JP3254780B2 - クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

クラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機

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JP3254780B2 JP00538693A JP538693A JP3254780B2 JP 3254780 B2 JP3254780 B2 JP 3254780B2 JP 00538693 A JP00538693 A JP 00538693A JP 538693 A JP538693 A JP 538693A JP 3254780 B2 JP3254780 B2 JP 3254780B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば自動車の空調装
置に使用されるクラッチレス揺動斜板式可変容量圧縮機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用可変容量圧縮機には、
エンジンの動力を断接する電磁クラッチが装着され、車
室内の温度が高くて空調装置(以下エアコンという)の
スイッチのオンにより前記電磁クラッチが作動される
と、エンジンの回転運動がベルト伝達機構及び電磁クラ
ッチを介して圧縮機に伝達される。このためエアコンス
イッチのオン・オフの度に圧縮機が大容量で起動・停止
され、電磁クラッチの断接の頻繁な繰り返しによりその
耐久性が低下するとともに、圧縮機の起動ショックも発
生し、圧縮機が大型、大重量化し、エンジンルーム内で
の装設スペースの関係で装着が困難である。
【0003】上記問題を解消するため、クラッチレス揺
動斜板式可変容量圧縮機が提案されている。この圧縮機
として、従来実開昭61−37479号公報に示された
ものがある。この圧縮機は斜板が収容されたクランク室
圧力と吸入行程のシリンダボア内作動室の圧力との差圧
を制御することにより、斜板の傾角を連続的に変化させ
てピストンの最大ストロークを可変としている。又、こ
の圧縮機はエアコンスイッチのオン信号に応答して、前
記斜板を零度位置から押動して零度よりも大きい傾斜位
置に移動する油圧式のアクチュエータを備えている。そ
して、零容量運転から圧縮運転に変更したい場合には、
給油ポンプによりクランク室下部に形成した油貯留室か
ら潤滑油を汲み上げて、ポンプ吐出側に接続したアクチ
ュエータを駆動して斜板を零度位置から傾斜位置に復帰
するように構成されている。さらに、この圧縮機は圧縮
運転から零容量運転に切り換える場合には、吐出室の高
圧の冷媒ガスを給気通路を通してクランク室に導き、ピ
ストンの前後に作用する差圧を急激に増大して斜板を零
度位置に移行するようになっている。又、この圧縮機は
シリンダボア内圧縮室からピストンの外周面の隙間を通
してクランク室にブローバイされるガスを吸入室へ還流
するための抽気通路が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の圧縮機は、クラ
ンク室の底部に油貯留室が形成され、前記抽気通路が油
貯留室から所定距離上方に離れたクランク室内側壁に開
口されているので、圧縮運転から零容量運転に切り換え
られる際、吐出室から多量の冷媒ガスがクランク室に供
給される。このガスが抽気通路を通して吸入室へ還流さ
れる際、潤滑油が冷媒ガスとともに吸入室へ流れるの
で、油貯留室に潤滑油が貯留され難い。このため、斜板
を零度位置から傾斜位置に復帰する際、給油ポンプによ
り潤滑油がアクチュエータに供給されなくなって、容量
復帰ができない場合が生じるという問題があった。
【0005】この発明の第1の目的は上記従来の技術に
存する問題点を解消して、クランク室の下部に設けた油
貯留室に潤滑油を常に貯留して油圧駆動手段による容量
復帰動作を確実に行うことができるクラッチレス揺動斜
板式可変容量圧縮機を提供することにある。
【0006】又、この発明の第2の目的は、上記第1の
目的に加えて、クランク室から抽気通路を通して吸入室
へ還流される冷媒ガスによる潤滑油の流出をさらに抑制
して潤滑油の回収をより確実に行い、容量復帰動作の信
頼性を向上することができるクラッチレス揺動斜板式可
変容量圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は上
記第1の目的を達成するため、揺動斜板式可変容量圧縮
機において、外部信号発生器からのオフ信号により前記
斜板の傾角を傾斜状態から零度に移行するための傾角変
更手段と、外部信号発生器からのオン信号により前記斜
板の傾角を零度から傾斜位置に復帰するための油圧駆動
手段とを備え、前記クランク室の下部に潤滑油を貯留し
て前記油圧駆動手段に潤滑油を供給する油貯留室を、前
記クランク室との間の隔壁を介して設け、該油貯留室と
前記クランク室とを連通するとともに、該貯留室の上部
空間と、吸入室を絞りを有する抽気通路により連通する
という手段をとっている。
【0008】又、請求項2記載の発明は、上記第2の目
的を達成するため、請求項1において、前記抽気通路に
はクランク室圧力と吸入圧力との差圧が大きい場合に該
抽気通路の開度を減少し、前記差圧が小さい場合に通路
の開度を増大する可変絞り弁を介在するという手段をと
っている。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、圧縮機の停止状態に
おいては傾角変更手段により斜板が零度位置に保持され
ている。この停止状態で圧縮機が起動されると、回転軸
により斜板が回転されるが、斜板の傾角が零度であるた
め、クラッチレス状態の零容量運転が行われる。
【0010】そして、外部信号発生器からのオン信号に
より油貯留室に貯留されている潤滑油が油圧駆動手段に
より吸い上げられ、この油圧駆動手段により斜板が零度
位置から傾斜位置に復帰され、圧縮機は圧縮動作に移行
する。
【0011】圧縮機の通常の圧縮運転中はシリンダボア
内圧縮室からピストン外周面の隙間を通してクランク室
へ冷媒ガスがブローバイされる。このガスはクランク室
から通路を通して油貯留室へ流れ、ここで油分離された
後、油貯留室の上部空間に開講された抽気通路を通し
て、吸入室へ還流される。このため油貯留室の潤滑油が
不足することはなく、前述した油圧駆動手段による斜板
の零度位置から傾斜位置への容量復帰動作が確実に行わ
れる。
【0012】又、外部信号発生器からのオフ信号により
油圧駆動手段が停止されるとともに、斜板傾角零度強制
復帰手段が動作されて、斜板が傾斜位置から零度位置に
移行され、圧縮機は再びクラッチレス状態の零容量運転
に移行される。
【0013】請求項2記載の発明では、抽気通路に可変
絞り弁を設けたので、クランク室の圧力が高い場合に、
抽気通路を通して吸入室へ還流される冷媒ガスの流量を
抑制するので、油貯留室の上部空間を流れる冷媒ガスの
流速も安定する。このため油貯留室での油分離が確実に
行われ、油圧駆動手段による容量復帰動作の信頼性を向
上することができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に基づいて説明する。図2に示すように、複数のシリン
ダボア1aを形成したシリンダブロック1のフロント側
端面にはクランク室2aを形成するフロントハウジング
2が接合固定されている。このフロントハウジング2の
底部外周には油貯留ハウジング2bが一体状に形成さ
れ、該ハウジング2b内の油貯留室Rは、フロントハウ
ジング2の隔壁としての底壁2cに形成した通路2dに
よりクランク室2aと連通されている。前記シリンダブ
ロック1の後端には吸入室3a及び吐出室3bを区画形
成するリヤハウジング3が接合固定されている。前記シ
リンダブロック1及びフロントハウジング2にはクラン
ク室2a内に位置するように回転軸4がラジアルベアリ
ング5,6を介して回転可能に支持されている。前記回
転軸4の外端部にはプーリ7が固定され、エンジンの回
転運動がベルト8により直接伝達される。
【0015】前記回転軸4には回転支持体9が嵌合固定
され、該支持体9とフロントハウジング2の内壁間には
圧縮動作時のスラスト荷重を支持するスラストベアリン
グ10が介在されている。この回転支持体9には挿通孔
11aを有する支持アーム11が一体に形成されてい
る。一方、回転軸4には球面12aを有するスリーブ1
2が該回転軸4の外周面に沿って前後方向への往復動可
能に支持され、このスリーブ12には斜板13が球面1
2aに沿って前後方向へ傾動可能に支持されている。前
記支持アーム11の挿通孔11aには支持ピン14が回
動可能に、かつ図3に示すように回転軸4と直交する方
向へ貫通支持され、該支持ピン14の左右両端部に形成
した案内孔14a,14aには左右一対の案内ピン1
5,16の上端部が案内摺動可能に、かつ互いに平行に
貫通支持されている。さらに、両案内ピン15,16の
下端部は前記斜板13の背面に一体形成した軸受部13
a,13aの取付孔13b,13bに圧入固定されてい
る。この実施例では前記支持アーム11、スリーブ1
2、案内ピン15,16及び軸受部13a等により斜板
13の前後方向への往復傾動を許容するヒンジ機構K1
を構成している。
【0016】図3に示すように案内ピン15,16には
中空部15a,16aが形成され、斜板13の重心Wの
位置が回転軸4の中心Oよりも下方に位置するように設
定されている。そして、圧縮機がエンジンにより起動さ
れた場合に斜板13が遠心力により零度位置で回転を継
続可能にしている。
【0017】前記斜板13は図2に示すようにシリンダ
ボア1a内に収容した複数個の片側ピストン17の基端
部に形成した凹所内に進入した状態で前後一対のシュー
18,18を介して係留されている。前記回転軸4の外
周には前記斜板13の傾角を零度、つまりスリーブ12
を位置規制してピストン17のストロークを零にするた
めのストッパ19が取り付けられている。なお、斜板1
3の最大傾角はその軸受部13aが回転支持体9に当接
することにより規制される。
【0018】前記シリンダブロック1のリヤ側端面とリ
ヤハウジング3のフロント側端面との間には、図4に示
すように吸入孔20a、吐出孔20bを形成したバルブ
プレート20が介在されている。又、前記バルブプレー
ト20の前面には吸入弁21aを形成した吸入弁板21
が、後面には吐出弁22aを形成した吐出弁板22が接
合されている。前記吐出弁板22の後面には吐出弁22
aの開放位置を規制するリテーナ23aを有するリテー
ナプレート23が接合されている。
【0019】次に、前記斜板13を傾角零度位置から傾
斜位置に復帰するための油圧駆動手段K2について説明
する。図1,2に示すように、シリンダブロック1の中
心孔1b内には回転軸4の外周面に摺動案内されて前後
方向へ往復動される円筒状のスプール24が収容されて
いる。前記リヤ側ラジアルベアリング6とスプール24
との間にはリップシール25が設けられ、該シール25
はストップリング25Aにより位置規制されている。前
記スプール24の先端に形成した大径筒部24aの外周
面は、前記中心孔1bの内周面に摺接され、小径筒部2
4bの外周面と中心孔1bとの間には圧力室26が形成
されている。そして、スプール24の大径筒部24aの
先端部を前記スリーブ12のリヤ側端面に当接した状態
で、圧力室26に制御油圧を供給すると、スプール24
が回転軸4に案内されてスリーブ12が前方へ押動され
て、斜板13が零度から傾斜位置に復帰される。
【0020】前記リヤハウジング3の中心部には図2,
4に示すように回転軸4により駆動される例えばトロコ
イド型の給油ポンプ27が収容されている。この給油ポ
ンプ27の吸入口は、図1,2,5に示すように油吸入
通路28により前記油貯留室Rの底部と連通されてい
る。又、給油ポンプ27の吐出口は油吐出通路29によ
り回転軸4の中心に形成した油通路30のリヤ側開口に
接続されている。そして、油通路30には複数箇所に分
岐油路30aが形成され、ベアリング5,6、クランク
室2a、スリーブ12等に潤滑油Oを供給可能である。
【0021】さらに、前記油吐出通路29の途中には図
1,2に示すように第1電磁開閉弁31が設けられ、該
開閉弁31と前記給油ポンプ27との間の油吐出通路2
9は、シリンダブロック1及びリヤハウジング3に形成
した斜板傾角復帰用分岐供給通路32を介して前記圧力
室26に接続されている。又、該第1電磁開閉弁31に
より前記油吐出通路29が閉鎖されると、油通路30へ
の油の供給が遮断され、かつ前記給油ポンプ27から分
岐供給通路32を通して圧力室26に斜板傾角復帰用の
制御油圧が供給されるようにしている。前記第1電磁開
閉弁31の電磁ソレノイド33には制御装置34が接続
され、該装置には外部信号発生器としてのエアコンスイ
ッチ35が接続されている。
【0022】前記回転軸4には前記圧力室26と油通路
30を連通する油排出路30bが形成され、スプール2
4がストッパ19に当接する前進端に移動された場合
に、該油排出路30bが開放されて給油ポンプ27から
分岐供給通路32により圧力室26に供給された制御油
圧を、前記油排出路30bから油通路30へ導くように
している。
【0023】次に、図2,7に基づいて斜板13が傾斜
位置にあって圧縮機の圧縮動作が行われている途中で、
前記制御装置34からの動作信号により斜板13の傾角
を零度に移行するための傾角変更手段K3について説明
する。
【0024】図1,2に示すようにリヤハウジング3及
びシリンダブロック1には吐出室3bとクランク室2a
を連通する給気通路40が形成され、クランク室2aと
吸入室3aを連通する第1抽気通路41が形成されてい
る。そして、前記給気通路40の途中には第2電磁開閉
弁42が設けられている。この第2電磁開閉弁42の電
磁ソレノイドは前記第1電磁開閉弁31の電磁ソノイド
33を共用している。そして、圧縮運転中に第2電磁開
閉弁42が給気通路40を開放すると、吐出室3bから
給気通路40を通して高圧の冷媒ガスがクランク室2a
に供給され、ピストン17に作用するクランク室圧力P
cと吸入圧力Psとの差圧が増大して、斜板13の傾角
が零度に変位される。
【0025】圧縮機の圧縮運転中は冷房負荷に応じて容
量可変制御が自動的に行われる。すなわち、前記クラン
ク室2aと吸入室3aとを連通する前記第1抽気通路4
1の途中に圧力制御弁43が設けられ、冷房負荷に比例
する吸入圧力Psに応じて圧力制御弁43が第1抽気通
路41の開度を調整することによりピストン17に作用
する前記差圧Δpを調整するようになっている。
【0026】図2,5に示すように前記油貯留室Rの上
部空間と吸入室3aは、第2抽気通路50によって連通
され、ピストン17の圧縮行程時にシリンダボア1a内
周面とピストン外周面の隙間を通してクランク室2aに
ブローバイされる冷媒ガスをこの第2抽気通路50によ
り吸入室3aに還流するようになっている。又、この第
2抽気通路50の途中にはクランク室2aの圧力Pcと
吸入圧力Psとの差圧により該第2抽気通路50の開度
を調整する可変絞り弁51が配設されている。この絞り
弁51は図6に示すように、第2抽気通路50の弁収容
室50aに収容した球状弁体52と、該弁体52の前後
に介装した第1付勢ばね53、第2付勢ばね54とによ
り構成されている。そして、クランク室圧力Pcが増大
して差圧が大きくなると、弁体52が図6において右方
に移動されて第2抽気通路50の開度を減少して、クラ
ンク室2aから吸入室3aへの冷媒ガスの還流量を抑制
するようにしている。
【0027】次に、前記のように構成した可変容量圧縮
機の作用を説明する。圧縮機が停止した状態では図2に
示すようにクランク室内の圧力Pc、吸入室3a内の圧
力Ps及び吐出室3b内の圧力Pdが共に同圧力のた
め、スプール24が後退してスリーブ12が後方に移動
され、斜板13が零度位置に停止保持されている。又、
油圧駆動手段K2が停止され、第2電磁開閉弁42が給
気通路40を開放する位置に保持されている。
【0028】この状態でエンジン(図示略)が起動され
ると、ベルト8及びプーリ7を介してエンジンの回転が
回転軸4に直接伝達され、回転支持体9の支持アーム1
1が回転軸4の回りで公転される。このためヒンジ機構
K1により斜板13が零度位置で回転され、クラッチレ
ス状態の零容量運転が開始される。
【0029】次に、車室内の温度が上昇して冷房負荷が
増大し、エアコンスイッチ35がオンされると、制御装
置34から出力された動作信号により電磁ソレノイド3
3が励磁される。このため第1電磁開閉弁31が油吐出
通路29を閉鎖するので、給油ポンプ27による油通路
30への潤滑油の供給が停止されるとともに、分岐供給
通路32から圧力室26に圧油が供給される。従って、
図7に示すようにスプール24が前進して斜板13が零
度位置から傾斜位置に変位され、圧縮動作が開始され
る。そして、ピストン17がシリンダボア1a内で往復
動され、吸入室3aからシリンダボア1a内に吸入した
冷媒ガスは圧縮された後、吐出室3bへ吐出される。
【0030】又、前記電磁ソレノイド33の励磁により
第2電磁開閉弁42が給気通路40を閉鎖するので、吐
出室3bからクランク室2aへの冷媒ガスの供給が停止
される。
【0031】前記圧力室26への制御油圧の供給により
スプール24は前記ストッパ19により停止されるが、
その後は制御油圧は回転軸4に設けた油排出路30bが
スプール24の前進により開放されるので、該油排出路
30bからクランク室2aに還流される。
【0032】ところで、圧縮動作中において車室内の温
度が低く冷房負荷が小さい場合には、吸入圧力Psが低
いので、図2に示す圧力制御弁43により第1抽気通路
41の開度が減少され、このためピストン17に作用す
る差圧Δpが大きく保たれ、斜板13は小容量運転を行
う小傾角に保持される。反対に、冷房負荷が大きい場合
には吸入圧力Psが大きいので、圧力制御弁43により
第1抽気通路41の開度が増大され、このため前記差圧
Δpが小さくなり、斜板13はスプール24から離隔し
て最大傾角へ移行する。このように圧縮運転中は圧力制
御弁43により第1抽気通路41の開度が冷房負荷に比
例する吸入圧力Psの変動に応じて調整され、ピストン
17に作用する差圧Δpが調整され、冷房負荷に応じて
斜板13の傾角が変更されて吐出容量が調整される。
【0033】圧縮機が圧縮動作中においては、前記シリ
ンダボア1a内圧縮室からピストン17の外周面をブロ
ーバイしてクランク室2aに冷媒ガスが供給される。こ
のガスはフロントハウジング2の底壁2cに形成した通
路2dから油貯留室Rに流入され、該油貯留室Rの上部
空間に開口された第2抽気通路50から吸入室3aに還
流される。このため油貯留室Rを移動する冷媒ガス中の
ミスト状の潤滑油が分離されて貯留室Rに貯えられ、容
量復帰油圧駆動手段K2の給油ポンプ27による圧力室
26への潤滑油Oの供給が確実に行われ、容量復帰動作
が確実に行われる。なお、前記第1抽気通路41によっ
てもクランク室2aから吸入室3aへ冷媒ガスが流れる
が、この流量は圧力制御弁43により制限されるので、
それほど多くはなく、従ってこの第1抽気通路41の基
端開口を油貯留室Rの上部空間に配置しなくてもよい。
しかし、配置すれば、それだけ油貯留室Rへの油の貯留
量が増えるのでよい。
【0034】そして、冷房負荷の低減によりエアコンス
イッチ35がオフされると、図7において電磁ソレノイ
ド33が消磁され、第1電磁開閉弁31が吐出通路29
を開放するので、圧力室26への圧油の供給が停止さ
れ、スプール24はフリー状態となる。又、第2電磁開
閉弁42により給気通路40が開放されるので、吐出室
3bからクランク室2a内に高圧の冷媒ガスが供給さ
れ、斜板13はピストン17に作用する差圧Δpの増大
により零度位置に強制復帰され、圧縮機は零容量運転に
切り換えられる。
【0035】この零容量運転への切換動作時には、クラ
ンク室2a内へ多量の冷媒ガスが供給されて、クランク
室圧力Pcが増大するので、図6に示す第2抽気通路5
0の可変絞り弁51の弁体52が図6の右方、つまり抽
気通路50の開度を減少する。このため油貯留室R内で
の冷媒ガスの流速が変化することはなく、油分離が確実
に行われ、再度容量復帰する際の油不足を解消すること
ができる。
【0036】さらに、エンジンが停止されると、圧縮機
も停止される。この停止状態では圧縮機内の各室が同圧
力となるので、図1に示すように斜板13は零度位置に
保持される。そして、油貯留室R内には充分な潤滑油O
が貯留されているので、零容量で圧縮機の運転が再開さ
れた後、容量復帰油圧駆動手段K2による容量復帰が確
実に行われる。
【0037】又、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、次のように具体化することもできる。 (1)傾角変更手段K3を図示しないが電磁ソレノドに
より構成すること。
【0038】(2)前記実施例では回転軸4により給油
ポンプ27を駆動するようにしたが、給油ポンプ27を
回転軸4から分離し、エアコンスイッチ35がオンされ
た場合のみ、給油ポンプ27を例えば電動モータ(図示
略)あるいは電磁ソレノイドで駆動して潤滑油又は冷媒
ガスを圧力室26へ供給するようにすること。この場合
には、クランク室2a内の各摺動部の潤滑は別機構で行
う。
【0039】(3)前記油排出路油30bを省略し、ス
プール24が前進端まで移動して圧力室26の圧力が設
定値を超えた場合に、第1電磁開閉弁31が油吐出通路
29を開放して、油通路30へ潤滑油を供給するように
構成すること。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明はクランク室の下部に潤滑油を貯留して油圧駆動手段
に油を供給する油貯留室を設け、該貯留室の上部空間
と、吸入室を絞りを有する抽気通路により連通したの
で、クランク室内の下部に潤滑油を常に貯留して油圧駆
動手段による容量復帰動作を確実に行うことができる効
果がある。
【0041】又、請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明の効果に加えて、クランク室から抽気通路を通し
て吸入室へ還流される冷媒ガスによる潤滑油の流出を抑
制して潤滑油の回収をより確実に行い、容量復帰動作の
信頼性をさらに向上することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を斜板式可変容量圧縮機に具体化した
一実施例を示す要部の縦断面図である。
【図2】斜板式可変容量圧縮機全体を示す零容量状態の
縦断面図である。
【図3】ヒンジ機構付近の横断面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】この発明の要部を示す断面図である。
【図6】可変絞り弁を示す縦断面図である。
【図7】斜板傾斜状態の圧縮機の部分断面図である。
【符号の説明】
1…センタハウジング、1a…シリンダボア、2…フロ
ントハウジング、2a…クランク室、2b…油貯留ハウ
ジング、2c…隔壁としての底壁、2d…通路、3…リ
ヤハウジング、3a…吸入室、3b…吐出室、4…回転
軸、9…回転支持体、11…支持アーム、12…スリー
ブ、12a…球面、13…斜板、17…ピストン、24
…スプール、26…圧力室、27…給油ポンプ、31…
第1電磁開閉弁、32…傾角復帰用分岐供給通路、33
…電磁ソレノイド、40…給気通路、42…第2電磁開
閉弁、50…第2抽気通路、51…可変絞り弁、R…油
貯留室、K1…ヒンジ機構、K2…油圧駆動手段、K3
…傾角変更手段。
フロントページの続き (72)発明者 横野 智彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/14 F04B 27/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に片側ピストンを収容する
    ための複数のシリンダボアを互いに平行に形成したシリ
    ンダブロックを設け、前記ハウジングの一方にクランク
    室を設けて回転軸を支持し、該回転軸には回転支持体を
    固定し、該回転支持体にはヒンジ機構を介して斜板を前
    後方向への往復傾動可能に装着し、前記回転軸の回転に
    より前記斜板を前後に揺動させて前記片側ピストンをシ
    リンダボア内で往復動させ、吸入室から吸入した冷媒ガ
    スをシリンダボア内で圧縮して吐出室へ吐出するように
    なし、さらに前記ピストンの背面に作用するクランク室
    圧力と前面に作用する吸入圧力との差圧により斜板の傾
    角を変更してピストンの往復動ストロークを変更するこ
    とにより、吐出容量を調整するように構成した揺動斜板
    式可変容量圧縮機において、 外部信号発生器からのオフ信号により前記斜板の傾角を
    傾斜状態から零度に移行するための傾角変更手段と、 外部信号発生器からのオン信号により前記斜板の傾角を
    零度から傾斜位置に復帰するための油圧駆動手段とを備
    え、 前記クランク室の下部に潤滑油を貯留して前記油圧駆動
    手段に潤滑油を供給する油貯留室を、前記クランク室と
    の間の隔壁を介して設け、該油貯留室と前記クランク室
    とを連通するとともに、該貯留室の上部空間と、吸入室
    を絞りを有する抽気通路により連通したクラッチレス揺
    動斜板式可変容量圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記抽気通路にはク
    ランク室圧力と吸入圧力との差圧が大きい場合に該抽気
    通路の開度を減少し、前記差圧が小さい場合に通路の開
    度を増大する可変絞り弁が介在されているクラッチレス
    揺動斜板式可変容量圧縮機。
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