JP2003065209A - 風力発電機用変速機 - Google Patents

風力発電機用変速機

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JP2003065209A
JP2003065209A JP2001256564A JP2001256564A JP2003065209A JP 2003065209 A JP2003065209 A JP 2003065209A JP 2001256564 A JP2001256564 A JP 2001256564A JP 2001256564 A JP2001256564 A JP 2001256564A JP 2003065209 A JP2003065209 A JP 2003065209A
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JP
Japan
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traction drive
transmission
generator
wind
rotor
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JP2001256564A
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Tomoaki Makino
智昭 牧野
Hiroshi Bunko
博志 分校
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

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  • Friction Gearing (AREA)
  • Wind Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 風力発電機用トラクションドライブ式変速機
の高負荷時の伝達容量を満たし、かつ、低負荷時での伝
達効率と転動疲労寿命の向上を図り、可変変速比型トラ
クションドライブにあってはさらに低負荷時でのスピン
による動力損失を防止すること。 【解決手段】 風を受けて回転するロータと発電機との
間に、少なくとも一つのトラクションドライブ2,3を
配設する。トラクション部材間の動力伝達面に前記ロー
タ側から発電機側に伝達される伝達トルクに応じて加圧
力を変化させて付与する可変加圧機構(トルクカム7,
8など)を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、風力発電機に好
適なトラクションドライブ式変速機に係り、特に動力伝
達面の法線力を伝達トルクに応じて変化させるようにし
た変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】(風力発電機の概略)風力発電機は様々
な形態があるが、代表的なプロペラ形風車の風力発電機
を図9に示す。プロペラ形風車では、風の動力を1枚以
上のブレードからなる風車51を介して回転力に変換
し、この回転力を発電機52に伝えることにより発電す
る。風車51の回転数は、風車51が受ける風の強さに
よって毎分10〜100回転程度と変化するが、発電機
52が効率的に発電できる回転数は、発電機52によっ
て決まっている。そのため従来は、風車51と発電機5
2の間に増速機53を設けることにより発電機52に入
力する回転を増速し、効率よく発電する構造が採られて
いる。
【0003】従来、風力発電機に用いる増速機の機構と
しては、歯車等を用いる構成が一般的であり、増速比は
通常5以上と高く、風速12〜13m/s(定格風速)
において最も効率のよい発電が行えるように設計されて
いる。しかし、歯車等を使用した増速機は変速比が変え
られず、定格風速以外では発電機を効率よく運転させる
ことが出来ないという問題点がある。
【0004】図10に平均風速に対する風速の確率分布
を示す。この図10から、年間平均風速5〜6m/s程
度(比較的風の強い郊外)の時は、風速4〜5m/sの
風が吹く割合が最も大きいため、大半の時間は発電機に
入力される回転数が低くなり、効率の良い発電が行われ
ない可能性があることが分かる。
【0005】(歯車式増速機のその他の問題)歯車式増
速機は変速比が変えられないという問題の他に、振動や
騒音が大きいという問題がある。この問題を解決するに
は、歯面の研削を行うなどして歯車の精度を向上させ
ること、歯車の取付け精度を向上させること、歯車
が取り付くナセル54に防音材および制振材を貼り付け
ることなどが必要である。しかし、これらの解決策はい
ずれもコスト増につながる。
【0006】また、平歯車の代わりにはすば歯車などを
用いた場合、平歯車に対して騒音・振動レベルを低下さ
せることができるが、製作コストが増加し、平歯車
に比べ伝達効率が低下するという問題がある。
【0007】さらに、歯車増速機構では、歯の噛み合い
に起因する高調波成分が発電機の出力電力に生じるた
め、電力品質が低下するという問題がある。この問題を
解決するには、フィルタリング機能を有する高価なコン
バ一夕やインバータを用いることが必要である。しか
し、この解決策はコストの増加につながる。
【0008】(トラクションドライブ式増速機)そこ
で、風力発電機用増速機に歯車式増速機に代えてトラク
ションドライブの一種である遊星ローラ型変速機を採用
する提案がなされている(特開平7−54763号「摩
擦伝動増速機付風力発電装置」など参照)。このトラク
ションドライブは摩擦伝動装置の一種であり、滑らかな
表面を持つ2面間に形成される油膜を介して動力が伝達
される。このようなトラクションドライブは、遊星ロー
ラ型変速機のように変速比一定の固定変速比型と、コー
ン型変速機のように連続的な変速比が可能な無段変速比
型に分類されるが、いずれも、歯車式動力伝達装置に
比べ騒音及び振動レベルが低く高速回転での運転が可能
でナセル54や支柱55等における防音・防振対策も簡
素にでき、歯の噛み合いに起因する高調波成分が発電
機の出力電力に発生せず、安価なコンバータやインバー
タを用いることができるため、コストを低減させること
ができ、さらに無段変速比型では、回転体の接触部か
ら回転中心までの距離を連続的に変えることで、風車回
転数にかかわらず発電効率の良い増速比が得られる無断
変速機の構築が可能であるという長所を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、トラクション
ドライブでは、動力伝達のために動力伝達部材間に法線
力を作用させる必要がある。例えば、固定変速比型のト
ラクションドライブである遊星ローラ型変速機において
は、図11に示すように、動力伝達部材であるアウタリ
ング56、遊星ローラ57及びサンローラ58間に法線
力を作用させるために弾性リング59が必要となる。こ
の弾性リング59はU字型断面を有し、押えプレート6
0を軸方向に締め付けて弾性リング59の内径を減少さ
せることでリング56、遊星ローラ57及びサンローラ
58間に一定の法線力を作用させる。これら動力伝達部
材間に法線力を作用せさる方式としては、前記弾性リン
グ方式の他にばね方式や焼きばめ方式があるが、いずれ
も動力伝達面に常に一定の大きさの法線力が働くため、
低負荷時には法線力が過剰となり、接触部の転がり摩
擦による動力損失が増加することにより伝達効率が低下
することや、負荷に応じて法線力を可変にする方式に
比べ、低負荷時における転動疲労寿命が低下するという
短所がある。
【0010】さらに、コーン型変速機のような可変変速
比型のトラクションドライブでは、一般にその接触部の
いずれかにおいてスピンが生じるという問題がある。こ
のスピンは、動力伝達に関与しない接触点の法線周りの
相対回転成分が発生する現象であり、このスピンにより
トラクションの低下および接触部における動力損失の増
加が引き起こされる。スピンの影響は接触領域(接触楕
円)の面積と大きく相関し、この面積が大きくなるほど
スピンの影響が大きくなる。そのため、伝達する動力に
必要なだけの法線力を与えることで、スピンによる性能
低下を最小限に抑えることができる。しかし、ばね方式
のような一定加圧方式では、低負荷時に過剰な法線力が
加わるために接触面積が大きくなり、スピンによる動力
損失が増大し伝達効率が低下する。また、必要以上の法
線力の負荷は転動疲労寿命を低下させる。
【0011】本発明の目的は、風力発電機用トラクショ
ンドライブ式変速機の低負荷時での伝達効率と転動疲労
寿命の向上を図り、可変変速比型トラクションドライブ
にあってはさらに低負荷時でのスピンによる動力損失を
防止することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の風力発電機用変速機(請求項1)は、風を受け
て回転するロータと、前記ロ一夕の回転力により発電す
る発電機とを備えた風力発電機の前記ロ一夕と発電機と
の間に介設される風力発電機用変速機において、少なく
とも一つのトラクションドライブを有し、そのトラクシ
ョン部材間の動力伝達面に前記ロータ側から発電機側に
伝達される伝達トルクに応じて加圧力を変化させて付与
する可変加圧機構を設けたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の風力発電機用変速機(請求
項2)は、トラクションドライブが遊星ローラ型トラク
ションドライブであって、この遊星ローラ型トラクショ
ンドライブのトラクション部材であるサンローラ、遊星
ローラ及びアウタリングの少なくとも一つの動力伝達面
に前記ロータ側から発電機側に伝達される伝達トルクに
応じて加圧力を変化させて付与する可変加圧機構を設け
たことを特徴とする。また、本発明の風力発電機用変速
機(請求項3)は、トラクションドライブがコーン型ト
ラクションドライブであって、このコーン型トラクショ
ンドライブのトラクション部材であるサンローラ、コー
ン、アウタリングの少なくとも一つの動力伝達面に前記
ロータ側から発電機側に伝達される伝達トルクに応じて
加圧力を変化させて付与する可変加圧機構を設けたこと
を特徴とする。
【0014】また、本発明の風力発電機用変速機(請求
項4)は、ロータと発電機との間に、ロータ側から固定
変速比型トラクションドライブと可変変速比型トラクシ
ョンドライブを順次配設したことを特徴とする。
【0015】また、本発明の風力発電機用変速機(請求
項5)は、可変加圧機構をトルクカムで構成したことを
特徴とする。
【0016】本発明の風力発電機用変速では、可変加圧
機構を設けることにより、伝達するトルクに応じて動力
伝達面における法線力を増減制御できるため、高負荷時
の伝達容量を満たし、かつ、低負荷時においては過剰な
法線力の発生を抑えることができる。これにより、接触
面に発生する転がり摩擦による損失や、スピンによる損
失を低く抑えることができるため、増速機の伝達効率と
疲労寿命を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態を図に
基づいて説明する。図1に示す如く、本発明に係る風力
発電機用変速機1は、遊星ローラ型トラクションドライ
ブ2とコーン型トラクションドライブを同軸上に組合わ
せたもので、これら2つのトラクションドライブ2,3
は共通の変速機ハウジング4内に収納されている。
【0018】風力発電機用変速機1には一般に変速比5
以上という、高い増速比が求められるが、風力発電機用
変速機1に固定変速型や無段変速型のトラクションドラ
イブを各単体で適用すると、構造上の限界から変速比1
0以上の高い変速比を得ることは困難である。このよう
な場合、固定変速機や無段変速機を複数段用いることで
高い変速比が得られるのである。特に、ロータ側から固
定変速比型トラクションドライブと可変変速比型トラク
ションドライブを順次配設すると、高変速比を有し、か
つ、なるべく小型な変速機を構築できる。
【0019】変速機1は、遊星ローラ型トラクションド
ライブ2の円盤状キャリア5が入力軸(低速軸)となり、
コーン型無段トラクションドライブ3のサンローラ軸6
が出力軸(高速軸)となる。図1では、遊星ローラ型トラ
クションドライブ2の高速側に可変加圧機構としてトル
クカム7が設けられており、コーン型無段トラクション
ドライブ3には低速側に可変加圧機構としてトルクカム
8が設けられている。これらトルクカム7,8は、図5
〜図7について後述するように低速側と高速側のいずれ
かにあるいは両方に設けてもよい。
【0020】遊星ローラ型トラクションドライブ2は、
詳しくは、遊星歯車を構成する各歯車を口ーラ又はリン
グ状部材に置換えたもので、その軸心が一致するように
配置されたサンローラ9およびアウタリング10と、こ
のサンローラ9とアウタリング10の間に形成される空
間に配置される複数(例えば6つ)の遊星ローラ11
と、その遊星ローラ11を円周方向に等間隔かつ回転自
在で、軸線方向には少しだけ移動可能に保持するキャリ
ア5とで構成される。
【0021】キャリア5の入力軸5aは軸受12を介し
てハウジング4に支持され、入力軸5aの外端が風力発
電機の図示しないロータ軸に連結されている。アウタリ
ング10は複数のボルト19によってハウジング4の中
隔壁4aに固定されてその円周方向の回転が拘束され、
これによりキャリア5とサンローラ9との間で動力が伝
達されるようになっている。サンローラ9は軸線方向で
均等2分割、すなわち図1で左側の第1サンローラ9a
と右側の第2サンローラ9bに分割されている。サンロ
ーラ9bを回転自在に貫通した高速回転軸13の一端は
キャリア5の中心部に回転自在に軸支され、高速回転軸
13の他端部は中隔壁4aに回転自在に支持されてい
る。
【0022】中隔壁4aにはコーン型トラクションドラ
イブ3方向に向けて筒状部4bが一体形成され、この筒
状部4b内に延びた遊星ローラ型トラクションドライブ
2の高速回転軸13と、コーン型トラクションドライブ
3の入力軸14とが、円筒状カプラ15にてトルク伝達
可能に連結されている。
【0023】高速回転軸13にはディスク16がセレー
ションを介して配設されている。このディスク16の背
面側は高速回転軸13と一体のフランジ部17に当接し
ている。ディクス16の前面側と第2サンローラ9bの
外側面には、図2に示すようなV字状切欠きを円周方向
(図2では上下方向)に複数形成したトルクカム7が設
けられ、トルクカム7相互間に鋼球18が挿入されてい
る。トルクカム7相互間の最大隙間は、図2(B)のよ
うにトルクカム7のカム面が形成された部材間の相対変
位が生じた場合でも鋼球18がV字状切欠きから完全に
は脱出不能な隙間に制限されている。第1及び第2サン
ローラ9a,9bと遊星ローラ11の間の動力伝達面は
テーパ面とされ、2つのサンローラ9a,9bが相互接
近するほど遊星ローラ11との法線力が増大し、ひいて
は遊星ローラ11とアウタリング10との法線力が増大
するようになっている。なお、第1サンローラ9aの背
面側は高速回転軸13に一体化されたストッパリング2
0に当接している。サンローラ9aの内周に設けたセレ
ーションと高速回転軸13の外周に設けたセレーション
の嵌合により両部材間のトルク伝達が行われ、トルクカ
ム7およびディスク16の内周に設けたセレーションと
高速回転軸13の外周に設けたセレーションの嵌合によ
り、サンローラ9bからトルクカム7およびディスク1
6を介して高速回転軸13にトルク伝達が行われる。ト
ルクカムは伝達トルクに応じた軸方向加圧力をサンロー
ラ9bに付与するとともに、高速回転軸13と一体とな
ったフランジ部17とストッパリング20を介してサン
ローラ9aにも軸方向加圧力を付与する。
【0024】コーン型トラクションドライブ3の入力軸
14は、前述の如く一端がカプラ15によって遊星ロー
ラ型トラクションドライブ2の高速回転軸13に連結さ
れ、この一端近傍が筒状部4bの内周面に軸受21を介
して支持され、他端がサンローラ軸6の軸端に回転自在
に軸支されている。入力軸14の中間部にはディクス2
2がセレーションを介して配設され、このディスク22
の背面側は軸受21の内輪側面に当接している。ディス
ク22に隣接して碗状のアウタリング23が入力軸14
に回転自在に配設され、ディクス22とアウタリング2
3の相互対向面に図2(A)(B)と同様のトルクカム
8が形成され、トルクカム8の間に鋼球24が挿入され
ている。アウタリング23とサンローラ32との間の環
状空間には、円周方向等配状体で複数(例えば3つ)の
コーン25が円周方向では定位置で自転可能に配設され
ている。これらコーン25は互いに平行な母線を有する
断面菱形の回転対称体であって、その中心を回転自在か
つスライド可能に貫通する軸26の両端部がキャリア2
7によって固定支持されている。キャリア27は入力軸
14の外周に軸線方向にスライド可能に嵌合されてい
る。この他キャリア27にはラック29が一体的に形成
されており、このラック29に噛合したピニオン30を
ハウジング4外に配設した駆動手段にて正転又は逆転さ
せることにより、コーン25外周面に対するアウタリン
グ23とサンローラ32の圧接位置を移動させることが
できるようになっている。図1には、入力軸24の上方
に増速比最小の時のコーン25の位置、下方に増速比最
大の時のコーン25の位置をそれぞれ図示する。サンロ
ーラ軸6は筒状部4cの内周に配設された軸受31で支
持され、ハウジング4外に突出したサンローラ軸6の端
部が図外の発電機のロータに連結される。
【0025】風力発電機用変速機1は以上のように構成
され、風を受けて回転する図外のロータによって遊星ロ
ーラ型トラクションドライブ2のキャリア5が回転され
ると、その回転数が遊星ローラ型トラクションドライブ
2とコーン型トラクションドライブ3によってそれぞれ
増速され、最終的にサンローラ軸6がキャリア5の回転
数に比べて最高で10数倍、最低で5倍前後の回転数で
回転する。この際、風速が定格よりも大きくなったり小
さくなったりすると、サンローラ軸6の回転数を検出す
る図外のセンサからの信号によりピニオン30が自動的
に駆動され、これによりコーン25の位置が軸線方向に
移動されることでサンローラ軸6の回転数が発電機にと
って最も効率的な回転数に維持される。
【0026】また、風速増大により伝達トルクが増大す
ると、遊星ローラ型トラクションドライブ2とコーン型
トラクションドライブ3のそれぞれのトルクカム7,8
が、図2(B)に示すようにその相互隙間を拡大する方
向に働き、遊星ローラ型トラクションドライブ2につい
ては第2サンローラ9bと遊星ローラ11との法線力が
増大し、ひいては遊星ローラ11とアウタリング10と
の法線力が増大する。また、コーン型トラクションドラ
イブ3ではアウタリング23が図1で右方に押圧される
結果コーン25との法線力が増大し、ひいてはコーン2
5とサンローラ32との法線力が増大する。これによ
り、遊星ローラ型トラクションドライブ2とコーン型ト
ラクションドライブ3のそれぞれで動力伝達面での滑り
が抑制されて確実な動力伝達がなされる。
【0027】以上と反対に風速低下により伝達トルクが
減少すると、遊星ローラ型トラクションドライブ2とコ
ーン型トラクションドライブ3のそれぞれのトルクカム
7,8が、図2(A)に示すようにその相互隙間を縮小
する方向に働き、遊星ローラ型トラクションドライブ2
については第2サンローラ9bと遊星ローラ11との法
線力が減少し、ひいては遊星ローラ11とアウタリング
10との法線力が減少する。また、コーン型トラクショ
ンドライブ3ではアウタリング23が図1で右方に押圧
される力が減少する結果コーン25との法線力が減少
し、ひいてはコーン25とサンローラ32との法線力が
減少する。これにより、遊星ローラ型トラクションドラ
イブ2とコーン型トラクションドライブ3のそれぞれで
動力伝達面での法線力が適度に低減され、過剰な転がり
摩擦による動力損失の発生防止と遊星ローラ11やコー
ン25などのトラクション部材の転動疲労寿命を向上さ
せることができる。さらに、コーン型トラクションドラ
イブ3についてはコーン25とアウタリング23との接
触部あるいはコーン25とサンローラ32との接触部で
生じるスピンによる動力損失を低減できる。
【0028】以上、本発明の一実施形態につき説明した
が、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の
変形が可能である。例えば前記実施形態では可変加圧機
構としてトルクカム7,8を使用したが、可変加圧機構
としてはトルクカム7,8の他に油圧又は電磁力などを
使用したものでもよい。また、図2に示す対向面間に係
合部材を介在させるトルクカム7,8に代えて、図3又
は図4に示すようなカム面が互いに接触するフェイスカ
ム33,34を用いてもよい。
【0029】また、前記実施形態ではコーン型トラクシ
ョンドライブ3の可変加圧機構をトルクカム8の入力側
であって入力軸14に近接した位置に配設したが、図5
のようにアウタリング23の縁部と別体アウタリング3
5との間にトルクカム36を配設してもよいし、図6の
ようにコーン型トラクションドライブ3の出力側でサン
ローラ32とディクス37との間にトルクカム38を配
設してもよい。この場合、ディスク37はサンローラ軸
6に固定し、サンローラ32はサンローラ軸6に回転自
在および軸方向移動自在に配設する。また、図7のよう
にトルクカム36,38をコーン型トラクションドライ
ブ3の入力側と出力側の両方に配設してもよい。
【0030】なお、図5〜図7でアウタリング23を入
力軸14と一体形成すること、サンローラ32をサンロ
ーラ軸6と一体形成すること、図6と図7でディスク3
7をサンローラ軸6と一体形成することも可能である。
【0031】また、前記実施形態では無段変速型トラク
ションドライブとしてコーン型トラクションドライブ3
を用いたが、無段変速型トラクションドライブとしては
この他にトロイダル型無段変速機を使用可能であり、例
えば図8(A)に示すようなハーフトロイダル型無段変
速機39や、図8(B)に示すようなフルトロイダル型
無段変速機40を使用可能である。また3K型遊星歯車
機構をトラクションドライブに応用したRX型無段変速
機などを使用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明は前述の如く、トラクション部材
間の動力伝達面に前記ロータ側から発電機側に伝達され
る伝達トルクに応じて加圧力を変化させて付与する可変
加圧機構を設けたので、高負荷時の伝達容量を満たし、
かつ、低負荷時においては過剰な法線力の発生を抑える
ことができて、接触面に発生する転がり摩擦による損失
やスピンによる損失を低く抑えることができ、増速機の
伝達効率と疲労寿命を向上させることができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る風力発電機用変速機の縦断面
図。
【図2】 (A)(B)はトルクカムの断面図。
【図3】 トルクカムの変形例であるフェイスカムの斜
視図。
【図4】 トルクカムの変形例であるフェイスカムの斜
視図。
【図5】 コーン型トラクションドライブの断面図。
【図6】 コーン型トラクションドライブの断面図。
【図7】 コーン型トラクションドライブの断面図。
【図8】 (A)はハーフトロイダル型無段変速機の断
面図、(B)はフルトロイダル型無段変速機の断面図。
【図9】 一般的風力発電機の側面図。
【図10】 年平均風速に対する風速分布曲線図。
【図11】 遊星ローラ型トラクションドライブの断面
図。
【符号の説明】
1 風力発電機用変速機 2 遊星ローラ型トラクションドライブ 3 コーン型無段トラクションドライブ 4 変速機ハウジング 4a 中隔壁 4b 筒状部 4c 筒状部 5 キャリア 5a 入力軸 6 サンローラ軸 7 トルクカム 7,8 トルクカム 9 サンローラ 10 アウタリング 11 遊星ローラ 12 軸受 13 高速回転軸 14 入力軸 15 カプラ 16 ディクス 17 フランジ部 18 鋼球 19 ボルト 20 ストッパリング 21 軸受 22 ディクス 23 アウタリング 24 鋼球 25 コーン 26 軸 27 キャリア 29 ラック 30 ピニオン 31 軸受 32 サンローラ 33,34 フェイスカム 35 アウタリング 36,38 トルクカム 37 ディクス 39 ハーフトロイダル型無段変速機 40 フルトロイダル型無段変速機 51 風車 52 発電機 53 増速機 54 ナセル 55 支柱 56 アウタリング 57 遊星ローラ 58 サンローラ 59 弾性リング 60 押えプレート
フロントページの続き Fターム(参考) 3H078 AA02 AA26 BB11 BB12 BB13 CC13 CC22 3J051 AA01 AA03 AA09 BA03 BA07 BB02 BB08 BC01 BC03 BD02 BE01 BE05 BE09 CB05 EA06 EB01 EB02 ED20 FA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風を受けて回転するロータと、前記ロ一
    夕の回転力により発電する発電機とを備えた風力発電機
    の前記ロ一夕と発電機との間に介設される風力発電機用
    変速機において、 少なくとも一つのトラクションドライブを有し、そのト
    ラクション部材間の動力伝達面に前記ロータ側から発電
    機側に伝達される伝達トルクに応じて加圧力を変化させ
    て付与する可変加圧機構を設けたことを特徴とする風力
    発電機用変速機。
  2. 【請求項2】 トラクションドライブが遊星ローラ型ト
    ラクションドライブであって、この遊星ローラ型トラク
    ションドライブのトラクション部材であるサンローラ、
    遊星ローラ及びアウタリングの少なくとも一つの動力伝
    達面に前記ロータ側から発電機側に伝達される伝達トル
    クに応じて加圧力を変化させて付与する可変加圧機構を
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の風力発電機用
    変速機。
  3. 【請求項3】 トラクションドライブがコーン型トラク
    ションドライブであって、このコーン型トラクションド
    ライブのトラクション部材であるサンローラ、コーン、
    アウタリングの少なくとも一つの動力伝達面に前記ロー
    タ側から発電機側に伝達される伝達トルクに応じて加圧
    力を変化させて付与する可変加圧機構を設けたことを特
    徴とする請求項1に記載の風力発電機用変速機。
  4. 【請求項4】 ロータと発電機との間に、ロータ側から
    固定変速比型トラクションドライブと可変変速比型トラ
    クションドライブを順次配設したことを特徴とする請求
    項1から3のいずれか記載の風力発電機用変速機。
  5. 【請求項5】 前記可変加圧機構をトルクカムで構成し
    たことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の風
    力発電機用変速機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105084181A (zh) * 2014-05-14 2015-11-25 株式会社日立制作所 行星滚轮减速机和使用它的电梯
WO2018110197A1 (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 Ntn株式会社 駆動モジュール
WO2018209061A1 (en) * 2017-05-11 2018-11-15 Dana Limited Axial clamp force assembly for a ball variator continuously variable transmission

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