。
【0107】また、本発明の方法において、逆転写酵素
活性を持つDNAポリメラーゼ、例えば、BcaBES
T DNAポリメラーゼを使用した場合、RNAからc
DNAを調製する工程(逆転写反応)を含むRNA由来
の核酸配列の増幅を簡便に実施することができる。ま
た、RNAからcDNAを調製する工程を独立させて行
い、その生成物(cDNA)を本発明の方法に鋳型DN
Aとして使用することもできる。
【0108】いずれの場合においても、本発明の方法に
おいては、適当な方法、例えば酵素を失活させたり反応
温度を低下させて反応を停止させるか、または試薬のう
ちの一つが使い尽くされるかのいずれかまで繰り返され
る。
【0109】図1は、一本鎖DNAを鋳型にし、2種の
プライマーを使用する場合の一態様を図示したものであ
る。各工程を下記に示すが、各工程は並行、連続して行
われる: (1)鋳型となる一本鎖DNAとキメラオリゴヌクレオ
チドプライマーをアニーリングさせる工程; (2)プライマーの3’末端からDNA伸長反応を行な
い、プライマー伸長鎖ができる工程; (3)プライマー中のリボヌクレオチドを含有する部位
をエンドヌクレアーゼを用いて切断する工程; (4)(3)の切断した部位よりDNAポリメラーゼに
より鎖置換する工程; (5)(4)の工程で得られた鋳型および再生されたプ
ライマー伸長鎖からなる二本鎖DNAが(3)の工程に
再度利用され、また遊離した置換鎖が(6)の工程以降
の反応に利用される工程; (6)(5)の工程の遊離した置換鎖を鋳型として
(1)と異なるオリゴヌクレオチドプライマーをアニー
リングさせる工程; (7)プライマーの3’末端からDNA伸長反応を行な
い、プライマー伸長鎖ができる工程; (8)プライマー中のリボヌクレオチドを含有する部位
をエンドヌクレアーゼを用いて切断する工程; (9)(8)の切断した部位よりDNAポリメラーゼに
より鎖置換する工程; (10)(9)の工程で得られた鋳型および再生された
プライマー伸長鎖が(8)の工程に再度利用される工
程。
【0110】二本鎖DNAが鋳型の場合は、一本鎖DN
Aへの変性処理の後、それぞれのDNA鎖が上記工程
(1)の鋳型になる。従って、得られる増幅産物の量
は、一本鎖のDNAを鋳型にする場合よりも多く、また
増幅産物の検出においては、一本鎖DNAを鋳型にする
場合よりも短時間で行なうことができる。
【0111】本発明の核酸配列の増幅方法は、核酸配列
の増幅を利用した種々の実験操作、例えば核酸の検出、
標識、塩基配列の決定に使用することができる。
【0112】また、本発明の核酸配列の増幅方法は、i
n situ核酸増幅方法、DNAチップのような固相
担体上での核酸増幅方法あるいは多種類の領域を同時に
増幅するマルチプレックス核酸増幅方法として使用する
ことができる。
【0113】本発明の核酸配列の増幅方法の特徴の一つ
として、一本鎖のDNAを調製することが可能なことが
挙げられる。この目的のためには、1種のキメラオリゴ
ヌクレオチドプライマーを使用する方法のみならず、2
種のキメラオリゴヌクレオチドプライマーを使用する方
法を使用することもできる。例えば、2つのオリゴヌク
レオチドプライマーを用いる場合は、一方のオリゴヌク
レオチドプライマー量を他方の量に対して過剰にして増
幅反応を行なう、いわゆるアシンメトリック(非対称)
−PCR法において採用される方法と同様のプライマー
比率によって行なうことができる。この結果、一方の鎖
を置換した産物の量が、他方の鎖を置換した産物の量に
比べて過剰になる。
【0114】本発明の核酸配列の増幅方法によれば実質
的にその相補鎖を含有しない一本鎖のDNAを調製する
ことができ、例えば、DNAチップのような核酸固定化
物を作製するための一本鎖DNA、標的核酸検出のため
の一本鎖DNAプローブ、または長鎖PCR法のための
メガプライマーを容易にしかも短時間に作製することが
できる。また、本発明の方法を使用することにより、セ
ンス配列のみ、あるいはアンチセンス配列のみを選択し
て増幅させることが可能である。従って、本発明はセン
ス配列あるいはアンチセンス配列を有する核酸の製造方
法としても有用である。
【0115】さらに、本発明の核酸配列の増幅方法には
経時的な温度調節が可能な反応装置を使用する必要がな
いため、大容量の反応液を使用して増幅反応を実施する
ことができる。したがって、例えば医薬用途等に使用さ
れる核酸の工業的大量製造が可能である。
【0116】本発明の核酸配列の増幅方法において使用
するプライマーの利用効率は、ほぼ100%であり、従
来の方法、例えばPCR法の利用効率に比べて5倍〜1
0倍高くすることができる。
【0117】(6)本発明の核酸配列の増幅方法のため
のキット 本発明は、前述の第1〜第6の態様に記載の核酸配列の
増幅方法に使用されるキットを提供する。1つの実施態
様において、該キットは、パッケージされた形態におい
て、鎖置換反応におけるDNAポリメラーゼおよびエン
ドヌクレアーゼの使用のための指示書を含むことを特徴
とする。さらに、鎖置換活性を有するDNAポリメラー
ゼ、エンドヌクレアーゼならびに鎖置換反応用緩衝液を
含むキットは本発明の方法に好適に使用される。あるい
は、市販の鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼおよ
び/またはエンドヌクレアーゼを指示書に従って選択
し、使用してもよい。さらに、RNAを鋳型とする場合
の逆転写反応用試薬を含んでもよい。DNAポリメラー
ゼは、上記(3)記載の本発明に使用されるDNAポリ
メラーゼから選択することができる。また、エンドヌク
レアーゼは、上記(2)記載のエンドヌクレアーゼから
選択することができる。さらに、該鎖置換反応用緩衝液
は、上記(4)記載の反応バッファー組成を有するもの
が好適に使用できる。
【0118】上記「指示書」とは、当該キットの使用方
法、例えば鎖置換反応用試薬液の調製方法、推奨される
反応条件等を記載した印刷物であり、パンフレットまた
はリーフレット形式の取り扱い説明書のほか、キットに
添付されたラベル、キットが納められたパッケージ等に
記載されたものを含む。さらに、インターネットのよう
な電子媒体を通し、開示、提供された情報も含まれる。
【0119】(7)本発明の核酸配列の検出方法および
該方法のためのキット 本発明の核酸配列の増幅方法を使用することにより、試
料中の標的核酸の検出を行うことができる。当該検出方
法は、(a)上記の本発明の核酸配列の増幅方法によ
り、標的核酸を増幅する工程;および(b)上記工程に
より増幅された標的核酸を検出する工程;を包含する。
【0120】上記方法は試料中に存在する特定の遺伝子
の検出・定量に利用することができる。すなわちDNA
またはRNA等の核酸を含む可能性のあるあらゆる試料
から特定の遺伝子を検出・定量することができる。前述
の試料としては、特に限定はないが、例えば、全血、血
清、バフィーコート、尿、糞便、脳脊髄液、精液、唾
液、組織(例えば、癌組織、リンパ節等)、細胞培養物
(例えば、哺乳動物細胞培養物及び細菌培養物等)のよ
うな生体由来試料、ウイロイド、ウイルス、細菌、カ
ビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、ウイル
ス又は細菌のような微生物が混入もしくは感染している
可能性のある試料(食品、生物学的製剤等)、あるいは
土壌、排水のような生物を含有する可能性のある試料か
ら特定の遺伝子を検出・定量することができる。さらに
例えば、ウイロイド、ウイルス、カビ、細菌あるいはそ
の他の微生物等由来の特定の遺伝子をターゲットとする
ことにより、該遺伝子の存在の有無によって、試料中の
ウイロイド、ウイルス、カビ、細菌あるいはその他の微
生物の存在を検出・定量する方法等に利用することがで
きる。さらに、生物の遺伝子型の判別や遺伝子の発現状
態を調べるために本発明の方法を使用することもでき
る。上記検出法のための鋳型として使用される核酸は、
RNAあるいはDNAのいずれもが好適に使用できる。
【0121】上記(b)工程には公知の核酸検出方法、
例えば電気泳動により特定のサイズの反応産物を検出す
る方法や、プローブとのハイブリダイゼーションによる
検出等を使用することができる。電気泳動による検出で
はエチジウムブロマイド等の蛍光物質が使用されるが、
プローブとのハイブリダイゼーションを組み合わせても
よい。また、プローブは放射性同位元素による標識の
他、ビオチンや蛍光物質のような非放射性の標識を施し
たものが使用できる。この他、上記(a)工程において
標識ヌクレオチドを使用することにより増幅産物の検出
を容易とすることや、蛍光偏光法、蛍光エネルギー転移
等を利用した検出を行うことも可能である。さらに、適
切な検出系を構築することにより、標的核酸を自動的に
検出することや、あるいは標的核酸の定量を行うことが
可能である。
【0122】消光状態になるような距離で配置された2
種類以上の蛍光物質で標識されたリボヌクレオチド(R
NA)プローブを本発明の検出方法に使用することがで
きる。当該プローブは蛍光を発することはないが、これ
に相補的な標的核酸由来の増幅DNAにアニーリングし
た場合、RNaseHは該プローブを分解する。この結
果、プローブ上の蛍光物質間の距離が増大して蛍光が発
せられるようになり、標的核酸の存在を知ることができ
る。RNaseHを使用して本発明の核酸配列の増幅方
法が実施された場合には、その反応液中にプローブを添
加するだけで標的核酸を検出することができる。当該プ
ローブの標識に使用される蛍光物質としては、例えば、
6−FAM(6-carboxyfluorescein)とTAMRA
(N,N,N’,N’-tetramethyl-6-carboxyrhodamine)
との組み合わせが好適に使用できる。
【0123】本発明の核酸配列の増幅方法の等温下にお
ける増幅方法においては、サーマルサイクラーのような
装置を必要としない。また本発明の増幅方法では、使用
するプライマーを1種類もしくは2種類と従来法よりも
少なくすることができる。dNTPのような試薬もPC
R等で用いられるものを流用できるため、ランニングコ
ストを従来法よりも低くすることができる。そのため、
ルーチンワークを行なっている遺伝子検査等の分野で好
適に使用できる。さらに、本発明の方法はPCR法より
も短時間により多くの増幅産物を得られることから、簡
便、迅速、高感度な遺伝子検出方法として利用すること
ができる。
【0124】さらに、本発明においては、上記の標的核
酸の検出方法に使用されるキットが提供される。該キッ
トは、上記の本発明の核酸配列の増幅方法のためのキッ
トを使用することができる。さらに、標的核酸の増幅に
使用するためのキメラオリゴヌクレオチドプライマー、
増幅された標的核酸を検出するための試薬、例えばプロ
ーブ等を含むものであってもよい。
【0125】(8)本発明の核酸を所定の領域に整列さ
せた核酸固定化物とその製造方法 DNAチップは、多数の異なる遺伝子あるいはDNAの
断片をスライドグラス等の固相担体上の所定の領域ある
いは所定の位置に整列させて固定化した核酸固定化物で
あり、DNAマイクロアレイ(DNAアレイ)とも呼ば
れる。DNAチップは、試料より調製した核酸試料、好
ましくは標識された核酸試料と接触させてハイブリダイ
ゼーションを行うことにより、核酸試料中に存在する、
DNAチップ上の所定の領域に整列させて固定化された
DNAと相補的な配列を有する核酸の存在を調べる目的
で使用される。試料中の多数の核酸を一度の操作で検
出、定量できることから、DNAチップは遺伝子の発現
解析や変異あるいは多型解析を飛躍的に加速させる手段
として非常に有用である。二本鎖核酸が所定の領域に整
列させて固定化されたDNAチップは適切な変性処理の
後にハイブリダイゼーション工程に使用されるが、検出
しようとする標的核酸に相補的な一本鎖DNAが所定の
領域に整列させて固定化されたDNAチップは、標的核
酸の検出に特に好適である。
【0126】上記のように、本発明の方法により所望の
DNAを一本鎖の状態で増幅することができる。増幅物
の精製方法に限定はないが、イソプロパノール沈殿によ
る精製が好ましい。こうして得られたDNA、特に好ま
しくは実質的にその相補鎖を含有しない一本鎖のDNA
は、DNAチップ上に固定するDNA断片として好適に
使用できる。即ち、本発明の方法は、DNAチップ作製
において所定の領域に整列させて固定化するDNAを調
製する方法として好適に使用できる。こうして得られた
DNAを所定の領域に整列させて固定する担体は不溶性
のものであれば特に限定はなく、ガラス、プラスチック
等で作製された板状の担体の他、ニトロセルロースやナ
イロン製の膜状の担体が好適に使用される。また、その
固定化にあたっては公知の核酸固定化方法が使用でき
る。上記のDNAはそのまま担体に固定化を行う他、適
当なリンカーを介して、または複数分子のDNAをライ
ゲーションさせたうえで固定化してもよい。
【0127】本発明の方法により増幅されたDNAを所
定の領域に整列させて固定化した核酸固定化物、例えば
DNAチップを試料より調製された標的核酸を含む可能
性のある核酸試料と接触させ、ハイブリダイゼーション
を実施することにより、当該核酸固定化物上の核酸とハ
イブリダイズした標的核酸を検出、定量することができ
る。特に、本発明の方法により増幅された一本鎖のDN
Aを所定の領域に整列させて固定化したDNAチップ
は、従来よりも簡便な操作で、かつ、高感度、高再現性
での標的核酸の検出を可能とする。
【0128】(9)本発明の核酸の大量製造方法 上記のように、本発明の一態様により等温で実施可能な
核酸配列の増幅方法が提供される。該方法は、増幅しよ
うとする核酸の鋳型となる核酸の他、反応に必要な各種
成分を混合して等温条件下で反応させることにより、所
望の核酸を製造することができる。PCR法では反応混
合物の温度を経時的に変化させる必要があるため、反応
のスケールは温度制御が可能な容量(通常、200μl
以下)に限られ、スケールアップは困難である。一方、
当該方法にはこのような制約はなく、反応混合物の容量
を増加させることにより大量の核酸を製造することが可
能である。当該方法は1分子の鋳型から多数の相補鎖分
子が合成され、さらにこれらの相補鎖分子を鋳型とした
核酸の合成も可能であることから、鋳型ならびにプライ
マーを適切に設定することにより、所望の核酸を効率よ
く、大量に製造することができる。さらにまた、当該方
法がPCR法のような特殊な装置、頻繁な温度変化を必
要としないことは設備、エネルギーのコスト面からも有
利であり、工業的な核酸の大量製造方法としても優れて
いる。
【0129】また、本発明の方法は、上記のDNAチッ
プに固定化するためのDNA断片のような多種類、かつ
大量のDNA断片を供給する方法として有用である。す
なわち、1つの態様としては、単純な反応工程でDNA
断片を大量に得ることができ、別の態様としては限られ
た種類のプライマーを使用して非常に多種類のDNA断
片を得ることができる。後者は、本発明の方法の鋳型と
なる核酸を公知の核酸増幅方法、例えばPCR法等であ
らかじめ増幅する工程を組み合わせて実施することがで
きる。例えば、ヌクレイック アシッズ リサーチ(Nu
cleic Acids Research)第24巻、19号、3778〜
3783頁(1996)に記載のタグ配列を有するラン
ダムプライマーを使用して核酸を増幅する方法あるい
は、ジェノミックス(Genomics)第13巻、718〜7
25頁(1992)に記載の縮重プライマー(Degenera
te primer)を用いたDOP−PCR(Degenerate Olig
onucleotide-Primed PCR)法に基づき、限られた種類の
プライマーを使用してあらゆる種類の鋳型核酸を増幅す
ることができる。さらに、前述のランダムプライマーや
縮重プライマーに付加されたタグ配列にあわせて本発明
の核酸増幅法に使用されるプライマーを設計すれば、上
記の工程で作成されたあらゆる鋳型核酸について1もし
くは数種類のプライマーで本発明の核酸増幅反応を実施
することができる。このように、適切な鋳型核酸の調製
工程と本発明の方法を組み合わせれば、多種類のDNA
断片を従来よりも安価で、大量に供給することができ
る。
【0130】核酸を含有する医薬としては、細胞内にお
いて有用なポリペプチドを発現させるための二本鎖DN
A、目的の遺伝子の発現を抑制するための一本鎖アンチ
センスDNA等があり、これらは適切な手段、例えばリ
ポソーム等の遺伝子導入用担体を使用して生体に投与さ
れる。本発明の核酸の製造方法は、上記のような医薬用
途等の一本鎖、もしくは二本鎖の核酸を大量に製造する
ための方法として好適である。さらに、本発明の方法で
は、例えば生体内での分解を抑制するようなdNTPの
アナログを含有する核酸を製造することも容易である。
【0131】本発明において増幅されたDNA断片は通
常のヌクレオチドにより構成されるため、増幅されたD
NAはその内部の制限酵素部位を用いて適当なベクター
にサブクローニングすることができる。さらにRFLP
のような制限酵素を用いた処理をすることも問題なくで
き、遺伝子検査の分野においても広く利用できる。ま
た、本発明において増幅されたDNA断片は、通常のヌ
クレオチドにより構成されるため、増幅断片中にRNA
ポリメラーゼのプロモーター配列を組込んでおけば、増
幅断片を鋳型としてRNAを合成し、例えば、合成され
たRNAをプローブとして使用可能である。当然なが
ら、通常のdNTPの代わりに蛍光標識されたdNTP
を使用して本発明の核酸配列増幅方法を実施することに
より、蛍光標識されたDNAプローブを作製することが
できる。
【0132】本発明の方法において、最終的に増幅され
る断片は、その両端に増幅に使用するプライマーに相補
的な塩基配列を有さないため、増幅産物の持ち込みによ
るコンタミネーションを軽減させることができる。従っ
て、ルーチンワークで同じ領域を増幅する遺伝子検査等
において有用である。
【0133】本発明の核酸配列の増幅方法の特徴を以下
に列挙する。 1.少ない鋳型量より、大量の核酸を増幅することがで
きる。2種のプライマーを使用した場合には増幅産物は
2次関数的に増加する。 2.等温でも実施でき、その場合サーマルサイクラーの
ような装置を必要としない。このため、容易に反応容量
をスケールアップすることができる。 3.通常、増幅反応は1または2種のキメラオリゴヌク
レオチドプライマーと2種の酵素(DNAポリメラーゼ
およびエンドヌクレアーゼ)で実施される。 4.1分子のプライマーより多数のDNA鎖が合成され
るため、プライマー量が増幅産物量を制限することがな
い。さらに、プライマー使用効率が約100%とPCR
法に比べて極めて高い。 5.一本鎖、二本鎖のDNAを目的に応じ選択的に増幅
することができる。 6.増幅反応に(α−S)dNTPのようなdNTPア
ナログを必要としないため、試薬コストが安価である。
また、dNTPアナログを含有しない、天然型の核酸を
取得することが可能である。 7.他の核酸増幅方法と組み合わせることにより、安価
で大量のDNA増幅断片を供給することができる。
【0134】以上のように、本発明の方法は工業的スケ
ールでの核酸製造に適した方法である。
【0135】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。
【0136】参考例 本発明の方法に使用されるRNaseHのユニット数
は、以下の方法で測定した。 (1)使用する試薬液の調製 力価測定用反応液:最終濃度がそれぞれ40mMトリス
−塩酸(pH7.7、37℃)、4mM塩化マグネシウ
ム、1mM DTT、0.003%BSA、4%グリセ
ロール、24μMポリ(dT)になるように滅菌水で調
製した。
【0137】ポリ[8−3H]アデニル酸溶液:370
kBqのポリ[8−3H]アデニル酸溶液を200μl
の滅菌水に溶解した。
【0138】ポリアデニル酸溶液:ポリアデニル酸を3
mMになるように滅菌超純水で希釈した。
【0139】酵素希釈液:最終濃度がそれぞれ25mM
トリス−塩酸(pH7.5、37℃)、5mM 2−メ
ルカプトエタノール、0.5mM EDTA(pH7.
5、37℃)、30mM塩化ナトリウム、50%グリセ
ロールになるように滅菌水で調製した。
【0140】熱変性子牛胸腺DNAの調製:子牛胸腺D
NA200mgをTEバッファー100mlに懸濁し、
膨潤させた。該溶液のUV260nmの吸光度を測定
し、1mg/mlの濃度に滅菌超純水で希釈した。次
に、該溶液を100℃で10分間加熱後、氷浴中で急冷
した。
【0141】(2)活性測定方法 上記(1)で調製した力価測定用反応液985μlにポ
リ[8−3H]アデニル酸溶液7μlを加え37℃で1
0分間保持した。次にポリアデニル酸を最終濃度が24
μMになるように8μl加え、さらに37℃で5分間保
持した。このようにしてポリ[8−3H]rA−ポリd
T反応液1000μlを調製した。次に、該反応液20
0μlを分取し、30℃で5分間保持した後、任意の希
釈系列で希釈した酵素液1μlを加え、これらの反応液
を経時的に50μlずつサンプリングして、後の測定に
用いた。酵素添加からサンプリングまでの間の時間をY
分とした。また、全CPM用反応液50μlおよびブラ
ンク用反応液50μlは、酵素液の代わりに酵素希釈液
を1μl加えて調製した。該サンプリング溶液に100
mMピロリン酸ナトリウム100μl、熱変性子牛胸腺
DNA溶液50μlおよび10%トリクロロ酢酸300
μl(全CPM測定の場合は、超純水300μl)を加
え、0℃で5分間保持後、10000rpmで10分間
遠心した。遠心後、得られた上清250μlをバイアル
に入れ、アクアゾルー2(NENライフサイエンスプロ
ダクツ社製) 10mlを加え、液体シンチレーション
カウンターでCPMを測定した。
【0142】(3)ユニット計算 各酵素のユニット(Unit)数は、以下の計算式で算出し
た。 Unit/ ml ={(測定したCPM−ブランクCPM)×
1.2*×20×1000×希釈率}×200(μl)
/(全CPM×Y分×50(μl)×9**) 1.2*:全CPM中に含まれるポリ[8−3H]rA
−ポリdTの50μl当たりのnmol数 9**:補正係数
【0143】実施例1 (1)鋳型DNAとプライマーの合成 本実施例に鋳型として使用した99塩基の一本鎖DNA
およびプライマーは、DNA合成機(アプライド・バイ
オシステム社製)を用いて合成した。配列表の配列番号
1に上記の99塩基の一本鎖DNAの塩基配列を示す。
また、配列表の配列番号2および3に、それぞれ上流プ
ライマーおよび下流プライマーの基本的な塩基配列を示
す。本実施例に使用されたプライマーの詳細な構造を以
下に示す: プライマー対1:配列表の配列番号2および3に示され
る塩基配列を有し、その全体がすべてデオキシリボヌク
レオチドで構築されたプライマーの組み合わせ; プライマー対2:プライマー対1のプライマーの、それ
ぞれの3’末端から2個のデオキシリボヌクレオチドが
リボヌクレオチドに置換され、かつ3’末端から2個め
のリボヌクレオチドの5’側リン酸結合がホスホロチオ
エート結合に置換されたプライマーの組み合わせ; プライマー対3:プライマー対1のプライマーの、それ
ぞれの3’末端のデオキシリボヌクレオチドのみがリボ
ヌクレオチドに置換され、かつ当該リボヌクレオチドの
5’側リン酸結合がホスホロチオエート結合に置換され
たプライマーの組み合わせ; プライマー対4:プライマー対1のプライマーの、それ
ぞれの3’末端から2個のデオキシリボヌクレオチドが
リボヌクレオチドに置換されたプライマーの組み合わ
せ; プライマー対5:プライマー対1のプライマーのそれぞ
れの3’末端から3、4個めのデオキシリボヌクレオチ
ドがリボヌクレオチドに置換され、かつ3’末端から4
個めのリボヌクレオチドの5’側リン酸結合がホスホロ
チオエート結合に置換されたプライマーの組み合わせ。
【0144】(2)増幅反応 5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたバチル
ス・カルドテナックス由来のDNAポリメラーゼである
BcaBEST DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)
と、大腸菌由来のRNaseHであるclonedリボ
ヌクレアーゼH(宝酒造社製)を用いて、以下のモデル
1〜7の反応系について検討した。
【0145】反応液は、下記のように調製した。 35mMトリス塩酸バッファー(pH7.5)、0.1
mg/ml BSA(牛血清アルブミン)、2.7%グ
リセロール、5%ジメチルスルオキシド 、各1.4m
M dNTP混合物、10mM塩化マグネシウム、それ
ぞれ20pmolの(1)のプライマー対もしくはその
一方のプライマー、ならびに0.6ngの合成一本鎖鋳
型DNA、5UのBcaBEST DNAポリメラー
ゼ、60UのclonedリボヌクレアーゼH、反応液
の最終容量50μl。上記反応液を均一に混合し、55
℃、60分間保温した後、90℃、2分間加熱して酵素
を失活させた。その後、各反応液の8μlを3%ヌシー
ブ3:1アガロース(宝酒造社製)ゲルにて電気泳動を
行なった。以下に各モデルに使用されたプライマーを示
す: モデル1〜5:それぞれプライマー対1〜プライマー対
5を使用; モデル6:プライマー対2のうちの下流プライマーのみ
を使用; モデル7:プライマー対4を使用し、RNaseHを添
加しない。
【0146】その結果、モデル2〜5の反応液を使用し
た場合、約40bp(base pair)〜約90bpの範囲で
目的のサイズの増幅断片が確認された。これらの反応系
でDNAが増幅されることが明らかとなった。また、一
方のプライマーのみを使用したモデル6においても、予
想される約70b(base)の増幅断片(一本鎖DNA断
片)が確認できた。なお、モデル1および7の反応では
DNAの増幅はまったく認められなかった。
【0147】(3)増幅産物の確認 上記(2)の、モデル4の反応によって得られた反応液
をマイクロコン−100(宝酒造社製)を用いてろ過し
た後、フィルターにトラップされた増幅DNA断片を回
収した。該DNA断片の塩基配列をジデオキシ法により
解析した。その結果、上記の反応によって増幅された断
片が鋳型DNAと同じ塩基配列を持つDNAである事が
確認された。
【0148】(4)反応時間の検討 上記(2)のモデル2の反応液を調製し、これを種々の
時間反応させた場合の増幅産物量の変化を調べた。当該
反応液を、0、15、30、60、90、120分間、
それぞれ55℃で保温した後、90℃、2分間の処理に
より酵素を失活させた。各反応液8μlを3% ヌシー
ブ3:1アガロースゲルを使用した電気泳動にて解析し
た。電気泳動の結果を図2に示す。図中1〜6はそれぞ
れ0、15、30、60、90、120分間反応した反
応液の泳動されたレーンを、また、Mは分子量マーカー
として、100bp DNA ladder marke
r(宝酒造社製)が泳動されたレーンを示す。
【0149】図2に示されるように、反応時間が0分で
は増幅産物は確認できなかったが、反応時間が15分、
30分、60分と長くなるに従い、増幅産物量が増大し
ていることが確認できた。しかし、60分以上の反応で
は、電気泳動によって確認される増幅産物量はほぼ横ば
いであり、使用された反応系での増幅は60分程度でプ
ラトーに達することが示された。
【0150】実施例2 (1)RNAの調製 本実施例に鋳型として使用するRNAは、ヒト培養細胞
HT29(ATCCHTB−38)(大日本製薬社製)
からトライゾール試薬(ライフテック社製)を用いて調
製した。得られたトータルRNAは、その濃度を1μg
/μlに調製した。またRNAの純度を分光学的に調べ
たところ、OD260/OD280=1.8であった。
【0151】(2)増幅反応 逆転写活性およびDNAポリメラーゼ活性を有するBc
aBEST DNAポリメラーゼとRNaseHエンド
ヌクレアーゼを用いて、RNAからのcDNAが増幅さ
れるかを検討した。
【0152】反応液には1μg相当の上記トータルRN
Aを加え、実施例2と同様の組成に調製した。ジーンバ
ンク(GenBank)登録番号、X01060のヒトトランス
フェリンレセプターをコードする領域を増幅のターゲッ
トとし、プライマーとして実施例1に記載のプライマー
対2を用いた。
【0153】上記の反応液を55℃、60分間保温した
後、90℃、2分間加熱して酵素を失活させた。この反
応液のうちの8μlを3% ヌシーブ3:1アガロース
ゲルにて電気泳動したところ、予想される56bpの増
幅断片が確認できた。さらに、ターゲットとした塩基配
列を有するプローブを用いたサザンハイブリダイゼーシ
ョンを行なった。その5’末端にビオチン標識を付し
た、配列表の配列番号4に示される塩基配列のDNAプ
ローブを使用してサザンハイブリダイゼーションを行っ
たところ、このプローブは上記の増幅断片にハイブリダ
イズした。即ち、本発明の方法によりターゲットとした
領域が正しく増幅されていることが確認された。
【0154】実施例3 (1)プライマーの合成 二本鎖DNAを鋳型とした場合の本発明の増幅方法につ
いて検討した。使用するプライマーは、DNA合成機
(アプライド・バイオシステム社製)を用いて合成し
た。配列表の配列番号5〜13にプライマーの基本的な
塩基配列を示す。さらに、本実施例に使用されたプライ
マーの詳細な構造を以下に示す。プライマー対A〜Fま
では、pUC19DNA(宝酒造社製)を鋳型とした。
pUC19のヌクレオチド配列はデータベース、ジーン
バンク(GenBank)登録番号、L09137から入手可能
である。プライマー対Gの場合は、実施例2で得られた
ヒト全RNAより配列表の配列番号14および15記載
のプライマーおよびTaKaRa RNA PCR Ki
t(AMV)Ver.2.1(宝酒造社製)用いて、添
付の標準プロトコールに従って調製した2本鎖DNA増
幅断片を鋳型とした。
【0155】プライマー対A(増幅断片長約450b
p):配列表の配列番号5および6に示される塩基配列
を有し、その3’末端2塩基がリボヌクレオチドに置き
換わったプライマーの組み合わせ; プライマー対B(増幅断片長約250bp):配列表の
配列番号5および7に示される塩基配列を有し、その
3’末端2塩基がリボヌクレオチドに置き換わったプラ
イマーの組み合わせ; プライマー対C(増幅断片長約520bp):配列表の
配列番号5および8に示される塩基配列を有し、その
3’末端2塩基がリボヌクレオチドに置き換わったプラ
イマーの組み合わせ; プライマー対D(増幅断片長約890bp):配列表の
配列番号5および9に示される塩基配列を有し、その
3’末端2塩基がリボヌクレオチドに置き換わったプラ
イマーの組み合わせ; プライマー対E(増幅断片長約130bp):配列表の
配列番号10および6に示される塩基配列を有し、その
3’末端3塩基がリボヌクレオチドに置き換わったプラ
イマーの組み合わせ; プライマー対F(増幅断片長約220bp):配列表の
配列番号11および6に示される塩基配列を有し、その
3’末端3塩基がリボヌクレオチドに置き換わったプラ
イマーの組み合わせ; プライマー対G(増幅断片長約320bp):配列表の
配列番号12および13に示される塩基配列を有し、そ
の3’末端3塩基がリボヌクレオチドに置き換わったプ
ライマーの組み合わせ。
【0156】(2)増幅反応 反応液は、下記のように調製した。35mMリン酸カリ
ウムバッファー(pH7.5)、0.1mg/ml B
SA(牛血清アルブミン)、5%ジメチルスルオキシド
、各1.4mM dNTP混合物、10mM塩化マグネ
シウム、それぞれ60pmolの(1)のプライマー
対、ならびに100ngのpUC19鋳型DNA、5.
5UのBcaBESTDNAポリメラーゼ、60UのR
NaseH、反応液の最終容量50μl。
【0157】反応条件は以下のとおりである。DNAポ
リメラーゼおよびRNaseH無添加の反応液を98
℃、1分間熱変性処理後、55℃に冷却し、DNAポリ
メラーゼおよびRNaseHを混合し、55℃、60分
間保温した。反応終了後、90℃、2分間加熱して酵素
を失活させた。その後、各反応液の8μlを3% ヌシ
ーブ3:1アガロースゲルにて電気泳動を行なった。
【0158】その結果、いずれのプライマー対において
も目的の増幅断片が得られることが確認できた。即ち、
本発明の増幅方法において、2本鎖DNAを鋳型として
増幅反応を行うことができることを確認した。
【0159】(3)増幅産物の制限酵素消化 本発明の増幅方法を用いて得られた増幅断片の制限酵素
消化について検討した。鋳型DNAとして、pUC19
プラスミドDNAを用いた。配列表の配列番号5〜6に
記載のpUC19 upper (2)NNプライマーお
よびpUC19lower NNプライマーを使用し
た。なお、該プライマーは、いずれも3’末端の2塩基
がリボヌクレオチドに置き換わったものを用いた。下記
に反応液組成を示す。 反応液A:35mM リン酸カリウムバッファー(pH
7.5)、10mM塩化マグネシウム、1.4mM d
NTP混合物、0.01%BSA、5%DMSO、2.
7%グリセロール 、各100pmolずつのpUC1
9 upper(2)NNプライマーおよびpUC19
lower NNプライマー、500ngのpUC19
DNA、および滅菌蒸留水で反応液容量を48μlに調
製した。
【0160】上記反応液を98℃、1分間熱変性処理し
た後、55℃に冷却した。次に、60UのE.coli
RNaseHおよび5.5UのBcaBESTを添加
し、反応液量を50μlにした。該反応液を55℃で1
時間インキュベーションした。反応終了後、90℃、2
分間加熱処理して酵素を失活させた。その反応液を3%
アガロースゲル電気泳動して、得られた増幅産物を精製
した。回収された増幅産物は、100μlの滅菌蒸留水
に再懸濁した。
【0161】上記DNA溶液を使用して制限酵素消化を
行った。制限酵素は、AccII(宝酒造社製)および
BcnI(宝酒造社製)を使用した。以下に反応液組成
を示す。DNA溶液3μl、10×AccII添付バッ
ファーあるいは10×BcnI添付バッファーを1μ
l、制限酵素AccIIあるいはBcnIを1μl、さ
らに滅菌蒸留水で反応液容量を10μlに調製した。該
反応液を37℃、30分間反応後、10×ローディング
バッファー(loading buffer)を1.5μl加え、その
うちの6μlを3%ヌシーブアガロースゲルで電気泳動
した。
【0162】その結果、AccIIおよびBcnIのい
ずれの制限酵素においても目的とする制限酵素消化DN
A断片が得られた。
【0163】(4)突然変異検出 本発明の増幅方法を用いた突然変異検出について検討し
た。鋳型としてpUC19を用いた。配列表の配列番号
5〜6にpUC19 upper(2) NNプライマー
およびpUC19 lower NNプライマーの基本的
な塩基配列を示した。上記プライマーは、いずれもその
3’末端の2塩基がリボ核酸であるキメラオリゴヌクレ
オチドプライマーである。さらに、pUC19 upp
er(2) NNプライマーは、3’末端を鋳型と相補
的なUおよびミスマッチのA、C、Gに置換した4種類
(それぞれ、pUC19 upper(2) NN−U、
pUC19 upper(2) NN−A、pUC19
upper(2) NN−CおよびpUC19 uppe
r(2) NN−Gと称する)を作製した。これらのプ
ライマーの組み合わせについて以下に示す。 プライマー対1: pUC19 upper(2) NN-UおよびpUC19 lo
wer NN プライマー対2: pUC19 upper(2) NN-AおよびpUC19 lo
wer NN プライマー対3: pUC19 upper(2) NN-CおよびpUC19 lo
wer NN プライマー対4: pUC19 upper(2) NN-GおよびpUC19 lo
wer NN
【0164】反応液は、下記のように調製した。 30mMリン酸カリウムバッファー(pH7.3)、
0.01%BSA(牛血清アルブミン)、5%DMS
O、各1mM dNTP混合物、8mM酢酸マグネシウ
ム、それぞれ60pmolの上記のプライマー対および
50ngの鋳型DNA、および滅菌蒸留水で反応液容量
を48μlにした。
【0165】上記反応液を98℃、1分間熱変性処理
後、55℃に冷却した。次に、5.5UのBcaBES
T DNAポリメラーゼ、60UのE.coli RNa
seHを添加し、55℃、60分間保持した。その後、
90℃、2分間加熱して酵素を失活させた。各反応液8
μlを使用し、4% ヌシーブ3:1アガロース(宝酒
造社製)ゲルにて電気泳動を行なった。その結果、pU
C19 upper(2) NNの3’末端が相補的なプ
ライマーの組み合わせのみ目的とする約450bpの増
幅断片が検出された。一方、 pUC19 upper
(2) NNの3’末端がミスマッチのプライマーの組
み合わせについてはいずれも増幅断片は、確認できなか
った。
【0166】実施例4 (1)マイクロチューブでの反応 本発明の増幅方法について反応容量の検討を行った。増
幅領域としては、ヒトトランスフェリンレセプターをコ
ードする領域を選択した。配列表の配列番号12および
13記載の配列を有するプライマーを使用した。なお、
該プライマーは、3’末端の2塩基がリボ核酸に置き換
わったものを使用した。鋳型となるDNAは、あらかじ
めRT−PCR法により得た増幅断片約750bpを使
用した。反応容量は、50μl、100μl、300μ
l、および500μlになるように調製した。下記に反
応液組成を示す。 反応液A:5×専用バッファー(135mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.5)、0.5mg/ml BS
A、2.5%DMSO)10μl、100mM酢酸マグ
ネシウム 4μl、10mM dNTP混合物 5μ
l、10μM ATP10μl、BcaBEST DNA
ポリメラーゼ(22U/μl)1μl、RNaseH
(60U/μl)1μl、および滅菌蒸留水で39μl
に調製した。 反応液B:20μMヒトトランスフェリンレセプターS
プライマー(配列番号12)および20μMヒトトラン
スフェリンレセプタープライマー(配列番号13)をそ
れぞれ3μl、鋳型DNA約100ngおよび滅菌蒸留
水で11μlにした。容量が50μl以上の場合は、上
記組成に基づきスケールアップした。
【0167】増幅反応は、上記B液を98℃、2分間処
理した後、55℃、3分間保持した。次に、1500μ
l容マイクロチューブ中で55℃でプレインキュベーシ
ョンしたA液に前述のB液を添加し、混和後、55℃で
1時間インキュベーションした。反応終了後、氷浴上に
移し、反応液8μlを3%アガロースゲル電気泳動し
た。
【0168】その結果、いずれの反応容量においても効
率よく目的とする約300bpの増幅断片が検出でき
た。また、鋳型DNAがPCR増幅断片であっても問題
なく目的とする増幅断片を得られることを確認した。
【0169】(2)シャーレでの反応 反応容量の増大に伴う反応液の温度不均一を防ぐため
に、シャーレを使用して検討を行った。増幅領域として
は、ヒトトランスフェリンレセプターをコードする領域
を選択した。配列表の配列番号12および13記載の配
列を有するプライマーを使用した。なお、該プライマー
は、3’末端の2塩基がリボ核酸に置き換わったものを
使用した。鋳型となるDNAは、あらかじめRT−PC
R法により得た増幅断片約750bpを使用した。反応
容量は、10mlになるように調製した。下記に反応液
組成を示す。 反応液A:5×専用バッファー(135mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.5)、0.5mg/ml BS
A、2.5% DMSO) 2000μl、100mM
酢酸マグネシウム 800μl、10mM dNTP混
合物 1000μlおよび滅菌蒸留水で9.1mlに調
製した。 反応液B:60μM ヒトトランスフェリンレセプター
Sプライマー(配列番号12)および60μM ヒトト
ランスフェリンレセプタープライマー(配列番号13)
をそれぞれ200μl、鋳型DNA 約10μgおよび
滅菌蒸留水で500μlにした。 反応液C:BcaBEST DNAポリメラーゼ(22
U/μl) 200μl、RNaseH(60U/μ
l) 200μl。
【0170】増幅反応は、上記B液を98℃、1分間処
理した後、55℃、3分間保持した。次に、直径60m
mのプラスティックシャーレ中で55℃でプレインキュ
ベーションしたA液に前述のB液を添加し、さらにC液
を添加し混和後、55℃で1時間インキュベーションし
た。反応終了後、氷浴上に移し、反応液8μlを3%ア
ガロースゲル電気泳動した。
【0171】その結果、10mlの反応容量であっても
目的とする約300bpの増幅断片が効率よく検出でき
た。また、鋳型DNAがPCR増幅断片であっても問題
なく目的とする増幅断片を得られることを確認した。即
ち、多量のDNA断片を必要とするDNAチップ作製に
おいて、本発明の方法が従来のPCR法と比較しても好
適に使用できることを確認した。
【0172】実施例5 (1)バッファーの種類とRNaseH使用量の関係 バッファーの種類とRNaseHの使用量の関係につい
て検討した。鋳型としてpUC19ベクターに249b
pおよび911bpのフラグメントをクローニングして
得られたプラスミドDNA(pUC19−249および
pUC19−911と称す)を、プライマーとして配列
表の配列番号16〜17記載の配列を有するMF2N3
(24)プライマーおよびMR1N3(24)プライマ
ーの3’末端3塩基をリボヌクレオチドにしたキメラオ
リゴヌクレオチドプライマーを使用した。該プライマー
の組み合わせによりpUC19−249では約450b
pの、pUC19−911では約1100bpの増幅断
片が得られる。
【0173】検討するバッファーは、トリス塩酸バッフ
ァー、リン酸カリウムバッファー、トリシンバッファー
系を選択した。また、RNaseHは、無添加および最
終濃度0.3U〜1.2U/μlで検討した。トリス塩
酸バッファー系は、10ngのpUC19−249ある
いは200ngのpUC19−911、各60pmol
のプライマーおよび11U/50μl 反応容量のBc
aBEST DNAポリメラーゼ以外は、実施例1
(2)と同様に調製した。リン酸カリウムバッファー系
についても同様の組成とした。トリシンバッファー系に
ついては、最終濃度が34mM トリシンバッファー
(pH8.7)、10mM 塩化カリウム、10mM
硫酸アンモニウム、0.01% BSA、1% DMS
O、4mM 酢酸マグネシウム、0.5mM dNTP
混合物となるように調製した。上記バッファー系につい
てpUC19−249プラスミド10ng/50μl
反応容量、ならびにpUC19−911プラスミド20
0ng/50μl 反応容量、各60pmol/50μ
l 反応容量のプライマー、各濃度となるRNase
H、11U/50μl 反応容量のBcaBEST D
NAポリメラーゼになるように調製した。
【0174】増幅反応は鋳型となるpUC19−249
あるいはpUC19−911と各プライマーの混液を9
8℃で1分間熱変性処理後、55℃まで冷却した後に残
りの反応組成混液を添加し、55℃で60分間反応させ
た。反応終了後、4℃に冷却し、1/10量の0.5M
EDTAを添加して反応を停止させた。その後、各反
応液の3μlを3%ヌシーブ3:1アガロース(宝酒造
社製)ゲルにて電気泳動を行った。
【0175】その結果、pUC19−249を鋳型とし
た場合はトリス塩酸バッファー系、リン酸カリウムバッ
ファー系、トリシンバッファー系の順に、pUC19−
911を鋳型とした場合はトリス塩酸バッファー系、ト
リシンバッファー系、リン酸カリウムバッファー系の順
に増幅効率の向上が認められた。さらに、RNaseH
については、無添加では目的の増幅断片は得られなかっ
たが、最終濃度0.3U〜1.2U/μlで用いた場合
はいずれも目的の増幅断片が得られた。
【0176】(2)プライマー量の検討 使用するプライマー量が本発明の増幅方法に与える影響
を検討した。反応液は、上記(1)記載の組成のうち、
鋳型としてpUC19−249を用いた系を使い、リン
酸カリウムバッファー系は60U/50μl反応のRN
aseHを、トリス塩酸バッファー系、トリシンバッフ
ァー系は30U/50μl反応のRNaseHを用いて
行った。プライマーの濃度は10pmol〜100pm
ol/50μlの範囲で検討した。反応条件および増幅
確認は、上記(1)記載と同様にした。
【0177】その結果、どの反応バッファー系を用いた
場合も、10pmol〜100pmol/50μlの範
囲で目的とする増幅断片が確認できた。
【0178】(3)反応バッファーのpHの影響 反応液のpHが本発明の増幅方法に与える影響について
検討した。反応液は、上記(2)記載の組成と同様にし
た。pHは、リン酸カリウムバッファー系は、pH7.
0〜8.0の範囲で、トリシンバッファー系は、pH
7.5〜9.2の範囲で、トリス塩酸バッファー系は、
pH7.5〜9.0の範囲で検討した。反応条件および
増幅確認は、上記(1)記載と同様にした。
【0179】その結果、各々のバッファー系で用いたp
Hの範囲において、目的とする増幅断片が確認できた。
【0180】(4)添加剤の効果 上記(3)記載のリン酸バッファー系(pH7.5)の
反応液組成で、ジメチルスルホキシド(DMSO)の添
加効果を検討した。また、ポリアミンの添加効果につい
ても検討した。DMSOの添加量は、無添加〜10%の
範囲で検討した。一方、ポリアミンとしては、スペルミ
ン4塩酸塩(シグマ社製)、スペルミジン3塩酸塩(シ
グマ社製)、アセチルプトレスシン(ナカライ社製)、
プトレスシン2塩酸塩(ナカライ社製)、トリメチレン
ジアミン(ナカライ社製)、プロピレンジアミン(ナカ
ライ社製)、ジアミノメタン2塩酸塩(ナカライ社製)
を使用した。添加量は、プロピレンジアミンおよびトリ
メチレンジアミンは、無添加〜2%の範囲で、それ以外
のポリアミンは、無添加〜5mMの範囲で行った。反応
条件および増幅確認は、上記(1)記載の方法と同様に
した。
【0181】その結果、DMSOは、無添加〜5%、ス
ペルミン4塩酸塩とスペルミジンは、無添加〜200μ
M、アセチルプトレスシンとプトレスシン2塩酸塩は、
40μM〜40mM、トリメチレンジアミンは、0.0
02%〜0.02%、プロピレンジアミンは、0.00
01%〜0.01%、そしてジアミノメタン2塩酸塩
は、0.1μM〜10μMの範囲で、目的のDNA断片
が効率よく増幅されることが確認できた。
【0182】(5)マグネシウム塩の種類の検討 本発明の増幅方法に対するマグネシウム塩の種類につい
て検討した。鋳型としてpUC19DNAを、プライマ
ーとして配列表の配列番号11および6記載の配列を有
するpUC19 upper NN249プライマーおよ
びpUC19lower NNプライマーを使用した。
該プライマー対で、約225bpの増幅断片が得られ
る。マグネシウム塩は、塩化マグネシウム、酢酸マグネ
シウムおよび硫酸マグネシウムを使用した。以下に反応
液組成を示す。
【0183】35mMリン酸カリウムバッファー(pH
7.3)、最終濃度8mMの塩化マグネシウム、酢酸マ
グネシウムまたは硫酸マグネシウム、最終濃度1.0m
MdNTP混合物、50ng pUC19DNA、各6
0pmolの上記プライマー対、60U RNase
H、5.5U BcaBEST DNAポリメラーゼ、お
よび滅菌蒸留水で反応容量50μl。反応条件および増
幅確認は、上記(3)と同様にして行った。その結果、
いずれのマグネシウム塩においても目的の増幅断片が確
認できた。
【0184】(6)マグネシウム濃度、およびdNTP
濃度の検討 本発明の増幅方法に対するマグネシウム濃度、およびd
NTP濃度について検討した。反応液組成は、25ng
のpUC19 DNA、種々の濃度のマグネシウム、d
NTP以外は上記(5)記載のものと同様にした。反応
条件および増幅確認は上記(1)と同様にして行った。
【0185】最終濃度1mMのdNTPで固定した反応
系では、マグネシウム濃度が最終濃度6mM〜10mM
の範囲で目的の増幅断片が得られ、また、最終濃度8m
Mのマグネシウムで固定した反応系ではdNTP濃度が
最終濃度0.6〜1.2mMの範囲で目的の増幅断片が
得られた。さらに、最終濃度0.5mMのdNTPで固
定した反応系では、マグネシウム濃度が最終濃度2mM
〜6mMの範囲で目的の増幅断片が得られ、最終濃度4
mMのマグネシウムで固定した反応系ではdNTP濃度
が最終濃度0.2〜0.8mMの範囲で目的の増幅断片
が得られた。
【0186】(7)リン酸カリウムバッファー濃度、お
よびトリシンバッファー濃度変化と反応性の検討 本発明の増幅方法に対するリン酸カリウムバッファー濃
度、およびトリシンバッファー濃度について検討した。
反応液組成は、最終濃度20〜50mMリン酸カリウム
バッファー、最終濃度22〜46mMトリシンバッファ
ーとする以外は上記(1)記載のpUC19−249を
鋳型とした反応と同様にした。反応条件および増幅確認
も上記(1)と同様にして行った。
【0187】その結果、リン酸カリウムバッファー、ト
リシンバッファーの濃度が、それぞれ最終濃度20〜5
0mM、最終濃度22〜46mMの範囲で目的の増幅断
片が得られた。
【0188】(8)BcaBEST DNAポリメラー
ゼ濃度の検討 本発明の増幅方法に対するBcaBEST DNAポリ
メラーゼ濃度について検討した。反応液組成はリン酸カ
リウムバッファー、トリシンバッファー系を用い、Bc
aBEST DNAポリメラーゼを1〜22U/50μ
l反応容量の範囲で使用する以外は上記(1)記載のp
UC19−249を鋳型とした反応と同様にした。反応
条件および増幅確認も上記(1)と同様にして行った。
【0189】その結果、BcaBEST DNAポリメ
ラーゼ量が1〜22U/50μlの範囲において目的の
増幅断片が得られた。
【0190】実施例6 PCR法との比較 本発明の増幅方法についてPCR法との比較を行った。
鋳型は、pUC19プラスミドDNAのマルチクローニ
ングサイトに約150bpおよび約250bpのDNA
断片を挿入したものを用いた。該鋳型は、以下のように
して調製した。
【0191】配列表の配列番号10、11および6記載
の配列を有するpUC19 upper 150プライマ
ー、 pUC19 upper 249プライマー、pU
C19 lower NNプライマー、を使用し、pUC
19プラスミドDNA100pgを鋳型としてPCR反
応を行った。 pUC19 upper 150プライマ
ーおよびpUC19 lower NNプライマーの組み
合わせでは約150bpの増幅断片、 pUC19 up
per 249プライマーおよびpUC19 lower
NNプライマーの組み合わせでは、約250bpの増
幅断片が得られた。該増幅断片は、マイクロコン−10
0で精製後、DNA bluntingkit(宝酒造
社製)を用いて平滑末端化し、pUC19プラスミドの
HincIIサイトにサブクローニングした。上記増幅
断片の挿入されたプラスミドを用いて、大腸菌JM10
9を形質転換した。該形質転換体を培養し、その菌体よ
りQIAGEN plasmid mini kit(キ
アゲン社製)を用いてDNA挿入プラスミドを精製し
た。このDNA挿入プラスミドを鋳型として使用した。
【0192】本実施例において使用するプライマーを配
列表の配列番号18〜19に示した。なお、本発明の増
幅方法に用いるプライマーは、3’末端3塩基がリボヌ
クレオチドに置換したものを使用した。以下に反応液組
成を示す。 27mMリン酸バッファー(pH7.3)、0.01%
BSA(牛血清アルブミン)、5%DMSO 、各1m
M dNTP混合物、8mM酢酸マグネシウム、それぞ
れ60pmolの上記のプライマー対および1ngの鋳
型DNA、および滅菌蒸留水で反応液容量を48μlに
した。
【0193】上記反応液を98℃、1分間熱変性処理
後、55℃に冷却した。次に、5.5UのBcaBES
T DNAポリメラーゼ、60UのE.coli RNa
seHを添加し、55℃、60分間保持した。その後、
90℃、2分間加熱して酵素を失活させた。各反応液3
μlを4% ヌシーブ3:1アガロース(宝酒造社製)
ゲルにて電気泳動を行なった。
【0194】一方、対照としてPCR法での増幅を行っ
た。反応は、PCR Amplification ki
t(宝酒造社製)を使用し、配列表の配列番号18〜1
9に示したリボヌクレオチドを含まないプライマーを各
10pmolずつ、1ngの鋳型DNA、および滅菌蒸
留水で反応液容量を50μlにした。反応条件は、94
℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 40秒を1サイ
クルとして25サイクル行った。反応終了後、各反応液
3μlを4% ヌシーブ3:1アガロース(宝酒造社
製)ゲルにて電気泳動を行なった。
【0195】その結果、挿入断片が、150bpおよび
249bpのいずれのプラスミドを鋳型とした場合にお
いてもPCR法より本発明の増幅方法の方が目的の増幅
断片が多く確認できた。さらに増幅産物量を数値化する
ために、上記各反応液20μlをマイクロコン−100
にて精製し、その量をベックマンDU−640分光光度
計(ベックマン社製)にて定量した。すると本発明の増
幅方法の方が挿入断片が150bpのプラスミドを鋳型
とした場合は約60倍、挿入断片が250bpの場合は
約40倍多く得られることが確認できた。このことか
ら、多量のDNA断片を必要とするDNAチップにおい
て、本発明の方法が従来のPCR法と比較しても好適に
使用できることを確認した。
【0196】実施例7 (1)RNAプローブの調製 本発明の増幅方法により得られた増幅断片の検出法につ
いて検討した。検出用プローブとして、リボヌクレオチ
ドで構成され、該プローブの両端のリボヌクレオチドに
異なる2つの蛍光物質の結合したものを調製した。検出
用RNAプローブは、DNA合成機(アプライド・バイ
オシステム社製)を用いて合成した。その塩基配列を配
列表の配列番号20に示す。また、蛍光標識は、5’末
端が、6−FAM(グレーンリサーチ社製)、3’末端
が、TAMRA(グレーンリサーチ社製)を使用した。
【0197】(2)増幅反応および検出 鋳型として、0.1および1ngのpUC19DNAを
使用した。プライマーは、配列表の配列番号10および
8に記載の配列を有するpUC19 upper 150
プライマーおよびpUC19 lower 542プライ
マーで、該プライマーの3’末端2塩基が、リボヌクレ
オチドに置き換わったものを使用した。
【0198】反応液組成を以下に示す。 27mMリン酸バッファー(pH7.3)、0.01%
BSA、5% DMSO、各1mM dNTP混合物、
8mM 酢酸マグネシウム、それぞれ60pmolの上
記のプライマー対および0.1または1ngの鋳型DN
A、上記RNAプローブ0.1μgおよび滅菌蒸留水で
反応液容量を48μlにした。また対照として、鋳型D
NAなしのものも調製した。
【0199】上記反応液を98℃、1分間熱変性処理
後、55℃に冷却した。次に、22UのBcaBEST
DNAポリメラーゼまたは滅菌水、および60Uの
E.coli RNaseHを添加し、55℃、60分
間保持した。その後、10% SDS(ドデシル硫酸ナ
トリウム、ナカライ社製)を5μl添加し、酵素を失活
させた。各反応液50μlを滅菌水で等量希釈し、マイ
クロプレートに移した。検出は、イメージアナライザー
FM BIO II Multi−View(宝酒造社製)
を用いて励起波長505nmで行った。
【0200】その結果、BcaBEST DNAポリメ
ラーゼ無添加では、どの鋳型量でも蛍光シグナルは検出
されなかった。また、BcaBEST DNAポリメラ
ーゼ添加時においても鋳型DNA量がなしの場合も蛍光
シグナルは検出されなかった。一方、鋳型DNAが0.
1ngあるいは1ngの場合、いずれも蛍光シグナルを
検出することができた。また、同時に0.00003%
のエチジウムブロマイドを含む3%アガロース電気泳動
においてもBcaBEST DNAポリメラーゼ存在
下、鋳型DNA量が0.1ngおよび1ngの場合のみ
目的とする約190bpの増幅断片が確認できた。即
ち、RNAプローブによる検出法と従来の電気泳動によ
る検出法において同じ結果が得られた。このように、本
発明の増幅方法で得られた増幅断片をRNAプローブを
用いて検出する方法を確立した。
【0201】実施例8 本発明の方法で一方のプライマーをデオキシヌクレオチ
ドにした場合について検討した。プライマーは、配列表
の配列番号19記載の配列を有するMR1N3(30)
と配列表の配列番号58記載の配列を有するM4プライ
マー(宝酒造社製)を使用した。なお、MR1N3プラ
イマーは、3’末端3塩基がリボヌクレオチドに置換し
たものを使用した。以下に反応液組成を示す。 27mM リン酸バッファー(pH7.3)、0.01
% BSA(牛血清アルブミン)、5% DMSO、各1
mM dNTP混合物、8mM 酢酸マグネシウム、それ
ぞれ30pmolの上記のプライマー対および1ngの
鋳型DNA、および滅菌蒸留水で反応液容量を24μl
にした。
【0202】上記反応液を98℃、2分間熱変性処理
後、55℃に冷却した。次に、11UのBcaBEST
DNAポリメラーゼ、30UのE.coli RNas
eHを添加し、反応容量を25μlにした。該反応液を
55℃、60分間保持した。その後、90℃、2分間加
熱して酵素を失活させた。各反応液5μlを4% ヌシ
ーブ3:1アガロースゲルにて電気泳動を行なった。そ
の結果、目的の増幅断片が確認できた。
【0203】実施例9 本発明の方法を用いて出血性大腸菌O−157検出を行
った。本実施例において使用するプライマーを配列表の
配列番号21〜24に示した。配列番号21と22の組
み合わせは、O−157のベロ毒素1をコードする配列
を、配列番号23と24の組み合わせは、ベロ毒素2を
コードする配列を検出するように、臨床と微生物、第1
8巻、第4号、507〜513頁(1991)記載のプ
ライマーを構築した。なお、本発明の増幅方法に用いる
プライマーは、3’末端3塩基がリボヌクレオチドに置
換したものを使用した。鋳型は、ATCC登録番号43
895の出血性大腸菌O−157を培養したものを集菌
し、適当な細胞数に滅菌水で懸濁した後、98℃で10
分間処理した熱抽出物を使用した。以下に反応液組成を
示す。 27mM リン酸バッファー(pH7.3)、0.01
% BSA(牛血清アルブミン)、5% DMSO 、各
1mM dNTP混合物、8mM 酢酸マグネシウム、そ
れぞれ60pmolの上記のプライマー対、104〜1
06細胞数に相当する鋳型DNA(熱抽出物)、および
滅菌蒸留水で反応液容量を48μlにした。
【0204】上記反応液を98℃、1分間熱変性処理
後、55℃に冷却した。次に、5.5UのBcaBES
T DNAポリメラーゼ、60UのE.coli RNa
seHを添加し、55℃、60分間保持した。その後、
90℃、2分間加熱して酵素を失活させた。各反応液3
μlを4% ヌシーブ3:1アガロース(宝酒造社製)
ゲルにて電気泳動を行なった。
【0205】その結果、いずれのプライマー対でも10
4細胞数相当のDNAを鋳型として、O−157ベロ毒
素1および2を検出することができ、本発明の方法が、
病毒性細菌の検出方法として利用できることを確認し
た。
【0206】実施例10 本発明の方法による長鎖DNA断片の増幅について検討
した。鋳型となる2本鎖DNAは、以下のようにして調
製した。まず、胃正常部組織由来mRNAから常法によ
りUni−ZAP XRベクター(ストラタジーン社
製)を用いてライブラリーを構築した。次にそのライブ
ラリーをスクリーニングして、インサート部が約2.1
kbpおよび約4.3kbpのクローンを用いてインビ
トロエキシジョンして得られたpBluescript
SK(−)ファージベクターを選択した。さらに、該プ
ラスミドを鋳型として、配列表の配列番号25〜26記
載の配列を有するMCR−FプライマーおよびMCR−
Rプライマー、PCR Amplification K
it(宝酒造社製)を用いて約2.2kbpおよび約
4.4kbpの増幅断片を得た。このPCR断片を本発
明の増幅方法の鋳型とした。使用するプライマーは、配
列表の配列番号27〜28に記載の配列を有するMF2
N3(24)プライマーおよびMR1N3(24)プラ
イマーを使用し、該プライマーは3’末端の3塩基がリ
ボヌクレオチドである。反応液組成を以下に示す。
【0207】28mM リン酸バッファー(pH7.
5)、0.01% BSA(牛血清アルブミン)、1%
DMSO、各0.5mM dNTP混合物、4mM 酢酸
マグネシウム、各30pmolの上記のプライマー対、
0.2mMプトレスシンおよび滅菌水を加え、24.2
5μlにした。該反応液を92℃で2分間処理して、5
5℃に冷却した後、30UのRNaseHおよび5.5
UのBcaBEST DNAポリメラーゼを加え、反応
容量を25μlにし、1時間保持した。反応終了後、4
℃に冷却し、0.5M EDTA溶液を2.5μl加え
て反応を停止させた。その後、該溶液5μlを1%アガ
ロース電気泳動に供した。その結果、本発明の方法で約
2.2kbpあるいは約4.4kbpの増幅断片を得る
ことができ、本方法で長鎖DNA断片を増幅できること
を確認した。
【0208】実施例11 本発明の増幅方法で増幅した約400bpのλDNA断
片とPCRで増幅した300bpと1000bpのλD
NA断片をスポットしたDNAマイクロアレイを作製し
た。λDNAのヌクレオチド配列はジーンバンク(GenBa
nk)登録番号、V00636、J02459、M172
33及びX00906のより入手可能である。本実施例
において使用するプライマーを配列表の配列番号25〜
26および29〜35に示した。なお、本発明の増幅方
法の反応液は、下記のように調製した。
【0209】34mM トリシン塩酸バッファー(pH
8.7)、10mM塩化カリウム、10mM硫酸アンモ
ニュウム、0.01% BSA(牛血清アルブミン)、
1%ジメチルスルオキシド、4mM酢酸マグネシウム、
各0.5mM dNTP混合物、それぞれ500pmo
lのプライマー対、ならびに鋳型として100ngのP
CR増幅産物、110UのBcaBEST DNAポリ
メラーゼ、300UのclonedRNaseH、反応
液の最終容量は500μl。上記反応液を均一に混合
し、55℃で60分間保温した後、90℃で2分間加熱
して酵素を失活させた。この溶液を以下の工程に使用し
た。また、スポットしたDNA断片は次の通りである。 1.サンプル:λDNAを鋳型にした、配列表の配列番
号29と30に記載の配列を有するプライマーの組み合
わせによるPCR増幅産物(300bp)をpUC19
ベクターにサブクローニング後、配列表の配列番号25
と26に記載の配列を有するプライマーでPCR増幅し
たものを鋳型にして、配列表の配列番号31と32に記
載の配列を有するプライマーで、該フライマーの3’末
端2塩基がリボヌクレオチドであるキメラオリゴヌクレ
オチドプライマーで本発明の増幅方法により増幅したも
の(増幅サイズは約400bp)。スポットする際のD
NA溶液としては、反応液原液、炭酸バッファーでそれ
ぞれ2倍、4倍、8倍、16倍希釈したもの(希釈溶液
の炭酸バッファー濃度はすべて50mM)で計5種類。 2.サンプル:上記1で増幅したDNA断片をマイクロ
コン−100(宝酒造社製)で処理して50mM 炭酸
バッファーで次の0.125μg/μl,0.25μg
/μl,0.5μg/μl,1.0μg/μl,2.0
μg/μlの各濃度に調整したもの、計5種類。 3.陽性コントロール:λDNAを鋳型にした、配列表
の配列番号29と30に記載の配列を有するプライマー
の組み合わせによるPCR増幅産物(300bp)をマ
イクロコン−100で処理して50mM 炭酸バッファ
ーで次の0.125μg/μl,0.25μg/μl,
0.5μg/μl,1.0μg/μl,2.0μg/μ
lの各濃度に調整したもの、計5種類。 4.陽性コントロール:λDNAを鋳型にした、配列表
の配列番号33と34に記載の配列を有するプライマー
の組み合わせによるPCR増幅産物(1000bp)を
マイクロコン−100で処理して50mM 炭酸バッフ
ァーで次の0.125μg/μl,0.25μg/μ
l,0.5μg/μl,1.0μg/μlの各濃度に調
整したもの、計4種類。 5.陰性コントロール:λDNAを鋳型にした、配列表
の配列番号33と35に記載の配列を有するプライマー
の組み合わせによるPCR増幅産物(300bp)をp
UC19ベクターにサブクローニング後、配列表の配列
番号25と26に記載の配列を有するプライマーでPC
R増幅したものを鋳型にして、配列表の配列番号31と
32に記載の配列を有するプライマーで本発明の増幅方
法により増幅したもの(増幅サイズは約400bp)。
スポットする際のDNA溶液としては、反応液原液、炭
酸バッファーでそれぞれ2倍、4倍、8倍、16倍希釈
したもの(希釈溶液の炭酸バッファー濃度はすべて50
mM)で計5種類。 6.陰性コントロール:上記5で得られたDNA断片を
マイクロコン−100で処理して50mM 炭酸バッフ
ァーで次の0.125μg/μl,0.25μg/μ
l,0.5μg/μl,1.0μg/μl,2.0μg
/μlの各濃度に調整したもの、計5種類。
【0210】調製した各DNA溶液をDNAチップ作製
装置(Genetic Microsystems:G
MS社製)を用いてアミノ基導入スライドガラス(松浪
硝子工業社製)にスポットし、UV照射により固定し
た。スライドを0.2%SDS、次いで蒸留水で洗浄、
乾燥してDNAアレイとした。
【0211】また、配列表の配列番号29と30に記載
の配列を有するプライマーの組み合わせによるPCR増
幅産物(300bp)をLabel IT Cy5R L
abeling Kit(宝酒造社製)によりCy5標
識してプローブとした。次に、IntelliGene
(宝酒造社製)の取扱説明書に記載のプレハイブリダイ
ゼーション溶液およびハイブリダイゼーション溶液を用
いてハイブリダイゼーションを行った。まず上記DNA
アレイを室温にて2時間プレハイブリダイゼーション処
理を行った後、変性したCy5標識プローブを含むハイ
ブリダイゼーション溶液をDNAアレイに滴下し、カバ
ーガラスをかけて周囲をフィルムで密封した。これを6
5℃で13時間保持した後、カバーガラスを除いて、6
5℃で2×SSC溶液で5分間、次に65℃で0.2×
SSCおよび0.1%SDSを含む溶液で5分間、最後
に室温で0.2×SSC溶液で5分間洗浄し、風乾し
た。これをマイクロアレイスキャナー(GMS社)にか
けて各スポットの蛍光シグナルを解析した。
【0212】この結果、PCR法で増幅した断片(上記
3、4の陽性コントロール)および、本発明の方法で増
幅した断片(上記1、2のサンプル)をスポットした位
置のいずれにおいても蛍光シグナルが確認できた。ま
た、シグナルの強さはサンプル2>陽性コントロール4
>サンプル1>陽性コントロール3であった。一方、陰
性コントロールの5、6ではシグナルは全く認められな
かった。このことから、本発明の方法で増幅したDNA
断片は、未精製でもあるいは精製後でもDNAチップを
作製するための固定化用DNA断片として好適に使用で
きることを確認した。
【0213】実施例12 (i)PCR増幅断片を鋳型とする場合の本発明の方法
に使用するプライマーデザインについて検討した。ま
ず、配列表の配列番号36〜41記載の配列を有するプ
ライマーを常法により合成した。各プライマーの構造に
ついて以下に示す。 (i)R1−S1プライマー:5'末端から7塩基のス
ペーサー配列、17塩基のM13RV配列(またはRV
配列)は、M13RVプライマー(宝酒造社製)のヌク
レオチド配列をいう)及び20塩基のλDNA特異的P
CR用センスプライマー配列; (ii)R1−A3プライマー:5'末端から7塩基の
スペーサー配列、17塩基のM13RV配列及び20塩
基のλDNA特異的PCR用アンチセンスプライマー配
列; (iii)R2−S1プライマー:5'末端から25塩
基のスペーサー配列、17塩基のM13RV配列及び2
0塩基のλDNA特異的PCR用センスプライマー配
列; (iv)R2−A3プライマー:5'末端から25塩基
のスペーサー配列、17塩基のM13RV配列及び20
塩基のλDNA特異的PCR用アンチセンスプライマー
配列; (v)R3−S1プライマー:5'末端から58塩基の
スペーサー配列、17塩基のM13RV配列及び20塩
基のλDNA特異的PCR用センスプライマー配列; (vi)R3−A3プライマー:5'末端から58塩基
のスペーサー配列、17塩基のM13RV配列及び20
塩基のλDNA特異的PCR用アンチセンスプライマー
配列。
【0214】なお、M13RV 20merは、17塩
基のM13RV配列及び5'側に3塩基の計20塩基の
配列を有する。従って、M13RV 20merを用い
て本発明の方法を実施した場合、上記プライマーのスぺ
ーサー配列の長さは、それぞれ4塩基、22塩基、55
塩基となる。さらに、対照として、上記プライマーのス
ペーサー配列のないプライマーも作成した。
【0215】上記プライマー対、例えば、R1−S1プ
ライマー/R1−A3プライマーを用いると348bp
の増幅断片が得られる。この増幅断片の両端7塩基がス
ペーサー部分であり、その内側にRV配列、さらに内側
にλDNAの配列を含む。
【0216】同様に、R2−S1プライマー/R2−A
3プライマーを用いると増幅断片の両端25塩基がスペ
ーサー部分である384bpの増幅断片が得られ、R3
−S1プライマー/R3−A3プライマーを用いると増
幅断片の両端58塩基がスペーサー部分である450b
pの増幅断片が得られる。一方、対照用プライマーを用
いた増幅断片は、スペーサー部分を有さない。これらの
PCR増幅断片を鋳型として以下の検討を行った。
【0217】本実施例においては、配列表の配列番号4
2及び43記載の配列を有するM13RV−2N 17
merプライマー、M13RV−2N 20merプラ
イマーの2種類を用いた。なお、該プライマーは、3'
末端の2塩基がリボヌクレオチドに置き換わったものを
用いた。反応は以下のように行った。即ち、前述のプラ
イマー 20μM、約20ngの上記鋳型及び0.01
%プロピレンジアミンの混合液5μlを98℃ 2分間
変性後、55℃まで冷却した。その後、34mM トリ
シンバッファー(pH8.7)、10mM 塩化カリウ
ム、10mM硫酸アンモニウム、0.01% BSA、
1% DMSO、4mM 酢酸マグネシウム、0.5m
M dNTP、1UのBcaBEST DNAポリメラ
ーゼ、15UのRNaseHを添加し、最終反応容量を
25μlにした。該反応液は、55℃で1時間保持し
た。反応終了後、4℃に冷却し、0.5M EDTA溶
液2.5μlを添加して反応を停止し、該反応液3μl
を3% ヌシーブ 3:1アガロース(宝酒造社製)ゲ
ル電気泳動に供した。その結果、M13RV−2N17
merを用いた場合は、スペーサー配列が25mer、
7mer、58mer、スペーサー配列なしの順に、M
13RV−2N 20merを用いた場合は、スペーサ
ー配列が22mer、4mer、55mer、スペーサ
ー配列なしの順に増幅効率がよいことが確認できた。ま
た、上記(i)から(vi)のプライマーのM13RV
配列をM13M4配列に変更した場合でも、スペーサー
配列と増幅効率の関係は同じ傾向を示した。即ち、PC
R増幅断片のような直鎖DNA断片を鋳型とする場合、
スペーサー配列(部分)ができるように本発明の方法に
用いるプライマーをデザインすることが増幅効率向上に
つながることを確認した。
【0218】(2)反応温度を上げた場合の核酸配列増
幅方法について、GC含量の高い鋳型の増幅について検
討した。まず、ジーンバンク(GenBank)登録番号、AA
789328のCDC2−related prote
in kinase PISSLRE遺伝子領域 30
7bp(GC含量:62.5%)について配列表の配列
番号44と45に記載のPCR増幅用プライマーを、ま
たジーンバンク(GenBank)登録番号、AA706022
のType II cytoskeltal 1ker
atin遺伝子領域 284bp(GC含量:61.3
%)について配列表の配列番号46と47に記載のPC
R増幅用プライマーをそれぞれ作製した。これらのプラ
イマーを用いて、市販のDNA断片(リサーチジェネテ
ィック社製)を鋳型としてPCR増幅した。上記プライ
マー対を用いることにより、得られたPCR増幅断片
は、両端にスぺーサー配列及びM13RV配列を有す
る。これを本発明の鋳型とした。
【0219】次に本実施例において使用するプライマー
は、配列表の配列番号42記載の配列を有するM13R
V−2N 17merプライマーまたは配列表の配列番
号43記載の配列を有するM13RV−2N 20me
rプライマーを用いた。なお、該プライマーは、いずれ
も3'末端の2塩基がリボヌクレオチドに置き換わった
ものを用いた。反応は以下のように行った。即ち前述の
プライマー 100pmol、20ngの鋳型及び0.
01%プロピレンジアミンの混合液10μlを98℃
2分間変性後、55℃または、60℃まで冷却した。そ
の後、34mMトリシンバッファー(pH8.7)、1
0mM KCl、10mM 硫酸アンモニウム、0.0
1% BSA、1% DMSO、4mM 酢酸マグネシ
ウム、0.5mM dNTP、11UのBcaBEST
DNAポリメラーゼ、30UのRNaseH を添加
して、最終反応容量を50μlにした。該反応液を55
℃または60℃で1時間保持した。反応終了後、4℃に
冷却し、該反応液3μlを3%アガロース電気泳動に供
した。その結果を以下の表1に示す。
【0220】
【表1】
【0221】表1に示したように、反応温度を高くする
こと(55℃から60℃)、さらに60℃で反応する場
合、55℃反応時の至適プライマーよりTm値の高いプ
ライマーを使用することにより、GC含量の高い鋳型の
場合でも効率よく目的とする領域を増幅することができ
た。
【0222】(3)反応温度が高い場合の核酸配列の増
幅方法について増幅断片長と増幅産物の関係を検討し
た。まず、lambda DNA(宝酒造社製)の80
0bp領域を増幅できる配列表の配列番号48及び49
記載の配列を有するプライマーと400bp領域を増幅
できる配列表の配列番号50及び51記載の配列を有す
るプライマーを常法により合成した。このプライマー対
を用いて、λDNAを鋳型としてPCRを行い増幅断片
を得た。さらに、実施例5(1)に記載のpUC19−
911プラスミドを鋳型とし、配列表の配列番号16〜
17記載の配列を有するMF2(24)プライマー及び
MR1(24)プライマー用いて増幅した約1.1kb
pの増幅断片も調製した。上記プライマー対を用いるこ
とにより、得られたPCR増幅断片は、両端にスぺーサ
ー配列及びM13RVあるいはM4配列を有する。これ
を本発明の鋳型とした。
【0223】次に本実施例において使用するプライマー
は、配列表の配列番号42記載の配列を有するM13R
V−2N 17merプライマーまたは配列表の配列番
号43記載の配列を有するM13RV−2N 20me
rプライマーを用いた。なお、該プライマーは、いずれ
も3'末端の2塩基がリボヌクレオチドに置き換わった
ものを用いた。さらに、約1kbp領域の増幅に関して
は、配列表の配列番号55記載の配列を有するM13M
4−3N 20merプライマーと配列表の配列番号4
3記載のM13RV−3N 20merプライマーの組
み合わせ及び配列表の配列番号56〜57記載の配列を
有するM13M4−3N 24merプライマー及びM
13RV−3N 24merプライマーの組み合わせで
行った。なお、該プライマーは、いずれも3'末端の3
塩基がリボヌクレオチドに置き換わったものを用いた。
反応は以下のように行った。即ち、前述のプライマー
100pmol、約20ngの鋳型及び0.01%プロ
ピレンジアミンの混合液10μlを98℃ 2分間変性
後、55℃または60℃まで冷却した。その後、34m
M トリシンバッファー(pH8.7)、10mM 塩
化カリウム、10mM 硫酸アンモニウム、0.01%
BSA、1% DMSO、4mM 酢酸マグネシウ
ム、0.5mM dNTP、11UのBcaBEST
DNAポリメラーゼ、30UのRNaseHを添加し、
最終反応容量を50μlにした。該反応液を55℃また
は60℃で1時間保持した。反応終了後、4℃に冷却
し、0.5M EDTA溶液5μlを添加して反応を停
止し、該反応液3μlを3% ヌシーブ3:1アガロー
ス(宝酒造社製)ゲル電気泳動に供した。その結果を表
2及び表3に示す。
【0224】
【表2】
【0225】表2に示したように、増幅に使用するプラ
イマーの長さを17merから20merにし、さらに
反応温度を55℃から60℃に高くすることにより、4
00bp及び800bpの増幅領域において増幅断片を
効率よく得ることができた。
【0226】
【表3】
【0227】さらに、表3に示したように増幅に使用す
るプライマーの長さを20merから24merにし、
さらに反応温度を55℃から65℃に高くすることによ
り、約1kbpの増幅領域において増幅断片を効率よく
得ることができた。また、実施例10に示したような長
鎖DNA断片の増幅においても、使用するプライマーを
長くし、反応温度を上げることにより上記と同様の結果
が得られ、約2kbp以上の増幅領域の場合でも増幅効
率が向上することが確認できた。
【0228】実施例13 (1)本発明の方法についてBcaBEST DNAポ
リメラーゼ以外の耐熱性DNAポリメラーゼを使用した
場合について検討した。耐熱性DNAポリメラーゼとし
てBst DNAポリメラーゼ(ニューイングランドバ
イオラボ社製)を使用した。まず、配列表の配列番号5
2及び53記載の配列を有する5'IDプライマー及び
3'IDプライマーを常法により合成した。このプライ
マー対を用いて、市販のcyclin A遺伝子のDN
A断片(リサーチジェネティック社製)を鋳型としてP
CRを行い、約300bpの増幅断片を得た。上記プラ
イマー対を用いることにより、得られたPCR増幅断片
は、両端にM13RV配列を有する。これを本発明の鋳
型とした。
【0229】次に本実施例において使用するプライマー
は、配列表の配列番号42記載の配列を有するM13R
V−2N 17merプライマーを用いた。なお、該プ
ライマーは、3'末端の2塩基がリボヌクレオチドに置
き換わったものを用いた。反応は以下のように行った。
即ち、前述のプライマー 20μM、約20ngの上記
鋳型及び0.01%プロピレンジアミンの混合液10μ
lを98℃ 2分間変性後、55℃まで冷却した。その
後、34mM トリシンバッファー(pH8.7)、1
0mM 塩化カリウム、10mM 硫酸アンモニウム、
0.01% BSA、1% DMSO、4mM 酢酸マ
グネシウム、0.5mM dNTP、4U、8U、12
U及び16UのBst DNAポリメラーゼ、30Uの
RNaseHを添加し、最終反応容量を50μlにし
た。また、対照として、11UのBcaBEST DN
Aポリメラーゼを使用する以外は上記反応液組成と同じ
ものを調製した。該反応液は、55℃で1時間保持し
た。反応終了後、4℃に冷却し、0.5M EDTA溶
液5μlを添加して反応を停止し、該反応液3μlを3
% ヌシーブ 3:1アガロース(宝酒造社製)ゲル電
気泳動に供した。その結果、いずれのユニット数のBs
t DNAポリメラーゼを使用した場合でも目的の増幅
断片を得ることができた。従って、本発明の方法におい
て、耐熱性DNAポリメラーゼが好適に使用できること
を確認した。
【0230】(2)本発明の方法について常温性DNA
ポリメラーゼを使用した場合について検討した。常温性
DNAポリメラーゼとして5'→3'エキソ活性(−)ク
レノウ断片(宝酒造社製)を使用した。本発明の方法に
用いる鋳型DNAは、上記(1)で調製したものを使用
した。
【0231】次に本実施例において使用するプライマー
は、配列表の配列番号54記載の配列を有するM13R
V−2N 16merプライマーを用いた。なお、該プ
ライマーは、3'末端の2塩基がリボヌクレオチドに置
き換わったものを用いた。反応は以下のように行った。
即ち、前述のプライマー 20μM、約20ngの上記
鋳型及び0.01%プロピレンジアミンの混合液10μ
lを98℃ 2分間変性後、40℃まで冷却した。その
後、34mM トリシンバッファー(pH8.7)、1
0mM 塩化カリウム、10mM 硫酸アンモニウム、
0.01% BSA、1% DMSO、4mM 酢酸マ
グネシウム、0.5mM dNTP、0U、2U、4
U、6U及び8Uのクレノウ断片、30UのRNase
Hを添加し、最終反応容量を50μlにした。該反応液
は、40℃で1時間保持した。反応終了後、4℃に冷却
し、0.5M EDTA溶液5μlを添加して反応を停
止し、該反応液3μlを3% ヌシーブ 3:1アガロ
ース(宝酒造社製)ゲル電気泳動に供した。その結果、
クレノウ断片が存在しない場合を除いて、いずれのユニ
ット数の場合でも目的の増幅断片を得ることができた。
従って、本発明の方法において、常温性DNAポリメラ
ーゼが好適に使用できることを確認した。
【0232】実施例14 本発明の方法に用いるキメラオリゴヌクレオチドプライ
マーについて検討した。鋳型DNA及びプライマー合成
は、実施例1(1)記載の方法に従った。本実施例に使
用されたプライマーの詳細な構造を以下に示す: プライマー対1:配列表の配列番号2および3に示され
る塩基配列を有し、その全体がすべてデオキシリボヌク
レオチドで構築されたプライマーの組み合わせ。 プライマー対2:配列表の配列番号59および60に示
される塩基配列を有し、それぞれの3’末端から6、7
個めのデオキシリボヌクレオチドがリボヌクレオチドに
置換されたプライマーの組み合わせ。 プライマー対3:配列表の配列番号61および62に示
される塩基配列を有し、それぞれの3’末端から5、6
個めのデオキシリボヌクレオチドがリボヌクレオチドに
置換されたプライマーの組み合わせ。 プライマー対4:配列表の配列番号63および64に示
される塩基配列を有し、それぞれの3’末端から4、5
個めのデオキシリボヌクレオチドがリボヌクレオチドに
置換されたプライマーの組み合わせ。 プライマー対5:配列表の配列番号65および66に示
される塩基配列を有し、それぞれの3’末端から3、4
個めのデオキシリボヌクレオチドがリボヌクレオチドに
置換されたプライマーの組み合わせ。 プライマー対6:配列表の配列番号67および68に示
される塩基配列を有し、それぞれの3’末端から2、3
個めのデオキシリボヌクレオチドがリボヌクレオチドに
置換されたプライマーの組み合わせ。 プライマー対7:配列表の配列番号2および3に示され
る塩基配列を有し、それぞれの3’末端から1、2個め
のデオキシリボヌクレオチドがリボヌクレオチドに置換
されたプライマーの組み合わせ。 プライマー対8:配列表の配列番号67および68に示
される塩基配列を有し、それぞれの3’末端から2、3
個めのデオキシリボヌクレオチドがリボヌクレオチドに
置換され、かつ3’末端から3個めのリボヌクレオチド
の5’側リン酸結合がホスホロチオエート結合に置換さ
れたプライマーの組み合わせ。
【0233】増幅条件及び検出方法については、実施例
1(2)及び(3)記載の方法に準じて行った。その結
果、プライマー対2〜8のいずれにおいても目的の長さ
の増幅断片を確認することができた。また、プライマー
対2〜7については、3'末端のデオキシリボヌクレオ
チドの数が減少するに従って増幅産物量が多くなり、特
に3'末端にデオキシリボヌクレオチドがないプライマ
ー対7において最も増幅産物量が多くなることを確認し
た。一方、プライマー対1については、増幅断片は確認
できなかった。さらに、プライマー対6と8のいずれに
おいても目的とする増幅断片が確認できたことから、プ
ライマー中に存在するリボヌクレオチドが修飾リボヌク
レオチドあるいは未修飾リボヌクレオチドのいずれであ
っても本発明の方法に好適に使用できることを確認し
た。
【0234】
【発明の効果】本発明により、キメラオリゴヌクレオチ
ドプライマーの存在下にDNA合成反応を行うことを特
徴とする簡便で、効率の良い核酸配列の増幅方法が提供
される。また、本発明により、大量のDNA増幅断片を
供給する方法が提供される。また、本発明の核酸配列の
増幅方法は、他の核酸増幅方法と組み合わせて使用する
ことにより、効率的な核酸配列の増幅方法が提供され
る。また、本発明によりウイルス、細菌、カビ、酵母な
どの微生物等の検出、定量のための核酸配列の検出方法
が提供され、本発明の方法で得られたDNA増幅断片を
リアルタイムで検出する方法が提供される。さらに本発
明により遺伝子の大規模シークエンシング方法が提供さ
れる。
【0235】配列表フリーテキスト SEQ ID NO:1: Synthetic DNA corresponding to a port
ion of human transferrin receptor-encoding sequenc
e used as a template. SEQ ID NO:2: Designed oligonucleotide primer to am
plify a portion of human transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:3: Designed oligonucleotide primer to am
plify a portion of human transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:4: Designed oligonucleotide used as a pr
obe for detecting anamplified portion of human tra
nsferrin receptor-encoding sequence. SEQ ID NO:5: Designed oligonucleotide primer desig
nated as pUC19 upper(2)NN to amplify a portion of
plasmid pUC19. SEQ ID NO:6: Designed oligonucleotide primer desig
nated as pUC19 lowerNN to amplify a portion of pla
smid pUC19. SEQ ID NO:7: Designed oligonucleotide primer to am
plify a portion of plasmid pUC19. SEQ ID NO:8: Designed oligonucleotide primer desig
nated as pUC19 lower542 to amplify a portion of pl
asmid pUC19. SEQ ID NO:9: Designed oligonucleotide primer to am
plify a portion of plasmid pUC19. SEQ ID NO:10: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as pUC19 upper 150 to amplify a portion of
plasmid pUC19. SEQ ID NO:11: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as pUC19 upper 249 to amplify a portion of
plasmid pUC19. SEQ ID NO:12: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:13: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:14: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:15: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:16: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as MF2N3(24)to amplify a portion of plasmid
pUC19-249 or plasmid pUC19-911. SEQ ID NO:17: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as MR1N3(24)to amplify a portion of plasmid
pUC19-249 or plasmid pUC19-911. SEQ ID NO:18: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofplasmid pUC19. SEQ ID NO:19: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as MR1N3 to amplify a portion of plasmid pU
C19. SEQ ID NO:20: Synthetic RNA used as a probe for de
tecting an amplifiedportion of plasmid pUC19. SEQ ID NO:21: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofvero toxin 1-encoding sequence
from hemorrhagic Escherichia coli O-157. SEQ ID NO:22: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofvero toxin 1-encoding sequence
from hemorrhagic Escherichia coli O-157. SEQ ID NO:23: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofvero toxin 2-encoding sequence
from hemorrhagic Escherichia coli O-157. SEQ ID NO:24: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofvero toxin 2-encoding sequence
from hemorrhagic Escherichia coli O-157. SEQ ID NO:25: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as MCR-F to amplify a long DNA fragment. SEQ ID NO:26: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as MCR-R to amplify a long DNA fragment. SEQ ID NO:27: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as MF2N3(24)to amplify a long DNA fragment. SEQ ID NO:28: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as MR1N3(24)to amplify a long DNA fragment. SEQ ID NO:29: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:30: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:31: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:32: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:33: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:34: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:35: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:36: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as R1-S1 to amplify a portion of bacterioph
age lambda DNA. SEQ ID NO:37: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as R1-A3 to amplify a portion of bacterioph
age lambda DNA. SEQ ID NO:38: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as R2-S1 to amplify a portion of bacterioph
age lambda DNA. SEQ ID NO:39: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as R2-A3 to amplify a portion of bacterioph
age lambda DNA. SEQ ID NO:40: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as R3-S1 to amplify a portion of bacterioph
age lambda DNA. SEQ ID NO:41: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as R3-A3 to amplify a portion of bacterioph
age lambda DNA. SEQ ID NO:42: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as M13RV-2N 17mer. SEQ ID NO:43: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as M13RV-2N 20mer. SEQ ID NO:44: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofCDC2-related protein kinase PIS
SLRE gene. SEQ ID NO:45: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofCDC2-related protein kinase PIS
SLRE gene. SEQ ID NO:46: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofType II cytoskeltal 11 keratin
gene. SEQ ID NO:47: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofType II cytoskeltal 11 keratin
gene. SEQ ID NO:48: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:49: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:50: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:51: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofbacteriophage lambda DNA. SEQ ID NO:52: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as 5'ID to amplify a portion of cyclin A DN
A. SEQ ID NO:53: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as 3'ID to amplify a portion of cyclin A DN
A. SEQ ID NO:54: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as M13RV-2N 16mer. SEQ ID NO:55: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as M13M4-3N 16mer. SEQ ID NO:56: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as M13M4-3N 24mer. SEQ ID NO:57: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as M13RV-3N 24mer. SEQ ID NO:58: Designed oligonucleotide primer desi
gnated as M13M4 17mer. SEQ ID NO:59: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:60: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:61: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:62: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:63: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:64: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:65: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:66: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:67: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence. SEQ ID NO:68: Designed oligonucleotide primer to a
mplify a portion ofhuman transferrin receptor-enco
ding sequence.
【0236】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takara Shuzo Co., Ltd. <120> A method for amplification of nucleotide sequence <130> 184751 <150> JP 11-076966 <151> 1999-03-19 <150> JP 11-370035 <151> 1999-12-27 <160> 68 <210> 1 <211> 99 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA corresponding to a portion of human transferrin rece ptor-encoding sequence used as a template <400> 1 ggacagcaac tgggccagca aagttgagaa actcacttta gagaattctg ctttcccttt 60 ccttgcatat tctgagcagt ttctttctgt ttttgcgag 99 <210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 2 cagcaactgg gccagcaaag tt 22 <210> 3 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 3 gcaaaaacag aaagaaactg ct 22 <210> 4 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide used as a probe for detecting an amplifie d portion of human transferrin receptor-encoding sequence <400> 4 tgctttccct ttccttgcat attctg 26 <210> 5 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as pUC19 upper(2)NN to amplify a portion of plasmid pUC19 <400> 5 attgcttaat cagtgaggca cctat 25 <210> 6 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as pUC19 lower NN to am plify a portion of plasmid pUC19 <400> 6 gataacactg cggccaactt acttc 25 <210> 7 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of plasmid pU C19 <400> 7 actggcgaac tacttactct agctt 25 <210> 8 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as pUC19 lower 542 to a mplify a portion of plasmid pUC19 <400> 8 agtcaccagaa aagcatctta cggat 25 <210> 9 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of plasmid pU C19 <400> 9 gctcatgaga caataaccct gataa 25 <210> 10 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as pUC19 upper 150 to a mplify a portion of plasmid pUC19 <400> 10 ggtgtcacgc tcgtcgtttg gtatg 25 <210> 11 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as pUC19 upper 249 to a mplify a portion of plasmid pUC19 <400> 11 cgcctccatc cagtctatta attgt 25 <210> 12 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 12 ctgattgaga ggattcctga gt 22 <210> 13 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 13 tagggagaga ggaagtgata ct 22 <210> 14 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 14 caacttcaag gtttctgcca gc 22 <210> 15 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 15 aatagtccaa gtagctagag c 21 <210> 16 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as MF2N3(24) to amplify a portion of plasmid pUC19-249 or plasmid pUC19-911 <400> 16 gctgcaaggc gattaagttg ggta 24 <210> 17 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as MR1N3(24) to amplify a portion of plasmid pUC19-249 or plasmid pUC19-911 <400> 17 ctttatgctt ccggctcgta tgtt 24 <210> 18 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of plasmid pU C19 <400> 18 ggatgtgctg caaggcgatt aagttgggta 30 <210> 19 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as MR1N3 to amplify a p ortion of plasmid pUC19 <400> 19 tttacacttt atgcttccgg ctcgtatgtt 30 <210> 20 <211> 30 <212> RNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic RNA used as a probe for detecting an amplified portion o f plasmid pUC19 <400> 20 ugauccccca uguugugcaa aaaagcgguu 30 <210> 21 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of vero toxin 1-encoding sequence from hemorrhagic Escherichia coli O-157 <400> 21 agttaatgtg gtggcgaa 18 <210> 22 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of vero toxin 1-encoding sequence from hemorrhagic Escherichia coli O-157 <400> 22 gactcttcca tctgcca 17 <210> 23 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of vero toxin 2-encoding sequence from hemorrhagic Escherichia coli O-157 <400> 23 ttcggtatcc tattcccg 18 <210> 24 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of vero toxin 2-encoding sequence from hemorrhagic Escherichia coli O-157 <400> 24 tctctggtca ttgtatta 18 <210> 25 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as MCR-F to amplify a l ong DNA fragment <400> 25 ccattcaggc tgcgcaactg tt 22 <210> 26 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as MCR-R to amplify a l ong DNA fragment <400> 26 tggcacgaca ggtttcccga ct 22 <210> 27 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as MF2N3(24) to amplify a long DNA fragment <400> 27 gctgcaaggc gattaagttg ggta 24 <210> 28 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as MR1N3(24) to amplify a long DNA fragment <400> 28 ctttatgctt ccggctcgta tgtt 24 <210> 29 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 29 aacaacaaga aactggtttc 20 <210> 30 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 30 gcaatgcatg acgactgggg 20 <210> 31 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 31 gttttcccag tcacgac 17 <210> 32 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 32 caggaaacag ctatgac 17 <210> 33 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 33 gtacggtcat catctgacac 20 <210> 34 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 34 gcaatcggca tgttaaacgc 20 <210> 35 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 35 cgccatcctg ggaagactcc 20 <210> 36 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as R1-S1 to amplify a p ortion of bacteriophage lambda DNA <400> 36 tttcacacag gaaacagcta tgacaacaac aagaaactgg tttc 44 <210> 37 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as R1-A3 to amplify a p ortion of bacteriophage lambda DNA <400> 37 tttcacacag gaaacagcta tgacgcaatg catgacgact gggg 44 <210> 38 <211> 62 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as R2-S1 to amplify a p ortion of bacteriophage lambda DNA <400> 38 attgtgagcg gataacaatt tcacacagga aacagctatg acaacaacaa gaaactggtt 60 tc 62 <210> 39 <211> 62 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as R2-A3 to amplify a p ortion of bacteriophage lambda DNA <400> 39 attgtgagcg gataacaatt tcacacagga aacagctatg acgcaatgca tgacgactgg 60 gg 62 <210> 40 <211> 95 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as R3-S1 to amplify a p ortion of bacteriophage lambda DNA <400> 40 cactttatgc ttccggctcg tatgttgtgt ggaattgtga gcggataaca atttcacaca 60 ggaaacagct atgacaacaa caagaaactg gtttc 95 <210> 41 <211> 95 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as R3-A3 to amplify a p ortion of bacteriophage lambda DNA <400> 41 cactttatgc ttccggctcg tatgttgtgt ggaattgtga gcggataaca atttcacaca 60 ggaaacagct atgacgcaat gcatgacgac tgggg 95 <210> 42 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as M13RV-2N 17mer <400> 42 caggaaacag ctatgac 17 <210> 43 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as M13RV-2N 20mer <400> 43 acacaggaaa cagctatgac 20 <210> 44 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of CDC2-relat ed protein kinase PISSLRE gene <400> 44 gagttcgtgt ccgtacaact atttcacaca ggaaacagct atgacccaac aagagcctat 60 agcttcgctc 70 <210> 45 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of CDC2-relat ed protein kinase PISSLRE gene <400> 45 tcgaaatcag ccacagcgcc atttcacaca ggaaacagct atgacccgct gtctttgagt 60 tgtggtg 67 <210> 46 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of Type II cy toskeltal 11 keratin gene <400> 46 gagttcgtgt ccgtacaact atttcacaca ggaaacagct atgacgctat tctgacatca 60 ctttccagac 70 <210> 47 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of Type II cy toskeltal 11 keratin gene <400> 47 tcgaaatcag ccacagcgcc atttcacaca ggaaacagct atgacgaatt ccactggtgg 60 cagtag 66 <210> 48 <211> 62 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 48 attgtgagcg gataacaatt tcacacagga aacagctatg acgtacggtc atcatctgac 60 ac 62 <210> 49 <211> 62 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 49 attgtgagcg gataacaatt tcacacagga aacagctatg acatgcgccg cctgaaccac 60 ca 62 <210> 50 <211> 62 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 50 attgtgagcg gataacaatt tcacacagga aacagctatg acctgctctg ccgcttcacg 60 ca 62 <210> 51 <211> 62 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of bacterioph age lambda DNA <400> 51 attgtgagcg gataacaatt tcacacagga aacagctatg acgcaatcgg catgttaaac 60 gg 62 <210> 52 <211> 70 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as 5'ID to amplify a po rtion of cyclin A DNA <400> 52 tcgaaatcag ccacagcgcc atttcacaca ggaaacagct atgacatgtt ttgggagaa 60 ttaagtctga 70 <210> 53 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as 3'ID to amplify a po rtion of cyclin A DNA <400> 53 gagttcgtgc cgtacaacta tttcacacag gaaacagcta tgacttacag atttagtgtc 60 tctggtggg 69 <210> 54 <211> 16 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as M13RV-2N 16mer <400> 54 aggaaacagc tatgac 16 <210> 55 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as M13M4-3N 16mer <400> 55 agggttttcc cagtcacgac 20 <210> 56 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as M13M4-3N 24mer <400> 56 cgccagggtt ttcccagtca cgac 24 <210> 57 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as M13RV-3N 24mer <400> 57 tttcacacag gaaacagcta tgac 24 <210> 58 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer designated as M13M4 <400> 58 gttttcccag tcacgac 17 <210> 59 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 59 cagcaactgg gccagcaaag ttgagaa 27 <210> 60 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 60 gcaaaaacag aaagaaactg ctcagaa 27 <210> 61 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 61 cagcaactgg gccagcaaag ttgaga 26 <210> 62 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 62 gcaaaaacag aaagaaactg ctcaga 26 <210> 63 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 63 cagcaactgg gccagcaaag ttgag 25 <210> 64 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 64 gcaaaaacag aaagaaactg ctcag 25 <210> 65 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 65 cagcaactgg gccagcaaag ttga 24 <210> 66 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 66 gcaaaaacag aaagaaactg ctca 24 <210> 67 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 67 cagcaactgg gccagcaaag ttg 23 <210> 68 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify a portion of human tran sferrin receptor-encoding sequence <400> 68 gcaaaaacag aaagaaactg ctc 23
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1:本発明における1本鎖DNAに対する
方法の一例を示すフローチャートである。図中、黒丸は
遊離したDNA鎖が(6)の鋳型DNAであることを示
す。
【図2】 図2:本発明の方法により種々の反応時間で
増幅された増幅DNA断片の、アガロースゲル電気泳動
の結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/22 C12Q 1/68 A C12Q 1/00 Z 1/68 G01N 33/53 M 37/00 102 G01N 33/53 C12R 1:01 37/00 102 1:19 //(C12N 9/12 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:01) F (C12N 9/12 C12R 1:19) (72)発明者 三宅 一恵 京都府宇治市五ケ庄三番割34−7 (72)発明者 上森 隆司 滋賀県大津市大江3丁目1−16 シャルマ ンコーポ第2瀬田709号 (72)発明者 佐藤 好美 滋賀県栗太郡栗東町綣3丁目8番23−1010 号 (72)発明者 森山 麻里子 滋賀県大津市野郷原1−4−3 シャロム 瀬田西311号 (72)発明者 椹木 治久 滋賀県大津市野郷原1−14−3 瀬田寮 301 (72)発明者 萩屋 道雄 滋賀県大津市陽明町3−4 (72)発明者 浅田 起代蔵 滋賀県甲賀郡甲南町希望ケ丘3−20−9 (72)発明者 加藤 郁之進 京都府宇治市南陵町1−1−150 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA01 CA11 HA14 HA19 4B029 AA07 BB20 CC03 FA15 4B050 CC04 DD02 LL03 4B063 QA01 QA13 QQ06 QQ42 QQ52 QR08 QR14 QR32 QR35 QR56 QR62 QR66 QR75 QS24 QS25 QS34 QX02

Claims (83)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、(a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的
    に相補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリ
    メラーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸
    長鎖を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリ
    ボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメ
    ラオリゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌク
    レオチドは、エンドヌクレアーゼによる切断のために該
    プライマーの3’末端又は3’末端側に配置され;
    (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および(c)(b)工程で得られるプ
    ライマー伸長鎖が切断された二本鎖核酸のプライマー部
    分の3’末端より、鎖置換活性を有するDNAポリメラ
    ーゼによって鋳型に相補的な核酸配列を伸長して鎖置換
    を行う工程;を包含することを特徴とする核酸配列の増
    幅方法。
  2. 【請求項2】 (b)工程と(c)工程が連続的に反復
    される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも2種類のプライマーを使用
    し、核酸配列を増幅するための方法であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的に相
    補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメラ
    ーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸長鎖
    を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリボヌ
    クレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメラオ
    リゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌクレオ
    チドは、エンドヌクレアーゼによる切断のために該プラ
    イマーの3’末端又は3’末端側に配置され; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
    れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
    換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
    的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
    生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
    程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
    て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
    とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
    して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
    程;ここで該(a)工程で使用されたプライマーとは異
    なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
    で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
    を含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
    て、該リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによる切
    断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に配
    置され; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
    された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
    置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
    補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
    再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
    工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
    る核酸配列の増幅方法。
  4. 【請求項4】 各工程が等温で行われることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項記載の核酸配列の増幅方
    法。
  5. 【請求項5】 鎖置換活性を有する1種のDNAポリメ
    ラーゼを使用して実施されることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項記載の核酸配列の増幅方法。
  6. 【請求項6】 DNAポリメラーゼとして、大腸菌由来
    のDNAポリメラーゼIのクレノウ断片、バチルス ス
    テアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレア
    ーゼ欠損BstDNAポリメラーゼ、およびバチルス
    カルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ
    欠損BcaDNAポリメラーゼからなる群から選択され
    るDNAポリメラーゼが使用される請求項1〜5のいず
    れか1項記載の核酸配列の増幅方法。
  7. 【請求項7】 エンドヌクレアーゼがエンドリボヌクレ
    アーゼである請求項1〜6のいずれか1項記載の核酸配
    列の増幅方法。
  8. 【請求項8】 エンドリボヌクレアーゼがRNaseH
    である請求項7記載の核酸配列の増幅方法。
  9. 【請求項9】 キメラオリゴヌクレオチドプライマー
    が、連続した2残基以上のリボヌクレオチドを含有する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の核
    酸配列の増幅方法。
  10. 【請求項10】 キメラオリゴヌクレオチドプライマー
    が、1以上の修飾リボヌクレオチドを含有していること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の核酸配
    列の増幅方法。
  11. 【請求項11】 キメラオリゴヌクレオチドプライマー
    が、リボヌクレオチドのα位のリン原子に結合している
    酸素原子を硫黄原子に置き換えた(α−S)リボヌクレ
    オチドを含有していることを特徴とする請求項10記載
    の核酸配列の増幅方法。
  12. 【請求項12】 トリシン、リン酸塩およびトリスから
    選択される緩衝成分を含有する緩衝液中で実施されるこ
    とを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の核
    酸配列の増幅方法。
  13. 【請求項13】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、(a)鋳型となる核酸、デオキシリボヌクレオチド
    3リン酸、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、少
    なくとも1種類のプライマー、および該プライマーより
    生成する伸長鎖を切断するエンドヌクレアーゼを混合し
    て反応混合物を調製する工程;ここで該プライマーは、
    鋳型となる核酸の塩基配列に実質的に相補的であり、デ
    オキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有
    し、該リボヌクレオチドがエンドヌクレアーゼによる切
    断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に配
    置されたキメラオリゴヌクレオチドプライマーであり;
    および(b)反応産物を生成するのに充分な時間、反応
    混合物をインキュベートする工程、を包含することを特
    徴とする核酸配列の増幅方法。
  14. 【請求項14】 反応混合物を等温でインキュベートす
    ることを特徴とする請求項13記載の核酸配列の増幅方
    法。
  15. 【請求項15】 さらに鋳型となる核酸の塩基配列に実
    質的に相同な配列を有するキメラオリゴヌクレオチドプ
    ライマーを含有する反応混合物を使用することを特徴と
    する請求項13または14に記載の核酸配列の増幅方
    法。
  16. 【請求項16】 DNAポリメラーゼが、大腸菌由来の
    DNAポリメラーゼIのクレノウ断片、バチルス ステ
    アロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアー
    ゼ欠損BstDNAポリメラーゼ、およびバチルス カ
    ルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠
    損BcaDNAポリメラーゼからなる群から選択される
    DNAポリメラーゼである請求項13〜15のいずれか
    1項記載の核酸配列の増幅方法。
  17. 【請求項17】 エンドヌクレアーゼがエンドリボヌク
    レアーゼである請求項13〜16のいずれか1項記載の
    核酸配列の増幅方法。
  18. 【請求項18】 エンドリボヌクレアーゼがRNase
    Hである請求項17記載の核酸配列の増幅方法。
  19. 【請求項19】 キメラオリゴヌクレオチドプライマー
    が、連続した2残基以上のリボヌクレオチドを含有する
    ことを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項記載
    の核酸配列の増幅方法。
  20. 【請求項20】 キメラオリゴヌクレオチドプライマー
    が、1以上の修飾リボヌクレオチドを含有していること
    を特徴とする請求項13〜19のいずれか1項記載の核
    酸配列の増幅方法。
  21. 【請求項21】 キメラオリゴヌクレオチドプライマー
    が、リボヌクレオチドのα位のリン原子に結合している
    酸素原子を硫黄原子に置き換えた(α−S)リボヌクレ
    オチドを含有していることを特徴とする請求項20記載
    の核酸配列の増幅方法。
  22. 【請求項22】 トリシン、リン酸塩およびトリスから
    選択される緩衝成分を含有する緩衝液中で実施されるこ
    とを特徴とする請求項13〜21のいずれか1項記載の
    核酸配列の増幅方法。
  23. 【請求項23】 鋳型となる核酸が一本鎖または二本鎖
    のDNAである請求項1〜22のいずれか1項記載の核
    酸配列の増幅方法。
  24. 【請求項24】 鋳型となる二本鎖DNAを一本鎖DN
    Aにする工程の後に実施されることを特徴とする請求項
    23記載の核酸配列の増幅方法。
  25. 【請求項25】 鋳型となる核酸がRNAから逆転写反
    応によって得られたcDNAである請求項23または2
    4記載の核酸配列の増幅方法。
  26. 【請求項26】 RNAを鋳型とした逆転写反応によっ
    てcDNAを合成する工程の後に実施されることを特徴
    とする請求項25記載の核酸配列の増幅方法。
  27. 【請求項27】 逆転写反応用プライマーがオリゴdT
    プライマー、ランダムプライマーもしくは、特異的プラ
    イマーからなる群より選択されるプライマーである請求
    項26記載の核酸の増幅方法。
  28. 【請求項28】 逆転写反応用プライマーがキメラオリ
    ゴヌクレオチドプライマーである請求項26または27
    記載の核酸配列の増幅方法。
  29. 【請求項29】 逆転写酵素として逆転写酵素活性を有
    するDNAポリメラーゼを使用することを特徴とする請
    求項26〜28いずれか1項記載の核酸配列の増幅方
    法。
  30. 【請求項30】 逆転写反応と鋳型に相補的な伸長鎖の
    合成とが、逆転写酵素活性と鎖置換活性とを有する1種
    のDNAポリメラーゼにより実施されることを特徴とす
    る請求項26〜29のいずれか1項記載の核酸配列の増
    幅方法。
  31. 【請求項31】 DNAポリメラーゼが、バチルス ス
    テアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレア
    ーゼ欠損BstDNAポリメラーゼ、もしくは、バチル
    ス カルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレア
    ーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼであることを特徴
    とする請求項28記載の核酸配列の増幅方法。
  32. 【請求項32】 逆転写反応の鋳型となるRNAが核酸
    増幅反応で増幅されたRNAである請求項25〜31記
    載の核酸配列の増幅方法。
  33. 【請求項33】 RNAを鋳型とした核酸増幅反応によ
    る増幅RNA断片を合成する工程の後に実施されること
    を特徴とする請求項32記載の核酸配列の増幅方法。
  34. 【請求項34】 核酸増幅反応が、転写増幅システム
    (TAS;transcription-based amplification syste
    m)法、自立複製(3SR;self-sustained sequence r
    eplication)法、NASBA(nucleic acid sequence-
    based amplification)法、TMA(transcription-med
    iated amplification)法あるいはQβレプリカーゼ法
    のいずれかより選択されることを特徴とする請求項32
    〜33記載の核酸配列の増幅方法。
  35. 【請求項35】 鋳型となる核酸が核酸増幅反応によっ
    て得られたDNAである請求項23または24記載の核
    酸配列の増幅方法。
  36. 【請求項36】 DNAを鋳型とした核酸増幅反応によ
    る増幅DNA断片を合成する工程の後に実施されること
    を特徴とする請求項35記載の核酸配列の増幅方法。
  37. 【請求項37】 核酸増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応
    (PCR;polymerase chain reaction)法、リガーゼ
    連鎖反応(LCR;ligase chain reaction)法、SD
    A(strand displacement amplification)法のいずれ
    かより選択されることを特徴とする請求項36記載の核
    酸配列の増幅方法。
  38. 【請求項38】 核酸増幅反応がランダムプライマーま
    たは縮重プライマーを使用して行われることを特徴とす
    る請求項32〜37いずれか1項記載の核酸配列の増幅
    方法。
  39. 【請求項39】 ランダムプライマーまたは縮重プライ
    マーが、少なくともその3’末端又は3’末端側にラン
    ダムな配列または縮重した配列を有するプライマーであ
    ることを特徴とする請求項38記載の核酸配列の増幅方
    法。
  40. 【請求項40】 請求項1〜39いずれか1項記載の核
    酸配列の増幅方法に用いられるキメラオリゴヌクレオチ
    ドプライマーであって、デオキシリボヌクレオチドとリ
    ボヌクレオチドを含有し、当該リボヌクレオチドが該プ
    ライマーの3’末端又は3’末端側に配置された構造を
    有するキメラオリゴヌクレオチドプライマー。
  41. 【請求項41】 連続した2残基以上のリボヌクレオチ
    ドを含有する請求項40記載のキメラオリゴヌクレオチ
    ドプライマー。
  42. 【請求項42】 1以上の修飾リボヌクレオチドを含有
    する請求項38または41記載のキメラオリゴヌクレオ
    チドプライマー。
  43. 【請求項43】 修飾リボヌクレオチドとして、リボヌ
    クレオチド3リン酸のα位のリン原子に結合している酸
    素原子を硫黄原子に置き換えた(α−S)リボヌクレオ
    チドを含有することを特徴とする請求項42記載のキメ
    ラオリゴヌクレオチドプライマー。
  44. 【請求項44】 請求項1〜39のいずれか1項記載の
    核酸配列の増幅方法に使用される鎖置換活性を有するD
    NAポリメラーゼ。
  45. 【請求項45】 請求項1〜39のいずれか1項記載の
    核酸配列の増幅方法に使用されるエンドヌクレアーゼ。
  46. 【請求項46】 請求項1〜39のいずれか1項記載の
    核酸配列の増幅方法に使用されるキットであって、パッ
    ケージされた形態において、鎖置換反応におけるDNA
    ポリメラーゼ及びエンドヌクレアーゼの使用を指示した
    指示書を含むことを特徴とするキット。
  47. 【請求項47】 DNAポリメラーゼおよび/またはエ
    ンドヌクレアーゼを含有することを特徴とする請求項4
    6記載のキット。
  48. 【請求項48】 パッケージされた形態において: (a)鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ;(b)
    エンドヌクレアーゼ;及び(c)鎖置換反応用緩衝液を
    含むことを特徴とする請求項47記載のキット。
  49. 【請求項49】 請求項44記載の鎖置換活性を有する
    DNAポリメラーゼおよび/または請求項45記載のエ
    ンドヌクレアーゼを含む、請求項1〜39いずれか1項
    記載の核酸配列の増幅方法に使用されるキット。
  50. 【請求項50】 DNAポリメラーゼとして大腸菌由来
    のDNAポリメラーゼIのクレノウ断片、バチルス ス
    テアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレア
    ーゼ欠損BstDNAポリメラーゼ、およびバチルス
    カルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ
    欠損BcaDNAポリメラーゼからなる群から選択され
    るDNAポリメラーゼを含有する請求項47〜49いず
    れか1項記載のキット。
  51. 【請求項51】 エンドヌクレアーゼとしてRNase
    Hを含有する請求項47〜49いずれか1項記載のキッ
    ト。
  52. 【請求項52】 試料中の標的核酸を検出するための方
    法であって、(a)請求項1〜39記載の核酸配列の増
    幅方法により標的核酸を増幅する工程;および(b)
    (a)工程により増幅された標的核酸を検出する工程;
    を包含することを特徴とする標的核酸の検出方法。
  53. 【請求項53】 消光状態になるような距離で配置され
    た2種類以上の蛍光物質で標識されたリボヌクレオチド
    (RNA)プローブによって増幅された標的核酸を検出
    することを特徴とする請求項52記載の核酸配列の検出
    方法。
  54. 【請求項54】 請求項52または53記載の核酸配列
    の検出方法に使用される鎖置換活性を有するDNAポリ
    メラーゼ。
  55. 【請求項55】 請求項52または53記載の核酸配列
    の検出方法に使用されるエンドヌクレアーゼ。
  56. 【請求項56】 請求項52または53記載の核酸配列
    の検出方法に使用されるキットであって、パッケージさ
    れた形態において、鎖置換反応におけるDNAポリメラ
    ーゼ及びエンドヌクレアーゼの使用を指示した指示書を
    含むことを特徴とするキット。
  57. 【請求項57】 DNAポリメラーゼおよび/またはエ
    ンドヌクレアーゼを含有することを特徴とする請求項5
    6記載のキット。
  58. 【請求項58】 パッケージされた形態において: (a)鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ; (b)エンドヌクレアーゼ;及び (c)鎖置換反応用緩衝液を含むことを特徴とする請求
    項57記載のキット。
  59. 【請求項59】 請求項54記載の鎖置換活性を有する
    DNAポリメラーゼおよび/または請求項55記載のエ
    ンドヌクレアーゼを含む、請求項56〜58いずれか1
    項に記載のキット。
  60. 【請求項60】 DNAポリメラーゼとして大腸菌由来
    のDNAポリメラーゼIのクレノウ断片、バチルス ス
    テアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレア
    ーゼ欠損BstDNAポリメラーゼ、およびバチルス
    カルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ
    欠損BcaDNAポリメラーゼからなる群から選択され
    るDNAポリメラーゼを含有する請求項57〜59いず
    れか1項記載のキット。
  61. 【請求項61】 エンドヌクレアーゼとしてRNase
    Hを含有する請求項57〜59いずれか1項記載のキッ
    ト。
  62. 【請求項62】 核酸を所定の領域に整列させた核酸固
    定化物を作製するための方法であって、(a)請求項1
    〜39記載の核酸配列の増幅方法により固定化すべき核
    酸を増幅する工程;および、(b)(a)工程で増幅さ
    れた核酸を担体上の所定の領域に整列させて固定化する
    工程;を包含することを特徴とする核酸を所定の領域に
    整列させた核酸固定化物の作製方法。
  63. 【請求項63】 実質的にその相補鎖を含まない一本鎖
    の核酸を増幅し、担体上の所定の領域に整列させて固定
    化することを特徴とする請求項62記載の核酸を所定の
    領域に整列させた核酸固定化物の作製方法。
  64. 【請求項64】 請求項62または63記載の核酸を所
    定の領域に整列させた核酸固定化物の作製方法により作
    製された核酸を所定の領域に整列させた核酸固定化物。
  65. 【請求項65】 一本鎖の核酸が所定の領域に整列させ
    て固定化されていること特徴とする請求項64記載の核
    酸を所定の領域に整列させた核酸固定化物。
  66. 【請求項66】 実質的にその相補鎖を含まない一本鎖
    の核酸が所定の領域に整列させて固定化されていること
    特徴とする請求項65記載の核酸を所定の領域に整列さ
    せた核酸固定化物。
  67. 【請求項67】 試料中の標的核酸を検出するための方
    法であって、(a)試料より標的核酸を含む可能性のあ
    る核酸試料を調製する工程;(b)該核酸試料を請求項
    64〜66いずれか1項記載の核酸固定化物に接触させ
    る工程;および、(c)核酸固定化物中の核酸とハイブ
    リダイズした該核酸試料中の標的核酸を検出する工程;
    を包含することを特徴とする標的核酸の検出方法。
  68. 【請求項68】 核酸配列を大量に製造する方法であっ
    て、(a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的
    に相補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリ
    メラーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸
    長鎖を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリ
    ボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメ
    ラオリゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌク
    レオチドは、エンドヌクレアーゼによる切断のために該
    プライマーの3’末端又は3’末端側に配置され;
    (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および(c)(b)工程で得られるプ
    ライマー伸長鎖が切断された二本鎖核酸のプライマー部
    分の3’末端より、鎖置換活性を有するDNAポリメラ
    ーゼによって鋳型に相補的な核酸配列を伸長して鎖置換
    を行う工程;を包含することを特徴とする核酸の製造方
    法。
  69. 【請求項69】 少なくとも2種類のプライマーを使用
    し、核酸を大量に製造するための方法であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的に相
    補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメラ
    ーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸長鎖
    を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリボヌ
    クレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメラオ
    リゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌクレオ
    チドは、エンドヌクレアーゼによる切断のために該プラ
    イマーの3’末端又は3’末端側に配置され; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
    れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
    換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
    的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
    生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
    程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
    て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
    とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
    して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
    程;ここで該(a)工程で使用されたプライマーとは異
    なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
    で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
    を含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
    て、該リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによる切
    断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に配
    置され; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
    された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
    置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
    補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
    再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
    工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
    る核酸の製造方法。
  70. 【請求項70】 核酸を大量に製造するための方法であ
    って、(a)鋳型となる核酸、デオキシリボヌクレオチ
    ド3リン酸、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、
    少なくとも1種類のプライマー、および該プライマーよ
    り生成する伸長鎖を切断するエンドヌクレアーゼを混合
    して反応混合物を調製する工程;ここで該プライマー
    は、鋳型となる核酸の塩基配列に実質的に相補的であ
    り、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
    を含有し、該リボヌクレオチドがエンドヌクレアーゼに
    よる切断のために該プライマーの3’末端又は3’末端
    側に配置されたキメラオリゴヌクレオチドプライマーで
    あり;および(b)反応産物を生成するのに充分な時
    間、反応混合物をインキュベートする工程、を包含する
    ことを特徴とする核酸の製造方法。
  71. 【請求項71】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、 (a)増幅しようとする配列を含む核酸を核酸増幅反応
    によって増幅し、鋳型となる核酸を調製する工程; (b)(a)で得られた鋳型となる核酸を該核酸の塩基
    配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプライマー
    とDNAポリメラーゼにより処理して該鋳型に相補的な
    プライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プライマー
    はデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを
    含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
    て、該リボヌクレオチドは、エンドヌクレアーゼによる
    切断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に
    配置され; (c)(b)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および (d)(c)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
    れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
    換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
    的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程;を包含する
    ことを特徴とする核酸配列の増幅方法。
  72. 【請求項72】 少なくとも2種類のプライマーを使用
    し、核酸配列を増幅するための方法であって、 (a)増幅しようとする配列を含む核酸を核酸増幅反応
    によって増幅し、鋳型となる核酸を調製する工程; (b)(a)で得られた鋳型となる核酸を該核酸の塩基
    配列に実質的に相補的な少なくとも1種類のプライマー
    とDNAポリメラーゼにより処理して該鋳型に相補的な
    プライマー伸長鎖を合成する工程;ここで該プライマー
    はデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを
    含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
    て、該リボヌクレオチドは、エンドヌクレアーゼによる
    切断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に
    配置され; (c)(b)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程; (d)(c)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
    れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
    換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
    的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
    生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(c)工
    程に再度利用される工程; (e)(d)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
    て(b)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
    とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
    して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
    程;ここで該(b)工程で使用されたプライマーとは異
    なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
    で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
    を含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
    て、該リボヌクレオチドはエンドヌクレアーゼによる切
    断のために該プライマーの3’末端又は3’末端側に配
    置され; (f)(e)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および (g)(f)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
    された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
    置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
    補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
    再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(f)
    工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
    る核酸配列の増幅方法。
  73. 【請求項73】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、(a)増幅しようとする配列を含む核酸を核酸増幅
    反応によって増幅し、鋳型となる核酸を調製する工程;
    (b)(a)で得られた鋳型となる核酸、デオキシリボ
    ヌクレオチド3リン酸、鎖置換活性を有するDNAポリ
    メラーゼ、少なくとも1種類のプライマー、および該プ
    ライマーより生成する伸長鎖を切断するエンドヌクレア
    ーゼを混合して反応混合物を調製する工程;ここで該プ
    ライマーは、鋳型となる核酸の塩基配列に実質的に相補
    的であり、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレ
    オチドを含有し、該リボヌクレオチドがエンドヌクレア
    ーゼによる切断のために該プライマーの3’末端又は
    3’末端側に配置されたキメラオリゴヌクレオチドプラ
    イマーであり;および(c)反応産物を生成するのに充
    分な時間、反応混合物をインキュベートする工程、を包
    含することを特徴とする核酸配列の増幅方法。
  74. 【請求項74】 鋳型となる核酸を調製するための核酸
    増幅反応が、TAS法、3SR法、NASBA法、TM
    A法、Qβレプリカーゼ法、PCR法、LCR法、SD
    A法からなる群より選択されることを特徴とする請求項
    71〜73記載の核酸配列の増幅方法。
  75. 【請求項75】 核酸増幅反応がランダムプライマーま
    たは縮重プライマーを使用して行われることを特徴とす
    る請求項74に記載の核酸配列の増幅方法。
  76. 【請求項76】 ランダムプライマーまたは縮重プライ
    マーが、少なくともその3’末端又は3’末端側にラン
    ダムな配列または縮重した配列を有するプライマーであ
    ることを特徴とする請求項75記載の核酸配列の増幅方
    法。
  77. 【請求項77】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、(a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的
    に相補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリ
    メラーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸
    長鎖を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリ
    ボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメ
    ラオリゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌク
    レオチドは該プライマーの3’末端又は3’末端側に配
    置され;(b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプラ
    イマー伸長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌク
    レアーゼで切断する工程;および(c)(b)工程で得
    られるプライマー伸長鎖が切断された二本鎖核酸のプラ
    イマー部分の3’末端より、鎖置換活性を有するDNA
    ポリメラーゼによって鋳型に相補的な核酸配列を伸長し
    て鎖置換を行う工程;を包含することを特徴とする核酸
    配列の増幅方法。
  78. 【請求項78】 少なくとも2種類のプライマーを使用
    し、核酸配列を増幅するための方法であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的に相
    補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメラ
    ーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸長鎖
    を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリボヌ
    クレオチドおよびリボヌクレオチドを含有するキメラオ
    リゴヌクレオチドプライマーであって、該リボヌクレオ
    チドは該プライマーの3’末端又は3’末端側に配置さ
    れ; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
    れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
    換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
    的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
    生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
    程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
    て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
    とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
    して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
    程;ここで該(a)工程で使用されたプライマーとは異
    なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
    で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
    を含有するキメラオリゴヌクレオチドプライマーであっ
    て、該リボヌクレオチドは該プライマーの3’末端又は
    3’末端側に配置され; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
    された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
    置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
    補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
    再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
    工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
    る核酸配列の増幅方法。
  79. 【請求項79】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、(a)鋳型となる核酸、デオキシリボヌクレオチド
    3リン酸、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、少
    なくとも1種類のプライマー、および該プライマーより
    生成する伸長鎖を切断するエンドヌクレアーゼを混合し
    て反応混合物を調製する工程;ここで該プライマーは、
    鋳型となる核酸の塩基配列に実質的に相補的であり、デ
    オキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有
    し、該リボヌクレオチドが該プライマーの3’末端又は
    3’末端側に配置されたキメラオリゴヌクレオチドプラ
    イマーであり;および(b)反応産物を生成するのに充
    分な時間、反応混合物をインキュベートする工程、を包
    含することを特徴とする核酸配列の増幅方法。
  80. 【請求項80】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、(a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的
    に相補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリ
    メラーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸
    長鎖を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリ
    ボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有し、該リ
    ボヌクレオチドが該プライマーの3'末端又は3’末端
    側に配置され、該リボヌクレオチド含有部位がエンドヌ
    クレアーゼによって切断されるキメラオリゴヌクレオチ
    ドプライマーであり;(b)(a)工程で得られる二本
    鎖核酸のプライマー伸長鎖のリボヌクレオチド含有部位
    をエンドヌクレアーゼで切断する工程;および(c)
    (b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断された二
    本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置換活性
    を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補的な核
    酸配列を伸長して鎖置換を行う工程;を包含することを
    特徴とする核酸配列の増幅方法。
  81. 【請求項81】 少なくとも2種類のプライマーを使用
    し、核酸配列を増幅するための方法であって、 (a)鋳型となる核酸を該核酸の塩基配列に実質的に相
    補的な少なくとも1種類のプライマーとDNAポリメラ
    ーゼにより処理して該鋳型に相補的なプライマー伸長鎖
    を合成する工程;ここで該プライマーはデオキシリボヌ
    クレオチドおよびリボヌクレオチドを含有し、該リボヌ
    クレオチドが該プライマーの3'末端又は3’末端側に
    配置され、該リボヌクレオチド含有部位がエンドヌクレ
    アーゼによって切断されるキメラオリゴヌクレオチドプ
    ライマーであり; (b)(a)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程; (c)(b)工程で得られるプライマー伸長鎖が切断さ
    れた二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖置
    換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相補
    的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、再
    生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(b)工
    程に再度利用される工程; (d)(c)工程で得られる遊離した置換鎖を鋳型とし
    て(a)工程で使用されたプライマーとは異なる少なく
    とも1種のプライマーとDNAポリメラーゼにより処理
    して、置換鎖に相補的なプライマー伸長鎖を合成する工
    程;ここで該(a)工程で使用されたプライマーとは異
    なるプライマーは置換鎖の塩基配列に実質的に相補的
    で、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチド
    を含有し、該リボヌクレオチドが該プライマーの3'末
    端又は3’末端側に配置され、該リボヌクレオチド含有
    部位がエンドヌクレアーゼによって切断されるキメラオ
    リゴヌクレオチドプライマーであり; (e)(d)工程で得られる二本鎖核酸のプライマー伸
    長鎖のリボヌクレオチド含有部位をエンドヌクレアーゼ
    で切断する工程;および (f)(e)工程で得られる、プライマー伸長鎖が切断
    された二本鎖核酸のプライマー部分の3’末端より、鎖
    置換活性を有するDNAポリメラーゼによって鋳型に相
    補的な核酸配列を伸長して鎖置換を行う工程であって、
    再生されたプライマー伸長鎖を含む二本鎖核酸が(e)
    工程に再度利用される工程;を包含することを特徴とす
    る核酸配列の増幅方法。
  82. 【請求項82】 核酸配列を増幅するための方法であっ
    て、(a)鋳型となる核酸、デオキシリボヌクレオチド
    3リン酸、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、少
    なくとも1種類のプライマー、および該プライマーより
    生成する伸長鎖を切断するエンドヌクレアーゼを混合し
    て反応混合物を調製する工程;ここで該プライマーは、
    鋳型となる核酸の塩基配列に実質的に相補的であり、デ
    オキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドを含有
    し、該リボヌクレオチドが該プライマーの3'末端又は
    3’末端側に配置され、該リボヌクレオチド含有部位が
    エンドヌクレアーゼによって切断されるキメラオリゴヌ
    クレオチドプライマーであり;および(b)反応産物を
    生成するのに充分な時間、反応混合物をインキュベート
    する工程、を包含することを特徴とする核酸配列の増幅
    方法。
  83. 【請求項83】 核酸の塩基配列を決定するための方法
    であって、請求項1〜39および請求項71〜82のい
    ずれか1項記載の方法の、核酸配列を増幅する工程を包
    含することを特徴とする核酸の塩基配列の決定方法。
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