JP2003064826A - 換気用棟瓦、棟換気装置及びこれらを用いた棟換気構造 - Google Patents

換気用棟瓦、棟換気装置及びこれらを用いた棟換気構造

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JP2003064826A JP2001255636A JP2001255636A JP2003064826A JP 2003064826 A JP2003064826 A JP 2003064826A JP 2001255636 A JP2001255636 A JP 2001255636A JP 2001255636 A JP2001255636 A JP 2001255636A JP 2003064826 A JP2003064826 A JP 2003064826A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、作業性が大巾に改善された換
気用棟瓦及び棟換気構造を安価に提供する。 【解決手段】 屋根材18の頂部に設けられた棟開口部
19を跨ぐようにして棟換気装置17が配設され、その
取付部15は屋根材18に釘等によって固定される。ま
た、屋根材18には屋根瓦20が敷設され、この後屋根
瓦20の略上端部にシール材21を介して棟瓦ユニット
1を順次配設するとともに、棟瓦ユニット1の頂部から
ビス22を差し込み棟換気装置17の固定部16に固定
する。室内空気は棟開口部19、内換気口11、外換気
口13と進み、換気路5を通過し、換気排出口6から外
部へ排出される。また、降雨時に換気排出溝6から侵入
した雨水は、換気路5内に形成される傾斜溝8に沿って
流れ落ち室内への侵入が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般住宅をはじめ
とする瓦葺き屋根の建物に供する換気用棟瓦、棟換気装
置及びこれらを用いた棟換気構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、換気用棟瓦としては、例えば、特
開平11−172858号公報に記載の如く、家屋の棟
頂上に敷設される棟瓦であって、下段に位置する瓦の略
中央部に通気孔を有する矩形の突起(凸部)を設け、こ
の瓦に重ねられる2段目に位置する瓦の前後両端の辺縁
には、下段の瓦の矩形の突起(凸部)に係合する矩形の
切欠(凹部)が形成され、この突起と切欠との係合によ
り、重ねた上段の瓦が左右前後にずれるのを防止し、さ
らに、2段目の瓦の表面には階段状の突状が設けられ、
3段目に重ねられる瓦との間に通気可能な間隙を生じせ
しめるように形成されている。そして、屋根裏に滞留す
る熱気や臭気等は、下段の瓦に設けられた通気孔及び2
段目と3段目の瓦の間に形成された間隙を通して排出さ
れ換気を行うものである。
【0003】また、他の従来の棟換気構造としては、図
11に示したものが提案されている。図11において、
野地板、ルーフィング等の屋根下地材24の上に設けら
れた桟木25に、一端が引っ掛かるようにして屋根瓦2
6が敷設される。屋根下地材24の頂上には室内空気が
上昇気流となって通過するように棟開口部27が設けら
れ、この棟開口部27の上部には、棟木28を支持する
と共に室内空気を換気する棟木支持兼換気構造体29
が、その脚部30によって屋根下地材24に釘(図示せ
ず)などによって固定されている。また、この棟木支持
兼換気構造体29には、空気が通過する換気孔31A、
31B、31Cが穿設されている。
【0004】そして、棟瓦32はパッキン付き固定ネジ
33によって棟木28に固定される一方、棟瓦32の傾
斜下面に沿ってこの下面と通路を形成するように通路形
成部材34が配設され、その上端部35は釘等(図示せ
ず)によって棟木28に固定される。また、下端部36
は密封部材として屋根瓦26の上に適宜盛土した葺土3
7に着接すると共に棟瓦32の先端部38に当接するよ
うに配設される。そして、通路形成部材34にも空気が
通過する換気孔31D、31Eが穿設される。このよう
な構成において、熱気となって下から上昇してくる室内
空気は、図11に矢印で示したように、棟開口部27、
各換気孔31A、31B、31C、31D、31Eを順
次通って、最後は棟瓦の先端部38を包みこむようにし
て外部に排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た前者の換気用棟瓦にあっては、棟瓦の形状が積み重ね
られる段毎に異なるため、複雑な形状のものを数種類備
えておく必要があり、したがって、製造型の管理から完
成品の保管管理が煩雑となるばかりでなく、施工工事が
複雑で高価なものとなり、高級住宅に限定される傾向に
ある。また一般的に強度、素材コストの点から下段の瓦
に設けられる矩形の突起や、この突起に嵌合する2段目
の瓦の切欠等の大きさには限度があるため、突起に設け
られる通気孔は自から小さいものとなり、従って換気量
という観点からすれば、必ずしも十分と言えるものでは
なかった。
【0006】また、上述のような多重ねの換気用棟瓦を
利用しない後者の棟換気構造においては、単純な山型形
状の棟瓦32の下に換気路を形成しているために、瓦素
材とは異質の、例えば金属板製による通路形成部材34
が必要であり、また、これを固定する手段として棟木2
8が必要であった。その結果、構造、施工工事が複雑に
なり、いきおいコストアップとならざるを得ないという
問題を包含していた。また、換気路を通して雨水が入り
易く、たとえ室内に入らなくても屋根下地材を濡らし、
腐らせたりして耐久性を低下させる恐れがあり、さら
に、このような形態の棟換気構造では寄棟作りの屋根等
の隅棟部分には雨水が入り易いことから適用しにくく、
その分、換気量が低下するという課題があった。
【0007】本発明は、上記課題に鑑み、簡単な構造で
施工作業性が容易であり、十分な換気量が得られ、また
寄棟作りの屋根にも容易に適用出来る換気用棟瓦、棟換
気装置及びこれらを用いた棟換気構造を安価に提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1は、少なくとも1個の上向きの制御突
起を有する内部材と、該内部材を覆い得る外部材とが連
接されてなる棟瓦ユニットからなり、一の棟瓦ユニット
の内部材を他の棟瓦ユニットの外部材が覆うように重合
させ、外部材と内部材との間に換気路を形成することを
特徴とする換気用棟瓦を内容とする(請求項1)。
【0009】好ましい態様としての請求項2は、外部材
に少なくとも1個の下向きの制御突起を設け、該下向き
の制御突起と、内部材の上向きの制御突起とがジグザグ
状の換気路を形成する請求項1記載の換気用棟瓦であ
る。
【0010】好ましい態様としての請求項3は、内部材
が外部材の方向に向かって斜降する請求項1又は2記載
の換気用棟瓦である。
【0011】好ましい態様としての請求項4は、換気路
形成用スペーサーを設けた請求項1〜3のいずれか1項
に記載の換気用棟瓦である。
【0012】好ましい態様としての請求項5は、換気路
に通気性隔壁を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記
載の換気用棟瓦である。
【0013】また、本発明の第2は、換気口を有する内
門型部材と換気口を有する外門型部材とが下部で取付部
により一体化されるとともに、該外門型部材の上部に固
定部を設けたことを特徴とする棟換気装置を内容とする
(請求項6)。
【0014】好ましい態様としての請求項7は、内門型
部材の換気口と外門型部材の換気口とが重ならないよう
に形成されている請求項6記載の棟換気装置である。
【0015】好ましい態様としての請求項8は、固定部
が少なくとも2層の積層構造からなる請求項6又は7記
載の棟換気装置である。
【0016】好ましい態様としての請求項9は、アルミ
又は樹脂を押出成形したものである請求項6〜8のいず
れか1項に記載の棟換気装置である。
【0017】更に、本発明の第3は、換気口を有する内
門型部材と換気口を有する外門型部材とが下部で取付部
により一体化され、該外門型部材の上部に固定部を設け
た棟換気装置の取付部を屋根下地材に取り付けるととも
に、少なくとも1個の上向きの制御突起を有する内部材
と、該内部材を覆い得る外部材とが連接されてなる棟瓦
ユニットからなり、一の棟瓦ユニットの内部材を他の棟
瓦ユニットの外部材が覆うように重合させ、外部材と内
部材との間に換気路を形成する換気用棟瓦を、前記棟換
気装置の固定部にビス等の固定手段により固定したこと
を特徴とする棟換気構造を内容とする(請求項9)。
【0018】好ましい態様としての請求項11は、一の
棟瓦ユニットと他の棟瓦ユニットとの間にスペーサーを
介装した請求項10記載の棟換気構造である。
【0019】
【作用】本発明の換気用棟瓦は、一の棟瓦ユニットの内
部材を他の棟瓦ユニットの外部材が覆うように重合さ
せ、この外部材と内部材との間に換気路を形成している
ので、1種類の棟瓦で済み(両端の棟瓦を加えても3種
類)、その結果、製造型の管理や、完成品の在庫管理が
容易であるとともに、施工工事が容易になる。
【0020】また、本発明の換気用棟瓦は、外部材と、
内部材の上向きの制御突起とで形成される換気路は、そ
の外部と接する部分は略水平方向に形成されるため、外
部から強い風雨が換気用棟瓦に当たっても、風の方向と
換気路の方向とが略90度異なるため換気路の中に風雨
が入りにくく、仮に入ったとしても、空気だけは通過
し、雨水は上向きの制御突起で侵入を阻止され、該制御
突起で形成される傾斜溝に沿って流れ落ちる。
【0021】また、外部材に下向きの制御突起を設ける
ことにより、該下向きの制御突起と内部材の上向きの制
御突起とでジグザグ状の換気路が形成され、止水性・排
水性及び風の制御性は一層高められる。更に、内部材を
外部材の方向に向かって斜降するように形成することに
より、止水性・排水性及び風の制御性は尚一層向上す
る。
【0022】更に、換気路形成用スペーサーを設けるこ
とにより、棟瓦ユニット同士の重合が容易になり、作業
性は大巾に向上するとともに、所定のサイズの換気路が
容易に形成される。更にまた、換気路に通気性隔壁を設
けることにより、小鳥、蜂等の昆虫の侵入や営巣を防止
することができる。
【0023】また、本発明の棟換気装置は、内門型部材
と外門型部材とが一体化されるとともに、外門型部材の
上部に固定部を設けたことにより、構造が極めて簡略化
され、強度も充分である。
【0024】更に、本発明の棟換気構造は、棟木を必要
とすることなく、上記換気用棟瓦を上記棟換気装置の固
定部に直接固定できるので、施行作業性は飛躍的に向上
し、安価な棟換気構造が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0026】実施例1 本発明の実施例1における換気用棟瓦について説明す
る。図1(a)は、棟瓦ユニットが連接された状態を示
す側面図、図1(b)は、その側断面図、図1(c)
は、X−X線断面図、図1(d)は、Y−Y線断面図、
また図1(e)は、棟瓦ユニットの斜視図である。
【0027】図1(b)に示したように、棟瓦ユニット
1は内部材2と該内部材2を覆い得る外部材4とからな
り、内部材2には2個の上向きの制御突起3が設けら
れ、一の棟瓦ユニット1の内部材2を、他の棟瓦ユニッ
ト1の外部材4が覆うように重合することにより連接
し、外部材4と内部材2との間に換気路5を形成してい
る。換気路5の幅は換気用棟瓦の形状や大きさにより一
概に規定できないが、通常2〜30mm、好ましくは5
〜15mm程度である。この場合、換気用棟瓦の1m当
りの換気口面積は、約50〜150cm2 /mとなる。
【0028】そして、下方(室内)からの上昇気流はそ
れぞれの換気路5を通過し換気排出口6から外部へ排出
される。一方、この換気排出口6から雨水が侵入した場
合は内部材2に設けた制御突起3により阻止され、図1
(b)、(e)から明らかなように、内部材2と外部材
4との接合している接合壁7と内部材2の上向きの制御
突起3とで形成される傾斜溝8、あるいは上向きの制御
突起間で形成される傾斜溝8にそって流下し外部へ排出
される。棟瓦ユニットは、通常の粘土や陶器の他、セメ
ント・コンクリート(繊維強化)、スレート、アルミや
ステンレス等の金属、不燃性・難燃性プラスチック等か
ら作られるが、これらに限定されない。なお、このよう
に連接された棟瓦ユニット1の左右端部の棟瓦として
は、図1(b)に示したように左右別々の異なった形状
の端棟瓦9が用いられるが、適当な形状の金属製や不燃
性・難燃性プラスチック製のものをエンドキャップとし
て用いることもできる。
【0029】実施例2 図2(a)、(b)に示すように、実施例1において、
外部材4に1個の下向きの制御突起3が設けられた他は
実施例1と同様の構成からなる。この場合は、換気路5
は、内部材2の上向きの制御突起3と外部材4の下向き
の制御突起3とによりジグザグ状に形成され、外部から
の風雨が一層効果的に制御される。
【0030】実施例3 図3に示すように、実施例1において、山型形状を半円
形状に変更した他は実施例1の場合と同様である。この
ような形態の棟瓦ユニットは、従来の和風的屋根に一層
マッチングするだけではなく、換気路5の下方部は真下
方向に向いているので、換気排出の際に受ける横風の影
響がそれだけ少なくて済むという効果がある。
【0031】実施例4 図4に示すように、実施例2において、内部材2を外部
材4の方向に向かって斜降する形態とした他は実施例1
の場合と同様である。このような斜降形態にすることに
より、止水性・排水性及び制御性がより強化され、例え
ば、台風の時のような大雨の際等に換気排出口6から多
量の雨水が侵入しても効果的に阻止される。また、この
種の換気用棟瓦を用いれば、建物の棟部の一部が傾斜し
ている寄せ棟作りの家にも容易に対応することができ
る。
【0032】実施例5 図5に示すように、実施例2において、通気路5の換気
排出口6の近くに通気性隔壁10を設けた他は実施例1
の場合と同様である。このように構成することにより、
小鳥あるいは蜂等の昆虫が侵入したり、営巣することに
より換気路5が閉塞されることが防止される。通気性隔
壁10の形成手法としては、内部材2または外部材4の
どちらか一方に、図示したように、棟瓦の製造時に一体
的に網状体を形成してもよいし、後で金属、プラスチッ
ク、繊維等からなる網等を張設するようにしても良い。
【0033】実施例6 図6の(a)、(b)に示すように、実施例2におい
て、外部材4の内部材2側に換気路形成用スペーサー2
3aを突設した他は実施例2と同様である。このような
スペーサー23aを設けることにより、棟瓦ユニットの
重合作業が容易になり作業効率が大巾に高められるとと
もに、一定の幅の換気排出口6が容易に形成される。
尚、概スペーサーは、内部材2のaに設けても、また外
部材4のbに設けてもよい。
【0034】実施例7 図7は、長手方向に対して直角に切断した棟換気装置の
断面図である。即ち、棟換気装置17は、内換気口11
を有する内側門型部材12と、この内側門型部材12の
外側に設けられ外換気口13を有する外側門型部材14
とが下部で取付部15により一体化されるとともに、外
側門型部材14の上部に固定部16を設けた構成からな
っている。
【0035】内換気口11と外換気口13とは、互いに
重ならないように上下位置がずれており、換気流の流れ
は必ずUターンしながらして流れるように構成されてい
る。このような形態にすることによって、逆流時、例え
ば風雨が瞬間的に逆流した際等においては、雨水成分は
各部材の壁に当たって排除され、内部への侵入が阻止さ
れる。また、図示したように、外側門型部材14の上部
に設けた固定部16を他の部分よりも厚めにしておくこ
とにより、ビス等により強固に固定することが可能とな
る。
【0036】棟換気装置17は、アルミ等の金属の他、
プラスチック(ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、スチ
レン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等)の
押出成形によるものが強度的、コスト的にも好適であ
る。内外換気口は、押出成形した後に穿設加工される。
換気口の開口面積は、内換気口と外換気口は略等しい方
が好ましく、1m当りの開口面積は、実用上、約150
cm2 /m程度に設定・加工されるのが好ましい。
【0037】実施例8 棟換気装置17の他の形態を、図8(a)、(b)に基
ずいて説明する。図から明らかのように、外側門型部材
14の上部に設けられた固定部16は3重の積層構造に
形成されている。このように、実施例7で示した厚肉部
とする代わりに少なくとも2層の積層構造とすることに
よって、ビス等による固定力を一層大きくすることが可
能となる。
【0038】また図8(a)、(b)は、内側門型部材
12の内換気口11と、外側門型部材14に設けられた
外換気口13の位置関係が互いに長さ方向にずれている
状態を示したもので、図8(a)は、内換気口11が断
面になるように、図8(b)は、外換気口13が断面に
なるように構成されていることを示す(なお、図示され
た断面からずれた換気口は、それぞれ破線で示されてい
る)。
【0039】このような構成とすれば、内換気口11か
ら入った空気は、一端、長手方向にずれてから外換気口
13から排出されることになり、また、外換気口13か
ら、万一、例えば風雨が瞬間的に逆流した際等には、雨
水は内側門型部材12の壁に当たって侵入を阻止され、
一方、風は適度に減衰される。一般的には、棟換気装置
を取り付けた後、換気用棟瓦を取り付けるまでに1〜2
週間程度を必要とするが、このような構成とすることに
より、棟換気装置を取り付けた後、換気用棟瓦を取り付
けるまでの間に室内に雨水が入るようなことは殆どな
い。
【0040】実施例9 図9により、上記した換気用棟瓦及び棟換気装置を用い
た棟換気構造について説明する。図9は棟換気構造の局
部断面図であり、切妻状に形成された野地板、ルーフィ
ング等の屋根下地材18の頂部には棟開口部19が設け
られ、この棟開口部19を跨ぐようにして棟換気装置1
7が配設され、その取付部15は屋根下地材18に釘
(図示せず)等によって固定される。また、屋根下地材
18には屋根瓦20が敷設され、この後、屋根瓦20の
略上端部に葺土等の密封部材(シール材)21を適宜配
置しながら、この上に棟瓦ユニット1を順次配設すると
ともに、棟瓦ユニット1の頂部からシール材(開示せ
ず)を介してビス22を差し込み棟換気装置17の固定
部16に固定する。尚、この場合、図示したように、ビ
ス22を3層からなる固定部16の2層まで差し込み固
定するようにすれば、万一、ビス22を伝って雨水が入
り込んでも3層目で受け止められ目地等から排出され、
室内への侵入が阻止されるので好都合である。
【0041】なお、棟瓦ユニット1を重合・配設する
際、前記した換気路形成用スペーサーを設けていない棟
瓦を使用する場合は、図10に示すように、排気排出口
6となる間隙に所定寸法のスペーサー23aを介装しな
がら重合すれば効率良く施工できる。
【0042】このような構成の棟換気構造においては、
室内空気は棟開口部19、内換気口11、外換気口13
と進み、そのまま上昇気流となって棟瓦ユニット1の内
部材2と外部材4で形成される換気路5を通過し、換気
排出口6から排出される。また、降雨時には換気路5内
に形成される傾斜溝8(図1の(e)参照)に沿って雨
水が流れ落ち室内への侵入を阻止される。
【0043】
【発明の効果】叙上のように、本発明の換気用棟瓦は、
一の棟瓦ユニットの内部材を他の棟瓦ユニットの外部材
が覆うように重合させ、外部材と内部材との間に換気路
を形成させるので、構造が極めて簡単であり、施工工事
も極めて容易である。また1種類の棟瓦で済み(両端の
棟瓦をいれても3種類)、従って瓦製造型の管理や、完
成品の在庫管理が容易になる。
【0044】また、本発明の換気用棟瓦においては、外
部材と、内部材の上向きの制御突起とで形成される換気
路は、その外部と接する部分は略水平方向に形成される
ため、外部から強い風雨が換気用棟瓦に当たっても、風
の方向と換気路の方向とが略90度異なるため換気路の
中に風雨が入りにくく、仮に入ったとしても、空気だけ
は通過し、雨水は上向きの制御突起で侵入を阻止され、
該制御突起で形成される傾斜溝に沿って流れ落ちる。
【0045】また、外部材に下向きの制御突起を設ける
ことにより、該下向きの制御突起と内部材の上向きの制
御突起とでジグザグ状の換気路が形成され、止水性・排
水性及び風の制御性は一層高められる。更に、内部材を
外部材の方向に向かって斜降するように形成することに
より、止水性・排水性及び風の制御性は尚一層向上す
る。
【0046】更に、換気路形成用スペーサーを設けるこ
とにより、棟瓦ユニット同士の重合が容易になり、作業
性は大巾に向上するとともに、所定のサイズの換気路が
容易に形成される。更にまた、換気路に通気性隔壁を設
けることにより、小鳥、蜂等の昆虫の侵入や営巣を防止
することができる。
【0047】また、本発明の棟換気装置は、内門型部材
と外門型部材とが一体化されるとともに、外門型部材の
上部に固定部を設けたことにより、構造が極めて簡略化
され、強度も充分である。
【0048】更に、本発明の棟換気装置は、棟木に代わ
る固定部を内蔵しているので、別途棟木を準備する必要
がなく、上記換気用棟瓦を上記棟換気装置の固定部に直
接固定できるので、施工作業性は飛躍的に向上する。更
に、アルミや樹脂の押出成形により一体化できるので、
安価な棟換気装置を提供することが可能となる。
【0049】また、上記換気用棟瓦と棟換気装置とから
なる本発明の棟換気構造は、棟換気装置の内部材と外部
材の制御突起で換気路が形成されるので室内空気はこの
中を通過させて外部に排出し、一方、外部からの雨水は
上向きの制御突起で形成される傾斜溝に沿い流れ落ち、
室内への侵入が阻止される。
【0050】以上のように本発明は、これまで必要とさ
れた棟木や通路形成用部材が不要であるので施工部材が
少なく、従って、構造が極めて簡略化され、施工作業性
は飛躍的に向上する。また、本発明は切妻だけではな
く、寄せ棟作りにも簡単に適用することができる。尚、
本発明の換気用棟瓦を寄せ棟作りの角棟部分に適用する
場合は、内部材が水上側に、外部材が水下側にして取り
付けることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 棟瓦ユニットの一例を示し、該ユニッ
トが連接された状態を示す外観図である。 (b) 同棟瓦ユニット側断面図である。 (c) 図1(b)のX−X線断面図である。 (d) 図1(b)のY−Y線断面図である。 (e) 棟瓦ユニットの斜視図である。
【図2】(a) 棟瓦ユニットの他の一例を示し、該ユ
ニットが連接された状態を示す外観図である。 (b) 同棟瓦ユニット側断面図である。
【図3】棟瓦ユニットの更に他の例を示し、形状を半円
形状にした形態の断面図である。
【図4】棟瓦ユニットの別の例を示し、内部材が外部材
へ向かって斜降する形態の側断面図である。
【図5】棟瓦ユニットの更に別の例を示し、換気路に通
気性隔壁を設けた形態の側断面図である。
【図6】(a) 棟瓦ユニットの更に別の例を示し、換
気路形成用スペーサーを設けた形状の棟瓦ユニットが連
接された状態を示す外観図である。 (b) 同棟瓦ユニットの斜視図である。
【図7】棟換気装置の一例を示す断面図である。
【図8】(a)棟換気装置の他の例を示し、固定部を3
層構造とし、内換気口で切断した状態を示す断面図であ
る。 (b)同装置の外換気口で切断した状態を示す断面図で
ある。
【図9】棟換気構造の一例を示す断面図である。
【図10】棟瓦ユニットにスペーサーを設けた状態を示
す側面図である。
【図11】従来の棟換気構造の断面図である。
【符号の説明】
1 棟瓦ユニット 2 内部材 3 制御突起 4 外部材 5 換気路 6 換気排出口 7 接合壁 8 傾斜溝 9 端棟瓦 10 通気性隔壁 11 内換気口 12 内側門型部材 13 外換気口 14 外側門型部材 15 取付部 16 固定部 17 棟換気装置 18 屋根下地材 19 棟開口部 20 屋根瓦 21 密封部材 22 ビス 23 換気路形成用スペーサー 23a スペーサー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個の上向きの制御突起を有
    する内部材と、該内部材を覆い得る外部材とが連接され
    てなる棟瓦ユニットからなり、一の棟瓦ユニットの内部
    材を他の棟瓦ユニットの外部材が覆うように重合させ、
    外部材と内部材との間に換気路を形成することを特徴と
    する換気用棟瓦。
  2. 【請求項2】 外部材に少なくとも1個の下向きの制御
    突起を設け、該下向きの制御突起と、内部材の上向きの
    制御突起とがジグザグ状の換気路を形成する請求項1記
    載の換気用棟瓦。
  3. 【請求項3】 内部材が外部材の方向に向かって斜降す
    る請求項1又は2記載の換気用棟瓦。
  4. 【請求項4】 換気路形成用スペーサーを設けた請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の換気用棟瓦。
  5. 【請求項5】 換気路に通気性隔壁を設けた請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の換気用棟瓦。
  6. 【請求項6】 換気口を有する内門型部材と換気口を有
    する外門型部材とが下部で取付部により一体化されると
    ともに、該外門型部材の上部に固定部を設けたことを特
    徴とする棟換気装置。
  7. 【請求項7】 内門型部材の換気口と外門型部材の換気
    口とが重ならないように形成されている請求項6記載の
    棟換気装置。
  8. 【請求項8】 固定部が少なくとも2層の積層構造から
    なる請求項6又は7記載の棟換気装置。
  9. 【請求項9】 アルミ又は樹脂を押出成形したものであ
    る請求項6〜8のいずれか1項に記載の棟換気装置。
  10. 【請求項10】 換気口を有する内門型部材と換気口を
    有する外門型部材とが下部で取付部により一体化され、
    該外門型部材の上部に固定部を設けた棟換気装置の取付
    部を屋根下地材に取り付けるとともに、少なくとも1個
    の上向きの制御突起を有する内部材と、該内部材を覆い
    得る外部材とが連接されてなる棟瓦ユニットからなり、
    一の棟瓦ユニットの内部材を他の棟瓦ユニットの外部材
    が覆うように重合させ、外部材と内部材との間に換気路
    を形成する換気用棟瓦を、前記棟換気装置の固定部にビ
    ス等の固定手段により固定したことを特徴とする棟換気
    構造。
  11. 【請求項11】 一の棟瓦ユニットと他の棟瓦ユニット
    との間にスペーサーを介装した請求項10記載の棟換気
    構造。
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