JP2003065223A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2003065223A
JP2003065223A JP2001253908A JP2001253908A JP2003065223A JP 2003065223 A JP2003065223 A JP 2003065223A JP 2001253908 A JP2001253908 A JP 2001253908A JP 2001253908 A JP2001253908 A JP 2001253908A JP 2003065223 A JP2003065223 A JP 2003065223A
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sliding
lubricant
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JP2001253908A
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Minoru Mera
実 米良
Manabu Sugiura
学 杉浦
Takahiro Sugioka
隆弘 杉岡
Hiroaki Kayukawa
浩明 粥川
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常時に摺動部が焼き付くのを防止する。 【解決手段】 斜板10は、ラグプレート11及びヒンジ機
構12を介して駆動軸9に作動連結され、前後一対のシュ
ー15a,15bを介して各ピストン8の端部に摺動自在に
係留されている。駆動軸9の回転に伴う斜板10の回転運
動が、シュー15a,15bを介してピストン8の往復運動
に変換される。圧縮機Cの摺動部品であるシュー15a,
15bには収容部17が形成されている。収容部17は斜板10
と対向する側に開口部を有し、開口部側の径が大きくな
るように形成されている。収容部17内には、収容部17が
特定の温度に達するまでは収容部17内に収容された状態
に保持され、収容部17が特定の温度に達すると収容部17
から流出して摺動面に付着可能に、固体潤滑剤18が収容
されている。固体潤滑剤18は、収容部17の開口端より若
干内側に位置するように収容されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の空
調システムに使用される圧縮機に係り、詳しくは冷媒ガ
スを介して潤滑オイルを各摺動部に供給する構成の圧縮
機に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮機の摺動部を潤滑する方法として、
潤滑オイルをポンプで汲み上げ、必要な箇所に供給する
方法を採用すると、ポンプを別途設ける必要があるとと
もに各摺動部に潤滑オイルを供給する配管を設ける必要
があり、構造が複雑になる。そこで、圧縮機の摺動部材
(摺動部品)間の潤滑を行う方法として、圧縮機内部に
保持された潤滑オイルを圧縮機の運転に伴って流通する
ガス(冷媒ガス)でミスト化し、そのミスト化したオイ
ルを各摺動部位に搬送することで行う構成のものが多く
採用されている。
【0003】また、特開昭56−138474号公報に
は、図6に示すように、斜板式圧縮機の斜板51とピス
トン52との間に介在され斜板の回転をピストン52の
往復運動に変換するほぼ半球状のシュー53に穴54を
設け、穴54内に潤滑油を含有可能な充填材55若しく
はグリスを充填したものが開示されている。この構成で
は充填材55に含有された潤滑油あるいはグリースが、
穴54からピストン52とシュー53との摺動面に供給
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】冷媒ガスを介して潤滑
オイルを各摺動部に供給する構成では、何らかの異常で
長時間にわたって潤滑オイルが供給されない状態となっ
た際に、摺動部が焼き付く虞がある。一方、特開昭56
−138474号公報に開示された構成のものを設けて
も、圧縮機の運転中に穴54内の潤滑油あるいはグリー
スが次第に消耗され、異常時に焼き付きを防止できない
場合がある。
【0005】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は異常時に摺動部が焼き付くのを
防止することができる圧縮機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、冷媒ガスを介して潤滑
オイルを各摺動部に供給する構成の圧縮機であって、潤
滑剤を、収容部が特定の温度に達するまでは収容部内に
収容された状態に保持され、収容部が特定の温度に達す
ると収容部から流出して摺動面に付着可能に設けた。
「摺動部」にはラジアルベアリングやスラストベアリン
グを構成するボールやコロの表面を含む。
【0007】この発明では、通常は冷媒ガスを介して潤
滑オイルを各摺動部に供給することにより、各部の潤滑
が行われる。そして、冷媒ガスによる潤滑が長時間にわ
たって行われない等の異常により、摺動部あるいはハウ
ジングの温度が特定の温度に達すると、潤滑剤が収容部
から流出して摺動面に付着する。そして、摺動面の潤滑
が行われ焼き付きが防止される。「特定の温度」とは圧
縮機の通常の運転時の温度より高く、摺動面の焼き付き
が発生する温度より低い温度である。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記潤滑剤は固体潤滑剤である。こ
の発明では、潤滑剤が固体潤滑剤のため、潤滑剤を溶融
状態で収容部に収容した後、冷却するだけで特別な処理
なしに特定の温度に達するまで収容部内に保持される。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記圧縮機は斜板式圧
縮機であり、前記摺動面は斜板とシューとの摺接面であ
る。この発明では、斜板式圧縮機において、摺動圧が最
も大きくかかる斜板とシューとの摺接面に前記潤滑剤が
供給されて焼き付きを防止できる。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記収容部はシューに設けられてい
る。収容部を斜板に設けた場合は、通常の状態で斜板と
シューとの間に供給された潤滑オイルが摺動面に皮膜を
形成するのに悪影響を与える場合がある。しかし、この
発明では、収容部がシュー側に設けられているため、そ
のような悪影響がない。また、斜板側に形成するのに比
較して収容部の製造が容易になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を可変容量型の斜板
式圧縮機に具体化した一実施の形態を図面に基づいて説
明する。
【0012】図1(a)に示すように、圧縮機Cは、シ
リンダブロック1と、その前端に接合されたフロントハ
ウジング2と、シリンダブロック1の後端に弁形成体3
を介して接合されたリヤハウジング4とを備えている。
シリンダブロック1、弁形成体3及び両ハウジング2,
4は複数の通しボルト(図示略)により相互に接合固定
されて圧縮機Cのハウジングを構成している。なお、図
1(a)において左側を圧縮機Cの前側とする。
【0013】前記ハウジング内には、クランク室5、吸
入室6及び吐出室7が区画されている。シリンダブロッ
ク1には複数のシリンダボア1a(一つのみ図示)が形
成され、各シリンダボア1aには片頭型のピストン8が
往復動可能に収容されている。吸入室6及び吐出室7
は、弁形成体3に設けられた吸入弁3a及び吐出弁3b
を介して各シリンダボア1aと選択的に連通可能となっ
ている。
【0014】シリンダブロック1とフロントハウジング
2との間にはクランク室5を貫通した状態で駆動軸9が
ベアリングを介して回転可能に支持されている。クラン
ク室5にはカムプレートとしての斜板10が収容されて
いる。斜板10の中央部には挿通孔10aが形成され、
挿通孔10aに駆動軸9が貫挿されている。回転支持体
としてのラグプレート11は、クランク室5内において
駆動軸9に一体回転可能に固定されている。斜板10
は、ラグプレート11及びヒンジ機構12を介して駆動
軸9に作動連結され、駆動軸9と同期回転可能かつ駆動
軸9の軸線方向への摺動を伴いながら駆動軸9に対し傾
動可能となっている。
【0015】斜板10には、駆動軸9を挟んでヒンジ機
構12と反対側にカウンタウェイト部10bが一体に形
成されている。駆動軸9上にはラグプレート11と斜板
10との間に押圧ばね13が巻装されている。斜板10
は、押圧ばね13によってシリンダブロック1に接近す
る方向(即ち、傾角減少方向)に付勢されている。斜板
10の傾角減少方向への傾動は、駆動軸9上に固定され
たサークリップ14に当接することで規制され、斜板1
0の最小傾角θminが制限される。また、斜板10の
最大傾角θmaxは、斜板10のカウンタウェイト部1
0bがラグプレート11に当接することで制限される。
なお、傾角とは駆動軸9と直交する面と斜板10との成
す角度を意味する。
【0016】斜板10の周縁部が前後一対のシュー15
a,15bを介して各ピストン8の端部に摺動自在に係
留されることで、全てのピストン8が斜板10に作動連
結されている。そして、駆動軸9の回転に伴う斜板10
の回転運動が、シュー15a,15bを介してピストン
8の往復運動に変換される。
【0017】リヤハウジング4にはクランク圧Pcを調
節するための公知の制御弁16が設けられている。制御
弁16はクランク室5と吐出室7とを連通する図示しな
い給気通路の途中に設けられ、ソレノイドの電磁力によ
り給気通路の開度を制御する弁機構を備えている。そし
て、制御弁16を介しての吐出室7からクランク室5へ
の冷媒ガスの供給量と、クランク室5と吸入室6とを連
通する図示しない抽気通路を介してのクランク室5から
吸入室6への冷媒ガスの逃がし量とのバランスにより、
クランク圧Pcが調整される。
【0018】圧縮機Cは図示しない外部冷媒回路に接続
された状態で使用される。そして、圧縮機Cの摺動部の
潤滑は、圧縮機C内部に保持された潤滑オイルを、圧縮
機Cの運転に伴って流通する冷媒ガスでミスト化し、そ
のミスト化した潤滑オイルを各摺動部に供給することで
行うようになっている。
【0019】図1(a),(b)に示すように、圧縮機
Cの摺動部品であるシュー15a,15bには収容部1
7が形成されている。収容部17は斜板10と対向する
側に開口部を有し、開口部側の径が大きくなるように形
成されている。収容部17内には、潤滑剤が、収容部1
7が特定の温度に達するまでは収容部17内に収容され
た状態に保持され、収容部17が特定の温度に達すると
収容部17から流出して摺動面に付着可能に設けられて
いる。この実施の形態では潤滑剤として固体潤滑剤18
が使用されている。固体潤滑剤18は、収容部17の開
口端より若干内側に位置するように、即ち斜板10とシ
ュー15a,15bとの摺動面より退避した状態となる
ように収容されている。
【0020】前記特定の温度とは通常の運転条件では到
達しない温度であって、何らかの特別な異常状態におけ
る温度上昇により到達する温度である。特定の温度は圧
縮機Cの容量などにより異なるが、例えば195〜23
0℃程度である。そして、前記固体潤滑剤18としては
金属セッケンが好適に使用される。金属セッケンとして
は、例えば、ステアリン酸バリウム(225℃以上)、
ステアリン酸リチウム(220±10℃)、12−ヒド
ロキシステアリン酸リチウム(212±10℃)、パラ
ターシャリ−ブチル安息香酸亜鉛(210±5℃)、パ
ラターシャリ−ブチル安息香酸バリウム(200℃以
上)、オレイン酸ナトリウム(220±5℃)、ラウリ
ン酸バリウム(195℃以上)が挙げられる。なお、括
弧内の温度は融点である。
【0021】次に前記のように構成された圧縮機Cの作
用を説明する。図示しない駆動源により駆動される駆動
軸9の回転に伴い斜板10が一体回転し、斜板10の回
転運動がシュー15a,15bを介して各ピストン8の
往復運動に変換され、各ピストン8が斜板10の傾角に
対応したストロークで往復動される。この駆動の継続に
よってシリンダボア1a内では、吸入室6からの冷媒ガ
スの吸入、吸入冷媒ガスの圧縮、吐出室7への圧縮済み
冷媒ガスの吐出が順次繰り返される。図示しない外部冷
媒回路から吸入室6に供給された冷媒は、吸入ポートを
介してシリンダボア1a内に吸入され、ピストン8の移
動による圧縮作用を受けた後、吐出ポートを介して吐出
室7に吐出される。吐出室7に吐出された冷媒は、吐出
孔から外部冷媒回路に送り出される。
【0022】そして、制御弁16の開度が冷房負荷に応
じて調整され、吐出室7とクランク室5との連通状態が
変更される。冷房負荷が高く吸入室6の圧力が高い状態
では、制御弁16の開度は小さくなり、クランク室5の
圧力(クランク圧Pc)が小さくなって斜板10の傾角
が大きくなる。そして、ピストン8のストロークが大き
くなって圧縮機が大容量で運転される。冷房負荷が低く
吸入室6の圧力が低い状態では、制御弁16の開度が大
きくなり、クランク圧Pcが大きくなって斜板10の傾
角が小さくなる。そして、ピストン8のストロークが小
さくなって圧縮機が小容量で運転される。
【0023】圧縮機Cの摺動部の潤滑は、圧縮機C内部
に保持された潤滑オイルが、圧縮機Cの運転に伴って流
通する冷媒ガスでミスト化され、そのミスト化された潤
滑オイルが各摺動部に供給されることで行われる。
【0024】斜板式圧縮機において、摺動圧が最も大き
くかかる斜板10とシュー15a,15bとの摺接面の
潤滑も前記ミスト化された潤滑オイルにより行われる。
図2(a)に示すように、収容部17に収容された固体
潤滑剤18は斜板10の摺接面と接触不能な位置に保持
され、摺接面に作用しない。
【0025】そして、何らかの原因で、冷媒ガスによる
潤滑が長時間にわたって行われない等の異常が発生し、
斜板10とシュー15a,15bとの摺動部の温度が上
昇して、固体潤滑剤18の融点以上の特定の温度に達す
ると、固体潤滑剤18が溶融して収容部17から流出
し、摺動面に膜状に付着する。そして、図2(b)に示
すように、摺動面に付着した固体潤滑剤18により摺動
面の潤滑が行われて焼き付きが防止される。
【0026】異常が解消されて温度が低下し、通常の運
転状態に復帰すると、固体潤滑剤18は次第に磨耗す
る。固体潤滑剤18が摺動面から磨耗により除去される
までは、固体潤滑剤18とミスト化された潤滑オイルと
により摺動面の潤滑が行われ、固化した固体潤滑剤18
が潤滑に支障を来すことはない。
【0027】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 冷媒ガスを介して潤滑オイルを各摺動部に供給
する構成の圧縮機Cにおいて、潤滑剤を、収容部17が
特定の温度に達するまでは収容部17内に収容された状
態に保持され、収容部17が特定の温度に達すると収容
部17から流出して摺動面に付着可能に設けた。従っ
て、異常な状態により摺動面に潤滑オイルが供給されず
に温度が上昇した場合、温度上昇により摺動面が焼き付
きに至る前に収容部17から潤滑剤が流出し、潤滑剤に
よる摺動面の潤滑が行われて焼き付きが防止される。
【0028】(2) 潤滑剤は固体潤滑剤18であるた
め、固体潤滑剤18を溶融状態で収容部17に収容した
後、冷却するだけで特別な処理なしに特定の温度に達す
るまで収容部17内に保持することができる。
【0029】(3) 固体潤滑剤18として融点が19
5〜230℃程度の金属セッケンが使用されているた
め、入手し易く特定の温度で溶融する潤滑剤として好適
である。
【0030】(4) 圧縮機Cは斜板式圧縮機であり、
摺動面は斜板10とシュー15a,15bとの摺接面で
ある。従って、斜板式圧縮機において、摺動圧が最も大
きくかかる斜板10とシュー15a,15bとの摺接面
の異常時の焼き付きを防止できる。
【0031】(5) 収容部17はシュー15a,15
bに設けられている。収容部17を斜板10に設けた場
合は、通常の状態で斜板10とシュー15a,15bと
の間に供給された潤滑オイルが摺動面に油膜を形成する
のに悪影響を与える場合がある。しかし、収容部17が
シュー15a,15b側に設けられているため、そのよ
うな悪影響がない。また、シュー15a,15bを鍛造
等で製造する際、収容部17を同時に製造することがで
きるため、製造が容易になる。
【0032】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば次のように構成してもよい。 ○ 斜板10とシュー15a,15bとの摺接面に潤滑
剤を供給する収容部17をシュー15a,15b側に設
ける代わりに、斜板10側に設けてもよい。例えば、図
3(a)に示すように、斜板10のシュー15a,15
bと対向する面に収容部としての環状の溝19を形成
し、溝19内に固体潤滑剤18を斜板10とシュー15
a,15bとの摺動面より退避した状態となるように収
容してもよい。この場合も、斜板10が前記特定の温度
に達すると、固体潤滑剤18が溶融して斜板10とシュ
ー15a,15bとの摺接面に付着され、摺動面の焼き
付きが防止される。
【0033】○ 図3(b)に示すように、シュー15
a,15bのシュー15a,15bとピストン8との摺
接面と対向する側に収容部20を設け、収容部20に固
体潤滑剤18を収容してもよい。固体潤滑剤18はシュ
ー15a,15bとピストン8との摺接面より退避した
状態となるように収容される。この場合、異常時にシュ
ー15a,15bとピストン8との摺接面の焼き付きが
防止される。
【0034】〇 シュー15a,15bを、ピストン8
との摺接面及び斜板10との摺接面に固体潤滑剤18を
供給可能に構成してもよい。例えば、図4(a)に示す
ように、シュー15a,15bに収容部としての孔21
を設け、孔21内に固体潤滑剤18を収容する。この場
合、シュー15a,15bが特定の温度に達すると固体
潤滑剤18が溶融して、ピストン8との摺接面及び斜板
10との摺接面に供給される。
【0035】〇 図4(b)に示すように、シュー15
a,15bに収容部17及び収容部20の両方を設けて
もよい。 〇 シュー15a,15b等の摺動部品に限らず、ラジ
アルベアリングやスラストベアリングを構成するボール
やコロとの摺動面に潤滑剤を供給可能に構成してもよ
い。例えば、図5に示すように、駆動軸9のラジアルベ
アリング22やスラストベアリング23と対応する位置
に、収容部24を形成し、収容部24に固体潤滑剤18
を収容する。この場合、異常時に収容部24が特定の温
度に達すると、固体潤滑剤18が溶融し、収容部24内
の溶融した固体潤滑剤18が駆動軸9の回転による遠心
力によりラジアルベアリング22やスラストベアリング
23のボールやコロあるいはレースの表面に付着され
る。その結果、異常時にラジアルベアリング22やスラ
ストベアリング23の潤滑が円滑に行われる。
【0036】〇 潤滑剤は前記特定の温度以上で溶解す
る固体潤滑剤18に限らず、前記特定の温度未満で液
状、即ち、圧縮機Cの通常運転時の温度で液状、あるい
は通常運転時の温度で固体で前記特定の温度未満で液状
となる潤滑剤であってもよい。そして、潤滑剤が収容部
に収容された状態で収容部の開口が栓で閉塞される。栓
は前記特定の温度に達するまでは固体状態で収容部の開
口を閉鎖し、特定の温度に達すると溶融して潤滑剤の流
出を許容する材質で形成される。この場合、潤滑剤とし
て溶融温度が低いものも使用でき、潤滑剤の選択の自由
度が向上する。
【0037】〇 前記実施の形態において収容部の開口
を閉鎖する栓を前記特定の温度で溶解する固体潤滑剤で
形成してもよい。この場合、溶解した栓が潤滑剤ととも
に摺動面に供給されても支障がないため、溶解した栓が
潤滑剤とともに摺動面に供給されるのを回避する手段を
設ける必要がない。
【0038】〇 収容部は摺動部と対向する箇所に限ら
ず、ハウジングの摺動部から離れた箇所に設け、ハウジ
ングが前記特定の温度以上になったとき、収容部から流
出した潤滑剤が摺動面(例えば、斜板10とシュー15
a,15bとの摺動面)に供給可能に設けてもよい。
【0039】○ 可変容量型の斜板式圧縮機に限らず、
両頭式や固定容量型の斜板式圧縮機に適用してもよい。
斜板が駆動軸と一体回転せずに、駆動軸の回転に伴って
揺動するタイプの斜板式圧縮機(ワッブル型圧縮機)に
適用してもよい。また、斜板式圧縮機に限らず、スクロ
ール式圧縮機やベーン式圧縮機等他の形式の圧縮機に適
用してもよい。スクロール式圧縮機の場合、可動スクロ
ールを軸受を介して支承する偏心軸と軸受との摺動面
や、可動スクロールと固定スクロールとの間の摺動面に
潤滑剤が供給される構成とする。
【0040】前記実施の形態から把握される発明(技術
的思想)について、以下に記載する。 (1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発
明において、前記潤滑剤は融点が195〜230℃程度
の金属セッケンである。
【0041】(2) 請求項1に記載の発明において、
前記潤滑剤は前記特定の温度未満で液状であり、前記収
容部には前記特定の温度未満で潤滑剤が収容部から流出
するのを防止するとともに、前記特定の温度に達すると
溶融して潤滑剤の流出を許容する栓が設けられている。
【0042】(3) (2)において、前記栓として融
点が195〜230℃程度の金属セッケンが使用されて
いる。 (4) 斜板式圧縮機の斜板とピストンロッドとの間に
介装されるシューであって、少なくとも斜板と対向する
側に開口部を有する収容部が設けられるとともに、前記
収容部にシューが特定の温度に達したときに少なくとも
前記斜板と対向する面に流出可能に潤滑剤を収容した斜
板式圧縮機用シュー。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
4に記載の発明によれば、異常時に摺動部が焼き付くの
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は一実施の形態の圧縮機の断面図、
(b)は(a)のシュー付近の拡大図。
【図2】 作用を説明する模式断面図。
【図3】 別の実施の形態の斜板とシューを示す模式断
面図。
【図4】 別の実施の形態の斜板とシューを示す模式断
面図。
【図5】 別の実施の形態を示す部分断面図。
【図6】 従来技術を示す部分断面図。
【符号の説明】
C…圧縮機、10…斜板、15a,15b…シュー、1
7,20,24…収容部、18…潤滑剤としての固体潤
滑剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉岡 隆弘 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 粥川 浩明 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB17 BB26 CC12 CC33 CC61

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒ガスを介して潤滑オイルを各摺動部
    に供給する構成の圧縮機であって、潤滑剤を、収容部が
    特定の温度に達するまでは収容部内に収容された状態に
    保持され、収容部が特定の温度に達すると収容部から流
    出して摺動面に付着可能に設けた圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤は固体潤滑剤である請求項1
    に記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記圧縮機は斜板式圧縮機であり、前記
    摺動面は斜板とシューとの摺接面である請求項1又は請
    求項2に記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記収容部はシューに設けられている請
    求項3に記載の圧縮機。
JP2001253908A 2001-08-24 2001-08-24 圧縮機 Withdrawn JP2003065223A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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