JP2003070419A - 凍結粉砕コーヒー豆からのコーヒー飲料の製造方法 - Google Patents
凍結粉砕コーヒー豆からのコーヒー飲料の製造方法Info
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Abstract
を防止し、香り豊かで、しかもコーヒー収量を低下させ
ないコーヒー飲料の製造方法を提供する。 【解決手段】 焙煎コーヒー豆を粉砕前に−25℃〜0
℃の温度に保持して凍結させ、凍結した焙煎コーヒー豆
を粉砕し、粉砕した焙煎コーヒー豆を熱水で抽出するこ
とを特徴とするコーヒー飲料の製造方法。
Description
造方法に関する。詳しくは、焙煎コーヒー豆を凍結して
粉砕し、抽出することにより、香りと収量のバランスの
とれたコーヒー飲料を製造する方法に関する。
好まれている。コーヒー飲料の製造工程では、焙煎コー
ヒー豆を粉砕し、粉砕されたコーヒーを熱水で抽出し、
コーヒー抽出液を得るが、この粉砕時に香り、風味を構
成するアロマ、フレーバーが飛散し、良好なアロマ、フ
レーバーを有するコーヒー抽出液が得られていない。
する従来の技術の一つは、極低温粉砕である。1976
年2月11日発行のストーベル(Stobel)の英国
特許BP1,424,264では、液体窒素の存在下で
焙煎コーヒー豆の粉砕を開示している。また、1973
年4月3日発行のステファヌッチ(Stefanucc
i)の米国特許第3,725,076号では、焙煎コー
ヒー豆とドライアイスとの混合粉砕を開示している。
ィップ(Stipp)の米国特許第4,335,149
号では、極低温粉砕中に生成されるアロマ特性は常温粉
砕のものと著しく異なること、さらに保持される揮発性
物質に実際的な制限があることを指摘している。
用する極低温(−196℃〜−79℃) での粉砕は好ま
しくないことを教示している。
する従来の技術の別の一つは、焙煎コーヒー豆の冷却ま
たは凍結後、粉砕する方法である。特開平4−2105
54号公報によれば、凍結方法として焙煎後急速凍結す
ることまたは焙煎後常温冷却し、次いで急速凍結するこ
と等が開示され、粉砕条件として粉砕時の焙煎コーヒー
豆の温度を10℃以下にすることが開示されている。
直後(3.5 分以内)に−17〜−35℃に急冷し、20
℃以下で粉砕する方法が開示され、特開平8−175号
公報では、焙煎直後に直ちに−30〜−60℃の冷風で
3分以内に−19℃以下にし、20℃以下で粉砕する方
法が開示されている。
つれて、抽出時の熱水の温度が低下し、それに伴ってコ
ーヒーの収量も低下する問題が生じる恐れがある。
切断、カッテング等を行う時に、粉砕機のロールまたは
カッター表面と焙煎コーヒー豆の表面で発生する摩擦
熱、接触熱、磨耗熱があり、これらの発生する熱が焙煎
コーヒーからのアロマ、フレーバーの飛散という品質劣
化およびコーヒー抽出液の風味劣化の原因となってい
る。
ルの空冷または液体窒素の噴霧冷却が挙げられる。しか
し、冷却が焙煎豆全体に及ばないため、あまり効果的で
ないと考えられる。
以下に保つ事も考えられるが、空気中の湿度の為に、粉
砕機周囲に霜、氷の形成を促し、実際上の粉砕操作を困
難にしている。
時に発生するアロマ、フレーバーの飛散を防止し、香り
豊かで、しかもコーヒー収量を低下させないコーヒー飲
料の製造方法を提供することにある。
を達成すべく、凍結粉砕の条件を香りの保持とコーヒー
の収量の向上との観点から鋭意検討し、粉砕において発
生する熱をコーヒー豆を劣化させることなく焙煎コーヒ
ー豆全体で吸収できる条件を見出し、本発明を完成する
に至った。
は、焙煎コーヒー豆を粉砕前に−25℃〜0℃の温度に
保持して凍結させ、凍結した焙煎コーヒー豆を粉砕し、
粉砕した焙煎コーヒー豆を熱水で抽出することを特徴と
する。
フレーバーの劣化のない「高品質」なコーヒー豆を使用
するという観点から、焙煎後3週間以内の焙煎コーヒー
豆であることが好ましく、2週間以内がより好ましい。
・フレーバーの飛散を防止し、かつ、コーヒーの収量を
低下させないという観点から、−25℃〜0℃であり、
−25℃〜−10℃が好ましく、−25℃〜−15℃が
より好ましい。
は、コーヒー豆の表面温度のことをいい、金属プローブ
を用いたデジタル温度計により測定した値である。
度とは、コーヒー豆の表面温度が0℃以下であることを
いう。
温度や粉砕機投入までの時間経過により変動するが、ア
ロマ・フレーバーの飛散を防止するという観点から、0
℃以下であることが好ましく、−25〜−10℃がより
好ましい。なお、「粉砕直前」とは、凍結した焙煎コー
ヒー豆を粉砕機に投入してから粉砕開始するまでの短期
間をいう。
方法によると、粉砕時に発生するアロマ、フレーバーを
粉砕したコーヒー豆に保持させて、香り豊かで、しかも
コーヒー収量も良好なコーヒー飲料が提供される。本発
明のコーヒー飲料の製造方法は、極低温での凍結や粉砕
機の特殊な冷却を要しないので、冷却コストの低減が図
られる。
て、詳細に説明する。
特に制限されるものではなく、アラビカ種、ロブスタ
種、リベリカ種等のものが挙げられる。複数の種類をブ
レンドした豆を用いてもよい。
装置で行えばよく、焙煎の程度は、目的とするコーヒー
飲料に応じて適宜選択することができる。
施する。散水量は、焙煎レベルに合わせて調整し、生豆
量に対して通常4〜12重量%の水を添加する。クエン
チングは、水が液体から気体に相変化する時の蒸発潜熱
を利用した冷却方法であり、これにより焙煎が完了す
る。
のクエンチングによる焙煎コーヒー豆の冷却に加え、ク
ーリングシーブでの冷却を行ってもよい。クーリングシ
ーブは、焙煎機内で冷却された焙煎コーヒー豆が最初に
排出される段階であり、通常3〜15分間、冷風を下か
ら送り込んで、焙煎コーヒー豆を冷却する。これによ
り、焙煎が完全に完了し、本発明においては、二次焙煎
を考慮する必要はない。
ーヒー豆に対して、本発明は適用できる技術である。
しくは焙煎後3週間以内、より好ましくは2週間以内の
「高品質」なコーヒー豆である。ここで「高品質」と
は、実施例の品質劣化試験で検証するように、焙煎コー
ヒー豆が焙煎直後のアロマ・フレーバーの量と実質的に
同等の量を有することをいう。このような「高品質」な
焙煎コーヒー豆を維持するためには、焙煎後のコーヒー
豆を、密閉条件下、20℃以下で保管すればよい。−2
5℃未満の極低温で保管する必要はない。−25℃以上
の保管温度であれば、焙煎コーヒー豆をそのまま粉砕
し、直ちに抽出してもコーヒーの収量の低下はない。
磨耗熱による焙煎コーヒー豆の熱劣化を抑制するため
に、粉砕前に焙煎コーヒー豆を凍結させれば良い。「粉
砕前」とは、焙煎完了後粉砕機に投入するまでの間であ
れば特に制限されるものではない。焙煎コーヒー豆の保
管が前記の条件を満たすものであれば、保管期間中常時
凍結した状態にしておく必要はない。凍結方法は特に制
限されないが、焙煎コーヒー豆の表面温度が所定の温度
になるような条件、例えば、0℃〜−25℃に設定した
冷凍庫にて温度平衡に達するまで一定の時間放置すれば
よい。
豆の温度を好ましくは0℃以下、より好ましくは−10
〜−25℃で実施することである。このような条件を満
たすためには、粉砕機の周囲の温度環境を室温(20℃
程度)を越えないように設定することが好ましい。ただ
し、粉砕時に焙煎コーヒー豆の温度が0℃を越えても、
過度でなければ差し支えない。
ましい粉砕機としては、乾式粉砕機であれば特に制限は
なく、ディスク型、ロール型の粉砕機等が挙げられる。
水によりコーヒー液を抽出する。
ため、粉砕後直ちに行うことが好ましい。加える熱水
は、凍結した粉砕コーヒー豆からの収量を考慮し、90
℃〜100℃が好ましく、95℃〜100℃がより好ま
しい。加える熱水の量は、コーヒー豆の重量に対し、3
〜15倍程度である。
りが豊かでしかもコーヒー収量も良好である。
れたコーヒー液に含まれるコーヒー固形分の重量%を意
味し、下記式によって算出する。
施例等について説明するが、本発明は、これらの実施例
により限定されるものではない。
験]SHELF LIFE STUDIES OF FOODS AND BEVERAGES (Dev
elopments in Food Science 33、 ELSEVIER SCIENCE PU
BLISHERS B.V .1993年)の"The Shelf Life of Coffe
e"(R.J.CLARKE 著) によれば、焙煎コーヒー豆は空気
中、即ち、酸素濃度21%の状態で「高品質」が焙煎後
13〜20日間あると示唆している。そこで、焙煎直後
の急速な冷却が焙煎コーヒー豆の品質劣化の防止に必要
か否か、その効果について以下に検証した。
00Aで焙煎したコーヒー豆を、常法によりクエンチン
グおよびクーリングシーブにより冷却した。冷却後6時
間経過した焙煎コーヒー豆を密封し、20℃、5℃およ
び−25℃の保存区で、焙煎直後から14日まで保存し
た。保存期間中、焙煎コーヒー豆を毎日サンプリング
し、ラッキーコーヒーマシン(株)製コーヒーカッター
BM−570で粉砕し、粉砕したコーヒーを95℃の熱
水で15倍加水して、コーヒー抽出液を得た。以下の条
件に従って、ガスクロマトグラフィーにより香気量を分
析した。焙煎コーヒー豆はアラビカ種、ロブスタ種の4
品のブレンド品である。
測定]コーヒー抽出液10mlを、22mlのバイアル
瓶に採取し、密栓した。密栓したバイアル瓶を、Tek
mar社製ガスクロマトグラフィー用オートサンプラに
て80℃で20分間加温した後サンプリングし、ガスク
ロマトグラフィーで分析した。
0.53mm×30m キャリヤーガス:ヘリウム キャリヤーガス流量:1ml/分 カラム温度:40℃(5分)→220℃(5℃/分で昇
温) 検出器:FID。
の総面積を算出した。場合によっては各ピークを分析時
のカラム温度を基に下記のように3つのエリアに分類
し、各エリアの面積割合を算出し、比較した。
直後と同等のアロマ、フレーバーを有するコーヒー抽出
液が得られることがわかる。一方、保存区のテスト条件
別に評価すれば、20℃保存区よりも5℃保存区の方
が、5℃保存区よりも−25℃保存区の方が常にコーヒ
ー抽出液中に含まれるアロマ、フレーバーが多いことが
わかる。これは保存条件による相違よりも、粉砕直前の
焙煎コーヒー豆が低温の方がアロマ、フレーバーの飛散
を低減または防止することを示唆するものと考えられ
る。したがって、焙煎直後の急速な冷却は、焙煎コーヒ
ー豆の品質の劣化防止に必ずしも必要でないことが示さ
れた。
各保存区で保存した焙煎コーヒー豆を粉砕機に投入し、
投入後のコーヒー豆を金属プローブを用いたデジタル温
度計により表面温度を測定した。環境温度は、20〜2
4℃であった。
ーヒー豆は、−5℃以下の温度を維持していた。
したコーヒー生豆をプロバット社製のドラム型焙煎機G
O−600Aで焙煎した後、常法によりクエンチングお
よびクーリングシーブにより焙煎を完了させた。得られ
た焙煎コーヒー豆を3時間室温にて静置した後、PE袋
に入れ、密封した。密封したサンプルを3温度帯(−2
5℃、5℃、20℃)で保管し、16時間後に、ラッキ
ーコーヒーマシン(株)製コーヒーカッターBM−57
0で中細挽に粉砕した。
加水で抽出した。抽出したコーヒー液を、前記と同様に
してガスクロマトグラフィーにより分析し、結果を表5
に示す。
が、コーヒー抽出液に含まれる香りが多いことがわか
る。
ヒー豆をバイアル瓶に2g採取し、密封し、前記と同様
にしてガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を
表6に示す。
ら放出される香気面積が大きく、香りが多いことがわか
る。
にして焙煎した後、密封して20℃で6日間保管し、粉
砕前に焙煎コーヒー豆を−70℃または−25℃で凍結
させ、凍結した焙煎コーヒー豆をラッキーコーヒーマシ
ン(株)製コーヒーカッターBM−570で中細挽に粉
砕した。比較のため、凍結せずに前記と同様に粉砕した
コーヒー豆も準備した。−70℃および−25℃で凍結
させたコーヒー豆ならびに凍結しなかったコーヒー豆の
粉砕直前の温度は、それぞれ−40℃、−14.5℃、
20℃であった。
れで、15倍加水してコーヒー抽出液を得た。
ば、香気面積が増加している。しかし、焙煎コーヒー豆
の温度が低すぎると、熱水温度が低い場合は香気量の増
加は制約を受ける。過度の冷却は、必ずしも効果が出現
していないことがわかる。
したコーヒー液を官能評価した。評価方法は、粉砕直後
の豆温度20℃の抽出液を各項目の普通「3」とし、こ
れより非常に強いを「5」、非常に弱いを「1」とする
5段階で採点し、10名のパネラーの平均値とした。
「3」は普通、「4」は強い、「5」は非常に強い 表8より、本発明により製造されたコーヒー抽出液は、
香り、コク、苦味が向上していることがわかる。
液の収量を評価した。コーヒー液の収量は、下記式によ
って算出し,比較した。
味する。
と、逆にコーヒーの収量が低下することがわかる。本発
明の範囲ではコーヒーの収量が低下せず、同等か僅かに
増加することがわかる。
Claims (4)
- 【請求項1】 焙煎コーヒー豆を粉砕前に−25℃〜0
℃の温度に保持して凍結させ、凍結した焙煎コーヒー豆
を粉砕し、粉砕した焙煎コーヒー豆を熱水で抽出するこ
とを特徴とするコーヒー飲料の製造方法。 - 【請求項2】 前記焙煎コーヒー豆が焙煎後3週間以内
の焙煎コーヒー豆である請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記温度が−25℃〜−10℃である請
求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 粉砕直前の焙煎コーヒー豆の温度が0℃
以下である請求項1〜3いずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001265621A JP2003070419A (ja) | 2001-09-03 | 2001-09-03 | 凍結粉砕コーヒー豆からのコーヒー飲料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003070419A true JP2003070419A (ja) | 2003-03-11 |
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ID=19092059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003070419A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101097427B1 (ko) * | 2009-08-10 | 2011-12-26 | 조선녀 | 헛개나무 추출물을 함유하는 커피 원두 및 이의 제조방법 그리고 이를 이용한 기능성 커피 및 기능성 커피의 제조방법 |
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KR101102072B1 (ko) | 2009-06-09 | 2012-01-04 | 주식회사 에취알에스 | 원두 냉동식 커피 제조방법 |
JP2019022454A (ja) * | 2017-07-22 | 2019-02-14 | ユーシーシー上島珈琲株式会社 | 開封時の香り立ちと抽出時の泡立ちに優れたコーヒー豆及びその提供方法 |
CN114365785A (zh) * | 2022-01-20 | 2022-04-19 | 河南农业大学 | 一种红枣咖啡复合固体饮料及其制备方法 |
CN114901076A (zh) * | 2019-11-15 | 2022-08-12 | 皇家戴维艾格伯茨有限公司 | 饮料配料处理方法和相关包装配料 |
-
2001
- 2001-09-03 JP JP2001265621A patent/JP2003070419A/ja active Pending
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