JP2003070194A - 回転駆動装置と回転体の製造方法及びポリゴンミラースキャナ装置 - Google Patents

回転駆動装置と回転体の製造方法及びポリゴンミラースキャナ装置

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JP2003070194A
JP2003070194A JP2001252309A JP2001252309A JP2003070194A JP 2003070194 A JP2003070194 A JP 2003070194A JP 2001252309 A JP2001252309 A JP 2001252309A JP 2001252309 A JP2001252309 A JP 2001252309A JP 2003070194 A JP2003070194 A JP 2003070194A
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rotor magnet
rotor
rotating body
press
magnet
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English (en)
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Mitsuo Suzuki
光夫 鈴木
Yukio Itami
幸男 伊丹
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速回転をするポリゴンミラースキャナ装置の
振動及び振動によって引き起こされる騒音を低減して信
頼性を高める。 【解決手段】回転体2のロータ磁石固定部63に、ロー
タ磁石7の外周又は内周を切除しながら圧入してロータ
磁石7をロータ磁石固定部63に嵌合させ、ロータ磁石
7の外周全体又は内周全体をロータ磁石固定部63に密
着して固定し、回転体2を高速回転したときにロータ磁
石7の固定部に緩みが発生することを防ぎ、回転体2に
バランス変化を生じさせずに安定して回転するとともに
振動の発生を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電子写真
方式の複写機やプリンタ装置で画像を感光体に画像を形
成する光ビームを走査するポリゴンミラー等を回転する
回転駆動装置と回転体の製造方法及びポリゴンミラース
キャナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式のデジタル複写機等で高速
プリント化や、形成する画像の画質の高精細化を図るた
めには、感光体に画像を形成する光ビームを走査するポ
リゴンミラーを30,000rpm以上の超高速で、かつ高精
度に回転させる必要がある。このようにポリゴンミラー
等の回転体を30,000rpmを超える高速回転で回転する
場合、回転体のアンバランスに起因するモータ振動とモ
ータ回転時に発生する発熱による温度上昇が問題とな
る。回転体の静止時のアンバランスは修正することによ
りある程度小さく抑えることができるが、モータ発熱に
よる温度上昇により回転体のバランスが変化し、せっか
くバランスを修正したものが大きく悪化してしまう。こ
の高温状態のバランス変化は回転体構成部品の熱膨張率
の差が起因しており、特に熱膨張差の大きい回転駆動用
のロータ磁石を回転部材に固定する際に接着剤により固
定すると、その部品間の微少移動を発生する要因とな
り、バランス変化という不具合をもたらす。この問題
は、回転部品を加工する場合に、真円に加工することは
加工精度上困難であり、回転部品の全周,全面を接着剤
により完全に密着することができず、嵌合時に必ず径方
向片当たりが発生する。この片当たりしている部分とそ
うでない部分で、高温、高速回転時の熱膨張差による熱
応力が作用する。この熱応力は接着剤による接着強度よ
りはるかに大きく、接着剤で固定維持できないため、嵌
合部で微移動が発生する。特に30,000rpm以上の高速
回転で使用されるポリゴンミラーは80℃以上の高温環境
に曝されることになり、上記問題が顕著となる。
【0003】この問題を解決するために、例えば特開20
00−2851号公報に示されたポリゴンミラースキャナ装置
は、回転子のロータを正角柱に形成して、ロータの正角
柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、ロー
タに多極マグネットを装着するために、ポリゴンミラー
の底面に多極マグネットを位置決めする突起部を設け、
多極マグネットを突起部に圧入し、接着剤を使用せずに
多極マグネットを固定している。そして固定子のコイル
に多極マグネットを所定距離離して対向するように配置
し、ブラシレス直流モータを構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多極マ
グネットを突起部に圧入して固定するためには、一般的
に圧入代を厳密に管理する必要がある。このために多極
マグネットには圧入に耐えられる強度、例えば外径を保
持する場合には圧環強度が高い材料が必要であり、金属
磁石が選定されるが、金属磁石を使用すると質量が重く
なり、回転したときの慣性が大きくなり、高速回転には
不向きである。また、金属磁石は高価であり生産性が低
い。さらに、燒結磁石を使用した場合、圧環強度が低く
割れや欠けが発生するなどの不具合が有る。
【0005】また、一時的に圧入されたとしても、圧入
部の部品の熱膨張差により、30,000rpm以上の高速回転
時の温度上昇により圧入部が緩んでバランス変化を発生
する不具合がある。したがって、ロータ磁石を圧入する
際にはロータ磁石と圧入される側双方の材質および圧入
方法を最適化する必要がある。
【0006】この発明はかかる点を改善するためになさ
れたものであり、30,000rpm以上の高速回転と高温環境
においても、振動及び振動によって引き起こされる騒音
を低減し、高信頼性を有し低コストの回転駆動装置と回
転駆動装置の製造方法及びポリゴンミラースキャナ装置
を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る回転駆動
装置は、回転体に取り付けたロータ磁石と、ロータ磁石
と対向して固定部に設けられた巻線コイルとを有する回
転駆動装置において、回転体のロータ磁石固定部に、ロ
ータ磁石の外周又は内周を切除しながら圧入してロータ
磁石をロータ磁石固定部に嵌合させ、ロータ磁石の外周
全体又は内周全体をロータ磁石固定部に密着して固定す
ることを特徴とする。
【0008】上記ロータ磁石は樹脂をバインダーに使用
したボンド磁石で形成し、回転体をアルミ合金で形成す
ることにより、ロータ磁石に割れや欠けを生じさせない
でロータ磁石を回転体に圧入する。
【0009】また、ロータ磁石を形成するボンド磁石と
回転体を形成するアルミ合金の熱膨張率はほぼ等しくす
るか、内側を形成する素材の熱膨張率を大きくして、回
転体を高速回転して温度上昇したときのロータ磁石と回
転体の固定力を高め、ロータ磁石の遠心力や熱応力によ
る破損を防ぐ。
【0010】この発明に係る回転体の製造方法は、固定
部に設けられた巻線コイルと対向して配置されるロータ
磁石を有する回転体の製造方法において、円筒状に形成
されたロータ磁石固定部に、ロータ磁石の外周又は内周
を切除しながら圧入してロータ磁石をロータ磁石固定部
に嵌合させ、ロータ磁石の外周全体又は内周全体をロー
タ磁石固定部に密着して固定することを特徴とする。
【0011】また、ロータ磁石をロータ磁石固定部に圧
入した後、ロータ磁石を着磁して、ロータ磁石を圧入す
るときに発生した切除粉が着磁することを防ぎ、切除粉
を容易に除去する。
【0012】この発明に係るポリゴンミラースキャナ装
置は、上記回転体駆動装置の回転体の外周部に正多角形
で形成されたポリゴンミラー部を有することを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1はこの発明のポリゴンミラー
スキャナ装置の構成を示す断面図である。図に示すよう
に、ポリゴンミラースキャナ装置1は回転体2と固定部3
及び駆動回転基板4を有する。回転体2は回転スリーブ
5とフランジ6とロータ磁石7と回転ヨーク8及び閉止
部材9を有する。回転スリーブ5はセラミック材料で円
筒形状に形成されている。フランジ6はアルミ合金から
なり、回転スリーブ5に固定する円筒部61と、円筒部
61の外周に正多角形で形成されたポリゴンミラー部6
2と、円筒部61の下端部には、円筒部61の径より大
きな径で円筒状に形成されたロータ磁石固定部63と、
円筒部61とポリゴンミラー部62の間の上面に形成さ
れた円周溝64を有する。このフランジ6の円筒部61
は回転スリーブ5に焼ばめ又は圧入で固定されて一体化
している。ロータ磁石7はナイロンやエポキシなどの樹
脂をバインダーにしたボンド磁石からなり、磁石材はネ
オジウム系、サマリウムコバルト系の希土類やフェライ
ト系が使用されている。このロータ磁石7を形成するボ
ンド磁石は、熱膨張率がフランジ6を形成するアルミ合
金と同等もしくはそれより大きくなるように形成されて
いる。そしてロータ磁石7はフランジ6のロータ磁石固
定部63の内周面に圧入して固定されている。回転ヨー
ク8は磁性体からなり、下部には一定間隔を置いて設け
た突起部81を有し、磁気軸受を構成するものであり、
上端部はアルミ合金で円板状に形成された閉止部材9の
中心部に固定されている。閉止部材9はフランジ6の円筒
部61の上端部に焼ばめ又は接着で固定され、回転スリ
ーブ5の上端開放部を閉止している。フランジ6に設け
られた円周溝64は回転スリーブ5に閉止部材9を固定
する時や使用中の温度上昇に伴うポリゴンミラー部62
に対する応力歪を防止する。
【0014】固定部3は、モータハウジング10と固定
軸部11と磁気軸受用永久磁石組立体12と下部閉止部
材13及びステータコアー14を有する。モータハウジ
ング10には固定軸部11が固定されている。固定軸部
11は回転体2のラジアル方向の動圧軸受を構成するも
のであり、セラミック材料で円筒形に形成され、外周面
にはヘリングボーン状の動圧発生溝111が形成され、
この外周面と回転スリーブ5の内周面との間で構成する
動圧軸受隙間は数μmになるように形成され、回転スリ
ーブ5が嵌合されている。磁気軸受用永久磁石組立体1
2は円筒状の磁石15と、磁石15の上下に設けられた
磁性板16を有し、磁性板16が回転ヨーク8の突起部
81と対向して一定間隙を持つように固定軸部11の内
周面に固定され、磁性板16と回転ヨーク8の突起部8
1との磁気ギャップ間に働く吸引力を利用して回転体2
をアキシャル方向へ非接触で支持している。下部閉止部
材13は固定軸部11の内周面で、磁気軸受用永久磁石
組立体12の下部に固定され、固定軸部11と回転体2
の間に空気溜り17を形成している。この空気溜り17
と回転体2の外部とを連通させる微細穴が、空気溜り1
7を形成する回転ヨーク8あるいは閉止部材9又は下部
閉止部材13のいずれかに設けられ、回転ヨーク8と磁
気軸受用永久磁石組立体12で構成する磁気軸受にダン
ピング特性を持たせている。ステータコアー14はロー
タ磁石7と対向してモータハウジング10に設けられ、
ステータコアー14とロータ磁石7でアウターロータ型
のブラシレスモータを構成している。また、モータハウ
ジング10の上端部には上カバー18が取り付けられ、
回転体2をほぼ密閉している。
【0015】駆動回転基板4には複数の回転駆動素子1
9を有する駆動回路が設けられ、モータハウジング10
の下面に取り付けられている。この駆動回転基板4の駆
動回路は導電部20を介してモータハウジング10内に
設けられたモータ基板21のホール素子22に接続され
ている。モータハウジング10とモータ基板21との間
にはロータ磁石7からの漏れ磁束をシールドし、モータ
ハウジング10に渦電流が流れることを防止するための
磁性体23を有する。
【0016】上記のように構成されたポリゴンミラース
キャナ装置1で回転体2を回転するときは、ロータ磁石
7の磁界によりモータ基板21に実装されているホール
素子22から出力される信号を位置信号として参照し、
駆動回転基板4の駆動回路によりステータ巻線の励磁切
り替えを行い回転する。ここでロータ磁石7は径方向に
着磁されており、ステータコア14の外周とで回転トル
クを発生して回転体2を回転する。
【0017】この回転体2を高速回転する時の振動を低
減するために、回転体2のバランス修正を行なってい
る。例えば回転体2を30,000rpm以上の高速で回転す
るときに低振動を実現するためには、回転体2のアンバ
ランス量は10mg・mm以下が必要であり、例えば半径
10mmの箇所で修正量は1mg以下を達成しなければな
らない。このバランス修正箇所は回転体2の上部と下部
の軸方向2箇所であり、その上下2箇所は回転体2の重
心を挟んで配置することが望ましい。このように1mg
以下の微少な量を修正するためには、接着剤等の付着物
では管理がしにくく、また、接着剤等を使用した場合に
は、その量が少ないため接着力が弱く、例えば30,000r
pm以上の高速回転時には剥離して飛散してしまう。こ
のため回転体2のバランス修正を行うときに、回転体2
を構成する部品の一部をドリルによる切削やレーザ加工
で削除することにより、安定して高速回転に対応するこ
とができる。
【0018】このように回転体2が高速回転するとき
に、ロータ磁石7には大きな遠心力が作用する。この遠
心力によりロータ磁石7が破壊しないようにするため、
フランジ6の円筒状に形成されたロータ磁石固定部63
でロータ磁石7を圧入して固定している。このロータ磁
石7をフランジ6に固定する方法を図2を参照して説明
する。
【0019】まず、ロータ磁石7の圧入相手となるフラ
ンジ6と回転スリーブ5をあらかじめ焼ばめにより固定
して一体化する。そして、図2(A)に示すように、ロ
ータ磁石固定部63を上にしてフランジ6を着座面24
に固定する。そしてロータ磁石固定部63の内径より若
干外径が大きいロータ磁石7をロータ磁石固定部63の
上に置き、図2(B),(c)に示すように、ロータ磁
石7の上から押圧部材25をゆっくりと下降させてロー
タ磁石7をロータ磁石固定部63に圧入する。この押圧
部材25を下降する際には押圧力を適正に発生するよう
にプレス機を使用する。このロータ磁石7をロータ磁石
固定部63に圧入するときの押圧力は最大でも2000Nあ
れば充分である。この押圧部材25でロータ磁石7をロ
ータ磁石固定部63に圧入するときに、フランジ6の先
端部の着座面24との接触個所65で圧入時の荷重を支
え、この接触個所65に2000N程度までの荷重が作用す
る。そこでロータ磁石7を圧入するときに、荷重が加え
られても変形や残留歪が起きないようにフランジ6を支
持する位置を適当に選択する。例えばポリゴンミラー部
62の変形などを極力軽減するために、ポリゴンミラー
部62とロータ磁石固定部63の間に設けられたフラン
ジ面66でフランジ6を支えることが望ましい。すなわ
ちフランジ面66はロータ磁石固定部63に最も接近し
た軸方向に対する直角の面であり、ポリゴンミラー部6
2への歪の影響が最も小さい個所である。
【0020】このロータ磁石7を圧入するために押圧部
材25を下降するとき、図3の部分拡大図に示すよう
に、ロータ磁石5の最外周部の全周を切除しながら下降
し、図2(C)に示すように、ロータ磁石7をロータ磁
石固定部63に完全に埋め込んだら圧入を完了し、切除
した部分71を除去する。このようにロータ磁石7をロ
ータ磁石固定部63に圧入するときに、ロータ磁石固定
部63の内周先端部に、図3に示すように、テーパ部6
31を設けておくことにより、ロータ磁石7を圧入する
ときに、ロータ磁石7の中心をフランジ7の中心に対し
て位置決めすることができる。また、ロータ磁石7をロ
ータ磁石固定部63に圧入するとき、テーパ部631に
よりロータ磁石7とロータ磁石固定部63の嵌合が鋭角
となり、ロータ磁石7を安定かつ容易に切除しながら圧
入でき、ロータ磁石7が偏荷重により割れたり欠けるこ
とを防止することができる。
【0021】このテーパ部631の大きさDは、図4に
示すように、ロータ磁石7の外半径R1とロータ磁石固
定部63の内半径R2の差である圧入代より大きくする
必要がある。すなわち、テーパ部631の大きさが圧入
代よりも小さい場合は、実質的にはテーパ部631が無
いものと同じになり、ロータ磁石7に割れや欠けが生じ
る可能性がある。
【0022】また、圧入代も適切な値、例えば0.01〜0.
30mmに選択して設定する必要がある。例えば圧入代が
0.01mmより小さい場合には、圧入力が小さく抜け易
く、ロータ磁石7の保持力が不足する。一方、圧入代が
0.30mmを越えると、ローラ磁石7をロータ磁石固定部
63に圧入するときに切除部が多くなり大きな圧入力を
必要とし、大型のプレス機が必要になるが、圧入代を0.
30mm以下に定めることによりハンドプレス機程度の小
型の装置で確実に圧入することができる。また、圧入代
が0.30mmを越えると、切除粉の除去が容易でないとと
もに、圧入するときにロータ磁石7に作用する応力が大
きくなり磁束密度の低下によりロータ磁石7の磁気特性
に劣化が発生し易い。そこで圧入代を0.01〜0.30mmの
範囲に定める。
【0023】このようにロータ磁石7の外周面を切除し
ながらフランジ6のロータ磁石固定部63に圧入するこ
とにより、ロータ磁石7の外周面は全周にわたりロータ
磁石固定部63の内周面に接触して嵌合した状態となっ
ている。したがって、圧入前のロータ磁石7の外径の真
円度が悪かったりバラツキがあっても、圧入したロータ
磁石7はロータ磁石固定部63の内径真円度に倣うこと
になり、フランジ6の真円度のみを向上すれば良く、ロ
ータ磁石7の外径の真円度には高精度化が必要無くな
る。具体的にはロータ磁石7は、真円度が直径で0.1m
m以下という一般的な成形金型で作製し、かつ高精度二
次加工を行なう必要もなくなり、ロータ磁石7を安価に
作製することができる。例えばロータ磁石7をフランジ
6のロータ磁石固定部63に接着剤で接着する場合は、
熱膨張差の微移動を防止するためロータ磁石7とロータ
磁石固定部63の嵌合公差を厳しくする必要があり、嵌
合部の真円度は直径0.01mm以下が必要であり、ロータ磁
石7を作製するために高精度の金型や二次加工が必要と
なりコスト高となるばかりか、嵌合隙間が存在するため
に微移動を完全に防止することはできないが、ロータ磁
石7の外周面を切除しながらフランジ6のロータ磁石固
定部63に圧入することにより、この問題を解消するこ
とができる。
【0024】また、ロータ磁石7をロータ磁石固定部6
3に圧入した後に、圧入時に切除した部分71は確実に
除去しておく。すなわち切除粉が回転スリーブ5と固定
軸11で形成している間隙が数μmの動圧軸受内に侵入
すると動圧軸受内でかじりや摩擦が大きくなり、回転体
2の回転不良を引き起こすため切除粉は完全に除去して
おく必要がある。この除去方法としては、接着剤を塗布
したテープ等で貼付吸着したり、エアーによる吸引や吹
き飛ばしがあるが、エアーにより吸引する方法が組立環
境を汚損しないとともに切除粉を完全に回収できるため
に最も適している。この切除粉を除去した後、ロータ磁
石7を着磁する。このように切除粉を除去した後、ロー
タ磁石7を着磁することにより、切除粉が着磁すること
を防ぎ容易に除去して回収することができる。
【0025】また、ロータ磁石7を形成するボンド磁石
は、熱膨張率がフランジ6を形成するアルミ合金と同等
もしくはそれより大きくなるように形成されているか
ら、回転体2を、例えば30,000rpmの高速回転で回転
して、かつ高温になってフランジ6とロータ磁石7が熱
膨張したときに、ロータ磁石7とロータ磁石固定部63
との間に熱膨張力が作用し、この熱膨張力はロータ磁石
7の圧入部に対して締結力が増大するように作用する。
したがって高速回転している回転体2には圧入部の緩み
により生じるバランス変化が発生することを防ぐことが
でき、回転体2を安定して高速回転することができる。
【0026】このように安定して高速回転する回転体2
に設けたポリゴンミラー部62により感光体に画像を形
成するときのレーザビームを走査することにより、高速
プリント化や形成する画像の画質の高精細化を図ること
ができ、高画質の画像を迅速に形成することができる。
【0027】上記説明では回転スリーブ5とフランジ6
を別個に形成して焼ばめ又は圧入により一体化する場合
について説明したが、回転スリーブ5とフランジ6をア
ルミ合金で一体に形成し、軸受部に潤滑または耐磨耗性
を付与した表面処理を施す用にしても良い。このように
回転スリーブ5とフランジ6を一体に形成することによ
り、高速高温回転時の緩み発生個所を減らすことがで
き、バランス変化をより少なくして低振動の回転体2を
得ることができる。
【0028】また、上記説明ではポリゴンミラースキャ
ナ装置1について説明したが、光ディスク等を回転する
ディスクモータ等にも同様に適用することができる。
【0029】さらに、モータ方式についてはアウターロ
ータ方式で説明したが、インナーロータ方式やアキシャ
ルギャップ方式でも同様に適用することができる。すな
わち、インナーロータ方式の場合はロータ磁石の内径部
を圧入箇所とし、アキシャルギャップ方式の場合は磁気
回路が軸方向となるためロータ磁石の外径または内径を
圧入箇所とすることができる。その場合でもロータ磁石
を圧入するアキシャルギャップ方式は高速遠心力により
ロータ磁石が破壊することを防ぐことができる。
【0030】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、回転体
のロータ磁石固定部に、ロータ磁石の外周又は内周を切
除しながら圧入してロータ磁石をロータ磁石固定部に嵌
合させ、ロータ磁石の外周全体又は内周全体をロータ磁
石固定部に密着して固定することにより、回転体を高速
回転したときにロータ磁石の固定部に緩みが発生するこ
とを防ぎ、回転体をバランス変化を生じさせずに安定し
て回転するとともに振動の発生を低減することができ
る。
【0031】また、ロータ磁石は樹脂をバインダーに使
用したボンド磁石で形成し、回転体をアルミ合金で形成
することにより、ロータ磁石に割れや欠けを生じさせな
いでロータ磁石を回転体に圧入して固定することができ
る。
【0032】さらに、ロータ磁石を形成するボンド磁石
と回転体を形成するアルミ合金の熱膨張率はほぼ等しく
するか、内側を形成する素材の熱膨張率を大きくするこ
とにより、回転体を高速回転して温度上昇したときのロ
ータ磁石と回転体の固定力を高め、ロータ磁石の遠心力
や熱応力による破損を防ぐことができ、回転体を高速で
安定して回転することができる。
【0033】また、ロータ磁石をロータ磁石固定部に圧
入した後、ロータ磁石を着磁することにより、ロータ磁
石を圧入するときに発生した切除粉が着磁することを防
ぎ、切除粉を容易に除去することができ、回転体の軸受
部に切除粉が侵入することを防いで、回転体を安定して
回転することができる。
【0034】また、回転体の外周部に正多角形で形成さ
れたポリゴンミラー部を設け、感光体に画像を形成する
ときのレーザビームを走査することにより、高速プリン
ト化や形成する画像の画質の高精細化を図ることがで
き、高画質の画像を迅速に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のポリゴンミラースキャナ装置の構成
を示す断面図である。
【図2】ロータ磁石をフランジに圧入する工程を示す断
面図である。
【図3】ロータ磁石をフランジに圧入する状態を示す部
分拡大図である。
【図4】ロータ磁石の圧入代とロータ磁石固定部のテー
パ部の寸法を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1;ポリゴンミラースキャナ装置、2;回転体、3;固
定部、4;駆動回転基板、5;回転スリーブ、6;フラ
ンジ、7;ロータ磁石、8;回転ヨーク、9;閉止部
材、10;モータハウジング、11;固定軸部、12;
磁気軸受用永久磁石組立体、13;下部閉止部材、6
1;円筒部、62;ポリゴンミラー部、63;ロータ磁
石固定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 21/22 H02K 21/22 M 29/00 29/00 Z Fターム(参考) 2H042 DD03 2H045 AA14 AA15 DA41 5H019 AA06 BB01 BB05 BB15 BB20 BB22 CC04 DD01 EE01 FF01 FF03 5H621 AA04 HH01 JK10 JK13 JK19 5H622 CA01 CA05 DD01 DD02 DD04 PP05 PP11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体に取り付けたロータ磁石と、ロー
    タ磁石と対向して固定部に設けられた巻線コイルとを有
    する回転駆動装置において、 回転体のロータ磁石固定部に、ロータ磁石の外周又は内
    周を切除しながら圧入してロータ磁石をロータ磁石固定
    部に嵌合させることを特徴とする回転体駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記ロータ磁石は樹脂をバインダーに使
    用したボンド磁石からなり、回転体をアルミ合金で形成
    した請求項1記載の回転体駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記ロータ磁石を形成するボンド磁石と
    回転体を形成するアルミ合金の熱膨張率はほぼ等しくす
    るか、内側を形成する素材の熱膨張率を大きくする請求
    項2記載の回転体駆動装置。
  4. 【請求項4】 固定部に設けられた巻線コイルと対向し
    て配置されるロータ磁石を有する回転体の製造方法にお
    いて、 円筒状に形成されたロータ磁石固定部に、ロータ磁石の
    外周又は内周を切除しながら圧入してロータ磁石をロー
    タ磁石固定部に嵌合させることを特徴とする回転体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記ロータ磁石をロータ磁石固定部に圧
    入した後、ロータ磁石を着磁する請求項4記載の回転体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1,2又は3記載の回転体駆動装
    置の回転体の外周部に正多角形で形成されたポリゴンミ
    ラー部を有することを特徴とするポリゴンミラースキャ
    ナ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7671884B2 (en) 2007-02-26 2010-03-02 Ricoh Company, Ltd. Rotary drive apparatus, optical scan apparatus, and image formation apparatus
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CN113977808A (zh) * 2021-11-25 2022-01-28 重庆市科诚电机制造有限公司 一种电机废旧定子的橡胶分离回收装置
WO2022070306A1 (ja) 2020-09-30 2022-04-07 愛知製鋼株式会社 界磁子の製造方法

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